説明

空缶圧縮器

【課題】従来の空缶圧縮器は、梃子の原理を充分に発揮できないという問題があった。これは、押圧板と台座との要である支軸際に空缶の載置を不可能とするからである。
【解決手段】L字状に折曲し、形成された外角面を空缶の押圧部とする操作板と、L字状に折曲し、形成された内角面を空缶の載置部とする台座の一端側に回動支軸を介して、前記操作板の一端を枢支構成した空缶圧縮器において、支軸際に形成した押圧部と載置部とが梃子の力を充分に発揮すると共に三方向から空缶を嵌合し滑脱を抑止できる、また台座に形成した凹部の突起が果実類の表皮を貫通し果汁を抽出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空缶の圧縮及び果実類の果汁抽出に適した「空缶圧縮器」に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空缶圧縮器には、台座の一端側に回動支軸を介して操作板の一端を枢支構成したものが開示されている゜(例えば、実登文献1参照。)。この技術による空缶の圧縮操作手順を記述すると、擺動自在の操作板を傾動開口させた後、空缶を台座へ載置する、次ぎに操作板を閉口して台座に載置された空缶を押圧し圧縮を成すものである。
【0003】
また、前記従来技術においては、空缶等の滑脱防止策として台座の上部及び押圧板の下部に突起を設けたものもある゜(例えば、公開特許広報1参照。)。
【0004】
以下、図9、図10に示したように従来の空缶縮器について説明する。
1は空缶12を載置する台座で一端側に回動支軸6a設けている、3は空缶12を押圧する操作板であって、一端側に回動支軸部6bと基端側に把手5を設けている、すなわち従来の空缶縮器は、前記台座1の回動支軸6aを介して前記操作板3の回動支軸部6bを枢支構成されたものである。
【0005】
【実登文献1】
登録実用新案広報第3042666号
【公開特許広報1】
特開平9−19796
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた従来の空缶圧縮器は、梃子の原理を充分に発揮できないという問題があった゜これは、台座と操作板との要である支軸際に空缶の載置が不可能とするからである。
【0007】
梃子の力は空缶の載置点によって異なるものである゜そこで図9に示したように操作板及び台座を支軸方向からA点,B点,C点,D点,E点に5分割した結果、空缶はB点及びC点の中間へ載置せることが実証されたのである。
【0008】
従って、操作板の押圧力は70%前後しか発揮できず、30%程度の押圧力を喪失していることになる。
【0009】
すなわち、この技術による作業は相当の押圧力を要するものであって、実際は押圧板を足で踏み込んで行っていた゜従って、このような立ち座りの繰り返し作業は、体力の弱い者が行うには適さないものである。
【0010】
また、従来の技術では空缶が円筒形であるため滑脱し易いものであった。
【0011】
本発明は、このような従来の技術が有している問題を解決しようとするものであり、操作板の押圧力を充分に発揮することと、空缶の滑脱抑止機構を備えた空缶圧縮器の実現を目的とするものである。
【0012】
さらに、果実類の果汁抽出機能の実現を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記目的を達成するために、L字状に折曲し、形成された内角面を空缶の載置部とする台座とL字状に折曲し、形成された外角面を空缶の押圧部とする操作板とが、前記台座の一端側に回動支軸を介して、前記操作板の一端を枢支構成したものである。
【0014】
また、台座の上面側に果実類を載置する凹部を形成し、その凹部中央に突起を設けると共に前記凹部の底面に果汁注出孔を構成したものである。
【0015】
また、台座の底面側に四本の張出自在なる台脚を設け構成したものである。
【0016】
また、操作板は突起受入孔を設け構成したものである。
【0017】
上記課題の解決手段による作用は次ぎの通りである。本発明の空缶圧縮器は操作板を擺動開口した状態で長手方向側面より目視すると載置部と押圧部が三角形を構成することが解る。
【0018】
すなわち、L字状に折曲形成された台座とL字状に折曲形成された操作板との機構によって梃子の力を充分に発揮することができる。
【0019】
また、L字状に形成した台座の内角面とL字状に形成した操作板の外角面とが三方向から空缶を確実に嵌合するために、空缶の滑脱抑止効果を充分に発揮するものである。
【0020】
また、台座に形成された凹部中央に設けた突起によって、果実類の表皮を貫通して果汁を抽出することができる。
