説明

空気調和機

【課題】リモコン装置に備わる温度センサの検知温度を室温とみなしてこれに基づく運転制御を行う空気調和機において、冷房時の冷やし過ぎを防ぐことができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機本体12は、空気調和機本体を運転制御する制御手段24と、リモコン装置16からの送信信号を受信する本体受信手段18とを備え、リモコン装置16は、リモコン装置16周辺の温度を検知する温度検知手段30と、リモコン送信手段26とを備え、冷房運転時において、制御手段24は、リモコン装置16から受信した検知温度と予め設定された設定温度とを比較し、検知温度が設定温度より低いとき検知温度と設定温度との温度差を縮小するように空気調和機本体12を運転し、検知温度が設定温度以上のとき設定温度に基づいて空気調和機本体12を運転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサを有するリモコン装置を備えた空気調和機の運転制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機に対して遠隔操作や設定温度等の各種設定を行うリモコン装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のリモコン装置は、空気調和機本体に操作信号を赤外線方式で送信するリモコン送信部と、より人に近い場所の温度を検知する温度センサとを備えており、温度センサで検知した室温を定期的に空気調和機本体に送信するようになっている。
【0003】
この構成においては、リモコン装置の温度センサで測定した室温が予め空気調和機本体側に設定してある設定温度とほぼ同じ、例えば設定温度±0.5℃になった時、空気調和機本体の運転を停止して待機状態に移行させる一方で、温度センサで測定した室温と設定温度とが所定の温度差以上になった時、空気調和機本体を運転状態に移行して設定温度になるように運転制御を行うことで、常に運転状態にならないために空気調和機本体の消費電力を低減するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−164231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電波を利用したRFリモコン装置の場合には、従来の赤外線通信方式に比べて通信エリアが広範囲になり、空気調和機本体(エアコン室内機)が設置された部屋以外の部屋などからも操作が可能となるため、リモコン装置はエアコン室内機が設置された部屋以外の部屋などに配置される場合も想定される。
【0006】
このようにリモコン装置がエアコン室内機の設置部屋外に配置された場合、リモコン装置に備わる温度センサの検知温度はエアコン室内機が空調している部屋の室温を示すものではない。従って、上記の特許文献1のような空気調和機のリモコン装置をRFリモコン装置に置き換えた場合では、温度センサの検知温度と設定温度とに温度差があるときにエアコン室内機がその差を縮小しようとして運転出力を上げるなどの制御を行なってもリモコン装置の温度センサの検知温度は変わらないので、無駄な空調運転を招くおそれがある。省エネルギーの観点からは、こうした運転制御はエアコン室内機が空調対象としている部屋内にリモコン装置が実際に存在するときのみ実行することが好ましい。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、RFリモコン装置に備わる温度センサの検知温度を室温とみなしてこれに基づく運転制御を行う空気調和機において、エアコン室内機が空調対象としている部屋内にリモコン装置が存在しない場合冷房時の無駄な運転を防ぐことができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る空気調和機は、空調運転を行う空気調和機本体と、前記空気調和機本体を運転操作するリモコン装置とを備えた空気調和機であって、前記空気調和機本体は、前記空気調和機本体を運転制御する制御手段と、前記リモコン装置からの送信信号を受信する本体受信手段とを備え、前記リモコン装置は、前記リモコン装置周辺の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段で検知した検知温度を送信信号として電波により所定の時間間隔で送信するリモコン送信手段とを備え、冷房運転時において、前記制御手段は、前記リモコン装置から受信した検知温度と予め設定された設定温度とを比較し、前記検知温度が前記設定温度より低いとき前記検知温度と前記設定温度との温度差を縮小するように前記空気調和機本体を運転し、前記検知温度が前記設定温度以上のとき前記設定温度に基づいて前記空気調和機本体を運転することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る空気調和機は、上述した請求項1において、前記