空気調和機
【課題】フラットなフロントパネルを採用可能にするとともに、騒音の上昇を抑制した静音性の良好な薄型化可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】本発明に係る空気調和機は、本体筐体1の前面に仕切板2を取り付け、その前面にフロントパネル3を取り付ける。フロントパネル3と仕切板2との間の周辺に室内空気吸込口8a,8bを形成するとともに、フロントパネル3と仕切板2との間全体を吸込側チャンバ7とする。また、室内吹出口18を室内空気吸込口8a,8bと異なる方向である本体筐体1の側面に設ける。本体筐体1内にファン吸込口53が前面に開口するように遠心ファン5を設ける。さらに、吸込側チャンバ7における両室内空気吸込口8a,8b間に、両室内空気吸込口8a,8bからの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材9を設ける。
【解決手段】本発明に係る空気調和機は、本体筐体1の前面に仕切板2を取り付け、その前面にフロントパネル3を取り付ける。フロントパネル3と仕切板2との間の周辺に室内空気吸込口8a,8bを形成するとともに、フロントパネル3と仕切板2との間全体を吸込側チャンバ7とする。また、室内吹出口18を室内空気吸込口8a,8bと異なる方向である本体筐体1の側面に設ける。本体筐体1内にファン吸込口53が前面に開口するように遠心ファン5を設ける。さらに、吸込側チャンバ7における両室内空気吸込口8a,8b間に、両室内空気吸込口8a,8bからの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材9を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機、特に薄型化を可能にした空気調和機に関する。ここで空気調和機とは、室内空気の温度、湿度及び清浄度の少なくとも何れか一つを調整するための空気調整用機器を備えた装置、すなわち広い意味での空気調和機を意味する。また、上記中における清浄度とは、空気中に含まれる塵埃、浮遊汚染粒子、ガス状汚染物質、臭気成分などの含有度合いを意味する。
【背景技術】
【0002】
近年、空気調和機の形状に関しては一般的に奥行き寸法を小さくすることに対する要望が多くなっている。つまり薄型志向が強くなっている。また、空気調和機の意匠に関しては、表面形状に変化をもたらす室内空気吸込口などを施さない平らな表面形状のフロントパネルが好まれるようになってきている。なお、このように室内吸込口などを設けない平らな表面形状のデザインのフロントパネルがフラットなフロントパネルと一般に称されている。以下の説明においてフラットの語を使用するときは、このような意味で使用するものとする。
【0003】
また、空気調和機を薄型化する場合に構造的に一般に問題になるのは、熱交換器などの空気調整用機器とファンとの配置であり、さらに、この配置に関連する室内空気吸込口及び室内吹出口の配置とその構成である。一般に、空気調和機では空気調整用機器とファンとが機内において前後に配置されていることが通常であった。しかし、このような配置である限りにおいては、十分な薄型化を試みることが困難であった。
【0004】
そこで、この限界を打開するものとして、ファン吸込口を背面側に開口するように回転軸を前後方向にして遠心ファンを機内中央部に配置するとともに、この遠心ファンの径方向外周側に空気調整用機器としての熱交換器を配置した薄型空気調和機が提案されている。また、この薄型空気調和機では、室内空気が空気調和機の背面側から吸入され、空気調整後の空気が前面側コーナ部から吹き出されるように構成されている。特許文献1はその例である。
【特許文献1】特開2006−336910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この空気調和機は、薄型化の点においては満足すべき効果をもたらすが、前面側コーナ部に室内吹出口が設けられているため、フロントパネルをフラットにするという要望を十分には満たしていなかった。そこで、発明者は、前面コーナ部に吹出口を設けずに、フロントパネルを完全にフラット化した薄型の空気調和機をここに提案するものである。また、空気調和機を薄型化する場合の機能的な問題点としては、一般に寸法上の制約が厳しくなることから、室内空気吸込口と室内吹出口間のショートサーキットの発生、機内通風抵抗の増加、騒音の増加などが考えられる。そこで、ここに提案する空気調和機は、これら問題点についても考慮し解決を図った。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みされたものであって、フラットなフロントパネルを採用可能にするとともに、ショートサーキットの発生及び騒音の上昇を抑制した静音性の良好な薄型化の空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明に係る空気調和機は、前面が開放された正面視略四角形の本体筐体と、この本体筐体の前面に取り付けられた仕切板と、正面から見てファン吸込口が正面略中央部となるように回転軸を前後方向として本体筐体内に配置された遠心ファンと、前記仕切板の前面側に所定間隔空けて仕切板に対向するように配置されたフラットなフロントパネルと、フロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に形成された室内空気吸込口と、フロントパネルと仕切板との間全体に形成された、前記室内空気吸込口に連通する吸込側チャンバと、本体筐体内の遠心ファンの径方向吹出側に配置された室内空気の温度、湿度及び清浄度の少なくとも何れか一つを調整する空気調整用機器と、空気調整用機器の下流側であって室内空気吸込口と略直交する方向に配置された空気調整後の空気を室内へ吹き出すための室内吹出口とを備え、さらに、前記吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、空気調整用機器と遠心ファンとが平面的に配置されており、これら機器が一般的な空気調和機のように製品の前後方向に並べて配置されていないので、従来一般の空気調和機に比し薄型化を図ることができる。また、本体筐体内の遠心ファンの径方向吹出側に空気調整用機器が配置されるとともに、この空気調整用機器の下流側であって室内空気吸込口と略直交する方向に室内吹出口が配置されているので、室内空気吸込口と室内吹出口とが異なる方向に形成され、室内空気吸込口と室内吹出口との間のショートサーキットが防止される。また、フロントパネルと仕切板との間全体が吸込側チャンバとして形成されるとともに、室内空気吸込口がフロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に形成されているため、フロントパネルを完全にフラット化することができる。さらに、本発明においては、吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられている。これにより対向する両室内空気吸込口からの気流の相互干渉が回避され、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る気流が安定するので、騒音の上昇を抑制することができる。
【0009】
前記仕切ガイド部材は、前記対向する両室内空気吸込口から吸入される気流が衝突する境界線の変動領域内において、フロントパネルと仕切板との間を仕切るように配置された部材であって、少なくとも仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通る正面中心線上に配置されていることが好ましい。このように構成することにより、効果的に両室内空気吸込口から吸入される気流の相互干渉が回避される。これにより、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る気流が安定し、騒音が抑制される。
【0010】
また、前記仕切ガイド部材は、正面から見て吸込側チャンバの全幅に渡って形成されているようにしてもよい。このように構成されることにより両室内空気吸込口からの気流の相互干渉が略完全に防止される。したがって、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る空気流が安定し、騒音の上昇が抑制される。
【0011】
また、前記仕切ガイド部材は、正面から見てファン吸込口の両側全幅に形成されているようにしてもよい。このようにすると、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を防止するとともに、ファン吸込口の前面における羽根と気流ガイドとの干渉による騒音を軽減することができる。
【0012】
また、前記仕切ガイド部材は、フロントパネルと仕切板との間の間隙寸法に略同一の寸法を前後方向の寸法とする平板状の部材からなるものとしてもよい。このように構成すると、簡易な構成により両室内空気吸込口からの気流の干渉を防止することができ、騒音を抑制することができる。
【0013】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板の表面に対し垂直に形成されているものとしてもよい。このような簡易な構成としても、両室内空気吸込口からの気流の干渉を回避する仕切ガイド部材を形成することができる。
【0014】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するようにしてもよい。このように構成すると、両室内空気吸込口から吸入される気流が衝突する境界線の中央部に形成されるので、両室内空気吸込口からの気流の空気通路の通風抵抗が略同一の場合には、両室内空気吸込口からの流量を均一にすることが容易になる。
【0015】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から遠心ファンの回転方向側に所定距離離れて位置することにより、回転軸の中心に対し対称的にフロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることが好ましい。仕切ガイド部材を設けると、仕切ガイド部材のファン回転方向上流側が下流側に比し気流量が増加する傾向にあるが、このように構成すると、仕切ガイド部材とフロントパネルの表面との傾斜角度がファン回転方向上流側において90度以下となるので、仕切ガイド部材における気流変更に伴う空気抵抗がファン回転方向上流側において大きくなる。これにより、ファン吸込口において均等な気流分布を得ることができ、騒音の低減を図ることができる。
【0016】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から空気通路の通風抵抗が小さくなる室内空気吸込口側に所定距離離れて位置することにより、フロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることが好ましい。このように構成すると、仕切ガイド部材とフロントパネルの表面との成す角度が、室内空気吸込口からの気流の空気通路の通風抵抗が小さくなる側が90度以下となり、反対側の空気通路の通風抵抗が大きくなる側において90度以上となる。この結果、空気通路の通風抵抗が大きくなる側のほうが空気をファン吸込口に案内し易くなる。したがって、室内空気吸込口からの空気通路の通風抵抗に差がある場合にファン吸込口における風量分布を均一にすることができる。
【0017】
また、前記仕切ガイド部材は、正面から見て、遠心ファンの回転軸の中心から遠ざかるにつれ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線から空気通路の通風抵抗が大きくなる室内空気吸込口側に離れるように傾斜するように構成してもよい。このように構成すると、空気通路の通風抵抗が大きくなる室内空気吸込口側からの気流が仕切ガイド部材によりファン吸込口へ案内され易くなるので、両室内空気吸込口からの流量を均一にすることが容易になる。
【0018】
また、前記仕切ガイド部材は、断面が山形状の部材であって、その頂上が仕切板側に向けられるとともに、山形状を成す傾斜面の室内空気吸込口側が凹状の曲面に形成されているように形成することもできる。このように構成した場合は、両室内空気吸込口からの気流をより円滑にファン吸込口へ導くことができるので、より一層騒音の上昇を抑制することができる。
【0019】
前記仕切ガイド部材は、前記フロントパネルと一体的に成型されているものとしてもよい。このように構成すれば、仕切ガイド部材の取り付け作業が不要となるので、内部に装備されている機器のメンテナンスのための組み立て分解作業が容易になる。また、このような構成の場合は、プレフィルタを仕切板に取り付けることにより、ベルマウスの風上側にプレフィルタを容易に取り付けることができる。
【0020】
また、前記仕切ガイド部材は、平板状の部材のような形状の場合には、前記仕切板と一体的に成型することもできる。仕切ガイド部材を前述のようにフロントパネルと一体的に射出成型すると、射出成型時にできる引けによりフロントパネルの表面に模様ができることが考えられる。しかし、仕切ガイド部材を仕切板と一体的に射出成型すれば、フロントパネルにおけるこのような模様を確実に回避することができ。綺麗な外観を得ることができる。
【0021】
また、仕切ガイド部材全体を吸音材で形成するようにしてもよい。このように構成すれば、仕切ガイド部材を形成する吸音材により、ファン吹出口付近の騒音発生エネルギが吸収される。したがって、ファン吹出口付近から前方に放出される騒音発生エネルギ減少により、騒音を低減することができる。
【0022】
また、前記仕切ガイド部材は、表面を吸音材により形成した構成としてもよい。このようにすれば、騒音低減効果を維持しながら吸音材の使用量を減らしコストダウンすることができる。
【0023】
また、前記室内空気吸込口は、フロントパネルと仕切板との間隔周辺のうちの上下2辺に形成されるとともに、空気調整用機器は、遠心ファンの左右の径方向吹出側に配置され、さらに、前記室内吹出口は、本体筐体の左右側部に設けられているものとすることもできる。このようにすれば、室内空気吸込口と室内吹出口との間のショートサーキットを避けながら、調整後の空気を左右対称的に吹き出すことができる。また、このように構成した場合は、左右の空気調整用機器の風速分布を均一にし、空気調整の効率を向上させることが容易になる。また、この空気調和機が設置される部屋の一壁面の略中央部に沿ってこの空気調和機を配置して使用すると、空気調整用機器を通過して調整された空気が壁面に沿って吹き出され、空気調和機の正面から室内空気を吸い込む循環気流が形成される。この結果、室内を包み込むような循環気流が形成されるので、室内の全体が空気を効率よく調整することができる。
【0024】
