説明

空気調和機

【課題】熱交換器への底面からの空気の通過を可能とすることで、熱交換効率の向上を図ることのできる空気調和機を得ること。
【解決手段】空気調和機は、空気吸込口6から空気吹出口8につながる風路1bが内部に設けられた本体1aと、空気吸込口6から空気吹出口8へと向けて空気を流動させる送風機(循環用ファン)3と、風路1bに配置されて、略直方体形状を呈する熱交換器2と、熱交換器2の下方に設けられてドレン水を回収するドレンパン9とを備え、熱交換器2の底面29は、空気の通過方向に対して略平行な方向が短辺となり、空気の通過方向に対して略垂直な方向が長辺となる長方形形状であり、ドレンパン9には、空気の通過方向における下流側の長辺に沿って熱交換器2の底面29に面接触して支持する土手(支持部)14が形成され、熱交換器2の底面29のうち支持部14よりも上流側となる領域が、空気の通過可能な領域とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器によって空気との間で熱交換を行う空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷暖房用の空気調和機は、室内機と室外機から構成される。室内機本体には吸込口や吹出口といった開口部が形成される。本体内蔵の循環用ファンにより室内空気を吸込口から吸込み、本体内に設置されている熱交換器により冷媒と空気とを熱交換させる。熱交換された空気は、吹出口に接続されたダクト等を通して各部屋へ冷房もしくは暖房された空気として供給される。
【0003】
この種の空気調和機では冷房時に熱交換器に発生する結露水(ドレン水)を本体内部で回収するため、熱交換器の下方にドレンパンを設けてある。ドレンパンの構造は、ドレン水を受けるだけの箱状のものや、ドレンパンに突起を設けて熱交換器の底面と接触させ気密をとって風路を形成するものが一般的である。熱交換器の底面と接触させるドレンパンでは、ドレン水を回収し、ポンプやホースによって排水する構造のものもある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願昭59−101148号(実開昭61−15420号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ドレンパンに設けられた突起と熱交換器の底面とを接触させることで、熱交換器への底面からの空気の通過が妨げられるため、熱交換効率の向上の妨げとなる場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱交換器への底面からの空気の通過を可能とすることで、熱交換効率の向上を図ることのできる空気調和機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、吸込口と吹出口が形成されて、吸込口から吹出口につながる風路が内部に設けられた本体と、本体の内部に収容されて、吸込口から吹出口へと向けて空気を流動させる循環用ファンと、風路に配置されて風路を通過する空気と熱交換を行い、略直方体形状を呈する熱交換器と、熱交換器の下方に設けられてドレン水を回収するドレンパンとを備え、熱交換器の底面は、空気の通過方向に対して略平行な方向が短辺となり、空気の通過方向に対して略垂直な方向が長辺となる長方形形状であり、ドレンパンには、空気の通過方向における下流側の長辺に沿って熱交換器の底面に面接触して支持する支持部が形成され、熱交換器の底面のうち支持部よりも上流側となる領域が、空気の通過可能な領域とされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空気の通過方向における下流側の長辺に沿って熱交換器の底面に面接触して支持する支持部が形成され、熱交換器の底面のうち支持部よりも上流側となる領域が、空気の通過可能な領域とされる。また、ドレン水が熱交換器を伝い、熱交換器の底面の上流側からドレンパンに回収され、排水性の向上を図ることができるという効果を奏する。更に熱交換効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の内部構成を概略的に示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の内部構成を概略的に示す正面図である。
【図3−1】図3−1は、熱交換器を底面側から見た斜視図である。
【図3−2】図3−2は、ドレン水の通過を説明するための図である。
【図3−3】図3−3は、ドレンパンの外観斜視図である。
