説明

空気調和機

【課題】光熱費の削減及び効率の良い冷暖房運転をすることを図った空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機の室外機1内の冷媒配管の圧縮機32及び熱交換器5近傍外周に接して水を流通可能なタンク11,21及び41を設け、冷媒の熱をタンク11,21及び41の内部を流れる水により回収させると共に、回収後の温まった温水を貯湯槽又は風呂33等に使用して、温水温度上昇をより効率化でき、光熱費の削減になることを特徴とする空気調和機。
さらに、風呂の残り湯又は風呂の冷めた残り湯を散水装置26により、室外機1の熱交換器5のフィン及び冷媒配管に散水して、冷暖房効率を上げると共に、フィンの霜取りにも効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光熱費の削減及び効率の良い冷暖房運転をすることを図った空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、室内に設置され、内部の熱交換器で冷媒と室内の空気との間で熱交換を行う室内機と、室内機と冷媒管を介して接続され、室内機で熱交換を行った冷媒と外気との熱交換を行う室外機とを備えている。そのような従来の空気調和機の室外機は、冷房運転において、冷媒配管の熱を送風により吹き出し口から放出させるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、そのようにして室外機内の冷媒配管の熱エネルギーを無駄に捨てているという問題点があった。さらに、風呂の残り湯の熱エネルギー及び冷めた風呂の残り湯の冷却エネルギーも有効利用できていなかった。
【0004】

本発明は、そのような問題点に鑑み、次のことを目的とするものである。
(イ)冷房運転において、室外機内の冷媒配管の熱エネルギーを有効利用すると共に、効率の良い冷房運転をする。
(ロ)暖房運転において、霜取りをすると共に、効率の良い暖房運転をする。
(ハ)冷暖房運転において、風呂の残り湯の熱エネルギー及び冷めた風呂の残り湯の冷却エネルギーを有効利用する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本願請求項1にかかる発明は、空気調和機の室外機内の圧縮機及び熱交換器近傍の冷媒配管の外周に接して水を流通可能なタンクを設け、冷媒の熱をタンク内部を流れる水により回収させるようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記タンクを冷媒配管の外周に接して貫通していると共に、該タンクの下部に水入り口及び上部に水出口を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記タンクの内部において、前記冷媒配管を蛇行状に屈設すると共に、該タンクの下部に水入り口及び上部に水出口を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項2又は3にかかる発明において、前記タンクの水入口配管及び水出口配管にネジ部を設けて、該ネジ部に袋ナットの螺着が簡単にできる構造になっていることを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記室外機熱交換器のフィン及び冷媒配管に散水する散水装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記散水装置は、円柱状の管の側面に穴を等間隔に複数あけて、室外機の熱交換器のフィンの最上部に、フィンと該穴が対向すると共に、室外機天井カバーと平行に横設させて、該散水装置の水入口に電磁弁を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、前記タンク及び前記散水装置に、水とお湯を選択的に流すことができるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記タンク及び前記散水器に、水又は風呂の残り湯を選択的に流す為に、前記室外機と浴槽の間を往復する配管を設け、浴槽から室外機へ送水する為の往路配管の先端に給水バルブ又は揚水ポンプを設けると共に、該タンクから浴槽へ水又は風呂の残り湯を戻すための復路配管を、該室外機から該浴槽へ設