説明

空気調和装置

【課題】正及び負の帯電粒子の発生を制御することにより、帯電の発生を抑制することができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置は、負の帯電水粒子を発生させる静電霧化部2と、正の空気イオンを発生させる空気イオン発生部3を備える。空気調和装置は、継続的に負の帯電水粒子を発生させ、負の帯電水粒子を含む空気を放出する。空気調和装置は、捕集部41及び電荷量検出回路42で空気中の電荷量を検出し、空気中の負の帯電水粒子の量がある程度の量になった段階で、正の空気イオンを発生させる。空気調和装置は、計時部54で正の空気イオンを発生させた時間を計測し、空気中の正の空気イオンの量がある程度の量になった段階で、正の空気イオンの発生を停止する。このように、空気調和装置は、空気中の帯電粒子の量を調整して、帯電の発生を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中に帯電粒子を放出して空気調和を行う空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中で帯電粒子を発生させて放出することによって空気を清浄化する空気調和装置が用いられている。帯電粒子を発生させる方法としては、放電電極の先端に水を結露させ、放電電極の先端に高電圧を印加することにより、対極間との静電気力によって帯電水粒子が放電電極から噴出する静電霧化現象を利用した方法がある。他に帯電粒子を発生させる方法として、空気中で放電を行ってH+ (H2 O)m 又はO2-(H2 O)n 等の空気イオンを発生させる方法がある。ここで、m及びnは任意の自然数である。特許文献1には、静電霧化現象により発生させた負の帯電水粒子を空気中に放出する空気調和装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−33293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
帯電粒子を利用する空気調和装置には、正負の帯電粒子の内で一方の帯電粒子のみを利用する空気調和装置と、両方の帯電粒子を利用する空気調和装置とがある。一方の帯電粒子のみを利用する空気調和装置では、放出された空気が衝突する物体が帯電するという問題がある。また、両方の帯電粒子を利用する空気調和装置で、一方の帯電粒子の特長を利用した効果を狙った場合、この一方の帯電粒子を意図的に多数発生させることがあり、この場合は一方の帯電粒子が過剰になるので、同様に帯電が発生するという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、正及び負の帯電粒子の発生を制御することにより、帯電の発生を抑制することができる空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空気調和装置は、帯電粒子を空気中に発生させる手段を備え、該手段が発生させた帯電粒子を含む空気を放出する空気調和装置において、正の帯電粒子を発生させる第1の帯電粒子発生部と、負の帯電粒子を発生させる第2の帯電粒子発生部と、空気中の正及び負の帯電粒子の量に対応するデータ量を取得する取得手段と、該取得手段が取得した前記データ量に応じて、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部での帯電粒子の発生量を個別に調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る空気調和装置は、前記取得手段は、空気中の正及び負の帯電粒子の量に対応するデータ量を夫々に取得する手段を有し、前記調整手段は、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部の内、一方の帯電粒子発生部に継続的に帯電粒子を発生させる手段と、前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた開始設定量となった場合に、他方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を開始させる手段と、前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた停止設定量となった場合に、前記他方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させる手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る空気調和装置は、前記取得手段は、空気中の正及び負の帯電粒子の量に対応するデータ量を夫々に取得する手段を有し、前記調整手段は、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部の内、一方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させ、他方の帯電粒子発生部に帯電粒子を発生させる手段と、前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた第1の設定量となった場合に、前記他方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させ、前記一方の帯電粒子発生部に帯電粒子を発生させる手段と、前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた第2の設定量となった場合に、前記一方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させ、前記他方の帯電粒子発生部に帯電粒子を発生させる手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る空気調和装置は、前記取得手段は、前記第1の帯電粒子発生部又は前記第2の帯電粒子発生部が帯電粒子を発生させた時間を計測する手段と、該手段が計測した前記時間を、空