【図4】図4は、熱交換器を支持した状態のドレンパンの外観斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す矢印Aに沿って見た部分拡大断面図である。
【図6】図6は、溝部分の部分拡大図である。
【図7】図7は、熱交換器を支持した状態のドレンパンの縦断面図である。
【図8】図8は、伝熱管の他の配置例を示すための図であって、熱交換器を支持した状態のドレンパンの縦断面図である。
【図9】図9は、熱交換器を支持した状態のドレンパンの縦断面図であって、底面からの空気の通過を説明するための図である。
【図10】図10は、比較例としてのドレンパンが熱交換器を支持した状態を示す縦断面図である。
【図11】図11は、空気調和機の内部構成を概略的に示す斜視図である。
【図12】図12は、ドレンパンの壁部部分を拡大した部分拡大図である。
【図13】図13は、ドレンパンの壁部部分を拡大した部分拡大図である。
【図14】図14は、変形例としてのドレンパンの外観斜視図である。
【図15】図15は、変形例としてのドレンパンの溝部分の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態にかかる空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の内部構成を概略的に示す側面図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の内部構成を概略的に示す正面図である。空気調和機は、室内機としての空調機ユニット1と図示しない室外機とを備えて構成される。
【0012】
室内機としての空調機ユニット1は、熱交換器2、送風機(循環用ファン)3、センサユニット5、フィルター7、ドレンパン9等が本体1aの内部に収容されて構成される。本体1aの下方には空気吸込口(吸込口)6が形成され、空気吸込口6よりも上方となる位置に空気吹出口(吹出口)8が形成される。
【0013】
本体1aの内部には、空気吸込口6から空気吹出口8につながる風路1bが形成される。空気吸込口6と空気吹出口8との位置関係により、本体1a内で上下に延びるように風路1bは形成される。熱交換器2、送風機3、センサユニット5、およびフィルター7は、風路1bの内部に配置される。
【0014】
送風機3は、熱交換器2よりも上方に配置される。送風機3は、駆動時に空気吸込口6から空気吹出口8に向けて空気を流動させる。送風機3としては、例えば多翼ファンが用いられる。送風機3が駆動することで、本体の外部の空気、例えば室内空気が空気吸込口6から取り入れられ、風路1bを通過して空気吹出口8から吹き出される。空気吹出口8には、ダクト4が接続され、吹き出された空気がダクト4を介して運搬される。例えば、複数の居室に分配して送風される。
【0015】
熱交換器2は、フィン2a、側板2b、伝熱管2cを有して構成される。熱交換器2は、風路1b内に配置され、風路1b内での上流側となる面(流入面25)から下流側となる面(流出面26)に向けて空気が通過可能となっている。熱交換器2は、熱交換器2を通過する空気と、伝熱管2cの内部を流れる冷媒との間で熱交換を行わせる。
【0016】
伝熱管2cは、風路1bでの空気の通過方向と略垂直な方向に延びるように複数設けられている。複数の伝熱管2cは、側方から観察すると、千鳥配置となるように設けられている。伝熱管2cは、熱交換器2の側方で折り返すように配置されている。
【0017】
フィン2aは、熱交換器2の熱交換効率を高めるために、伝熱管2cに接触するとともに、空気の通過方向と略平行な方向に延びるように複数設けられている。側板2bは、熱交換器2の側方部分に設けられて、伝熱管2cをまとめて固定している。
【0018】
図3−1は、熱交換器2を底面側から見た斜視図である。図3−2は、ドレン水の通過を説明するための図である。なお、図3−1ではフィン2aや伝熱管2cの詳細な構成は省略して示している。図3−1に示すように、フィン2aや伝熱管2cの詳細な構成を無視すれば、熱交換器2は全体として直方体形状を呈している。また、その底面29の形状は、空気の通過方向と略平行となる辺が短辺27で、空気の通過方向と略垂直となる辺が長辺28となる長方形形状となっている。風路1b中において、熱交換器2は、流出面26が斜め上方を向くように傾けて配置されている。これにより、熱交換器2のドレンパン9との接触部を斜めに配置することができる。通常ドレン水は図3−2に示すように、伝熱管2c配管をよけながらフィン2a(図1も参照)を伝い下方へ流れる。このとき、上記の接触面で熱交換器2を斜めに配置することで、図3−2に示すように、ドレン水をよりドレンパン9と熱交換器2とが接触していない領域(非接触部P)に集めることができ、排水性の向上を図ることができる。更に、省スペースで熱交換面積を増やすことができ、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0019】
