説明

空気調和機

【課題】前面パネルを取り外すこと無く塵埃収納ボックスを取り出すことができると共に、空気調和機の意匠性を損なうことなく、使用者が立った状態で容易に塵埃収納ボックスを取り出すことができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機本体1のつまみ部6をつまんで、収納蓋7を開けると、係止部8による係止が解除され、塵埃収納体9が上方に飛び出すようになっている。これは、塵埃収納体9の底面が、弾性体(図示せず)によって付勢されているからであり、このように構成することによって、使用者は立った状態で、塵埃収納体9の取っ手部10に手を掛けて、上方に引き出すことにより塵埃収納体9を外部に取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフィルターを自動清掃する機能を有する空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の空気調和機として、空気吸込口から吸込んだ外気を空気吹出口に導く風路内に配設された円盤状のエアフィルターと、該エアフィルターを覆う前面パネルと、前記エアフィルターを回転駆動する除塵モータと、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する自動清掃装置とを有し、前記自動清掃装置を、前記エアフィルターの前面に接触すると共に前記エアフィルターの回転によって回転駆動される回転ブラシと、該回転ブラシで除去された塵埃を受ける集塵収納ボックスとで構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−38215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような従来の空気調和機用清掃装置の構成では、エアフィルターに付着した塵埃を自動清掃装置で除去した後に、集塵収納ボックスに溜まった塵埃を外部に排出させるために使用者は、前面パネルを取り外し、集塵収納ボックスを取り出す必要があった。
【0004】
また、集塵収納ボックスは、空気清浄機本体の略中央に設置されているので、使用者は足を屈ませて取り出す必要があり、不便であった。
【0005】
さらに、前面パネルを取り外さずに集塵収納ボックスを取り出すには前面パネルに集塵収納ボックス取り出し用の窓を設ける必要があるが、これでは空気調和機の意匠性を損なうことになるので採用しづらかった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、前面パネルを取り外すこと無く集塵収納ボックスを取り出すことができると共に、空気調和機の意匠性を損なうことなく、使用者が立った状態で容易に集塵収納ボックスを取り出すことができる空気調和機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、吸い込み口と排気口を有する本体に、室内の浮遊塵埃を含む外気を前記吸い込み口から排気口に導く風路を形成し、該風路内に塵埃捕集用プレフィルターと送風機とを備えた空気調和機において、前記プレフィルターの上流側に接触して、電動機等により前記プレフィルターの一端から他端間を可動するブラシ等を有する可動除塵体と、前記プレフィルターの他端部近傍に前記可動除塵体からの塵埃を収納する塵埃口を有する塵埃収納体とを設け、該塵埃収納体は、前記本体の上面に形成された収納口を有する収納部に着脱自在に収納されたことに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、吸い込み口と排気口を有する本体に、室内の浮遊塵埃を含む外気を前記吸い込み口から排気口に導く風路を形成し、該風路内に塵埃捕集用プレフィルターと送風機とを設け、さらに前記本体の一端面に着脱自在に形成され、前記プレフィルターに対向するフロントパネルを備えた空気調和機において、前記プレフィルターの上流側に接触して、電動機等よりなる駆動装置により前記プレフィルターの一端から他端間を可動するブラシ等を有する可動除塵体と、前記プレフィルターの他端部近傍に前記除塵体からの塵埃を収納する塵埃口を有する塵埃収納体とを設け、前記塵埃収納体は、前記本体の上面に形成された収納口を有する収納部に着脱自在に収納されたことに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、塵埃