空気調和機本体は計時手段を備え、前記制御手段は、前記検知温度と前記設定温度の温度差が第1の所定温度以上であり、且つ、その状態が第1の所定時間継続したことを前記計時手段で計時したとき、前記設定温度に基づいて前記空気調和機本体を運転することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る空気調和機は、上述した請求項1において、前記空気調和機本体は計時手段を備え、前記制御手段は、前記リモコン装置からの前記検知温度を受信し、前記検知温度が第2の所定時間で第2の所定温度以上変化したことを前記計時手段で計時したとき、前記設定温度に基づいて前記空気調和機本体を運転することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に係る空気調和機は、上述した請求項1において、前記空気調和機本体は、前記リモコン装置から送信された送信信号を受信したことに応答する応答信号を前記リモコン装置へ送信する本体送信手段を備え、前記リモコン装置は、前記応答信号を受信するリモコン受信手段を備え、前記リモコン装置は、前記温度検知手段による検知温度を送信信号として送信し、前記空気調和機本体からの前記応答信号を受信しなかった場合、その後の検知温度を送信信号として送信しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1によれば、冷房運転時において検知温度が設定温度よりも高いときに、この温度差を縮小するように空気調和機本体を運転制御(冷房能力を強める方向に制御)する場合、リモコン装置が空調対象室内にないときには、検知温度は空調対象室の室温を示すものではないので温度差は何時まで経っても縮小されず、その一方で空調対象室内は冷やし過ぎの状態となって無駄な運転となるのを防止するために、少なくとも検知温度が設定温度よりも低いときにだけ、設定温度と検知温度との間の温度差を縮小するように空気調和機本体による空調運転を制御(冷房能力を弱める方向に制御)する。
【0013】
本発明の請求項2によれば、検知温度と設定温度の温度差が第1の所定温度以上で、その状態が第1の所定時間継続した場合、空気調和機本体はリモコン装置が空調対象室内にないと判断して、設定温度に基づいて空調運転することで、リモコン装置が空調対象室内にないときであっても空調対象室内は冷やし過ぎの状態とならないので無駄な運転を防止できる。
【0014】
本発明の請求項3によれば、検知温度が第2の所定時間の間に第2の所定温度以上変化した場合、空気調和機本体はリモコン装置を空調対象室内から持ち出されたと判断して、設定温度に基づいて空調運転することで、リモコン装置が空調対象室内にないときであっても空調対象室内は冷やし過ぎの状態とならないので無駄な運転を防止できる。
【0015】
本発明の請求項4によれば、空気調和機本体は、リモコン装置から送信された送信信号を受信したことに応答する応答信号をリモコン装置へ送信する本体送信手段を備え、リモコン装置は、応答信号を受信するリモコン受信手段を備えて、温度検知手段による検知温度を送信信号として送信し、空気調和機本体からの応答信号を受信しなかった場合、空調対象室内にないと判断して、その後の検知温度を送信信号として送信しないことで無駄な送信を防止できる。
【0016】
したがって、本発明によれば、リモコン装置が空調対象室内にないと判断して、冷房時の冷やし過ぎによる無駄な運転を防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係る空気調和機の実施例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る空気調和機のリモコン装置の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る空気調和機の冷房運転時のフローチャートである。
【図4】図4は、本発明に係る空気調和機の暖房運転時のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る空気調和機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、本発明に係る空気調和機10は、空気調和機本体としての室内機12および室外機14と、リモコン装置16とからなる。
【0020】
室内機12は、リモコン装置16から運転操作する操作信号を受信する本体受信手段18と、リモコン装置16に対して室内機12および室外機14の運転情報を送信する本体送信手段20と、室内機の周辺の温度を検知する室温センサ22と、計時手段25と、図示しないファンと、これらを制御する制御手段24とを備える。
【0021】