フィルター7は、熱交換器2の上流側に配置されて、風路1b内を通過する空気に含まれる埃などを集塵する。センサユニット5は、熱交換器2の下流側に配置されて空気の物性を測定する。測定結果を用いたフィードバック制御を行うことで、空気を最適な状態に近づけるように制御できる。
【0020】
ドレンパン9は、熱交換器2の下方に配置されて、熱交換器2を底面29側から支持する。ドレンパン9は、特に冷房時に熱交換器2から発生する結露水(ドレン水)を回収し、室内等への水漏れを防止する。
【0021】
以上のように構成された空気調和機では、空気吸込口6から取り入れられた空気は、フィルター7を通過後、熱交換器2によって冷却または加熱され、空気吹出口8に接続されたダクト4を介して各部屋に分配して送風される。
【0022】
この時、熱交換器2の風下側に配置されたセンサユニット5によって空気の物性を測定し、フィードバック制御により、空気を最適な状態に制御することができる。また、熱交換器2の下側に取付けられたドレンパン9によって、熱交換器2より滴下するドレン水を回収する。
【0023】
次に、ドレンパン9の詳細な構造について以下に説明する。図3−3は、ドレンパン9の外観斜視図である。図4は、熱交換器2を支持した状態のドレンパン9の外観斜視図である。図5は、図4に示す矢印Aに沿って見た部分拡大断面図である。図6は、溝15部分の部分拡大図である。図7は、熱交換器2を支持した状態のドレンパン9の縦断面図である。
【0024】
図3−3に示すように、ドレンパン9には、ドレンパン9の底面より一段高い位置に土手(支持部)14が設けられている。土手14は、熱交換器2の底面29と面接触して、熱交換器2を支持する。土手14は、長辺接触部14aと短辺接触部14bとを有しており、全体としてコ字形状を呈する。
【0025】
長辺接触部14aは、熱交換器2の底面29のうち、流出面26側の長辺28に沿った領域に面接触する。短辺接触部14bは、熱交換器2の底面29のうち、両側の短辺27に沿った領域と面接触する。図5に示すように、本実施の形態では、短辺接触部14bは、側板2bの下方でL字に折り曲げられた部分に面接触する。なお、熱交換器2の底面29のうち、土手14と接触する部分を図3−1において斜線で示している。
【0026】
このように土手14を構成することで、熱交換器2の底面29のうち、長辺接触部14aに支持される領域よりも流入面25側となる領域は、土手14に覆われずに開放された状態となる。なお、短辺接触部14bを、側板2bの下方でL字に折り曲げられた部分よりも大きな幅の形状とすることで、気密をより確実にとることができる。
【0027】
図7に示すように、土手14にはドレン水が下方へと流れるよう傾斜が設けられている。ドレンパン9は、発泡スチロール部10と樹脂部11が一体成型で作成されており、発泡スチロール部10の表面を樹脂部11で覆うように構成されている。
【0028】
この樹脂部11により、発泡スチロール部10にドレン水が浸透することを防ぎ、水垂れを防止している。またドレンパン9にはドレン水回収後、1箇所から排水するための排水口12が設けてある。
【0029】
ドレンパン9には、室外機と室内機(空調機ユニット1)とを結ぶ冷媒配管の接続部から滴下するドレン水を回収するために、突出部13が設けられている。ドレンパン9は、外郭を発泡スチロールとすることにより、ドレン水を回収した際に低温のドレン水によるドレンパン9の外壁、接触部への伝熱を抑えることができ、ドレンパン9の外壁と接触部での結露を防ぐことを可能としている。
【0030】
図1,7,8に示すように、ドレンパン9には、熱交換器2よりも下流側となる位置に、壁部17が形成される。壁部17は、風路1bの幅の略全域にわたって設けられる。壁部17は、側面視において千鳥状に配置された伝熱管2cのうち、土手14に最も近い伝熱管2c(以下、近接伝熱管2dという。)よりも、本体正面から見て鉛直方向に高い位置となるように形成されている。
【0031】
上記のように壁部17を構成することで、ドレンパン9からドレン水が溢れることを防ぎ、水漏れに伴う住宅の床への滴下による住宅被害を防止している。具体的には、近接伝熱管2dと熱交換器2の底面29との距離が小さいことで、近接伝熱管2dによってドレン水がせき止められた場合に、ドレン水が近接伝熱管2dよりも高い位置まで溜まってしまうおそれがある。
【0032】
しかしながら、ドレン水が近接伝熱管2dよりも高い位置まで溜まった場合であっても、それよりも高い位置まで壁部17が形成されているので、ドレン水は壁部17を越える前に、近接伝熱管2dを越えて、排水口12に向かって流れていく。
