説明

空気調和装置の室内ユニット

【課題】エアフィルタに付着した塵埃を塵埃除去ブラシによって除去し、該塵埃除去ブラシに付着した塵埃を除去用ブラシによって除去するように構成された空気調和装置の室内ユニットにおいて、上記塵埃除去ブラシのブラシ部の端部に付着する塵埃を該塵埃除去ブラシからなるべく離間させることのできる構成を得る。
【解決手段】回転ブラシ(51)を、軸線周りに回転可能に構成されたシャフト(51a)と、その外周面の一部に取り付けられるブラシ部(51b)とを備え、該ブラシ部(51b)によって上記エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するように構成する。清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)を、上記回転ブラシ(51)が回転した際に、ブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去するように構成する。上記回転ブラシ(51)のシャフト(51a)を、ブラシ部(51b)における回転方向の両端部の少なくとも一方を覆うように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するように構成された空気調和装置の室内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気の吸込口にエアフィルタを備えた空気調和装置の室内ユニットにおいて、該エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するための塵埃除去ブラシを備えたものが知られている。
【0003】
この種の室内ユニットでは、例えば特許文献1に開示されるように、円盤状に形成されたエアフィルタを回転させて、塵埃除去ブラシと接触させることで、該塵埃除去ブラシのブラシ部でエアフィルタに捕捉された塵埃を除去するように構成されている。また、この特許文献1の構成では、上記塵埃除去ブラシを、該ブラシを挟んで上記エアフィルタとは反対側で該ブラシと接触するように設けられたヘラ部材と接触させつつ、回転させることにより、上記塵埃除去ブラシに付着した塵埃を掻き取るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−38215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例のように、エアフィルタに補足された塵埃を塵埃除去ブラシによって除去した後、該塵埃除去ブラシに付着した塵埃をヘラ部材によって除去する場合、該塵埃除去ブラシにヘラ部材を押し付けても、該塵埃除去ブラシに付着した塵埃を完全に除去するのは難しく、該塵埃除去ブラシに多くの塵埃が残ってしまう可能性がある。すなわち、上記ヘラ部材を塵埃除去ブラシに押し付けてもブラシの毛の間に塵埃が残ってしまい、該ヘラ部材によって塵埃を効率良く除去するのは難しい。
【0006】
これに対して、塵埃除去ブラシの毛の間に付着した塵埃を、除去用ブラシによって除去する構成が考えられる。このように、除去用ブラシを用いることで、塵埃除去ブラシの毛の間に付着した塵埃を掻き取ることが可能になるため、該塵埃除去ブラシに付着した塵埃をより確実に除去することが可能になる。
【0007】
ところが、上述のように、除去用ブラシを用いて塵埃除去ブラシに付着した塵埃を除去する場合でも、該塵埃除去ブラシに付着した塵埃は除去用ブラシによってブラシ部の端部に集められて、該塵埃除去ブラシから脱離することになるため、該塵埃除去ブラシのブラシ部の端部に該塵埃除去ブラシの外周面に沿って塵埃が連なった状態で付着する。このような状態になると、塵埃除去ブラシに塵埃が絡み付いたり、除去した塵埃を貯留や廃棄する際に塵埃除去ブラシから離れにくくなったりするなどの問題が生じる。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアフィルタに付着した塵埃を塵埃除去ブラシによって除去し、該塵埃除去ブラシに付着した塵埃を除去用ブラシによって除去するように構成された空気調和装置の室内ユニットにおいて、上記塵埃除去ブラシのブラシ部の端部に連なる塵埃を該塵埃除去ブラシからなるべく離間させることのできる構成を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気調和装置(1)の室内ユニット(3)では、エアフィルタ(30)及び除去用ブラシ(52b)に接触するように回転可能に構成された塵埃除去ブラシ(51)の柱状の本体部(51a)が、その外周面上に取り付けられたブラシ部(51b)の回転方向の両端部のうち、該塵埃除去ブラシ(51)がエアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を覆うような構成とした。
【0010】
具体的には、第1の発明では、ケーシング(18,101)内に、室内熱交換器(22)と、室内から吸い込んだ空気を該室内側へ吹き出す室内ファン(21)と、該室内ファン(21)の吸込側に設けられるエアフィルタ(30)とを備えた空気調和装置の室内ユニットを対象とする。
【0011】
そして、軸線周りに回転可能に構成された柱状の本体部(51a)と、該本体部(51a)の外周面の一部に取り付けられたブラシ部(51b)とを有し、該ブラシ部(51b)が上記エアフィルタ(30)に接触して該エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するように構成された塵埃除去ブラシ(51)と、上記塵埃除去ブラシ(51)が回転した際に上記ブラシ部(51b)と接触する位置に設けられ、該ブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去するように構成された除去用ブラシと(52b)、を備え、上記塵埃除去ブラシ(51)の本体部(51a)は、上記ブラシ部(51b)における該塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち少なくとも一方を覆うように構成されているものとする。
【0012】
この構成により、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を塵埃除去ブラシ(51)のブラシ部(51b)によって除去することができるとともに、該塵埃除去ブラシ(51)を柱状の本体部(51a)の軸線周りに回転させて上記ブラシ部(51b)を除去用ブラシ(52b)に接触させることで、該ブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去用ブラシ(52b)によって除去することができる。
【0013】
ここで、上述のようにブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去用ブラシ(52b)によって除去する場合、塵埃の種類によってはブラシ部(51b)から容易に脱離せずに、該ブラシ部(51b)の端部に帯状に連なることがある。これに対し、上述のように、上記塵埃除去ブラシ(51)の本体部(51a)を、上記ブラシ部(51b)における該塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち少なくとも一方を覆うように構成することで、該ブラシ部(51b)の端部に付着する塵埃を塵埃除去ブラシ(51)から離間させることができる。すなわち、上記ブラシ部(51b)の端部が露出していると、該端部に対して塵埃が本体部(51a)の外周面に沿うように連なるため、塵埃が該本体部(51a)に絡み付いたり該本体部(51a)から取れにくくなったりするが、上述のような構成にすることで、塵埃が本体部(51a)に絡み付いたり該本体部(51a)から取れにくくなったりするのを防止できる。
【0014】
上述の構成において、特に、上記本体部(51a)は、上記ブラシ部(51b)における上記塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち、該ブラシ部(51b)が上記エアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに上記除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を覆うように構成されているのが好ましい(第2の発明)。
【0015】
ブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去用ブラシ(52b)によって除去して、該塵埃をエアフィルタ(30)とは反対側へ落とす構成の場合、該ブラシ部(51b)の回転方向の両端部のうち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部側から、塵埃を掻き落とすため、該端部に塵埃が帯状に連なりやすい。そのため、当該端部を覆うように上記本体部(51a)を構成すれば、上記第1の発明のような作用をより確実に得ることができる。
【0016】
特に、上記本体部(51a)の外周面上には、上記ブラシ部(51b)における上記塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち、該ブラシ部(51b)が上記エアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに上記除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を覆うような突出部(51d)が設けられているのが好ましい(第3の発明)。
【0017】
こうすることで、ブラシ部(51b)の回転方向の両端部のうち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を、突出部(51d)によって覆うことができ、該端部から延びる帯状の塵埃を塵埃除去ブラシ(51)から離間させることができる。しかも、ブラシ部(51b)の端部を覆うように突出部(51d)を設けることによって、該突出部(51d)が除去用ブラシ(52b)に接触した際に該除去用ブラシ(52b)に付着した塵埃を掻き取ることも可能になる。
【0018】
特に、上記突出部(51d)は、その突出端部分が上記ブラシ部(51b)の毛先よりも本体部(51a)の外方に位置するように形成されているのが好ましい(第4の発明)。これにより、塵埃除去ブラシ(51)の本体部(51a)に形成される突出部(51d)によって、塵埃除去ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部はより確実に覆われて、該端部から延びる帯状の塵埃は、上記突出部(51d)によって塵埃除去ブラシ(51)からより確実に離間した位置に位置付けられる。したがって、上述の構成により、塵埃除去ブラシ(51)に対して塵埃をより確実に離間させることのできる構成を実現できる。
【0019】
また、上記突出部(51d)は、上記ブラシ部(51b)側の側面が突出端に向かうほど該ブラシ部(51b)側に傾斜するように形成されているのが好ましい(第5の発明)。こうすることで、塵埃除去ブラシ(51)の本体部(51a)に形成される突出部(51d)に対して、ブラシ部(51b)の毛の先端側をより密着させることができるため、該ブラシ部(51b)と突出部(51d)との間に隙間が形成されるのを防止することができる。これにより、該ブラシ部(51b)の端部に連なる塵埃は、上記突出部(51d)によって塵埃除去ブラシ(51)の外方側へより確実に延びるように成長する。
【0020】
また、上記塵埃除去ブラシ(51)及び除去用ブラシ(52b)を収納するための塵埃ケース(60)を備えていて、上記塵埃ケース(60)内には、上記除去用ブラシ(52b)を挟んで上記エアフィルタ(30)とは反対側の位置に、上記塵埃除去ブラシ(51)が回転した際に上記突出部(51d)の突出端が描く軌跡に近接する位置まで突出する固定側突出部(52d)が設けられているのが好ましい(第6の発明)。
【0021】
これにより、塵埃除去ブラシ(51)に付着した塵埃を除去用ブラシ(52b)によって除去する場合、該塵埃除去ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部のうち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部に、塵埃が帯状に連なっても、該端部に位置する本体部(51a)の突出部(51d)によって塵埃を塵埃除去ブラシ(51)から離間させつつ、該突出部(51d)と塵埃ケース(60)側に設けられた固定側突出部(52d)との間に塵埃を挟み込むことができる。このように、塵埃を塵埃除去ブラシ(51)側の突出部(51d)と塵埃ケース(60)側の固定側突出部(52d)との間に挟み込むことで、該塵埃を、厚み方向には圧縮しつつ、帯状の塵埃の長手方向に引き延ばすことができる。こうすることで、塵埃の体積が小さくなって、より多くの塵埃を塵埃ケース(60)内に貯留できるようになるとともに、塵埃を上記突出部(51d)と固定側突出部(52d)とにより挟み込まれた部分で容易に引きちぎることも可能になるため、塵埃の搬送も容易になる。
【0022】
また、上記固定側突出部(52d)は、上記本体部(51a)の軸線方向から視て、除去用ブラシ(52b)側の付け根部分が、該固定側突出部(52d)の突出端よりも除去用ブラシ(52b)に近い位置に位置するように形成されているのが好ましい(第7の発明)。
【0023】
こうすることで、塵埃除去ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部のうち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部に連なる塵埃が、該塵埃除去ブラシ(51)の回転とともに移動する際に、塵埃ケース(60)内の固定側突出部(52d)によって動きを大きく阻害されるのを防止できる。ここで、固定側突出部(52d)を、本体部(51a)の軸線方向から視て、該固定側突出部(52d)の突出端が除去用ブラシ(52b)側の付け根部分よりも該除去用ブラシ(52b)に近い位置に位置するように形成する場合には、該固定側突出部(52d)に塵埃が引っ掛かって、該固定側突出部(52d)の除去用ブラシ(52b)側に塵埃が溜まることになる。これに対して、上述の構成のように、固定側突出部(52d)を、該固定側突出部(52d)の除去用ブラシ(52b)側の付け根部分が突出端よりも該除去用ブラシ(52b)に近い位置に位置するように形成することで、固定側突出部(52d)の除去用ブラシ(52b)側に塵埃が溜まることなく、該固定側突出部(52d)と塵埃除去ブラシ(51)の突出部(51d)との間を塵埃が通過するようになる。