また、前記仕切板には、ベルマウスの前面側にプレフィルタが取り付けられていることが好ましい。このような構成にすれば、室内から還流する空気を空気調整用機器に通風させる前に空気中の大きな塵埃を除去するので、糸くずなどの大きなごみが遠心ファン及び空気調整用機器に吸い込まれることが防止される。さらに、このプレフィルタにより遠心ファンへの吸込気流が整流されるので機内抵抗が減少し、騒音が低下する。
【0025】
また、このような構成の空気調和機において、前記空気調整用機器は、少なくとも集塵フィルタ又は脱臭フィルタの何れか一方を備えているものとすることができる。このように構成すれば、薄型の空気清浄機とすることができる。
【0026】
また、前記空気調整用機器は、少なくとも室内空気を冷却又は加熱する熱交換器を備えているものとすることができる。このようにすると、薄型の空気調和機用室内ユニットを構成することができる。
【0027】
また、前記遠心ファンをターボファンとしてもよい。遠心ファンをターボファンとすると、運転効率が高くなるので機器の省エネ化を図ることができる。
また、前記遠心ファンをラジアルファンとしてもよい。遠心ファンをラジアルファンとすると、遠心ファンからの吹出気流は、周方向の成分が少ない気流となるので、気流が空気調整用機器に入るときの乱れが小さくなる。この結果、気流の通過抵抗が小さくなるとともに騒音が小さくなる。すなわち、機器の省エネ化及び低騒音化を図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る空気調和機によれば、空気調整用機器と遠心ファンとが平面的に配置されているので、本体筐体の薄型化を図ることができる。また、室内空気吸込口と直交する方向に室内吹出口が配置されるので、室内吸込空気と室内吹出空気とのショートサーキットが防止される。また、フロントパネルと仕切板との間全体が吸込側チャンバとして形成されるとともに、フロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に室内空気吸込口が形成されているため、フロントパネルを完全にフラット化することができる。さらに、吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられているので、対向する両室内空気吸込口からの気流の相互干渉が回避され、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る気流が安定し、騒音の増加を抑制することができる。また、ファン吸込口の前方がフラットなフロントパネルで覆われているため、前面に漏れるファンの騒音が緩和される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る空気調和機について、図1〜図5に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係る空気調和機の分解斜視図であり、図2は同空気調和機の外観斜視図であり、図3は同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図であり、図4は同空気調和機の側断面図であり、図5は同空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。なお、図6(a)、(b)に、参考例に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図を示す。
【0030】
本実施の形態に係る空気調和機は、床置型であって、空気調整用機器として空気清浄フィルタを用いた所謂空気清浄機である。この空気清浄機の筐体は、図1〜図4に示すように、前面が開放された略箱型の本体筐体1と、本体筐体1の前面に取り付けられている仕切板2と、さらにこの仕切板2の前面に取り付けられているフロントパネル3とから構成されている。なお、図2及び図4における実線矢印は空気の流れ方向を示す。
【0031】
本体筐体1は、上方大半部が薄型に形成された略箱型の薄型部11に形成され、この薄型部11の下方部にはフロントパネル3の前面と略面一となる程度に奥行きが大きく形成された電装品収納部12が形成されている。この電装品収納部12は、この空気調和機のベース部材を兼ねている。また、電装品収納部12において、前方への出っ張り部の前面上部から上面にかけての角部は、後述するフロントパネル3の下端部と仕切板2の下端部との間に形成される室内空気吸込口8bに連なるように、側断面が曲面状の凹部13に形成されている(図4参照)。本体筐体1における薄型部11の左右両側部の上下角部には段状部14が形成され、この上下の段状部14間が後述する空気調整用機器4としての空気清浄フィルタを収納する収納スペース15として形成されている(図1参照)。本体筐体1の薄型部11の前面には内向きフランジ16が形成され、この内向きフランジ16には仕切板2を取り付けるための複数のねじ孔17が形成されている(図1参照)。
【0032】
本体筐体1の左右側方に取り付けられる空気調整用機器4としての空気清浄フィルタは、本発明における空気調整用機器4の一例であって、流通する空気中の浮遊汚染粒子、ガス状汚染物質などの汚染物を除去して空気を清浄化する機能を備えたフィルタ部材又は機器である。なお、この空気清浄フィルタは、図面にはその詳細を記載していないが、従来公知のようなものでよい。例えば、後述する遠心ファン5の吹出側に、バイオ抗体の力で空気中に浮遊するウイルスを素早く吸着するバイオ抗体フィルタを設け、その下流側にプラズマイオン化部で埃や花粉をプラスに帯電させ、マイナスに帯電したフィルタでこれら埃や花粉を吸着する静電集塵フィルタを配置する。そして、この静電集塵フィルタの下流側に、臭気成分を分解するとともに、カビ菌やウイルスを吸着する光触媒アパタイトフィルタなどの脱臭フィルタを配置したものとする。このような構成の空気清浄フィルタは、その外周形状が前記収納スペース15の形状に合致するような直方体状に形成されたものであって、左右のものが略同一形状に形成されている。また、この空気清浄フィルタは、後述するフロントパネル3及び仕切板2を外した状態において、本体筐体1の前面側から着脱自在に取り付けられている。
【0033】
そして、本体筐体1の空気調整用機器4の空気流出側に位置する両側面には、清浄化された空気を室内へ吹き出すための室内吹出口18がそれぞれ形成されている。
また、本体筐体1における薄型部11の前面から見た中央部には、遠心ファン5が配置されている。遠心ファン5としてはターボファンが用いられている。この遠心ファン5は、羽根車51の回転軸52を前後方向にするとともに、シュラウド54により形成されるファン吸込口53を前面側にして配置されている。また、ファンモータ55が本体筐体1の背板に取り付けられている。さらに、遠心ファン5の後側に位置するハブの中央部分を断面円形として前方に膨出させた膨出部56を形成している。そして、この膨出部56内にファンモータ55が配置されている。なお、ファンモータ55としては、薄型に設計されたものが使用されており、膨出部56の前方への膨らみをできるだけ小さくなるようにしている。また、前述の空気調整用機器4としての空気清浄フィルタは、この遠心ファン5の羽根車51の径方向吹出側となる本体筐体1の左右に取り付けられている。遠心ファン5の回転方向Rは、図1、図5、及び図6に示すように、正面から見て反時計方向である。
【0034】
仕切板2は、平板状であって、その周辺部には本体筐体1の前面の内向きフランジにねじ止めするためのねじ貫通用の複数の貫通孔21が設けられている。そして、仕切板2は、貫通孔21を介してねじ(図示せず)により本体筐体1の前面の内向きフランジ16に着脱自在にねじ止めされている(図1参照)。また、仕切板2には、遠心ファン5のファン吸込口53に対応する位置にベルマウス22が形成されている。仕切板2は、このように形成されることにより、仕切板2の内側をファン吹出側とし、仕切板2の前面側をファン吸込側とするように機能する。さらに、仕切板2は、空気調整用機器4の収納スペース15の前面側の収納壁を兼用する。
【0035】
また、仕切板2の中央部に形成されたベルマウス22の前面側には、プレフィルタ6が取り付けられている。プレフィルタ6は、カテキン含有のフィルタであって、大きな埃やペットの毛などを捕集するとともに、埃などに付着している細菌やカビ成分を除菌する機能を備えている。
【0036】
フロントパネル3は、フラットな平面を備えた前板31の両側を後方に折り曲げて折曲片32を形成し、この折曲片32の寸法を適切に設定することにより、仕切板2との間全体に狭い間隔の吸込側チャンバ7を形成するように構成されている。また、フロントパネル3は、本体筐体1又は仕切板2に対し、図示しない適宜の手段により着脱自在に取り付けられている。そして、フロントパネル3の上端部と仕切板2の上端部との間、及びフロントパネル3の下端部と仕切板2の下端部との間にそれぞれ室内空気吸込口8a,8bがスリット状に形成されている。したがって、この室内空気吸込口8a,8bは前述の室内吹出口18とは取付方向が90度相違する方向となる。
【0037】
また、フロントパネル3の背面には、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る正面中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf(図5参照)上に吸込側チャンバ7を横断する平板状の仕切ガイド部材9が設けられている。平板状の仕切ガイド部材9は、仕切板2及びフロントパネル3の面に対し垂直な平板状であって、その幅寸法(前後方向の寸法)がフロントパネル3と仕切板2との間の間隙寸法、換言すると折曲片32の高さ寸法と略同一に形成されている。したがって、この実施の形態において仕切ガイド部材9は、仕切板2側端部及びフロントパネル3側端部とも正面中心線Cf上に位置する。この点については図4の側面図からもよく理解できる。なお、正面中心線Cfは側面から見た場合は、図4における遠心ファン5の回転軸52の中心を通る側面中心線Cs上に位置する。また、フロントパネル3とこの仕切ガイド部材9とは射出成型により樹脂一体成型されている。このように、フロントパネル3の背面側に形成された仕切ガイド部材9は、吸込側チャンバ7内において、両室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf上に位置して、吸込側チャンバ7を横断する仕切ガイド部材9として機能する。すなわち、この仕切ガイド部材9は、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に流れる気流S(図5参照)の相互干渉を回避するためのものである。
【0038】
次に、本実施の形態に係る空気調和機の運転について説明する。
図示しない運転スイッチが投入されることにより、ファンモータ55が運転されて遠心ファン5が運転されるとともに、電源を必要とする静電集塵フィルタなどを備えた空気清浄フィルタが作動する。これにより、フロントパネル3の上端部と仕切板2の上端部との間にスリット状に形成された室内空気吸込口8aを介して室内空気が吸い込まれる。また、室内空気は、本体筐体1の電装品収納部12の前面に形成された凹部13から、フロントパネル3の下端部と仕切板2の下端部との間にスリット状に形成された室内空気吸込口8bを介しても吸い込まれる。このように両室内空気吸込口8a,8bから吸入された室内空気は、フロントパネル3と仕切板2との間に形成された吸込側チャンバ7に入る。
【0039】
両室内空気吸込口8a,8bから吸込側チャンバ7に流入した空気は、本発明の仕切ガイド部材9が無い場合は、概ね図6(a)に示すように流れると考えられる。すなわち、両室内空気吸込口8a,8bが上下のみにあり、遠心ファン5のファン吸込口53がベルマウス22を介し吸込側チャンバ7の中央部に開口しているので、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cfを境界線Hとして上下に対称的な気流Sになっている。しかし、実際には、空気調和機周りの気流の変動や、ファン回転数の変動などにより、上下の気流Sがこの境界線H付近で相互干渉するため、境界線Hが不安定になる。すなわち、境界線Hが、図6(b)に示すように、両室内空気吸込口8a,8b間において、正面中心線CfからH1,H2の線で示す位置間を上下に変動する。そして、この変動により、ファンの吸込空気流れが変動して騒音上昇の要因になると考えられる。
【0040】
しかしながら、この実施の形態においては、図4及び図5に示すように、吸込側チャンバ7には、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf上に、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sの干渉を回避する仕切ガイド部材9が設けられている。このため、両室内空気吸込口8a,8bから吸込側チャンバ7に流入した空気は、この仕切ガイド部材9により、上下双方の気流Sが干渉しないように構成されている。この結果、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に至る気流Sが安定し、騒音の増加が抑制される。
【0041】
なお、このような仕切ガイド部材9の作用に付加して、ベルマウス22の前面側にプレフィルタ6が取り付けられているため、吸込側チャンバ7内における気流Sの動圧が静圧に置換されてファン吸込口53の空気の流れが整流されるため、機内通風抵抗が減少し、騒音が低下する。
【0042】
そして、両室内空気吸込口8a,8bから流入した室内空気は、プレフィルタ6、ベルマウス22及びファン吸込口53を介し遠心ファン5に吸入され、羽根車51の径方向吹出側に吹き出される。この経路において、プレフィルタ6では大きな埃やペットの毛などが捕集され、カテキン成分により埃などに付着した細菌やカビ菌が除去される。
【0043】
また、遠心ファン5から径方向に吹き出された空気は、本体筐体1内において左右の空気調整用機器4としての空気清浄フィルタに送られる。そして、空気清浄フィルタに送られた室内空気は、バイオ抗体フィルタで浮遊するウイルスが吸着され、静電集塵部で埃や花粉がプラスに帯電されてマイナスに帯電されたフィルタに吸着される。さらに、脱臭フィルタで臭い成分が分解されるとともに、細菌やカビ菌が吸着されて臭いが除去され、清浄化された空気となって室内吹出口18から左右方向に吹き出される。
【0044】
なお、以上のように形成された空気清浄機は床置き型として壁面に沿って使用される。また、この空気清浄機が使用される室内においては、室内空気がこの空気清浄機の上下部の前面側から吸入されるのに対し、空気調整された空気が本体筐1体の側面から壁面に沿って吹き出される。このため、室内において、部屋の周囲から空気調和機の正面中央部に向かう循環気流が形成され、効率よく室内全体の空気が清浄化される。
【0045】