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記室外機カバーの上面に太陽電池を配設し、該太陽電池の出力により前記揚水ポンプ及び前記電磁弁を駆動する空気調和機において、該太陽電池の裏面に、水又は風呂の残り湯を流通可能な水タンクを設け、該太陽電池の発熱を水タンク内部を流れる水により回収したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空気調和機は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1及び2にかかる発明においては、前記課題を解決するため、空気調和機の室外機内の圧縮機及び熱交換器近傍の冷媒配管の外周に接して水を流通可能なタンクを設け、冷媒の熱をタンク内部を流れる水により回収させるようにしたので、冷媒配管の内部の冷媒を冷却して冷房効率を上げ、冷却後の水温が上昇した水をお湯として、貯湯槽又は浴槽等へ有効利用することにより、光熱費の削減になる。さらに、該タンクの下部に水入り口及び上部に水出口を設けたことにより、該タンク内のエアー抜き及び水の流動がスムーズに行われる。また、水で満たされたタンクを室外機内に設けることにより、室外機内の温度を下げる冷却効果があり、制御回路部品等の発熱の緩和となる。
尚、タンクの形状は、角柱,円柱及び直方体等がある。
【0015】
また、本願の請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる空気調和機において、前記タンクの面を冷媒配管の外周に接して貫通させて設け、該タンク内部において、冷媒配管を蛇行状に屈設したことにより、冷媒配管のタンクの内の水への伝熱面積が増加して、水により熱回収効率が良くなり、さらなる光熱費の削減になる。
さらに、該タンクの下部に水入り口及び上部に水出口を設けたことにより、該タンク内のエアー抜き及び水の流動がスムーズに行われる。
【0016】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項2又は3にかかる発明において、前記タンクの水入口配管及び水出口配管にネジ部を設けて、配管を延長する際に、袋ナットにより、貯湯タンク又は浴槽等へ配管を延長する際の螺着が簡単にできる。
【0017】
また、本願の請求項5にかかる発明においては、請求項6にかかる空気調和機において、散水装置により、水を室外機熱交換器のフィン及び冷媒配管に散水することにより、フィン及び冷媒配管を冷却して、冷房効率が良くなる。
【0018】
また、本願の請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかる空気調和機において、前記散水装置は、円柱状の管の側面に直径約2ミリ程度の穴を、約10mmから20mm程度に等間隔にあけて、室外機熱交換器のフィンの最上部に横設して、室外機天井カバーと平行に設ける共に、該散水装置の水入口に電磁弁を設けて、電磁弁を遠隔操作によりフィン及び冷媒配管に効果的に、散水することができる。
【0019】
本願の請求項7にかかる発明においては、請求項6にかかる空気調和機において、タンク及び散水装置に、水とお湯を選択的に流すことができるようにしたので、冬季に暖房運転するとき、タンクにお湯を流すことにより、冷媒配管の内部の冷えた冷媒を加熱して暖房効率を上げると共に、冷媒配管から室外熱交換器のフィンへの伝熱により、室外機のフィンの霜取りにも効果がある。
また、冷房運転においては、散水装置により、水を室外機熱交換器のフィン及び冷媒配管に散水することにより、冷房効率が良くなる。
【0020】
請求項8にかかる発明においては、請求項7にかかる空気調和機において、前記タンク及び前記散水器に、水又はお湯を選択的に流す為に、前記室外機と浴槽の間を往復する配管を設け、浴槽から室外機へ送水する為の往路配管を設け、浴槽から給水する為に、往路配管の先端に給水バルブ又は揚水ポンプを設けると共に、該タンクから浴槽へ水又はお湯を戻すための復路配管を、該室外機から該浴槽へ設けている。
そして、浴槽にて給水バルブを開いて、タンクへ送水すると、冷媒がタンク通過する際、タンク内の水道水により、タンクを貫通している冷媒配管内の冷媒の熱が冷却される。そのようにして冷媒が冷却されることにより、冷房効率は上がり節電となる。
逆に、タンクの内部の水道水の水温は冷媒の熱により上昇して、温水として貯湯タンク及び風呂等に利用する際に、温水温度上昇をより効率化でき光熱費の削減になる。