【0024】
しかも、上述のような構成にすることで、上記塵埃除去ブラシ(51)の横断面が円形の場合、その接線に平行な線よりも固定側突出部(52d)の除去用ブラシ(52b)側の付け根部分は径方向外方に位置することになるため、該付け根部分の周辺に空間が形成される。上記塵埃除去ブラシ(51)のブラシ部(52b)に付着した塵埃は、該塵埃除去ブラシ(51)の回転によって、上記空間内で丸められて成長した後、上記固定側突出部(52d)と突出部(51d)との間に挟み込まれるため、塵埃を或る程度の固まりとして塵埃ケース(60)内に貯留することができる。
【0025】
また、上記固定側突出部(52d)は、上記本体部(51a)の軸線方向から視て、除去用ブラシ(52b)とは反対側の付け根部分が、該固定側突出部(52d)の突出端よりも除去用ブラシ(52b)から遠い位置に位置するように形成されているのが好ましい(第8の発明)。
【0026】
これにより、塵埃除去ブラシ(51)が回転して除去用ブラシ(52b)との接触位置からエアフィルタ(30)との接触位置まで戻る際に、該塵埃除去ブラシ(51)の突出部(51d)が塵埃ケース(60)側の固定側突出部(52d)と接触した場合でも、該突出部(51d)が固定側突出部(52d)に引っ掛かることなく乗り越えることができる。したがって、上述の構成により、上記塵埃除去ブラシ(51)の回転が妨げられるのを防止できる。
【0027】
また、上記塵埃ケース(60)には、上記塵埃除去ブラシ(51)が位置付けられる開口部(63)が形成されているとともに、上記除去用ブラシ(52b)が表面上に取り付けられており且つ該除去用ブラシ(52b)を上記塵埃除去ブラシ(51)に対して付勢するように上記開口部(63)内で弾性支持される支持部(52a)が設けられていて、上記固定側突出部(52d)は、上記支持部(52a)の除去用ブラシ(52b)と同じ側に形成されているのが好ましい(第9の発明)。
【0028】
このように、塵埃ケース(60)の開口部(63)内に弾性支持される支持部(52a)上に除去用ブラシ(52b)を配置し、該除去用ブラシ(52b)を塵埃除去ブラシ(51)に対して付勢することで、該塵埃除去ブラシ(51)を除去用ブラシ(52b)に対してより確実に接触させることができ、該除去用ブラシ(52b)によって塵埃除去ブラシ(51)に付着した塵埃をより確実に除去することができる。しかも、上記支持部(52a)上に、上記固定側突出部(52d)を設けることで、該固定側突出部(52d)に塵埃除去ブラシ(51)の突出部(51d)が衝突した場合でも、該固定側突出部(52d)の設けられた支持部(52a)が変位して、該突出部(51d)が固定側突出部(52d)と干渉して損傷を受けたり、上記塵埃除去ブラシ(51)の回転が阻害されたりするのを防止できる。
【0029】
また、上記塵埃ケース(60)内の塵埃を捕集するための塵埃捕集部(90)と、上記塵埃ケース(60)内に気体を流して該塵埃ケース(60)内の塵埃を上記塵埃捕集部(90)へ搬送するように構成された塵埃搬送機構(80)とを備えているのが好ましい(第10の発明)。これにより、エアフィルタ(30)から除去した塵埃を塵埃捕集部(90)に捕集することができ、室内ユニット(3)から塵埃を回収する頻度を低減することができる。そして、上述のように上記塵埃捕集部(90)に塵埃を搬送する塵埃搬送機構(80)を備えた構成において、上記第6の発明のような構成を適用することで、帯状の塵埃を引きちぎることが可能になり、空気の流れによって塵埃を効率良く搬送することが可能となる。
【0030】
上述のように気体の流れを用いて塵埃を搬送する構成において、特に、上記塵埃ケース(60)には、上記塵埃除去ブラシ(51)を挟んで上記除去用ブラシ(52b)とは反対側に、該塵埃ケース(60)と塵埃除去ブラシ(51)との隙間をシールするためのシール部材(45)が設けられているのが好ましい(第11の発明)。
【0031】
こうすることで、気体が塵埃ケース(60)と塵埃除去ブラシ(51)との隙間を流れて、該塵埃ケース(60)の開口部(63)から塵埃が飛散するのを防止できる。なお、上記塵埃除去ブラシ(51)を挟んで除去用ブラシ(52b)と反対側とは、該塵埃除去ブラシ(51)の断面において、中心線を挟んで除去用ブラシ(52b)の位置していない側を意味する。
【0032】
また、上記塵埃除去ブラシ(51)及び上記除去用ブラシ(52b)は、それぞれ、互いに接触している状態でブラシの毛が塵埃ケース(60)の内方へ向かって延びるように構成されているのが好ましい(第12の発明)。
【0033】
これにより、上記塵埃除去ブラシ(51)に付着した塵埃は、除去用ブラシ(52b)によって除去される際に、塵埃ケース(60)の内方に落とされることになるため、該塵埃ケース(60)内に塵埃を効率良く集めることができる。
【0034】
さらに、上述のようにブラシの毛が配置されている構成において、上記塵埃除去ブラシ(51)は、上記ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)と接触する位置から除去用ブラシ(52b)と接触する位置へ回転した後、該エアフィルタ(30)と接触する位置へ戻る際に、上記ブラシ部(51b)に付着した塵埃を上記除去用ブラシ(52b)に付着させるとともに、再度、上記ブラシ部(51b)が除去用ブラシ(52b)と接触する位置へ回転した際に、該除去用ブラシ(52b)に付着した塵埃を掻き落とすように構成されているのが好ましい(第13の発明)。
【0035】
このように、塵埃除去ブラシ(51)の回転によって、該塵埃除去ブラシ(51)に付着した塵埃を除去用ブラシ(52b)に付着させるとともに、該除去用ブラシ(52b)に付着した塵埃を塵埃除去ブラシ(51)によって掻き落とす構成では、該塵埃除去ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部のち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部に、塵埃が帯状に連なる。このような構成において、上記第1から第11の発明の構成を適用することで、該第1から第11の発明と同様の作用を確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、本発明に係る空気調和装置(1)の室内ユニット(3)によれば、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する塵埃除去ブラシ(51)は、本体部(51a)が、ブラシ部(51b)における該塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち少なくとも一方を覆うように構成されているため、該端部に連なる帯状の塵埃を塵埃除去ブラシ(51)から離間させることができる。これにより、塵埃が塵埃除去ブラシ(51)に絡み付いたり、塵埃を回収する際や搬送する際に該塵埃が塵埃除去ブラシ(51)から離れなくなったりするのを防止できる。特に、第2の発明によれば、塵埃をエアフィルタ(30)とは反対側に落とす構成の場合には、上記本体部(51a)を、上記ブラシ部(51)端部のうち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を覆うように構成することで、より確実に塵埃を塵埃除去ブラシ(51)から離間させることができる。
【0037】
また、第3の発明によれば、上記本体部(51a)の外周面上に、上記ブラシ部(51b)の端部を覆うような突出部(51d)を設けたため、塵埃を塵埃除去ブラシ(51)からより確実に離間させることができるとともに、該突出部(51d)によって除去用ブラシ(52b)に付着した塵埃を掻き取ることも可能になる。
【0038】
また、第4の発明によれば、上記突出部(51d)は、その突出端部分が上記ブラシ部(51b)の毛先よりも本体部(51a)の外方に位置しているため、塵埃を塵埃除去ブラシ(51)からさらに確実に離間させることができるとともに、該突出部(51d)によって除去用ブラシ(52b)に付着した塵埃をより確実に掻き取ることができる。
【0039】
また、第5の発明によれば、上記突出部(51d)は、ブラシ部(51b)側の側面が突出端に向かうほど該ブラシ部(51b)側に傾斜しているため、該ブラシ部(51b)の端部の毛先側を突出部(51d)に対してより確実に密着させることができ、該突出部(51d)とブラシ部(51b)との間に塵埃が溜まるのをより確実に防止できる。よって、この構成により、塵埃を塵埃除去ブラシ(51)からより確実に離間させることができる。
【0040】
また、第6の発明によれば、塵埃ケース(60)における除去用ブラシ(52b)を挟んでエアフィルタ(30)とは反対側の位置に、塵埃除去ブラシ(51)が回転した際に上記突出部(51d)の突出端が描く軌跡に近接するように突出する固定側突出部(52d)を設けたため、該突出部(51d)と固定側突出部(52d)との間に塵埃を挟み込んで、厚み方向に圧縮しつつ長手方向に引き延ばすことができる。よって、塵埃を効率良く貯留できるとともに、塵埃を気体の流れによって搬送する場合には塵埃を容易に搬送することができる。
【0041】
また、第7の発明によれば、上記固定側突出部(52d)は、除去用ブラシ(52b)側の付け根部分が突出端よりも除去用ブラシ(52b)に近い位置に位置しているため、該固定側突出部(52d)に塵埃が引っ掛かって、該固定側突出部(52d)の除去用ブラシ(52b)側の空間に塵埃が溜まるのを防止できる。
【0042】
また、第8の発明によれば、上記固定側突出部(52d)は、除去用ブラシ(52b)とは反対側の付け根部分が突出端よりも除去用ブラシ(52b)から遠い位置に位置しているため、塵埃除去ブラシ(51)がエアフィルタ(30)との接触位置へ戻るように回転する際に、該塵埃除去ブラシ(51)の突出部(51d)が上記固定側突出部(52d)と干渉して該塵埃除去ブラシ(51)の回転が阻害されるのを防止できる。
【0043】
また、第9の発明によれば、上記除去用ブラシ(52b)は、塵埃ケース(60)の開口部(63)内に弾性支持される支持部(52a)上に取り付けられ、該支持部(52a)上の同じ側には、上記固定側突出部(52d)も設けられているため、除去用ブラシ(52b)を塵埃除去ブラシ(51)に対してより確実に押し付けることができるとともに、該塵埃除去ブラシ(51)の突出部(51d)が支持部(52a)上の固定側突出部(52d)と接触した場合でも、該塵埃除去ブラシ(51)の回転が阻害されるのを防止できる。
【0044】
また、第10の発明によれば、上記塵埃ケース(60)内の塵埃を気体の流れによって塵埃捕集部(90)へ搬送する構成において、上記第6の発明のような構成を適用することで、帯状の塵埃を引きちぎることが可能となり、塵埃を効率良く搬送することができる。特に、第11の発明によれば、上記塵埃ケース(60)に、塵埃除去ブラシ(51)を挟んで除去用ブラシ(52b)とは反対側に、該塵埃除去ブラシ(51)との隙間をシールするためのシール部材(45)を設けたため、該塵埃除去ブラシ(51)と塵埃ケース(60)との隙間から気体が漏れて塵埃が飛散するのを防止できる。
【0045】
また、第12の発明によれば、上記塵埃除去ブラシ(51)及び除去用ブラシ(52b)は、それぞれ、互いに接触しているときにブラシの毛が塵埃ケース(60)の内方へ向かって延びるように構成されているため、該塵埃ケース(60)内に塵埃を効率良く集めることができる。特に、第13の発明によれば、上記塵埃除去ブラシ(51)の回転によって、該塵埃除去ブラシ(51)に付着した塵埃を除去用ブラシ(52b)に付着させた後、該塵埃除去ブラシ(51)によって除去用ブラシ(52b)から塵埃を掻き落とす構成において、上記第1から第11の発明の構成を適用することで、第1から第11の発明と同様の効果を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る室内ユニットを備えた空気調和装置の構成を示す配管系統図である。
【図2】図2は、室内ユニット内の構成を示す縦断面図である。
【図3】図3は、室内ユニットを室内側から視た図である。
【図4】図4は、図2におけるIV-IV線断面図である。
【図5】図5は、仕切板の通気孔、エアフィルタ及び塵埃貯留容器の構成を示す斜視図である。
【図6】図6は、エアフィルタの取付構造を示す断面図である。
【図7】図7は、フィルタ駆動部の構成を示す斜視図である。
【図8】図8は、塵埃除去機構及び塵埃貯留容器を上方から見た斜視図である。
【図9】図9は、塵埃貯留容器を下方から見た斜視図である。
【図10】図10は、図8におけるX-X線断面図である。
【図11】図11は、導入用ダクトの拡大断面図である。
【図12】図12は、塵埃搬送機構のダンパの動作を示す断面図である。
【図13】図13は、エアフィルタと塵埃除去機構との関係を概略的に示す図であり、(A)は通常運転時の状態を、(B)及び(C)はフィルタ清掃運転時の状態をそれぞれ示す。
【図14】図14は、図8におけるXIV-XIV線断面において、塵埃除去動作時の塵埃除去機構の動作を示す図である。
【図15】図15は、ブラシ清掃動作時の塵埃除去機構の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0048】
本実施形態は、本発明に係る室内ユニット(3)を備えた空気調和装置(1)に関する。この空気調和装置(1)では、室内ユニット(3)が室内空間の天井に設置される。なお、以下では、まず本実施形態に係る空気調和装置(1)の構成について説明し、次に室内ユニット(3)の構成について説明する。
【0049】
〈全体構成〉
図1に示すように、上記空気調和装置(1)は、室外ユニット(2)と室内ユニット(3)とを備えている。室外ユニット(2)には、圧縮機(4)、室外熱交換器(5)、膨張弁(6)、四路切換弁(7)及び室外ファン(8)が設けられている。室内ユニット(3)には、室内熱交換器(22)及び室内ファン(21)が設けられている。
【0050】
