説明

空気調和機

【課題】本発明は空気調和機の発光表示部に関するもので、空気調和機の発光表示部の視認性の更なる向上ができるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケースに空気調和手段5と、この空気調和手段5の運転モードを表示する発光表示部7とを設け、この発光表示部7は、孔である第1のガイド部11と、この第1のガイド部11の一方側の開口から挿入される点光源である発光部12と、第1のガイド部11の内周面から外方に窪むと共に第1のガイド部11における他方側が開口した穴である第2のガイド部13と、第1のガイド部11および第2のガイド部13の他方側の開口を塞ぐシート部14とから形成し、このシート部14は、第2のガイド部13の他方側の開口と対向した部分に発光部12の光を透光する透光部15を備えたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光表示部を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の空気調和機の構成は以下のようになっていた。すなわち、本体ケースに空気調和手段と、この空気調和手段の運転モードを表示する発光表示部とを設け、この発光表示部は、孔である第1のガイド部と、この第1のガイド部の一方側の開口から挿入される点光源である発光部と、第1のガイド部の他方側の開口を塞ぐシート部とから形成し、シート部は、第1のガイド部の他方開口および発光部と対向した部分に発光部の光を透光する透光部を備えたことを特徴とする空気調和機。
【0003】
(例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−149098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における課題は、空気調和機の発光表示部の視認性の更なる向上ということであった。
【0006】
すなわち、従来の物においては、発光部と対向した部分に透光部を有するので、点光源である発光部の大部分の光が直接、シート部の透光部を透光するものである。
【0007】
これにより、発光部の照度が小さい場合には、透光部全体が光らず、透光部の一部、つまり中央部のみが光り発光表示部の視認性が悪いものであった。
【0008】
そこで本発明は、空気調和機の視認性の更なる向上を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケースに空気調和手段と、この空気調和手段の運転モードを表示する発光表示部とを設け、この発光表示部は、孔である第1のガイド部と、この第1のガイド部の一方側の開口から挿入される点光源である発光部と、前記第1のガイド部の内周面から外方に窪むと共に前記第1のガイド部における他方側が開口した穴である第2のガイド部と、前記第1のガイド部および前記第2のガイド部の他方側の開口を塞ぐシート部とから形成し、このシート部は、前記第2のガイド部の他方側の開口と対向した部分に前記発光部の光を透光する透光部を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、本体ケースに空気調和手段と、この空気調和手段の運転モードを表示する発光表示部とを設け、この発光表示部は、孔である第1のガイド部と、この第1のガイド部の一方側の開口から挿入される点光源である発光部と、前記第1のガイド部の内周面から外方に窪むと共に前記第1のガイド部における他方側が開口した穴である第2のガイド部と、前記第1のガイド部および前記第2のガイド部の他方側の開口を塞ぐシート部とから形成し、このシート部は、前記第2のガイド部の他方側の開口と対向した部分に前記発光部の光を透光する透光部を備えたことを特徴とする空気調和機であり、空気調和機の発光表示部の視認性の更なる向上ができるものである。
【0012】
すなわち、第1のガイド部の内周面から外方に窪むと共に第1のガイド部における他方側が開口した穴である第2のガイド部と、第1のガイド部および第2のガイド部の他方側の開口を塞ぐシート部とから形成し、このシート部は、第2のガイド部の他方側の開口と対向した部分に発光部の光を透光する透光部を備えている。
【0013】
これにより、発光部の照度が小さい場合にも、点光源である発光部の大部分の光が直接、シート部の透光部を透光するもので無く、点光源である発光部の大部分の光が、第1のガイド部および第2のガイド部の内周面で反射してシート部の透光部を透光するものである。
【0014】
これらの結果により、透光部の一部、つまり中央部のみが光ることなく、透光部の全体が光るので、発光表示部の視認性の更なる向上ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1の空気調和機の概略図