また、冷房運転において、風呂の冷めた残り湯を、揚水ポンプにより汲み上げてタンクの内部に送水すると、水道水の水温は冷媒の熱により上昇して、温水として貯湯タンク及び風呂等に利用する際に、温水温度上昇をより効率化でき光熱費の削減になると共に、散水装置により、風呂の冷めた残り湯を室外機熱交換器のフィン及び冷媒配管に散水することにより、風呂の冷めた残り湯の冷却エネルギーにより冷房効率が良くなる。
さらに、暖房運転において、風呂の残り湯を揚水ポンプにより、汲み上げて、タンクに通すことにより、暖房効率を上げると共に、霜取りにも効果があり。
そして、散水装置により、風呂の残り湯を室外機熱交換器のフィン及び冷媒配管に散水することにより、暖房効率が上がると共に、室外機のフィンの霜取りにも効果がある。
その湯として、風呂の残り湯の熱エネルギーを有効利用すれば、さらに効率化できる。
【0021】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記室外機カバーの上面に太陽電池を配設し、該太陽電池の出力により前記電磁弁及び前記揚水ポンプを駆動するようにしたので、揚水ポンプの運転を省エネ化できる。また、太陽電池裏面に密着させて流通可能な水タンクを設け、太陽電池の発熱を抑えて発電効率を上げる共に、冷却後の水温が上昇した水タンク内の水をお湯として、貯湯タンク又は浴槽等へ有効利用することにより、光熱費の削減になる。さらに、太陽電池の受光面に積雪した時、水タンクに風呂の残り湯を流すことにより、雪を風呂の残り湯の熱エネルギーで溶かすことができるので、積雪による発電効率の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】空気調和機の構成図
【図2】室外機の熱交換器の斜視図
【図3】空気調和機の室外機の冷房運転状態を示す断面図
【図4】角柱タンクの正面図
【図5】角柱タンクの右側面図
【図6】角柱タンクの左側面図
【図7】角柱タンクの平面図
【図8】角柱タンクの断面図
【図9】圧縮機近傍の冷媒配管を覆う角柱タンクの斜視図
【図10】室外熱交換器近傍の冷媒配管を覆う角柱タンクの斜視図
【図11】円柱タンクの正面図
【図12】円柱タンクの左側面図
【図13】円柱タンクの右側面図
【図14】円柱タンクの平面図
【図15】円柱タンクの断面図
【図16】圧縮機近傍を覆う円柱のタンクの斜視図
【図17】室外熱交換器近傍の冷媒配管を覆う円柱タンクの斜視図
【図18】直方体タンクの正面図
【図19】直方体タンクの左側面図
【図20】直方体タンクの右側面図
【図21】直方体タンクの平面図
【図22】直方体タンクの底面図
【図23】直方体タンクの断面図
【図24】圧縮機近傍の冷媒配管を覆う直方体タンクの正面図
【図25】室外熱交換器近傍の冷媒配管を覆う直方体のタンクの斜視図
【図26】散水装置の断面図
【図27】散水装置の正面図
【図28】散水装置の取り付け及び使用図
【図29】本発明の空気調和機の冷房サイクルを示す図
【図30】本発明の空気調和機の暖房サイクルを示す図
【図31】本発明の冷房運転時の室外機内のタンクの設置図
【図32】本発明の暖房運転時の室外機内のタンクの設置図
【図33】室外機カバーの上面に太陽電池を設けた斜視図
【図34】太陽電池に水タンクを備えた状態を示す斜視図及び断面図
【図35】本発明の室外機において水の利用状態を示す斜視図
【図36】室外機において風呂の残り湯の利用状態を示す斜視図
【図37】本発明の空気調和機の構成図
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施するための形態を図1〜図37に基づいて説明する。
【実施例】
【0024】
図1は、空気調和機の構成図である。図1において、本発明の空気調和機は、従来と同様に室外機1,室内機2,冷媒配管3,信号線4にて構成されている。
【0025】
図2は、熱交換器の斜視図である。図2において、室外熱交換器5は、縦方向に複数枚並設して設けられているフィン6に、冷媒配管7が蛇行状に縦断して貫通している。冷房運転において、冷媒配管7の熱がフィン6により冷却する構成になっている。
【0026】
