説明

空調機の運転制御方法

【課題】兼用冷凍サイクルを複数系統備えた空調機の運転制御技術を提供する。
【解決手段】現状がポンプサイクル運転状態の場合、ΔT≦T2のときは最初に負荷の低い系統(系統A)の冷媒ポンプ9aが停止され、その後、当該系統の圧縮機運転が開始される。次いで、負荷の高い系統(系統B)が同様にして切り替えられる。また、現状が圧縮サイクル運転状態の場合には、切替条件(ΔT≧T1)に該当するときは、最初に一方の系統の圧縮機が停止され、その後、当該系統の冷媒ポンプ運転が開始される。次いで、他方の系統の圧縮機が停止され、続いて当該系統の冷媒ポンプ運転が開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機の運転制御方法に係り、特に兼用冷凍サイクルを複数系統備えた空調機の運転制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機を使用して冷媒を循環させる圧縮サイクルと、冷媒ポンプを使用して冷媒を循環させる冷媒ポンプサイクルを、適宜、切り替えて運転する冷媒循環系統(以下、兼用冷凍サイクルという)を備えた空調機が公知である。このような空調機においては、夏期等の外気温が高いときは圧縮サイクルにより運転し、冬期等の外気温が低いときは冷媒ポンプサイクル(以下、ポンプサイクルという)により運転することにより、圧縮サイクルのみで運転するよりも消費電力を少なくすることができ、省エネ性に優れた空調機が実現できる。
本願出願人は、かかる兼用冷凍サイクルにおける圧縮サイクル⇔ポンプサイクルの切り替えにおいて、外気温と室温との温度差、圧縮サイクルにおける冷房能力、圧縮機周波数等に基づいて判定することを内容とする制御技術を開示している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−61918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
兼用冷凍サイクルにおいて、サイクル切り替えの際に冷媒の性状を安定させるため、冷媒循環を一時的に停止するケースが生じるが、このような場合、特に情報通信機械室(データセンター)等においては、停止時における吹き出し温度上昇により、ICT装置の高温障害等による稼動停止のおそれがある。また、対人空調においては不快感が増加するという問題がある。
さらに、近年、例えばデータセンターにおけるICT機器の高密度化に対応するため、上記兼用冷凍サイクルを複数系統組み込んだ空調機が実用化されている。このような空調機については、1系統を前提とする切り替え制御では適切に対応できないケースがあり、複数系統に特化した制御技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、兼用冷凍サイクルを複数系統備えた空調機について上記各課題を解決するためのものであって、以下の内容をその要旨とする。すなわち、本発明に係る空調制御方法は、
(1)圧縮サイクルと冷媒ポンプサイクルを、所定の判定基準に従い、適宜、切り替えて運転する冷凍サイクル(以下、兼用冷凍サイクルという)を1又は複数系統備えた1又は複数の空調機において、同一又は異なる空調機のうちの2系統以上の系統を、一方のサイクルから他方のサイクルに切り替える場合に、いずれか一の系統の切り替えが完了した後に、順次、残りの系統を切り替えることを特徴とする。
【0006】
本発明において、「圧縮サイクル」とは、圧縮機、蒸発器、凝縮器、膨張弁及びこれらを結ぶ冷媒配管により構成され、以下の冷媒循環によりヒートポンプサイクルを形成するものである。すなわち、圧縮機で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管内流れ凝縮器に導かれ、ここで外気と熱交換して冷却凝縮される。凝縮した液冷媒は、膨張弁を通過する際に断熱膨張し、低圧の液ガス並存状態となって蒸発器に導かれる。ここで冷房対象である室内空気から熱を奪って自らは蒸発し、低圧冷媒ガスとなって冷媒配管を介して圧縮機に戻る。
【0007】
また、「冷媒ポンプサイクル」とは、冷媒ポンプ、蒸発器、凝縮器及びこれらを結ぶ冷媒配管により構成され、以下の冷媒循環によりヒートポンプサイクルを形成するものである。すなわち、冷媒は凝縮器において外気と熱交換して冷却され、液状態で冷媒ポンプに導かれ、ここで昇圧されて蒸発器に導かれる。ここで冷房対象である室内空気から熱を奪って蒸発し、冷媒ガスとなって凝縮器に戻る。
「兼用冷凍サイクル」とは、これら2つのサイクルを同一冷媒配管及びバイパス配管により構成し、三方弁又は切り替え弁により冷媒循環経路を変更可能とすることにより実現するものである。
【0008】
本発明は、(a)単一の空調機が複数系統の兼用冷凍サイクルを備えたケース、(b)それぞれ単一系統の兼用冷凍サイクルを備えた複数の空調機群のケース、及び、(c)それぞれ複数系統の兼用冷凍サイクルを備えた複数の空調機群のケース、のいずれにも適用される。
