空調室内機
【課題】空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルのスムーズな昇降あるいは回動を実現可能な天井設置式の空調室内機を提供する。
【解決手段】天井設置式の空調室内機2は、吸込口20a及び吹出口20bを有する本体20と、吸込口20aを覆う所定位置に配置され、所定位置から移動可能な可動パネル24と、本体20内に配置され、吸込口20aから空気を吸い込むと共に吹出口20bから空気を吹き出すための室内ファン13と、可動パネル24を移動させる駆動機構6、7、8と、室内ファン13及び駆動機構6、7、8を制御する制御手段90とを備え、制御手段90は、可動パネル24の所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファン13を停止させる。
【解決手段】天井設置式の空調室内機2は、吸込口20a及び吹出口20bを有する本体20と、吸込口20aを覆う所定位置に配置され、所定位置から移動可能な可動パネル24と、本体20内に配置され、吸込口20aから空気を吸い込むと共に吹出口20bから空気を吹き出すための室内ファン13と、可動パネル24を移動させる駆動機構6、7、8と、室内ファン13及び駆動機構6、7、8を制御する制御手段90とを備え、制御手段90は、可動パネル24の所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファン13を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井設置式の空調室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井設置式の空調室内機では、吸込グリルをワイヤで吊り下げて、このワイヤを巻き取り又は繰り出すことによって、エアフィルタ等のメンテナンス時に可動パネルを昇降させる空調室内機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような空気調和機では、メンテナンスが終了すると、ワイヤが巻き取られると共に、可動パネルが本体側の収納部に収納される。
【0003】
しかしながら、このような従来の空調室内機では、可動パネルの昇降時に、室内ファンの運転によって可動パネルが本体側に吸い込まれ、可動パネルのスムーズな昇降を実現できない場合があった。
【特許文献1】特開平11−2423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルのスムーズな昇降あるいは回動を実現可能な天井設置式の空調室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る天井設置式の空調室内機は、吸込口及び吹出口を有する本体と、吸込口を覆う所定位置を含む複数の位置に移動可能な可動パネルと、本体内に配置され、吸込口から空気を吸い込むと共に吹出口から空気を吹き出すための室内ファンと、可動パネルを移動させる駆動機構と、室内ファン及び駆動機構を制御する制御手段とを備え、制御手段は、可動パネルの所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファンを停止させる。
【0006】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンによる可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな移動を実現できる。
【0007】
第2の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1の発明に係る天井設置式の空調室内機において、可動パネルは、所定位置に配置された状態において吸込口を閉じる。
【0008】
この天井設置式の空調室内機では、空調室内機の運転開始時に可動パネルが吸込口を開くことで、室内ファンから吹出口に通じる空気流路を形成できる。
【0009】
第3の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1または第2の発明に係る天井設置式の空調室内機において、駆動機構は、可動パネルを上下方向に昇降させるものであって、制御手段は、可動パネルの所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファンを停止させる。
【0010】
この天井設置式の空調室内機では、空調室内機のメンテナンス等で可動パネルを昇降させる際に、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな昇降を実現できる。
【0011】
第4の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第3の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに受付手段が空調運転指示を受け付けた場合に、空調運転指示の受付に同期して室内ファンの運転を開始する。
【0012】
この天井設置式の空調室内機では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0013】
第5の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第3の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに受付手段が空調運転指示を受け付けた場合に、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に達した後で室内ファンの運転を開始する。
【0014】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0015】
第6の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1〜5の発明に係る天井設置式の空調室内機において、駆動機構は、所定位置に配置された可動パネルを回動させるものであって、制御手段は、可動パネルの所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファンを停止させる。
【0016】
この天井設置式の空調室内機では、空調室内機の運転等で可動パネルの離間量が第1所定量以下に達するときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな回動を実現できる。
【0017】
第7の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第6の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに受付手段が空調運転指示を受け付けた場合に、空調運転指示の受付に同期して室内ファンの運転を開始する。
【0018】
この天井設置式の空調室内機では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0019】
第8の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第6の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルが所定位置に配置された状態であるときに受付手段による空調運転指示の受付に同期して可動パネルを回動させると共に、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に達した後で室内ファンの運転を開始する。
【0020】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0021】
第9の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1〜8の発明に係る天井設置式の空調室内機において、駆動機構は、可動パネルの一端を回動可能に支持する支持状態と、可動パネルの一端の支持を解除する支持解除状態とを切り換えるヒンジ連結装置と、可動パネルに連結されたワイヤを繰り出し又は巻き取ることで可動パネルを移動させる昇降装置とを備えている。
【0022】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置と昇降装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0023】
第10の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第9の発明に係る天井設置式の空調室内機において、可動パネルの他端を下降不可能に支持するロック状態と、可動パネルの他端のロックを解除するロック解除状態とを切り換えるロック装置を備えている。
【0024】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置、昇降装置及びロック装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0025】
第11の発明に係る天井設置式の空調室内機は、可動パネルは、格子状の格子パネルである。
【0026】
この天井設置式の空調室内機では、格子パネルがゴミや埃等によって目詰まりした場合に、室内ファンによる本体側への吸い込みを防止できる点で特に有効である。
【発明の効果】
【0027】
第1の発明では、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンによる可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな移動を実現できる。
【0028】
また、第2の発明では、空調室内機の運転開始時に可動パネルが吸込口を開くことで、室内ファンから吹出口に通じる空気流路を形成できる。
【0029】
また、第3の発明では、空調室内機のメンテナンス等で可動パネルを昇降させる際に、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな昇降を実現できる。
【0030】
また、第4の発明では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0031】
また、第5の発明では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0032】
また、第6の発明では、空調室内機の運転等で可動パネルの離間量が第1所定量以下に達するときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな回動を実現できる。
【0033】
また、第7の発明では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0034】
また、第8の発明では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0035】
また、第9の発明では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置と昇降装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0036】
また、第10の発明では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置、昇降装置及びロック装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0037】
また、第11の発明では、格子パネルがゴミや埃等によって目詰まりした場合に、室内ファンによる本体側への吸い込みを防止できる点で特に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係る空調室内機の外観斜視図である。図1において、空調室内機2は、下面に吸込口20a及び吹出口20bを有する本体20と、吸込口20aを開閉する可動パネル24及び吹出口20bを開閉する第1風向調節羽根52とを備えている。吸込口20aと吹出口20bとは一定距離を隔てて隣接しており、吹出口20bから吹き出された空気が吸込口20aに吸い込まれる現象、いわゆるショートサーキットが発生しないようになっている。本体20の下面は、化粧パネル21によって覆われており、実際に天井面に露出するのは化粧パネル21であって、吸込口20a及び吹出口20bの輪郭は化粧パネル21によって形成されている。
【0040】
図2は、可動パネル24の回動及び昇降動作を示す説明図である。図2(a)は、空調室内機の運転停止時の側面図であり、図2(b)は、その空調室内機の運転時の側面図であり、図2(c)は、メンテナンス時の側面図である。図2(a)、(b)、(c)において、空調室内機2が停止しているとき、可動パネル24は化粧パネル21と見かけ上一体化している。図2(b)において、空調室内機2が稼動するとき、可動パネル24は吸込口20aを開き、第1風向調節羽根52は吹出口20bを開く。可動パネル24の一端は蝶番によって本体20に支持されており、可動パネル24は回動して吸込口20aを開ける。
