説明

空芯ステッピングモータ及びレンズ装置

【課題】 より高出力を得ることができるなどの利点を有するステッピングモータとこのモータを使用したレンズ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 レンズ装置1は、固定筒12と、該移動筒と相対回動可能に設けられた駆動筒、を有する鏡筒10と、駆動筒を回転駆動するステッピングモータ20と、を備える。モータ20は、筒状ステータ30と、同ステータの外周に配置された筒状ロータ40と、を備え、ステータ30の複数の極歯が、ロータ40のマグネットの内周面に対向している。ステータ30は固定筒12の外周面に固定され、ロータ40は、ステータ30の外周において、ベアリング49、53により固定筒12に回転可能に支持されている。ロータ40が外周側に配置されているので、インナーロータ型の同サイズのモータに比べ、出力モーメントを高くできる。また、極歯の面積を広くできる。これらのことから、高出力が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウターロータ型の空芯ステッピングモータと、このモータを使用したレンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラやビデオカメラにおけるレンズ装置として、レンズ鏡筒内に配置されたレンズを、空芯モータを使用して光軸方向に移動させるタイプのものがある。レンズ鏡筒は、例えば、レンズを保持し、光軸方向に直進運動する移動筒と、この移動筒の内側に回転可能に設けられた駆動筒と、を有し、移動筒と駆動筒の一方にはカムが設けられ、もう一方にはこのカムが嵌合するカム溝が設けられた構造を有する。駆動筒を回転駆動させることにより移動筒が光軸方向に移動し、ズーム及びフォーカス操作を行う。この駆動筒を回転させるために、空芯モータが使用される。
【0003】
空芯モータは中空状であるので、モータの回転軸が鏡筒の光軸と一致するように配置すれば、その中空部にレンズやシャッタを配置することができる。さらに、モータの回転運動を直接駆動筒の回転に伝えることができる。また、外付けのモータのように、鏡筒から外側に突出するような部分がないので、コンパクトになる 。
【0004】
このような空芯モータとして、超音波モータを使用したレンズ鏡筒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ただし、超音波モータはモータ効率が比較的低く、高価な材料を使用するためコストがアップするなどの問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−158054
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、空芯ステッピングモータとこのモータを使用したレンズ装置を提供することを目的とする。さらには、より高出力を得ることができる、加工が容易であるなどの利点を有する空芯ステッピングモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の空芯ステッピングモータは、 複数の極歯を有するヨーク及びコイルを含む筒状のステータと、 該ステータの外周に配置された、円筒状のマグネットを含む筒状のロータと、を備え、 前記ヨークの複数の極歯が、前記マグネットの内周面に対向して配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ロータが外周側に配置されている(アウターロータ型)ので、ロータと被駆動装置の外周側可動部とを簡単な機構で連結することができる。その場合には、ロータの回転を可動部に伝達するためのギアやベルトなどの連結部材を不要とすることもできる。また、ロータが内周側に配置されている(インナーロータ型)、外径が同じサイズのモータに比べると、ロータが回転中心に対して外側に位置するため、出力モーメントを高くできる。また、マグネットと対向する極歯の面積を広くできる。これらのことから、高出力が可能となる。
【0009】
さらに、極歯が外周側にあるので、ステータの製作が容易であるとともに、金型費を安くできる。
この点について、図6を参照して説明する。
図6は、ステータの製作方法の一例を模式的に説明する図である。
図6(A)に示すように、極歯Cが内周側にある場合は、図6(B)に示すように、ステータの径によっては平面的に展開した場合に極歯Cの先端が重なる。そこで、図6(C)に示すように、平板の極歯Cとなる部分をまず絞り加工する必要がある。一方、極歯が外周側にある場合は、図6(D)に示すように平面的に展開できるので、この絞り加工が不要である。
【0010】