以上のように構成された空気調和機によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)空気調整用機器4と遠心ファン5とが平面的に配置されており、従来の一般の製品のように前後方向に並べて配置されていないので、本体筐体1の奥行き寸法を小さくして薄型にすることができる。また、遠心ファン5の吹出側に空気調整用機器4としての空気清浄フィルタが配置されているため、空気清浄フィルタによる吸音効果や遮音効果が発揮され、空気調和機の低騒音化が図れる。
【0046】
(2)また、本体筐体1内の遠心ファン5の径方向吹出側に空気調整用機器4が配置されるとともに、この空気調整用機器4の下流側であって室内空気吸込口8a,8bと略直交する方向に室内吹出口18が配置されている。したがって、室内空気吸込口8a,8bと室内吹出口18とは異なる方向に形成されることになるので、室内空気吸込口8a,8bと室内吹出口18との間のショートサーキットが防止される。
【0047】
(3)また、フロントパネル3と仕切板2との間全体が吸込側チャンバ7として形成されるとともに、室内空気吸込口8a,8bがフロントパネル3と仕切板2との間の周辺のうちの対向する2辺に形成されているため、フロントパネル3を完全にフラット化することができる。また、フロントパネル3がフラットになっているため、フロントパネル3の清掃が楽になり、メンテナンス性が向上する。
【0048】
(4)また、対向する両室内空気吸込口8a,8bから吸入される気流が衝突する境界線の変動領域内において、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る正面中心線Cf上に仕切板側端部が略位置するように、仕切ガイド部材9が配置されているので、効果的に両室内空気吸込口8a,8bから吸入される気流の相互干渉が回避される。これにより、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に至る気流Sが安定し、騒音が抑制される。
【0049】
(5)仕切ガイド部材9が正面中心線Cf上において、吸込側チャンバ7を横切る全幅に亘って形成されているので、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sの干渉が略完全に防止され、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に至る気流Sが安定し、騒音の増加が抑制される。
【0050】
(6)仕切ガイド部材9が、フロントパネル3と仕切板2との間の間隙寸法を幅寸法とする平板状の部材を仕切板2に対し垂直となるように形成されているので、簡易な構成により、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sの干渉を防止することができ、騒音の増加を抑制することができる。
【0051】
(7)仕切ガイド部材9が、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf上に設けられているので、両室内空気吸込口からの気流の空気通路の通風抵抗が略同一の場合には、両室内空気吸込口からの流量を均一にすることができる。
【0052】
(8)仕切ガイド部材9がフロントパネル3と一体的に射出成型されているので、仕切ガイド部材9の取り付け作業が不要であり、内部に装備されている機器のメンテナンスのための組み立て分解作業が容易である。また、仕切ガイド部材9がフロントパネル3に設けられているので、プレフィルタ6を仕切板2に取り付けることにより、ベルマウス22の風上側にプレフィルタ6を容易に取り付けることができる。
【0053】
(9)室内空気吸込口8a,8bは、フロントパネル3と仕切板2との間隔周辺のうちの上下2辺に形成されるとともに、空気調整用機器4は、遠心ファン5の左右の径方向吹出側に配置され、さらに、室内吹出口18は、本体筐体1の左右側部に設けられている。したがって、室内空気吸込口8a,8bと室内吹出口18との間のショートサーキットを避けながら、調整後の空気を左右対称的に吹き出すことができる。また、左右の空気調整用機器4の風速分布を均一にし、空気調整の効率を向上させることが容易になる。また、この空気調和機が設置される部屋の一壁面の略中央部に沿ってこの空気調和機を配置して使用すると、空気調整用機器4を通過して調整された空気が壁面に沿って吹き出され、空気調和機の正面から室内空気を吸い込む循環気流が形成される。この結果、室内を包み込むような循環気流が形成されるので、室内の全体が空気を効率よく調整することができる。
【0054】
(10)プレフィルタ6が仕切板2に形成されたベルマウス22の前面側に取り付けられているので、糸くずなどの大きなごみが遠心ファン5及び空気調整用機器4に吸い込まれることが防止される。さらに、このプレフィルタ6により遠心ファン5への糸くずなどの大きなごみが遠心ファン5及び空気調整用機器4に吸い込まれることが防止される。さらに、このプレフィルタ6により遠心ファン5への吸込気流が整流されるので、遠心ファン5の吸込抵抗が減少し、遠心ファン5の騒音が低下する。
【0055】
(11)また、前面に向いているファン吸込口53が、フラットなフロントパネル3で覆われているため、前面に漏れるファンの騒音が緩和される。
(12)空気調整用機器4としての空気清浄フィルタが複数の位置に分散配置されているので、すなわち、この実施の形態の場合には、空気清浄フィルタが本体筐体1内において左右側方の位置に分散配置されているので、空気清浄フィルタの空気通過面積を大きくすることができ、空気清浄効率を向上させることができる。
【0056】
(13)空気調整用機器4として集塵フィルタと脱臭フィルタの双方を有する空気清浄フィルタを備えているので、薄型の空気清浄機を提供することができる。したがって、空気清浄機の用途の拡大、需要の拡大を図ることができる。
【0057】
(14)遠心ファン5としてターボファンが用いられているので、運転効率が高くなり、機器の省エネ化を図ることができる。
次に、仕切ガイド部材9の他の形状例について、実施の形態2以下において説明する。なお、実施の形態2以下の各実施の形態に係る空気調和機は、仕切ガイド部材9を除いては実施の形態1と同様である。以下の説明では実施の形態1と異なる仕切ガイド部材について説明し、共通する他の部分についてはその説明を省略する。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る空気調和機は、図7の側断面図、図8のフロントパネルの背面斜視図及び図9の空気流れ図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、正面中心線Cf上における中央部分9a、すなわち、ファン吸込口53に対応する部分を断面山形状とし、その両側部分9bを実施の形態1のものと同様の平板状にしている。また、中央部分9aの山形状の頂上は仕切板2側に向けられるとともに、中央部分9aの山形状を成す傾斜面の室内空気吸込口8a,8b側表面が凹状の曲面に形成されている。
【0059】
実施の形態2にはこのように構成されているので、実施の形態1における前述の効果(1)〜(5)及び(7)〜(13)と同様の効果を奏することができる。また、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sをより円滑にファン吸込口53へ導くことができるので、より一層騒音の増加を抑制することができる。
【0060】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る空気調和機は、図10の空気流れ図、図11の部分断面図及び図12のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、実施の形態1における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。また、仕切ガイド部材9自体は、フロントパネル3及び仕切板2の表面に対し傾斜して形成されている。この実施の形態における仕切ガイド部材9は、仕切板2側端部が正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通るとともに、両室内空気吸込口8a,8bに平行な正面中心線Cf上にあり、また、フロントパネル3側端部が正面中心線Cf、及び側面から見て回転軸52の中心を通る側面中心線Csから上方に距離L離れた位置とされている。
【0061】
実施の形態3は、このように仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されているので、実施の形態1の場合と同様の効果を奏する。また、この場合は、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、上方においては90度以上であり、下方において90度以下となっている。このためファン吸込口53に対しては上方の室内空気吸込口8aからの空気をファン吸込口53に案内し易くなっている。したがって、上方の室内空気吸込口8aに埃などを吸い込まないようにエアフィルタを設置するなどにより、上方の室内空気吸込口8aからの気流に対する空気抵抗が大きい場合に、このような配置をすることによりファン吸込口53における風量分布を均一にすることができる。
【0062】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る空気調和機は、図13の空気流れ図、図14の部分断面図及び図15のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、実施の形態1における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。また、仕切ガイド部材9自体は、フロントパネル3及び仕切板2の表面に対し傾斜して形成されている。この実施の形態における仕切ガイド部材9は、仕切板2側端部が正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通るとともに、両室内空気吸込口8a,8bに平行な正面中心線Cf上にあり、また、フロントパネル3側端部が正面中心線Cf、及び側面から見て回転軸52の中心を通る側面中心線Csから下方に距離L離れた位置とされている。
【0063】
実施の形態4は、このように仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されているので、実施の形態1の場合と同様の効果を奏する。また、この場合は、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、上方においては90度以下であり、下方において90度以上となっている。このためファン吸込口53に対しては下方の室内空気吸込口8bからの空気を上方の室内空気吸込口8aからよりも吸い込み易くなっている。したがって、下方の室内空気吸込口8bの手前の曲面状の凹部13などの存在により、下方の室内空気吸込口8bからの気流に対する空気抵抗が大きい場合に、このような配置をすることによりファン吸込口53における風量分布を均一にすることができる。
【0064】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る空気調和機は、図16の空気流れ図及び図17のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、実施の形態1における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。また、仕切ガイド部材9は、正面視左側にある左仕切ガイド部材91と正面視右側にある右仕切ガイド部材92とから構成されている。両仕切ガイド部材91.92は、何れも仕切板2側端部が正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通るとともに、両室内空気吸込口8a,8bに平行な正面中心線Cf上にある。しかし、フロントパネル3側端部については、左仕切ガイド部材91が正面中心線Cf及び側面中心線Csから下方に距離L離れた位置されている。この側断面は図14と同一である。また、右仕切ガイド部材92が正面中心線Cf及び側面中心線Csから上方に距離L離れた位置とされている。この側断面は図11と同一である。
【0065】
したがって、この実施の形態においては、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との傾斜角度は、左右何れの仕切ガイド部材91,92においても、ファン回転方向上流側が90度以下となり、ファン回転方向下流側が90度以上となる。
【0066】
実施の形態5は、このように仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されているので、実施の形態1の場合と同様の効果を奏する。また、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、左右何れにおいても、遠心ファン5の回転方向の上流側が90度以下であるため、空気通路としての空気抵抗が上下バランスしている場合において、遠心ファン5の羽根車51の回転方向による風量の偏りを是正して、ファン吸込口53に対し均等な気流分布を形成することができる。これにより騒音の低減を図ることができる。
【0067】
(実施の形態6)
実施の形態6に係る空気調和機は、図18の空気流れ図、図19のフロントパネルの背面斜視図及び図20の部分断面図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、この実施の形態に係る仕切ガイド部材9は、実施の形態4において、正面視左側にある左仕切ガイド部材91と正面視右側にある右仕切ガイド部材92とに分割されている。さらに、分割された左右の仕切ガイド部材91、92は、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心から遠ざかるにつれから下方の室内空気吸込口8b側に離れるように傾斜して形成されている。したがって、仕切ガイド部材9は、正面から見て正面中心線Cfに対し傾斜角度θを成して左右対称的な山形状となるように形成されている。また、正面中心線Cfに対する傾斜角度θは、仕切ガイド部材9の端部が図6(b)に説明した境界線移動範囲内に収まるように設定されている。また、仕切ガイド部材9は、実施の形態4における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。さらに、仕切ガイド部材9は、実施の形態4のようにフロントパネル3に対し上方の傾斜角度が90度以下であり。下方の傾斜角度が90度以上となるように、仕切板側端部の位置とフロントパネル側端部の位置とが仕切ガイド部材9の長手方向の端縁に対する直角方向において距離L離れるように形成されている(図20参照)。
【0068】