上記室外ユニット(2)において、圧縮機(4)の吐出側は、四路切換弁(7)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(4)の吸入側は、四路切換弁(7)の第3ポート(P3)に接続されている。
【0051】
上記室外熱交換器(5)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。室外熱交換器(5)の一端は、四路切換弁(7)の第4ポート(P4)に接続されている。室外熱交換器(5)の他端は、液側閉鎖弁(9a)に接続されている。
【0052】
上記室外ファン(8)は、室外熱交換器(5)の近傍に設けられている。この室外熱交換器(5)では、室外ファン(8)によって送られる室外空気と該熱交換器(5)内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(5)と液側閉鎖弁(9a)との間には、開度可変の膨張弁(6)が設けられている。また、四路切換弁(7)の第2ポート(P2)はガス側閉鎖弁(9b)に接続されている。
【0053】
上記四路切換弁(7)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが互いに連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが互いに連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え可能になっている。
【0054】
この空気調和装置(1)では、四路切換弁(7)が第1状態の場合、暖房運転が行われ、四路切換弁(7)が第2状態の場合、冷房運転が行われる。暖房運転では、図1に示す冷媒回路において、室外熱交換器(5)が蒸発器として機能し且つ室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。一方、冷房運転では、図1に示す冷媒回路において、室外熱交換器(5)が凝縮器として機能し且つ室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
【0055】
〈室内ユニットの構成〉
以下で、上記室内ユニット(3)の構成を図2及び図3に基づいて詳しく説明する。
【0056】
図2に示すように、上記室内ユニット(3)は、上記室内ファン(21)や室内熱交換器(22)を備えた本体ユニット(10)と、該本体ユニット(10)の室内側に配置された掃除ユニット(100)と、該掃除ユニット(100)の室内側を覆う化粧パネル(11)とを備えている。すなわち、上記室内ユニット(3)は、上記図2に示すように、上から順に、上記本体ユニット(10)、掃除ユニット(100)及び化粧パネル(11)が積層されてなる。
【0057】
上記本体ユニット(10)は、室内に向かって開口するように設置される箱状の本体ケーシング(18)を備えていて、この本体ケーシング(18)内には、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)及びベルマウス(24)が配設されている。
【0058】
上記本体ケーシング(18)の内面には、断熱材(17)が積層されている。また、上記本体ケーシング(18)は、後述のとおり、その開口側が室内側に位置付けられるように、天井裏の天井面から吊り支持されている。
【0059】
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。上記図2に示すように、室内ファン(21)は、本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)の中央付近に配置され、化粧パネル(11)の吸込口(13)の上側に位置している。上記室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、本体ケーシング(18)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。
【0060】
上記室内ファン(21)の下側には、上記吸込口(13)に連通するようにベルマウス(24)が設けられている。このベルマウス(24)は、上記図2に示すように、室内ユニット(3)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側と吸込グリル(12)側とに区画している。上記ベルマウス(24)を設けることによって、上記室内ファン(21)により該ベルマウス(24)の下方から吸い込まれた空気は、該ベルマウス(24)の上方で周方向に吹き出される。
【0061】
また、上記ベルマウス(24)及びドレンパン(23)によって構成される本体仕切板には、直方体状の本体ケーシング(18)の4隅のうち一つの隅部に対応する位置に、開口(図示省略)が形成されている。この開口が、後述する導入用ダクト(86)の導入口(86d)を構成する(図11参照)。
【0062】
なお、上記開口は、掃除ユニット(100)のない室内ユニット(3)の場合(本体ユニット(10)のみ)には、室内ファン(21)の吹出空気が漏れないように、下側から閉鎖カバーによって塞がれている(図示省略)。
【0063】
上記室内熱交換器(22)は、平面視でロ字状に形成され、上記本体ケーシング(18)内に上記室内ファン(21)を囲むように配置されている。この室内熱交換器(22)では、上記室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹出空気)と該熱交換器(22)内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
【0064】
上記ドレンパン(23)は、上記室内熱交換器(22)の下側に設けられている。このドレンパン(23)は、上記室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。上記ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。また、上記ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がつけられている。
【0065】
上記掃除ユニット(100)は、平面視で略矩形状のチャンバケーシング(101)内に、円形状のエアフィルタ(30)、塵埃除去機構(50)、塵埃搬送機構(80)、塵埃捕集箱(90)(塵埃捕集部)等が配設されたものである。すなわち、上記掃除ユニット(100)は、詳しくは後述するように、室内ファン(21)の吸込側に位置するエアフィルタ(30)に付着した塵埃を塵埃除去機構(50)によって除去するとともに、除去した塵埃を塵埃搬送機構(80)によって塵埃捕集箱(90)内に搬送し、該塵埃捕集箱(90)内に貯留するように構成されている。
【0066】
上記チャンバケーシング(101)は、上記本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)と同じ大きさに形成されていて、上記図2に示すように、該本体ケーシング(18)との間にシール部材(102)を挟んだ状態で該本体ケーシング(18)の室内側に配置されている。また、上記チャンバケーシング(101)の室内側には、シール部材(103)を挟んで化粧パネル(11)が取り付けられている。
【0067】
また、上記チャンバケーシング(101)には、各辺に沿うように空気通路(101a)が4つ形成されている。各空気通路(101a)は、上記本体ユニット(10)において、室内熱交換器(22)の外方に形成される本体ケーシング(18)内の空間に連通するように設けられていて、該室内熱交換器(22)で冷媒と熱交換をした後の空気が室内側に向かって流れるように構成されている。すなわち、上記チャンバケーシング(101)の空気通路(101a)内を流れた空気は、上記化粧パネル(11)に形成された吹出口(14)から室内空間へ供給される。なお、上記図2に示すように、上記チャンバケーシング(101)において上記空気通路(101a)の内側を形成する部分は、シール部材(104)を介して上記本体ユニット(10)のドレンパン(23)を下方から支持している。
【0068】
上記化粧パネル(11)は、図3に示すように、平面視で矩形の板状に形成されている。また、上記図2に示すように、上記化粧パネル(11)は、その平面視形状が、本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)や掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)の平面視形状よりも一回り大きくなるように形成されている。上述のとおり、上記化粧パネル(11)は、シール部材(103)を間に挟んだ状態でチャンバケーシング(101)の下側を覆うように取り付けられ、これにより、該化粧パネル(11)は、上記図3に示す状態で室内側に露出することになる。
【0069】
また、上記化粧パネル(11)には、上記図3に示すように、1つの吸込口(13)と4つの吹出口(14,14,…)とが形成されている。上記吸込口(13)は、化粧パネル(11)の中央部に略矩形状に形成されていて、スリット部(12a)を有する吸込グリル(12)が嵌め込まれている。上記各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されていて、上記掃除ユニット(100)の空気通路(101a,101a,…)に対応して上記化粧パネル(11)の各辺に沿うように設けられている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている(図2及び図3参照)。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するように構成されている。
【0070】
上記吸込グリル(12)は、その中央部分にスリット状の複数の開口が形成されたスリット部(12a)を有するカバー部材であり、上記化粧パネル(11)の吸込口(13)を覆うように取り付けられている。また、この吸込グリル(12)には、掃除機のノズルを挿入するためのノズル挿入部(110)が設けられている。このノズル挿入部(110)は、上記掃除ユニット(100)の塵埃捕集箱(90)内に貯留された塵埃を掃除機によって回収できるように、該掃除機のノズルを挿入可能に構成されている。
【0071】
さらに、上記化粧パネル(11)には、後述するように、上記掃除ユニット(100)の塵埃捕集箱(90)内に所定量以上の塵埃が貯留された場合や、塵埃除去機構(50)によってエアフィルタ(30)に付着した塵埃を除去している場合などに点灯するLED(16)が設けられている。
【0072】
〈掃除ユニットの構成〉
次に、上記掃除ユニット(100)内の構成について主に図4〜図12に基づいて詳しく説明する。
【0073】
上述のとおり、上記掃除ユニット(100)は、平面視で略矩形状のチャンバケーシング(101)内に、エアフィルタ(30)、塵埃除去機構(50)、塵埃搬送機構(80)及び塵埃捕集箱(90)などが配置されてなるもので、上記本体ユニット(10)の室内ファン(21)の吸込口の下方に位置する上記エアフィルタ(30)を清掃するためのユニットである。
【0074】
また、上記掃除ユニット(100)には、上記ベルマウス(24)の下方を覆うように仕切板(25)が設けられている。この仕切板(25)は、例えば図2に示すように、上記ベルマウス(24)と上記吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、上記仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。
【0075】
上記仕切板(25)の中央には、図2や図5に示すように、吸込口(13)から吸い込まれた空気がベルマウス(24)へ流入するための通気孔(26)が形成されていて、この通気孔(26)を下方から覆うように、エアフィルタ(30)が配置されている。すなわち、上記仕切板(25)は、掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)の側壁内面と、上記エアフィルタ(30)との間を塞ぐように設けられていて、これにより、上記吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)を必ず通過するようになっている。したがって、上記仕切板(25)を設けることによって、その上流側の空気中に含まれる塵埃が、エアフィルタ(30)に捕捉されることなく該仕切板(25)の下流側に流れ込むのを防止することができる。
【0076】
図5に示すように、上記仕切板(25)に設けられた通気孔(26)は、径方向に延びる4つの径方向梁部(27)によって内部を扇形に仕切られている。各径方向梁部(27)は、互いに上記通気孔(26)の円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸(28)が下方に突出形成されている。このフィルタ回転軸(28)は、上記エアフィルタ(30)が回転するための回転軸である。また、上記径方向梁部(27)のうちの一つには、上記エアフィルタ(30)を塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)に対して上から押さえつけるためのフィルタ押さえ(29)が2つ設けられている。
【0077】
上記図5に示すように、上記エアフィルタ(30)は、仕切板(25)の通気孔(26)の下方に配置され、上記ベルマウス(24)及び通気孔(26)よりも大径の円板状に形成されている。具体的には、上記エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。このフィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が設けられている一方、フィルタ本体(31)の中心部には、径方向に放射状に延びる6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びて上記フィルタ本体(31)に接続している。また、上記フィルタ本体(31)の内側には、該フィルタ本体(31)と同心に配置された環状の内側周方向リブ(35)及び外側周方向リブ(36)が設けられている。この外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。ここで、図6に示すように、上記軸挿通部(33)は、その内径が上記仕切板(25)に形成されたフィルタ回転軸(28)や、後述する止めネジ(28a)の頭部よりも大径に形成されている。