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量として取得する手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る空気調和装置は、前記取得手段は、前記第1の帯電粒子発生部又は前記第2の帯電粒子発生部が帯電粒子を発生させた回数を計測する手段と、該手段が計測した前記回数を、空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量として取得する手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る空気調和装置は、前記取得手段は、空気中の粒子を捕集する捕集手段と、該捕集手段が捕集した粒子の電荷量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した前記電荷量を、空気中の正又は負の帯電粒子の量に対応するデータ量として取得する手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る空気調和装置は、前記取得手段は、空気中の粒子を捕集する捕集手段と、該捕集手段が捕集した粒子の電荷量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した前記電荷量を、空気中の正及び負の帯電粒子の相対量に対応するデータ量として取得する手段とを有し、前記調整手段は、前記取得手段が取得した前記データ量が予め定められた範囲内に収まるように、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部の夫々での帯電粒子の発生量を制御する手段を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る空気調和装置は、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部を内部に納めており、帯電粒子を含む空気を放出する放出口を有するハウジングを更に備え、前記捕集手段及び前記検出手段は、前記ハウジングの外側に配置されてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る空気調和装置は、前記第1の帯電粒子発生部は、コロナ放電により正の空気イオンを発生する構成としてあり、前記第2の帯電粒子発生部は、静電霧化現象により負の帯電水粒子を発生する構成としてあることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、正及び負の帯電粒子を含む空気を放出する空気調和装置は、空気中の帯電粒子の量に基づいて、正及び負の帯電粒子を発生する量を調整する。空気中の正と負との帯電粒子のバランスをとるように空気中の帯電粒子の量を調整することができる。
【0016】
本発明においては、空気調和装置は、空気中の正及び負の帯電粒子の量の夫々を求め、一方の帯電粒子を継続的に発生させながら、一方の帯電粒子の量がある程度の量になった場合に、他方の帯電粒子を発生させる。また、空気調和装置は、他方の帯電粒子の量がある程度の量になった場合に、他方の帯電粒子の発生を停止する。このようにして、空気調和装置は、空気中の帯電粒子の量を調整することができる。
【0017】
本発明においては、空気調和装置は、空気中の正及び負の帯電粒子の量の夫々を求め、一方の帯電粒子のみを発生させ、一方の帯電粒子の量がある程度の量になった場合に、一方の帯電粒子の発生を停止して他方の帯電粒子を発生させる。また、空気調和装置は、他方の帯電粒子の量がある程度の量になった場合に、他方の帯電粒子の発生を停止して一方の帯電粒子を発生させる。このようにして、空気調和装置は、空気中の帯電粒子の量を調整することができる。
【0018】
本発明においては、空気調和装置は、正又は負の帯電粒子を発生させた回数を計測することにより、空気中の正又は負の帯電粒子の量を求める。
【0019】
本発明においては、空気調和装置は、正又は負の帯電粒子を発生させた時間を計測することにより、空気中の正又は負の帯電粒子の量を求める。
【0020】
本発明においては、空気調和装置は、空気中の粒子を捕集し、捕集した粒子の電荷量を検出することにより、空気中の正又は負の帯電粒子の量を求める。
【0021】
本発明においては、空気調和装置は、空気中の正及び負の帯電粒子の相対量を検出し、帯電粒子の相対量がある程度の範囲内に収まって空気中の電荷のバランスが一方に偏らないように、空気中の帯電粒子の量を調整する。
【0022】
本発明においては、空気調和装置は、空気中の帯電粒子を捕集して電荷を検出する手段をハウジングの外側に備える。これにより、放出した空気中に含まれる帯電粒子の量が直接的に調べられる。
【0023】
本発明においては、空気調和装置は、負の帯電水粒子と正の空気イオンとを発生させて空気の清浄化を行う。
【発明の効果】
【0024】
本発明にあっては、空気調和装置は、放出する正と負との帯電粒子の量を調整することができるので、放出した空気中の帯電粒子の量も可変・調整することができ、放出した空気が衝突する物体が帯電することを抑制することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態1に係る空気調和装置の外観の例を示す模式的斜視図である。
【図2】空気調和装置の模式的断面図である。
【図3】通流路内に配置された空気調和装置の構成部分を示す模式図である。
【図4】静電霧化部の内部構成を示す断面図である。
【図5】空気イオン発生部の内部構成を示す断面図である。
【図6】実施の形態1に係る空気調和装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】電荷量検出回路の内部構成例を示す回路図である。
【図8】捕集部が帯電していない状態で電荷量検出回路から出力される検出信号を示す特性図である。
【図9】実施の形態1に係る空気調和装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1に係る空気調和装置の動作中に電荷量検出回路から出力される検出信号を示す特性図である。