本発明においては、 前記コイルを構成する巻線の両端が、前記ステータの中空部へ引き出され、該中空部内を通って電源に接続されることとすれば、内周側のステータコイルへの配線を、ロータに干渉することなくスッキリと導くことができる。
【0011】
本発明においては、 前記コイルの無通電時に、前記ロータを前記ステータに対して回転不能に保持する摩擦ブレーキ機構を備えることが好ましい。
【0012】
ステッピングモータにおいては、コイルに通電していない場合、ロータはディテントトルクだけの保持となり、このディテントトルクとレンズの重量とのバランスにより回転自在の状態となる。そこで、摩擦ブレーキ機構を備えることにより、コイルへの無通電時にもロータを回転しないように保持することができる。同時に、無通電保持が可能なため、通電保持力が不要となり電力消費を低く抑制できる。
【0013】
さらに、本発明においては、 前記摩擦ブレーキ機構が、 前記ロータの端面に当てられる摩擦ディスクと、 該摩擦ディスクを前記ロータの端面に摩擦をもって接触させる、前記ステータ又はその収容されたケーシングに固定された付勢手段と、を備え、 前記ロータの端面と前記押えディスクとの摩擦により、前記ロータを前記ステータ又ケーシングに対して回転不能に保持することをとできる。
【0014】
摩擦ディスクをロータの端面に接触させておくことにより、ロータを静止摩擦により回転しないように保持できる。なお、ロータの回転時は、モータのトルクにより静止摩擦から脱出して回転が始まる。静止摩擦を低下及び安定化するために、ロータの端面に、例えば、レコード状の環状突起を設けておく。詳しくは図1や図3を参照して後述するが、押えディスク63や波ワッシャ64をさらに設けることにより、摩擦力を調整することができる。
【0015】
本発明のレンズ装置は、 内部にレンズを収容し光軸方向に進退する移動筒、及び、該移動筒と相対回動可能に設けられた駆動筒、を有し、前記移動筒と駆動筒の一方にはカムが設けられており、もう一方には該カムが嵌合するカム溝が設けられた鏡筒と、 前記駆動筒を回転駆動する手段と、を備え、前記駆動筒を回転駆動させることにより、前記移動筒を進退させるレンズ装置であって、 前記回転駆動手段が、 複数の極歯を有するヨーク及びコイルを含む筒状のステータと、 該ステータの外周に配置された、円筒状のマグネットを含む筒状のロータと、を備え、 前記ヨークの複数の極歯が、前記マグネットの内周面に対向して配置されている空芯ステッピングモータであることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、モータの回転軸を鏡筒の光軸と一致するように配置すれば、その中空部にレンズやシャッタを配置することができる。さらに、モータの回転運動を直接鏡筒に伝えることができる。また、外付けのモータのように、鏡筒から外側に突出するような部分がないので、コンパクトになる。さらには、インナーロータ型の外径が同サイズのモータに比べると、ロータが回転中心に対して外側に位置するため、出力モーメントを高くできる。また、マグネットと対向する極歯の面積を広くできる。これらのことから、モータの高出力が可能となる
【0017】
本発明のレンズ装置の具体的態様は、 内部にレンズを収容し光軸方向に進退する移動筒、及び、該移動筒と相対回動可能に設けられた駆動筒、を有し、前記移動筒と駆動筒の一方にはカムが設けられており、もう一方には該カムが嵌合するカム溝が設けられた鏡筒と、 前記駆動筒を回転駆動する手段と、を備え、前記駆動筒を回転駆動させることにより、前記移動筒を進退させるレンズ装置であって、 前記回転駆動手段が、 筒状のステータと、同ステータの外周に配置された筒状のロータと、該ロータを前記移動筒に対して回転可能に支持する手段と、を備えた空芯ステッピングモータであって、 前記ステータが、 複数の極歯を有するステータヨークと、 コイルと、を有し、 前記ロータが、 円筒状のマグネットと、 該マグネットの外周に配置されたバックヨークと、 前記マグネット及びバックヨークが収容され、前記駆動筒と連結する連結部材を備えたブラケットと、を有し、 さらに、前記ヨークの複数の極歯が、前記マグネットの内周面に対向して配置されている空芯ステッピングモータであり、 前記ステータが前記移動筒の外周面に固定され、前記ロータが、前記ステータの外周において、前記回転支持手段により前記移動筒に回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、 前記コイルの無通電時に、前記ロータを前記ステータに対して回転不能に保持する摩擦ブレーキ機構をさらに備えることとする。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ロータを外周側に配置し、ヨークの極歯がロータの内周面に対向して配置されているようにしたので、インナーロータ型のモータに比べて高出力のステッピングモータを提供できる。さらに、安価に作製できる。そして、超音波モータで駆動されるレンズ鏡筒において、超音波モータに換えてこの空芯ステッピングモータを適用すれば、超音波モータを使用する場合に比べて低コストのレンズ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るレンズ装置の構造を示す分解斜視図である。
