説明

空調システム及びこれを備えたデータセンター

【課題】複数の電子機器(サーバ等)及び/又はこれらを収容する収容室(サーバルーム等)の内部を効率的に冷却するとともに収容室内の温度バラツキを抑制することのできる空調システム及びこれを備えたデータセンターを提供する。
【解決手段】
データセンター1は、複数のサーバを収容するサーバルーム3と、サーバルーム3内に空調用空気を供給する空調用空気供給装置5と、を備える。空調用空気装置5は、10μm以下の粒径を有する水粒子を主体とする微細水粒子を含むクリーンエアーを空調用空気としてサーバルーム3に供給し、前記微細水粒子の蒸発潜熱を利用して前記複数のサーバ及び/又は前記サーバルームの内部を冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子機器(サーバやコンピュータ等)を収容する収容室に適用される空調システム及びこれを備えたデータセンターに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電子機器を収容する収容室として例えばサーバルームが知られている。この種の収容室では、サーバ等の電子機器が発生する熱によって収容室内の温度が上昇し、当該電子機器の作動に支障をきたすおそれがあるため、通常、空調装置や冷却装置などによって収容室内の全体又は電子機器の温度上昇を抑制している。
例えば特許文献1には、サーバルーム等の情報処理室に設置されたラックに複数の情報処理装置を収容し、熱源機の蒸発器と熱交換して情報処理装置を冷却する冷却機を前記ラック内におけるホットスポットに近傍に配設して的確な冷却を行うようにしたラックマウント式冷却装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−114669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術は、ラック内のみを冷却するものであるため、情報処理室内に温度バラツキが生じ、いわゆる温度だまりが発生する。このため、情報処理室内の空間を有効に利用することができない可能性が高い。また、ラック内のみを冷却することから室内全体の冷却する場合に比べて使用する電力を抑制することができると考えられるものの、依然として装置の稼働に多くの電力が必要であり、エネルギ効率が低く、ランニングコストも高くなる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、複数の電子機器及び/又はこれらを収容する収容室の内部を効率的に冷却するとともに収容室内の温度バラツキを抑制することのできる空調システム及びこれを備えたデータセンターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面による空調システムは、複数の電子機器を収容した収容室に適用される空調システムであって、微細水粒子を含む空調用空気を生成して前記収容室内に供給する空調用空気供給装置を備え、前記微細水粒子の蒸発潜熱を利用して前記複数の電子機器及び前記収容室の内部の少なくとも一方の冷却を行う。
【0006】
本発明の他の側面によるデータセンターは、複数のサーバを収容したサーバルームと、前記サーバルーム内の空気を調節する空調システムと、を備え、前記空調システムは、微細水粒子を含む空調用空気を生成して前記サーバルーム内に供給する空調用空気供給装置を含み、前記微細水粒子の蒸発潜熱を利用して前記複数のサーバ及び前記サーバルームの内部の少なくとも一方の冷却を行う。
【発明の効果】
【0007】
上記空調システム又は上記データセンターによれば、空調用空気供給装置の生成した空調用空気に含まれる微細水粒子の蒸発潜熱を利用してサーバ等の複数の電子機器及び/又はこれらを収容するサーバルーム等の収容室の内部の冷却を行うので、通常の顕熱冷却方式を採用する場合に比べて、前記複数の電子機器の冷却及び/又は前記収容室の内部の冷却を効率的に行うことができ、ランニングコストを低減できる。
【0008】
また、前記微細水粒子は前記収容室内の全体に拡散するので、該収容室内における温度バラツキや湿度バラツキが抑制されて温度分布及びび湿度分布が均一化される。これにより、前記収容室内におけるデッドスペースの発生を抑制することができ、前記収容室の内部スペースを有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による空調システムが適用されたデータセンターの概略構成を示す図である。