【0078】
上記メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内側全体に張られている。吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃が上記メッシュ部材(37)に捕捉される。
【0079】
また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が環状の各周方向リブ(35,36)の上面に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、この構成により、塵埃除去機構(50)による塵埃の除去効率の向上を図ることができる。
【0080】
図5及び図6に示すように、上記エアフィルタ(30)は、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に対して回転可能に嵌め込まれる。上記エアフィルタ(30)の下方には、塵埃除去機構(50)の塵埃貯留容器(60)が配置されており、該エアフィルタ(30)がフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれた状態で、後述する上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)と仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)とが止めネジ(28a)によって固定されている。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が挟み込まれた状態で保持される。
【0081】
上記エアフィルタ(30)の近傍には、図4及び図7に示すように、該エアフィルタ(30)を回転駆動するためのフィルタ駆動部(40)が設けられている。このフィルタ駆動部(40)は、上記図7に示すように、フィルタ駆動モータ(41)及びリミットスイッチ(44)を備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がエアフィルタ(30)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面(図の例では下面)には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に当接することで該レバー(44a)を動かすようになっている。このレバー(44a)が動作すると、それをリミットスイッチ(44)が検知するように構成されている。つまり、上記スイッチ作動部(43)及びリミットスイッチ(44)は、上記駆動ギア(42)の回転を検出するように構成されていて、これにより、該駆動ギア(42)の回転数に応じて上記塵埃除去機構(50)を動作させる時期を検出したり、該駆動ギア(42)が回転していない場合の異常検知を行ったりすることが可能となる。
【0082】
次に、上記掃除ユニット(100)内に設けられた、上記塵埃除去機構(50)、貯留量検出機構(70)、塵埃搬送機構(80)及び塵埃捕集箱(90)について、図8〜図12を参照しながら説明する。
【0083】
上記塵埃除去機構(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものである。この塵埃除去機構(50)は、例えば図8及び図10に示すように、ブラシ部材である回転ブラシ(51)(塵埃除去ブラシ)及び清掃用ブラシ(52)と、ブラシ駆動部(53)と、除去した塵埃を集めておくための塵埃貯留容器(60)(塵埃ケース)とを備えている。上記図10に示すように、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)は、塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)に配置されている。
【0084】
上記回転ブラシ(51)は、詳しくは後述するように、細長い略円筒状のシャフト(51a)(本体部)上に設けられたブラシ部(51b)によって、エアフィルタ(30)に捕捉されている塵埃を除去するためのものである。また、上記回転ブラシ(51)は、後述するように、上記ブラシ駆動部(53)によって可逆に回転駆動される。該ブラシ駆動部(53)は、図8及び図9に示すように、ブラシ駆動モータ(54)と、互いに噛み合う駆動ギア(55)及び従動ギア(56)とを備えている。駆動ギア(55)はブラシ駆動モータ(54)の駆動軸に接続され、従動ギア(56)は回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の端部に接続されている。この構成により、上記ブラシ駆動モータ(54)の回転が駆動ギア(55)及び従動ギア(56)を介して回転ブラシ(51)に伝達され、該回転ブラシ(51)が回転駆動される。
【0085】
上記清掃用ブラシ(52)は、図10に示すように、回転ブラシ(51)の一側に、該回転ブラシ(51)と接触可能に配置されている。上記清掃用ブラシ(52)は、板状の本体部(52a)(支持部)と、該本体部(52a)の表面上に配設されたブラシ部(52b)(除去用ブラシ)と、該本体部(52a)を上記塵埃貯留容器(60)に対して弾性支持するバネ部(52c)とを備えている。上記清掃用ブラシ(52)は、詳しくは後述するが、上記回転ブラシ(51)が回転すると、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)が清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に接触して、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去するように構成されている。
【0086】
上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)は、それぞれ、円形状のエアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さになるように形成されていて、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。すなわち、図4に示すように、上記塵埃除去機構(50)は、上記エアフィルタ(30)の径方向に延びるように配置されている。
【0087】
以上の構成より、上記回転ブラシ(51)がブラシ駆動部(53)によって回転すると、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)は、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)と接触し、該清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)から塵埃が除去される。つまり、上記清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)から塵埃を除去して該回転ブラシ(51)を清掃するためのものであり、上記ブラシ駆動部(53)は、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉された塵埃を上記清掃用ブラシ(52)にこすり付けるように該回転ブラシ(51)を回転させるためのものである。
【0088】
なお、これらの回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)の詳細な構成については、後で詳しく説明する。
【0089】
上記塵埃貯留容器(60)は、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃を集めて一時的に貯留するためのものである。この塵埃貯留容器(60)は、図10に示すように、側面視(図8において右側から視た場合)で上側部分が下側部分に対して側方に膨出した、やや逆くの字に屈曲している柱状の容器である。上記塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃を除去するための回転ブラシ(51)等が配設される除去部(61)であり、下側部分が該回転ブラシ(51)によってエアフィルタ(30)から除去された塵埃を貯留するための貯留部(62)となっている。
【0090】
具体的には、上記除去部(61)の上面には、その長手方向に延びるようにブラシ用開口(63)(開口部)が形成されていて、上述したようにそのブラシ用開口(63)内に塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)が配置されている。
【0091】
また、上記除去部(61)には、上記ブラシ用開口(63)の回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)との隙間を塞ぐように、第1シール部材(45)(シール部材)及び第2シール部材(46)が設けられている。第1シール部材(45)は、除去部(61)と貯留部(62)との間、すなわち上記回転ブラシ(51)を挟んで清掃用ブラシ(52)とは反対側の塵埃貯留容器(60)の内壁面に設けられている。この第1シール部材(45)は、断面略コの字状に形成されていて且つ上記塵埃貯留容器(60)の内面に形成された溝部に一部が挿入される取付部(45b)と、該取付部(45b)から上記回転ブラシ(51)に向かって延びるシール部(45a)とを備えている。第2シール部材(46)は、上記塵埃貯留容器(60)の清掃用ブラシ(52)を挟んで回転ブラシ(51)とは反対側に設けられている。この第2シール部材(46)も、断面略コの字状に形成されていて且つ上記塵埃貯留容器(60)の内面に突出する壁部に係合する取付部(46b)と、該取付部(46b)から上記清掃用ブラシ(52)側へ延びるシール部(46a)とを備えている。
【0092】
上述のように、上記塵埃貯留容器(60)内に第1及び第2シール部材(45,46)を設けることで、該塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)の隙間から、該塵埃貯留容器(60)内の塵埃が外部へ飛散するのを防止できる。
【0093】
また、例えば図8に示すように、上記除去部(61)の一側面に上述したフィルタ取付部(68)が設けられている。このフィルタ取付部(68)は、上記貯留部(62)よりも側方に膨出した除去部(61)の膨出方向に開口するように、平面視で略U字状に突出形成されたものである。また、上記フィルタ取付部(68)は、図6に示すように、その略U字状の内側の幅寸法が、仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に螺合する止めネジ(28a)のネジ部の直径よりも大きく、該フィルタ回転軸(28)の直径よりも小さくなるように形成されている。
【0094】
これにより、上記図6に示すように、上記フィルタ取付部(68)と仕切板(25)の径方向梁部(27)との間にエアフィルタ(30)を挟み込んだ状態で、上記止めネジ(28a)をフィルタ回転軸(28)に螺合させることで、該エアフィルタ(30)をフィルタ取付部(68)及び仕切板(25)に対して固定することができる。そして、上記エアフィルタ(30)を取り外す際には、上記止めネジ(28a)を緩めて、上記フィルタ取付部(68)の形成された塵埃貯留容器(60)を上記除去部(61)の膨出方向とは反対側(フィルタ取付部(68)の開口方向とは反対側)に回動させることで、上記フィルタ回転軸(28)に止めネジ(28a)が螺合した状態でエアフィルタ(30)の下側の押さえである上記フィルタ取付部(68)のみを該エアフィルタ(30)の軸挿通部(33)の下方から移動させることができる。そして、上述のとおり、上記エアフィルタ(30)の軸挿通部(33)は、その内径が上記仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)や止めネジ(28a)よりも大径に形成されているため、該エアフィルタ(30)を下方から取り外すことができる。
【0095】
以上のようなエアフィルタ(30)の取り付け構造にすることで、上記止めネジ(28a)を外すことなく、容易にエアフィルタ(30)を取り外すことができる。
【0096】
上記貯留部(62)は、例えば図8及び図10に示すように、断面視で下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が落下して貯留される。また、上記貯留部(62)は、筒状に形成されていて、その長手方向の両端部(66,67)が開口している。この貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送機構(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送機構(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
【0097】
また、上記図10に示すように、上記塵埃貯留容器(60)には、貯留部(62)に貯留された塵埃量を検出するための貯留量検出機構(70)が設けられている。この貯留量検出機構(70)は、センサボックス(71)内に収納された発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)を備えている。上記センサボックス(71)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の第2端部(67)寄りに、該貯留部(62)の横断方向に延び且つその底部を覆うように設けられている(図5、図8、図9参照)。上記発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)は、上記センサボックス(71)内に、上記貯留部(62)をその横断方向に挟んで対向配置されている。一方、上記貯留部(62)の壁面には、上記発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)にそれぞれ対応して、第1透明窓(64)及び第2透明窓(65)が設けられている。
【0098】