【0041】
また、図2(c)において、可動パネル24は、本体20側から延びるワイヤ71に吊られた状態で使用者の手が届くメンテナンス位置まで降下することができる。但し、可動パネル24は、一端が蝶番によって本体20に支持されている状態ではメンテナンス位置まで降下することができないので、一旦、吸込口20aを閉じて、本体20による支持が解除されたのちにメンテナンス位置まで降下する。なお、昇降装置7の詳細については図6、7で、ロック装置8の詳細構造については図8で説明する。
【0042】
図3は、空調室内機2の断面図である。図3において、空調室内機2は、フィルタ9、フィルタ清掃機構10、室内熱交換器12、室内ファン13、ドレンパン14及び吹出口モジュール50をさらに備えている。空調室内機2の運転時、吸込口20a及び吹出口20bが開き、室内ファン13が回転し、空気が吸込口20aから吸い込まれる。
【0043】
(室内熱交換器12)
室内熱交換器12は、2つの熱交換器が異なる傾斜姿勢で隣接した形状をしており、説明の便宜上、上側の熱交換器を上部熱交換器12a、下側の熱交換器を下部熱交換器12bと呼ぶ。
【0044】
上部熱交換器12aの上端は本体20の内側上部に位置し、上端から下端に向って傾斜する角度は、鉛直線に対して45°以下に設定されており、結露水が確実に上部熱交換器12aを伝わってドレンパン14に向う。このため、ドレンパン14は、上部熱交換器12aの下方全域に配置される必要が無く、上部熱交換器12aの下端近傍の下方にだけ配置されている。
【0045】
下部熱交換器12bの上端は、上部熱交換器12aの下端に近接して配置されており、上端から下端に向って傾斜する角度は、鉛直線に対して45°を超えている。このため、結露水が直接落下する可能性があるので、ドレンパン14は、下部熱交換器12bの下方全域に配置されている。
【0046】
上部熱交換器12aは、下部熱交換器12bよりも長い寸法に設定されており、下端コーナーが、下部熱交換器12bの上端中央に近接している。このため、上部熱交換器12aを下部熱交換器12bより長くした分量を相殺している。
【0047】
(室内ファン13)
室内ファン13は、クロスフローファンであり、幅寸法が直径よりも長く、回転軸と垂直な方向から空気を吸い込むので、単一の吸込口20aから空気を吸い込んで、単一の吹出口20bへ吹き出すことができる。吸い込まれた空気は、フィルタ9及び室内熱交換器12を通過して室内ファン13に入る。これ以後、吸込口20aから室内ファン13までの空気流路を吸込流路31aと呼ぶ。
【0048】
室内ファン13から吹き出された空気は、吹出口モジュール50を通過して吹出口20bから吹き出される。吹出口20bには、吹出口モジュール50の構成部品である第1風向調節羽根52が配置されており、第1風向調節羽根52は、モータによって傾斜角度の調節が可能であり、運転停止時は、第1風向調節羽根52が吹出口20bを閉じる。これ以後、室内ファン13から吹出口20bまでの空気流路を吹出流路(第2吹出流路41a、第1吹出流路51a)と呼ぶ。室内ファン13とドレンパン14との間で且つ第2吹出流路41a側には、舌部15が設けられている。なお、舌部15は、室内ファン13及びドレンパン14とは独立した部材である。
【0049】
(本体20)
空調室内機2は、可動パネル24の上方に、フィルタ清掃機構10を備えているので、フィルタ清掃機構10を備えていない標準空調室内機と比較して本体20の高さ寸法が大きくなる。空調室内機2は、標準空調室内機の本体を利用するために、標準空調室内機の本体に拡張枠を連結している。
【0050】
<可動パネル24の動作に関連する装置>
図4は、化粧パネル21の斜視図である。図4に示すように、化粧パネル21の天井側の面上には、昇降装置7以外に、ヒンジ連結装置6及びロック装置8が配置されている。以下、ヒンジ連結装置6、昇降装置7及びロック装置8の詳細構造について順に説明する。
【0051】
(ヒンジ連結装置6)
ヒンジ連結装置6は、空調室内機2が稼動するとき、可動パネル24の一端を回動可能に支持し、可動パネル24をメンテナンス位置まで降下させるとき、可動パネル24の一端の支持を解除する。
【0052】
図5は、ヒンジ連結装置6の分解斜視図である。図5において、ヒンジ連結装置6は、回動部材61、滑り部材62、第1ピン63、ピニオン歯車64、ヒンジ連結用モータ65、固定部材66、第2ピン67及びネジ68を有している。回動部材61は、U字状の固体物であって、端面から外側に向って棒状の支持軸61aが突出している。さらに、回動部材61の一端部には、軸孔61bが形成されている。
【0053】
滑り部材62は、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aと、回動部材61の軸孔61bの両端を挟むアーム62bとが形成されている。さらに、アーム62bには、第1滑り孔62cが形成され、ラック62aの根元近傍には、第2滑り孔62dが形成されている。ヒンジ連結用モータ65は、ステッピングモータであり、ピニオン歯車64を回転させる。ヒンジ連結用モータ65は、ネジ68が通る貫通孔65aを有する。ヒンジ連結用モータ65は、制御部90に搭載されたモータドライバ回路903(図11)と電気的に接続されている。そして、ヒンジ連結用モータ65は、モータドライバ回路903から供給されるパルス信号によって駆動される。
【0054】
固定部材66には、滑り部材62を滑り移動可能に保持する滑り空間66aと、ピニオン歯車64が挿入される歯車空間66bと、ネジ68と螺合するネジ孔66cとが形成されている。さらに、滑り空間66aを形成する壁には、第1貫通孔66dと第2貫通孔66eとが形成されている。
【0055】
固定部材66の滑り空間66aに滑り部材62が配置され、その滑り部材62のアーム62bに回動部材61の軸孔61bが挟まれるように配置される。第1ピン63は、固定部材66の第1貫通孔66dの一端から挿入され、滑り部材62の第1滑り孔62c及び回動部材61の軸孔61bを通って第1貫通孔66dの他端に出る。
【0056】
第2ピン67は、第2貫通孔66eの一端から挿入され、滑り部材62の第2滑り孔62dを通って第2貫通孔66eの他端に出る。その結果、滑り部材62は、第1ピン63及び第2ピン67に沿って滑り空間を水平移動することができ、回動部材61は、第1ピン63を中心に回動することができる。
【0057】
(ヒンジ連結装置6の動作)
図4、図5において、ヒンジ連結用モータ65がピニオン歯車64を回転させると、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aに動力が伝達されて滑り部材62は第1ピン63に沿って滑り移動し、滑り部材62の移動に伴って回動部材61が可動パネル24の方向、或はその反対の方向へ移動する。ここで説明の便宜上、回動部材61を可動パネル24と連結する方向へ移動するようにヒンジ連結用モータ65が回転することを正転と呼び、回動部材61と可動パネル24との連結を解除する方向へ移動するようにヒンジ連結用モータ65が回転することを逆転と呼ぶ。
【0058】
可動パネル24の端部には、回動部材61に支持軸61aと対峙する支持孔(図示せず)が設けられており、ヒンジ連結用モータ65が正転し、支持軸61aが可動パネル24の支持孔24cに挿入されたときは、回動部材61と可動パネル24との連結が成立し、可動パネル24は、第1ピン63を中心に回動することができる(支持状態)。
【0059】
一方、ヒンジ連結用モータ65が逆転し、支持軸61aが可動パネル24の支持孔24cから抜け出たときは、回動部材61と可動パネル24との連結が解消され、可動パネル24は、第1ピン63を中心に回動することができない(支持解除状態)。
【0060】
(昇降装置7)
図6は、昇降装置7の分解斜視図である。図6において、昇降装置7は、ワイヤ71、滑車72、ボビン73、巻取り歯車74、駆動歯車75、昇降用モータ76、スイッチ77及びケース78を有している。
【0061】
滑車72は、滑車部72aとカム部72bとが一体に成形されており、滑車部72aは、ワイヤ71を支え、ワイヤ71の移動に伴って回転する。カム部72bは、小径曲面と大径曲面とそれら両曲面を結ぶ平面とから成る。
【0062】
ボビン73は、ワイヤ71を巻取る。巻取り歯車74は、ボビン73と同軸で連結され一体的に回転する。駆動歯車75は、巻取り歯車74と噛み合いボビン73を回転させる。
【0063】
昇降用モータ76は、駆動歯車75を回転させるためのステッピングモータであり、制御部90(図11)に搭載されたモータドライバ回路904と電気的に接続されている。そして、昇降用モータ76は、モータドライバ回路904から供給されるパルス信号によって駆動される。
【0064】
スイッチ77は、レバー77aを有するマイクロスイッチであり、レバー77aが押されることによってオンする。レバー77aは、常に滑車72のカム部72bと接触しており、カム部72bの大径曲面と対峙したときに押される。スイッチ77も、制御部90(図11)と電気的に接続されている。
【0065】
ケース78は、支持ケース78aとカバー78bとに分割されている。支持ケース78aには、滑車72を支持する第1軸79a、ボビン73と巻取り歯車74とを支持する第2軸79b、スイッチ77を支持する第3軸79cが形成されている。カバー78bは、支持ケース78aに支持された各部品を覆って保護する。
【0066】
(昇降装置7の動作)
図7は、昇降装置7内部の部品の配置図である。図7において、昇降装置7がワイヤ71を繰り出す場合、昇降用モータ76は駆動歯車75をCCW方向へ回転させ、巻取り歯車74をCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を繰り出す方向に回転する。
【0067】
一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取る場合、昇降用モータ76は駆動歯車75をCW方向へ回転させ、巻取り歯車74をCCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を巻き取る方向に回転する。ワイヤ71の繰り出し量および巻き取り量は、昇降用モータ76の回転量に比例しており、制御部90が、昇降用モータ76へ供給するパルス信号を制御することによって、ワイヤ71の繰り出し量および巻き取り量が制御される。
【0068】
ワイヤ71の先端には可動パネル24が連結されるため、ワイヤ71には常に張力が発生しており、ワイヤ71が繰り出されるとき、又はワイヤ71が巻き取られるとき、滑車部72aがワイヤ71との摩擦力によって回転する。このとき、カム部72bも回転するので、スイッチ77は、レバー77aがカム部72bの大径曲面と対峙したときにオン信号を発し、レバー77aが小径曲面と対峙したときにはオフ信号を発する。滑車72が回転している間は、オン信号とオフ信号が交互に発生し、これらの信号は、すべて制御部90に入力される。
【0069】
(ロック装置8)
可動パネル24が吸込口20aを閉じているとき、可動パネル24を本体20に支持しているのは、ヒンジ連結装置6と昇降装置7である。不測の要因で、ヒンジ連結装置6が誤動作し可動パネル24の支持を解除し、昇降装置7のワイヤ71が緩んでしまったときでも可動パネル24が落下しないように、空調室内機2はロック装置8をさらに備えている。
【0070】
図8は、ロック装置8の斜視図である。図8において、ロック装置8は、可動体81、第1保持部82、第2保持部83、ロック用モータ84及びスプリング85を有している。可動体81は、四角柱形状を成し、その一端には傾斜面811が形成され、全長が最長である長側面812には所定の歯車と噛み合うラック81aが形成され、ラック81aの下方には中空部81bが形成されている。可動体81は、長側面812を鉛直上方に向け、第1保持部82に移動可能な状態で保持されている。
【0071】
第1保持部82は、上面と一側面とが開放された直方体形状の筐体であり、底面に案内溝82aが形成されており、可動体81がその案内溝82aに沿って水平移動する。案内溝82aの両端は壁821、822で挟まれており、一方の壁821には可動体81が通る貫通口82bが形成されている。案内溝82aの両端を挟む壁821、822には壁823が隣接しており、壁823には、案内溝82aと直交する方向に突出する板状突起82cが形成されている。可動体81は第1保持部82に保持されているとき、傾斜面811は常に第1保持部82の外側に位置し、ラック81aは常に第1保持部82の内部に位置する。そして、第1保持部82の板状突起82cは、可動体81の中空部81bを貫通している。
【0072】
壁823は、ロック用モータ84を固定し、ロック用モータ84の回転軸に連結されたピニオン歯車84aを回転可能に支持している。ピニオン歯車84aは、可動体81のラック81aと噛み合い、ラック&ピニオン機構を成している。可動体81の中空部81bには、スプリング85が収納されている。スプリング85は、圧縮コイルスプリングであって、中空部81bの端部と板状突起82cとで挟まれている。
【0073】