【図2】前記空調システムを構成する空調用空気供給装置が備える微細水粒子生成部の概略構成を示す図(側面図)である。
【図3】前記微細水粒子生成部で生成される微細水粒子の粒度分布(体積頻度)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態による空調システムが適用されたデータセンターの概略構成を示す図である。このデータセンター1は、移動や設置が容易なコンテナ型データセンターとして構成されており、複数のサーバを収容するサーバルーム3と、このサーバルーム3内に空調用空気を供給する空調用空気供給装置5と、を備えている。
【0011】
サーバルーム3は、その内部にラック31が設置されており、このラック31に複数のサーバ(図示省略)がそれぞれ収容される。サーバルーム13の内部空間は、ラック31を挟んで、各サーバからの排気(排熱)を集める空間であるホットアイル32と、各サーバが吸い込む空気を集める空間であるコールドアイル33と、に区分けされている。各サーバは、その吸気口(例えば前面側)がコールドアイル33に面するとともにその排気口(例えば背面側)がホットアイル12に面するようにラック31内に配置される。
【0012】
サーバルーム3のコールドアイル33側には、空調用空気供給装置5から供給される微細水粒子を含む空気をサーバルーム3内に導入するための導入口34が設けられており、サーバルーム3のホットアイル32側の上部(例えば天井)には各サーバからの排気(排熱)をサーバルーム3外へと排出するための排出口35が設けられている。なお、空調用空気供給装置5から供給される微細水粒子を含む空気については後述する。
【0013】
サーバルーム3のホットアイル32の上方には、蓄熱パネル41を備えたソーラーチムニー4が設置されており、蓄熱パネル41に蓄えられた太陽熱による上昇気流を利用してサーバルーム3(ホットアイル32)内の排気(排熱)を排出口35から効率的に排出できるようになっている。
【0014】
空調用空気供給装置5は、微細水粒子を含む空気を空調用空気としてサーバルーム3内に供給するものであり、有蓋箱型のハウジング51と、ハウジング51内に設置された微細水粒子生成部52と、微細水粒子生成部52に水を圧送するポンプ53と、を有する。
【0015】
ハウジング51は、空調用空気供給装置5の外観を構成しており、その一端側に外気を導入する外気導入口54が形成され、その他端側に放出ダクト7を介してサーバルーム3の導入口34に連通する放出口55が形成されている。外気導入口54には、送風機9が設置された導入ダクト10が連結されており、送風機9の作動によってより多くの外気が外気導入口54を介してハウジング51内に導入されるようになっている。
【0016】
ハウジング51の内部には、上側仕切壁56と下側仕切壁57とが所定の間隔をあけて交互に設けられている。上側仕切壁56は、その下方に空間を有するようにハウジング51の天井面から内底面に向かって延びており、下側仕切壁57は、その上方に空間を有するようにハウジング51の内底面から天井面に向かって延びている。より具体的には、上側仕切壁56は、ハウジング51の天井面からハウジング51の内部空間の半分の高さよりも下側の位置まで延びており、下側仕切壁57は、ハウジング51の内底面からハウジング51の内部空間の半分の高さよりも上側の位置まで延びている。
【0017】
また、ハウジング51には、内底面から所定の高さの位置に排水口58が形成され、ハウジング51の内部に内底面から前記所定の高さの位置まで水を貯めることができるようになっている。ここで、前記所定の高さは、ハウジング51内に貯められた水(以下「貯留水W」という)の上面が上側仕切壁56の下端部よりも下側に位置するように、すなわち、上側仕切壁56と貯留水Wの上面との間に空間を有するように設定される。
【0018】
つまり、ハウジング51の内部空間は、交互に設けられた上側仕切壁56及び下側仕切壁57によって、外気導入口54から上下に蛇行しながら放出口55へと至る空気通路を確保するように隣り合う空間同士が連通した複数の空間に仕切られている。なお、図1には、二つの上側仕切壁56と一つの下側仕切壁57とが示されているが、これに限るものではなく、上側仕切壁56及び下側仕切壁57の個数は任意に設定することができる。
【0019】
微細水粒子生成部52は、ポンプ52から供給された水を微細化して微細水粒子を生成する。本実施形態において、微細水粒子生成部52は、上側仕切壁56の下方の空間又はその近傍に配置されている。ここでは二つの微細水粒子生成部52が設けられているが、これに限るものではなく、微細水粒子生成部52の個数は任意に設定することができる。