また、「所定の判定基準」とは、室温と外気温との温度差が所定の閾値以上又は以下に至った場合が例示される。
【0009】
(2)上記発明において、同一又は異なる前記空調機のうちの2系統以上の系統を、一方のサイクルから他方のサイクルに切り替える場合において、冷媒ポンプ周波数又は圧縮機周波数が小さい系統から、順次、切り替えを行うことを特徴とする。
冷媒ポンプ周波数が小さい系統の方が負荷小であるため、切り替え対象系統の一時運転休止による空調機能力低下を最小限に抑えることが可能となる。
【0010】
(3)上記各発明において、一の系統について、圧縮サイクルから冷媒ポンプサイクルに切り替える場合には、当該系統の圧縮機がサーモオフ状態、又は、圧縮機周波数が定常状態に至っていることを条件とすることを特徴とする。
圧縮機が過渡状態のときに圧縮サイクルから冷媒ポンプサイクルへの切り替え判断を行うと、正しい判断が行えず、冷媒ポンプサイクル移行後に能力不足を起こすおそれがある。本発明は、これを回避するため、圧縮機がサーモオフ状態、又は、圧縮機周波数が定常状態に至った段階で切り替え判断を行うものである。
【0011】
(4)上記(1)又は(3)の発明において、さらに、圧縮サイクル累積運転時間と冷媒ポンプサイクル累積運転時間の差が小さい系統から、優先的に切り替えを行うことを特徴とする。
このような運転制御を行うことにより、各系統の圧縮機、冷媒ポンプ等の駆動部等の消耗度が均等化され、故障発生リスクの低減を図ることができる。
【0012】
(5)上記各発明において、さらに、前記空調機の被空調対象に対する冷房能力が過剰な場合には圧縮サイクル運転の系統を増加させ、冷房能力が過小な場合には冷媒ポンプサイクル運転の系統を増加させる、ことを特徴とする。
例えば、被空調対象である情報通信機械室の室温が許容上限温度を超えている場合には、緊急避難的に現状運転状態に関わらず、全ての系統を圧縮サイクルに切り替えて冷房能力を確保することが望ましい。
一方、室温が極端に下がっている場合には、冷媒ポンプサイクル運転の系統を増加させることが省エネ性向上の要請に沿っている。
本発明によれば、これらの要請に対応することができる。
【0013】
(6)上記(1)の発明において、同一又は異なる前記空調機のうちの1以上の系統を、圧縮サイクルから冷媒ポンプサイクルに切り替える場合には、予め残りの系統について所定の高負荷で運転させておくことを特徴とする。
(7)上記各発明において、前記空調機は、3系統以上の兼用冷凍サイクルを備え、かつ、少なくとも1系統については、圧縮サイクル運転状態を維持するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記各発明によれば、サイクル切り替え時においても、冷房能力又は暖房能力の低下を最小限に抑制することができ、これにより対人空調の場合には不快感の低減が可能となる。また、対物空調、例えばデータセンター空調の場合には、ICT機器の吸気温度上昇を最小限にすることができ、故障リスクが低減する。
また、サイクル切り替え時において当該系統は一旦停止状態となるため、冷媒を安定な状態に保つことができ、切り替え後のサイクルを正常に起動させることができる。
また、2系統以上のサイクルが冷媒ポンプサイクルの場合、冷媒ポンプ周波数が小さい系統から、順次、圧縮サイクルに切り替えることにより、切り替え時の能力低下を最小限に抑えることができる。
さらに、圧縮サイクル運転時であって圧縮機が過渡状態のときは、正しい切り替え判断を行うことは困難である。この状態で冷媒ポンプサイクルに切り替えた場合、移行後に能力不足を起こすおそれがある。本発明によれば、圧縮機がサーモオフ状態、又は、圧縮機周波数が定常状態に至った段階で切り替え判断を行うため、上記不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第一の実施形態に係る空調システム1の構成を示す図である。
【図2(a)】空調システム1の圧縮サイクル運転時における冷媒循環の態様を示す図である。
【図2(b)】空調システム1のポンプサイクル運転時における冷媒循環の態様を示す図である。
【図3】第一の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【図4】第二の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【図5】第三の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である
【図6】第四の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【図7】第五の実施形態に係る空調システム20の構成を示す図である。