一方、リモコン装置16は、RFモジュールによる双方向無線通信方式の装置であり、図1および図2に示すように、エアコンの運転情報(運転時間、消費電力等)を表示する表示部36、エアコンを運転操作する操作部34、室内機12に対して運転操作を行う操作信号および設定温度の信号を送信するリモコン送信手段26と、室内機12から送信される室内機12および室外機14の運転情報を受信するリモコン受信手段28と、リモコン送信手段26およびリモコン受信手段28の周辺の温度を検知する温度センサ30(温度検知手段)と、時間を計時するリモコン計時手段38と、これらを制御するリモコン制御手段32とを備える。この温度センサ30の検知温度(以下、リモコンセンサ温度という。)がユーザーの居る場所の室温を示すと考えることができる。温度センサ30によるリモコンセンサ温度は、リモコン計時手段38により計時される所定の時間間隔(例えば、5分間隔)でリモコン送信手段26を介して室内機12の本体受信手段18に送信されるようになっている。なお、リモコン装置16の送受信部は通常は動作をオフにして使用する電池の消耗を防止している。従って、リモコン装置16と室内機12間の通信は、常にリモコン装置16から操作対象となる室内機12へ操作信号を送信してから通信が行われる。
【0022】
室内機12の制御手段24は、予め設定された設定温度に基づいて空気調和機を運転する。具体的には、リモコン装置16によって送信された設定温度に室内を空調すべく、室温センサ22の検知温度が設定温度の付近となるように室温センサ22を監視しながら空気調和機本体を制御する。なお、この制御は例えば図示しないファンの回転数や室外機14のコンプレッサの回転数を調整すること等により行う。
【0023】
また、この制御手段24は、設定温度とリモコンセンサ温度との間に温度差があることを検知すると、温度差を縮小するように空気調和機本体を制御する。ここで、リモコン装置16が室内機12と同じ部屋にあれば設定温度付近になるが、例えば冷房運転時においてリモコン装置16が空調が行われていない別の部屋にあるときは、通常は室外の気温のほうが高いことから、リモコンセンサ温度が設定温度より高いという状況が続きやすいと考えられる。
【0024】
そこで、本発明においては、冷房運転時はリモコンセンサ温度が設定温度よりも低い場合、および、暖房運転時はリモコンセンサ温度が設定温度よりも高い場合に、リモコン装置16が室内機12と同じ部屋にある可能性が高いものと判断し、設定温度とリモコンセンサ温度との間の温度差を縮小するように、空気調和機本体による空調運転を制御する。
【0025】
ここで、冷房運転時においてリモコンセンサ温度が設定温度よりも低いときに設定温度をより高い温度に補正し、暖房運転時においてリモコンセンサ温度が設定温度よりも高いときに設定温度をより低い温度に補正することが好ましい。より具体的には以下のようにする。
【0026】
[冷房運転時]
まず冷房運転時には、図3に示すように、リモコン装置16は、温度センサ30で検知したリモコンセンサ温度を送信信号にして空気調和機本体12に送信する(ステップS1)。リモコンセンサ温度の送信信号を受信した空気調和機本体12の制御手段24は、リモコンセンサ温度が設定温度に対して低い場合には(ステップS2)、予め空気調和機本体に対して設定してある空調運転の設定温度をプラス補正し(ステップS3)、この補正した設定温度にて空気調和機本体の運転を制御する(ステップS4)。なお、ステップS2においてリモコンセンサ温度が設定温度に対して高い場合には、リモコンセンサ温度により設定温度を補正することなく空気調和機本体の運転制御(ステップS4)に移行してS1に戻る。
【0027】
具体例を挙げて説明すると、設定温度が28℃でありリモコンセンサ温度が26℃でリモコンセンサ温度が設定温度より2℃低い場合には、設定温度を+1℃補正して29℃とし、この新たな設定温度29℃にて空気調和機本体を運転制御するようにすればよい。
【0028】
一方で、冷房運転時においてリモコンセンサ温度が設定温度よりも高いときに、この温度差を縮小するように冷房能力を強める方向に制御する場合、図1に示すように、リモコン装置16が空調対象室Aになく、室Bにあるときには、リモコンセンサ温度は空調対象室Aの室温を示すものではないので温度差は何時まで経っても縮小されないという不具合が起き、その一方で空調対象室Aは冷やし過ぎの状態となって無駄な運転となる。
【0029】
しかしながら、本発明のようにリモコンセンサ温度が設定温度よりも低いときにだけ、設定温度とリモコンセンサ温度との間の温度差を縮小するように冷房能力を弱める方向に制御する場合は、図1に示すように、仮にリモコン装置16が空調対象室Aになく、室Bにあるときであっても空調対象室Aは冷やし過ぎの状態とならないので無駄な運転を防止して省エネルギーが図れる。
【0030】
[暖房運転時]
他方、暖房運転時には、図4に示すように、リモコン装置16は、温度センサ30で検知したリモコンセンサ温度を送信信号にして空気調和機本体12に送信する(ステップS5)。リモコンセンサ温度の送信信号を受信した空気調和機本体12の制御手段24は、リモコンセンサ温度が設定温度に対して高い場合には(ステップS6)、予め空気調和機本体に対して設定してある空調運転の設定温度をマイナス補正し(ステップS7)、この補正した設定温度にて空気調和機本体の運転を制御する(ステップS8)。なお、ステップS6においてリモコンセンサ温度が設定温度に対して低い場合には、リモコンセンサ温度により設定温度を補正することなく空気調和機本体の運転制御(ステップS8)に移行してS5に戻る。