【図2】同空気調和機の概略断面を示す図
【図3】同空気調和機の発光表示部を示す概略図
【図4】同空気調和機の発光表示部の概略断面を示す図
【図5】同空気調和機のカバー部を示す概略図
【図6】同空気調和機のシート部を示す概略図
【図7】同空気調和機のカバー部を示す概略図
【図8】同空気調和機のシート部を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本実施形態の空気調和機1は、図1、2に示すように、吸気口2と排気口3を有する縦長箱型の本体ケース4と、この本体ケース4に空気調和手段5と、操作部6と、運転モードを表示する発光表示部7とを備えている。本体ケース4の側面には吸気口2を設け、本体ケース4の天面の背面側には排気口3を設けている。
【0018】
空気調和手段5の1例は、空気清浄手段8である。空気清浄手段8は、空気清浄フィルター9と送風手段10とからなる。空気清浄手段8は蛇腹状に折られた濾材を額縁状の枠に固定された空気清浄フィルター9であり、吸気口2の近傍に設けられている。
【0019】
送風手段10は、空気清浄フィルター9と排気口3との間の風路に設けている。この送風手段10によって本体の吸気口2から吸い込まれた空気は、空気清浄フィルター9を介して、本体ケース4の排気口3から室内へ送風される。すなわち、室内の空気は、空気清浄フィルター9で空気清浄されるものである。なお、空気調和手段5は、除湿、加湿、脱臭等を行なうものでもよい。
【0020】
操作部6は、本体ケース4の天面に位置し、この操作部6を押すことによって運転モードが変化するものである。運転モードは、強、中、弱があり、送風手段10の送風量が変化するものである。
【0021】
発光表示部7は、本体ケース4の天面に位置し、送風手段10の送風量である運転モードを表示する。
【0022】
本実施形態における特徴は、発光表示部7の構造にある。図3、4、5、6に示すように、この発光表示部7は、第1のガイド部11と、発光部12と、第2のガイド部13と、シート部14とから構成している。
【0023】
第1のガイド部11は、本体ケース4の天面に位置するカバー部16に、上下方向に貫通した円柱形状の孔である。この第1のガイド部11の一方側の円形の開口、つまり下方側の円形の開口から、点光源である円柱形状の発光部12が挿入される。点光源である発光部12の1例は、LEDであり、水平断面形状は、円形であり、水平断面積は、第1のガイド部11の水平断面積より僅かに小さいものである。
【0024】
第2のガイド部13は、第1のガイド部11の内周面から外方に窪むと共に、第1のガイド部11における他方側、つまり上方側が四角形状に開口した穴である。すなわち、第1のガイド部11である上下方向に貫通した円柱形状の孔と、第2のガイド部13である上方が開口した四角柱形状の穴とが、第1のガイド部11の円柱周面と第2のガイド部13の四角柱側面とで、結合したものである。なお、円柱形状の発光部12の先端は、第2のガイド部13の穴の底より上部に位置する構成である。
【0025】
シート部14は、平板形状で、第1のガイド部11および第2のガイド部13の他方側の開口、つまり上方側の開口を塞ぐように、カバー部16の天面に固定されている。このシート部14は、第2のガイド部13の他方側の開口、つまり上方側の開口に対向した部分に発光部12の光を透光する透光部15を備えている。この透光部15は、第2のガイド部13の他方側の開口、つまり上方側の開口の大きさより小さい四角形状である。シート部14の材質の1例は、透明のポリカーボネートであり、透光部15以外は本体ケースと同色に塗装されている。透光部15には、白色のメジウムを印刷している。このメジウムによって、発光部12の光を拡散する。
【0026】
カバー部16の材質の1例は、ポリスチレン樹脂である。第1のガイド部11および第2のガイド部13の内周面は、鏡面状で、色は白色系である。
【0027】
以上の構成より、発光部12の照度が小さい場合にも、点光源である発光部12の大部分の光が直接、シート部14の透光部15を透光するもので無く、点光源である発光部12の大部分の光が、第1のガイド部11および第2のガイド部13の内周面で反射してシート部14の透光部15を透光するものである。
【0028】
これらの結果により、透光部15の一部、つまり中央部のみが光ることなく、透光部15の全体が光るので、発光表示部7の視認性の更なる向上ができるものである。
【0029】
また、第2のガイド部13の他方側の開口の大きさは、第1のガイド部11の他方側の開口の大きさより小さい構成としたものである。すなわち、第2のガイド部13の上方側の四角形状の開口の大きさは、第1のガイド部11の上方側の円形状の開口の大きさより小さい構成としたものである。本体ケース4における天面から見ると、第1のガイド部11および第2のガイド部13が結合した開口は、鍵穴形状である。