収納体は、収納部に係合体により係合され、該係合が解除されたときに、前記塵埃収納体の上端部は収納口より突出するよう前記収納部に弾性体を備えたことに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、プレフィルターは中央部には多数の細孔を有するネットフィルターと、その外周部は非通気の枠体で構成され、除塵体は非可動時において、前記枠体の一端面に位置し、前記枠体の他端面には、該他端面と接合する塵埃収納体が配置されたことに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、可動除塵体は、プレフィルターの上面部及び/又は下面部に横方向に配置された横方向移動手段に、可動自在に保持され、電動機の駆動力により所定速度で前記プレフィルターの一端面から他端面に移動し、また前記一端面に戻ってくることに特徴を有する。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、可動除塵体を構成する清掃体が塵埃収納体内部に収納された後、電動機反転スイッチが作動するように設定したことに特徴を有する。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において、プレフィルターの下端面には、塵埃捕集用のトレイを設けたことに特徴を有する。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、可動除塵体の下端部に拭き掃き体を設け、該拭き掃き体がトレイに接触し、該トレイ内の塵埃を、塵埃収納体に移動収納させることに特徴を有する。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1又は2の発明において、塵埃収納体の塵埃口には、一端が可動自在に保持されたシャッターを有し、該シャッターは、可動除塵体の移動により、開閉されることに特徴を有する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明は、吸い込み口と排気口を有する本体に、室内の浮遊塵埃を含む外気を前記吸い込み口から排気口に導く風路を形成し、該風路内に塵埃捕集用プレフィルターと送風機とを備えた空気調和機において、前記プレフィルターの上流側に接触して、電動機等により前記プレフィルターの一端から他端間を可動するブラシ等を有する可動除塵体と、前記プレフィルターの他端部近傍に前記可動除塵体からの塵埃を収納する塵埃口を有する塵埃収納体とを設け、該塵埃収納体は、前記本体の上面に形成された収納口を有する収納部に着脱自在に収納されたことに特徴を有するので、使用者が腰を折ることなく、立ったままの姿勢で塵埃収納体を本体に着脱自在に収納できるので、従来のように、本体前面から取り出すために床面上に座る場合と比較して大変便利である。
また、プレフィルターの上流面に捕集される塵埃は、可動除塵体により自動的に除去され、塵埃収納体に収納されるため、使用者が掃除用ブラシ等でプレフィルターを清掃する手間を省くことができる。
さらに、本体の上面に操作部と塵埃収納体の取り出し口とを形成することで、全ての操作が立ったままでき、利便性の向上を図ることができる。
【0017】
請求項2の発明は、吸い込み口と排気口を有する本体に、室内の浮遊塵埃を含む外気を前記吸い込み口から排気口に導く風路を形成し、該風路内に塵埃捕集用プレフィルターと送風機とを設け、さらに前記本体の一端面に着脱自在に形成され、前記プレフィルターに対向するフロントパネルを備えた空気調和機において、前記プレフィルターの上流側に接触して、電動機等よりなる駆動装置により前記プレフィルターの一端から他端間を可動するブラシ等を有する可動除塵体と、前記プレフィルターの他端部近傍に前記除塵体からの塵埃を収納する塵埃口を有する塵埃収納体とを設け、前記塵埃収納体は、前記本体の上面に形成された収納口を有する収納部に着脱自在に収納されたことに特徴を有するので、フロントパネルを備えた空気調和機においても請求項1の発明と同様の効果を奏することができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、塵埃収納体は、収納部に係合体により係合され、該係合が解除されたときに、前記塵埃収納体の上端部は収納口より突出するよう前記収納部に弾性体を備えたことに特徴を有するので、塵埃収納体に溜まった塵埃を除去する際に、塵埃収納体の取り出しを容易に行うことができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、プレフィルターは中央部には多数の細孔を有するネットフィルターと、その外周部は非通気の枠体で構成され、除塵体は非可動時において、前記枠体の一端面に位置し、前記枠体の他端面には、該他端面と接合する塵埃収納体が配置されたことに特徴を有するので、枠体の一端面を滑らかな面とすることで可動除塵体の起動時の動きをスムースにすることができることから、電動機の起動トルクが少なくてすみ、空気調和機の長寿命化に役立つと共に、枠体の他端面と塵埃収納体とが接合されていることから、可動除塵体に付着した塵埃を落とすことなく、塵埃収納体へ収納することができる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、可動除塵体は、プレフィルターの上面部及び/又は下面部に横方向に配置された横方向移動手段に、可動自在に保持され、電動機の駆動力により所定速度で前記プレフィルターの一端面から他端面に移動し、また前記一端面に戻ってくることに特徴を有するので、可動除塵体は、プレフィルターの上流面を必ず一往復することで塵埃の取り残しを防ぐことができ、可動除塵体の停止は、常にプレフィルターの一端面に位置し、その走行距離も常に安定し、その都度、可動除塵体の位置を確認する必要がないので、複雑な電気的制御を行わなくてよいのでコスト高にならない。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、可動除塵体を構成する清掃体が塵埃収納体内部に収納された後、電動機反転スイッチが作動するように設定したことに特徴を有するので、反転時期を確実に制御部に伝えることができ、電動機の反転をスムースに行うことができる。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において、プレフィルターの下端面には、塵埃捕集用のトレイを設けたことに特徴を有するので、プレフィルターに捕集されている塵埃が外部の振動等で落下しても塵埃捕集用のトレイで受けて本体内に落下することが無く、異臭等の発生も防止できる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、可動除塵体の下端部に拭き掃き体を設け、該拭き掃き体がトレイに接触し、該トレイ内の塵埃を、塵埃収納体に移動収納させることに特徴を有するので、拭き掃き体によってトレイ内の塵埃の塵埃収納体への移動をスムースに行うことができる。
【0024】
請求項9の発明は、請求項1又は2の発明において、塵埃収納体の塵埃口には、一端が可動自在に保持されたシャッターを有し、該シャッターは、可動除塵体の移動により、開閉されることに特徴を有するので、通常は塵埃口を閉口することで、塵埃の逆流を防ぐことができ、塵埃収納体に収納された塵埃を捨てる際に漏れることなく、室内を汚すことが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明に係る空気調和機の全体を示す斜視図であり、図1(b)は、同空気調和機の収納蓋を開けた状態を示す斜視図である。この空気調和機は、室内の空気を清浄に保つと共に、室内の快適性を向上させる為に、室内の床に設置される床置き型の空気清浄機である。これらの図に示すように、空気調和機本体1の上面に構成される操作部2に設けられた操作ボタン3を操作すると(該操作部2の下方には、図示してないが下記する送風機の運転制御等を行うマイコン等よりなる電子部品が装着された制御部がある)、空気調和機本体1内に収納されているファンとモーターとにより構成された送風機は制御部からの指令により運転を開始する。これにより室内に浮遊する塵埃を含む外気は、空気調和機本体1の両側面に形成された吸い込み口4aより、またフロントパネル5の下方に形成された吸い込み口4b(主に床面上の塵埃を含む外気を吸い込む。)より、空気調和機本体1内に吸引される。なお、フロントパネル5の下方に形成された吸い込み口4bは図示しないが、吸い込み口部に開閉弁を形成して、必要に応じて開閉しても良い。
【0026】
そして、つまみ部6をつまんで、収納蓋7を開けると、係止部8による係止が解除され、塵埃収納体9が上方に飛び出すようになっている。これは、塵埃収納体9の底面が、弾性体(図示せず)によって付勢されているからであり、このように構成することによって、使用者は立った状態で、塵埃収納体9の取っ手部10に手を掛けて、上方に引き出すことにより塵埃収納体9を外部に取り出すことができる。
