説明

空間光伝送装置

【課題】広範囲に設置された多数の各機器に対し、簡単に低コストで設置することができ、各機器の状態を示す状態情報を、効率よく伝送することができる空間光伝送装置を提供する。
【解決手段】空間光伝送装置は、電球状に形成され末端部に口金部12を有する電球型ケース1と、電球型ケース1の先端部に設けられ投光素子3から空間光を投光する投光部2と、を備え、広範囲にわたって設置された多数の各機器に取り付けられ、機器の状態情報を空間光に重畳して伝送する。電球型ケース1内に、電源回路11、投光素子を投光動作させる投光駆動回路5が配され、状態情報とID情報を含む情報信号により、副搬送波を変調して伝送信号を生成し、投光駆動回路に出力する伝送信号生成部7が配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端に投光部を設けた電球型ケース内に、空間光伝送に必要な回路を収納し、街路灯などの機器に対し簡便に取り付け、機器の状態情報を外部に伝送する空間光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光を使用して各種の情報通信を行う可視光通信は、電波を使用せず、電波法による規制を受けないため、簡便な情報伝送の無線通信として、近年、開発が進められている。本出願人は、各種情報を送受信する際、大容量の高速通信を可能とする可視光通信装置を、下記特許文献1などで提案している。
【0003】
一方、例えば高速道路において設置されている多数の街路灯は、そこに装着されている灯具のランプに寿命があって、ランプが切れて点灯不能となる場合が多いため、全ての街路灯の保守点検を欠かすことができない。
【0004】
このため、高速道路の街路灯の保守点検を行う作業者は、広範囲にわたって(非常に長い距離にわたって)設置された街路灯の元まで移動して、灯具の設置場所とその状態をいちいち点検し、灯具が不良の場合には、どの場所の灯具が点灯不良となっているかの情報を収集し、その情報に基づき灯具の修理交換を行うという、非常に煩雑で時間のかかる作業を強いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−260953号公報
【特許文献2】特許第4526095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、トンネル照明用のLED灯具を点検するために、LED灯具に可視光通信装置を組み込み、LEDの劣化状態を示す信号をLEDの照明光に重畳させ、LED灯具に接近したとき、その灯具の照明光を受信器で受光するようにし、LED灯具内に設けた可視光通信装置を用いて、灯具故障情報を移動可能な受信器で収集するシステムが、上記特許文献2で提案されている。
【0007】
しかし、上記システムは、LED灯具の照明光にLEDの劣化情報信号を重畳して送信するというように動作するため、LEDが劣化により点灯不能となった場合、その照明光は消失し、可視光通信を行うことができず、LEDの劣化情報信号を送信できない、という重大な問題があった。
【0008】
そこで、各トンネル照明用のLED灯具に、別の可視光通信装置を設置し、その可視光通信装置によりLED灯具の状態情報を送信することが検討されたが、通常の可視光通信装置は、投光駆動回路を含むLED等の投光部、伝送信号を変調する変調回路を含む伝送回路及び電源回路等、空間光伝送に必要な構成部分が別々に作られ、制御盤等に収納して各々のLED灯具に取り付ける必要がある。
【0009】
このため、装置自体の製造コストや設置のためのコストが非常に高くなり、特に街路灯などのように、広範囲に設置された多数の各機器に対し可視光通信装置を設置する場合、設置作業に多くの作業工数や長期の作業期間がかかり、コストが非常に高くなる課題があった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、広範囲に設置された多数の各機器に対し、簡単に低コストで設置することができ、各機器の状態を示す状態情報を、効率よく伝送することができる空間光伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の空間光伝送装置は、
機器に取り付けられ、該機器の状態情報を空間光に重畳して伝送する空間光伝送装置において、
電球状に形成され、末端部に口金部を有する電球型ケースと、
該電球型ケースの先端部に設けられ、投光素子から空間光を投光する投光部と、
を備え、
該投光素子を投光動作させる投光駆動回路と、
該機器の状態を示す該状態情報を取り込む機器状態情報入力部と、