以上の構成により、上記貯留量検出機構(70)において、発光LED(72)で生じた光は、第1透明窓(64)及び第2透明窓(65)を順に透過した後、フォトトランジスタ(73)によって光度が検出される。このフォトトランジスタ(73)によって検出された光度に応じて、貯留部(62)における塵埃の貯留量(すなわち、充填度)を検出することができる。すなわち、塵埃の貯留量が少ないと、上記貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率が高くなり、上記フォトトランジスタ(73)によって検出される光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、上記貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率が低くなり、上記フォトトランジスタ(73)によって検出される光度が低くなる。したがって、この貯留量検出機構(70)によれば、例えば、光度が所定値以下になると、貯留部(62)の貯留量が多いと判断することができる。これにより、後述する塵埃搬送機構(80)によって貯留部(62)内の塵埃を搬送する塵埃搬送動作を行った後でも、上記貯留量検出機構(70)によって上記貯留部(62)内の塵埃の貯留量が多いと検出された場合には、塵埃の搬送先である塵埃捕集箱(90)内が満杯であると判断することが可能になる。
【0099】
また、上述のように、上記貯留用検出機構(70)を、搬送用ダクト(88)に繋がる上記貯留部(62)の第2端部(67)寄りに設けることで、塵埃が該搬送用ダクト(88)内を搬送されて塵埃捕集箱(90)内に集められる際に、該第2端部(67)で塵埃が詰まったりした場合でも、その状態を検出することが可能になる。すなわち、本実施形態のような構成では、上記搬送用ダクト(88)との接続部分である上記貯留部(62)の第2端部(67)周辺で最も塵埃が詰まり易くなるが、この部分に上記貯留量検出機構(70)を設けることにより、塵埃の詰まりをより確実に検出することが可能になる。
【0100】
上記塵埃搬送機構(80)は、例えば、図4、図5、図8、図11及び図12に示すように、上述したダンパボックス(81)及び搬送用ダクト(88)と、導入用ダクト(86)と、吸引用ダクト(87)とを備えている。
【0101】
上記ダンパボックス(81)は、直方体状に形成されていて、その長手方向の一端側が上記貯留部(62)の第1端部(66)に接続されている。図11及び図12に示すように、上記ダンパボックス(81)内には、開閉部材であるダンパ(82)が設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間は、上記ダンパ(82)によって、他端側の第1室(81a)と一端側である塵埃貯留容器(60)側の第2室(81b)とに区画される。上記ダンパボックス(81)の一端側に区画形成される上記第2室(81b)には、上述したように、貯留部(62)の第1端部(66)が接続されていて、該第2室(81b)と貯留部(62)とが連通している。
【0102】
図9や図12に示すように、上記塵埃搬送機構(80)は、ダンパ(82)を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ(83)と駆動ギア(84)と従動ギア(85)とを備えている。この駆動ギア(84)はダンパ駆動モータ(83)の駆動軸に接続されていて、上記従動ギア(85)は、ダンパ(82)の回動軸に接続されている。そして、これらの駆動ギア(84)及び従動ギア(85)は、互いに噛み合うように配置されている。この構成により、上記ダンパ駆動モータ(83)の回転は、各ギア(84,85)を介してダンパ(82)の回動軸に伝達される。これにより、上記ダンパ駆動モータ(83)の回転によって上記ダンパ(82)が回動軸を中心に回動する、開閉動作が行われる。
【0103】
図11に示すように、上記導入用ダクト(86)は、その一端側が上記ダンパボックス(81)の上面に接続されていて、該ダストボックス(81)内の第1室(81a)に連通している。一方、上記導入用ダクト(86)の他端側は、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びて、掃除ユニット(100)と本体ユニット(10)との間に設けられた仕切板(25)を貫通し、該本体ユニット(10)のドレンパン(23)の延出部に接続されている。上記導入用ダクト(86)は、円形状の横断面を有する上流側ダクト(86a)及び下流側ダクト(86b)を備えていて、これらの2つの部材(86a,86b)が止めネジ(86c)によって上下方向に連結されている。
【0104】
上記上流側ダクト(86a)は、その横断面積(流路面積)が上記下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きくなるように形成されている。この下流側ダクト(86b)の下端(図11における下側)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されている一方、上記上流側ダクト(86a)の上端(図11における上側)は、ドレンパン(23)の水平に延びる延出部にシール部材(86e)を介して当接している。このドレンパン(23)の延出部には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、上流側ダクト(86a)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹出空気をダンパボックス(81)内へ導入するように構成されている。
【0105】
また、上記導入用ダクト(86)は、上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)の貫通部に位置している。具体的には、上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト(86a,86b)が連結されている。この構成により、上記導入用ダクト(86)が脱落しないように上記仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込みつつ、該導入用ダクト(86)の上端をベルマウス(24)に接続させることが可能になる。
【0106】
さらに、上述のように、上記上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むような構成にすることで、該上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)に対して回動可能になる。しかも、本実施形態では、上記上流側ダクト(86a)と上記シール部材(86e)との当接部分も回動可能に構成されているため、上記導入用ダクト(86)、ダンパボックス(81)及び塵埃除去機構(50)は、導入用ダクト(86)の軸心(導入口)を中心にして一体で回動できるようになる。
【0107】
上記吸引用ダクト(87)は、例えば図8や図12に示すように、流入側である一端が上記ダンパボックス(81)の一端側の下面に接続されていて、該ダンパボックス(81)内の第2室(81b)に連通している。一方、上記吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(11)に形成されたノズル挿入部(110)に接続されている。このノズル挿入部(110)は、特に図示しないが、掃除機のノズルを挿入して吸引するための開口を有している。
【0108】
上記搬送用ダクト(88)は、図2及び図4に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)によって、上記塵埃貯留容器(60)と塵埃捕集箱(90)とを連通させることができ、該搬送用ダクト(88)内での塵埃の搬送が可能になる。なお、上記搬送用ダクト(88)はフレキシブルチューブによって構成されている。
【0109】
上述のような構成を有する塵埃搬送機構(80)において、冷暖房を行う通常運転の場合、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じられている(図12(A)参照)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気はダンパボックス(81)の第2室(81b)へ導入されない。一方、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合には、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く(図12(B)参照)。これにより、上記室内ファン(21)の吹出空気が導入用ダクト(86)及びダンパボックス(81)を介して上記塵埃貯留容器(60)内へ導入される。その結果、該塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、導入された空気と共に上記搬送用ダクト(88)を流れて上記塵埃捕集箱(90)内へ搬送される。つまり、上述のように、上記ダンパボックス(81)内のダンパ(82)を開くことにより、室内ファン(21)の吹出空気を利用して上記塵埃貯留容器(60)の塵埃を該塵埃貯留容器(60)内から排出して所定位置まで搬送することができる。
【0110】
さらに、上記塵埃搬送機構(80)では、上記塵埃捕集箱(90)内に捕集された塵埃をケーシング(101)外へ排出する場合も、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じられている(図12(C)参照)。この場合には、詳しくは後述するように、掃除機によってノズル挿入部(110)から吸引することで、上記塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)及び吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。
【0111】
上記塵埃捕集箱(90)は、上述のとおり、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃が搬送されて貯留されるものである。この塵埃捕集箱(90)は、例えば図4に示すように、やや細長い略直方体状に形成され、上記塵埃貯留容器(60)と同様に仕切板(25)の下方に配置されている。そして、上記塵埃捕集箱(90)は、平面視でエアフィルタ(30)と重ならないように、該エアフィルタ(30)の側方で且つ上記仕切板(25)の一端辺に沿って配置されている。また、上記塵埃捕集箱(90)は、上記エアフィルタ(30)との干渉を確実に防止するために、該エアフィルタ(30)側の側板が、該エアフィルタ(30)の外周に対応して円弧状に形成されている。
【0112】
また、上記塵埃捕集箱(90)は、一方の端部(一側部)の側面に流入口(94)が形成されていて、該流入口(94)に上記搬送用ダクト(88)の他端側が接続されている。一方、上記塵埃捕集箱(90)の他方の端部(他側部)には、掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)内に開口する排気口(91)が設けられている。すなわち、上記塵埃捕集箱(90)は、搬送用ダクト(88)が接続される側とは反対側の端部に排気口(91)が設けられていて、その内部を長手方向に空気が流れやすい構成になっている。なお、上記塵埃捕集箱(90)は、排気口(91)側の部分が他の部分よりも断面積が小さくなっている。
【0113】
また、上記塵埃捕集箱(90)内には、上記排気口(91)寄りにフィルタ(92)が設けられている。このフィルタ(92)を設けることで、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)内に塵埃を搬送する際に、空気は排気口(91)から排出される一方、搬送された塵埃は上記フィルタ(92)に捕捉されて排気口(91)から流出することはない。また、掃除機による吸引によって塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出される場合には、室内空気が上記排気口(91)を通じて該塵埃捕集箱(90)内に流入するが、流入した空気中の塵埃は上記フィルタ(92)によって捕捉される。
【0114】
上述のように、上記排気口(91)による給排気によって塵埃捕集箱(90)内の圧力バランスが適切になるので、該塵埃捕集箱(90)に対する塵埃の搬送動作及び排出動作が適切に行われる。
【0115】
〈ブラシの構成〉
以下で、回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)の構成について図10に基づいて詳細に説明する。
【0116】
上記回転ブラシ(51)は、上述のとおり、回転するエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)にブラシ部(51b)が接触することにより、該メッシュ部材(37)から塵埃を除去するように構成されたものである。具体的には、上記回転ブラシ(51)は、細長い略円筒状のシャフト(51a)と、該シャフト(51a)の外周面の一部に設けられたブラシ部(51b)とを備えている。このブラシ部(51b)は、ベース基材上にブラシ毛を植毛することにより構成されていている。また、上記ブラシ部(51b)は、シャフト(51a)外表面の周方向の一部分(本実施形態では、シャフト(51a)の周方向の略半分)に、該シャフト(51a)の軸方向に亘って設けられている。
【0117】
上記シャフト(51a)には、その外周面上に、軸方向に亘って延びる位置決め用突条部(51c)及び付着防止用突条部(51d)(突出部)が形成されている。これらの突条部(51c,51d)を設けることによって、上記ブラシ部(51b)のシャフト(51a)上での周方向位置を位置決めすることができる。
【0118】
上記位置決め用突条部(51c)は、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の周方向(回転方向)両端部のうち、該ブラシ部(51b)でエアフィルタ(30)の塵埃を除去している状態(図10に示す状態)で、上記清掃用ブラシ(52)とは反対側の端部の位置決めをするように設けられている。この位置決め用突条部(51c)は、断面略矩形状に形成されているとともに、上記ブラシ部(51b)のベースとなる基布(図中の太線部分)の位置決めが可能な程度の高さに形成されている。