第2保持部83は、可動体81が通る案内孔83aが形成された固体物であって、可動パネル24側に設置される。第2保持部83の上面には滑らかな曲面831が形成されている。ロック用モータ84は、制御部90(図11)に搭載されたモータドライバ回路905と電気的に接続されている。そして、ロック用モータ84は、モータドライバ94(図11)から供給されるパルス信号によって駆動される。
【0074】
(ロック装置8の動作)
図8において、可動体81は、第1保持体82と第2保持体83に保持された状態であり、その状態でロック用モータ84がピニオン歯車84aをCCW方向へ回転させたとき、ピニオン歯車84aの回転運動はラック81aによって直線運動に変換され、可動体81が壁822に向って滑り移動する。可動体81が所定距離移動したとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aから離れる。可動体81を保持しない第2保持体83は、上下方向の移動が許容されるので、可動パネル24の降下を妨げない(ロック解除状態)。
【0075】
可動体81の移動によって、中空部81bの側面と板状突起82cとの距離が短くなるので、スプリング85は圧縮され反発力を貯える。ロック用モータ84は、電力が供給されている間、スプリング85の増加する反発力に抗して回転するが、電力が供給されなくなったとき、スプリング85の反発力によって逆回転し、可動体81は元の位置へ復帰する。
【0076】
可動パネル24が降下せず第2保持部83が移動していないとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aに入る。一方、可動パネル24が降下して第2保持部83が移動しているとき、第2保持部83が復帰する軌道上で待機する。そして、可動パネル24が上昇して吸込口20aを閉じたとき、第2保持部83は、曲面831を可動体81の傾斜面811に当てて、可動体81を押しのけて復帰する。
【0077】
第2保持部83に押された可動体81は、水平移動しスプリング85を圧縮する。第2保持部83が完全に復帰したとき、可動体81は、第2保持部83の案内孔83aを貫通する。その結果、可動体81が可動パネル24の降下を妨げることになる(ロック状態)。
【0078】
(可動パネルの開閉動作)
図9は、可動パネル24が吸込口を開いた状態の斜視図である。図9において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24を連結した状態で、ロック装置8がロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。しかし、可動パネル24の端部はヒンジ連結装置6に連結されているので、可動パネル24は端部を軸として吸込口20aを開く方向へ回動する。
【0079】
一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取るとき、可動パネル24は上昇するが、可動パネル24の端部がヒンジ連結装置6に連結されているので、可動パネル24は端部を軸として吸込口20aを閉じる方向へ回動する。可動パネル24が吸込口20aを完全に閉じたとき、ロック装置8が可動パネル24をロックする。
【0080】
(可動パネルの昇降動作)
図10は、可動パネル24が降下している状態の斜視図である。図10において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24の端部との連結を解除し、ロック装置8が可動パネル24のロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取るとき、可動パネル24は上昇し、可動パネル24が吸込口20aを完全に閉じたとき、ロック装置8が可動パネル24をロックする。
【0081】
図11は、空気調和機2の要部を示すブロック図である。制御部90(制御手段)には、室内ファン13を運転制御するファン運転制御部901と、リモートコントローラ91と有線又は無線により通信可能に接続された運転指示受付部902(受付手段)と、ヒンジ連結用モータ65と電気的に接続されたモータドライバ回路903と、昇降用モータ76と電気的に接続されたモータドライバ回路904と、ロック用モータ84と電気的に接続されたモータドライバ回路905とが搭載されている。
【0082】
ヒンジ連結用モータ65は、モータドライバ回路903によって駆動される。そして、ヒンジ連結用モータ65の正転によって、可動パネル24(図2)は、第1ピン63(図5)を中心に回動することができる。一方、ヒンジ連結用モータ65の逆転によって、可動パネル24は、第1ピン63を中心に回動することが規制される。
【0083】
昇降用モータ76は、モータドライバ回路904によって駆動される。そして、昇降用モータ76が駆動歯車75(図6)をCCW方向へ回転させることによって、昇降装置7はワイヤ71(図6)を繰り出すことができる。一方、昇降モータ76が駆動歯車75をCW方向へ回転させることによって、昇降装置7はワイヤ71を巻き取ることができる。
【0084】
ロック用モータ84は、モータドライバ回路905によって駆動される。そして、ロック用モータ84がピニオン歯車84a(図8)をCCW方向へ回転させることによって、ロック装置8は可動パネル24の降下させることができる。一方、ロック用モータ84がスプリング85の反発力によって逆回転することで、ロック装置8は可動パネル24の降下を規制することができる。
【0085】
図12〜図21は、室内ファン13の動作と可動パネル24の動作の関係を示す説明図である。
【0086】
図12は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の開動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に停止しており、可動パネル24は吸込口20aを閉じる位置に配置された状態で本体20に収納されている(パネル収納状態)。この収納状態では、ワイヤ71は繰り出し量が最小値0に達した状態で昇降装置7に巻き取られている。
【0087】
時刻t2において、運転指示受付部902(図11)が空調室内機2の運転指示を受け付ける。この受付に同期して、昇降装置7によるワイヤ71の繰り出しが開始され、吸込口20aを開く方向に可動パネル24の回動が開始される。そして、時刻t3においてワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に達したタイミングで、室内ファン13の運転が開始される。
【0088】
この例では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。なお、本発明において、「ファンON禁止開度」とは、ワイヤ71の繰り出し量がS1(第1所定量)以下となる場合であって、可動パネル24が室内ファン13の運転によって本体20側に吸い込まれる状態を意味する。したがって、本実施形態では、可動パネル24の回動時に可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな開動作を実現できる。そして、時刻t4においてワイヤ71の繰り出し量がS2に達したタイミングで、可動パネル24は吸込口20aを完全に開く(パネル開状態)。
【0089】
図13は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の開動作との関係を示している。この例では、図12と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)である時刻t4において開始される。この例では、図12と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いたタイミングで室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0090】
図14は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の開動作との関係を示している。この例では、図13と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)になった時刻t4より後である時刻t5において開始される。この例では、図12と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いた後で室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0091】
図15は、室内ファン13の運転停止タイミングと可動パネル24の閉動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に運転中である。また、この初期状態では、可動パネル24が開いた状態でワイヤ71の繰り出し量はS2に達している(パネル開状態)。そして、時刻t2において、運転指示受付部902(図11)が空調室内機2の運転停止指示を受け付ける。この受付に同期して、可動パネル24を本体20に収納するためにワイヤ71の巻き取りが開始される。
【0092】
その後、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t3において、室内ファン13の運転が停止される。そして、時刻t4においてワイヤ71の繰り出し量が0に達したタイミングで、可動パネル24の収納が完了する(パネル収納状態)。このように、本実施形態では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t4までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな閉動作を実現できる。
【0093】
図16は、室内ファン13の運転停止タイミングと可動パネル24の閉動作との関係を示している。この例では、図15と異なり、室内ファン13の運転は、運転指示受付部902(図11)が空調室内機2の運転停止指示を受け付ける時刻t2において停止される。この例では、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)であってファンON禁止開度に到達する前に室内ファン13の運転を停止させることができる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことをより確実に防止できる。
【0094】
図17は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に停止中であり、可動パネル24はメンテナンス位置まで降下し、ワイヤ71の繰り出し量は最大のSmaxに達している。そして、この時刻t1において、可動パネル24を上昇させて本体20に収納するためにワイヤ71の巻き取りが開始される。
【0095】
時刻t2において、運転指示受付部902は空調室内機2の運転指示を受け付ける。そして、時刻t3において、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に達した後も、さらにワイヤ71が巻き取られ、時刻t4において、その繰り出し量は最小値0である。この時刻t4において、可動パネル24は本体20に一旦収納されると共に、吸込口20aを開く方向に回動する。時刻t5において、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に達したタイミングで室内ファン13の運転が開始される。
【0096】
時刻t6において、ワイヤ71の繰り出し量がS2に達し、可動パネル24は吸込口20aを完全に開く(パネル開状態)。このように、本実施形態では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな上昇動作及び開動作を実現できる。
【0097】
図18は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、図17と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)である時刻t6において開始される。この例では、図17と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いたタイミングで室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0098】
図19は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、図18と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)になった時刻t6より後である時刻t7において開始される。この例では、図18と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いた後で室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0099】