【図8】第五の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【図9(a)】第六の実施形態に係る空調システム60の構成を示す図である。
【図9(b)】第六の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【図10(a)】第七の実施形態に係る空調システム60の構成を示す図である。
【図10(b)】第七の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【図11】第八の実施形態のサイクル切り替え制御フローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る空調システムの各実施形態について、図1乃至9を参照してさらに詳細に説明する。重複説明を避けるため、各図において同一構成には同一符号を用いて示している。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(第一の実施形態)
本実施形態は、2つの系統を同時に圧縮サイクル運転又はポンプサイクル運転に切り替える場合の制御態様に関する。
図1を参照して、本実施形態に係る空調システム1は、ともに兼用冷凍サイクルである2つの系統A、Bを備えた空調機2と、各系統に対して切り替え連係制御を指示する制御部19と、により構成されている。
【0017】
系統Aについてみると、圧縮機7a、蒸発器5a、凝縮器6a、膨張弁8a及び冷媒配管10aにより構成される圧縮サイクルA1と、冷媒ポンプ9a、冷媒配管10a及び一部分岐するバイパス配管11a乃至13a、分岐用三方弁14a乃至16aにより構成される冷媒ポンプサイクルA2と、を主要構成として備えている。冷媒配管(含バイパス配管)内部には冷媒が充填されており、冷凍サイクルに従って冷媒が気体又は液体状態で循環するように構成されている。圧縮サイクルA1は、上記以外にも四方弁、アキュムレーター等のヒートポンプサイクル構成要素を備えているが、図示を省略してある。蒸発器5aには室内還気を供給するための送風機17a、及び凝縮器6aには外気を供給するための送風機18aが付設されている。
重複説明を省略するが、系統Bについても系統Aと同一構成を備えている。
【0018】
両系統の蒸発器5a、5b、圧縮機7a、7b、膨張弁8a、8b、室内側送風機17a、17bは、一体として室内機3内部に格納されている。同様に、両系統の凝縮器6a、6b、室外側送風機18a、18bは一体として室外機4内部に格納されている。室内機3の室内還気吸込部近傍には温度センサS1が、室外機4の外気吸込部近傍には温度センサS2が、それぞれ配設されている。温度センサS1、S2の計測値は制御部19に取り込まれ、後述するように両系統のサイクル切替を制御するように構成されている。
さらに、制御部19と主要構成要素間は信号線19aを介して接続されており、以下の制御に必要な情報の授受を可能に構成されている。
【0019】
次に、空調システム1の圧縮サイクルA1運転時及びポンプサイクルA2運転時における冷媒循環の態様について説明する。
図2(a)を参照して、圧縮サイクルA1運転時において、冷媒は太線の経路により循環する。圧縮機7aで圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管10a内流れ凝縮器6aに導かれ、ここで外気と熱交換して冷却凝縮される。凝縮した液冷媒は、膨張弁8aを通過する際に断熱膨張し、低圧の液ガス並存状態となって蒸発器5aに導かれる。ここで冷房対象である室内空気から熱を奪って自らは蒸発し、低圧冷媒ガスとなって冷媒配管10aを介して圧縮機7aに戻る。
【0020】
次に、図2(b)を参照して、ポンプサイクルA2運転時は、冷媒は太線の経路を辿り冷媒配管10a及びバイパス配管11a−13a内を循環する。すなわち、凝縮器6aにおいて外気と熱交換して冷却された冷媒は、液状態でバイパス配管11aを経由して冷媒ポンプ9aに導かれ、ここで昇圧され、さらにバイパス配管12aを経由して蒸発器5aに導かれる。ここで冷房対象である室内空気から熱を奪って蒸発し、冷媒ガスとなって冷媒配管10aを経由して凝縮器6aに戻る。
なお、上記サイクルの切り替えに際しては、制御部19の指令による三方弁14a−16aの流路切り替え操作が行われる。
【0021】
次に、制御部19において実行される圧縮サイクル⇔ポンプサイクルの切替判定基準について説明する。圧縮サイクルからポンプサイクルへの切り替えは、温度センサS1、S2によりそれぞれ計測される室温Tiと外気温Toとの温度差、ΔT=Ti−Toが所定の閾値T1以上に至った場合に行われる。また、ポンプサイクルから圧縮サイクルへの切り替えは、ΔTが所定の閾値T2以下に至った場合に行われる。
【0022】