【0027】
図2(a)は、本発明に係る空気調和機の内部構造を示す縦断面図であり、図2(b)は、同横断面図である。これらの図が示すように、吸い込み口4a,4bから、空気調和機本体1の上面後方に形成された排気口11に至る本体内風路は清浄化風路とし、その上流側から比較的粗い塵埃を捕獲するネットより構成されたプレフィルター12と、粒径が0、3ミクロン程度の細塵を99.9%以上捕集するHEPA(High Efficiency Particulate Air)より構成されたメインフィルター13及び臭気成分を吸着あるいは化学的に分解して脱臭する脱臭フィルター14より構成され、脱臭フィルター14の下流にはモーター15とファン16とから構成された送風機17が配置されている。これにより、塵埃や臭気を含んだ室内の外気は、それぞれのフィルターに捕集かつ分解され、清浄空気となり排気口から室内の天井方向に向けて排気され、室内の清浄化を行うが、その運転時間は、使用者が操作部2にあるタイマーによる自動停止設定あるいは切スイッチで停止してもよく、また清浄風路に塵埃センサー(図示せず)を設け、通過空気の清浄度を確認して、運転を停止するようにしても良い。
【0028】
プレフィルター12の上流面に捕集付着される粗塵量が多くなると、清浄風路の通過外気の進入を阻害し其の処理能力が低下するために、粗塵を除去する必要がある。このため、前記制御部は、送風機17が運転を停止し、数秒後(送風機の完全停止後)に、ネット面に捕集された粗塵を除去するための駆動装置すなわち電動機18が運転を開始する。プレフィルター12の上流面に付着する粗塵を除去する可動除塵体19は、多数のブラシや薄いゴムシートあるいは起毛布等を有してなるブラシ19aと取付台19b等より構成され、ブラシ19aの先端はプレフィルター12の上流面に接触している。
【0029】
可動除塵体19は、その上下を横方向可動自在にシャフト20により支持されており、電動機18の回転に伴い、可動除塵体19に形成されたウオームギア21も回転して、このウオームギア21と噛み合う、空気調和機本体1あるいはフロントパネル5に固着されたラックギア22により、可動除塵体19はプレフィルター12の非通気材で構成された枠体23の一端部23aから横方向に移動を開始する(図3参照)。可動除塵体19は、枠体23の非通気部材より構成された一端部23aに配置されているために、送風機17の運転時に、塵埃を含んだ外気はネット面24(図4参照)に食込んで捕集されておらず、当然塵埃が付着しないと共に、可動除塵体19の始動時に塵埃が付着してないために、その負荷は少なく、可動がスムースに行く。さらに電動機18の起動時のトルクも少なく、すなわち起動電流も少なくて良く、その運転もスムースにいき、長寿命化に役立つ。
【0030】
図3は、本発明に係る空気調和機のフロントパネルを取り外した状態を示す正面図であり、図4は、プレフィルターの斜視図である。また、図5(a)は、電動機設置箇所を拡大した横断面図であり、図5(b)は、塵埃収納体のシャッターが開口した状態を示す横断面図である。可動除塵体19は、ネット面24に捕獲された粗塵を横方向に移動させ、枠体23の他端部23bまで移動するが、この他端部23bは非通気部材で形成されているため確実にスムースに粗塵は移動して、他端部23bと接触している塵埃収納体9の塵埃口より塵埃収納体9の内部に、粗塵と共に入る。このとき、塵埃口25を開閉自在に弾性体で閉口するシャッター25aは可動除塵体19の進行方向先端に形成された開口突起26に押され塵埃口25は開口する。また塵埃収納体9の内部には、ブラシ19aに絡まった粗塵を塵埃収納体9の内部に確実に落下させるための櫛体27が設けられている。
【0031】
さらに可動除塵体19には反転スイッチ28が設けられているために、反転スイッチ28が塵埃収納体9の内部に入ると共に、動作して、枠体23の一端部23aに向け逆移動を開始する。このとき、開口突起26もシャッター25aから離れ、弾性体(図示せず)はシャッター25aを移動させ塵埃口25を閉口する。これにより、塵埃収納体9からの塵埃漏れを防止している。可動除塵体19は、枠体23の一端部23aに到着し、例えば、位置センサー(図示せず)等により可動除塵体19の位置をキャッチして制御部は、電動機18の運転を停止する。
【0032】