【0119】
上記付着防止用突条部(51d)は、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)のシャフト周方向(回転方向)両端部のうち、該ブラシ部(51a)によってエアフィルタ(30)の塵埃を除去している状態(図10に示す状態)で、上記清掃用ブラシ(52)に近い側の端部(清掃用ブラシ側の端部)の位置決めをするように設けられている。上記付着防止用突条部(51d)は、上記ブラシ部(51a)の端部を覆うように設けられている。
【0120】
ここで、上記回転ブラシ(51)に付着した塵埃を上記清掃用ブラシ(52)によって除去する本実施形態のような構成では、詳しくは後述するように、該回転ブラシ(51)を回転させて清掃用ブラシ(52)に塵埃を一旦、付着させた後、上記回転ブラシ(51)を逆方向に回転させて該清掃用ブラシ(52)から塵埃を掻き落とす。そのため、塵埃が該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部(清掃用ブラシ(52)から塵埃を掻き落とす際に該清掃用ブラシ(52)に最初に接触する端部)に付着しやすく、該端部に塵埃が帯状に連なることになる。この場合、ブラシ部(51b)の端部にシャフト(51a)の外周面に沿って塵埃が帯状に連なって、該シャフト(51a)に塵埃が絡み付いたり、回転ブラシ(51)から塵埃が取りにくくなり該塵埃を容易に除去できなくなったりするなどの問題が生じる。
【0121】
これに対し、本実施形態のように、上記付着防止用突条部(51d)を設けることで、上記ブラシ部(51b)の端部に付着する塵埃は、該付着防止用突条部(51d)によって上記シャフト(51a)の表面に沿って連なるのを阻害され、上記回転ブラシ(51)の表面から離間するように延びていく。したがって、上記付着防止用突条部(51d)によって、塵埃がシャフト(51a)に絡み付いたり、回転ブラシ(51)から塵埃が除去しにくくなったりするのを防止することができる。
【0122】
また、上記付着防止用突条部(51d)は、断面視で略台形状に形成されていて、そのブラシ部(51b)側の側面が、突出端へ向かうほど該ブラシ部(51b)側に傾斜するように形成されている。このように、上記付着防止用突条部(51d)のブラシ部(51b)側の側面を該ブラシ部(51b)側に傾斜させることにより、該付着防止用突条部(51d)の先端側にブラシ部(51b)の毛先が押し付けられることになり、該ブラシ部(51b)と付着防止用突条部(51d)との間に隙間が生じるのをより確実に防止できる。したがって、該ブラシ部(51b)と付着防止用突条部(51d)との隙間に塵埃が溜まるのを防止できる。しかも、後述のとおり、上記ブラシ部(51b)は、基布上に植毛してなるものであるため、該基布を上記付着防止用突条部(51d)の付け根部分に押し付けるようにブラシ部(51b)を配置することで、該ブラシ部(51b)の位置決めを精度良く行うことができるとともに、該ブラシ部(51b)がシャフト(51a)上から剥がれるのを防止できる。
【0123】
さらに、上記付着防止用突条部(51d)は、その突出高さが、上記位置決め用突条部(51c)の突出高さよりも大きく且つ上記ブラシ部(51b)の毛先よりも高くなるように形成されている。これにより、上記付着防止用突条部(51d)によって上記ブラシ部(51b)の端部をより確実に覆うことができるため、該ブラシ部(51b)の端部から上記シャフト(51a)の表面に沿って塵埃が帯状に延びるのをより確実に防止することができる。
【0124】
上記清掃用ブラシ(52)は、既述のとおり、回転ブラシ(51)の一側(本実施形態では、回転ブラシ(51)を挟んで塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)とは反対側)に、該回転ブラシ(51)と接触可能に配置されていて、本体部(52a)(支持部)と、ブラシ部(52b)と、バネ部(52c)とを備えている。
【0125】
上記本体部(52a)は、上記回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の軸方向長さとほぼ同じ長さになるように形成されている。また、上記本体部(52a)は、回転ブラシ(51)の外周面に対して所定の間隔を空けて対向配置されている。さらに、上記本体部(52a)の上部は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の外周面に沿うように円弧状に形成されている。この本体部(52a)の円弧状の上部には、該本体部(52a)の長さ方向に亘ってブラシ部(52b)が設けられている。上記バネ部(52c)は、板ばねによって構成されていて、その一方の端部が上記本体部(52a)の下端部に接続されている一方、他方の端部が上記塵埃貯留容器(60)の内壁に接続されている。つまり、上記本体部(52a)は、その下端部を上記バネ部(52c)によって支持されている。
【0126】
また、上記本体部(52a)には、その下部、すなわち上記ブラシ部(52b)の下方に、上記回転ブラシ(51)に向かって突出する突条部(52d)(固定側突出部)が設けられている。この突条部(52d)は、上記回転ブラシ(51)の付着防止用突条部(51d)が通過する際に該付着防止用突条部(51d)の突出端が描く軌跡の近傍まで突出して、該突条部(51d)との間に微小な隙間のみを生じるように、断面視で略三角形状に形成されている。これにより、上記回転ブラシ(51)の付着防止用突条部(51d)と上記清掃用ブラシ(52)の突条部(52d)との間で、帯状の塵埃を圧縮しつつ引き伸ばすことができ、該塵埃を所定サイズに容易に引きちぎることが可能となる。しかも、このように、塵埃を圧縮することで、塵埃の体積を小さくすることができ、より多くの塵埃を上記塵埃貯留容器(60)内に貯留できるとともに、塵埃を容易に引きちぎることができるようにすることで、上記塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)への塵埃の搬送を容易に行うことができる。
【0127】
また、上記突条部(52d)は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の軸線方向から視て、上記ブラシ部(52b)側の付け根部分が突出端よりも該ブラシ部(52b)側に位置するように形成されている。すなわち、上記突条部(52d)は、上記ブラシ部(52b)側の付け根部分と上記本体部(52a)とのなす角度のうち、該ブラシ部(52b)側の角度が、鈍角になるように形成されている。こうすることで、上記回転ブラシ(51)が清掃用ブラシ(52)に付着した塵埃を掻き取る方向に回転する際に、塵埃が上記清掃用ブラシ(52)の突条部(52d)のブラシ部(52b)側に溜まるのを防止することができる。すなわち、上記突条部(52d)のブラシ部(52b)側の付け根部分と上記本体部(52a)とのなす角度のうち該ブラシ部(52b)側の角度が鋭角の場合には、該突条部(52d)のブラシ部(52b)側の付け根部分に、回転ブラシ(51)の回転方向に拡がるようにスペースが形成されるため、塵埃が当該スペース内に溜まってしまうが、上述のような構成にすることで、塵埃は上記突条部(52d)を乗り越えて塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)内へ移動することができる。
【0128】
しかも、上記突条部(52d)を、上述のように、上記ブラシ部(52b)側の付け根部分と上記本体部(52a)とのなす角度のうち、該ブラシ部(52b)側の角度が鈍角になるように形成することで、該突条部(52d)のブラシ部(52b)側に、回転ブラシ(51)の接線に平行な線よりも該回転ブラシ(51)の径方向外方に膨らむような空間が形成されることになる。そのため、上記回転ブラシ(51)が回転すると、当該空間内で塵埃は丸められて固まりとして成長するため、塵埃貯留容器(60)内に塵埃を或る程度の固まりとして貯留することができる。
【0129】
なお、本実施形態では、上記突条部(52d)は断面が三角形状になるように形成されているが、この限りではなく、どのような断面形状であってもよい。また、上記突条部(52d)は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の軸線方向から視て、ブラシ部(52b)側とは反対側の付け根部分が突出端よりも該ブラシ部(52b)から遠い位置に位置するように、すなわち、上記突条部(52d)のブラシ部(52b)とは反対側の付け根部分と上記本体部(52a)とのなす角度も、鈍角であるのが好ましい。これにより、上記回転ブラシ(51)がエアフィルタ(30)と接触する位置(図10の状態)へ戻るように回転した際に、上記突条部(52d)に対して回転ブラシ(51)の付着防止用突条部(51d)が接触した場合でも、該付着防止用突条部(51d)が上記突条部(52d)を容易に乗り越えることができ、両方の突条部(51d,52d)が損傷を受けたり上記回転ブラシ(51)の回転が阻害されたりするのを防止できる。
【0130】
上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)の各ブラシ部(51b,52b)は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であり、毛足が比較的短い。また、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
【0131】
具体的には、上記回転ブラシ(51)におけるブラシ部(51b)の毛並みは、図10においてシャフト(51a)から右に向かって傾斜している。つまり、このブラシ部(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向(図10中の白抜き矢印方向)に対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ(30)がブラシ部(51b)の毛並みに対向するように回転すると、該ブラシ部(51b)によってメッシュ部材(37)に捕捉された塵埃が効率よく掻き出される。
【0132】
また、上記清掃用ブラシ(52)におけるブラシ部(52b)の毛並みは、図10において本体部(52a)から斜め左下へ向かって傾斜している。つまり、このブラシ部(52b)の毛並みは、回転ブラシ(51)が反時計回りに回転する際に、その回転方向に対向するように傾斜している。これにより、上記回転ブラシ(51)が上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)の毛並みに対向するように回転することで、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に付着している塵埃を上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)で除去することが可能となる。
【0133】
すなわち、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)のブラシ部(51b,52b)は、互いに接触した状態(図15(D)の状態)で、下方(塵埃貯留容器(60)の内方)に向かって毛が延びるように構成されている。これにより、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)に付着した塵埃を塵埃貯留容器(60)内に効率良く集めることができる。
【0134】
なお、上述のような構成を有する上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)の塵埃除去動作については、後で詳述する。
【0135】
−運転動作−
次に、上記室内ユニット(3)における運転動作について図12から図15を参照しながら説明する。上記室内ユニット(3)は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
【0136】
〈通常運転〉
通常運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)を閉じた状態にする(図12(A)の状態)。エアフィルタ(30)は、回転していない停止状態とする。
【0137】
この状態において、室内ファン(21)が駆動される。そうすると、室内ユニット(3)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)内へ流入する。空気がエアフィルタ(30)を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。この運転では、図12(A)に示すように、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹出空気がダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。
【0138】
〈フィルタ清掃運転〉
フィルタ清掃運転では、図1に示す冷媒回路において圧縮機(4)が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。なお、上記「塵埃除去動作」、「ブラシ清掃動作」及び「塵埃搬送動作」の間は、化粧パネル(11)に設けられたLED(16)が点灯するように構成されている。これにより、これらの動作を行っている旨をユーザーに対して報知することができる。
【0139】
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃捕集箱(90)から室内ユニット(3)外へ塵埃を排出する動作である。
【0140】
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。
【0141】
−塵埃除去動作−
まず「塵埃除去動作」では、室内ファン(21)が弱風を吹き出すように運転される。そして、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)をエアフィルタ(30)に接触させた状態で、エアフィルタ(30)を、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛を逆立てるように回転移動させる(図13(B)及び図14(A)の白抜き矢印方向)。なお、このとき、回転ブラシ(51)は停止状態である。