【0030】
これにより、点光源である発光部12の大部分の光が、第1のガイド部11の内周面で反射し、この反射した光の一部が第2のガイド部13の内周面に反射する。このように、
第2のガイド部13の内周面より反射面積の大きい第1のガイド部11の内周面から、
第1のガイド部11の内周面より反射面積の小さい第2のガイド部13の内周面へ反射するので、第2のガイド部13の内周面全体に反射させることができる。結果として、透光部15全体をより均一に透光できる。
【0031】
また、第2のガイド部13の他方側の開口の大きさは、発光部12の断面積より小さい構成としたものである。すなわち、第2のガイド部13の上方側の四角形状の開口の大きさは、発光部12の円形状の断面積より小さい構成としたものである。ここで、透光部15は、第2のガイド部13の上方側の開口の大きさより小さい四角形状である。
【0032】
これにより、点光源である発光部12の光が、第1のガイド部11および第2のガイド部13の内周面で反射し、発光部12の円形状の断面積より小さい透光部15へ反射させるので、透光部15全体をより均一に透光できる。
【0033】
また、第1のガイド部11は、一方側の開口から他方側の開口へ徐々に広がったものである。すなわち、第1のガイド部11は、下方側の開口から上方側の開口へ徐々に広がったものである。
【0034】
これにより、第1のガイド部11の下方から点光源である発光部12の光が、上方へ反射し易くなるものである。
【0035】
また、第2のガイド部13は、一方側から他方側の開口へ徐々に広がったものである。
【0036】
すなわち、第2のガイド部13は、下方側から上方側の開口へ徐々に広がったものである。
【0037】
これにより、第1のガイド部11の下方から点光源である発光部12の光が、上方へ反射し易くなるものである。
【0038】
また、図7、8に示すように、発光表示部7を複数設ける場合に、第2のガイド部13を一直線に並べ、これら第2のガイド部13を中心に、第1のガイド部11が互い違いに位置する構成としたものである。
【0039】
具体的には、複数の発光表示部7を本体ケース4における前後方向に一直線に並べる場合は、まず、一方の発光表示部7aである第1のガイド部11aと第2のガイド部13aとが本体ケース4における左右方向に隣り合うように設ける。そして、第1のガイド部11aを本体ケース4における右側に、第2のガイド部13aを本体ケース4における左側に設ける。次に、他方の発光表示部7bである第1のガイド部11bと第2のガイド部13bとが本体ケース4における左右方向に隣り合うように設ける。そして、第1のガイド部11bを本体ケース4における左側に、第2のガイド部13bを本体ケース4における右側に設ける。ここで、一方の発光表示部7aである第2のガイド部13aにおける上方側の開口の中心と、他方の発光表示部7bである第2のガイド部13bにおける上方側の開口の中心とを、本体ケース4における前後方向に一直線に並べるものである。
【0040】
ここで、第1のガイド部11aの下方側の円形の開口から、点光源である円柱形状の発光部12aが挿入され、第1のガイド部11bの下方側の円形の開口から、点光源である円柱形状の発光部12bが挿入されている。また、第2のガイド部13aの上方側の開口に対向した部分に発光部12aの光を透光する透光部15aを備え、第2のガイド部13bの上方側の開口に対向した部分に発光部12bの光を透光する透光部15bを備えている。
【0041】
このように、一方の発光表示部7aである第2のガイド部13aにおける上方側の開口の中心と、他方の発光表示部7bである第2のガイド部13bにおける上方側の開口の中心とを結ぶ中心線を境に、隣接する一方の発光表示部7aである第1のガイド部11aと、他方の発光表示部7bである第1のガイド部11bとを左右交互に設けるものである。
【0042】
すなわち、一方の発光表示部7aである第2のガイド部13aにおける上方側の開口の中心と、他方の発光表示部7bである第2のガイド部13bにおける上方側の開口の中心とを結ぶ中心線を境に、隣接する一方の発光表示部7aである発光部12aと、他方の発光表示部7bである発光部12bとを左右交互に設けるものである。
【0043】
仮に、従来のように、発光部と対向した部分に透光部を有すると共に、透光部の面積が、発光部の水平断面積より小さい場合には、複数の透光部を隣接させると、発光部を配置できる間隔が必要となる。そして、隣り合う透光部の中心間の距離は、隣り合う発光部の中心間の距離と同じになる。つまり、隣り合う透光部の中心間の距離が決まるので、隣り合う透光部の距離は、透光部の大きさによって決まる。結果として、透光部の面積が、発光部の水平断面積より小さくなればなるほど、隣り合う透光部の距離は大きくなる。
【0044】