該機器状態情報入力部から入力した該状態情報を記憶する状態情報記憶部と
該機器のID情報を記憶するID情報記憶部と
少なくとも該状態情報とID情報を含む情報信号により、搬送波を変調して伝送信号を生成し、該投光駆動回路に出力する伝送信号生成部と、
該口金部を通して供給される電力を入力し、直流電力を該投光駆動回路、該伝送信号生成部に供給する電源回路と、
が、該電球型ケース内に配されることを特徴とする。
【0012】
ここで、空間光とは、可視光、赤外光(赤外線)、及び紫外光(紫外線)を含めた概念である。
【0013】
この発明の空間光伝送装置によれば、電球状に形成された電球型ケースを有しているため、機器側にソケット部を設けておき、電球型ケースの末端の口金部をソケット部に差し込み、機器状態情報入力部に信号線を接続するのみで、簡単に空間光伝送装置を、所定の位置、所定の姿勢で機器に取り付けることができる。また、投光部から所望の方向に向けて空間光を投光することができ、電源接続も口金部を通して同時に行うことができるので、広範囲に設置された多数の各機器に対し、非常に簡単に多くの空間光伝送装置を低コストで設置することができる。さらに、機器のID情報(識別情報)が機器の状態情報と共に伝送されるので、機器を識別しながら、機器の状態情報を効率良く収集することができる。
【0014】
ここで、上記空間光伝送装置において、上記機器は街路灯であり、上記ID情報記憶部には、被取付対象の各街路灯のID番号が予め記憶され、上記機器状態情報入力部には、該街路灯の異常を検出する検出器の異常検出信号を入力するように接続することができる。これによれば、高速道路など非常に広範囲に設置された多くの街路灯に対し、街路灯を識別しながら、街路灯のランプの劣化やランプ切れなどの故障状態を、空間光を媒体に伝送し、その状態情報を容易に効率よく収集することができる。
【0015】
また、上記投光素子として、可視光発光ダイオードを使用し、可視光としての空間光を投光素子から投光し、可視光通信装置として構成することができる。これによれば、投光部から可視光を投光することとなるため、機器の保守点検などを行なうにあたり、作業者は投光部から投光される可視光を目印に移動して機器の状態情報を収集することができる。
【0016】
また、上記伝送信号生成部は、搬送波の高周波信号を発振する搬送波発振器と、状態情報とID情報を含む情報信号により、搬送波をPPM変調する変調部と、を備えて構成することができる。これによれば、状態情報とID情報を含む情報信号により、搬送波をPPM変調して、伝送信号を生成し、伝送信号を空間光に重畳して伝送することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の空間光伝送装置によれば、広範囲に設置された多数の各機器に対し、簡単に低コストで設置することができ、各機器の状態を示す状態情報を、効率よく伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を示す空間光伝送装置の正面図である。
【図2】同空間光伝送装置の斜め上から見た斜視図(a)、斜め下から見た斜視図(b)である。
【図3】同空間光伝送装置の分解斜視図である。
【図4】同空間光伝送装置の縦断面図である。
【図5】同空間光伝送装置の回路の構成ブロック図である。
【図6】データフレームの構成図である。
【図7】使用状態を示す空間光伝送装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、先端に投光部2を設けた電球型ケース1内に、空間光伝送としての可視光通信に必要な回路を収納した空間光伝送装置(可視光通信装置)を示している。この空間光伝送装置は、機器としての街路灯20に取り付けられ、街路灯20のランプ切れなどの動作不良(状態情報)を外部に伝送するように使用される。
【0020】
空間光伝送装置は、図1〜図4に示すように、電球状に形成された電球型ケース1を備え、電球型ケース1の先端部に投光素子3から空間光を投光する投光部2が設けられ、末端部に口金部12が設けられ、商用電源等の交流電源に接続され街路灯20に設けられた電球用ソケット21(図7)に、口金部12を介して簡単に取り付けることが可能な構造となっている。
【0021】
投光部2の投光素子3には、例えば白色光を投光する可視光発光ダイオードが使用され、図4に示すように、椀状の反射器19の中央にそのLEDモジュールが取り付けられ、投光部2の前面が透明板により覆われ、後述の如く、ID情報と機器情報を含む伝送信号を重畳した可視光を前方に照射する。投光部2の投光素子3から照射される可視光は、街路灯20の場合、例えば10〜20度の角度範囲で下方に向けて投光されるようになっている。