空調システム1は以上のように構成されており、次に図3をも参照して、本実施形態における行われるサイクル切替制御フローについて説明する。なお、以下の制御は制御部19からの指令により所定の時間間隔で行われる。
制御開始に伴い、現状の運転サイクルが確認される(S101)。ポンプサイクル運転状態の場合には、上述のサイクル切替条件(ΔT≦T2)に該当しているか否かの判定が行われる(S102)。ΔT>T2の場合には(S102においてN)、切替条件に該当していないと判定され、次回までそのままポンプサイクル運転が継続される。
【0023】
ΔT≦T2の場合には(S102においてY)、切替条件に該当と判定されるが、切替時における能力低下を抑制するため、負荷の低い系統を優先して切り替える。具体的には、系統A,Bの冷媒ポンプ9a、9bの周波数Fa、Fbが比較される(S102)。Fa≦Fbの場合には(S102においてY)、系統Aの負荷が小さいと判断され、最初に系統Aの冷媒ポンプ9aが停止される(S104)。その後、系統Aの圧縮機7aの運転が開始される(S105)。次いで、系統Bの冷媒ポンプ9bが停止され(S106)、その後、圧縮機7bの運転が開始される(S107)。
S103においてN、すなわちFa>Fbの場合には系統Bの負荷の方が小さいと判断され、最初に系統Bについて冷媒ポンプ9bを停止し(S108)、その後、圧縮機7bの運転を開始する(S109)。次に、系統Aについて冷媒ポンプ9aを停止し(S110)、続いて圧縮機7aの運転を開始する(S111)。
以上の工程により、ポンプサイクルから圧縮サイクルへの切り替えが終了する。
【0024】
次に、S101において現状が圧縮サイクル運転状態の場合には、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切替条件(ΔT≧T1)に該当しているか否かの判定が行われる(S112)。ΔT<T1の場合には(S112においてN)、次回までそのまま圧縮サイクル運転が継続される。
ΔT≧T1の場合には(S112においてY)、最初に系統Aについて圧縮機7aが停止される(S113)。次に、冷媒ポンプ9aの運転が開始される(S114)。その後、系統Bの圧縮機7bが停止され(S115)、続いて冷媒ポンプ9bの運転が開始される(S116)。
以上の工程により、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切り替えが終了する。
【0025】
なお、本実施形態では圧縮サイクルからポンプサイクルへの切り替えについて、切替順序を考慮することなく進める例を示したが、ポンプサイクルから圧縮サイクルへの切り替えと同様に、圧縮機周波数を考慮して切替順序を決定する形態とすることもできる。
また、圧縮サイクル⇔ポンプサイクルの切替判定基準について、室温Tiと外気温Toとの温度差ΔTに基づく例を示したが、切り替えにより冷房能力に支障を来たさない他の判定基準を採用することもできる。
また、本実施形態では空調機2が2系統の例を示したが、3系統以上の場合においても各系統の圧縮機周波数に応じて順次切り替える形態とすることができる。
【0026】
(第二の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は2つの系統について、サイクルごとの累積運転時間をも勘案して制御する態様に関する。本実施形態の構成は、空調システム1と同一であるので重複説明を省略する。
次に、図4をも参照して、本実施形態におけるサイクル切替制御フローについて説明する。制御開始に伴い、現状のサイクル形態が確認される(S201)。系統A,Bともにポンプサイクル運転の場合には、サイクル切替条件(ΔT≦T2)に該当しているか否かの判定が行われる(S202)。ΔT>T2の場合には(S102においてN)、切替条件に該当していないと判定され、次回までそのままポンプサイクル運転が継続される。
【0027】
ΔT≦T2の場合には(S202においてY)、一方の系統を圧縮サイクルに切り替えることになるが、両系統の運転時間均等化を図るため、両系統の圧縮機累積運転時間、ΣTc(a)とΣTc(b)とが比較される(S203)。なお、本実施形態においては、後述するように系統ごと、サイクルごとに累積運転時間の積算が行われている。
ΣTc(a)≦ΣTc(b)の場合には(S203においてY)、系統Aの圧縮機累積運転時間が少ないため系統A側を圧縮サイクルに変更される(S204)。この場合、上述の実施形態と同様に、冷媒ポンプ9aを停止した後、圧縮機7aの運転が開始される。S203においてN、すなわちΣTc(a) >ΣTc(b)の場合には、系統Bの圧縮機累積運転時間が少ないため、系統A側の変更シーケンスの場合と同様にして、系統B側が圧縮サイクルに変更される(S205)。
【0028】