実施の形態6は、以上のように、仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されるとともに、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、上方においては90度以下であり、下方において90度以上となっている。このため、実施の形態4の場合と同様に、ファン吸込口53に対しては下方の室内空気吸込口8bからの空気を上方の室内空気吸込口8aからよりも吸込み易くなっている。さらに、この実施の形態の仕切ガイド部材9は、正面中心線Cfに対し傾斜角度θを成す山形状に形成されているので、実施の形態4の場合に比し、さらに下方の室内空気吸込口8bからの室内空気を吸込み易く形成されている。したがって、実施の形態6の仕切ガイド部材9は、下方の室内空気吸込口8bの手前の曲面状の凹部13などの存在により、下方の室内空気吸込口8bからの気流に対する空気抵抗がさらに大きい場合に、このような配置をすることにより上下の風量バランスを図ることができる。
【0069】
(実施の形態7)
実施の形態7に係る空気調和機は、図21の空気流れ図及び図22のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、この実施の形態に係る仕切ガイド部材9は、実施の形態5のものと同様に平板状であり、フロントパネル3と一体的に形成されたものであって、実施の形態5においてファン吸込口53の正面に位置する部分が除去されたものである。したがって、仕切ガイド部材9は、正面視左側にある左仕切ガイド部材91と正面視右側にある右仕切ガイド部材92とから構成されているが、両仕切ガイド部材91.92は、ファン吸込口53の左右両側全域に形成されている。また、この実施の形態の場合は、左右何れの仕切ガイド部材91.92もファン回転方向上流側の気流に対しては、仕切ガイド部材9のフロントパネル3の表面に対する傾斜角度が90度以下となり、仕切ガイド部材9における気流変更に伴う空気抵抗が大きくなるようになっている。
【0070】
したがって、この実施の形態においては、上下何れの室内空気吸込口8a,8bからの空気通路の空気抵抗が同一である場合には、遠心ファン5の回転方向上流側に風量が偏ることを是正して、ファン吸込口53に対し均等な気流分布を形成するようにしている。また、ファン吸込口53の正面には仕切ガイド部材9が形成されていないので、遠心ファン5の羽根車51と仕切ガイド部材9との干渉音が防ぐことができる。
【0071】
(変形例)
以下に上記各実施の形態に係る空気調和機を次のように変形することができる。
(1)前記仕切ガイド部材9は、フロントパネル3と一体的に形成されているが、これを別体として形成するとともに、接着剤等によりフロントパネル3に取り付けるようにしてもよい。また、この場合において仕切ガイド部材9全体を吸音材で構成するようにしてもよい。このようにすれば、仕切ガイド部材9を形成する吸音材により、ファン吸込口53付近の騒音発生エネルギが吸収される。したがって、ファン吸込口53付近から前方に放出される騒音発生エネルギが吸音材により吸収され、騒音を低減することができる。
【0072】
(2)また、仕切ガイド部材9の表面を吸音材により形成した構成としてもよい。このようにすれば、騒音を低減しながら吸音材の使用量を減らしコストダウンすることができる。なお、表面を吸音材により形成するために、シート状の吸音材を仕切ガイド部材の表面に張るようにしてもよい。
【0073】
(3)仕切ガイド部材9は、実施の形態1〜4及び実施の形態6において、実施の形態7の場合と同様に、ファン吸込口53の両側の部分のみに取り付けてもよい。このような場合、羽根車51と仕切ガイド部材9との干渉音を防ぐことができる。
【0074】
(4)また、実施の形態2において、仕切ガイド部材9は、ファン吸込口53に対応する中央部分9aのみ断面山形状に形成していたが、全幅に亘って断面山形状に形成することもできる。この場合は、実施の形態1の場合に比し、気流Sをファン吸込口53に案内する効果が良くなり、騒音抑制効果がより向上すると思われる。
【0075】
(5)また、仕切ガイド部材9の形状が、実施の形態1のように平板状である場合のように、製作が可能な限りにおいて仕切ガイド部材9を仕切板2と一体に成型するようにしてもよい。このようにすれば、フロントパネル3が一様な厚みに形成されるので、フロントパネル3の射出成型時にできる引けによる模様を回避することができる。したがって、フロントパネル3の外観を綺麗にすることができる。なお、実施の形態2のように、部分により仕切ガイド部材9の形状が異なる場合は、一体成型の容易さを考えて部分毎に一体成型する相手を変えてもよい。例えば、実施の形態2における断面山形状の中央部分9aをフロントパネルと一体的に成型し、平板状の部材からなる両側部分9bを仕切板2と一体に整形するというようにしてもよい。
【0076】
(6)実施の形態3〜5及び7における各仕切ガイド部材9は、フロントパネル3に対し傾斜して設けられており、フロントパネル側端部の位置が正面中心線Cf及び側面中心線Csからそれぞれ距離L離れた位置とされている。しかし、この距離Lは、各実施の形態における室内空気吸込口からの空気通路の通風抵抗、遠心ファン5の回転方向の上流側と下流側との風量差等に対応して異なる距離としてもよい。
【0077】
(7)また、室内空気吸込口8a,8bがフロントパネル3と仕切板2との間の上下の2辺に形成されるとともに、室内吹出口18が本体筐体1の左右側面に設けられていたが、室内空気吸込口8a,8b及び室内吹出口18の位置を90度位置変更して形成したものとしてもよい。具体的には、例えば、室内空気吸込口8a,8bをフロントパネル3と仕切板2との間の左右の2辺に形成するとともに、室内吹出口18を本体筐体1の上下面に形成したものとしてもよい。
【0078】
(8)上記各実施の形態においては、空気調整用機器4を空気清浄フィルタとした所謂空気清浄機を例に挙げて説明していたが、他の空気調和機として構成してもよい。例えば、この空気清浄フィルタに代わって冷暖房用の熱交換器を用いた空気調和機の室内ユニットとして構成することができる。
【0079】
(9)前記各実施の形態に係る空気調和機は、床置形として記載しているが、壁掛型の空気調和機とすることもできる。この場合には、本体筐体1の下方の電装品収納部12の奥行き寸法を薄型部11と同一にして、あるいは、電装品収納部12を他の位置に移動して、フロントパネル3の下端部と仕切板2との下端部との間に形成される室内空気吸込口8bを下面に露出するように形成することができる。また、本空気調和機の高さ方向を水平方向として薄型の天井吊型空気調和機としてもよい。これら壁掛型及び天井吊型空気調和機においても、薄型となることにより部屋に設置された場合の圧迫感を緩和することができる。
【0080】
(10)上記各実施の形態においては、空気調整用機器4である空気清浄フィルタとしては、静電集塵フィルタと脱臭フィルタの双方を備えていたが、何れか一方のフィルタを備えたものでもよい。また、静電集塵フィルタに代えてHEPAフィルタなどの他の形式の集塵フィルタにしてもよいことは勿論である。
【0081】
(11)遠心ファン5は、ターボファンに拘るものではなく、ターボファンに代えてラジアルファンを用いるようにしてもよい。遠心ファン5をラジアルファンとすると、遠心ファン5からの吹出気流は、周方向の成分が少ない気流となるので、気流が空気調整用機器4に入るときの乱れが小さくなる。この結果、気流の通過抵抗が小さくなるとともに騒音が小さくなる。すなわち、機器の省エネ化及び低騒音化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態1に係る空気調和機の分解斜視図である。
【図2】同空気調和機の外観斜視図である。
【図3】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図4】同空気調和機の側断面図である。
【図5】同空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図6】参考例としての空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内空気流れ図であって、(a)は安定時の空気流れ図であり、(b)は不安定児の空気流れ図である。
【図7】実施の形態2に係る空気調和機の側断面である。
【図8】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図9】同空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図11】図12におけるA−A断面図である。
【図12】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図14】図14におけるB−B断面図である。
【図15】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図17】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図19】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図20】図19におけるC−C断面及びB−B断面図である。
【図21】本発明の実施の形態7に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図22】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
H…境界線、R…回転方向、S…気流、Cf…正面中心線、1…本体筐体、2…仕切板、3…フロントパネル、4…空気調整用機器、5…遠心ファン、6…プレフィルタ、7…吸込側チャンバ、8a,8b…室内空気吸込口、9…仕切ガイド部材、18…室内吹出口、22…ベルマウス、52…回転軸、53…ファン吸込口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機、特に薄型化を可能にした空気調和機に関する。ここで空気調和機とは、室内空気の温度、湿度及び清浄度の少なくとも何れか一つを調整するための空気調整用機器を備えた装置、すなわち広い意味での空気調和機を意味する。また、上記中における清浄度とは、空気中に含まれる塵埃、浮遊汚染粒子、ガス状汚染物質、臭気成分などの含有度合いを意味する。
【背景技術】
【0002】
近年、空気調和機の形状に関しては一般的に奥行き寸法を小さくすることに対する要望が多くなっている。つまり薄型志向が強くなっている。また、空気調和機の意匠に関しては、表面形状に変化をもたらす室内空気吸込口などを施さない平らな表面形状のフロントパネルが好まれるようになってきている。なお、このように室内吸込口などを設けない平らな表面形状のデザインのフロントパネルがフラットなフロントパネルと一般に称されている。以下の説明においてフラットの語を使用するときは、このような意味で使用するものとする。
【0003】
また、空気調和機を薄型化する場合に構造的に一般に問題になるのは、熱交換器などの空気調整用機器とファンとの配置であり、さらに、この配置に関連する室内空気吸込口及び室内吹出口の配置とその構成である。一般に、空気調和機では空気調整用機器とファンとが機内において前後に配置されていることが通常であった。しかし、このような配置である限りにおいては、十分な薄型化を試みることが困難であった。
【0004】
そこで、この限界を打開するものとして、ファン吸込口を背面側に開口するように回転軸を前後方向にして遠心ファンを機内中央部に配置するとともに、この遠心ファンの径方向外周側に空気調整用機器としての熱交換器を配置した薄型空気調和機が提案されている。また、この薄型空気調和機では、室内空気が空気調和機の背面側から吸入され、空気調整後の空気が前面側コーナ部から吹き出されるように構成されている。特許文献1はその例である。
【特許文献1】特開2006−336910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この空気調和機は、薄型化の点においては満足すべき効果をもたらすが、前面側コーナ部に室内吹出口が設けられているため、フロントパネルをフラットにするという要望を十分には満たしていなかった。そこで、発明者は、前面コーナ部に吹出口を設けずに、フロントパネルを完全にフラット化した薄型の空気調和機をここに提案するものである。また、空気調和機を薄型化する場合の機能的な問題点としては、一般に寸法上の制約が厳しくなることから、室内空気吸込口と室内吹出口間のショートサーキットの発生、機内通風抵抗の増加、騒音の増加などが考えられる。そこで、ここに提案する空気調和機は、これら問題点についても考慮し解決を図った。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みされたものであって、フラットなフロントパネルを採用可能にするとともに、ショートサーキットの発生及び騒音の上昇を抑制した静音性の良好な薄型化の空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明に係る空気調和機は、前面が開放された正面視略四角形の本体筐体と、この本体筐体の前面に取り付けられた仕切板と、正面から見てファン吸込口が正面略中央部となるように回転軸を前後方向として本体筐体内に配置された遠心ファンと、前記仕切板の前面側に所定間隔空けて仕切板に対向するように配置されたフラットなフロントパネルと、フロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に形成された室内空気吸込口と、フロントパネルと仕切板との間全体に形成された、前記室内空気吸込口に連通する吸込側チャンバと、本体筐体内の遠心ファンの径方向吹出側に配置された室内空気の温度、湿度及び清浄度の少なくとも何れか一つを調整する空気調整用機器と、空気調整用機器の下流側であって室内空気吸込口と略直交する方向に配置された空気調整後の空気を室内へ吹き出すための室内吹出口とを備え、さらに、前記吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、空気調整用機器と遠心ファンとが平面的に配置されており、これら機器が一般的な空気調和機のように製品の前後方向に並べて配置されていないので、従来一般の空気調和機に比し薄型化を図ることができる。また、本体筐体内の遠心ファンの径方向吹出側に空気調整用機器が配置されるとともに、この空気調整用機器の下流側であって室内空気吸込口と略直交する方向に室内吹出口が配置されているので、室内空気吸込口と室内吹出口とが異なる方向に形成され、室内空気吸込口と室内吹出口との間のショートサーキットが防止される。また、フロントパネルと仕切板との間全体が吸込側チャンバとして形成されるとともに、室内空気吸込口がフロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に形成されているため、フロントパネルを完全にフラット化することができる。さらに、本発明においては、吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられている。これにより対向する両室内空気吸込口からの気流の相互干渉が回避され、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る気流が安定するので、騒音の上昇を抑制することができる。