【図2】レンズ装置の斜視図である。
【図3】レンズ装置の側断面図である。
【図4】ステータを構成する磁極片を示す斜視図である。
【図5】コイルの銅線の処理方法を説明する図である。
【図6】ステータの製作方法の一例を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1、図2、図3に示すように、レンズ装置1は、鏡筒10と、同鏡筒10内に配置されたレンズを駆動するための空芯ステッピングモータ(回転駆動手段)20とを有する。
【0022】
鏡筒10は、図1に示すように、最も外周側の前鏡筒11と、同前鏡筒11内に配置された固定筒12と、この固定筒12内に配置された駆動筒(図示されず)と、を有する。固定筒12の内周面にはカムが設けられている。一方、駆動筒の外周面には、カムが嵌合するカム溝が形成されている。この駆動筒を固定筒12に対して回転させることにより、カムがカム溝に沿って案内され、固定筒12が光軸方向に直進する。これにより、レンズが光軸方向の両方向に移動し、ズーム又はフォーカス操作が行われる。
【0023】
次に、図1、図3を主に参照して空芯ステッピングモータ20の構造を説明する。
空芯ステッピングモータ20は、筒状のステータ30と、同ステータ30の外周に配置された筒状のロータ40と、を備える。
【0024】
ステータ30は、軸方向に並んだA相ステータ30AとB相ステータ30Bとを有する。各相ステータは、図3に示すように、2個のクローポール型磁極片31と、コイル32とを有する。磁極片31は、図4に示すように、平らなリング部31aと、リング部31aの外周縁から回転軸方向に延びる複数の三角形状の極歯31bと、リング部31aの内周縁から、極歯31bと同方向に延びる縁部31cを有する。縁部31cの高さは極歯31bの高さよりも低い。
さらに、リング部31aの外周縁には、極歯31bが形成されていない切り欠き部31xが、複数個(この例では4個)形成されている。この切り欠き部31xは、後述するように、コイル32の銅線の引き出し口である。
【0025】
磁極片31において、このように、極歯31bがリング部31aの外周縁から立ち上がるように設けられていると、内周縁から立ち上がるように設けられている場合に比べて、磁極片の加工工程を少なくすることができる。つまり、図6を参照して前述したように、磁極片の径によっては、極歯が内周側にあると、平面的に展開したときに極歯の先端が重なってしまう場合がある。このため、平板の極歯となる部分(中央付近)をまず絞り加工する必要がある。一方、極歯が外周側にある場合は平面的に展開できるので、このような絞り加工が不要である。
【0026】
各相ステータにおいては、2個の磁極片31が、極歯31bが向かい合って交互に、かつ、非接触でかみ合うように配置されている。そして、2個の磁極片31のリング部、極歯、縁部の間に、コイル収容凹部が形成される。A相ステータ30AとB相ステータ30Bとは、磁極片31の極歯31bが1/2ピッチだけ円周方向にずれるように配置されて、接する磁極片31のリング部31a同士がアウトサート成形などによりボビンによって一体に固定されている。ボビンは、樹脂を、各相ステータのコイル収容凹部の外面を覆うとともに極歯の間に充填するように成形したものである。
【0027】
ボビンで覆われた各コイル収容凹部には、銅線が巻き回されてコイル32が形成されている。各コイル32は、ボビンによって各磁極片31から絶縁されている。各銅線の両端の処理については後述する。あるいは、融着用銅線を使って空芯コイルを形成し、絶縁処理を施すことによりボビンレスとすることもできる。
【0028】
ロータ40は、図3に示すように、A相ステータ30A及びB相ステータ30Bの外周面に対向して配置された円筒状のマグネット41と、両マグネット41の外周面が固定される円筒状のバックヨーク42と、を有する。これらは、スリーブ状のブラケット45に収容されている。ブラケット45は、光軸方向に2分割される一対のブラケット片46、51からなり、両ブラケット片46、51は、例えば凹凸結合や接着等により固定される。
【0029】