図3は、空気調和機の室外機の冷房運転状態を示す断面図である。図3において、室外機1の冷房運転において、室外機1のファンモーター8が起動してファン9の回転により、外気は矢印の方向へ進む。外気は、室外機1内に吸い込まれ、図2に示す、室外熱交換器5の冷媒配管7及び冷媒配管7の伝熱により加熱されたフィン6に接触して通過することにより、図3に示すように、外気は矢印の方向へ熱風となって吹き出し口10からでる冷媒配管の熱を放出して無駄に捨てられている。
【0027】
図4から図10までは、タンクの形状が角柱の場合について説明する。タンクの形状は他に円柱又は直方体等がある。
図4は、角柱のタンクの正面図である。図4において、角柱タンク11の1番小さい面積の対面している上面12及び下面13の面の中心を、1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していて、側面の下部に水入り口15及び上部に水出口16を設けると共に、水入り口15及び水出口16の配管にネジ部17を設けている。
尚、背面図は、正面図と対称にあらわれる。
【0028】
図5は、角柱タンクの右側面図である。図5において、角柱対面している1番小さい面積の2面の上面12及び下面13の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、側面の下部に水入口15及び上部に水出口16を設けている。
【0029】
図6は、角柱タンクの左側面図である。図6において、角柱対面している1番小さい面積の2面の上面12及び下面13の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通している。
【0030】
図7は、角柱タンクの平面図である。図7において、角柱タンク11の1番小さい面積の上面の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、水出口16を設けると共に、配管にネジ部17を取り付けている。また、底面図は、平面図と同一にあらわれる。
【0031】
図8は、角柱タンクの断面図である。図8において、中空状の角柱タンクの1番小さい面積の2面の上面12及び下面13の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通している。また、角柱タンク11の側面の下部に水入り口15及び上部に水出口16を設けると共に、水入口15配管及び水出口16配管にネジ部17を設けて、袋ナットにより、貯湯タンク又は浴槽等へ配管を延長する際の螺着が簡単にできる。
尚、角柱タンクの材質は、銅,真鍮,ステンレス又はプラスチック製等で、容量は、約23cm3から1000cm3程度で、その大きさは上面12及び下面13の一辺の長さ約15mmから50mm、高さ100mmから400mm程度の角柱タンクである。
【0032】
図9は、圧縮機近傍の冷媒配管を覆う角柱タンクの斜視図である。図9において、圧縮機32の冷媒吐出から四方弁18に接続されている冷媒配管44を角柱タンク41で覆うと共に、角柱タンク41の内部に送水する為に、側面の下部に水入り口42及び上部に水出口43を設けている。
【0033】
図10は、室外熱交換器近傍の冷媒配管を覆う角柱タンクの斜視図である。図10において、室外機室内の四方弁18から室外熱交換器5へ接続している冷媒配管14を角柱タンク11で覆うと共に、角柱タンク11の内部に送水する為に、側面の下部に水入り口15及び上部に水出口16を設けている。また、室外機室内の膨張弁19から室外熱交換器5へ接続している冷媒配管20も同様に、角柱のタンク21で覆うと共に、タンク21の内部に送水する為に側面の下部に水入口22及び上部に水出口23を設けている。
【0034】
図11から図17までは、タンクの形状が円柱の場合について説明する。タンクの形状は他に角柱又は直方体等がある。
図11は、円柱タンクの正面図である。図11において、円柱タンク11の対面する円形の上面24及び下面25の面の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していて、側面の下部に水入口15及び上部に水出口16を設けていると共に、水入り口15及び水出口16の配管にネジ部17を設けている。
尚、背面図は、正面図と対称にあらわれる。
【0035】
図12は、円柱タンクの左側面図である。図12において、円柱タンク11の対面する円形面の上面24及び下面25の中心を、1本の冷媒配管14の外周に接して貫通している。
【0036】