本実施形態は、プレフィルター12が床面に対して垂直に立っているために、可動除塵体19の移動時に一部の粗塵がネット面24より落下することがあるが、下部全域に、かつ其の一部が塵埃収納体9の塵埃口25と接合するトレイ29を設けることで、万一落下した塵埃も捕集でき、また可動除塵体19の下端部に設置された拭き掃き体30をトレイ29の内壁面と接触させることで、塵埃収納体9内に確実に塵埃を移動させることが出来る。
【0033】
尚、拭き掃き体30には、ブラシ等を設けることでさらに確実に塵埃の移動を行うことができる。また、駆動装置(電動機18とシャフト20との間)は大ギア31と、小ギア32とで構成したが、図示しないタイミングベルトあるいはカムさらには電動機を直接シャフト20に連結しても良い。
【0034】
尚、上記実施形態では、可動除塵体19は一往復としているが、複数回往復動しても良い。これにより、塵埃収納体9内部には粗塵が溜まり、所定量溜まったら、捨てる必要が生じる。粗塵を捨てる時期は、塵埃収納体9を透明材で構成して、空気調和機本体1の外部から見えるようにしても良く、また塵埃収納体9の内部の塵埃量を光センサー等でキャッチし、其の時期を、制御部を介して操作部2より、ブザー、ランプ等により使用者に告知しても良いし、塵埃収納体9が空気調和機本体1の上面に突出するように、突出機構を制御部により制御できるようにしても良い。本実施形態では、図1に示すように、使用者が空気調和機本体1の上面に形成された収納蓋7のつまみ部6を持ち開けることで(係止部8の解除により)塵埃収納体9の下部に設けられた弾性体(コイルスプリング)により、其の一部が空気調和機本体1の上面より飛び出し、取っ手部10を持ち、収納部より持ち上げ、ゴミ箱等の上部より、下面開閉蓋33(図6参照)を開口して、粗塵を確実に捨て去ることが出来る。
【0035】
図6は、塵埃収納体9を示す斜視図である。上述したように、塵埃収納体9は、下面に下面開閉蓋33が開閉自在に係止されており、一方の側面の上部には、取っ手部10が形成され、他方の側面には、塵埃口25が形成されている。また、塵埃口25を開閉自在に弾性体で閉口するシャッター25aが塵埃口25の内部に備えられている。したがって、塵埃収納体9を空気調和機本体1から外部に取り出した状態では、シャッター25aが閉口しているので、塵埃口25から塵埃34がこぼれることは無く、下面開閉蓋33の係止を解除することにより、塵埃収納体9に溜まっている塵埃34をごみ箱等へ排出できる構成としている。
【0036】
図7は、塵埃収納体の取り出し機構の他の実施形態を示す空気調和機の斜視図である。この実施形態では、図1の実施形態で示した収納蓋7はなく、空気調和機本体1aの上面の一部を構成するように、塵埃収納体9aの上面が露出している。このとき、弾性体36の上昇力に負けないように、塵埃収納体9aは、係止部37によって収納部35に着脱自在に係止されている。この実施形態でも、使用者は立った状態で、取っ手部10aをつかみ、上方(矢印の方向)へ引き出すことによって、係止部37の係止を解除することができる。塵埃収納体9aに溜まった塵埃を排出する方法は、図6で示した方法と同じなので、説明は省略する。
【0037】
図8(a)は、塵埃収納体の取り出し機構のさらに他の実施形態を示す空気調和機の斜視図である。この実施形態でも、図1の実施形態で示した収納蓋7はなく、空気調和機本体1bの上面の一部を構成するように、塵埃収納体9bの上面が露出している。このとき、弾性体36aの上昇力に負けないように、塵埃収納体9bの底面が当接する可動円盤38は、係止部37aによって収納部35aに係止されている。図8(b)は、収納部35aに形成された溝部41を示す説明図であり、図8(c)は、可動円盤38の動作を示す説明図である。これらの図に示すように、係止片40が収納部35aに係止された状態で、塵埃収納体9bの上面43を使用者が手で押すと、弾性体36aが縮み、弾性体39も縮んで係止片40が収納部35aの内部に凹む。ここで、溝部41に挿入されている可動円盤38の案内片42は、係止点41bから下死点41cへと移動する。次に、使用者が塵埃収納体9bの上面43を押している手を離すと、案内片は、戻り通路41dを通って、上死点41aに至る。この状態では、可動円盤38は、点線で示す位置に移動しているので、塵埃収納体9bの上面43は、空気調和機本体1の上面よりも上方へ突出した位置にある。
【0038】