先側のブラケット片46は、図1に示すように円筒状であり、内周面に円周方向に延びる凹部47が形成されている。この凹部47内に、両マグネット41とバックヨーク42とが収容されている。図1に示すように、ブラケット片46の先側の端面46aには、レコード状の複数の環状突起が形成されている。また、この端面46aには、複数(この例では3個)の凹部が形成されている。凹部は、等しい中心角度(この例では120°)に配置されている。各凹部には、ラジアル方向に回転を支持するベアリング(回転支持手段)49が収容されている。
【0030】
手前側(鏡筒側)のブラケット片51は、リング部51aと、このリング部51aの外周縁から軸方向を鏡筒方向に延びる半円筒部51bを有する。リング部51aには、先側ブラケット片46の手前側の端面が当てられて固定される。また、図1に示すように、リング部51aの外周面には、複数(この例では3個)の凹部が形成されている。凹部は、等しい中心角度(この例では120°)に配置されている。各凹部には、スラスト方向(軸方向)に回転を支持するベアリング(回転支持手段)53が収容されている。さらに、リング部51aの、半円筒部51bが設けられていない部分には、軸方向を鏡筒方向に延びるバー55が形成されている。このバー55は、前述の鏡筒10の駆動筒に連結する。
【0031】
次に、この空芯ステッピングモータ20が鏡筒10の装着された状態について、図3を主に参照して説明する。
ステッピングモータ20は、ステータ30が、鏡筒10の固定筒12の外周面に固定される。ロータ40は、ステータ30の外側に配置され、固定筒12に対して先側及び手前側のベアリング49、53(図1参照)により回転可能に支持される。先側のベアリング49は、固定筒12の外周面に固定された摺動リング52の外周面上を摺動し、ロータ40をラジアル方向において支持する。また、図1に示すように、手前側のベアリング53は、前鏡筒11の環状の段部11a上を摺動し、ロータ40をスラスト方向において支持する。手前側ブラケット51の半円筒部51bには、レンズ仕様が表示されており、前鏡筒11の外周面に被さる(図2も参照)。
【0032】
ステータ30の各コイル32の銅線33は、図5に示すように、いったん各相ステータの磁極片31の外側に引き出され、その後一つにまとめられて、磁極片31の切り欠き部31xを通り、図3に示すように、固定筒12を貫通する孔12aを通って固定筒12内に導かれ、図示せぬフレキ基板などに半田付けされる。このように、内周側に配置されたステータ30のコイル32への配線を、ロータ40に干渉することなく処理できる。
【0033】
さらに、図1、図2及び図3に示すように、鏡筒10の先端部には、コイル32への無通電時に、ロータ40をステータ30に対して回転不能に支持する摩擦ブレーキ機構60が備えられている。
摩擦ブレーキ機構60は、ロータ40の先側ブラケット片46の先端面46aに当てられる摩擦ディスク61と、この摩擦ディスク61を先端面46aに摩擦を持って接触させる付勢手段62とを有する。付勢手段62は、鏡筒10の固定筒12の先端にねじ込みにて固定される押えディスク63と、押えディスク63と摩擦ディスク61との間に配置されて、摩擦ディスク61をブラケット先端面46aに付勢する波ワッシャ64とを有する。
【0034】
付勢手段63により、摩擦ディスク61がブラケット先端面46aに接触していると、コイル32への通電がなく、ロータ40が回転自在の状態であっても、ブラケット45は摩擦ディスク61との静止摩擦により回転しないように保持される。ブラケット先端面46aには、レコード状の環状突起が設けられているの、摩擦力を低下及び安定化することができる。回転時には、モータのトルクにより静止摩擦から脱出し回転が始まる。摩擦力を調整するには、押えディスク63を回転させて同ディスク63とブラケット先端面46aとの距離を変えて、波ワッシャ64の付勢力を調整する。
【0035】
ステッピングモータ20のコイル32に通電されると、発生した磁界によりロータ40がステータ30の周囲を回転する。この際、先側及び手前側ベアリング49、53が各々摺動リング52の外周面と前鏡筒11の環状段部11a上を転動接触する。また、手前側ブラケット51の半円筒部51bが前鏡筒11の外周面を摺動しながら回転する。先側のブラケット片46の先端面46aは摩擦ディスク61に接触しているが、前述のように、同端面46aにはレコード状の環状突起が形成されているので、接触面積が少なくなり、静止摩擦と動摩擦との差を小さくでき、摩擦の安定化ができる。そして、ロータ40の回転により、ブラケット45の連結部材55が連結している鏡筒10の駆動筒が回転し、これにより、固定筒12が光軸方向に直進運動する。
【0036】
コイル32への通電を切ると、ロータ40の回転は止まる。そして、ロータ40は、ブラケット45の先端面46aと摩擦ディスク61との摩擦により、回転しないように保持される。