図13は、円柱タンクの右側面図である。図13において、円柱の対面する円形面の上面24及び下面25の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、側面の下部に水入口15及び上部に水出口16を設けている。
【0037】
図14は、円柱タンクの平面図である。図14において、円柱タンク11の円形の面の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、水出口16を設けて配管の先端にネジ部17を設けている。
また、底面図は、平面図と同一にあらわれる。
【0038】
図15は、円柱タンクの断面図である。図15において、中空状の円柱タンク11の円形の2面の上面24及び下面25の中心を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、側面の下部に水入口15及び上部に水出口16を設けている。
また、タンクの水入口15の配管及び水出口16の配管の端の外周にネジ部17を設けて、袋ナットにより、貯湯タンク又は浴槽等へ配管を延長する際の螺着が簡単にできる。
尚、円柱タンクの材質は、銅,真鍮,ステンレス又はプラスチック製等で、容量は、約18cm3から785cm3程度で、その大きさは直径約15mmから50mm、高さ100mmから400mm程度の円柱状である。
【0039】
図16は、圧縮機近傍の冷媒配管を覆う円柱タンクの斜視図である。図16において、圧縮機近傍である、圧縮機32の冷媒吐出から四方弁18に接続されている冷媒配管44を円柱タンク41で覆うと共に、円柱タンク41の内部に送水する為に、側面の下部に水入り口42及び上部に水出口43を設けている。
【0040】
図17は、室外熱交換器近傍の冷媒配管を覆う円柱タンクの斜視図である。図17において、室外熱交換器近傍である、室外機室内の四方弁18から室外熱交換器5へ接続している冷媒配管14を円柱タンク11で覆うと共に、タンク11の内部に送水する為に、側面の下部に水入口15及び上部に水出口16を設けている。
また、室外機室内の膨張弁19から室外熱交換器5へ接続している冷媒配管20も同様に、円柱タンク21で覆うと共に、タンク21の内部に送水する為に側面の下部に水入口22及び上部に水出口23を設けている。
【0041】
図18から図25までは、タンクの形状が直方体の場合について説明する。タンクの形状は他に角柱又は円柱等がある。
図18は、直方体タンクの正面図である。図18において、四方弁18から、室外熱交換器5に接続されている冷媒配管14は、直方体タンク11の内部にて、蛇行状に屈設している。また、直方体タンク11の上面39及び下面40を冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、直方体タンク11内部において、水を流通可能にするため、下面40に水入口15及び上面39に水出口16を設けている。直方体タンク11内部において、冷媒配管14を蛇行状に屈設したことにより、冷媒配管14の直方体タンク11の内部の水への伝熱面積が増加して、光熱費のさらなる削減になる。
また、背面図は、正面図と対称にあらわれる。
【0042】
図19は、直方体タンクの右側面図である。図19において、直方体タンク11の上面39に水出口16を設けていると共に、下面40に冷媒配管14及び水入口15を設けている。
【0043】
図20は、直方体タンクの左側面図である。図20において、直方体タンクの上面39に、冷媒配管14を設けている。
また、下面40に、水入口15を設けている。
【0044】
図21は、直方体タンクの平面図である。図21において、直方体タンクの11の上面39の端を1本の冷媒配管14の外周に接して貫通していると共に、反対側の端に、水出口16を設けている。
【0045】
図22は、直方体タンクの底面図である。図22において、直方体タンクの11の下面40に水入口15の配管を設けている。
【0046】
図23は、直方体のタンクの断面図である。図23において、四方弁18から、室外熱交換器5に接続されている冷媒配管14は、直方体タンク11の内部にて、蛇行状に横断している。また、直方体タンク11の上面39及び下面40を冷媒配管14の外周に接して貫通している。さらに、直方体タンク11内部において、水を流通可能にするため、下面40に水入口15及び上面39に水出口16を設けていると共に、水入口15配管及び水出口16配管に、ネジ部17を設けている。尚、直方体タンク11の材質は、銅,真鍮,ステンレス又はプラスチック製等で、容量は、約140cm3から1600cm3程度で、その大きさは約幅70mmから100mm、高さ100mmから400mm程度、奥行き20mmから40mm程度の直方体であり、直方体タンク11の内部を冷媒配管14は、蛇行状に屈設する距離は、一往復半である約300mmから1200mm程度が、圧縮機の冷媒吐出の圧力低下に影響しない距離に適していると思われる。