【0022】
なお、投光素子3には、可視光発光ダイオードが用いられるが、赤外線(近赤外光)を発光する赤外線発光ダイオードを使用することもできる。この場合、目に見えない近赤外光が投光され、装置としては空間光伝送装置の範疇に入ることになる。
【0023】
電球型ケース1の主要部分は、円筒状に形成された上ケース16とその下部に接続された下ケース17とからなり、上ケース16の上部に投光部2が固定され、上ケース16内には、図5に示すように、投光素子3を投光動作させる投光駆動回路5と、街路灯(機器)の状態を示す状態情報を取り込む機器状態情報入力部4と、例えば28.8kHzの副搬送波を発振し出力する副搬送波発振器6と、街路灯の状態情報とID情報を含む情報信号により、副搬送波を変調して伝送信号を生成し、投光駆動回路5に出力する伝送信号生成部7と、機器状態情報入力部4から入力した状態情報を記憶する状態情報記憶部9と、機器のID情報を記憶するID情報記憶部8と、が収納される。なお、上記副搬送波を発振出力する副搬送波発振器6は、伝送媒体である光を主搬送波とする場合の称呼であり、単に搬送波を発振出力する搬送波発振器とすることもできる。
【0024】
電球型ケース1の投光部2、上ケース16、及び下ケース17は、図4に示すように、固定ねじ22により分解と組立が可能な構造となっており、例えばID情報の書き込みなどを行なう場合、マイクロコンピュータ10に信号線を接続してID情報記憶部8にIDを書き込むことができるようになっている。
【0025】
下ケース17内には上記回路の電源となる電源回路11が収納される。電源回路11は商用電源などの交流電源を、所定電圧の直流に変換するAC/DC変換器から構成され、交流電源は、電球型ケース1の末端部に配した口金部12から供給される。AC/DC変換器は、スイッチングインバータ回路が使用され、小形の回路で商用電源の交流を例えばDC12Vの直流に変換可能である。
【0026】
口金部12は、ねじ部としてのシェル部13と、シェル部13の下側中央に絶縁体15を介して取り付けられたアイレット部14とから構成される。アイレット部14には電源回路11の一方の入力端子が内側で接続され、シェル部13には他方の入力端子が内側で接続される。このような口金部12は、E17、E18,E26等の規格化された口金部として形成され、所定の電球用ソケットにねじ込み、簡単に取り付けを行うことができるようになっている。
【0027】
上記伝送信号生成部7、状態情報記憶部9、及びID情報記憶部8は、ワンチップ型のマイクロコンピュータ10から構成され、予めメモリに記憶されたプログラムデータに基づき、上記副搬送波信号を上記機器のID情報及び機器の状態情報により、例えば4値PPM変調(パルスポジション変調)にて変調し、変調された送信伝送信号を、投光駆動回路5に出力するように構成される。ワンチップ型のマイクロコンピュータ10、副搬送波発振器6、及び投光駆動回路5は、図4のように、上ケース16内の回路基板18に実装される。
【0028】
ID情報記憶部8は、空間光伝送装置が設置される街路灯(機器)20の識別番号を記憶する記憶部であり、予め製造時或いは設置工事の段階でその街路灯20のID情報が書き込まれる。状態情報記憶部9は、街路灯20のランプ(水銀灯、ナトリウム灯など)の劣化状態或いはランプ切れ状態などを記憶する記憶部であり、上ケース16に設けた機器状態情報入力部4から入力した機器状態情報を記憶する。
【0029】
機器状態情報入力部4は、具体的には、外部からの信号線が接続されるコネクタ及びフォトカプラから構成され、図示は省略されているが、街路灯20には、そのランプの状態を検出する機器状態センサが設けられる。機器状態センサは、例えばランプを流れる電流の変化を、ホール素子などの電流センサにより検出し、ランプの寿命が近づいたときに発生する電流値の変動や低下、或いは完全にランプ切れが発生したときの状態を検出し、信号線を通して機器状態情報入力部4に送るようになっている。マイクロコンピュータ10は、一定時間毎に機器状態情報入力部4のフォトカプラを通して入力される機器の状態情報信号を取り込み、異常を示す信号が入力された場合、状態情報記憶部9にそれを記憶するようになっている。
【0030】
また、マイクロコンピュータ10の伝送信号生成部7は、図6に示すように、データフレームを作成し、プリアンブルとフレームタイプからなるスタートフレームに続き、ペイロードとしてID情報と機器状態情報のデータを配し、エンドフレームとしてチェック用にCRC(周期冗長コード)を配するように、伝送信号のデータフレームを生成する。
【0031】