【0020】
図2は、本実施形態における微細水粒子生成部52の概略構成を示す図(側面図)である。図2に示すように、微細水粒子生成部52は、ハウジング51の壁面51aに取り付けられた噴射ノズル521と、球体状又は半球体状の衝突体522と、噴射ノズル521の先端から所定量だけ離れた位置に衝突体522を固定、保持するホルダ523と、を有する。そして、噴射ノズル521がポンプ53によって供給管524を圧送されてきた水を噴射し、この噴射された水が衝突体222に衝突することによって微細水粒子が生成される。但し、これに限るものではなく、噴射ノズルのみによって微細水粒子を生成するようにしてもよい。
【0021】
図3は、微細水粒子生成部52で生成された微細水粒子の粒度分布(体積頻度)の一例を示している。図3に示すように、本実施形態における微細水粒子生成部52で生成された微細水粒子は、その大部分が10μm以下の粒径を有するものである。なお、図3は体積頻度を示しているため、0.2μmよりも小さい粒径が存在しないように見えるが、実際には、0.1μm程度の粒径を有する水粒子も確認されている。すなわち、微細水粒子生成部52で生成される微細水粒子は、0.1〜10μmの粒径を有するものを含んでおり、また、粒径が10μmをわずかに超える水粒子も微量ながら含んでいる。この微細水粒子の粒度分布は、ポンプ53の吐出圧力や噴射ノズルの噴孔径などを調整することによって変更することができる。
【0022】
さらに、データセンター1には、サーバルーム3からの排気、すなわち、ホットアイル32に集められた各サーバの排気(排熱)の一部を空調用空気供給装置5側に、具体的には、導入ダクト10へと導く(還流させる)還流通路11が設けられている。還流通路11には制御バルブ12が設けられており、この制御バルブ12は、第1温度センサ13によって検出されるサーバルーム3のホットアイル32内の温度(又はホットアイル32からの排気温度)と、第2温度センサ14によって検出されるコールドアイル33内の温度と、第3温度センサ15によって検出される外気温度と、に基づいて還流通路11の通路面積を可変とする。
【0023】
例えば、外気の温度がコールドアイル33の設定温度(例えば15〜35℃)よりも低くなることが多い冬季、及び、外気の温度がホットアイル32の設定温度(例えば25〜45℃)よりも高くなることが多い夏季においては、制御バルブ12は、外気の利用をできるだけ制限してホットアイル32からの排気を空調用空気供給装置5に循環させるように還流通路11を全開又は全開に近い状態とする。一方、外気の温度がコールドアイル33の設定温度に近い春季・秋季においては、制御バルブ12は、外気をできるだけ利用するように還流通路11を全閉又は全閉に近い状態とする。但し、同じ季節であっても外気の温度によって制御バルブ12の開度が異なることはもちろんである。
【0024】
ここで、本実施形態による空調システムの作用を説明する。
サーバルーム3内のサーバが稼働しているときには空調用空気供給装置5も稼働しており、空調用空気供給装置5のハウジング51内には外気導入口54を介して外気が導入される。このとき、制御バルブ12が開弁していれば、サーバルーム3(ホットアイル32)からの排気も外気とともにハウジング51内に導入される。また、ハウジング51の内部には、微細水粒子を生成する微細水生成部51、上側仕切壁56及び下側仕切壁57が設けられている。このため、送風機9の作動によって外気導入口54からハウジング51内に導入された空気(外気、又は、外気とサーバルーム3からの排気との混合空気)は、粒径が10μm以下を主体とする微細水粒子が存在する雰囲気中を上下に蛇行するように通過して放出口55へと至る。
【0025】
ハウジング51内を通過する過程において、前記導入された空気は、主に上側仕切壁56によって攪乱されて貯留水Wの上面(表面)に波及びしぶきを生じさせる。また、前記導入された空気はハウジング51内において微細水粒子と攪拌され、前記導入された空気に含まれる粉塵、黄砂、塩分などの浮遊物や汚染物が微細水粒子に吸着し又は溶解する。浮遊物や汚染物が吸着又は溶解された微細水粒子は結合して水滴となって貯留水Wの水面へと沈降し、貯留水W中に吸収される。この結果、前記導入された空気はハウジング51内を通過することによって浄化され、浄化された空気(クリーンエアー)は浮遊物や汚染物を吸着又は溶解していない微細水粒子とともに放出口55から放出されて、サーバルーム3のコールドアイル33に供給される。
【0026】