【0047】
図24は、圧縮機近傍の冷媒配管を覆う直方体のタンクの正面図である。図24において、圧縮機近傍である、圧縮機32の冷媒吐出からの冷媒配管44は、直方体タンク41内部にて蛇行状に屈設してから、四方弁18に接続されている。
直方体タンク41は、蛇行状の冷媒配管44を覆うと共に、タンク41の内部に送水する為の水入口42を下面46及び水出口43を上面45に、それぞれ設けている。
【0048】
図25は、室外熱交換器近傍の冷媒配管を覆う直方体のタンクの斜視図である。図25において、室外熱交換器近傍である、室外機室内の四方弁18から室外熱交換器5へ接続している蛇行状の冷媒配管14を直方体タンク11で覆うと共に、タンク11の内部に送水する為の水入口15及び水出口16を設けている。 また、室外機室内の膨張弁19から室外熱交換器5へ接続している蛇行状の冷媒配管20も同様に、直方体タンク21で覆うと共に、タンク21の内部に送水する為の水入口22及び水出口23を設けている。
【0049】
図26は、散水装置の断面図である。図26において、散水装置26は円柱状であり、側面に水又はお湯を散水する為の穴27を等間隔に複数設けていて、水入口配管28に電磁弁29を設けて、電磁弁29を遠隔操作により、散水ができる。
尚、散水装置26の材質は、銅,真鍮,塩化ビニール,ステンレス又はプラスチック製等で、その大きさは直径約15mmから30mm程度、長さ約500mmから700mm程度の円柱状である。
【0050】
図27は、散水装置の側面図である。図27において、散水装置23は、円柱状の管に、水又はお湯を散水する為に、円柱状の管の側面に直径約2ミリ程度の穴27を、約10mmから20mm程度の等間隔に複数あけてある。
【0051】
図28は、散水装置の取り付け及び使用図である。図28において、散水装置26は、室外機熱交換器5のフィン6の最上部に横設して室外機カバーの天井面30と平行に設けて、円柱状の管の側面の穴27がフィン6と対面する様に設けている。
そして、冷房運転時において、フィン6及び冷媒配管3に、風呂の冷めた残り湯を矢印の方向に、散水することによりフィン6及び冷媒配管3を冷却して、冷房効率をあげる。
また、暖房運転時においては、風呂の残り湯を矢印の方向に散水することによりフィン6及び冷媒配管3を加熱して、暖房効率を上げると共に、フィン6に付着した霜取りにも効果がある。
【0052】
ここで、本発明の空気調和機の冷房サイクルについて説明する。図29は、本発明の空調機調和機の冷房サイクルを示す図である。図29において、冷房サイクルは、大きく分けると室外機1、室内機2で構成されている。室外機1内の圧縮機32から吐出された冷媒は、タンク41を通って、四方弁18を介して、冷房運転時はタンク11を通り、室外熱交換器5を通って、もう一つのタンク21を通り、膨張弁19を通って、室内熱交換器31を通り、四方弁18を経て圧縮機32に戻る。
【0053】
このような冷房サイクルにおいて、この空気調和機では、給水バルブ35を開いて、往路配管36を通って三つのタンク11,21及び41の水入口15,22及び42へ送水すると、冷媒が三のタンク11,21及び41の内部を通過する際、タンクを貫通している冷媒配管内の冷媒の熱が、タンク内の満たされた水道水により冷却される。そのようにして冷媒が冷却されることにより、冷房効率は上がり節電となる。
逆に、タンク11,21及び41の内部の水道水の水温は冷媒の熱により上昇して、温水とし水出口16,23及び43から、復路配管37を通って、浴槽33へ給水する。
また、温水を浴槽だけでなく、貯湯タンク等にも使用できる。
【0054】
図30は、本発明の空気調和機の暖房サイクルを示す図である。図30において、暖房運転時には、四方弁18の動作により上記の冷房サイクルと逆のサイクルを進む。室外機1内の圧縮機32から吐出された冷媒は四方弁18を通り、室内熱交換器31を通って、膨張弁19を通り、タンク21を通って、室外熱交換器5を通り、もう一つのタンク11を通って、四方弁18を経て圧縮機32に戻る。