【0031】
具体例を挙げて説明すると、設定温度が28℃でありリモコンセンサ温度が30℃でリモコンセンサ温度が設定温度より2℃高い場合には、設定温度を−1℃補正して27℃とし、この新たな設定温度27℃にて空気調和機本体を運転制御するようにすればよい。
【0032】
一方で、暖房運転時においてリモコンセンサ温度が設定温度よりも低いときに、この温度差を縮小するように暖房能力を強める方向に制御する場合、図1に示すように、リモコン装置16が空調対象室Aになく、室Bにあるときには、リモコンセンサ温度は空調対象室Aの室温を示すものではないので温度差は何時まで経っても縮小されないという不具合が起き、その一方で空調対象室Aは暖め過ぎの状態となって無駄な運転となる。
【0033】
しかしながら、本発明のようにリモコンセンサ温度が設定温度よりも高いときにだけ、設定温度とリモコンセンサ温度との間の温度差を縮小するように暖房能力を弱める方向に制御する場合は、図1に示すように、仮にリモコン装置16が空調対象室Aになく、室Bにあるときであっても空調対象室Aは暖め過ぎの状態とならないので無駄な運転とはならず省エネルギーが図れる。
【0034】
したがって、本発明によれば、冷房時の冷やし過ぎ、暖房時の暖め過ぎを防ぐことができる。
【0035】
[リモコンの同室内の有無の判断]
次に、リモコン装置が空調対象室内にあるかないかを判断する方法について説明する。
空気調和機本体12の制御手段24は、リモコン装置16から送信されてくる温度センサ30で検知した検知温度と設定温度との温度差が、第1の所定温度(例えば5℃)以上で、その状態が計時手段25によって第1の所定時間(例えば15分)まで継続した場合、即ち、空調運転しても検知温度が設定温度に近づかない場合、リモコン装置16が空調対象室内にないと判断して、リモコンセンサ温度でなく設定温度に基づいて空調運転する。
【0036】
また、空気調和機本体12の制御手段24は、リモコン装置16から送信されてくる温度センサ30で検知する検知温度が、計時手段25によって第2の所定時間(例えば10分)の間に第2の所定温度(例えば3℃)以上変化した場合、即ち、検知温度が短時間に急激に変化した時、リモコン装置が空調対象室内から持ち出されて空調対象室内にないと判断して、リモコンセンサ温度でなく設定温度に基づいて空調運転する。
【0037】
なお、上記では空気調和機本体12の計時手段25による計時時間に基づいて判断しているが、リモコン装置16から送信されてくる検知温度が、前回の温度と今回の温度とで大きく変化(例えば3℃以上)した場合で判断しても良い。
【0038】
また、空気調和機本体12は、リモコン装置16から送信信号を受信したことを応答する応答信号を本体送信手段20からリモコン装置16へ送信し、リモコン装置16は、リモコン受信手段28で空気調和機本体12からの応答信号を受信することで操作対象範囲にあると判断する。従って、リモコン装置16は、温度センサ30で検知する検知温度を空気調和機本体12へ送信し、空気調和機本体12からの応答信号を受信しなかった場合、操作対象範囲外、即ち、空調対象室外にあると判断して、その後の検知温度を送信しないようにする。空気調和機本体12の制御手段24は、一定時間にリモコン装置16からの検知温度を受信しなかった場合、リモコンセンサ温度でなく設定温度に基づいて空調運転する。
【0039】
なお、上記の実施の形態において、リモコン装置16と空気調和機本体(室内機12)と双方向の無線通信方式を用いて空気調和機本体の運転情報(例えば、運転停止後の電気代やフィルタ掃除などのメンテナンス運転などの情報)をリモコン装置16の表示部36に表示させることを可能しているが、本発明の請求項1〜3においては、リモコン装置16は送信信号を送信するだけで、双方向通信の機能を使用しなくてもよい。
【0040】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、冷房運転時において検知温度が設定温度よりも高いときに、この温度差を縮小するように空気調和機本体を運転制御(冷房能力を強める方向に制御)する場合、リモコン装置が空調対象室内にないときには、検知温度は空調対象室の室温を示すものではないので温度差は何時まで経っても縮小されず、その一方で空調対象室内は冷やし過ぎの状態となって無駄な運転となるのを防止するために、少なくとも検知温度が設定温度よりも低いときにだけ、設定温度と検知温度との間の温度差を縮小するように空気調和機本体による空調運転を制御(冷房能力を弱める方向に制御)する。
【0041】