次に、両系統ともに圧縮サイクルの場合には、ポンプサイクルへの切替条件(ΔT≧T1)に該当しているか否かの判定が行われる(S206)。ΔT<T1の場合には(S206においてN)、次回までそのまま両系統ともに圧縮サイクル運転が継続される。
ΔT≧T1の場合には(S206においてY)、一方の系統をポンプサイクルに切り替えることになる。この場合、両系統の運転時間均等化を図るため、ポンプ累積運転時間、ΣTp(a)とΣTp(b)とが比較される(S207)。
【0029】
ΣTp(a)≦ΣTp(b)の場合には(S207においてY)、系統Aのポンプ累積運転時間が少ないため系統A側がポンプサイクルに変更される(S208)。この場合、圧縮機7aを停止した後に、冷媒ポンプ9aの運転が開始される。S207においてN、すなわちΣTc(a) >ΣTc(b)の場合には、系統Bのポンプ累積運転時間が少ないため、系統B側がポンプサイクルに変更される(S209)。
【0030】
次に、一方が圧縮サイクル、他系統がポンプサイクルの場合には、当該サイクルの組み合わせを継続すべき状態(T1>ΔT>T2)か否かの判定が行われる(S210)。条件に適当している場合には(S210においてY)、次回まで両系統ともに現状サイクルによる運転が継続される。
ΔT≧T1の場合には能力過剰と判定され、現在圧縮サイクル運転している系統をポンプサイクルに切り替え、その結果、両系統ともポンプサイクル運転となる(S211)。また、ΔT≦T2の場合には能力不足と判定され、現在ポンプサイクル運転している系統が圧縮サイクルに切り替えられ、両系統とも圧縮サイクル運転となる(S212)。
以上の判定終了後に、系統ごと、サイクルごとの累積運転時間の積算が行われる(S213)。
【0031】
なお、本実施形態においても空調機2が2系統の例を示したが、3系統以上の場合も各系統の圧縮機又はポンプ累積運転時間に応じて、順次切り替える形態とすることができる。
【0032】
(第三の実施形態)
さらに、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は圧縮機の運転状態をも考慮して、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切り替えの可否を判定する態様に係る。本実施形態の構成についても、空調システム1と同一であるので重複説明を省略する。
図5を参照して、制御開始に伴い所定の時間間隔で現状のサイクル形態が確認される(S301)。両系統ともにポンプサイクル運転状態の場合には、第一の実施形態のS102〜S111と同一フローに従い、サイクルの切り替えが実行される(S302)。
【0033】
S301において両系統ともに圧縮サイクル運転状態の場合には、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切替条件(ΔT≧T1)に該当しているか否かの判定が行われる(S303)。ΔT<T1の場合には(S303においてN)、次回までそのまま圧縮サイクル運転が継続される。
【0034】
ΔT≧T1の場合には(S303においてY)、一方の系統をポンプサイクルに切り替えることになる。この場合、圧縮機7a、7bの運転状態(サーモオフ状態にあるか否か)が判定される(S304)。両系統ともサーモオフオフ状態の場合には、両系統がポンプサイクルに切り替えられる(S307)。いずれか一方の系統がサーモオフオフ状態の場合には、当該系統がポンプサイクルに切り替えられる(S306)。また、両系統ともサーモオン状態の場合には、ポンプサイクルに切り替えることなく、圧縮サイクル運転が継続される(S305)。
【0035】
次にS301において、一方が圧縮サイクル、他系統がポンプサイクルの場合には、当該サイクルの組み合わせを継続すべき状態(T1>ΔT>T2)か否かの判定が行われる(S308)。両閾値内に維持されている場合には(S308においてY)、両系統ともに現状運転状態が継続される。
下限閾値以下の場合には(ΔT≦T2)、現在ポンプサイクル運転の系統について圧縮サイクルに変更され、両系統ともに圧縮サイクル運転となる(S309)。また、上限閾値以上の場合には(ΔT≧T1)、現在圧縮サイクル運転状態の系統につき、S304以下のサーモオフ判定に移行する。
【0036】
なお、本実施形態では圧縮サイクルからポンプサイクルへの切り替えについて、圧縮機がサーモオフ状態か否かに基づき判定する例を示したが、圧縮機周波数が定常状態に至ったか否かを判定基準とする形態とすることもできる。
【0037】
(第四の実施形態)
さらに本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、第三の実施形態において、サイクル切替条件のみならず、空調機全体として冷房能力が不足しているか否かを考慮して、ポンプサイクル運転から圧縮サイクル運転への切り替えの可否を判定する形態に係る。