【0009】
前記仕切ガイド部材は、前記対向する両室内空気吸込口から吸入される気流が衝突する境界線の変動領域内において、フロントパネルと仕切板との間を仕切るように配置された部材であって、少なくとも仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通る正面中心線上に配置されていることが好ましい。このように構成することにより、効果的に両室内空気吸込口から吸入される気流の相互干渉が回避される。これにより、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る気流が安定し、騒音が抑制される。
【0010】
また、前記仕切ガイド部材は、正面から見て吸込側チャンバの全幅に渡って形成されているようにしてもよい。このように構成されることにより両室内空気吸込口からの気流の相互干渉が略完全に防止される。したがって、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る空気流が安定し、騒音の上昇が抑制される。
【0011】
また、前記仕切ガイド部材は、正面から見てファン吸込口の両側全幅に形成されているようにしてもよい。このようにすると、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を防止するとともに、ファン吸込口の前面における羽根と気流ガイドとの干渉による騒音を軽減することができる。
【0012】
また、前記仕切ガイド部材は、フロントパネルと仕切板との間の間隙寸法に略同一の寸法を前後方向の寸法とする平板状の部材からなるものとしてもよい。このように構成すると、簡易な構成により両室内空気吸込口からの気流の干渉を防止することができ、騒音を抑制することができる。
【0013】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板の表面に対し垂直に形成されているものとしてもよい。このような簡易な構成としても、両室内空気吸込口からの気流の干渉を回避する仕切ガイド部材を形成することができる。
【0014】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するようにしてもよい。このように構成すると、両室内空気吸込口から吸入される気流が衝突する境界線の中央部に形成されるので、両室内空気吸込口からの気流の空気通路の通風抵抗が略同一の場合には、両室内空気吸込口からの流量を均一にすることが容易になる。
【0015】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から遠心ファンの回転方向側に所定距離離れて位置することにより、回転軸の中心に対し対称的にフロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることが好ましい。仕切ガイド部材を設けると、仕切ガイド部材のファン回転方向上流側が下流側に比し気流量が増加する傾向にあるが、このように構成すると、仕切ガイド部材とフロントパネルの表面との傾斜角度がファン回転方向上流側において90度以下となるので、仕切ガイド部材における気流変更に伴う空気抵抗がファン回転方向上流側において大きくなる。これにより、ファン吸込口において均等な気流分布を得ることができ、騒音の低減を図ることができる。
【0016】
また、前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から空気通路の通風抵抗が小さくなる室内空気吸込口側に所定距離離れて位置することにより、フロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることが好ましい。このように構成すると、仕切ガイド部材とフロントパネルの表面との成す角度が、室内空気吸込口からの気流の空気通路の通風抵抗が小さくなる側が90度以下となり、反対側の空気通路の通風抵抗が大きくなる側において90度以上となる。この結果、空気通路の通風抵抗が大きくなる側のほうが空気をファン吸込口に案内し易くなる。したがって、室内空気吸込口からの空気通路の通風抵抗に差がある場合にファン吸込口における風量分布を均一にすることができる。
【0017】
また、前記仕切ガイド部材は、正面から見て、遠心ファンの回転軸の中心から遠ざかるにつれ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線から空気通路の通風抵抗が大きくなる室内空気吸込口側に離れるように傾斜するように構成してもよい。このように構成すると、空気通路の通風抵抗が大きくなる室内空気吸込口側からの気流が仕切ガイド部材によりファン吸込口へ案内され易くなるので、両室内空気吸込口からの流量を均一にすることが容易になる。
【0018】
また、前記仕切ガイド部材は、断面が山形状の部材であって、その頂上が仕切板側に向けられるとともに、山形状を成す傾斜面の室内空気吸込口側が凹状の曲面に形成されているように形成することもできる。このように構成した場合は、両室内空気吸込口からの気流をより円滑にファン吸込口へ導くことができるので、より一層騒音の上昇を抑制することができる。
【0019】
前記仕切ガイド部材は、前記フロントパネルと一体的に成型されているものとしてもよい。このように構成すれば、仕切ガイド部材の取り付け作業が不要となるので、内部に装備されている機器のメンテナンスのための組み立て分解作業が容易になる。また、このような構成の場合は、プレフィルタを仕切板に取り付けることにより、ベルマウスの風上側にプレフィルタを容易に取り付けることができる。
【0020】
また、前記仕切ガイド部材は、平板状の部材のような形状の場合には、前記仕切板と一体的に成型することもできる。仕切ガイド部材を前述のようにフロントパネルと一体的に射出成型すると、射出成型時にできる引けによりフロントパネルの表面に模様ができることが考えられる。しかし、仕切ガイド部材を仕切板と一体的に射出成型すれば、フロントパネルにおけるこのような模様を確実に回避することができ。綺麗な外観を得ることができる。
【0021】
また、仕切ガイド部材全体を吸音材で形成するようにしてもよい。このように構成すれば、仕切ガイド部材を形成する吸音材により、ファン吹出口付近の騒音発生エネルギが吸収される。したがって、ファン吹出口付近から前方に放出される騒音発生エネルギ減少により、騒音を低減することができる。
【0022】
また、前記仕切ガイド部材は、表面を吸音材により形成した構成としてもよい。このようにすれば、騒音低減効果を維持しながら吸音材の使用量を減らしコストダウンすることができる。
【0023】
また、前記室内空気吸込口は、フロントパネルと仕切板との間隔周辺のうちの上下2辺に形成されるとともに、空気調整用機器は、遠心ファンの左右の径方向吹出側に配置され、さらに、前記室内吹出口は、本体筐体の左右側部に設けられているものとすることもできる。このようにすれば、室内空気吸込口と室内吹出口との間のショートサーキットを避けながら、調整後の空気を左右対称的に吹き出すことができる。また、このように構成した場合は、左右の空気調整用機器の風速分布を均一にし、空気調整の効率を向上させることが容易になる。また、この空気調和機が設置される部屋の一壁面の略中央部に沿ってこの空気調和機を配置して使用すると、空気調整用機器を通過して調整された空気が壁面に沿って吹き出され、空気調和機の正面から室内空気を吸い込む循環気流が形成される。この結果、室内を包み込むような循環気流が形成されるので、室内の全体が空気を効率よく調整することができる。
【0024】
また、前記仕切板には、ベルマウスの前面側にプレフィルタが取り付けられていることが好ましい。このような構成にすれば、室内から還流する空気を空気調整用機器に通風させる前に空気中の大きな塵埃を除去するので、糸くずなどの大きなごみが遠心ファン及び空気調整用機器に吸い込まれることが防止される。さらに、このプレフィルタにより遠心ファンへの吸込気流が整流されるので機内抵抗が減少し、騒音が低下する。
【0025】
また、このような構成の空気調和機において、前記空気調整用機器は、少なくとも集塵フィルタ又は脱臭フィルタの何れか一方を備えているものとすることができる。このように構成すれば、薄型の空気清浄機とすることができる。
【0026】
また、前記空気調整用機器は、少なくとも室内空気を冷却又は加熱する熱交換器を備えているものとすることができる。このようにすると、薄型の空気調和機用室内ユニットを構成することができる。
【0027】
また、前記遠心ファンをターボファンとしてもよい。遠心ファンをターボファンとすると、運転効率が高くなるので機器の省エネ化を図ることができる。
また、前記遠心ファンをラジアルファンとしてもよい。遠心ファンをラジアルファンとすると、遠心ファンからの吹出気流は、周方向の成分が少ない気流となるので、気流が空気調整用機器に入るときの乱れが小さくなる。この結果、気流の通過抵抗が小さくなるとともに騒音が小さくなる。すなわち、機器の省エネ化及び低騒音化を図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る空気調和機によれば、空気調整用機器と遠心ファンとが平面的に配置されているので、本体筐体の薄型化を図ることができる。また、室内空気吸込口と直交する方向に室内吹出口が配置されるので、室内吸込空気と室内吹出空気とのショートサーキットが防止される。また、フロントパネルと仕切板との間全体が吸込側チャンバとして形成されるとともに、フロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に室内空気吸込口が形成されているため、フロントパネルを完全にフラット化することができる。さらに、吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられているので、対向する両室内空気吸込口からの気流の相互干渉が回避され、両室内空気吸込口からファン吸込口に至る気流が安定し、騒音の増加を抑制することができる。また、ファン吸込口の前方がフラットなフロントパネルで覆われているため、前面に漏れるファンの騒音が緩和される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る空気調和機について、図1〜図5に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係る空気調和機の分解斜視図であり、図2は同空気調和機の外観斜視図であり、図3は同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図であり、図4は同空気調和機の側断面図であり、図5は同空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。なお、図6(a)、(b)に、参考例に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図を示す。
【0030】
本実施の形態に係る空気調和機は、床置型であって、空気調整用機器として空気清浄フィルタを用いた所謂空気清浄機である。この空気清浄機の筐体は、図1〜図4に示すように、前面が開放された略箱型の本体筐体1と、本体筐体1の前面に取り付けられている仕切板2と、さらにこの仕切板2の前面に取り付けられているフロントパネル3とから構成されている。なお、図2及び図4における実線矢印は空気の流れ方向を示す。
【0031】
本体筐体1は、上方大半部が薄型に形成された略箱型の薄型部11に形成され、この薄型部11の下方部にはフロントパネル3の前面と略面一となる程度に奥行きが大きく形成された電装品収納部12が形成されている。この電装品収納部12は、この空気調和機のベース部材を兼ねている。また、電装品収納部12において、前方への出っ張り部の前面上部から上面にかけての角部は、後述するフロントパネル3の下端部と仕切板2の下端部との間に形成される室内空気吸込口8bに連なるように、側断面が曲面状の凹部13に形成されている(図4参照)。本体筐体1における薄型部11の左右両側部の上下角部には段状部14が形成され、この上下の段状部14間が後述する空気調整用機器4としての空気清浄フィルタを収納する収納スペース15として形成されている(図1参照)。本体筐体1の薄型部11の前面には内向きフランジ16が形成され、この内向きフランジ16には仕切板2を取り付けるための複数のねじ孔17が形成されている(図1参照)。
【0032】
本体筐体1の左右側方に取り付けられる空気調整用機器4としての空気清浄フィルタは、本発明における空気調整用機器4の一例であって、流通する空気中の浮遊汚染粒子、ガス状汚染物質などの汚染物を除去して空気を清浄化する機能を備えたフィルタ部材又は機器である。なお、この空気清浄フィルタは、図面にはその詳細を記載していないが、従来公知のようなものでよい。例えば、後述する遠心ファン5の吹出側に、バイオ抗体の力で空気中に浮遊するウイルスを素早く吸着するバイオ抗体フィルタを設け、その下流側にプラズマイオン化部で埃や花粉をプラスに帯電させ、マイナスに帯電したフィルタでこれら埃や花粉を吸着する静電集塵フィルタを配置する。そして、この静電集塵フィルタの下流側に、臭気成分を分解するとともに、カビ菌やウイルスを吸着する光触媒アパタイトフィルタなどの脱臭フィルタを配置したものとする。このような構成の空気清浄フィルタは、その外周形状が前記収納スペース15の形状に合致するような直方体状に形成されたものであって、左右のものが略同一形状に形成されている。また、この空気清浄フィルタは、後述するフロントパネル3及び仕切板2を外した状態において、本体筐体1の前面側から着脱自在に取り付けられている。
【0033】
そして、本体筐体1の空気調整用機器4の空気流出側に位置する両側面には、清浄化された空気を室内へ吹き出すための室内吹出口18がそれぞれ形成されている。
また、本体筐体1における薄型部11の前面から見た中央部には、遠心ファン5が配置されている。遠心ファン5としてはターボファンが用いられている。この遠心ファン5は、羽根車51の回転軸52を前後方向にするとともに、シュラウド54により形成されるファン吸込口53を前面側にして配置されている。また、ファンモータ55が本体筐体1の背板に取り付けられている。さらに、遠心ファン5の後側に位置するハブの中央部分を断面円形として前方に膨出させた膨出部56を形成している。そして、この膨出部56内にファンモータ55が配置されている。なお、ファンモータ55としては、薄型に設計されたものが使用されており、膨出部56の前方への膨らみをできるだけ小さくなるようにしている。また、前述の空気調整用機器4としての空気清浄フィルタは、この遠心ファン5の羽根車51の径方向吹出側となる本体筐体1の左右に取り付けられている。遠心ファン5の回転方向Rは、図1、図5、及び図6に示すように、正面から見て反時計方向である。