一方、サーバルーム3において、各サーバはコールドアイル33に供給された微細水粒子を含むクリーンエアーを吸い込むため、発熱源としてのサーバ自体が微細水粒子の蒸発潜熱により冷却(除熱)され、サーバからの排気はホットアイル32に集められて排出口35から排出される。ここで、空調用空気供給装置5からサーバルーム3(コールドアイル33)に供給されるクリーンエアーは微細水粒子を含んでおり、コールドアイル33内の湿度は高くなる。しかし、上述したように、微細水粒子は粒径10μm以下(更に言えば、粒径0.1〜10μm)の水粒子が主体となっており、水分子拡散運動が活発に行われてコールドアイル33内の全体に拡散するとともにサーバルーム3や各サーバに表面結露を生じさせない。これにより、サーバルーム3及び各サーバの温度上昇が抑制されるとともに、ホットアイル32内の温湿度及びコールドアイル33内の温湿度がそれぞれ均質に維持される。
【0027】
このように本実施形態においては、空調用空気供給装置5によって微細水粒子を含むクリーンエアーを生成してサーバルーム3に供給し、サーバルーム3内の空気(各サーバからの排気)を排出口35から排出することにより、データセンター1(サーバルーム3)の空調システムが実現される。
なお、以上説明した実施形態において、複数のサーバが本発明の「電子機器」に相当し、サーバルーム3が本発明の「収容室」に相当し、外気導入口54が本発明の「第1開口部」に相当し、放出口55が本発明の「第2開口部」に相当する。
【0028】
本実施形態による空調システムによれば以下のような効果を有する。
微細水粒子を含むクリーンエアーをサーバルーム3内に供給し、この供給された微細水粒子の蒸発潜熱を利用して各サーバ及び/又はサーバルーム3内を冷却するので、従来の顕熱冷却方式の場合に比べて冷却に必要なエネルギ量を大幅に低減できる。
ここで、前記微細水粒子は、10μm以下(更に言えば、粒径0.1〜10μm)の粒径を有するものが主体となっているため、水分子拡散運動が活発になって高湿環境においても表面結露が生じない。これにより、コールドアイル33内を高湿状態とする、すなわち、必要十分な量の微細水粒子をコールドアイル33内に供給することができ、各サーバ及びサーバルーム3内の冷却を安定して行うことができる。また、前記微細水粒子が空間全体に拡散するので、ホットアイル32及びコールドアイル33のそれぞれにおける温度バラツキや湿度バラツキを抑制できる。
【0029】
前記微細水粒子によってハウジング51内に導入された空気を浄化するので、空調用空気として外気を利用しながらもエアフィルタ等を用いる必要がない。したがって、エアフィルタの目詰まり等による送風機9の負荷増大を含むエネルギ効率の低下を招くことがなく、また、エアフィルタの清掃コストや交換コストが発生しないので経済的である。
【0030】
ハウジング51内に導入された空気の浄化に前記微細水粒子を用いることによって、導入された空気に含まれる様々な浮遊物や汚染物(塩分(塩害)、粉塵、黄砂、炭塵、鉄塵、ウイスカ、炭酸ガス、NOxなど)を除去できるので、データセンター1の設置場所等にかかわらず、サーバルーム3内を常にクリーンな環境に維持できる。これにより、前記浮遊物や前記汚染物によるサーバの故障等についても防止できる。
【0031】
空調用空気供給装置5は、ポンプ53によって噴射ノズル521に水を供給し、噴射ノズル521から噴射された水を衝突体522に衝突させることによって微細水粒子を生成しており、実質的に送風機9及びポンプ53を作動させるだけで微細水粒子を含むクリーンエアー、すなわち、サーバルーム3の空調用空気を生成している。これにより、冷媒等を用いる従来の装置に比べて、サーバルームの空調用空気の生成に必要な電力を大幅に低減できる。
【0032】
サーバルーム3のホットアイル32の上方には、蓄熱パネル41を備えたソーラーチムニー4が設置されているので、送風機等を設けることなく、太陽熱による上昇気流によってホットアイル32内の排気(排熱)を効率的にサーバルーム3外へと排出できる。
【0033】
制御バルブ12は、ホットアイル32内の温度と、コールドアイル33内の温度と、外気温度と、に基づいて還流通路11の通路面積を可変とするので、空調用空気の供給によるサーバルーム3内の環境の急激な変化が抑制され、サーバルーム3内の環境をほぼ一定に維持することができる。
【0034】