【0142】
そうすると、上記エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉される(図14(B))。ここで、例えば図14(A)に示すように、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向とは反対方向に傾斜しているため、該エアフィルタ(30)の塵埃が上記ブラシ部(51b)によって容易に掻き取られる。そして、フィルタ駆動部(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止してエアフィルタ(30)の回転が停止する。つまり、エアフィルタ(30)は所定角度だけ回転して停止する。したがって、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)と接触した領域の塵埃が除去される。
【0143】
−ブラシ清掃動作−
上述のように、上記エアフィルタ(30)の回転が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」に切り換わる。
【0144】
ところが、エアフィルタ(30)の回転停止後では、図14(B)に示すように、塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の左側(すなわち、エアフィルタ(30)の回転方向前方側)に偏在している。これは、ブラシ部(51b)によって掻き取られた塵埃がエアフィルタ(30)の移動に伴って引きずられるからである。したがって、このままでは、塵埃の固まりが大きくなり、最終的に室内等へ落下してしまうおそれがある。
【0145】
そこで、「ブラシ清掃動作」では、まず、図13(C)に示すように、エアフィルタ(30)がフィルタ駆動部(40)によって反時計回りに所望の角度だけ戻すように回転される。つまり、図15(A)にも示すように、エアフィルタ(30)は、上記「塵埃除去動作」時とは逆方向、すなわち回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛の延びる方向と略同じ方向(図中の白抜き矢印方向)に回転する。本実施形態では、エアフィルタ(30)を、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の幅に相当する角度だけ移動するように回転させる。
【0146】
そうすると、図15(A)に示すように、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の片側に偏っていた塵埃が上記エアフィルタ(30)によって該ブラシ部(51b)の広い範囲に広げられて均される。つまり、塵埃が上記ブラシ部(51b)の広い範囲により均一に付着する。これにより、塵埃が該ブラシ部(51b)により確実に付着するため、塵埃の固まりが室内等へ落下するのをより確実に防止することができる。
【0147】
続いて、上記「ブラシ清掃動作」では、エアフィルタ(30)が停止した状態で、上記回転ブラシ(51)が図15において右回り(時計回り)に回転する。その際、上記回転ブラシ(51)は、ブラシ部(51b)に塵埃を捕捉したまま、該ブラシ部(51b)が清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)と接触するように回転する(図15(B))。上記回転ブラシ(51)は、所定の回転角度だけ回転した後、停止する。
【0148】
その後、上記回転ブラシ(51)は、上述の回転方向とは逆回り(図15において左回り(反時計回り))に回転する。そうすると、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉されていた塵埃は、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に捕捉される(図15(C))。これは、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)の毛が下向き、すなわち回転ブラシ(51)の反時計回りの回転によって逆立つように傾斜して植毛されているため、該清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に付着した塵埃が掻き取られるからである。
【0149】
上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)のブラシ部(51b,52b)同士が接触することによって、該清掃用ブラシ(52)の本体部(52a)が上記回転ブラシ(51)と離間する方向へ押されるが、該本体部(52a)はバネ部(52c)によって回転ブラシ(51)側へ付勢されているため、ブラシ部(51b,52b)同士が離隔することはなく、清掃用ブラシ(52)が適切に回転ブラシ(51)に押し付けられる。したがって、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)から塵埃をより確実に除去して、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に塵埃を捕捉することができる。なお、上記回転ブラシ(51)は、元の状態(図15(A)の状態)の位置まで回転して停止する。
【0150】
続いて、上記回転ブラシ(51)は、再び右回り(時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に捕捉されていた塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)によって掻き取られる(図15(D))。すなわち、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛が下側に向かって回転方向に沿うように傾斜しているため、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)から塵埃を掻き取ることができる。その際も、上記清掃用ブラシ(52)は、バネ部(52c)によって回転ブラシ(51)側に適切に押し付けられるため、該清掃用ブラシ(52)から塵埃をより確実に除去することができる。
【0151】
ここで、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に付着した塵埃は、上記回転ブラシ(51)によって塵埃貯留容器(60)内に直接、掻き落とされるのではなく、上記回転ブラシ(51)が再び右回り(時計回り)に回転した際に該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部に付着する。このとき、回転ブラシ(51)には、該ブラシ部(51b)の端部を覆うように付着防止用突条部(51d)が設けられているため、塵埃が該ブラシ部(51b)の端部にシャフト(51a)表面に沿うように連なるのを防止できる。すなわち、塵埃は、上記付着防止用突条部(51d)によって、回転ブラシ(51)から離間するように連なる。また、上記付着防止用突条部(51d)のブラシ部(51b)側の側面は、その突出端側が該ブラシ部(51b)に向かって傾斜しているため、該付着防止用突条部(51d)とブラシ部(51b)の端部との間に隙間が生じるのをより確実に防止でき、塵埃が回転ブラシ(51)の表面上に溜まったり絡み付いたりするのを防止できる。
【0152】
そして、上記回転ブラシ(51)がさらに回転して、該回転ブラシ(51)の表面上に設けられた付着防止用突条部(51d)と上記清掃用ブラシ(52)に設けられた突条部(52d)とが近接すると、塵埃は該付着防止用突条部(51d)と突条部(52d)との間に挟み込まれる(図15(D)の状態)。これにより、塵埃は圧縮されつつ引き延ばされるため、その部分でちぎれやすくなる。したがって、上記回転ブラシ(51)に塵埃が帯状に連なる場合に比べて、塵埃を塵埃貯留容器(60)内に効率良く貯留することができるとともに、後述するように、室内ファン(21)の吹出空気によって塵埃を搬送する際に、該塵埃を細かくして効率良く搬送することができる。
【0153】
このとき、上記清掃用ブラシ(52)側の突条部(52d)は、ブラシ部(52b)側の付け根部分と本体部(52a)とのなす角度のうち、該ブラシ部(52b)側の角度が鈍角になるように形成されているため、塵埃が付着防止用突条部(51d)と該突条部(52d)との間に挟み込まれた状態で回転ブラシ(51)とともに回転する際に、該突条部(52d)のブラシ部(52d)側に溜まるのを防止することができる。
【0154】
以上のような動作により、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃は除去され、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に貯留される。その後、回転ブラシ(51)は再び左回り(反時計回り)に回転して元の状態(図15(A))に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
【0155】
上述のような「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ(30)が回転され、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が再び作動するとエアフィルタ(30)が停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)を通過した領域の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉される。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とを交互に繰り返すことにより、エアフィルタ(30)の所定領域毎に塵埃が除去されていく。そして、上記エアフィルタ(30)の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」及び「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が所定回数作動すると、エアフィルタ(30)が1回転したと判断して上記動作が終了する。
【0156】
−塵埃搬送動作−
上述した「塵埃除去動作」及び「ブラシ清掃動作」時には、貯留量検出機構(70)によって塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留量が検出される。つまり、発光LED(72)による光の光度がフォトトランジスタ(73)によって検出される。そして、フォトトランジスタ(73)の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器(60)における塵埃量が所定量に達したとして、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
【0157】
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ(51)が図10の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態(図12(B)の状態)になる。この状態において、室内ファン(21)が駆動されることにより、室内ファン(21)の吹出空気は、導入用ダクト(86)及びダンパボックス(81)を介して塵埃貯留容器(60)内へ導入される。これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)内へ搬送される。そうすると、上記塵埃貯留容器(60)において塵埃の貯留量が減少し、フォトトランジスタ(73)の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器(60)における塵埃が殆ど排出されたとして、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
【0158】
−塵埃排出動作−
本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。すなわち、上記「塵埃搬送動作」でダンパ(82)を開いた後に、発光LED(72)を点灯させて、その光度を検出し、光度が所定値よりも低ければ、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃が室内ファン(21)の吹出空気によって搬送されていない、すなわち、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)までの搬送路で塵埃が詰まっているか、若しくは該塵埃捕集箱(90)内に多量の塵埃が捕集されていると判断して、化粧パネル(11)のLED(16)を点灯させてユーザーにその旨を報知し、リモコン操作等に応じて、以下のような「塵埃排出動作」を行う。
【0159】
「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ(51)が図10の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉状態(図12(C)の状態)になる。
【0160】
上述の状態において、ユーザーによって掃除機のノズルを化粧パネル(11)のノズル挿入部(110)に挿入した状態で、吸引動作を行う。この吸引動作により、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)、ダンパボックス(81)、吸引用ダクト(87)及びノズル挿入部(110)を介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器(60)内に残っていた塵埃も吸引用ダクト(87)を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃捕集箱(90)及び塵埃貯留容器(60)の塵埃が室内ユニット(3)外へ排出される。
【0161】
−実施形態の効果−