この実施形態でも、使用者は立った状態で、取っ手部10bをつかみ、上方(矢印の方向)へ引き出すことによって、係止部37aの係止を解除することができる。塵埃収納体9bに溜まった塵埃を排出する方法は、図6で示した方法と同じなので、説明は省略する。
【0039】
図9は、運転時間が予め設定された積算時間に到達した場合と、電源スイッチOFF時とにプレフィルターの除塵動作を行う場合のフローチャートである。図10は、プレフィルターの除塵動作を示すフローチャートである。以下に、本実施の形態の空気調和機の動作を説明する。
【0040】
空気調和機の運転スイッチがONされ(S1)、空気調和機が運転を開始すると、制御部はファンモータを駆動させ(S2)、ファンモータによりファンが回転し、空気吸込口体から室内の空気が吸い込まれる。空気吸込口から吸い込まれた空気は、プレフィルターにより大きな塵埃が除去され、メインフィルターにより細かな塵埃が高効率で捕集される。そして、活性炭フィルタにより臭気が除去される。このようにして空気中の埃や塵埃が除去され、脱臭された清浄空気が、空気吹出口から室内に吹き出されるようになっている。
【0041】
また、制御部は、運転スイッチがONされた後、計時部を駆動させ運転時間を計時して積算している(S3)。この積算処理を、運転スイッチがOFFされるか、計時部により積算された積算時間が予め設定された規定積算時間に到達するまで繰り返し行い(S4)、計時部により積算された積算時間が予め設定された規定積算時間に到達すると(S5)、プレフィルタ−除塵動作を実施する(S6、S8)。すなわち、図10に示すように、除塵モータを駆動して(S11)上述したように除塵ユニットを駆動してプレフィルターの除塵動作を行わせ、そして、可動除塵体の反転スイッチが塵埃収納体の内部に入ると、反転スイッチがONの状態となり(S12)、除塵モータが反転駆動する(S13)。次に、可動除塵体がプレフィルターの一方の端部に到達すると、位置センサがONの状態となり(S14)、除塵用モータを停止させて(S15)除塵動作を終了させる。
【0042】
以上のプレフィルターの除塵動作が終了後、制御部は、計時部において積算された運転時間をリセットして(S7)ステップS3に戻り、新たに運転時間の積算を開始する。そして、運転スイッチがOFFされた場合(S4)、ファンモータを停止し(S9)、計時部により積算運転時間を積算保持させ(S10)、空気調和機の動作を停止する。
【0043】
なお、ここでは、運転時間が予め設定された積算時間に到達した場合にプレフィルターの除塵動作を行うようにしたが、除塵動作を行うタイミングはこのタイミングに限られたものではなく、電源スイッチがON(又はOFF)される度に行っても良いし、両方を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0044】
上記の実施形態では、床置き型の空気清浄機に本発明が適用されているが、卓上型や壁掛け型などの他の形態の空気調和機にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、安価な構成で、優れた塵埃除去性能で、プレフィルターを自動清掃することができると共に、除去された塵埃の廃棄やメンテナンスが容易なもので、家庭用、業務用の各種空気調和機は勿論、換気装置などプレフィルターを有する各種機器に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】空気調和機を示す斜視図。
【図2】空気調和機の内部構造を示す縦断面図と横断面図。
【図3】空気調和機のフロントパネルを取り外した状態を示す正面図。
【図4】プレフィルターの斜視図。
【図5】電動機設置箇所を拡大した横断面図と、塵埃収納体のシャッターが開口した状態を示す横断面図。
【図6】塵埃収納体を示す斜視図。
【図7】塵埃収納体の取り出し機構の他の実施形態を示す空気調和機の斜視図。
【図8】塵埃収納体の取り出し機構のさらに他の実施形態を示す空気調和機の斜視図及び説明図。
【図9】プレフィルターの除塵動作を行う場合のフローチャート。
【図10】プレフィルターの除塵動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0047】
1 空気調和機本体
2 操作部
3 操作ボタン
4a、4b 吸い込み口
5 フロントパネル
6 つまみ部
7 収納蓋
8 係止部
9、9a、9b 塵埃収納体
10、10a、10b 取っ手部
11 排気口
12 プレフィルター
13 メインフィルター
14 脱臭フィルター
15 モーター
16 ファン