【図11】実施の形態2に係る空気調和装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3に係る空気調和装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】電流検出部の内部構成例を示す回路図である。
【図14】実施の形態3に係る空気調和装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態3に係る空気調和装置の動作中に電流検出部から出力される検出信号を示す特性図である。
【図16】実施の形態4に係る空気調和装置の外観の例を示す模式的斜視図である。
【図17】実施の形態4に係る空気調和装置の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置の外観の例を示す模式的斜視図である。図1には、空気調和装置の背面、側面及び上面を示している。空気調和装置は、全体的にほぼ直方体状に形成されてあり、上面を傾斜させてあるハウジング11を備えている。ハウジング11の上面には、空気を放出する放出口12が形成されている。また空気調和装置の背面には、空気を吸入する吸入口13が形成されている。空気調和装置は、吸入口13から空気を吸入し、内部で帯電粒子を発生させ、発生させた帯電粒子を含んだ空気を放出口12から放出する。本実施の形態では、負の帯電粒子として負の帯電水粒子を用い、正の帯電粒子として正の空気イオンを用いる。
【0027】
図2は、空気調和装置の模式的断面図である。図2には、空気調和装置の断面を側面側から見た図を示しており、図2の右側が空気調和装置の背面側、左側が正面側である。ハウジング11内には、吸入口13につながった空洞17が形成されている。空洞17は、吸入口13から正面側に向かって形成されており、空洞17内には集塵フィルタ16が配置されている。また、ハウジング11内には、空気の通流路14が上下方向に形成されている。通流路14の上端は放出口12につながっており、通流路14の下端部には空洞17がつながっている。また、通流路14の下端部には、送風機15が配置されている。送風機15は例えばシロッコファンである。送風機15は、空洞17から空気を吸入し、通流路14へ空気を放出する構成となっている。送風機15が動作することにより、空気調和装置外の空気が吸入口13から空気調和装置内へ吸入され、吸入された空気は通流路14を通って放出口12から空気調和装置外へ放出される。また、送風機15から放出口12までの通流路14の途中には、静電霧化現象により負の帯電水粒子を発生させる静電霧化部2が配置されている。静電霧化部2が発生させた負の帯電水粒子は空気に混合し、負の帯電水粒子を含む空気は放出口12から放出される。放出された空気に含まれる負の帯電水粒子は、ハウジング11外の空気を清浄化する。
【0028】
図3は、通流路14内に配置された空気調和装置の構成部分を示す模式図である。図3には、通流路14内を正面側から見た図を示している。通流路14の上端は放出口12につながっており、下端部には送風機15が配置されている。送風機15から放出口12までの通流路14の途中には、静電霧化部2と、正の空気イオンを発生させる空気イオン発生部3とが配置されている。図3中には、静電霧化部2及び空気イオン発生部3が水平方向に並んだ例を示しているが、静電霧化部2と空気イオン発生部3との相対的な配置はその他の配置であってもよい。また、静電霧化部2及び空気イオン発生部3よりも放出口12に近い位置には、通流路14を流れる空気に含まれる帯電粒子を捕集する捕集部41が配置されている。
【0029】
図4は、静電霧化部2の内部構成を示す断面図である。静電霧化部2は、突起状の放電電極21を備え、放電電極21はペルチェ素子23の冷却側に接触している。ペルチェ素子23の放熱側には、放熱フィン24が接触している。放電電極21の先端側には、円環電極22が対向配置されている。円環電極22の中心は、放電電極21の中心軸の延長上にある。放電電極21と円環電極22との間は絶縁されている。放電電極21はペルチェ素子23によって冷却され、水蒸気が凝結して放電電極21の先端に水が結露する。放電電極21の先端に水が結露した状態で、円環電極22を接地極として放電電極21を負極とした電圧が放電電極21と円環電極22との間に印加される。電圧の印加によって、結露した水の中から、負イオンを含有した水の微粒子が噴出する。この現象が静電霧化現象であり、噴出した水の微粒子は負に帯電した帯電水粒子である。このようにして、静電霧化部2では、放電電極21の先端に負の帯電水粒子が発生する。発生した負の帯電水粒子は、通流路14を流れる空気へ放出される。通流路14の内で静電霧化部2よりも下流では、負の帯電水粒子を含んだ空気が流れることになる。
【0030】
図5は、空気イオン発生部3の内部構成を示す断面図である。空気イオン発生部3は、針状の放電電極31と、放電電極31の周囲を囲む円環状の誘導電極32とを備えている。誘導電極32は放電電極31から一定距離離れており、放電電極31の中心軸が誘導電極32の中心になる。放電電極31と誘導電極32との間は絶縁されている。放電電極31を正極とし誘導電極32を負極とした電圧が印加され、放電電極31と誘導電極32との間にコロナ放電が発生する。コロナ放電により、放電電極31の先端の周囲に正の空気イオンが発生する。発生した正の空気イオンは、通流路14を流れる空気へ放出される。空気イオン発生部3よりも下流では、正の空気イオンを含んだ空気が通流路14を流れることになる。
【0031】