【符号の説明】
【0037】
1 レンズ装置 10 鏡筒
11 前鏡筒 12 固定筒
20 空芯ステッピングモータ(回転駆動手段)
30 ステータ 31 磁極片
32 コイル 33 銅線
40 ロータ 41 マグネット
42 バックヨーク 45 ブラケット
46、51 ブラケット片 47 凹部
49 ベアリング 52 摺動リング
53 ベアリング 55 バー
60 摩擦ブレーキ機構 61 摩擦ディスク
62 付勢手段 63 押えディスク
64 波ワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の極歯を有するヨーク及びコイルを含む筒状のステータと、
該ステータの外周に配置された、円筒状のマグネットを含む筒状のロータと、
を備え、
前記ヨークの複数の極歯が、前記マグネットの内周面に対向して配置されていることを特徴とする空芯ステッピングモータ。
【請求項2】
前記コイルを構成する巻線の両端が、前記ステータの中空部へ引き出され、該中空部内を通って電源に接続されることを特徴とする請求項1に記載の空芯ステッピングモータ。
【請求項3】
前記コイルの無通電時に、前記ロータを前記ステータに対して回転不能に保持する摩擦ブレーキ機構を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の空芯ステッピングモータ。
【請求項4】
前記摩擦ブレーキ機構が、
前記ロータの端面に当てられる摩擦ディスクと、
該摩擦ディスクを前記ロータの端面に摩擦をもって接触させる、前記ステータ又はその収容されたケーシングに固定された付勢手段と、を備え、
前記ロータの端面と前記押えディスクとの摩擦により、前記ロータを前記ステータ又ケーシングに対して回転不能に保持することを特徴とする請求項3に記載の空芯ステッピングモータ。
【請求項5】
内部にレンズを収容し光軸方向に進退する移動筒、及び、該移動筒と相対回動可能に設けられた駆動筒、を有し、前記移動筒と駆動筒の一方にはカムが設けられており、もう一方には該カムが嵌合するカム溝が設けられた鏡筒と、
前記駆動筒を回転駆動する手段と、
を備え、前記駆動筒を回転駆動させることにより、前記移動筒を進退させるレンズ装置であって、
前記回転駆動手段が、
複数の極歯を有するヨーク及びコイルを含む筒状のステータと、
該ステータの外周に配置された、円筒状のマグネットを含む筒状のロータと、
を備え、
前記ヨークの複数の極歯が、前記マグネットの内周面に対向して配置されている空芯ステッピングモータであることを特徴とするレンズ装置。
【請求項6】
内部にレンズを収容し光軸方向に進退する移動筒、及び、該移動筒と相対回動可能に設けられた駆動筒、を有し、前記移動筒と駆動筒の一方にはカムが設けられており、もう一方には該カムが嵌合するカム溝が設けられた鏡筒と、
前記駆動筒を回転駆動する手段と、
を備え、前記駆動筒を回転駆動させることにより、前記移動筒を進退させるレンズ装置であって、
前記回転駆動手段が、
筒状のステータと、同ステータの外周に配置された筒状のロータと、該ロータを前記移動筒に対して回転可能に支持する手段と、を備えた空芯ステッピングモータであって、
前記ステータが、
複数の極歯を有するステータヨークと、
コイルと、
を有し、
前記ロータが、
円筒状のマグネットと、
該マグネットの外周に配置されたバックヨークと、
前記マグネット及びバックヨークが収容され、前記駆動筒と連結する連結部材を備えたブラケットと、
を有し、
さらに、前記ヨークの複数の極歯が、前記マグネットの内周面に対向して配置されている空芯ステッピングモータであり、
前記ステータが前記移動筒の外周面に固定され、前記ロータが、前記ステータの外周において、前記回転支持手段により前記移動筒に回転可能に支持されていることを特徴とするレンズ装置。
【請求項7】
前記コイルの無通電時に、前記ロータを前記ステータに対して回転不能に保持する摩擦ブレーキ機構をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のレンズ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−226922(P2010−226922A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74018(P2009−74018)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(593137554)株式会社東京マイクロ (23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)