【0034】
仕切板2は、平板状であって、その周辺部には本体筐体1の前面の内向きフランジにねじ止めするためのねじ貫通用の複数の貫通孔21が設けられている。そして、仕切板2は、貫通孔21を介してねじ(図示せず)により本体筐体1の前面の内向きフランジ16に着脱自在にねじ止めされている(図1参照)。また、仕切板2には、遠心ファン5のファン吸込口53に対応する位置にベルマウス22が形成されている。仕切板2は、このように形成されることにより、仕切板2の内側をファン吹出側とし、仕切板2の前面側をファン吸込側とするように機能する。さらに、仕切板2は、空気調整用機器4の収納スペース15の前面側の収納壁を兼用する。
【0035】
また、仕切板2の中央部に形成されたベルマウス22の前面側には、プレフィルタ6が取り付けられている。プレフィルタ6は、カテキン含有のフィルタであって、大きな埃やペットの毛などを捕集するとともに、埃などに付着している細菌やカビ成分を除菌する機能を備えている。
【0036】
フロントパネル3は、フラットな平面を備えた前板31の両側を後方に折り曲げて折曲片32を形成し、この折曲片32の寸法を適切に設定することにより、仕切板2との間全体に狭い間隔の吸込側チャンバ7を形成するように構成されている。また、フロントパネル3は、本体筐体1又は仕切板2に対し、図示しない適宜の手段により着脱自在に取り付けられている。そして、フロントパネル3の上端部と仕切板2の上端部との間、及びフロントパネル3の下端部と仕切板2の下端部との間にそれぞれ室内空気吸込口8a,8bがスリット状に形成されている。したがって、この室内空気吸込口8a,8bは前述の室内吹出口18とは取付方向が90度相違する方向となる。
【0037】
また、フロントパネル3の背面には、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る正面中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf(図5参照)上に吸込側チャンバ7を横断する平板状の仕切ガイド部材9が設けられている。平板状の仕切ガイド部材9は、仕切板2及びフロントパネル3の面に対し垂直な平板状であって、その幅寸法(前後方向の寸法)がフロントパネル3と仕切板2との間の間隙寸法、換言すると折曲片32の高さ寸法と略同一に形成されている。したがって、この実施の形態において仕切ガイド部材9は、仕切板2側端部及びフロントパネル3側端部とも正面中心線Cf上に位置する。この点については図4の側面図からもよく理解できる。なお、正面中心線Cfは側面から見た場合は、図4における遠心ファン5の回転軸52の中心を通る側面中心線Cs上に位置する。また、フロントパネル3とこの仕切ガイド部材9とは射出成型により樹脂一体成型されている。このように、フロントパネル3の背面側に形成された仕切ガイド部材9は、吸込側チャンバ7内において、両室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf上に位置して、吸込側チャンバ7を横断する仕切ガイド部材9として機能する。すなわち、この仕切ガイド部材9は、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に流れる気流S(図5参照)の相互干渉を回避するためのものである。
【0038】
次に、本実施の形態に係る空気調和機の運転について説明する。
図示しない運転スイッチが投入されることにより、ファンモータ55が運転されて遠心ファン5が運転されるとともに、電源を必要とする静電集塵フィルタなどを備えた空気清浄フィルタが作動する。これにより、フロントパネル3の上端部と仕切板2の上端部との間にスリット状に形成された室内空気吸込口8aを介して室内空気が吸い込まれる。また、室内空気は、本体筐体1の電装品収納部12の前面に形成された凹部13から、フロントパネル3の下端部と仕切板2の下端部との間にスリット状に形成された室内空気吸込口8bを介しても吸い込まれる。このように両室内空気吸込口8a,8bから吸入された室内空気は、フロントパネル3と仕切板2との間に形成された吸込側チャンバ7に入る。
【0039】
両室内空気吸込口8a,8bから吸込側チャンバ7に流入した空気は、本発明の仕切ガイド部材9が無い場合は、概ね図6(a)に示すように流れると考えられる。すなわち、両室内空気吸込口8a,8bが上下のみにあり、遠心ファン5のファン吸込口53がベルマウス22を介し吸込側チャンバ7の中央部に開口しているので、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cfを境界線Hとして上下に対称的な気流Sになっている。しかし、実際には、空気調和機周りの気流の変動や、ファン回転数の変動などにより、上下の気流Sがこの境界線H付近で相互干渉するため、境界線Hが不安定になる。すなわち、境界線Hが、図6(b)に示すように、両室内空気吸込口8a,8b間において、正面中心線CfからH1,H2の線で示す位置間を上下に変動する。そして、この変動により、ファンの吸込空気流れが変動して騒音上昇の要因になると考えられる。
【0040】
しかしながら、この実施の形態においては、図4及び図5に示すように、吸込側チャンバ7には、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf上に、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sの干渉を回避する仕切ガイド部材9が設けられている。このため、両室内空気吸込口8a,8bから吸込側チャンバ7に流入した空気は、この仕切ガイド部材9により、上下双方の気流Sが干渉しないように構成されている。この結果、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に至る気流Sが安定し、騒音の増加が抑制される。
【0041】
なお、このような仕切ガイド部材9の作用に付加して、ベルマウス22の前面側にプレフィルタ6が取り付けられているため、吸込側チャンバ7内における気流Sの動圧が静圧に置換されてファン吸込口53の空気の流れが整流されるため、機内通風抵抗が減少し、騒音が低下する。
【0042】
そして、両室内空気吸込口8a,8bから流入した室内空気は、プレフィルタ6、ベルマウス22及びファン吸込口53を介し遠心ファン5に吸入され、羽根車51の径方向吹出側に吹き出される。この経路において、プレフィルタ6では大きな埃やペットの毛などが捕集され、カテキン成分により埃などに付着した細菌やカビ菌が除去される。
【0043】
また、遠心ファン5から径方向に吹き出された空気は、本体筐体1内において左右の空気調整用機器4としての空気清浄フィルタに送られる。そして、空気清浄フィルタに送られた室内空気は、バイオ抗体フィルタで浮遊するウイルスが吸着され、静電集塵部で埃や花粉がプラスに帯電されてマイナスに帯電されたフィルタに吸着される。さらに、脱臭フィルタで臭い成分が分解されるとともに、細菌やカビ菌が吸着されて臭いが除去され、清浄化された空気となって室内吹出口18から左右方向に吹き出される。
【0044】
なお、以上のように形成された空気清浄機は床置き型として壁面に沿って使用される。また、この空気清浄機が使用される室内においては、室内空気がこの空気清浄機の上下部の前面側から吸入されるのに対し、空気調整された空気が本体筐1体の側面から壁面に沿って吹き出される。このため、室内において、部屋の周囲から空気調和機の正面中央部に向かう循環気流が形成され、効率よく室内全体の空気が清浄化される。
【0045】
以上のように構成された空気調和機によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)空気調整用機器4と遠心ファン5とが平面的に配置されており、従来の一般の製品のように前後方向に並べて配置されていないので、本体筐体1の奥行き寸法を小さくして薄型にすることができる。また、遠心ファン5の吹出側に空気調整用機器4としての空気清浄フィルタが配置されているため、空気清浄フィルタによる吸音効果や遮音効果が発揮され、空気調和機の低騒音化が図れる。
【0046】
(2)また、本体筐体1内の遠心ファン5の径方向吹出側に空気調整用機器4が配置されるとともに、この空気調整用機器4の下流側であって室内空気吸込口8a,8bと略直交する方向に室内吹出口18が配置されている。したがって、室内空気吸込口8a,8bと室内吹出口18とは異なる方向に形成されることになるので、室内空気吸込口8a,8bと室内吹出口18との間のショートサーキットが防止される。
【0047】
(3)また、フロントパネル3と仕切板2との間全体が吸込側チャンバ7として形成されるとともに、室内空気吸込口8a,8bがフロントパネル3と仕切板2との間の周辺のうちの対向する2辺に形成されているため、フロントパネル3を完全にフラット化することができる。また、フロントパネル3がフラットになっているため、フロントパネル3の清掃が楽になり、メンテナンス性が向上する。
【0048】
(4)また、対向する両室内空気吸込口8a,8bから吸入される気流が衝突する境界線の変動領域内において、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る正面中心線Cf上に仕切板側端部が略位置するように、仕切ガイド部材9が配置されているので、効果的に両室内空気吸込口8a,8bから吸入される気流の相互干渉が回避される。これにより、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に至る気流Sが安定し、騒音が抑制される。
【0049】
(5)仕切ガイド部材9が正面中心線Cf上において、吸込側チャンバ7を横切る全幅に亘って形成されているので、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sの干渉が略完全に防止され、両室内空気吸込口8a,8bからファン吸込口53に至る気流Sが安定し、騒音の増加が抑制される。
【0050】
(6)仕切ガイド部材9が、フロントパネル3と仕切板2との間の間隙寸法を幅寸法とする平板状の部材を仕切板2に対し垂直となるように形成されているので、簡易な構成により、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sの干渉を防止することができ、騒音の増加を抑制することができる。
【0051】
(7)仕切ガイド部材9が、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通る中心線であって、かつ室内空気吸込口8a,8bと平行な正面中心線Cf上に設けられているので、両室内空気吸込口からの気流の空気通路の通風抵抗が略同一の場合には、両室内空気吸込口からの流量を均一にすることができる。
【0052】
(8)仕切ガイド部材9がフロントパネル3と一体的に射出成型されているので、仕切ガイド部材9の取り付け作業が不要であり、内部に装備されている機器のメンテナンスのための組み立て分解作業が容易である。また、仕切ガイド部材9がフロントパネル3に設けられているので、プレフィルタ6を仕切板2に取り付けることにより、ベルマウス22の風上側にプレフィルタ6を容易に取り付けることができる。
【0053】
(9)室内空気吸込口8a,8bは、フロントパネル3と仕切板2との間隔周辺のうちの上下2辺に形成されるとともに、空気調整用機器4は、遠心ファン5の左右の径方向吹出側に配置され、さらに、室内吹出口18は、本体筐体1の左右側部に設けられている。したがって、室内空気吸込口8a,8bと室内吹出口18との間のショートサーキットを避けながら、調整後の空気を左右対称的に吹き出すことができる。また、左右の空気調整用機器4の風速分布を均一にし、空気調整の効率を向上させることが容易になる。また、この空気調和機が設置される部屋の一壁面の略中央部に沿ってこの空気調和機を配置して使用すると、空気調整用機器4を通過して調整された空気が壁面に沿って吹き出され、空気調和機の正面から室内空気を吸い込む循環気流が形成される。この結果、室内を包み込むような循環気流が形成されるので、室内の全体が空気を効率よく調整することができる。
【0054】
(10)プレフィルタ6が仕切板2に形成されたベルマウス22の前面側に取り付けられているので、糸くずなどの大きなごみが遠心ファン5及び空気調整用機器4に吸い込まれることが防止される。さらに、このプレフィルタ6により遠心ファン5への糸くずなどの大きなごみが遠心ファン5及び空気調整用機器4に吸い込まれることが防止される。さらに、このプレフィルタ6により遠心ファン5への吸込気流が整流されるので、遠心ファン5の吸込抵抗が減少し、遠心ファン5の騒音が低下する。
【0055】
(11)また、前面に向いているファン吸込口53が、フラットなフロントパネル3で覆われているため、前面に漏れるファンの騒音が緩和される。
(12)空気調整用機器4としての空気清浄フィルタが複数の位置に分散配置されているので、すなわち、この実施の形態の場合には、空気清浄フィルタが本体筐体1内において左右側方の位置に分散配置されているので、空気清浄フィルタの空気通過面積を大きくすることができ、空気清浄効率を向上させることができる。
【0056】
(13)空気調整用機器4として集塵フィルタと脱臭フィルタの双方を有する空気清浄フィルタを備えているので、薄型の空気清浄機を提供することができる。したがって、空気清浄機の用途の拡大、需要の拡大を図ることができる。
【0057】
(14)遠心ファン5としてターボファンが用いられているので、運転効率が高くなり、機器の省エネ化を図ることができる。
次に、仕切ガイド部材9の他の形状例について、実施の形態2以下において説明する。なお、実施の形態2以下の各実施の形態に係る空気調和機は、仕切ガイド部材9を除いては実施の形態1と同様である。以下の説明では実施の形態1と異なる仕切ガイド部材について説明し、共通する他の部分についてはその説明を省略する。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る空気調和機は、図7の側断面図、図8のフロントパネルの背面斜視図及び図9の空気流れ図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、正面中心線Cf上における中央部分9a、すなわち、ファン吸込口53に対応する部分を断面山形状とし、その両側部分9bを実施の形態1のものと同様の平板状にしている。また、中央部分9aの山形状の頂上は仕切板2側に向けられるとともに、中央部分9aの山形状を成す傾斜面の室内空気吸込口8a,8b側表面が凹状の曲面に形成されている。
【0059】