図6は、実施の形態1に係る空気調和装置の電気的構成を示すブロック図である。静電霧化部2には、放電電極21と円環電極22との間に電圧を印加する電圧印加回路52が接続されている。また電圧印加回路52は、ペルチェ素子23へ電力を供給する。静電霧化部2及び電圧印加回路52は、本発明における第2の帯電粒子発生部に対応する。空気イオン発生部3には、放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加する電圧印加回路53が接続されている。空気イオン発生部3及び電圧印加回路53は、本発明における第1の帯電粒子発生部に対応する。空気調和装置は、空気調和装置の動作を制御する制御部51を備えており、電圧印加回路52及び電圧印加回路53は制御部51に接続されている。制御部51は、空気調和装置を制御するための演算を行う演算部及び演算に必要なデータを記憶する記憶部を含んで構成されている。捕集部41には、捕集部41で捕集した帯電粒子の合計の電荷量を検出する電荷量検出回路42が接続されている。また、電荷量検出回路42は制御部51に接続されている。更に、制御部51には、時間を計測する計時部54が接続されている。
【0032】
図7は、電荷量検出回路42の内部構成例を示す回路図である。捕集部41は、金属電極であり、メッキ等で形成されている。電荷量検出回路42は、集積回路で構成されたアンプ回路421を備えている。アンプ回路421の入力端子には、捕集部41の電位が入力される。捕集部41が正負の何れにも帯電していない場合は、5Vの定電位を等分した電位が入力される。捕集部41が帯電した場合は、帯電した電荷量に応じて変動した電位が入力される。アンプ回路421の出力端子からは、検出した電荷量を示す検出信号として接地端子との電位差が制御部51へ出力される。制御部51は、電荷量検出回路42から出力された検出信号を受け付ける。
【0033】
図8は、捕集部41が帯電していない状態で電荷量検出回路42から出力される検出信号を示す特性図である。横軸は時間を示し、縦軸は制御部51が受け付けた検出信号の強度を示す。検出信号の強度は電圧で表されており、この電圧はアンプ回路421の出力端子と接地端子との電位差に相当する。静電霧化部2及び空気イオン発生部3のどちらも帯電粒子を発生させていない状態では、捕集部41には帯電粒子が付着することは無く、捕集部41での電荷量はゼロである。この状態では、電荷量検出回路42から出力される検出信号の強度は、初期値の2.5Vを示す。静電霧化部2が負の帯電水粒子を発生した場合は、負の帯電水粒子が捕集部41に付着し、捕集部41は負に帯電し、捕集部41の電位は負側に変化する。このとき、検出信号の強度も負側に変化する。また、空気イオン発生部3が正の空気イオンを発生した場合は、正の空気イオンが捕集部41に付着し、捕集部41は正に帯電し、捕集部41の電位は正側に変化する。このとき、検出信号の強度も正側に変化する。
【0034】
次に、空気調和装置の動作を説明する。図9は、実施の形態1に係る空気調和装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。送風機15が空洞17から空気を吸入して通流路14へ放出することにより、空気調和装置は、吸入口13から空気を吸入して放出口12から放出している。制御部51は、まず、電荷量検出回路42をオンさせる(S11)。制御部51は、次に、静電霧化部2及び電圧印加回路52に、負の帯電水粒子の発生を開始させる(S12)。以後、電圧印加回路52は、ペルチェ素子23へ電力を供給し、放電電極21と円環電極22との間に電圧を断続的に印加する。静電霧化部2は、断続的に負の帯電水粒子を発生させる。
【0035】
図10は、実施の形態1に係る空気調和装置の動作中に電荷量検出回路42から出力される検出信号を示す特性図である。電荷量検出回路42は検出信号を出力し、制御部51は検出信号を取得する。捕集部41、電荷量検出回路42及び制御部51は、本発明における第1取得部に対応する。電荷量検出回路42がオンした段階では、検出信号の強度は、初期値の2.5Vを示す。負の帯電水粒子の発生が開始された後は、捕集部41に負の帯電水粒子が付着して負に帯電するので、検出信号の強度は負側へ変化する。負の帯電水粒子の発生が継続するに従って、検出信号の強度は継続的に負側へ変化する。検出信号の強度の初期値から負側への変化量は、空気調和装置から放出する空気中に含まれる負の帯電粒子の量に対応するデータ量である。
【0036】
制御部51は、次に、電荷量検出回路42から出力された検出信号の強度の初期値から負側への変化量が予め定められた変化量V1 以上になったか否かを判定する(S13)。初期値から負側への変化量V1 は、本発明における第1の設定量に対応する。V1 の値は予め制御部51に記憶されている。V1 の値は本発明における開始設定量であり、例えば2.0Vである。なお、空気調和装置は、空気中に含まれる負の帯電粒子の量に対応するデータ量として、検出信号の強度の変化量では無く検出信号の強度値を用いた形態であってもよい。
【0037】
検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 未満である場合は(S13:NO)、制御部51は、検出信号の強度の変化量の判定を繰り返す。検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 以上である場合は(S13:YES)、制御部51は、電荷量検出回路42をオフにする(S14)。検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 以上になった状態は、負の帯電水粒子の発生によって、空気調和装置から放出する空気中に負の帯電粒子が過剰に含まれている状態である。このとき、空気調和装置から放出した空気が衝突する物体は、負に帯電する。図10に示すように、検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 になった場合は、電荷量検出回路42がオフになり、検出信号の強度はゼロになる。図10には、検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 になるまでの時間をt1 で示している。
【0038】