図20は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の下降動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に停止しており、可動パネル24は、ワイヤ71の繰り出し量が最小値0に達した状態で本体20に収納されている(パネル収納状態)。この初期状態から、可動パネル24をメンテナンス位置まで降下させるためにワイヤ71の繰り出しが開始される。
【0100】
時刻t2において、運転指示受付部902は空調室内機2の運転指示を受け付ける。受付後も、さらにワイヤ71が繰り出され、時刻t3において、その繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に到達したタイミングで、室内ファン13の運転が開始される。そして、時刻t4において、ワイヤ71の繰り出し量は最大値Smaxに達し、可動パネル24はメンテナンス位置に到達する。この例では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t1から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな下降動作を実現できる。
【0101】
図21は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の下降動作との関係を示している。この例では、図20と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がSmax(第2所定量)である時刻t4において開始される。この例では、図20と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t1から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24がメンテナンス位置に到達したタイミングで室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0102】
図22は、室内ファン13の運転開始及び運転停止タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、可動パネル24は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)が最大値Smax(第2所定量)であると共に、運転指示受付部902が空調室内機2の運転指示を受け付けて、室内ファン13の運転が開始される。このため、運転指示の受付に同期して即座に室内ファン13の運転を開始できる。
【0103】
この初期状態から、可動パネル24を本体20に収納するためにワイヤ71の巻き取りが開始される。そして、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t2において、室内ファン13の運転が停止される。室内ファン13の運転停止後も、さらにワイヤ71が巻き取られ、時刻t3において、ワイヤ71の繰り出し量が最小値0に達し、可動パネル24は本体20に一旦収納されると共に(パネル収納状態)、吸込口20aを開く方向に回動する。そして、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t4に再開される。
【0104】
運転再開後の時刻t5において、ワイヤ71の繰り出し量はS2に達し、可動パネル24は吸込口20aを完全に開く(パネル開状態)。この例では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t4までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな上昇動作及び開動作を実現できる。
【0105】
図23は、室内ファン13の運転開始及び運転停止タイミングと可動パネル24の閉動作及び下降動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)は、可動パネル24が吸込口20aを開いた状態でS2(第2所定量)であると共に(パネル開状態)、運転指示受付部902が空調室内機2の運転指示を受け付けて、室内ファン13の運転が開始される。このため、運転指示の受付に同期して即座に室内ファン13の運転を開始できる。
【0106】
時刻t2において、可動パネル24で吸込口20aを閉じるためにワイヤ71の巻き取りが開始される。そして、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t3において、室内ファン13の運転が停止される。室内ファン13の運転停止後も、さらにワイヤ71が巻き取られ、時刻t4において、ワイヤ71の繰り出し量が最小値0に達し、可動パネル24は吸込口20aを一旦閉じると共に(パネル収納状態)、メンテナンス位置への下降を開始する。
【0107】
そして、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t5において、室内ファン13の運転が再開される。運転再開後の時刻t6において、ワイヤ71の繰り出し量はSmaxに達し、可動パネル24はメンテナンス位置に到達する。このように、本実施形態では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな閉動作及び下降動作を実現できる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0109】
なお、図24に示すように、可動パネル24は格子状の格子パネルとして形成されてもよい。この格子パネルが埃やゴミ等によって目詰まりした場合に、室内ファン13による本体20側への吸い込みを防止できる点で特に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明を利用すれば、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルのスムーズな昇降あるいは回動を実現可能な天井設置式の空調室内機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の一実施形態に係る空調室内機の外観斜視図である。
【図2】可動パネルの回動及び降下動作を示す説明図である。
【図3】空調室内機の断面図である。
【図4】化粧パネルの斜視図である。
【図5】ヒンジ連結装置の分解斜視図である。
【図6】昇降装置の分解斜視図である。
【図7】昇降装置内部の部品の配置図である。
【図8】ロック装置の斜視図である。
【図9】可動パネルが吸込口を開いた状態の斜視図である。
【図10】可動パネルが降下している状態の斜視図である。
【図11】空気調和機の要部を示すブロック図である。
【図12】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図13】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図14】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図15】室内ファンの運転停止タイミングと可動パネルの閉動作との関係を示す説明図である。
【図16】室内ファンの運転停止タイミングと可動パネルの閉動作との関係を示す説明図である。
【図17】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの上昇動作及び開動作との関係を示す説明図である。
【図18】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの上昇動作及び開動作との関係を示す説明図である。
【図19】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図20】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの下降動作との関係を示す説明図である。
【図21】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの下降動作との関係を示す説明図である。
【図22】室内ファンの運転開始及び運転停止タイミングと可動パネルの上昇動作及び開動作との関係を示す説明図である。
【図23】室内ファンの運転開始及び運転停止タイミングと可動パネルの閉動作及び下降動作との関係を示す説明図である。
【図24】化粧パネルの斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
2 空調室内機
6 ヒンジ連結装置(駆動機構)
7 昇降機構(駆動機構)
8 ロック装置(駆動機構)
13 室内ファン
20 本体
20a 吸込口
20b 吹出口
21 化粧パネル
24 可動パネル
90 制御部(制御手段)
91 リモートコントローラ
902 運転指示受付部(受付手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井設置式の空調室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井設置式の空調室内機では、吸込グリルをワイヤで吊り下げて、このワイヤを巻き取り又は繰り出すことによって、エアフィルタ等のメンテナンス時に可動パネルを昇降させる空調室内機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような空気調和機では、メンテナンスが終了すると、ワイヤが巻き取られると共に、可動パネルが本体側の収納部に収納される。
【0003】
しかしながら、このような従来の空調室内機では、可動パネルの昇降時に、室内ファンの運転によって可動パネルが本体側に吸い込まれ、可動パネルのスムーズな昇降を実現できない場合があった。
【特許文献1】特開平11−2423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルのスムーズな昇降あるいは回動を実現可能な天井設置式の空調室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る天井設置式の空調室内機は、吸込口及び吹出口を有する本体と、吸込口を覆う所定位置を含む複数の位置に移動可能な可動パネルと、本体内に配置され、吸込口から空気を吸い込むと共に吹出口から空気を吹き出すための室内ファンと、可動パネルを移動させる駆動機構と、室内ファン及び駆動機構を制御する制御手段とを備え、制御手段は、可動パネルの所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファンを停止させる。
【0006】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンによる可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな移動を実現できる。
【0007】
第2の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1の発明に係る天井設置式の空調室内機において、可動パネルは、所定位置に配置された状態において吸込口を閉じる。
【0008】
この天井設置式の空調室内機では、空調室内機の運転開始時に可動パネルが吸込口を開くことで、室内ファンから吹出口に通じる空気流路を形成できる。
【0009】
第3の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1または第2の発明に係る天井設置式の空調室内機において、駆動機構は、可動パネルを上下方向に昇降させるものであって、制御手段は、可動パネルの所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファンを停止させる。
【0010】
この天井設置式の空調室内機では、空調室内機のメンテナンス等で可動パネルを昇降させる際に、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな昇降を実現できる。
【0011】
第4の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第3の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに受付手段が空調運転指示を受け付けた場合に、空調運転指示の受付に同期して室内ファンの運転を開始する。
【0012】
この天井設置式の空調室内機では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0013】
第5の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第3の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに受付手段が空調運転指示を受け付けた場合に、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に達した後で室内ファンの運転を開始する。
【0014】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0015】