図6を参照して、本実施形態の制御フローは、上述の第三の実施形態のフロー(図5)と一部を除き同一である。以下、相違点について説明する。図5では、現状運転状態の判定(S301)に続いてサイクル切替条件の判定(S308)を行っているが、本実施形態ではこれらに先立って、現状冷房能力の判定が行われる。この判定は、室温(空調機吸込温度)Tiが所定の上限閾値(TH)及び下限閾値(TL)内に治まっているか否かにより行われる(S400)。
Ti>TH、すなわち上限閾値を超えている場合には、現状運転状態に関わらず、両系統とも圧縮サイクルにより運転される(S409)。
【0038】
一方、Ti<TL、すなわち下限閾値を下回っている場合には、現状運転状態に関わらず、両系統ともポンプサイクルにより運転される(S407)。
TH≧Ti≧TL、すなわち両閾値内にある場合には、冷房能力は足りていると判定され、S401以下、第三の実施形態と同一フローが実行される。
なお、本実施形態では現状運転状態判定に先行して冷房能力判定を行う例を示したが、現状運転状態判定の後に冷房能力判定を行う形態としてもよい。
また、第一、第二の実施形態においても、本実施形態の冷房能力判定に準じたフローを付加する態様としてもよい。
【0039】
(第五の実施形態)
さらに本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、兼用冷凍サイクルを3系統備えたシステムに関する。図7を参照して、本実施形態の構成が上述の各実施形態と異なる点は、系統A、Bに加えて、圧縮機7c、凝縮器5c、蒸発器6c、膨張弁8c及び冷媒配管10cにより構成される圧縮サイクルと、冷媒ポンプ9c、冷媒配管10c及びバイパス配管11c乃至13c、分岐用三方弁14c乃至16cにより構成される冷媒ポンプサイクルとを備えた系統Cを、さらに備えていることである。
【0040】
次に、図8を参照して、空調システム20におけるサイクル制御方法について説明する。運転開始から時刻T1までは、系統Aは常に圧縮サイクルにより運転が継続される。この間、系統B、Cは上述の各実施形態のいずれかの制御により圧縮サイクルとポンプサイクルの切替制御により運転が行われる。次に、時刻T1から時刻T2までは、系統Bが圧縮サイクルにより運転が継続され、系統C、Aは圧縮サイクルとポンプサイクルの切替制御により運転が行われる。
【0041】
さらに、時刻T2から時刻T3までは、系統Cが圧縮サイクルにより運転が継続
され、系統A、Bは圧縮サイクルとポンプサイクルの切替制御により運転が行われる。以上の工程を繰り返して行うことにより、省エネ性確保と常に一定以上の冷房能力維持の両立を可能にしている。
なお、本実施形態では兼用冷凍サイクルを3系統備えたシステムの例を示したが、さらに多系統のシステムとすることも可能である。
【0042】
(第六の実施形態)
さらに本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、それぞれ単一の兼用冷凍サイクルを有する複数の空調機群における運転切替制御態様に関する。
図9(a)を参照して、本実施形態に係る空調システム60は、兼用冷凍サイクル系統C1を備えた空調機61と、兼用冷凍サイクル系統C2を備えた空調機62と、各系統に対して切り替え連係制御を指示する制御部64と、により構成されている。
【0043】
各系統の冷凍サイクル構成要素は、第一の実施形態における空調機2の系統A,Bと同一であるので重複説明を省略する。第一の実施形態と異なる点は、各系統がそれぞれ独立の室内機61a乃至63a、及び室外機61b乃至63bに構成されていることである。また、室内、室外の代表位置にはそれぞれ温度センサS1、S2が配設されており、その計測値は制御部64に取り込まれて両系統のサイクル切替を制御するように構成されている。さらに、制御部64と主要構成要素間は信号線64aを介して接続されており、以下の制御に必要な情報の授受を可能に構成されている。
【0044】
次に、図9(b)をも参照して、本実施形態におけるサイクル切替制御フローについて説明する。
制御開始に伴い、現状の運転サイクルが確認される(S601)。ポンプサイクル運転状態の場合には、サイクル切替条件(ΔT≦T2)に該当しているか否かの判定が行われる(S602)。ΔT>T2の場合には(S602においてN)、切替条件に該当していないと判定され、次回までそのままポンプサイクル運転が継続される。
【0045】
ΔT≦T2の場合には(S602においてY)、切替条件に該当と判定されるが、切替時における能力低下を抑制するため、負荷の低い系統を優先して切り替える。具体的には、系統C1−C3の冷媒ポンプ周波数が比較される(S603)。そして、周波数最小の系統から順次、周波数大の系統について冷媒ポンプ停止→圧縮機運転への切り替え制御が行われる。(S604)。
【0046】