17 送風機
18 電動機
19 可動除塵体
19a ブラシ
19b 取付台
20 シャフト
21 ウォームギア
22 ラックギア
23 枠体
23a 一端部
23b 他端部
24 ネット面
25 塵埃口
25a シャッター
26 開口突起
27 櫛体
28 反転スイッチ
29 トレー
30 拭き掃き体
31 大ギア
32 小ギア
33 下面開閉蓋
34 塵埃
35、35a 収納部
36、36a、39 弾性体
37、37a 係止部
38 可動円盤
40 係止片
41 溝部
41a 上死点
41b 係止点
41c 下死点
41d 戻り通路
42 案内片
43 上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い込み口と排気口を有する本体に、室内の浮遊塵埃を含む外気を前記吸い込み口から排気口に導く風路を形成し、該風路内に塵埃捕集用プレフィルターと送風機とを備えた空気調和機において、
前記プレフィルターの上流側に接触して、電動機等により前記プレフィルターの一端から他端間を可動するブラシ等を有する可動除塵体と、前記プレフィルターの他端部近傍に前記可動除塵体からの塵埃を収納する塵埃口を有する塵埃収納体とを設け、該塵埃収納体は、前記本体の上面に形成された収納口を有する収納部に着脱自在に収納されたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
吸い込み口と排気口を有する本体に、室内の浮遊塵埃を含む外気を前記吸い込み口から排気口に導く風路を形成し、該風路内に塵埃捕集用プレフィルターと送風機とを設け、さらに前記本体の一端面に着脱自在に形成され、前記プレフィルターに対向するフロントパネルを備えた空気調和機において、
前記プレフィルターの上流側に接触して、電動機等よりなる駆動装置により前記プレフィルターの一端から他端間を可動するブラシ等を有する可動除塵体と、前記プレフィルターの他端部近傍に前記除塵体からの塵埃を収納する塵埃口を有する塵埃収納体とを設け、前記塵埃収納体は、前記本体の上面に形成された収納口を有する収納部に着脱自在に収納されたことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
塵埃収納体は、収納部に係合体により係合され、該係合が解除されたときに、前記塵埃収納体の上端部は収納口より突出するよう前記収納部に弾性体を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
プレフィルターは中央部には多数の細孔を有するネットフィルターと、その外周部は非通気の枠体で構成され、除塵体は非可動時において、前記枠体の一端面に位置し、前記枠体の他端面には、該他端面と接合する塵埃収納体が配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
可動除塵体は、プレフィルターの上面部及び/又は下面部に横方向に配置された横方向移動手段に、可動自在に保持され、電動機の駆動力により所定速度で前記プレフィルターの一端面から他端面に移動し、また前記一端面に戻ってくることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
可動除塵体を構成する清掃体が塵埃収納体内部に収納された後、電動機反転スイッチが作動するように設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
プレフィルターの下端面には、塵埃捕集用のトレイを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
可動除塵体の下端部に拭き掃き体を設け、該拭き掃き体がトレイに接触し、該トレイ内の塵埃を、塵埃収納体に移動収納させることを特徴とする請求項7に記載の空気調和機。
【請求項9】
塵埃収納体の塵埃口には、一端が可動自在に保持されたシャッターを有し、該シャッターは、可動除塵体の移動により、開閉されることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−106908(P2009−106908A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284533(P2007−284533)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】