第6の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1〜5の発明に係る天井設置式の空調室内機において、駆動機構は、所定位置に配置された可動パネルを回動させるものであって、制御手段は、可動パネルの所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは室内ファンを停止させる。
【0016】
この天井設置式の空調室内機では、空調室内機の運転等で可動パネルの離間量が第1所定量以下に達するときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな回動を実現できる。
【0017】
第7の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第6の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに受付手段が空調運転指示を受け付けた場合に、空調運転指示の受付に同期して室内ファンの運転を開始する。
【0018】
この天井設置式の空調室内機では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0019】
第8の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第6の発明に係る天井設置式の空調室内機において、空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、可動パネルが所定位置に配置された状態であるときに受付手段による空調運転指示の受付に同期して可動パネルを回動させると共に、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に達した後で室内ファンの運転を開始する。
【0020】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0021】
第9の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第1〜8の発明に係る天井設置式の空調室内機において、駆動機構は、可動パネルの一端を回動可能に支持する支持状態と、可動パネルの一端の支持を解除する支持解除状態とを切り換えるヒンジ連結装置と、可動パネルに連結されたワイヤを繰り出し又は巻き取ることで可動パネルを移動させる昇降装置とを備えている。
【0022】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置と昇降装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0023】
第10の発明に係る天井設置式の空調室内機は、第9の発明に係る天井設置式の空調室内機において、可動パネルの他端を下降不可能に支持するロック状態と、可動パネルの他端のロックを解除するロック解除状態とを切り換えるロック装置を備えている。
【0024】
この天井設置式の空調室内機では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置、昇降装置及びロック装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0025】
第11の発明に係る天井設置式の空調室内機は、可動パネルは、格子状の格子パネルである。
【0026】
この天井設置式の空調室内機では、格子パネルがゴミや埃等によって目詰まりした場合に、室内ファンによる本体側への吸い込みを防止できる点で特に有効である。
【発明の効果】
【0027】
第1の発明では、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンによる可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな移動を実現できる。
【0028】
また、第2の発明では、空調室内機の運転開始時に可動パネルが吸込口を開くことで、室内ファンから吹出口に通じる空気流路を形成できる。
【0029】
また、第3の発明では、空調室内機のメンテナンス等で可動パネルを昇降させる際に、可動パネルの離間量が第1所定量以下であるときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな昇降を実現できる。
【0030】
また、第4の発明では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0031】
また、第5の発明では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0032】
また、第6の発明では、空調室内機の運転等で可動パネルの離間量が第1所定量以下に達するときに室内ファンの運転による可動パネルの吸い込みを防止できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことを防止でき、可動パネルのスムーズな回動を実現できる。
【0033】
また、第7の発明では、受付手段が空調運転指示を受け付けたタイミングで室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量であるときに即座に室内ファンの運転を開始できる。
【0034】
また、第8の発明では、可動パネルの離間量が第1所定量より大きい第2所定量に到達した後で室内ファンの運転を開始できる。このため、可動パネルが本体側に吸い付くことをより確実に防止できると共に、室内ファンの運転制御を容易に実現できる。
【0035】
また、第9の発明では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置と昇降装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0036】
また、第10の発明では、可動パネルの昇降動作や回動動作をヒンジ連結装置、昇降装置及びロック装置で構成された簡易な機構で実現できる。
【0037】
また、第11の発明では、格子パネルがゴミや埃等によって目詰まりした場合に、室内ファンによる本体側への吸い込みを防止できる点で特に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係る空調室内機の外観斜視図である。図1において、空調室内機2は、下面に吸込口20a及び吹出口20bを有する本体20と、吸込口20aを開閉する可動パネル24及び吹出口20bを開閉する第1風向調節羽根52とを備えている。吸込口20aと吹出口20bとは一定距離を隔てて隣接しており、吹出口20bから吹き出された空気が吸込口20aに吸い込まれる現象、いわゆるショートサーキットが発生しないようになっている。本体20の下面は、化粧パネル21によって覆われており、実際に天井面に露出するのは化粧パネル21であって、吸込口20a及び吹出口20bの輪郭は化粧パネル21によって形成されている。
【0040】
図2は、可動パネル24の回動及び昇降動作を示す説明図である。図2(a)は、空調室内機の運転停止時の側面図であり、図2(b)は、その空調室内機の運転時の側面図であり、図2(c)は、メンテナンス時の側面図である。図2(a)、(b)、(c)において、空調室内機2が停止しているとき、可動パネル24は化粧パネル21と見かけ上一体化している。図2(b)において、空調室内機2が稼動するとき、可動パネル24は吸込口20aを開き、第1風向調節羽根52は吹出口20bを開く。可動パネル24の一端は蝶番によって本体20に支持されており、可動パネル24は回動して吸込口20aを開ける。
【0041】
また、図2(c)において、可動パネル24は、本体20側から延びるワイヤ71に吊られた状態で使用者の手が届くメンテナンス位置まで降下することができる。但し、可動パネル24は、一端が蝶番によって本体20に支持されている状態ではメンテナンス位置まで降下することができないので、一旦、吸込口20aを閉じて、本体20による支持が解除されたのちにメンテナンス位置まで降下する。なお、昇降装置7の詳細については図6、7で、ロック装置8の詳細構造については図8で説明する。
【0042】
図3は、空調室内機2の断面図である。図3において、空調室内機2は、フィルタ9、フィルタ清掃機構10、室内熱交換器12、室内ファン13、ドレンパン14及び吹出口モジュール50をさらに備えている。空調室内機2の運転時、吸込口20a及び吹出口20bが開き、室内ファン13が回転し、空気が吸込口20aから吸い込まれる。
【0043】
(室内熱交換器12)
室内熱交換器12は、2つの熱交換器が異なる傾斜姿勢で隣接した形状をしており、説明の便宜上、上側の熱交換器を上部熱交換器12a、下側の熱交換器を下部熱交換器12bと呼ぶ。
【0044】
上部熱交換器12aの上端は本体20の内側上部に位置し、上端から下端に向って傾斜する角度は、鉛直線に対して45°以下に設定されており、結露水が確実に上部熱交換器12aを伝わってドレンパン14に向う。このため、ドレンパン14は、上部熱交換器12aの下方全域に配置される必要が無く、上部熱交換器12aの下端近傍の下方にだけ配置されている。
【0045】
下部熱交換器12bの上端は、上部熱交換器12aの下端に近接して配置されており、上端から下端に向って傾斜する角度は、鉛直線に対して45°を超えている。このため、結露水が直接落下する可能性があるので、ドレンパン14は、下部熱交換器12bの下方全域に配置されている。
【0046】
上部熱交換器12aは、下部熱交換器12bよりも長い寸法に設定されており、下端コーナーが、下部熱交換器12bの上端中央に近接している。このため、上部熱交換器12aを下部熱交換器12bより長くした分量を相殺している。
【0047】
(室内ファン13)
室内ファン13は、クロスフローファンであり、幅寸法が直径よりも長く、回転軸と垂直な方向から空気を吸い込むので、単一の吸込口20aから空気を吸い込んで、単一の吹出口20bへ吹き出すことができる。吸い込まれた空気は、フィルタ9及び室内熱交換器12を通過して室内ファン13に入る。これ以後、吸込口20aから室内ファン13までの空気流路を吸込流路31aと呼ぶ。
【0048】
室内ファン13から吹き出された空気は、吹出口モジュール50を通過して吹出口20bから吹き出される。吹出口20bには、吹出口モジュール50の構成部品である第1風向調節羽根52が配置されており、第1風向調節羽根52は、モータによって傾斜角度の調節が可能であり、運転停止時は、第1風向調節羽根52が吹出口20bを閉じる。これ以後、室内ファン13から吹出口20bまでの空気流路を吹出流路(第2吹出流路41a、第1吹出流路51a)と呼ぶ。室内ファン13とドレンパン14との間で且つ第2吹出流路41a側には、舌部15が設けられている。なお、舌部15は、室内ファン13及びドレンパン14とは独立した部材である。
【0049】
(本体20)
空調室内機2は、可動パネル24の上方に、フィルタ清掃機構10を備えているので、フィルタ清掃機構10を備えていない標準空調室内機と比較して本体20の高さ寸法が大きくなる。空調室内機2は、標準空調室内機の本体を利用するために、標準空調室内機の本体に拡張枠を連結している。
【0050】
<可動パネル24の動作に関連する装置>
図4は、化粧パネル21の斜視図である。図4に示すように、化粧パネル21の天井側の面上には、昇降装置7以外に、ヒンジ連結装置6及びロック装置8が配置されている。以下、ヒンジ連結装置6、昇降装置7及びロック装置8の詳細構造について順に説明する。
【0051】
(ヒンジ連結装置6)
ヒンジ連結装置6は、空調室内機2が稼動するとき、可動パネル24の一端を回動可能に支持し、可動パネル24をメンテナンス位置まで降下させるとき、可動パネル24の一端の支持を解除する。
【0052】
図5は、ヒンジ連結装置6の分解斜視図である。図5において、ヒンジ連結装置6は、回動部材61、滑り部材62、第1ピン63、ピニオン歯車64、ヒンジ連結用モータ65、固定部材66、第2ピン67及びネジ68を有している。回動部材61は、U字状の固体物であって、端面から外側に向って棒状の支持軸61aが突出している。さらに、回動部材61の一端部には、軸孔61bが形成されている。
【0053】
滑り部材62は、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aと、回動部材61の軸孔61bの両端を挟むアーム62bとが形成されている。さらに、アーム62bには、第1滑り孔62cが形成され、ラック62aの根元近傍には、第2滑り孔62dが形成されている。ヒンジ連結用モータ65は、ステッピングモータであり、ピニオン歯車64を回転させる。ヒンジ連結用モータ65は、ネジ68が通る貫通孔65aを有する。ヒンジ連結用モータ65は、制御部90に搭載されたモータドライバ回路903(図11)と電気的に接続されている。そして、ヒンジ連結用モータ65は、モータドライバ回路903から供給されるパルス信号によって駆動される。
【0054】
固定部材66には、滑り部材62を滑り移動可能に保持する滑り空間66aと、ピニオン歯車64が挿入される歯車空間66bと、ネジ68と螺合するネジ孔66cとが形成されている。さらに、滑り空間66aを形成する壁には、第1貫通孔66dと第2貫通孔66eとが形成されている。