次に、S601において現状が圧縮サイクル運転状態の場合には、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切替条件(ΔT≧T1)に該当しているか否かの判定が行われる(S605)。ΔT<T1の場合には(S605においてN)、次回まで圧縮サイクル運転が継続される。
ΔT≧T1の場合には(S605においてY)、系統C1、C2、C3の順に圧縮機停止→冷媒ポンプ運転に切り替えられる(S606)。
なお、本実施形態では空調機3台の例を示したが、4台以上の場合においても同様に順次切り替えることができる。
【0047】
(第七の実施形態)
さらに本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、複数系統の兼用冷凍サイクルを有する複数の空調機群において、第三の実施形態と同様に空調機群全体として冷房能力が不足しているか否かを考慮して、ポンプサイクル運転から圧縮サイクル運転への切り替えの可否を判定する形態に係る。
図10(a)を参照して、本実施形態に係る空調システム70は、兼用冷凍サイクル系統D1、D2を備えた空調機71と、兼用冷凍サイクル系統D3、D4を備えた空調機72と、各系統に対して切り替え連係制御を指示する制御部73と、により構成されている。各系統の冷凍サイクル構成を含めその他の構成は、上述の各実施形態と同一であるので重複説明を省略する。
【0048】
次に、図10(b)をも参照して、本実施形態におけるサイクル切替制御フローについて説明する。
最初に空調機群全体としての現状冷房能力の判定が行われる。この判定は、代表室温Tiが所定の上限閾値(TH)及び下限閾値(TL)内に治まっているか否かにより行われる(S700)。
Ti>TH、すなわち上限閾値を超えている場合には、現状運転状態に関わらず全系統が圧縮サイクルにより運転される(S709)。
【0049】
一方、Ti<TL、すなわち下限閾値を下回っている場合には、現状運転状態に関わらず、両系統ともポンプサイクルにより運転される(S707)。
TH≧Ti≧TL、すなわち両閾値内にある場合には、冷房能力は足りていると判定され、以下のフローが実行される。
S701において全系統が圧縮サイクル運転状態の場合には、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切替条件(ΔT≧T1)に該当しているか否かの判定が行われる(S303)。ΔT<T1の場合には(S703においてN)、次回までそのまま圧縮サイクル運転が継続される。
【0050】
ΔT≧T1の場合には(S703においてY)、いずれかの系統をポンプサイクルに切り替えることになる。この場合、各圧縮機の運転状態(サーモオフ状態にあるか否か)が判定される(S704)。全系統がサーモオフオフ状態の場合には、全系統がポンプサイクルに切り替えられる(S707)。いずれかの系統がサーモオフオフ状態の場合には、当該系統がポンプサイクルに切り替えられる(S706)。また、全系統がサーモオン状態の場合には、ポンプサイクルに切り替えることなく、圧縮サイクル運転が継続される(S705)。
【0051】
次にS701において、一部系統が圧縮サイクル、残りの一部系統がポンプサイクルの場合には、当該サイクルの組み合わせを継続すべき状態(T1>ΔT>T2)か否かの判定が行われる(S708)。両閾値内に維持されている場合には(S708においてY)、全系統の現状運転状態が継続される。
下限閾値以下の場合には(ΔT≦T2)、現在ポンプサイクル運転の系統について圧縮サイクルに変更され、全系統が圧縮サイクル運転となる(S709)。また、上限閾値以上の場合には(ΔT≧T1)、現在圧縮サイクル運転状態の系統につき、S704以下のサーモオフ判定に移行する。
【0052】
(第八の実施形態)
さらに、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は圧縮サイクルからポンプサイクルへの切り替えに際して、事前に他の空調機を高負荷運転させることにより、切替時の室温上昇防止を図る態様に係る。本実施形態の構成は、空調システム1と同一であるので重複説明を省略する。
図12を参照して、制御開始に伴い所定の時間間隔で現状のサイクル形態が確認される(S801)。両系統ともにポンプサイクル運転状態の場合には、第一の実施形態のS102〜S111と同一フローに従い、サイクルの切り替えが実行される(S802)。
【0053】
S801において両系統ともに圧縮サイクル運転状態の場合には、圧縮サイクルからポンプサイクルへの切替条件(ΔT≧T1)に該当しているか否かの判定が行われる(S803)。ΔT<T1の場合には(S803においてN)、次回までそのまま圧縮サイクル運転が継続される。
ΔT≧T1の場合には(S803においてY)、一方の系統(例えば系統A)をポンプサイクルに切り替えることになる。この場合、系統Bの圧縮機出力を所定の高負荷(例えば定格出力)に変更する(S804)。系統Bの圧縮機が所定の出力に到達したのち、系統Aについてポンプサイクルに切り替えられる(S806)。