制御部51は、次に、空気イオン発生部3及び電圧印加回路53に、正の空気イオンの発生を開始させる(S15)。電圧印加回路53は、放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加し、空気イオン発生部3は空気イオンを発生させる。制御部51は、次に、計時部54が計測する時間に基づいて、正の空気イオンの発生を開始してから、予め定められた時間t2 が経過したか否かを判定する(S16)。正の空気イオンの発生を開始してから経過する時間t2 は、本発明における停止設定量に対応する。t2 の値は予め制御部51に記憶されている。例えば、t1 の値は10秒であり、t2 の値は5秒である。正の空気イオンの発生を開始してからまだ時間t2 が経過していない場合は(S16:NO)、制御部51は、経過時間の判定を繰り返す。正の空気イオンの発生を開始してから時間t2 が経過した場合は(S16:YES)、制御部51は、空気イオン発生部3及び電圧印加回路53に、正の空気イオンの発生を停止させる(S17)。具体的には、制御部51は、電圧印加回路53に電圧の印加を中止させる。制御部51は、次に、電荷量検出回路42をオンさせる(S18)。
【0039】
図10に示すように、検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 以上になってから時間t2 の間は、電荷量検出回路42がオフになっているので、検出信号の強度はゼロである。空気イオン発生部3及び電圧印加回路53は、単位時間当たりに静電霧化部2が発生させる負の帯電水粒子よりも多くの正の空気イオンを発生させるように構成されている。時間t2 の間は、負の帯電水粒子に加えて正の空気イオンが発生しているので、空気調和装置から放出する空気中に正の帯電粒子が増加し、負の帯電粒子が過剰な状態が徐々に解消される。検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 以上になってから経過した時間は、空気調和装置から放出する空気中に含まれる正の帯電粒子の量に対応するデータ量である。時間t2 の値は、空気調和装置から放出する空気中の正と負との帯電粒子の量が同等になるまでの時間に予め定められている。時間t2 経過後に空気調和装置から放出する空気中の正と負との帯電粒子の量が同等になった状態では、空気調和装置から放出した空気が衝突する物体での帯電が解消される。図10に示すように、時間t2 経過後に電荷量検出回路42がオンされた直後は、検出信号の強度は初期値の2.5Vから正側へ変化している。正の空気イオンの発生は停止しているので、検出信号の強度はすぐに初期値へ戻り、再度負側へ変化していく。
【0040】
制御部51は、次に、処理を終了するか否かを判定する(S19)。ステップS19では、例えば、制御部51は、図示しない操作部を使用者が操作することによって処理終了の指示が入力された場合に、処理を終了すると判定する。また例えば、制御部51は、予め指定された終了時刻になった場合に、処理を終了すると判定する。まだ処理を終了しないと判定した場合は(S19:NO)、制御部51は、処理をステップS13へ戻す。処理を終了すると判定した場合は(S19:YES)、制御部51は、送風機15、静電霧化部2、電圧印加回路52、空気イオン発生部3、電圧印加回路53及び電荷量検出回路42等の空気調和装置の各部を停止させ、処理を終了する。
【0041】
以上詳述した如く、空気調和装置は、負の帯電水粒子を含む空気を放出し、空気中の負の帯電粒子の量がある程度の量に達した場合に、正の空気イオンを発生させ、負の帯電水粒子及び正の空気イオンを含む空気を放出する。空気調和装置は、空気中の正の帯電粒子の量がある程度の量に達した場合に、正の空気イオンの発生を停止する。これにより、空気調和装置は、空気中の正と負との帯電粒子の量が同等になるように、放出する空気中の帯電粒子の量を調整することができる。従って、空気調和装置は、放出した空気が衝突する物体が帯電することを抑制することが可能となる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、負の帯電水粒子を継続的に発生させ、必要に応じて正の空気イオンを発生させる形態を示したが、空気調和装置は、正の空気イオンを継続的に発生させ、必要に応じて負の帯電水粒子を発生させる形態であってもよい。この形態においても、同様の処理を実行することにより、放出する空気中の帯電粒子の量を調整することができ、放出した空気が衝突する物体が帯電することを抑制することが可能となる。
【0043】
また、以上の実施の形態においては、負の帯電粒子の量に対応するデータ量として、電荷量検出回路42からの検出信号の強度の初期値から負側への変化量を用い、正の帯電粒子の量に対応するデータ量として経過時間を用いる形態を示したが、空気調和装置は、その他の形態であってもよい。例えば、空気調和装置は、負の帯電粒子の量に対応するデータ量として、電荷量検出回路42からの検出信号が初期値から負側へ変化し始めて以降に経過した時間を用いる形態でもよい。この形態の場合は、制御部51は、ステップS13で、検出信号が初期値から負側へ変化し始めて以降に予め定められた時間t1 が経過したか否かを判定する処理を行う。また例えば、空気調和装置は、正の帯電粒子の量に対応するデータ量として、電荷量検出回路42からの検出信号の強度の初期値から正側への変化量を用いる形態でもよい。この形態では、制御部51は、ステップS14での電荷量検出回路42のオフを行わない。また、ステップS16では、制御部51は、検出信号の強度が変化して初期値から正側へ変化した変化量が、予め定められた値以上になったか否かを判定する処理を行う。また、空気調和装置は、空気中に含まれる正の帯電粒子の量に対応するデータ量として、検出信号の強度値を用いた形態であってもよい。
【0044】
また、空気調和装置は、電荷量検出回路42から出力された検出信号を、放出する空気中の正及び負の帯電粒子の相対量に対応するデータ量として用いた形態であってもよい。この形態では、制御部51は、電荷量検出回路42から出力された検出信号の強度を所定の範囲に収めるべく、PID制御等の手法により、検出信号の強度に基づいて、負の帯電水粒子及び正の空気イオンを発生させる時間を制御する。この形態においては、空気調和装置は、放出する空気中の正味の電荷量を調整し、放出した空気が衝突する物体が帯電することを抑制することが可能である。
【0045】