以上のとおり、本実施形態による空調システムによれば、サーバルーム3の空調を非常に効率的に行うことができる。なお、数百台(例えば300台)のサーバを収容したデータセンターに本実施形態による空調システムを適用し、サーバルーム内を所定の温湿度環境(例えばコールドアイル:15〜35℃・80〜95%、ホットアイル:25〜45℃・15〜30%)に維持するためのPUE値(=データセンター全体の消費電力/IT機器(サーバ)による消費電力)を計算したところ、1.1以下(1.03〜1.08)という低いPUE値を実現できることが確認された。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、放出ダクト7に冷却装置の冷却回路を配設し、空調用空気供給装置5からの微細水粒子を含むクリーンエアーを冷却してからサーバルーム3内に供給するように構成してもよい。このようにすれば、各サーバ及び/又はサーバルーム3内の冷却をより確実に行える。
また、以上では本発明に係る空調システムをデータセンター(サーバルーム)の空調システムとして説明しているが、これの限るものではなく、本発明に係る空調システムはサーバ以外の電子機器を収容する収容室にも適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0036】
1…データセンター、3…サーバルーム(収容室)、5…空調用空気供給装置、7…放出ダクト、9…送風機、10…導入ダクト、31…ラック、32…ホットアイル、33…コールドアイル、51…ハウジング、52…微細水粒子生成部、53…ポンプ、54…外気導入口(第1開口部)、55…放出口(第2開口部)、56…上側仕切壁、57…下側仕切壁、521…噴射ノズル、522…衝突体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子機器を収容した収容室に適用される空調システムであって、
微細水粒子を含む空調用空気を生成して前記収容室内に供給する空調用空気供給装置を備え、
前記微細水粒子の蒸発潜熱を利用して前記複数の電子機器及び前記収容室の内部の少なくとも一方の冷却を行う、空調システム。
【請求項2】
前記空調用空気は、粒径が10μm以下を主体とする前記微細水粒子を含む、請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記空調用空気は、粒径が0.1〜10μmの前記微細水粒子を含む、請求項1又は2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記空調用空気供給装置は、
前記微細水粒子を生成する微細水粒子生成部を備え、
導入した外気を前記微細水粒子生成部で生成された微細水粒子の一部によって浄化し、この浄化された外気と前記微細水粒子生成部で生成された微細水粒子の他の一部とを前記収容室内に供給する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の空調システム。
【請求項5】
前記空調用空気供給装置は、
第1開口部及び第2開口部が形成されるとともに、前記第1開口部から前記第2開口部に至る空気流路を確保しつつその内部空間を複数の空間に仕切る少なくとも一つの仕切壁が設けられ、その内底面から所定の高さの位置まで水が貯められたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、供給された水を噴射するノズルと、
前記ノズルの先端から離れた位置に設けられ、前記ノズルから噴射された水が衝突する衝突体と、
を備え、
前記ノズルから噴射された水を前記衝突体に衝突させて前記微細水粒子を生成し、
前記第1開口部から前記ケーシング内に導入した外気を、生成された前記微細水粒子の一部によって浄化し、
浄化された外気を生成された前記微細水粒子の他の一部ととともに前記第2開口部から放出して前記収容室内に供給する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の空調システム。
【請求項6】
前記電子機器がサーバであり、前記収容室がサーバルームである、請求項1〜5のいずれか一つに記載の空調システム。
【請求項7】
複数のサーバを収容するサーバルームと、
前記サーバルーム内の空気を調節する空調システムと、
を備え、
前記空調システムは、
微細水粒子を含む空調用空気を生成して前記サーバルーム内に供給する空調用空気供給装置を含み、
前記微細水粒子の蒸発潜熱を利用して前記複数のサーバ及び前記サーバルームの内部の少なくとも一方の冷却を行う、データセンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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