【0033】
図8は、伝熱管2cの他の配置例を示すための図であって、熱交換器2を支持した状態のドレンパン9の縦断面図である。伝熱管2cの千鳥状の配置としては、例えば図8に示す配置も可能である。この場合、土手14に最も近い近接伝熱管2dは、流出面26側より2列目となる。この場合、図7で示した配列に比べて、近接伝熱管2dから壁部17までの距離が長くなるため、水漏れに対しては余裕度が増加する。
【0034】
土手14の長辺接触部14aには、図3−3に示すように、一部に溝15が形成されている。溝15を通して、熱交換器2の流出面26側から流入面25側に円滑にドレン水を流すことができる。これにより、ドレンパン9からドレン水が溢れることを防ぎ、住宅の床への滴下による住宅被害を防止している。
【0035】
また、図6に示すように、溝15にパッキン材16を貼付けることで、溝15を空気が通過することを抑えて、熱交換効率の低下を抑えている。ここで、ドレン水が通過し易いパッキン材16を用いることで、熱交換器2と溝15との気密をとりつつ、ドレン水を通過させやすくすることができる。
【0036】
なお、パッキン材16に用いられる材料としては、一般的に独立発泡のものと連続発泡のものとがあるが、連続発泡のものを用いることで、熱交換器2と溝15との気密をとりつつ、ドレン水を通過させやすくすることができる。
【0037】
図9は、熱交換器2を支持した状態のドレンパン9の縦断面図であって、底面29からの空気の通過を説明するための図である。図11は、空気調和機の内部構成を概略的に示す斜視図である。
【0038】
本実施の形態にかかる空気調和機の構造では、送風機3が熱交換器2の上部に設置されているため、熱交換器2の上部よりも下部で風量が少なくなりやすい。さらに、熱交換器2が傾けて配置されているため、熱交換器2の上部を通過する空気よりも、熱交換器2の下部を通過する空気が少なくなりやすい。
【0039】
一方、本実施の形態では、熱交換器2の底面29の一部を土手14で塞がずに支持している。そのため、図9に示すように、底面29のうち土手14に塞がれずに開放された領域を空気が通過可能となっている。このように、熱交換器2の底面29からも空気を通過させることで、熱交換器2の下部での風量の低下を補い、熱交換器2の下部を通過する空気の増加を図り、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0040】
このとき、熱交換器2の上面側と側面側は、図11に示すように、他の板金19、20によって隙間がない構造となっており、フィン2a(熱交換器2)を通過しない空気はほとんどないものとする。
【0041】
図10は、比較例としてのドレンパン109が熱交換器2を支持した状態を示す縦断面図である。比較例として示すドレンパン109では、土手114が熱交換器2の底面29のほとんどの領域と面接触している。そのため、熱交換器2の底面29を空気が通過できないため、熱交換器2の下部を通過する空気が少なくなる。そのため、熱交換効率が低下してしまう場合がある。また、土手114に近接する近接伝熱管2d(図7や図8も参照)も多くなるため、ドレン水がせき止められやすくなり、ドレンパン109からドレン水が溢れやすくなる。
【0042】
図12は、ドレンパン9の壁部17部分を拡大した部分拡大図である。図13は、ドレンパン9の壁部17部分を拡大した部分拡大図である。住宅内の埃等が、空気とともに風路1b内に進入し、スライム状になって堆積することで、土手14に最も近い近接伝熱管2dと土手14との流路が狭くなり、ドレン水が流れにくくなる場合がある。ドレン水が流れにくくなることで水が溜まりやすくなった場合に、ドレン水は図12に示すように溝15を通過し下方へと流れ落ちる。
【0043】
さらに、図13に示すように、溝15でもドレン水が流れにくくなり、ドレン水が溜まった場合には、ドレンパン9の壁部17が近接伝熱管2dよりも高い位置に設けてあるため、近接伝熱管2dの上を越えてドレン水が流れていく。
【0044】
また、空気調和機の能力を上げた場合や、湿度の高い空気を熱交換した場合など、ドレン水が増加した場合にも、近接伝熱管2dと土手14の隙間や、溝15を流れることができなかったドレン水が、近接伝熱管2dの上を越えて流れていくので、ドレンパン9からドレン水が溢れるのを抑えることができる。
【0045】
図14は、変形例としてのドレンパン9の外観斜視図である。図15は、変形例としてのドレンパン9の溝部分の部分拡大図である。この変形例では、図14,15に示すように、土手14のうち熱交換器2と接触する面の略全面に、パッキン材18を貼り付けている。