また、以上の実施の形態においては、正の帯電粒子として正の空気イオンを用い、負の帯電粒子として負の帯電水粒子を用いる形態を示したが、空気調和装置は、その他の形態であってもよい。例えば、空気調和装置は、正の帯電粒子として正の帯電水粒子を用い、負の帯電粒子として負の空気イオンを用いる形態であってもよい。また例えば、空気調和装置は、正の帯電粒子として正の空気イオンを用い、負の帯電粒子として負の空気イオンを用いる形態であってもよい。また例えば、空気調和装置は、正の帯電粒子として正の帯電水粒子を用い、負の帯電粒子として負の帯電水粒子を用いる形態であってもよい。
【0046】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、空気調和装置が負の帯電水粒子と正の空気イオンとを交互に発生させる形態を示す。空気調和装置の内部の構成は、実施の形態1と同様である。図11は、実施の形態2に係る空気調和装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。空気調和装置は、送風機15により、吸入口13から空気を吸入して放出口12から放出している。制御部51は、まず、電荷量検出回路42をオンさせる(S21)。制御部51は、次に、正の空気イオンの発生を停止した状態で、静電霧化部2及び電圧印加回路52に、負の帯電水粒子の発生を開始させる(S22)。制御部51は、次に、電荷量検出回路42から出力された検出信号の強度の初期値から負側への変化量が予め定められた変化量V1 以上になったか否かを判定する(S23)。V1 の値は本発明における第1の設定量である。
【0047】
検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 未満である場合は(S23:NO)、制御部51は、検出信号の強度の変化量の判定を繰り返す。検出信号の強度の初期値から負側への変化量がV1 以上である場合は(S23:YES)、制御部51は、電荷量検出回路42をオフにする(S24)。制御部51は、次に、静電霧化部2及び電圧印加回路52に負の帯電水粒子の発生を停止させ、空気イオン発生部3及び電圧印加回路53に、正の空気イオンの発生を開始させる(S25)。制御部51は、次に、計時部54が計測する時間に基づいて、正の空気イオンの発生を開始してから、予め定められた時間t2 が経過したか否かを判定する(S26)。t2 の値は、本発明における第2の設定量に対応する。正の空気イオンの発生を開始してからまだ時間t2 が経過していない場合は(S26:NO)、制御部51は、経過時間の判定を繰り返す。正の空気イオンの発生を開始してから時間t2 が経過した場合は(S26:YES)、制御部51は、空気イオン発生部3及び電圧印加回路53に正の空気イオンの発生を停止させ、静電霧化部2及び電圧印加回路52に負の帯電水粒子の発生を開始させる(S27)。制御部51は、次に、電荷量検出回路42をオンさせる(S28)。
【0048】
制御部51は、次に、処理を終了するか否かを判定する(S29)。まだ処理を終了しないと判定した場合は(S29:NO)、制御部51は、処理をステップS23へ戻す。処理を終了すると判定した場合は(S29:YES)、制御部51は、送風機15、静電霧化部2、電圧印加回路52、空気イオン発生部3、電圧印加回路53及び電荷量検出回路42等の空気調和装置の各部を停止させ、処理を終了する。
【0049】
以上の処理により、本実施の形態においても、空気調和装置は、空気中の正と負との帯電粒子の量が同等になるように、放出する空気中の帯電粒子の量を調整することができ、放出した空気が衝突する物体が帯電することを抑制することが可能となる。なお、空気調和装置が負の帯電水粒子と正の空気イオンとを発生させる順番は逆であってもよい。また、空気調和装置は、正の帯電水粒子と負の空気イオンとを用いる形態であってもよい。また、空気調和装置は、正及び負の帯電水粒子を用いる形態であってもよく、正及び負の空気イオンを用いる形態であってもよい。
【0050】
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係る空気調和装置の電気的構成を示すブロック図である。静電霧化部2と電圧印加回路52との間には、静電霧化部2で負の帯電水粒子を発生させる際に流れる電流を検出する電流検出部55が設けられている。電流検出部55は、制御部51に接続されている。空気調和装置のその他の構成は実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図13は、電流検出部55の内部構成例を示す回路図である。電流検出部55は、集積回路で構成されたアンプ回路551を備えている。電圧印加回路52から静電霧化部2の放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加するための電力線の途中に、抵抗が設けられており、抵抗の両端がアンプ回路551のプラス入力端子とマイナス入力端子とに接続されている。電圧印加回路52が放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加した場合に流れる電流に対応する電流がアンプ回路551へ入力される。アンプ回路551の出力端子は、制御部51に接続されており、電圧印加回路52が放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加した電流に対応する電流が検出信号として制御部51へ出力される。制御部51は、電流検出部55から出力された検出信号を受け付ける。
【0052】
図14は、実施の形態3に係る空気調和装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。空気調和装置は、送風機15により、吸入口13から空気を吸入して放出口12から放出している。制御部51は、静電霧化部2及び電圧印加回路52に、負の帯電水粒子の発生を開始させる(S31)。以後、電圧印加回路52は、ペルチェ素子23へ電力を供給し、放電電極21と円環電極22との間に電圧を断続的に印加する。静電霧化部2は、断続的に負の帯電水粒子を発生させる。ステップS31以降、制御部51は、電流検出部55から出力された検出信号に基づいて、静電霧化部2で負の帯電水粒子が発生した回数をカウントする処理を行う。