【0055】
固定部材66の滑り空間66aに滑り部材62が配置され、その滑り部材62のアーム62bに回動部材61の軸孔61bが挟まれるように配置される。第1ピン63は、固定部材66の第1貫通孔66dの一端から挿入され、滑り部材62の第1滑り孔62c及び回動部材61の軸孔61bを通って第1貫通孔66dの他端に出る。
【0056】
第2ピン67は、第2貫通孔66eの一端から挿入され、滑り部材62の第2滑り孔62dを通って第2貫通孔66eの他端に出る。その結果、滑り部材62は、第1ピン63及び第2ピン67に沿って滑り空間を水平移動することができ、回動部材61は、第1ピン63を中心に回動することができる。
【0057】
(ヒンジ連結装置6の動作)
図4、図5において、ヒンジ連結用モータ65がピニオン歯車64を回転させると、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aに動力が伝達されて滑り部材62は第1ピン63に沿って滑り移動し、滑り部材62の移動に伴って回動部材61が可動パネル24の方向、或はその反対の方向へ移動する。ここで説明の便宜上、回動部材61を可動パネル24と連結する方向へ移動するようにヒンジ連結用モータ65が回転することを正転と呼び、回動部材61と可動パネル24との連結を解除する方向へ移動するようにヒンジ連結用モータ65が回転することを逆転と呼ぶ。
【0058】
可動パネル24の端部には、回動部材61に支持軸61aと対峙する支持孔(図示せず)が設けられており、ヒンジ連結用モータ65が正転し、支持軸61aが可動パネル24の支持孔24cに挿入されたときは、回動部材61と可動パネル24との連結が成立し、可動パネル24は、第1ピン63を中心に回動することができる(支持状態)。
【0059】
一方、ヒンジ連結用モータ65が逆転し、支持軸61aが可動パネル24の支持孔24cから抜け出たときは、回動部材61と可動パネル24との連結が解消され、可動パネル24は、第1ピン63を中心に回動することができない(支持解除状態)。
【0060】
(昇降装置7)
図6は、昇降装置7の分解斜視図である。図6において、昇降装置7は、ワイヤ71、滑車72、ボビン73、巻取り歯車74、駆動歯車75、昇降用モータ76、スイッチ77及びケース78を有している。
【0061】
滑車72は、滑車部72aとカム部72bとが一体に成形されており、滑車部72aは、ワイヤ71を支え、ワイヤ71の移動に伴って回転する。カム部72bは、小径曲面と大径曲面とそれら両曲面を結ぶ平面とから成る。
【0062】
ボビン73は、ワイヤ71を巻取る。巻取り歯車74は、ボビン73と同軸で連結され一体的に回転する。駆動歯車75は、巻取り歯車74と噛み合いボビン73を回転させる。
【0063】
昇降用モータ76は、駆動歯車75を回転させるためのステッピングモータであり、制御部90(図11)に搭載されたモータドライバ回路904と電気的に接続されている。そして、昇降用モータ76は、モータドライバ回路904から供給されるパルス信号によって駆動される。
【0064】
スイッチ77は、レバー77aを有するマイクロスイッチであり、レバー77aが押されることによってオンする。レバー77aは、常に滑車72のカム部72bと接触しており、カム部72bの大径曲面と対峙したときに押される。スイッチ77も、制御部90(図11)と電気的に接続されている。
【0065】
ケース78は、支持ケース78aとカバー78bとに分割されている。支持ケース78aには、滑車72を支持する第1軸79a、ボビン73と巻取り歯車74とを支持する第2軸79b、スイッチ77を支持する第3軸79cが形成されている。カバー78bは、支持ケース78aに支持された各部品を覆って保護する。
【0066】
(昇降装置7の動作)
図7は、昇降装置7内部の部品の配置図である。図7において、昇降装置7がワイヤ71を繰り出す場合、昇降用モータ76は駆動歯車75をCCW方向へ回転させ、巻取り歯車74をCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を繰り出す方向に回転する。
【0067】
一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取る場合、昇降用モータ76は駆動歯車75をCW方向へ回転させ、巻取り歯車74をCCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を巻き取る方向に回転する。ワイヤ71の繰り出し量および巻き取り量は、昇降用モータ76の回転量に比例しており、制御部90が、昇降用モータ76へ供給するパルス信号を制御することによって、ワイヤ71の繰り出し量および巻き取り量が制御される。
【0068】
ワイヤ71の先端には可動パネル24が連結されるため、ワイヤ71には常に張力が発生しており、ワイヤ71が繰り出されるとき、又はワイヤ71が巻き取られるとき、滑車部72aがワイヤ71との摩擦力によって回転する。このとき、カム部72bも回転するので、スイッチ77は、レバー77aがカム部72bの大径曲面と対峙したときにオン信号を発し、レバー77aが小径曲面と対峙したときにはオフ信号を発する。滑車72が回転している間は、オン信号とオフ信号が交互に発生し、これらの信号は、すべて制御部90に入力される。
【0069】
(ロック装置8)
可動パネル24が吸込口20aを閉じているとき、可動パネル24を本体20に支持しているのは、ヒンジ連結装置6と昇降装置7である。不測の要因で、ヒンジ連結装置6が誤動作し可動パネル24の支持を解除し、昇降装置7のワイヤ71が緩んでしまったときでも可動パネル24が落下しないように、空調室内機2はロック装置8をさらに備えている。
【0070】
図8は、ロック装置8の斜視図である。図8において、ロック装置8は、可動体81、第1保持部82、第2保持部83、ロック用モータ84及びスプリング85を有している。可動体81は、四角柱形状を成し、その一端には傾斜面811が形成され、全長が最長である長側面812には所定の歯車と噛み合うラック81aが形成され、ラック81aの下方には中空部81bが形成されている。可動体81は、長側面812を鉛直上方に向け、第1保持部82に移動可能な状態で保持されている。
【0071】
第1保持部82は、上面と一側面とが開放された直方体形状の筐体であり、底面に案内溝82aが形成されており、可動体81がその案内溝82aに沿って水平移動する。案内溝82aの両端は壁821、822で挟まれており、一方の壁821には可動体81が通る貫通口82bが形成されている。案内溝82aの両端を挟む壁821、822には壁823が隣接しており、壁823には、案内溝82aと直交する方向に突出する板状突起82cが形成されている。可動体81は第1保持部82に保持されているとき、傾斜面811は常に第1保持部82の外側に位置し、ラック81aは常に第1保持部82の内部に位置する。そして、第1保持部82の板状突起82cは、可動体81の中空部81bを貫通している。
【0072】
壁823は、ロック用モータ84を固定し、ロック用モータ84の回転軸に連結されたピニオン歯車84aを回転可能に支持している。ピニオン歯車84aは、可動体81のラック81aと噛み合い、ラック&ピニオン機構を成している。可動体81の中空部81bには、スプリング85が収納されている。スプリング85は、圧縮コイルスプリングであって、中空部81bの端部と板状突起82cとで挟まれている。
【0073】
第2保持部83は、可動体81が通る案内孔83aが形成された固体物であって、可動パネル24側に設置される。第2保持部83の上面には滑らかな曲面831が形成されている。ロック用モータ84は、制御部90(図11)に搭載されたモータドライバ回路905と電気的に接続されている。そして、ロック用モータ84は、モータドライバ94(図11)から供給されるパルス信号によって駆動される。
【0074】
(ロック装置8の動作)
図8において、可動体81は、第1保持体82と第2保持体83に保持された状態であり、その状態でロック用モータ84がピニオン歯車84aをCCW方向へ回転させたとき、ピニオン歯車84aの回転運動はラック81aによって直線運動に変換され、可動体81が壁822に向って滑り移動する。可動体81が所定距離移動したとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aから離れる。可動体81を保持しない第2保持体83は、上下方向の移動が許容されるので、可動パネル24の降下を妨げない(ロック解除状態)。
【0075】
可動体81の移動によって、中空部81bの側面と板状突起82cとの距離が短くなるので、スプリング85は圧縮され反発力を貯える。ロック用モータ84は、電力が供給されている間、スプリング85の増加する反発力に抗して回転するが、電力が供給されなくなったとき、スプリング85の反発力によって逆回転し、可動体81は元の位置へ復帰する。
【0076】
可動パネル24が降下せず第2保持部83が移動していないとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aに入る。一方、可動パネル24が降下して第2保持部83が移動しているとき、第2保持部83が復帰する軌道上で待機する。そして、可動パネル24が上昇して吸込口20aを閉じたとき、第2保持部83は、曲面831を可動体81の傾斜面811に当てて、可動体81を押しのけて復帰する。
【0077】
第2保持部83に押された可動体81は、水平移動しスプリング85を圧縮する。第2保持部83が完全に復帰したとき、可動体81は、第2保持部83の案内孔83aを貫通する。その結果、可動体81が可動パネル24の降下を妨げることになる(ロック状態)。
【0078】
(可動パネルの開閉動作)
図9は、可動パネル24が吸込口を開いた状態の斜視図である。図9において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24を連結した状態で、ロック装置8がロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。しかし、可動パネル24の端部はヒンジ連結装置6に連結されているので、可動パネル24は端部を軸として吸込口20aを開く方向へ回動する。
【0079】
一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取るとき、可動パネル24は上昇するが、可動パネル24の端部がヒンジ連結装置6に連結されているので、可動パネル24は端部を軸として吸込口20aを閉じる方向へ回動する。可動パネル24が吸込口20aを完全に閉じたとき、ロック装置8が可動パネル24をロックする。
【0080】
(可動パネルの昇降動作)
図10は、可動パネル24が降下している状態の斜視図である。図10において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24の端部との連結を解除し、ロック装置8が可動パネル24のロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取るとき、可動パネル24は上昇し、可動パネル24が吸込口20aを完全に閉じたとき、ロック装置8が可動パネル24をロックする。
【0081】
図11は、空気調和機2の要部を示すブロック図である。制御部90(制御手段)には、室内ファン13を運転制御するファン運転制御部901と、リモートコントローラ91と有線又は無線により通信可能に接続された運転指示受付部902(受付手段)と、ヒンジ連結用モータ65と電気的に接続されたモータドライバ回路903と、昇降用モータ76と電気的に接続されたモータドライバ回路904と、ロック用モータ84と電気的に接続されたモータドライバ回路905とが搭載されている。
【0082】
ヒンジ連結用モータ65は、モータドライバ回路903によって駆動される。そして、ヒンジ連結用モータ65の正転によって、可動パネル24(図2)は、第1ピン63(図5)を中心に回動することができる。一方、ヒンジ連結用モータ65の逆転によって、可動パネル24は、第1ピン63を中心に回動することが規制される。
【0083】
昇降用モータ76は、モータドライバ回路904によって駆動される。そして、昇降用モータ76が駆動歯車75(図6)をCCW方向へ回転させることによって、昇降装置7はワイヤ71(図6)を繰り出すことができる。一方、昇降モータ76が駆動歯車75をCW方向へ回転させることによって、昇降装置7はワイヤ71を巻き取ることができる。
【0084】
ロック用モータ84は、モータドライバ回路905によって駆動される。そして、ロック用モータ84がピニオン歯車84a(図8)をCCW方向へ回転させることによって、ロック装置8は可動パネル24の降下させることができる。一方、ロック用モータ84がスプリング85の反発力によって逆回転することで、ロック装置8は可動パネル24の降下を規制することができる。
【0085】
図12〜図21は、室内ファン13の動作と可動パネル24の動作の関係を示す説明図である。
【0086】