一方、本願の実施の形態1のような構成による配置にすることにより、発光部12a、12bは隣接せず、隣り合う透光部15a、15bの中心間の距離は、隣り合う発光部12a、12bの中心間の距離に制限されないので、複数の透光部15を従来のものに比べ、近接して備えることができる。
【0045】
また、隣り合う透光部15a、15bが近接しても、隣り合う発光部12a、12bは、一方の発光表示部7aである第2のガイド部13aにおける上方側の開口の中心と、他方の発光表示部7bである第2のガイド部13bにおける上方側の開口の中心とを結ぶ中心線を境に位置するので、発光部12aの光が、発光部12b発光部に漏れることを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように本発明は、本体ケースに空気調和手段と、この空気調和手段の運転モードを表示する発光表示部とを設け、この発光表示部は、孔である第1のガイド部と、この第1のガイド部の一方側の開口から挿入される点光源である発光部と、一方側が塞がり他方側が開口した穴である第2のガイド部と、前記第1のガイド部と前記第2のガイド部との他方側の開口を塞ぐシート部とから形成し、前記第2のガイド部の内周面は前記第1のガイド部の内周面と連通し、前記シート部は、前記第2のガイド部の他方側の開口と対向した部分に前記発光部の光を透光する透光部を備えたことを特徴とする空気調和機であり、空気調和機の発光表示部の視認性の更なる向上ができるものである。
【0047】
すなわち、第2のガイド部の内周面は第1のガイド部の内周面と連通し、シート部は、第2のガイド部の他方側の開口と対向した部分に発光部の光を透光する透光部を備えている。
【0048】
これにより、発光部の照度が小さい場合にも、点光源である発光部の大部分の光が直接、シート部の透光部を透光するもので無く、点光源である発光部の大部分の光が、第1のガイド部および第2のガイド部の内周面で反射してシート部の透光部を透光するものである。
【0049】
これらの結果により、透光部の一部、つまり中央部のみが光ることなく、透光部の全体が光るので、発光表示部の視認性の更なる向上ができるものである。
【0050】
従って、家庭用や事務所用などの、空気調和機である空気清浄機、除湿機、加湿機、脱臭機として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 空気調和機
2 吸気口
3 排気口
4 本体ケース
5 空気調和手段
6 操作部
7 発光表示部
7a 発光表示部
7b 発光表示部
8 空気清浄手段
9 空気清浄フィルター
10 送風手段
11 第1のガイド部
11a 第1のガイド部
11b 第1のガイド部
12 発光部
12a 発光部
12b 発光部
13 第2のガイド部
13a 第2のガイド部
13b 第2のガイド部
14 シート部
15 透光部
15a 透光部
15b 透光部
16 カバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースに空気調和手段と、この空気調和手段の運転モードを表示する発光表示部とを設け、この発光表示部は、孔である第1のガイド部と、この第1のガイド部の一方側の開口から挿入される点光源である発光部と、前記第1のガイド部の内周面から外方に窪むと共に前記第1のガイド部における他方側が開口した穴である第2のガイド部と、前記第1のガイド部および前記第2のガイド部の他方側の開口を塞ぐシート部とから形成し、このシート部は、前記第2のガイド部の他方側の開口と対向した部分に前記発光部の光を透光する透光部を備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記第2のガイド部の他方側の開口の大きさは、前記第1のガイド部の他方側の開口の大きさより小さい構成とした空気調和機。
【請求項3】
前記第2のガイド部の他方側の開口の大きさは、前記発光部の断面積より小さい構成とした空気調和機。
【請求項4】
前記第1のガイド部は、一方側の開口から他方側の開口へ徐々に広がったことを特徴とする空気調和機。
【請求項5】
前記第2のガイド部は、一方側から他方側の開口へ徐々に広がったことを特徴とする空気調和機。
【請求項6】
前記発光表示部が複数設ける場合に、前記第2のガイド部を一直線に並べ、これら前記第2のガイド部を中心に、前記第1のガイド部が互い違いに位置する構成とした空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−73028(P2013−73028A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212107(P2011−212107)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】