さらに、伝送信号生成部7は、副搬送波発振器6から入力する副搬送波を、上記データフレームのデータ、つまり機器のID情報と状態情報を含むデータにより4値PPM変調して、情報伝送信号を出力するように構成される。4値PPMの変調回路は、伝送するデータを2ビット単位に区切り、例えば「00」を「1000」、「01」を「0100」、「10」を「0010」、「11」を「0001」とするように、4個の2ビットデータに応じて、パルスの位置を特定するパルスを発生させ、副搬送波をそのデータパルスで変調するように動作する。これにより、データに拘わらず一定の照度の可視光を照射するようになっている。
【0032】
なお、伝送信号生成部7では、副搬送波を情報伝送信号により4値PPM変調し、伝送信号を生成しているが、ASK変調、FSK変調、PSK変調を行なって、伝送信号を生成することもでき、或いは、搬送波の変調なしに、ベースバンド方式により情報伝送信号をパルス化し、パルス化した伝送信号を空間光に重畳して伝送することもできる。
【0033】
投光駆動回路5は、マイクロコンピュータ10の伝送信号生成部7から送られる変調された情報伝送信号を入力し、投光部2の投光素子3を駆動して可視光を投光すると共に、情報伝送信号をその可視光に重畳させるように構成される。
【0034】
上記構成の空間光伝送装置は、図7に示すように、高速道路などに広範囲にわたって設置された多数の街路灯20の灯具内に取り付けられる。街路灯20の灯具内には、電球用ソケット21が下向きに設けられ、その電球用ソケット21に口金部12をねじ込むことにより、空間光伝送装置はその投光部2を下方に向けた状態で取り付けられる。なお、街路灯20のほか、それと類似する構成のトンネル内照明器具、工場やグランド施設等の構内灯、或いは滑走路の誘導灯などに、上記構成の空間光伝送装置を取り付けることもできる。
【0035】
街路灯20の灯具内には、本来の照明用のランプがそのランプ用ソケットに取り付けられており、電球用ソケット21は類似するランプ用ソケットと同様に、簡単に灯具内に設けることができる。これにより、空間光伝送装置はその電球用ソケット21に口金部12をねじ込み、信号線を機器状態情報入力部4に接続するのみで、簡単に装着し、電源接続を行うことができる。
【0036】
これは、高速道路の街路灯20のように、非常に多くの数の機器が広範囲にわたって設置されている場合、各機器に空間光伝送装置を設置する際に、特に有利である。なお、図7のように空間光伝送装置は街路灯20の灯具内に設けたが、街路灯20の灯具の外側の支柱などに、空間光伝送装置を下向きに取り付けることもできる。
【0037】
空間光伝送装置は、常時或いは一定時間毎に投光部2を動作させて投光動作を行うように動作し、夜間に、街路灯20が点灯したとき、その電源線に流れる電流の異常(ランプの劣化やランプ切れによる電流値の低下または上昇)を図示しない電流センサが検出したとき、その異常信号が機器状態情報入力部4に入力され、マイクロコンピュータ10は、状態情報記憶部9にその状態情報を記憶する。
【0038】
この状態になると、マイクロコンピュータ10の伝送信号生成部7は、データフレームを作成する際、スタートフレームに続き、ペイロードのID情報と機器状態情報のデータをフレームに入れるとき、状態情報記憶部9に記憶された異常時の状態情報を読み出してペイロードに入れ、伝送信号を生成する。
【0039】
さらに、伝送信号生成部7は、副搬送波発振器6から送られる副搬送波を、機器のID情報と状態情報を含むデータにより4値PPM変調して、情報伝送信号を出力する。伝送信号生成部7から出力された情報伝送信号は、投光駆動回路5に入力され、投光駆動回路5は、投光部2の投光素子3を駆動して可視光を投光すると共に、情報伝送信号をその可視光に重畳させ、可視光を投光部2から下方の道路に向けて投光する。
【0040】
一方、街路灯20の保守点検を行なう場合、例えば自動車の天井部に、受光部と受光復調回路を備えた、図示しない受光側の空間光伝送装置を搭載し、道路を移動しながら、街路灯20の真下を受信可能な速度で通過する。
【0041】
このとき、各街路灯20の空間光伝送装置の投光部2から投光される可視光を、受光側の空間光伝送装置は、その受光部で受光し、受光した可視光に重畳された情報伝送信号を取り出して復調し、情報伝送信号に含まれる街路灯20のID情報とその状態情報が抽出される。そして、抽出された街路灯20のID情報と状態情報は、受光側の空間光伝送装置のデジタル処理部でメモリに記憶される。このように、自動車に搭載された受光側の空間光伝送装置を移動しながら、多数の街路灯20のID情報と状態情報を抽出して順に取り込み、各街路灯20について、その灯具のランプの劣化状態やランプ切れ状態がそのID情報と共に順に記憶されることとなる。