【0053】
図15は、実施の形態3に係る空気調和装置の動作中に電流検出部55から出力される検出信号を示す特性図である。横軸は時間を示し、縦軸は制御部51が受け付けた検出信号の強度を示す。検出信号の強度は電流で表されており、この電流は電圧印加回路52が放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加した電流に対応する。電圧印加回路52が放電電極31と誘導電極32との間に電圧を印加した場合、マイナスの電流が検出信号として得られる。負の帯電水粒子が発生するときには、放電電極31と誘導電極32との間に放電が発生し、瞬間的に大電流が流れる。制御部51には、大電流を検出するために予め定められた大電流の絶対値の下限値I1 が記憶されている。例えば、I1 の値は500μAである。検出信号の絶対値がI1 を超えた場合は、放電電極31と誘導電極32との間に放電が発生して大電流が流れ、負の帯電水粒子が発生したことになる。即ち、負の帯電水粒子が発生する都度、検出信号の絶対値は瞬間的にI1 を超えることになる。制御部51は、受け付けた検出信号の絶対値がI1 を超えた回数をカウントすることにより、負の帯電水粒子が発生した回数をカウントする。
【0054】
制御部51は、次に、負の帯電水粒子が発生した回数のカウント数が予め定められた閾値以上となったか否かを判定する(S32)。負の帯電水粒子が発生した回数のカウント数が閾値に達していない場合は(S32:NO)、制御部51は、カウントを続行する。負の帯電水粒子が発生した回数のカウント数が閾値以上になった場合は(S32:YES)、制御部51は、空気イオン発生部3及び電圧印加回路53に、正の空気イオンの発生を開始させる(S33)。制御部51は、次に、計時部54が計測する時間に基づいて、正の空気イオンの発生を開始してから、予め定められた時間t2 が経過したか否かを判定する(S34)。正の空気イオンの発生を開始してからまだ時間t2 が経過していない場合は(S34:NO)、制御部51は、経過時間の判定を繰り返す。正の空気イオンの発生を開始してから時間t2 が経過した場合は(S34:YES)、制御部51は、空気イオン発生部3及び電圧印加回路53に、正の空気イオンの発生を停止させる(S35)。
【0055】
制御部51は、次に、処理を終了するか否かを判定する(S36)。まだ処理を終了しないと判定した場合は(S36:NO)、制御部51は、処理をステップS32へ戻し、ステップS36以降に負の帯電水粒子が発生した回数をカウントする処理を行う。処理を終了すると判定した場合は(S36:YES)、制御部51は、送風機15、静電霧化部2、電圧印加回路52、空気イオン発生部3、電圧印加回路53及び電荷量検出回路42等の空気調和装置の各部を停止させ、処理を終了する。
【0056】
以上詳述した如く、本実施の形態においても、空気調和装置は、空気中の正と負との帯電粒子の量が同等になるように、放出する空気中の帯電粒子の量を調整することができる。従って、空気調和装置は、放出した空気が衝突する物体が帯電することを抑制することが可能となる。
【0057】
(実施の形態4)
図16は、実施の形態4に係る空気調和装置の外観の例を示す模式的斜視図である。空気調和装置は、ハウジング11外にリモートコントローラ4を備えている。リモートコントローラ4は、使用者が操作することによって、処理の開始又は停止等の指示を入力するためのものである。ハウジング11の構造、及びハウジング11の内部に納められた空気調和装置の各部の構造は、実施の形態1と同様である。
【0058】
図17は、実施の形態4に係る空気調和装置の電気的構成を示すブロック図である。リモートコントローラ4は、捕集部41及び電荷量検出回路42を備えている。捕集部41及び電荷量検出回路42の機能は実施の形態1と同様であり、電荷量検出回路42は、捕集部41で捕集した帯電粒子の合計の電荷量を示す検出信号を出力する。電荷量検出回路42には、信号を無線で送受信する送受信部43が接続されている。送受信部43は、電荷量検出回路42から出力された検出信号を、リモートコントローラ4外へ送信する。ハウジング11の内部に設けられた制御部51には、信号を無線で送受信する送受信部56が接続されている。送受信部56は、リモートコントローラ4から送信された検出信号を受信し、制御部51へ入力する。制御部51は、入力された検出信号に従って、実施の形態1と同様の処理を実行する。
【0059】
本実施の形態においても、制御部51がリモートコントローラ4からの検出信号に従って実施の形態1と同様の処理を実行することにより、空気調和装置は、空気中の正と負との帯電粒子の量が同等になるように、放出する空気中の帯電粒子の量を調整することができる。捕集部41は、ハウジング11外に存在するので、放出口12から放出された空気に含まれる帯電粒子を捕集する。このため、空気調和装置は、ハウジング11外の空気に含まれる電荷量を検出することができ、ハウジング11外の空気に含まれる電荷量を調整するべく帯電粒子の量を調整することができる。従って、空気調和装置は、ハウジング11外に放出した空気が衝突する物体が帯電することをより効果的に抑制することが可能となる。
【0060】
なお、以上の実施の形態1〜4においては、空気調和装置が空気清浄機の形をとった例を示したが、本発明の空気調和装置は、空気清浄機に限定されるものでは無く、その他の形態であってもよい。例えば、空気調和装置は、エアコンディショナー又は加湿機であってもよい。また例えば、空気調和装置は、冷蔵庫等の他の電気機器に内蔵された形態であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
11 ハウジング
12 放出口
13 吸入口
14 通流路
15 送風機
2 静電霧化部
3 空気イオン発生部
4 リモートコントローラ
41 捕集部
42 電荷量検出回路
43 送受信部
51 制御部
52、53 電圧印加回路
54 計時部
55 電流検出部