実施の形態2にはこのように構成されているので、実施の形態1における前述の効果(1)〜(5)及び(7)〜(13)と同様の効果を奏することができる。また、両室内空気吸込口8a,8bからの気流Sをより円滑にファン吸込口53へ導くことができるので、より一層騒音の増加を抑制することができる。
【0060】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る空気調和機は、図10の空気流れ図、図11の部分断面図及び図12のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、実施の形態1における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。また、仕切ガイド部材9自体は、フロントパネル3及び仕切板2の表面に対し傾斜して形成されている。この実施の形態における仕切ガイド部材9は、仕切板2側端部が正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通るとともに、両室内空気吸込口8a,8bに平行な正面中心線Cf上にあり、また、フロントパネル3側端部が正面中心線Cf、及び側面から見て回転軸52の中心を通る側面中心線Csから上方に距離L離れた位置とされている。
【0061】
実施の形態3は、このように仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されているので、実施の形態1の場合と同様の効果を奏する。また、この場合は、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、上方においては90度以上であり、下方において90度以下となっている。このためファン吸込口53に対しては上方の室内空気吸込口8aからの空気をファン吸込口53に案内し易くなっている。したがって、上方の室内空気吸込口8aに埃などを吸い込まないようにエアフィルタを設置するなどにより、上方の室内空気吸込口8aからの気流に対する空気抵抗が大きい場合に、このような配置をすることによりファン吸込口53における風量分布を均一にすることができる。
【0062】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る空気調和機は、図13の空気流れ図、図14の部分断面図及び図15のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、実施の形態1における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。また、仕切ガイド部材9自体は、フロントパネル3及び仕切板2の表面に対し傾斜して形成されている。この実施の形態における仕切ガイド部材9は、仕切板2側端部が正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通るとともに、両室内空気吸込口8a,8bに平行な正面中心線Cf上にあり、また、フロントパネル3側端部が正面中心線Cf、及び側面から見て回転軸52の中心を通る側面中心線Csから下方に距離L離れた位置とされている。
【0063】
実施の形態4は、このように仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されているので、実施の形態1の場合と同様の効果を奏する。また、この場合は、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、上方においては90度以下であり、下方において90度以上となっている。このためファン吸込口53に対しては下方の室内空気吸込口8bからの空気を上方の室内空気吸込口8aからよりも吸い込み易くなっている。したがって、下方の室内空気吸込口8bの手前の曲面状の凹部13などの存在により、下方の室内空気吸込口8bからの気流に対する空気抵抗が大きい場合に、このような配置をすることによりファン吸込口53における風量分布を均一にすることができる。
【0064】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る空気調和機は、図16の空気流れ図及び図17のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、仕切ガイド部材9は、実施の形態1における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。また、仕切ガイド部材9は、正面視左側にある左仕切ガイド部材91と正面視右側にある右仕切ガイド部材92とから構成されている。両仕切ガイド部材91.92は、何れも仕切板2側端部が正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心を通るとともに、両室内空気吸込口8a,8bに平行な正面中心線Cf上にある。しかし、フロントパネル3側端部については、左仕切ガイド部材91が正面中心線Cf及び側面中心線Csから下方に距離L離れた位置されている。この側断面は図14と同一である。また、右仕切ガイド部材92が正面中心線Cf及び側面中心線Csから上方に距離L離れた位置とされている。この側断面は図11と同一である。
【0065】
したがって、この実施の形態においては、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との傾斜角度は、左右何れの仕切ガイド部材91,92においても、ファン回転方向上流側が90度以下となり、ファン回転方向下流側が90度以上となる。
【0066】
実施の形態5は、このように仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されているので、実施の形態1の場合と同様の効果を奏する。また、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、左右何れにおいても、遠心ファン5の回転方向の上流側が90度以下であるため、空気通路としての空気抵抗が上下バランスしている場合において、遠心ファン5の羽根車51の回転方向による風量の偏りを是正して、ファン吸込口53に対し均等な気流分布を形成することができる。これにより騒音の低減を図ることができる。
【0067】
(実施の形態6)
実施の形態6に係る空気調和機は、図18の空気流れ図、図19のフロントパネルの背面斜視図及び図20の部分断面図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、この実施の形態に係る仕切ガイド部材9は、実施の形態4において、正面視左側にある左仕切ガイド部材91と正面視右側にある右仕切ガイド部材92とに分割されている。さらに、分割された左右の仕切ガイド部材91、92は、正面から見て遠心ファン5の回転軸52の中心から遠ざかるにつれから下方の室内空気吸込口8b側に離れるように傾斜して形成されている。したがって、仕切ガイド部材9は、正面から見て正面中心線Cfに対し傾斜角度θを成して左右対称的な山形状となるように形成されている。また、正面中心線Cfに対する傾斜角度θは、仕切ガイド部材9の端部が図6(b)に説明した境界線移動範囲内に収まるように設定されている。また、仕切ガイド部材9は、実施の形態4における仕切ガイド部材9と同様に平板状であって、フロントパネル3と一体的に形成されている。さらに、仕切ガイド部材9は、実施の形態4のようにフロントパネル3に対し上方の傾斜角度が90度以下であり。下方の傾斜角度が90度以上となるように、仕切板側端部の位置とフロントパネル側端部の位置とが仕切ガイド部材9の長手方向の端縁に対する直角方向において距離L離れるように形成されている(図20参照)。
【0068】
実施の形態6は、以上のように、仕切ガイド部材9が吸込側チャンバ7全幅に渡って形成されるとともに、仕切ガイド部材9とフロントパネル3の表面との成す角度が、上方においては90度以下であり、下方において90度以上となっている。このため、実施の形態4の場合と同様に、ファン吸込口53に対しては下方の室内空気吸込口8bからの空気を上方の室内空気吸込口8aからよりも吸込み易くなっている。さらに、この実施の形態の仕切ガイド部材9は、正面中心線Cfに対し傾斜角度θを成す山形状に形成されているので、実施の形態4の場合に比し、さらに下方の室内空気吸込口8bからの室内空気を吸込み易く形成されている。したがって、実施の形態6の仕切ガイド部材9は、下方の室内空気吸込口8bの手前の曲面状の凹部13などの存在により、下方の室内空気吸込口8bからの気流に対する空気抵抗がさらに大きい場合に、このような配置をすることにより上下の風量バランスを図ることができる。
【0069】
(実施の形態7)
実施の形態7に係る空気調和機は、図21の空気流れ図及び図22のフロントパネルの背面斜視図に示す形状の仕切ガイド部材9を備えたものである。すなわち、この実施の形態に係る仕切ガイド部材9は、実施の形態5のものと同様に平板状であり、フロントパネル3と一体的に形成されたものであって、実施の形態5においてファン吸込口53の正面に位置する部分が除去されたものである。したがって、仕切ガイド部材9は、正面視左側にある左仕切ガイド部材91と正面視右側にある右仕切ガイド部材92とから構成されているが、両仕切ガイド部材91.92は、ファン吸込口53の左右両側全域に形成されている。また、この実施の形態の場合は、左右何れの仕切ガイド部材91.92もファン回転方向上流側の気流に対しては、仕切ガイド部材9のフロントパネル3の表面に対する傾斜角度が90度以下となり、仕切ガイド部材9における気流変更に伴う空気抵抗が大きくなるようになっている。
【0070】
したがって、この実施の形態においては、上下何れの室内空気吸込口8a,8bからの空気通路の空気抵抗が同一である場合には、遠心ファン5の回転方向上流側に風量が偏ることを是正して、ファン吸込口53に対し均等な気流分布を形成するようにしている。また、ファン吸込口53の正面には仕切ガイド部材9が形成されていないので、遠心ファン5の羽根車51と仕切ガイド部材9との干渉音が防ぐことができる。
【0071】
(変形例)
以下に上記各実施の形態に係る空気調和機を次のように変形することができる。
(1)前記仕切ガイド部材9は、フロントパネル3と一体的に形成されているが、これを別体として形成するとともに、接着剤等によりフロントパネル3に取り付けるようにしてもよい。また、この場合において仕切ガイド部材9全体を吸音材で構成するようにしてもよい。このようにすれば、仕切ガイド部材9を形成する吸音材により、ファン吸込口53付近の騒音発生エネルギが吸収される。したがって、ファン吸込口53付近から前方に放出される騒音発生エネルギが吸音材により吸収され、騒音を低減することができる。
【0072】
(2)また、仕切ガイド部材9の表面を吸音材により形成した構成としてもよい。このようにすれば、騒音を低減しながら吸音材の使用量を減らしコストダウンすることができる。なお、表面を吸音材により形成するために、シート状の吸音材を仕切ガイド部材の表面に張るようにしてもよい。
【0073】
(3)仕切ガイド部材9は、実施の形態1〜4及び実施の形態6において、実施の形態7の場合と同様に、ファン吸込口53の両側の部分のみに取り付けてもよい。このような場合、羽根車51と仕切ガイド部材9との干渉音を防ぐことができる。
【0074】
(4)また、実施の形態2において、仕切ガイド部材9は、ファン吸込口53に対応する中央部分9aのみ断面山形状に形成していたが、全幅に亘って断面山形状に形成することもできる。この場合は、実施の形態1の場合に比し、気流Sをファン吸込口53に案内する効果が良くなり、騒音抑制効果がより向上すると思われる。
【0075】
(5)また、仕切ガイド部材9の形状が、実施の形態1のように平板状である場合のように、製作が可能な限りにおいて仕切ガイド部材9を仕切板2と一体に成型するようにしてもよい。このようにすれば、フロントパネル3が一様な厚みに形成されるので、フロントパネル3の射出成型時にできる引けによる模様を回避することができる。したがって、フロントパネル3の外観を綺麗にすることができる。なお、実施の形態2のように、部分により仕切ガイド部材9の形状が異なる場合は、一体成型の容易さを考えて部分毎に一体成型する相手を変えてもよい。例えば、実施の形態2における断面山形状の中央部分9aをフロントパネルと一体的に成型し、平板状の部材からなる両側部分9bを仕切板2と一体に整形するというようにしてもよい。
【0076】
(6)実施の形態3〜5及び7における各仕切ガイド部材9は、フロントパネル3に対し傾斜して設けられており、フロントパネル側端部の位置が正面中心線Cf及び側面中心線Csからそれぞれ距離L離れた位置とされている。しかし、この距離Lは、各実施の形態における室内空気吸込口からの空気通路の通風抵抗、遠心ファン5の回転方向の上流側と下流側との風量差等に対応して異なる距離としてもよい。
【0077】
(7)また、室内空気吸込口8a,8bがフロントパネル3と仕切板2との間の上下の2辺に形成されるとともに、室内吹出口18が本体筐体1の左右側面に設けられていたが、室内空気吸込口8a,8b及び室内吹出口18の位置を90度位置変更して形成したものとしてもよい。具体的には、例えば、室内空気吸込口8a,8bをフロントパネル3と仕切板2との間の左右の2辺に形成するとともに、室内吹出口18を本体筐体1の上下面に形成したものとしてもよい。
【0078】
(8)上記各実施の形態においては、空気調整用機器4を空気清浄フィルタとした所謂空気清浄機を例に挙げて説明していたが、他の空気調和機として構成してもよい。例えば、この空気清浄フィルタに代わって冷暖房用の熱交換器を用いた空気調和機の室内ユニットとして構成することができる。
【0079】
(9)前記各実施の形態に係る空気調和機は、床置形として記載しているが、壁掛型の空気調和機とすることもできる。この場合には、本体筐体1の下方の電装品収納部12の奥行き寸法を薄型部11と同一にして、あるいは、電装品収納部12を他の位置に移動して、フロントパネル3の下端部と仕切板2との下端部との間に形成される室内空気吸込口8bを下面に露出するように形成することができる。また、本空気調和機の高さ方向を水平方向として薄型の天井吊型空気調和機としてもよい。これら壁掛型及び天井吊型空気調和機においても、薄型となることにより部屋に設置された場合の圧迫感を緩和することができる。
【0080】
(10)上記各実施の形態においては、空気調整用機器4である空気清浄フィルタとしては、静電集塵フィルタと脱臭フィルタの双方を備えていたが、何れか一方のフィルタを備えたものでもよい。また、静電集塵フィルタに代えてHEPAフィルタなどの他の形式の集塵フィルタにしてもよいことは勿論である。
【0081】
(11)遠心ファン5は、ターボファンに拘るものではなく、ターボファンに代えてラジアルファンを用いるようにしてもよい。遠心ファン5をラジアルファンとすると、遠心ファン5からの吹出気流は、周方向の成分が少ない気流となるので、気流が空気調整用機器4に入るときの乱れが小さくなる。この結果、気流の通過抵抗が小さくなるとともに騒音が小さくなる。すなわち、機器の省エネ化及び低騒音化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態1に係る空気調和機の分解斜視図である。