【0042】
このように、空間光伝送装置は、電球状に形成された電球型ケース1を有しているため、街路灯20側に電球用ソケット21を設けておき、電球型ケース1の末端の口金部12をソケット部に差し込み、機器状態情報入力部4に信号線を接続するのみで、簡単に空間光伝送装置を、所定の位置、所定の姿勢で街路灯20に取り付けることができ、電源線の接続も容易である。
【0043】
また、投光部2から所望の方向に向けて空間光を投光することができ、電源接続も口金部12を通して同時に行うことができるので、広範囲に設置された多数の街路灯20に対し、非常に簡単に効率良く多くの空間光伝送装置を低コストで設置することができる。
【0044】
また、ID情報記憶部8に、各街路灯20のID番号を予め記憶し、機器状態情報入力部4に、街路灯20の点灯時の異常電流を検出する検出器の異常検出信号を入力する信号線を接続するので、高速道路など非常に広範囲に設置された多くの街路灯20に対し、その街路灯20を識別可能としつつ、街路灯20のランプの劣化やランプ切れなどの故障状態を、空間光を媒体に伝送し、その状態情報を容易に効率よく収集することができる。
【0045】
また、投光素子3として、可視光発光ダイオードを使用し、可視光としての空間光を投光素子3から投光するので、街路灯20の保守点検などを行なうにあたり、作業者は投光部2から投光される可視光を目印に移動して街路灯20の状態情報を収集することができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、空間光伝送装置を街路灯20またはそれに類似する灯具に取り付けて、街路灯20の動作不良やランプ切れを検出できるようにしたが、そのほかに、広い範囲に設置される、受信機及び拡声器付きの防災無線報知設備などの機器に取り付け、その動作不良を検出して機器の状態情報を空間光により伝送するために使用することもできる。
【符号の説明】
【0047】
1 電球型ケース
2 投光部
3 投光素子
4 機器状態情報入力部
5 投光駆動回路
6 副搬送波発振器
7 伝送信号生成部
8 ID情報記憶部
9 状態情報記憶部
10 マイクロコンピュータ
11 電源回路
12 口金部
13 シェル部
14 アイレット部
15 絶縁体
16 上ケース
17 下ケース
18 回路基板
19 反射器
20 街路灯
21 電球用ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に取り付けられ、該機器の状態情報を空間光に重畳して伝送する空間光伝送装置において、
電球状に形成され、末端部に口金部を有する電球型ケースと、
該電球型ケースの先端部に設けられ、投光素子から空間光を投光する投光部と、
を備え、
該投光素子を投光動作させる投光駆動回路と、
該機器の状態を示す該状態情報を取り込む機器状態情報入力部と、
該機器状態情報入力部から入力した該状態情報を記憶する状態情報記憶部と
該機器のID情報を記憶するID情報記憶部と
少なくとも該状態情報とID情報を含む情報信号により、搬送波を変調して伝送信号を生成し、該投光駆動回路に出力する伝送信号生成部と、
該口金部を通して供給される電力を入力し、直流電力を該投光駆動回路、該伝送信号生成回路に供給する電源回路と、
が、該電球型ケース内に配されたことを特徴とする空間光伝送装置。
【請求項2】
前記機器は街路灯であり、前記ID情報記憶部には、被取付対象の各街路灯のID番号が予め記憶され、前記機器状態情報入力部には、該街路灯の異常を検出する検出器の異常検出信号入力用の信号線が接続されることを特徴する請求項1記載の空間光伝送装置。
【請求項3】
前記投光素子として、可視光発光ダイオードが使用され、可視光の空間光が該投光素子から投光されることを特徴とする請求項1または2記載の空間光伝送装置。
【請求項4】
前記伝送信号生成部は、搬送波の高周波信号を発振する搬送波発振器と、前記状態情報とID情報を含む情報信号により、該搬送波をPPM変調する変調部と、を備えることを特徴とする請求項3記載の空間光伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−38593(P2013−38593A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173062(P2011−173062)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(507299758)株式会社アウトスタンディングテクノロジー (16)
【Fターム(参考)】