【0054】
次にS801において、一方が圧縮サイクル、他系統がポンプサイクルの場合には(S801b)、当該サイクルの組み合わせを継続すべき状態(T1>ΔT>T2)か否かの判定が行われる(S806)。両閾値内に維持されている場合には、両系統ともに現状運転状態が継続される(S806においてY)。
下限閾値以下の場合には(ΔT≦T2)、現在ポンプサイクル運転の系統について圧縮サイクルに変更することになるが、この場合も上述のように他の系統の圧縮機出力を所定の高負荷(例えば定格出力)に変更する(S807)。定格出力到達後に圧縮サイクルに切り替えられ、最終的に両系統ともに圧縮サイクル運転となる(S808)。
【0055】
なお、本実施形態では2系統を備えた単一空調機を例に説明したが、それぞれ単一系統の兼用冷凍サイクルを備えた複数の空調機群のケース、それぞれ複数系統の兼用冷凍サイクルを備えた複数の空調機群のケース、についても同様の対応が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、熱源、冷媒、空調方式、建築構造等の種類を問わず、兼用冷凍サイクルを複数系統備えた空調機に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1、20,60,70・・・・空調システム
3・・・・室内機
4・・・・室外機
5a、5b、5c・・・凝縮器
6a、6b、6c・・・蒸発器
7a、7b、7c・・・圧縮機
8a、8b、8c・・・膨張弁
9a、9b、9c・・・冷媒ポンプ
10a、10b、10c・・・冷媒配管
11a、10b、10c・・・バイパス配管
11a-13a、11b-13b、11c-13c・・・バイパス配管
14a-16a、14b-16b、14c-16c・・・ 分岐用三方弁
17a、17b・・・室内側送風機
18a、18b・・・室外側送風機
19・・・制御部
S1、S2・・・温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮サイクルと冷媒ポンプサイクルを、所定の判定基準に従い、適宜、切り替えて運転する冷凍サイクル(以下、兼用冷凍サイクルという)を1又は複数系統備えた1又は複数の空調機において、
同一又は異なる空調機のうちの2系統以上の系統を、一方のサイクルから他方のサイクルに切り替える場合に、
いずれか一の系統の切り替えが完了した後に、順次、残りの系統を切り替えることを特徴とする空調機の運転制御方法。
【請求項2】
請求項1において、
同一又は異なる前記空調機のうちの2系統以上の系統を、一方のサイクルから他方のサイクルに切り替える場合において、
冷媒ポンプ周波数又は圧縮機周波数が小さい系統から、順次、切り替えを行うことを特徴とする空調システムの運転制御方法。
【請求項3】
一の系統について、圧縮サイクルから冷媒ポンプサイクルに切り替える場合には、
当該系統の圧縮機がサーモオフ状態、又は、圧縮機周波数が定常状態に至っていることを条件とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調機の運転制御方法。
【請求項4】
請求項1又は3のいずれかににおいて、さらに、
圧縮サイクル累積運転時間と冷媒ポンプサイクル累積運転時間の差が小さい系統から、優先的に切り替えを行うことを特徴とする空調機の運転制御方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、さらに、
被空調対象に対する冷房能力が過剰な場合には、圧縮サイクル運転の系統を増加させ、
冷房能力が過小な場合には、冷媒ポンプサイクル運転の系統を増加させる、
ことを特徴とする空調機の運転制御方法。
【請求項6】
請求項1において、
同一又は異なる前記空調機のうちの1以上の系統を、圧縮サイクルから冷媒ポンプサイクルに切り替える場合には、予め残りの系統について所定の高負荷で運転させておくことを特徴とする空調システムの運転制御方法。
【請求項7】
前記空調機は、3系統以上の兼用冷凍サイクルを備え、かつ、
少なくとも1系統については、圧縮サイクル運転状態を維持するように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空調機の運転制御方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−88033(P2012−88033A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205532(P2011−205532)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】