尚、暖房運転時には、暖房効率を低下させる為にタンク41は図示せず。
【0055】
このような暖房サイクルにおいて、この空気調和機では、風呂の残り湯は、浴槽33内の揚水ポンプ34により汲み上げられて、往路配管36を通り、タンク11の水入口15及びタンク21の水入口22へ送水することにより、タンクを貫通している冷媒配管内の冷えた冷媒を、タンク内の満たされた風呂の残り湯により加熱されて水出口16及び23から、復路配管37を通って浴槽33へ戻る。風呂の残り湯は、タンク11及び21と浴槽33を循環することにより、暖房効率を上げ節電となると共に、室外熱交換器5の冷媒配管からフィンへの伝熱により室外熱交換器5のフィンに付着した霜取りにも効果がある。
さらに、浴槽33の風呂の残り湯は、水入口配管28を通り、遠隔操作により電磁弁29を開くことにより、散水装置26により、室外熱交換器5のフィン及び冷媒配管に散水して、フィン及び冷媒配管を加熱して、暖房効率を上げて、光熱費の削減及びフィンの霜取りにも効果がある。
【0056】
図31は、本発明の冷房運転時の室外機内のタンクの設置図である。図31において、冷房運転時において、冷媒配管を覆うタンク11の水入口15及びタンク21の水出口23を接続すると共に、タンク11の水出口16及びタンク41の水入口42を接続することにより、水入口22と水出口43の配管が、室外機カバーの側面38を貫通して突出部分の配管にネジ部17を設けて、配管を延長する際に、袋ナットの螺着が簡単にできる構造になっている。
【0057】
図32は、本発明の暖房運転時の室外機内のタンクの設置図である。図32において、冷房運転時において、冷媒配管を覆うタンク11の水入口15とタンク21の水出口23を接続することにより、水出口16及び水入口22の配管が、室外機カバーの側面38を貫通して突出部分の配管にネジ部17を設けて、配管を延長する際に、袋ナットの螺着が簡単にできる構造になっている。
【0058】
図33は、室外機カバーの上面に太陽電池を設けた斜視図である。図35において、室外機1カバーの上面に太陽電池47を配設し、太陽電池47の裏面に、水タンク48を密着して貼られている。水タンクの下部に水入口49及び上部に水出口50を設けている。また、揚水ポンプ及び電磁弁は、太陽電池47の出力又は常用交流電源により駆動できる。
【0059】
図34は、太陽電池に水タンクを備えた状態を示す斜視図及び断面図である。
図34(A)で示すように、太陽電池47の裏面に、水タンク48を設け、水タンク48に水又は風呂の残り湯を送水する為の水入口49及び水出口50を設け、図34(B)で示すように、水タンク48の表面に、太陽電池47を密着して貼り付けている。
【0060】
図35は、本発明の室外機において水の利用状態を示す斜視図である。図35において、冷房運転時には、給水バルブ35を開いて、往路配管36を通り、太陽電池47裏面の水タンク48へ水道水を送水することにより、太陽電池47の発熱を冷却して発電効率を上げる。さらに、接続配管51を通り、室外機1内のタンクの冷媒配管内部の冷媒の熱を水道水により冷却することができ、冷房効率を上げ節電となる。
逆に、水タンク及びタンク内の水の水温は上昇して、温水として水出口43から復路配管37を通って、貯湯タンク及び浴槽33等に利用して、温水温度上昇をより効率化でき光熱費の削減になる。
【0061】
図36は、室外機において風呂の残り湯の利用状態を示す斜視図である。図36において、暖房運転時には、風呂の残り湯を揚水ポンプ34にて、汲み上げて、往路配管36を通り、太陽電池47の裏面の水タンク48へ送水することにより、太陽電池47の受光面の積雪を溶かして、太陽電池47の発電効率を上げる。
さらに、接続配管51を通って、室外機1内のタンクへ送水され、タンク内部の冷媒配管内の冷媒を風呂の残り湯により加熱することができ、暖房効率を上げ節電となると共に、室外機1の冷媒配管から室外熱交換器のフィンへの伝熱により室外熱交換器のフィンの霜取りにも効果がある。
そして、水出口16より復路配管37を経て、浴槽33へ戻る。風呂の残り湯は、水タンク及びタンクと浴槽33を循環することにより効果を持続する。
【0062】
