説明

空気調和機

【課題】集塵フィルターの清掃作業を容易に行うことができる空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体内に、集塵フィルター21、送風ファン及び送風ファンを駆動する為のモーターが配設された空気調和機において、集塵フィルター21に付着した塵埃等を除去する清掃体5を有し、この清掃体5は、集塵フィルター21に接触して移動可能であると共に、清掃体5の移動を手動にて操作可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の空気を吸い込み、この吸い込んだ空気を浄化した後、室内に吹き出す空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気調和機は、吸気口側から順に集塵フィルター、脱臭フィルターが設けられ、モーターに取り付けられた送風ファンによって吸気口から吸引された塵埃を含む空気を集塵フィルターと脱臭フィルターを通過させて浄化し、送風口から外部に排出する構成になっているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−5011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、定期的に集塵フィルターに付着した塵埃を取り除く必要があり、前カバーを外して、集塵フィルターを取り出し、ブラシや掃除機などで塵埃を除去する作業を必要としていた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、集塵フィルターの清掃作業を容易に行うことができる空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体内に、集塵フィルター、送風ファン及び送風ファンを駆動する為のモーターが配設された空気調和機において、該空気調和機は、前記集塵フィルターに付着した塵埃等を除去する清掃体を有し、該清掃体は、前記集塵フィルターに接触して移動可能であると共に、該清掃体の移動を手動にて操作可能なことに特徴を有する。したがって、空気調和機の内部に清掃体を内蔵しているので、集塵フィルターの清掃時に前カバーを取り外す必要がない。また、清掃体を手動で動かすために、電動モーターや、ベルト等の大掛かりな装置を必要としないので、コストアップを抑えることができると共に、空気調和機を小型化できる。
【0007】
請求項2の発明は、空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体内に、集塵フィルター、送風ファン及び送風ファンを駆動する為のモーターが配設された空気調和機において、該空気調和機は、前記集塵フィルターに付着した塵埃等を除去する清掃体を有し、前記集塵フィルターは、前記清掃体に接触して移動可能であると共に、前記集塵フィルターの移動を手動にて操作可能なことに特徴を有する。したがって、空気調和機の内部に清掃体を内蔵しているので、集塵フィルターの清掃時に前カバーを取り外す必要がない。また、集塵フィルターを手動で動かすために、電動モーターや、ベルト等の大掛かりな装置を必要としないので、コストアップを抑えることができると共に、空気調和機を小型化できる。また、清掃体が動かないので、該清掃体の耐久性を増大させることができる。さらに、集塵フィルターが空気調和機外部に露出する為、フィルターの清掃状体が一目で確認できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の空気清浄機において、集塵フィルターにおける吸入空気が通過する下流側の面に、塵埃突出し手段を配したことに特徴を有する。したがって、塵埃突出し手段によって、集塵フィルターの内部に付着した塵埃を集塵フィルターの上流側表面に浮き上らせた後、清掃体によって掃くことができるので、清掃効果の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1及び2の発明は、空気調和機の内部に清掃体を内蔵しているので、集塵フィルターの清掃時に前カバーを取り外す必要がない。また、清掃体又は集塵フィルターを手動で動かすために、電動モーターや、ベルト等の大掛かりな装置を必要としないので、コストアップを抑えることができる。また、請求項3の発明は、塵埃突出し手段によって、集塵フィルターの内部に付着した塵埃を除去することができるので、清掃効果の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の第1実施形態を図1〜図6を用いて説明する。図1は本発明の空気調和機の正面図である。図2は同空気調和機の前カバーを取り外した状態での正面図である。図3は同空気調和機の側面縦断面図である。
【0011】
空気調和機40の本体ケース1は合成樹脂にて形成されており、図3に示すように前面側を開口する後ケース3と、この後ケース3に着脱自在に装着される前カバー4とから構成されている。
【0012】
前カバー4には図1に示すように吸気口となる多数の鎧戸状の孔6が形成されており、この孔6から本体ケース1内に空気が取り込まれる。また、前カバー4の下端には、図3に示すように後ケース3の前面側下部に形成された係止孔22に挿入される係止部41が形成され、前カバー4の左右両側には図1に示す押しボタン9の操作により仕切板11に着脱自在に係止される係止爪(図示せず)が形成されている。
【0013】
後ケース3の上面には格子状の排気口2が形成され、背面には把手3aと渦巻き状のファンケーシング23が形成されており、このファンケーシング23内は排気口2を介して本体ケース1外と連通されている。
【0014】
仕切板11は本体ケース1内を前後に区画しており、前後の空間を連通する穴11aが形成されている。この仕切板11には、正面側を開口する凹状の収納部12が形成されており、この収納部12に、メインフィルター13と脱臭フィルター14とがメインフィルター13が風上側となるように着脱自在に装着される。
【0015】
送風機29は仕切板11の後ケース3側に配設されており、仕切板11に取り付けられたモーター30と、このモーター30により駆動されるファン31とで構成されている。また、前カバー4を取り外すと、プレフィルター21が現れ、このプレフィルター21の表面側に接触するように清掃体5が配置され、プレフィルター21の裏面側に接触するように塵埃突出し手段10が配置されている。
【0016】