【0021】
また、台座と操作板が閉口状態において、凹部中央の突起は操作板に設けた突起受入孔へ挿入される、したがって操作板と台座は離間することなく密着できる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように本発明の空缶圧縮器は、操作板を擺動開口した状態で長手方向側面より目視すると載置部と押圧部が三角形を構成することが解る、この機構が前記台座の内角面である載置部と前記操作板の外角面である押圧部とが確実に空缶を嵌合すると共に梃子の力を充分に発揮して、目的とする空缶の滑脱抑止と極めて操作し易い空缶圧縮器を提供できる。
【0023】
また、凹部の中央に設けた突起が果実類の表皮を貫通し、果汁を抽出するものである。
【0024】
また、台座に設けた台脚によって、前期台座の下方に容器を載置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を図1〜8に基づい説明する。
【0026】
図に示したように、1は台座でL字状に折曲し、形成された内角面を空缶12の載置部2とすると共に一端側に回動支軸6aと前記台座1の底面側に張出自在とする台脚7を設けている。
【0027】
8は果実類13を載置する凹部で台座1の上面側に形成し、前記凹部8の中央に突起10を設けると共に前記凹部の8底面に果汁注出孔9を設けている。
【0028】
3は空缶12を押圧する操作板でL字状に折曲し、形成された外角面を押圧部4とすると共に一端側に回動支軸部6bと前記操作板3の基端側に把手5を設けている。
【0029】
11は、突起受入孔で操作板3に設けている。
【0030】
14は容器である。
【0031】
以上のように、台座1の一端側に回動支軸6aを介して、操作板3の一端側の回動支軸部6bを枢支したものであって、台座1に対して操作板3を擺動開口した状態を長手方向側面より目視すると2の載置部と4の押圧部が三角形を構成していることが解る。
【0032】
以下、上記構成の動作を説明する。擺動自在の操作板3を傾動開口して空缶12を台座1へ載置する、そして操作板3を閉口して前記台座1に載置された空缶12の圧縮を成すものであるが、L字状に形成した前記台座1と前記操作板3とが空缶12を三方向から確実に嵌合して梃子の力を充分に発揮すると共に空缶12の滑脱を抑止することができる。
【0033】
果汁の抽出は、図5の実施例2のように台座1に設けた台脚7を張出して果汁注出孔9の下方へ容器14を載置する、次ぎに操作板3を傾動開口して台座1に形成された凹部8に果実類13を載置する、次ぎに前記操作板3を閉口押圧して前記凹部8に設けた突起10が果実類13の表皮を貫通すると果汁が抽出される、そして果汁注出孔9から容器14へ受入するものである。
すなわち、本実施形態によれば空缶の圧縮と果汁抽出に極めて効果的な機能を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施例1を示した斜視図である。
【図2】実施例1を示した側面図である。
【図3】押圧板3を示した斜視図である。
【図4】台座1を示した斜視図である。
【図5】実施例2を示した側面図である。
【図6】台座1の切りだし拡大図である。
【図7】操作板3を示した側面図である。
【図8】台座1を示した側面図である。
【図9】従来の空缶圧縮器の実施例を示した側面図である。
【図10】従来の空缶圧縮器の実施例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1:台座
2:載置部
3:操作板
4:押圧部
5:把手
6a:回動支軸
6b:回動支軸部
7:台脚
8:凹部
9:果汁注出孔
10:突起
11:突起受入孔
12:空缶
13:果実類
14:容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
L字状に折曲し、形成された外角面を空缶の押圧部とする操作板と、L字状に折曲し、形成された内角面を空缶の載置部とする台座の一端側に回動支軸を介して、前記操作板の一端を枢支構成したことを特徴とする空缶圧縮器。
【請求項2】
上面側に果実類を載置する凹部を形成し、その凹部中央に突起を設けると共に前記凹部の底面に果汁注出孔を設けた台座と突起受入孔を設けた操作板とが前記台座の一端側に回動支軸を介して前記操作板の一端を枢支構成したことを特徴とする請求項1記載の空缶圧縮器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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