【図2】同空気調和機の外観斜視図である。
【図3】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図4】同空気調和機の側断面図である。
【図5】同空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図6】参考例としての空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内空気流れ図であって、(a)は安定時の空気流れ図であり、(b)は不安定児の空気流れ図である。
【図7】実施の形態2に係る空気調和機の側断面である。
【図8】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図9】同空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図11】図12におけるA−A断面図である。
【図12】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図14】図14におけるB−B断面図である。
【図15】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図17】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図19】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【図20】図19におけるC−C断面及びB−B断面図である。
【図21】本発明の実施の形態7に係る空気調和機の正面から見た吸込側チャンバ内の空気流れ図である。
【図22】同空気調和機のフロントパネルの背面斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
H…境界線、R…回転方向、S…気流、Cf…正面中心線、1…本体筐体、2…仕切板、3…フロントパネル、4…空気調整用機器、5…遠心ファン、6…プレフィルタ、7…吸込側チャンバ、8a,8b…室内空気吸込口、9…仕切ガイド部材、18…室内吹出口、22…ベルマウス、52…回転軸、53…ファン吸込口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開放された正面視略四角形の本体筐体と、この本体筐体の前面に取り付けられた仕切板と、正面から見てファン吸込口が正面略中央部となるように回転軸を前後方向として本体筐体内に配置された遠心ファンと、前記仕切板の前面側に所定間隔空けて仕切板に対向するように配置されたフラットなフロントパネルと、フロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に形成された室内空気吸込口と、フロントパネルと仕切板との間全体に形成された、前記室内空気吸込口に連通する吸込側チャンバと、本体筐体内の遠心ファンの径方向吹出側に配置された室内空気の温度、湿度及び清浄度の少なくとも何れか一つを調整する空気調整用機器と、空気調整用機器の下流側であって室内空気吸込口と略直交する方向に配置された空気調整後の空気を室内へ吹き出すための室内吹出口とを備え、
さらに、前記吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられている
ことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記仕切ガイド部材は、前記対向する両室内空気吸込口から吸入される気流が衝突する境界線の変動領域内において、フロントパネルと仕切板との間を仕切るように配置された部材であって、少なくとも仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通る正面中心線上に略配置されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記仕切ガイド部材は、正面から見て吸込側チャンバの全幅に渡って形成されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記仕切ガイド部材は、正面から見てファン吸込口の両側全幅に形成されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項5】
前記仕切ガイド部材は、フロントパネルと仕切板との間の間隙寸法に略同一の寸法を前後方向の寸法とする平板状の部材からなることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項6】
前記仕切ガイド部材は、仕切板の表面に対し垂直に形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
【請求項7】
前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項8】
前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から遠心ファンの回転方向側に所定距離離れて位置することにより、回転軸の中心に対し対称的にフロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
【請求項9】
前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から空気通路の通風抵抗が小さくなる室内空気吸込口側に所定距離離れて位置することにより、フロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
【請求項10】
前記仕切ガイド部材は、正面から見て、遠心ファンの回転軸の中心から遠ざかるにつれ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線から空気通路の通風抵抗が大きくなる室内空気吸込口側に離れるように傾斜することを特徴とする請求項5、7又は8記載の空気調和機。
【請求項11】
前記仕切ガイド部材は、断面が山形状の部材であって、その頂上が仕切板側に向けられるとともに、山形状を成す傾斜面の室内空気吸込口側が凹状の曲面に形成されていることを特徴とする請求項4項に記載の空気調和機。
【請求項12】
前記仕切ガイド部材は、フロントパネルと一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記仕切ガイド部材は、仕切板と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記仕切ガイド部材は、全体が吸音材により形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項15】
前記仕切ガイド部材は、表面が吸音材により形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項16】
前記室内空気吸込口は、フロントパネルと仕切板との間隔周辺のうちの上下2辺に形成されるとともに、空気調整用機器は、遠心ファンの左右の径方向吹出側に配置され、さらに、前記室内吹出口は、本体筐体の左右側部に設けられていることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項17】
前記仕切板に形成されたベルマウスの前面側にプレフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項18】
前記空気調整用機器は、少なくとも集塵フィルタ又は脱臭フィルタの何れか一方を備えていることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項19】
前記空気調整用機器は、少なくとも室内空気を冷却又は加熱する熱交換器を備えていることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項20】
前記遠心ファンはターボファンであることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項21】
前記遠心ファンはラジアルファンであることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項1】
前面が開放された正面視略四角形の本体筐体と、この本体筐体の前面に取り付けられた仕切板と、正面から見てファン吸込口が正面略中央部となるように回転軸を前後方向として本体筐体内に配置された遠心ファンと、前記仕切板の前面側に所定間隔空けて仕切板に対向するように配置されたフラットなフロントパネルと、フロントパネルと仕切板との間の周辺のうちの対向する2辺に形成された室内空気吸込口と、フロントパネルと仕切板との間全体に形成された、前記室内空気吸込口に連通する吸込側チャンバと、本体筐体内の遠心ファンの径方向吹出側に配置された室内空気の温度、湿度及び清浄度の少なくとも何れか一つを調整する空気調整用機器と、空気調整用機器の下流側であって室内空気吸込口と略直交する方向に配置された空気調整後の空気を室内へ吹き出すための室内吹出口とを備え、
さらに、前記吸込側チャンバにおける両室内空気吸込口間に、両室内空気吸込口からの気流の相互干渉を回避する仕切ガイド部材が設けられている
ことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記仕切ガイド部材は、前記対向する両室内空気吸込口から吸入される気流が衝突する境界線の変動領域内において、フロントパネルと仕切板との間を仕切るように配置された部材であって、少なくとも仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通る正面中心線上に略配置されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記仕切ガイド部材は、正面から見て吸込側チャンバの全幅に渡って形成されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記仕切ガイド部材は、正面から見てファン吸込口の両側全幅に形成されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項5】
前記仕切ガイド部材は、フロントパネルと仕切板との間の間隙寸法に略同一の寸法を前後方向の寸法とする平板状の部材からなることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項6】
前記仕切ガイド部材は、仕切板の表面に対し垂直に形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
【請求項7】
前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項8】
前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から遠心ファンの回転方向側に所定距離離れて位置することにより、回転軸の中心に対し対称的にフロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
【請求項9】
前記仕切ガイド部材は、仕切板側端部が、正面から見て遠心ファンの回転軸の中心を通り、かつ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線上に略位置するとともに、フロントパネル側端部が、この正面中心線から空気通路の通風抵抗が小さくなる室内空気吸込口側に所定距離離れて位置することにより、フロントパネルの表面に対し傾斜して形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
【請求項10】
前記仕切ガイド部材は、正面から見て、遠心ファンの回転軸の中心から遠ざかるにつれ、前記対向する室内空気吸込口と平行な正面中心線から空気通路の通風抵抗が大きくなる室内空気吸込口側に離れるように傾斜することを特徴とする請求項5、7又は8記載の空気調和機。
【請求項11】
前記仕切ガイド部材は、断面が山形状の部材であって、その頂上が仕切板側に向けられるとともに、山形状を成す傾斜面の室内空気吸込口側が凹状の曲面に形成されていることを特徴とする請求項4項に記載の空気調和機。
【請求項12】
前記仕切ガイド部材は、フロントパネルと一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記仕切ガイド部材は、仕切板と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記仕切ガイド部材は、全体が吸音材により形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項15】
前記仕切ガイド部材は、表面が吸音材により形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項16】
前記室内空気吸込口は、フロントパネルと仕切板との間隔周辺のうちの上下2辺に形成されるとともに、空気調整用機器は、遠心ファンの左右の径方向吹出側に配置され、さらに、前記室内吹出口は、本体筐体の左右側部に設けられていることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項17】
前記仕切板に形成されたベルマウスの前面側にプレフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項18】
前記空気調整用機器は、少なくとも集塵フィルタ又は脱臭フィルタの何れか一方を備えていることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項19】
前記空気調整用機器は、少なくとも室内空気を冷却又は加熱する熱交換器を備えていることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項記載の空気調和機。
【請求項20】
前記遠心ファンはターボファンであることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項21】
前記遠心ファンはラジアルファンであることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−267780(P2008−267780A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276476(P2007−276476)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]