図12は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の開動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に停止しており、可動パネル24は吸込口20aを閉じる位置に配置された状態で本体20に収納されている(パネル収納状態)。この収納状態では、ワイヤ71は繰り出し量が最小値0に達した状態で昇降装置7に巻き取られている。
【0087】
時刻t2において、運転指示受付部902(図11)が空調室内機2の運転指示を受け付ける。この受付に同期して、昇降装置7によるワイヤ71の繰り出しが開始され、吸込口20aを開く方向に可動パネル24の回動が開始される。そして、時刻t3においてワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に達したタイミングで、室内ファン13の運転が開始される。
【0088】
この例では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。なお、本発明において、「ファンON禁止開度」とは、ワイヤ71の繰り出し量がS1(第1所定量)以下となる場合であって、可動パネル24が室内ファン13の運転によって本体20側に吸い込まれる状態を意味する。したがって、本実施形態では、可動パネル24の回動時に可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな開動作を実現できる。そして、時刻t4においてワイヤ71の繰り出し量がS2に達したタイミングで、可動パネル24は吸込口20aを完全に開く(パネル開状態)。
【0089】
図13は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の開動作との関係を示している。この例では、図12と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)である時刻t4において開始される。この例では、図12と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いたタイミングで室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0090】
図14は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の開動作との関係を示している。この例では、図13と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)になった時刻t4より後である時刻t5において開始される。この例では、図12と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いた後で室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0091】
図15は、室内ファン13の運転停止タイミングと可動パネル24の閉動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に運転中である。また、この初期状態では、可動パネル24が開いた状態でワイヤ71の繰り出し量はS2に達している(パネル開状態)。そして、時刻t2において、運転指示受付部902(図11)が空調室内機2の運転停止指示を受け付ける。この受付に同期して、可動パネル24を本体20に収納するためにワイヤ71の巻き取りが開始される。
【0092】
その後、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t3において、室内ファン13の運転が停止される。そして、時刻t4においてワイヤ71の繰り出し量が0に達したタイミングで、可動パネル24の収納が完了する(パネル収納状態)。このように、本実施形態では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t4までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな閉動作を実現できる。
【0093】
図16は、室内ファン13の運転停止タイミングと可動パネル24の閉動作との関係を示している。この例では、図15と異なり、室内ファン13の運転は、運転指示受付部902(図11)が空調室内機2の運転停止指示を受け付ける時刻t2において停止される。この例では、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)であってファンON禁止開度に到達する前に室内ファン13の運転を停止させることができる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことをより確実に防止できる。
【0094】
図17は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に停止中であり、可動パネル24はメンテナンス位置まで降下し、ワイヤ71の繰り出し量は最大のSmaxに達している。そして、この時刻t1において、可動パネル24を上昇させて本体20に収納するためにワイヤ71の巻き取りが開始される。
【0095】
時刻t2において、運転指示受付部902は空調室内機2の運転指示を受け付ける。そして、時刻t3において、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に達した後も、さらにワイヤ71が巻き取られ、時刻t4において、その繰り出し量は最小値0である。この時刻t4において、可動パネル24は本体20に一旦収納されると共に、吸込口20aを開く方向に回動する。時刻t5において、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に達したタイミングで室内ファン13の運転が開始される。
【0096】
時刻t6において、ワイヤ71の繰り出し量がS2に達し、可動パネル24は吸込口20aを完全に開く(パネル開状態)。このように、本実施形態では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな上昇動作及び開動作を実現できる。
【0097】
図18は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、図17と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)である時刻t6において開始される。この例では、図17と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いたタイミングで室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0098】
図19は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、図18と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS2(第2所定量)になった時刻t6より後である時刻t7において開始される。この例では、図18と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24が吸込口24を完全に開いた後で室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0099】
図20は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の下降動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、空調室内機2も室内ファン13も共に停止しており、可動パネル24は、ワイヤ71の繰り出し量が最小値0に達した状態で本体20に収納されている(パネル収納状態)。この初期状態から、可動パネル24をメンテナンス位置まで降下させるためにワイヤ71の繰り出しが開始される。
【0100】
時刻t2において、運転指示受付部902は空調室内機2の運転指示を受け付ける。受付後も、さらにワイヤ71が繰り出され、時刻t3において、その繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)に到達したタイミングで、室内ファン13の運転が開始される。そして、時刻t4において、ワイヤ71の繰り出し量は最大値Smaxに達し、可動パネル24はメンテナンス位置に到達する。この例では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t1から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな下降動作を実現できる。
【0101】
図21は、室内ファン13の運転開始タイミングと可動パネル24の下降動作との関係を示している。この例では、図20と異なり、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がSmax(第2所定量)である時刻t4において開始される。この例では、図20と同様に、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t1から時刻t3までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。さらに、可動パネル24がメンテナンス位置に到達したタイミングで室内ファン13の運転を開始できるため、室内ファン13の運転制御を容易に実現できる。
【0102】
図22は、室内ファン13の運転開始及び運転停止タイミングと可動パネル24の上昇動作及び開動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、可動パネル24は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)が最大値Smax(第2所定量)であると共に、運転指示受付部902が空調室内機2の運転指示を受け付けて、室内ファン13の運転が開始される。このため、運転指示の受付に同期して即座に室内ファン13の運転を開始できる。
【0103】
この初期状態から、可動パネル24を本体20に収納するためにワイヤ71の巻き取りが開始される。そして、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t2において、室内ファン13の運転が停止される。室内ファン13の運転停止後も、さらにワイヤ71が巻き取られ、時刻t3において、ワイヤ71の繰り出し量が最小値0に達し、可動パネル24は本体20に一旦収納されると共に(パネル収納状態)、吸込口20aを開く方向に回動する。そして、室内ファン13の運転は、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t4に再開される。
【0104】
運転再開後の時刻t5において、ワイヤ71の繰り出し量はS2に達し、可動パネル24は吸込口20aを完全に開く(パネル開状態)。この例では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t2から時刻t4までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな上昇動作及び開動作を実現できる。
【0105】
図23は、室内ファン13の運転開始及び運転停止タイミングと可動パネル24の閉動作及び下降動作との関係を示している。この例では、時刻t1において、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)は、可動パネル24が吸込口20aを開いた状態でS2(第2所定量)であると共に(パネル開状態)、運転指示受付部902が空調室内機2の運転指示を受け付けて、室内ファン13の運転が開始される。このため、運転指示の受付に同期して即座に室内ファン13の運転を開始できる。
【0106】
時刻t2において、可動パネル24で吸込口20aを閉じるためにワイヤ71の巻き取りが開始される。そして、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t3において、室内ファン13の運転が停止される。室内ファン13の運転停止後も、さらにワイヤ71が巻き取られ、時刻t4において、ワイヤ71の繰り出し量が最小値0に達し、可動パネル24は吸込口20aを一旦閉じると共に(パネル収納状態)、メンテナンス位置への下降を開始する。
【0107】
そして、ワイヤ71の繰り出し量(離間量)がS1(第1所定量)である時刻t5において、室内ファン13の運転が再開される。運転再開後の時刻t6において、ワイヤ71の繰り出し量はSmaxに達し、可動パネル24はメンテナンス位置に到達する。このように、本実施形態では、ワイヤ71の繰り出し量がファンON禁止開度である時刻t3から時刻t5までの期間に、室内ファン13を運転することを防止できる。このため、可動パネル24が本体20側に吸い付くことを防止でき、可動パネル24のスムーズな閉動作及び下降動作を実現できる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0109】