以上より、この実施形態では、室内ファン(21)の吸込側に位置するエアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するための回転ブラシ(51)において、ブラシ部(51b)の端部のうち、該ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに清掃用ブラシ(52)側に位置する端部を覆うように、略円筒状のシャフト(51a)上に付着防止用突条部(51d)を設けたため、該ブラシ部(51b)の端部にシャフト(51a)の外周面に沿うように塵埃が連なるのを防止することができる。すなわち、上記回転ブラシ(51)のシャフト(51a)外周面上に、上記付着防止用突条部(51d)を設けることで、ブラシ部(51b)の端部に付着する塵埃は、該付着防止用突条部(51d)によって回転ブラシ(51)から離間するように連なる。これにより、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部に連なる塵埃が、該回転ブラシ(51)に絡み付いたり、該回転ブラシ(51)から取れにくくなったりするのを防止できる。
【0162】
特に、上記付着防止用突条部(52d)のブラシ部(52b)側の側面を、先端側に向かうほど該ブラシ部(52b)側へ傾斜させることで、該付着防止用突条部(52d)とブラシ部(52b)とを密着させることができ、両者の間に隙間が生じるのを防止することができる。これにより、上記付着防止用突条部(52d)とブラシ部(52b)との間に塵埃が溜まるのを防止することができ、塵埃を回転ブラシ(51)からより確実に離間させることができる。
【0163】
そして、上記付着防止用突条部(51d)に対応して、上記清掃用ブラシ(52)にも突条部(52d)を設けたため、該付着防止用突条部(51d)と突条部(52d)との間に塵埃を挟み込んで圧縮しつつ回転ブラシ(51)の回転方向に塵埃を引き延ばすことができる。これにより、塵埃の体積を小さくすることができ、塵埃貯留容器(60)内に効率良く貯留することができる。しかも、圧縮しつつ引き延ばされた部分で塵埃がちぎれやすくなるため、塵埃を室内ファン(20)の吹出空気によって効率良く搬送することができる。
【0164】
また、上記清掃用ブラシ(52)側の突条部(52d)は、そのブラシ部(52b)側の付け根部分と本体部(52a)とのなす角度が鈍角である(ブラシ部(52b)側の付け根部分が、突出端よりも該ブラシ部(52b)に近い位置に位置する)ため、該突条部(52d)のブラシ部(52b)側に塵埃が溜まるのを防止することができる。すなわち、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部に付着した塵埃は、該回転ブラシ(51)の回転に伴って、その回転方向に移動し、上記清掃用ブラシ(52)の突条部(52d)に対して移動するが、上述のように、該突条部(52d)のブラシ部(52b)側の付け根部分と本体部(52a)とのなす角度を鈍角にすることで、塵埃が該突条部(52d)のブラシ部(52b)側にたまることなく該突条部(52d)を乗り越えることができる。
【0165】
さらに、上記清掃用ブラシ(52)の本体部(52a)は、塵埃貯留容器(60)に対してバネ部(52c)によって弾性支持されているため、該清掃用ブラシ(52)の突条部(52d)に上記回転ブラシ(51)の付着防止用突条部(51d)が接触した場合でも、その衝撃を緩和することができる。これにより、回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)が損傷を受けるのを防止できるとともに、該回転ブラシ(51)の回転が阻害されるのを防止できる。
【0166】
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
【0167】
上記実施形態では、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)外周面上に、付着防止用突条部(51d)を設けるようにしているが、この限りではなく、該シャフトの外周面に、ブラシ部(51b)を配置した状態で該ブラシ部(51b)の端部を覆うような深さを有する凹部を設けても良い。この場合でも、凹部を構成する側面のうち、ブラシ部(51b)の端部を覆う面は、シャフトの径方向外方へ向かうほど該ブラシ部(51b)側へ傾斜しているのが好ましい。
【0168】
また、上記実施形態では、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の一側の端部を覆うように付着防止用突条部(51d)を設けているが、この限りではなく、該ブラシ部(51b)の回転方向の両端部に設けるようにしてもよい。
【0169】
また、上記実施形態では、清掃用ブラシ(52)に突条部(52d)を設けているが、この限りはなく、該突条部(52d)を設けない構成であってもよい。この場合には、該突条部(52d)と回転ブラシ(51)の付着防止用突条部(51d)との間で塵埃を挟み込むことはできないが、該付着防止用突条部(51d)によって、帯状に連なる塵埃が回転ブラシ(51)に絡み付いたり、塵埃の搬送時や回収時に該回転ブラシ(51)から取れにくくなったりするのを防止できる。
【0170】
また、上記実施形態では、エアフィルタ(30)から除去した塵埃を塵埃捕集箱(90)に捕集するようにしているが、この限りではなく、塵埃を捕集できるような構成であれば、例えば袋状のものなど、どのような構成であってもよい。
【0171】
また、上記実施形態では、上記塵埃捕集箱(90)を掃除ユニット(100)内に設けているが、この限りではなく、室内ユニット(3)とは別に設けるようにしてもよい。
【0172】
また、上記実施形態では、塵埃貯留容器(60)から上記塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する手段として、室内ファン(21)の吹出空気を利用するようにしているが、この限りではなく、塵埃を搬送できる構成であれば、どのような構成であってもよいし、専用のファンを設けてもよい。
【0173】
また、上記実施形態では、エアフィルタ(30)は、円形状に形成されているが、この限りではなく、例えば矩形状に形成されていてもよい。この場合には、上記エアフィルタ(30)及び回転ブラシ(51)は直線的に相対移動する。
【産業上の利用可能性】
【0174】
以上説明したように、本発明は、室内ファンの吸込側にエアフィルタが設けられた空気調和装置の室内ユニットに特に有用である。
【符号の説明】
【0175】
1 空気調和装置
3 室内ユニット
18 本体ケーシング(ケーシング)
21 室内ファン
22 室内熱交換器
30 エアフィルタ
45 第1シール部材(シール部材)
51 回転ブラシ(塵埃除去ブラシ)
51a シャフト(本体部)
51b ブラシ部
51d 付着防止用突条部(突出部)
52 清掃用ブラシ
52a 本体部(支持部)
52b ブラシ部(除去用ブラシ)
52d 突条部(固定側突出部)
60 塵埃貯留容器(塵埃ケース)
63 ブラシ用開口(開口部)
90 塵埃捕集箱(塵埃捕集部)
101 チャンバケーシング(ケーシング)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(18,101)内に、室内熱交換器(22)と、室内から吸い込んだ空気を該室内側へ吹き出す室内ファン(21)と、該室内ファン(21)の吸込側に設けられるエアフィルタ(30)とを備えた空気調和装置の室内ユニットであって、
軸線周りに回転可能に構成された柱状の本体部(51a)と、該本体部(51a)の外周面の一部に取り付けられたブラシ部(51b)とを有し、該ブラシ部(51b)が上記エアフィルタ(30)に接触して該エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するように構成された塵埃除去ブラシ(51)と、
上記塵埃除去ブラシ(51)が回転した際に上記ブラシ部(51b)と接触する位置に設けられ、該ブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去するように構成された除去用ブラシと(52b)、を備え、
上記塵埃除去ブラシ(51)の本体部(51a)は、上記ブラシ部(51b)における該塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち少なくとも一方を覆うように構成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記本体部(51a)は、上記ブラシ部(51b)における上記塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち、該ブラシ部(51b)が上記エアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに上記除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を覆うように構成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記本体部(51a)の外周面上には、上記ブラシ部(51b)における上記塵埃除去ブラシ(51)の回転方向の両端部のうち、該ブラシ部(51b)が上記エアフィルタ(30)の塵埃を除去しているときに上記除去用ブラシ(52b)側に位置する端部を覆うような突出部(51d)が設けられていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記突出部(51d)は、その突出端部分が上記ブラシ部(51b)の毛先よりも本体部(51a)の外方に位置するように形成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項5】
請求項3または4に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記突出部(51d)は、上記ブラシ部(51b)側の側面が突出端に向かうほど該ブラシ部(51b)側に傾斜するように形成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一つに記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記塵埃除去ブラシ(51)及び除去用ブラシ(52b)を収納するための塵埃ケース(60)を備えていて、
上記塵埃ケース(60)内には、上記除去用ブラシ(52b)を挟んで上記エアフィルタ(30)とは反対側の位置に、上記塵埃除去ブラシ(51)が回転した際に上記突出部(51d)の突出端が描く軌跡に近接する位置まで突出する固定側突出部(52d)が設けられていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記固定側突出部(52d)は、上記本体部(51a)の軸線方向から視て、除去用ブラシ(52b)側の付け根部分が、該固定側突出部(52d)の突出端よりも除去用ブラシ(52b)に近い位置に位置するように形成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項8】
請求項6または7に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記固定側突出部(52d)は、上記本体部(51a)の軸線方向から視て、除去用ブラシ(52b)とは反対側の付け根部分が、該固定側突出部(52d)の突出端よりも除去用ブラシ(52b)から遠い位置に位置するように形成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一つに記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記塵埃ケース(60)には、上記塵埃除去ブラシ(51)が位置付けられる開口部(63)が形成されているとともに、上記除去用ブラシ(52b)が表面上に取り付けられており且つ該除去用ブラシ(52b)を上記塵埃除去ブラシ(51)に対して付勢するように上記開口部(63)内で弾性支持される支持部(52a)が設けられていて、
上記固定側突出部(52d)は、上記支持部(52a)の除去用ブラシ(52b)と同じ側に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一つに記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記塵埃ケース(60)内の塵埃を捕集するための塵埃捕集部(90)と、
上記塵埃ケース(60)内に気体を流して該塵埃ケース(60)内の塵埃を上記塵埃捕集部(90)へ搬送するように構成された塵埃搬送機構(80)とを備えていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記塵埃ケース(60)には、上記塵埃除去ブラシ(51)を挟んで上記除去用ブラシ(52b)とは反対側に、該塵埃ケース(60)と塵埃除去ブラシ(51)との隙間をシールするためのシール部材(45)が設けられていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一つに記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記塵埃除去ブラシ(51)及び上記除去用ブラシ(52b)は、それぞれ、互いに接触している状態でブラシの毛が塵埃ケース(60)の内方へ向かって延びるように構成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の空気調和装置の室内ユニットにおいて、
上記塵埃除去ブラシ(51)は、上記ブラシ部(51b)がエアフィルタ(30)と接触する位置から除去用ブラシ(52b)と接触する位置へ回転した後、該エアフィルタ(30)と接触する位置へ戻る際に、上記ブラシ部(51b)に付着した塵埃を上記除去用ブラシ(52b)に付着させるとともに、再度、上記ブラシ部(51b)が除去用ブラシ(52b)と接触する位置へ回転した際に、該除去用ブラシ(52b)に付着した塵埃を掻き落とすように構成されていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−261621(P2010−261621A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110794(P2009−110794)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】