56 送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電粒子を空気中に発生させる手段を備え、該手段が発生させた帯電粒子を含む空気を放出する空気調和装置において、
正の帯電粒子を発生させる第1の帯電粒子発生部と、
負の帯電粒子を発生させる第2の帯電粒子発生部と、
空気中の正及び負の帯電粒子の量に対応するデータ量を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した前記データ量に応じて、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部での帯電粒子の発生量を個別に調整する調整手段と
を備えることを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記取得手段は、
空気中の正及び負の帯電粒子の量に対応するデータ量を夫々に取得する手段を有し、
前記調整手段は、
前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部の内、一方の帯電粒子発生部に継続的に帯電粒子を発生させる手段と、
前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた開始設定量となった場合に、他方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を開始させる手段と、
前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた停止設定量となった場合に、前記他方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させる手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
空気中の正及び負の帯電粒子の量に対応するデータ量を夫々に取得する手段を有し、
前記調整手段は、
前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部の内、一方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させ、他方の帯電粒子発生部に帯電粒子を発生させる手段と、
前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた第1の設定量となった場合に、前記他方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させ、前記一方の帯電粒子発生部に帯電粒子を発生させる手段と、
前記取得手段が取得した空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量が、予め定められた第2の設定量となった場合に、前記一方の帯電粒子発生部に帯電粒子の発生を停止させ、前記他方の帯電粒子発生部に帯電粒子を発生させる手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記取得手段は、
前記第1の帯電粒子発生部又は前記第2の帯電粒子発生部が帯電粒子を発生させた時間を計測する手段と、
該手段が計測した前記時間を、空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量として取得する手段と
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記取得手段は、
前記第1の帯電粒子発生部又は前記第2の帯電粒子発生部が帯電粒子を発生させた回数を計測する手段と、
該手段が計測した前記回数を、空気中の前記帯電粒子の量に対応するデータ量として取得する手段と
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記取得手段は、
空気中の粒子を捕集する捕集手段と、
該捕集手段が捕集した粒子の電荷量を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した前記電荷量を、空気中の正又は負の帯電粒子の量に対応するデータ量として取得する手段と
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記取得手段は、
空気中の粒子を捕集する捕集手段と、
該捕集手段が捕集した粒子の電荷量を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した前記電荷量を、空気中の正及び負の帯電粒子の相対量に対応するデータ量として取得する手段とを有し、
前記調整手段は、
前記取得手段が取得した前記データ量が予め定められた範囲内に収まるように、前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部の夫々での帯電粒子の発生量を制御する手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記第1の帯電粒子発生部及び前記第2の帯電粒子発生部を内部に納めており、帯電粒子を含む空気を放出する放出口を有するハウジングを更に備え、
前記捕集手段及び前記検出手段は、前記ハウジングの外側に配置されてあること
を特徴とする請求項6又は7に記載の空気調和装置。
【請求項9】
前記第1の帯電粒子発生部は、コロナ放電により正の空気イオンを発生する構成としてあり、
前記第2の帯電粒子発生部は、静電霧化現象により負の帯電水粒子を発生する構成としてあること
を特徴とする請求項1から8までの何れか一つに記載の空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−48866(P2013−48866A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189956(P2011−189956)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】