なお、図24に示すように、可動パネル24は格子状の格子パネルとして形成されてもよい。この格子パネルが埃やゴミ等によって目詰まりした場合に、室内ファン13による本体20側への吸い込みを防止できる点で特に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明を利用すれば、空調室内機のメンテナンス時や運転開始時に、可動パネルのスムーズな昇降あるいは回動を実現可能な天井設置式の空調室内機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の一実施形態に係る空調室内機の外観斜視図である。
【図2】可動パネルの回動及び降下動作を示す説明図である。
【図3】空調室内機の断面図である。
【図4】化粧パネルの斜視図である。
【図5】ヒンジ連結装置の分解斜視図である。
【図6】昇降装置の分解斜視図である。
【図7】昇降装置内部の部品の配置図である。
【図8】ロック装置の斜視図である。
【図9】可動パネルが吸込口を開いた状態の斜視図である。
【図10】可動パネルが降下している状態の斜視図である。
【図11】空気調和機の要部を示すブロック図である。
【図12】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図13】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図14】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図15】室内ファンの運転停止タイミングと可動パネルの閉動作との関係を示す説明図である。
【図16】室内ファンの運転停止タイミングと可動パネルの閉動作との関係を示す説明図である。
【図17】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの上昇動作及び開動作との関係を示す説明図である。
【図18】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの上昇動作及び開動作との関係を示す説明図である。
【図19】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの開動作との関係を示す説明図である。
【図20】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの下降動作との関係を示す説明図である。
【図21】室内ファンの運転開始タイミングと可動パネルの下降動作との関係を示す説明図である。
【図22】室内ファンの運転開始及び運転停止タイミングと可動パネルの上昇動作及び開動作との関係を示す説明図である。
【図23】室内ファンの運転開始及び運転停止タイミングと可動パネルの閉動作及び下降動作との関係を示す説明図である。
【図24】化粧パネルの斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
2 空調室内機
6 ヒンジ連結装置(駆動機構)
7 昇降機構(駆動機構)
8 ロック装置(駆動機構)
13 室内ファン
20 本体
20a 吸込口
20b 吹出口
21 化粧パネル
24 可動パネル
90 制御部(制御手段)
91 リモートコントローラ
902 運転指示受付部(受付手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口及び吹出口を有する本体と、
前記吸込口を覆う所定位置を含む複数の位置に移動可能な可動パネルと、
前記本体内に配置され、前記吸込口から空気を吸い込むと共に前記吹出口から空気を吹き出すための室内ファンと、
前記可動パネルを移動させる駆動機構と、
前記室内ファン及び前記駆動機構を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの前記所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは前記室内ファンを停止させることを特徴とする天井設置式の空調室内機。
【請求項2】
前記可動パネルは、前記所定位置に配置された状態において前記吸込口を閉じることを特徴とする請求項1記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記可動パネルを上下方向に昇降させるものであって、
前記制御手段は、前記可動パネルの前記所定位置からの離間量が前記第1所定量以下であるときは前記室内ファンを停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項4】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量であるときに前記受付手段が前記空調運転指示を受け付けた場合に、前記空調運転指示の受付に同期して前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項3記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項5】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量以下であるときに前記受付手段が前記空調運転指示を受け付けた場合に、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量に達した後で前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項3記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項6】
前記駆動機構は、前記所定位置に配置された前記可動パネルを回動させるものであって、
前記制御手段は、前記可動パネルの前記所定位置からの離間量が前記第1所定量以下であるときは前記室内ファンを停止させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項7】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量であるときに前記受付手段が前記空調運転指示を受け付けた場合に、前記空調運転指示の受付に同期して前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項6記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項8】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルが前記所定位置に配置された状態であるときに前記受付手段による前記空調運転指示の受付に同期して前記可動パネルを回動させると共に、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量に達した後で前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項6記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項9】
前記駆動機構は、
前記可動パネルの一端を回動可能に支持する支持状態と、前記可動パネルの一端の支持を解除する支持解除状態とを切り換えるヒンジ連結装置と、
前記可動パネルに連結されたワイヤを繰り出し又は巻き取ることで前記可動パネルを移動させる昇降装置とを備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項10】
前記可動パネルの他端を下降不可能に支持するロック状態と、前記可動パネルの他端のロックを解除するロック解除状態とを切り換えるロック装置を備えていることを特徴とする請求項9記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項11】
前記可動パネルは、格子状の格子パネルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項1】
吸込口及び吹出口を有する本体と、
前記吸込口を覆う所定位置を含む複数の位置に移動可能な可動パネルと、
前記本体内に配置され、前記吸込口から空気を吸い込むと共に前記吹出口から空気を吹き出すための室内ファンと、
前記可動パネルを移動させる駆動機構と、
前記室内ファン及び前記駆動機構を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの前記所定位置からの離間量が第1所定量以下であるときは前記室内ファンを停止させることを特徴とする天井設置式の空調室内機。
【請求項2】
前記可動パネルは、前記所定位置に配置された状態において前記吸込口を閉じることを特徴とする請求項1記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記可動パネルを上下方向に昇降させるものであって、
前記制御手段は、前記可動パネルの前記所定位置からの離間量が前記第1所定量以下であるときは前記室内ファンを停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項4】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量であるときに前記受付手段が前記空調運転指示を受け付けた場合に、前記空調運転指示の受付に同期して前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項3記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項5】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量以下であるときに前記受付手段が前記空調運転指示を受け付けた場合に、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量に達した後で前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項3記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項6】
前記駆動機構は、前記所定位置に配置された前記可動パネルを回動させるものであって、
前記制御手段は、前記可動パネルの前記所定位置からの離間量が前記第1所定量以下であるときは前記室内ファンを停止させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項7】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量であるときに前記受付手段が前記空調運転指示を受け付けた場合に、前記空調運転指示の受付に同期して前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項6記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項8】
空調運転指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記可動パネルが前記所定位置に配置された状態であるときに前記受付手段による前記空調運転指示の受付に同期して前記可動パネルを回動させると共に、前記可動パネルの離間量が前記第1所定量より大きい第2所定量に達した後で前記室内ファンの運転を開始することを特徴とする請求項6記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項9】
前記駆動機構は、
前記可動パネルの一端を回動可能に支持する支持状態と、前記可動パネルの一端の支持を解除する支持解除状態とを切り換えるヒンジ連結装置と、
前記可動パネルに連結されたワイヤを繰り出し又は巻き取ることで前記可動パネルを移動させる昇降装置とを備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項10】
前記可動パネルの他端を下降不可能に支持するロック状態と、前記可動パネルの他端のロックを解除するロック解除状態とを切り換えるロック装置を備えていることを特徴とする請求項9記載の天井設置式の空調室内機。
【請求項11】
前記可動パネルは、格子状の格子パネルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の天井設置式の空調室内機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−43842(P2010−43842A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149620(P2009−149620)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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