図37は、本発明の空気調和機の構成図である。図37において、従来の空気調和機の室外機1に、銅製の往路配管36及び復路配管37が設けと共に、往路配管36及び復路配管37は、配管工事の際は、冷媒配管3及び信号線4と一緒に、家の壁を貫通して室内へ設けることが簡単にできる。また、室外機1カバーの上面に太陽電池47を設け揚水ポンプ及び電磁弁は、太陽電池47の出力又は常用交流電源により駆動できる。さらに、太陽電池47の発熱を冷却する為に、太陽電池47の裏面に水タンク48を設けている。
【符号の説明】
【0063】
1 室外機
2 室内機
3 冷媒配管
4 信号線
5 室外熱交換器
6 フィン
7 冷媒配管
8 モーター
9 ファンモーター
10 吹き出し口
11 タンク
12 角柱タンクの上面
13 角柱タンクの下面
14 冷媒配管
15 水入り口
16 水出口
17 ネジ部
18 四方弁
19 膨張弁
20 冷媒配管
21 タンク
22 水入口
23 水出口
24 円柱タンクの上面
25 円柱タンクの下面
26 散水装置
27 穴
28 水入口配管
29 電磁弁
30 室外機カバーの天井面
31 室内熱交換器
32 圧縮機
33 浴槽
34 揚水ポンプ
35 給水バルブ
36 往路配管
37 復路配管
38 室外機カバーの側面
39 直方体タンクの上面
40 直方体タンクの下面
41 タンク
42 水入口
43 水出口
44 冷媒配管
45 直方体タンクの上面
46 直方体タンクの下面
47 太陽電池
48 水タンク
49 水入口
50 水出口
51 接続配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機の室外機内の圧縮機及び熱交換器近傍の冷媒配管の外周に接して水を流通可能なタンクを設け、冷媒の熱をタンク内部を流れる水により回収させるようにしたことを特徴とする。
【請求項2】
前記タンクを冷媒配管の外周に接して貫通していると共に、該タンクの下部に水入り口及び上部に水出口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記タンクの内部において、前記冷媒配管を蛇行状に屈設すると共に、該タンクの下部に水入り口及び上部に水出口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記タンクの水入口配管及び水出口配管にネジ部を設けて、該ネジ部に袋ナットの螺着が簡単にできる構造になっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室外機熱交換器のフィン及び冷媒配管に散水する散水装置を備えたことを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記散水装置は、円柱状の管の側面に穴を等間隔に複数あけて、室外機の熱交換器のフィンの最上部に、フィンと該穴が対向すると共に、室外機天井カバーと平行に横設させて、該散水装置の水入口に電磁弁を設けたことを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記タンク及び前記散水器に、水とお湯を選択的に流すことができるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記タンク及び前記散水器に、水又は風呂の残り湯を選択的に流す為に、前記室外機と浴槽の間に往復する配管を設け、該浴槽から室外機へ送水する為の往路配管を設け、往路配管の先端に給水バルブ又は揚水ポンプを設けると共に、該タンクから該浴槽へ水又はお湯を戻すための復路配管を、該室外機から該浴槽の間に設けたことを特徴とする請求項7に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記室外機カバーの上面に太陽電池を配設し、該太陽電池の出力により前記電磁弁及び前記揚水ポンプを駆動する空気調和機において、該太陽電池の裏面に、水又は風呂の残り湯を流通可能な水タンクを設け、該太陽電池の発熱を水タンク内部を流れる水により回収したことを特徴とする請求項8に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2010−236805(P2010−236805A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86149(P2009−86149)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(507059912)
【Fターム(参考)】