そして、電源スイッチ34をオンにすると、ファン31が駆動され、吸気口となる孔6から本体ケース1内に部屋の空気が吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、プレフィルター(集塵フィルター)21、メインフィルター13、及び脱臭フィルター14を順次通過し、空気中の塵埃のうち粗塵がプレフィルター21で、プレフィルター21を通過した塵埃がメインフィルター13にて除去され、さらに臭気成分が脱臭フィルター14にて除去される。そして、塵埃が除去され、臭気成分が除去された空気は、穴11aからファンケーシング23内に流入し、ファンケーシング23に案内されて排気口2から本体ケース1外に放出される。これにより、上記構成の空気清浄機を設置した部屋の空気が除塵され、脱臭されて浄化される。尚、プレフィルター21はネット状である。
【0017】
図4はプレフィルターの清掃部材の構成を示す説明図である。プレフィルター21の表面は、清掃体5と接触するように配置されている。清掃体5は、後ケース3の側面に形成された溝17から突出するつまみ7と連動し、このつまみ7を手動で上下方向に移動させることによって、清掃体5も上下方向に移動し、プレフィルター21の表面に付着した塵埃が下部に設置されている集塵ケース8に収集されるようになっている。尚、溝17には、凹凸部25が形成されており、この凹凸部25につまみ7に内蔵されたばね26が当接することによって、清掃体5を途中で止めることが可能である。また、つまみ7はプレフィルター21の下流側に設置された塵埃突出し手段10とも連動しており、つまみ7を手動で下方向に移動させることによって、塵埃突出し手段10も矢印方向に回転しつつ、下方向に移動し、プレフィルター21の内部に付着した塵埃を清掃体5が設置されている側の表面に突出して、清掃体5によって、集塵ケース8に払い落とされるようになっている。尚、集塵ケース8は、後ケース3の側面から矢印方向に取り出して、塵埃を捨てることができるようになっている。また、清掃体5がプレフィルター21の下部に位置する場合には、つまみ7を手動で上方向に移動させると、塵埃突出し手段10は、矢印方向とは逆方向に回転しつつ、上方向に移動し、プレフィルター21の内部に付着した塵埃を清掃体5が設置されている側の表面に突出して、清掃体5によって、集塵ケース8に払い落とされるようになっている。また、清掃体5の中央に把持部24を設けており、必要に応じて前カバー4を開けて把持部24のみで清掃体5を上下させることにより、プレフィルター21の清掃を行う形態も採用できる。この場合には、つまみ7の構成はなくてもよい。
【0018】
図5は清掃体と塵埃突出し手段の斜視図である。図5(a)に示すように、清掃体5は、長尺な板状体5aの上に、基部5bと毛5cとからなる起毛布5fが接着されたものである。また、図5(b)に示すように、塵埃突出し手段10は、円筒状の回転体10aの周囲に起毛布10bが接着されたものであり、回転体10aには、案内棒10cが挿入され固定された構成となっている。この案内棒10cは、板状体5aの軸受5dに挿入され、板状体5aは、図4に示したように、両端の案内棒5eに軸受32を介してギヤ27が装着される。そして、ギヤ27はラック28上を回転しながら上下動するのである。
【0019】
図6は清掃体と塵埃突出し手段の位置関係を示す説明図である。この図に示すように、清掃体5が矢印方向に移動する場合、清掃体5の位置よりも前方の下流側に塵埃突出し手段10は位置して矢印方向に回転しつつ、下方に移動するようになっている。したがって、プレフィルター21の下流側の表面及び内部に付着した塵埃33は、塵埃突出し手段10によって、プレフィルター21の上流側の表面に突出され、後からくる清掃体5によって下方に設置されている集塵ケース8に払い落とされるのである。尚、プレフィルター21の清掃時に、空気清浄機を作動させて、吸引を行うことで、塵埃が飛散するのを防止することができる。
【0020】
図7は本発明の第2実施形態の空気調和機を示す斜視図である。この図に示す空気清浄機では、清掃体5と塵埃突出し手段10とは、空気清浄機内部の上方に固定されている。そして、プレフィルター21aの上端に取っ手21bが付いていて、この取っ手21bを溝16から空気清浄機の上方に移動させることによって、プレフィルター21aに付着している塵埃を、塵埃突出し手段10と清掃体5とによって、集塵ケース8に払い落とされるようになっている。
【0021】
尚、その他の実施形態として、プレフィルター21と清掃体5とを手動により、互いに接触させつつ移動可能な構成とすることも可能である。この場合には、プレフィルター21と、清掃体5との両者が動くことで清掃時間が半分になり、清掃効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明においては、手動で集塵フィルターを清掃することができる空気調和機として利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態の空気調和機の正面図
【図2】同空気調和機の前カバーを取り外した状態での正面図
【図3】同空気調和機の側面縦断面図
【図4】プレフィルターの清掃部材の構成を示す説明図
【図5】清掃体と塵埃突出し手段の斜視図
【図6】清掃体と塵埃突出し手段の位置関係を示す説明図
【図7】本発明の第2実施形態の空気調和機を示す斜視図
【符号の説明】
【0024】
1 本体ケース
3 後ケース
4 前カバー
5 清掃体
7 つまみ
8 集塵ケース
10 塵埃突出し手段
21、21a プレフィルター(集塵フィルター)
30 モーター
31 ファン
40、40a 空気調和機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体内に、集塵フィルター、送風ファン及び送風ファンを駆動する為のモーターが配設された空気調和機において、該空気調和機は、前記集塵フィルターに付着した塵埃等を除去する清掃体を有し、該清掃体は、前記集塵フィルターに接触して移動可能であると共に、該清掃体の移動を手動にて操作可能にしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体内に、集塵フィルター、送風ファン及び送風ファンを駆動する為のモーターが配設された空気調和機において、該空気調和機は、前記集塵フィルターに付着した塵埃等を除去する清掃体を有し、前記集塵フィルターは、前記清掃体に接触して移動可能であると共に、前記集塵フィルターの移動を手動にて操作可能にしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
集塵フィルターにおける吸入空気が通過する下流側の面に、塵埃突出し手段を配した請求項1又は2に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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