本発明の請求項2によれば、検知温度と設定温度の温度差が第1の所定温度以上で、その状態が第1の所定時間まで継続した場合、空気調和機本体はリモコン装置が空調対象室内にないと判断して、設定温度に基づいて空調運転することで、リモコン装置が空調対象室内にないときであっても空調対象室内は冷やし過ぎの状態とならないので無駄な運転を防止できる。
【0042】
本発明の請求項3によれば、検知温度が第2の所定時間に第2の所定温度以上変化した場合、空気調和機本体はリモコン装置を空調対象室内から持ち出されたと判断して、設定温度に基づいて空調運転することで、リモコン装置が空調対象室内にないときであっても空調対象室内は冷やし過ぎの状態とならないので無駄な運転を防止できる。
【0043】
本発明の請求項4によれば、空気調和機本体は、リモコン装置から送信信号を受信したことを応答する応答信号を前記リモコン装置へ送信する本体送信手段を備え、リモコン装置は、応答信号を受信するリモコン受信手段を備え、温度検知手段による検知温度を送信し、前記空気調和機本体からの前記応答信号を受信しなかった場合、空調対象室内にないと判断して、その後の検知温度を送信しないことで無駄な送信、電池の消耗を防止できる。
【0044】
したがって、本発明によれば、リモコン装置が空調対象室内にないと判断して、冷房時の冷やし過ぎによる無駄な運転を防ぐことができるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明に係る空気調和機は、リモコン装置に備わる温度センサの検知温度を室温とみなしてこれに基づく運転制御を行う空気調和機に有用であり、特に、RFモジュールによる双方向無線通信電波を利用するRFリモコン装置を用いた空気調和機に適している。
【符号の説明】
【0046】
10 空気調和機
12 室内機(空気調和機本体)
14 室外機(空気調和機本体)
16 リモコン装置
18 本体受信手段
20 本体送信手段
22 室温センサ
24 制御手段
25 計時手段
26 リモコン送信手段
28 リモコン受信手段
30 温度センサ(温度検知手段)
32 リモコン制御手段
34 操作部(操作手段)
36 表示部(表示手段)
38 リモコン計時手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調運転を行う空気調和機本体と、前記空気調和機本体を運転操作するリモコン装置とを備えた空気調和機であって、
前記空気調和機本体は、前記空気調和機本体を運転制御する制御手段と、前記リモコン装置からの送信信号を受信する本体受信手段とを備え、
前記リモコン装置は、前記リモコン装置周辺の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段で検知した検知温度を送信信号として電波により所定の時間間隔で送信するリモコン送信手段とを備え、
冷房運転時において、
前記制御手段は、前記リモコン装置から受信した検知温度と予め設定された設定温度とを比較し、前記検知温度が前記設定温度より低いとき前記検知温度と前記設定温度との温度差を縮小するように前記空気調和機本体を運転し、前記検知温度が前記設定温度以上のとき前記設定温度に基づいて前記空気調和機本体を運転することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記空気調和機本体は計時手段を備え、
前記制御手段は、前記検知温度と前記設定温度の温度差が第1の所定温度以上であり、且つ、その状態が第1の所定時間継続したことを前記計時手段で計時したとき、前記設定温度に基づいて前記空気調和機本体を運転することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記空気調和機本体は計時手段を備え、
前記制御手段は、前記リモコン装置からの前記検知温度を受信し、前記検知温度が第2の所定時間で第2の所定温度以上変化したことを前記計時手段で計時したとき、前記設定温度に基づいて前記空気調和機本体を運転することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記空気調和機本体は、前記リモコン装置から送信された送信信号を受信したことに応答する応答信号を前記リモコン装置へ送信する本体送信手段を備え、
前記リモコン装置は、前記応答信号を受信するリモコン受信手段を備え、
前記リモコン装置は、前記温度検知手段による検知温度を送信信号として送信し、前記空気調和機本体からの前記応答信号を受信しなかった場合、その後の検知温度を送信信号として送信しないことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−104647(P2013−104647A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251163(P2011−251163)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】