【0046】
土手14のうち熱交換器2と接触する面の略全面に、パッキン材18を貼り付けることで、熱交換器2と土手14との気密をより確実にとることが可能となる。この場合、パッキン材18のうちフィン2aとの接触面は、熱交換器2の重量により圧縮される。
【0047】
そのため、パッキン材18の厚さが例えば5〜10mmであっても、圧縮されて1mm以下の厚さとなり、ドレン水はパッキン材18の上部を通過して排水口12へ流れるようになる。
【0048】
また、土手14のうち熱交換器2と接触する面の略全面に貼り付けられたパッキン材18は、ドレンパン9の樹脂部11に対する緩衝材としても機能する。これにより、熱交換器2などによってドレンパン9に傷が付けられることや穴が開けられることを抑えて、ドレンパン9からの水漏れを抑えることができる。
【0049】
また、パッキン材18は、溝15と重なる部分でその厚みが増されており、溝15部分でも、土手14と熱交換器2との気密をとっている。パッキン材18は、上述した例と同様に、連続発泡のものを用いることで、熱交換器2と溝15との気密をとりつつ、ドレン水を通過させやすくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、熱交換器を備える空気調和機に有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 空調機ユニット
1a 本体
1b 風路
2 熱交換器
2a フィン
2b 側板
2c 伝熱管
2d 近接伝熱管
3 送風機(循環用ファン)
4 ダクト
5 センサユニット
6 空気吸込口(吸込口)
7 フィルター
8 空気吹出口(吹出口)
9 ドレンパン
10 発泡スチロール部
11 樹脂部
12 排水口
13 突出部
14 土手(支持部)
14a 長辺接触部
14b 短辺接触部
15 溝
16 パッキン材
17 壁部
18 パッキン材
19,20 板金
25 流入面
26 流出面
27 短辺
28 長辺
29 底面
109 ドレンパン
114 土手
P 非接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と吹出口が形成されて、前記吸込口から前記吹出口につながる風路が内部に設けられた本体と、
前記本体の内部に収容されて、前記吸込口から前記吹出口へと向けて空気を流動させる循環用ファンと、
前記風路に配置されて前記風路を通過する空気と熱交換を行い、略直方体形状を呈する熱交換器と、
前記熱交換器の下方に設けられてドレン水を回収するドレンパンとを備え、
前記熱交換器の底面は、前記空気の通過方向に対して略平行な方向が短辺となり、前記空気の通過方向に対して略垂直な方向が長辺となる長方形形状であり、
前記ドレンパンには、前記空気の通過方向における下流側の長辺に沿って前記熱交換器の底面に面接触して支持する支持部が形成され、
前記熱交換器の底面のうち前記支持部よりも上流側となる領域が、空気の通過可能な領域とされることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記支持部は、前記短辺に沿って前記熱交換器に面接触して支持することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記吹出口は、前記吸込口よりも上方となる位置に形成され、
前記熱交換器は、下流側となる面が斜め上方を向くように傾けて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記熱交換器は、前記空気の通過方向と略垂直な方向に延びるように設けられた複数の伝熱管を有し、
前記ドレンパンには、前記熱交換器に対して下流側となる位置に、前記支持部に最も近接する前記伝熱管よりも高い壁部が前記風路の幅の略全域にわたって設けられていることを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記長辺に沿って前記熱交換器の底面を支持する支持部には、上流側と下流側とを連通する溝が形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記溝に設けられたパッキン材をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記支持部のうち前記熱交換器と接触する面に設けられたパッキン材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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