説明

立体形標的を有するゴルフゲーム装置

【課題】立体形の標的及びボールを備える改良されたゴルフゲーム装置を提供する。
【解決手段】基部14と、基部を取り囲むクッション16と、クッションの上に取り付けられた標的付着材料18とを備えた立体形標的12と、外面に固着されたボール付着材料を有するボールと、立体形標的を貫通して延在し、ゴルフコースのホール内に配置するようにしたロッド21及びロッドに取り付けられたカップ形状端部と、ボールを立体形標的に向けて推進させ得るようにボールに係合するクラブと、マットと、ボールをクラブで打つ前にボールを支持するティーとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフゲーム装置、より具体的には、フック及びループ材料により取り囲まれたボールに係合すべく同様にフック及びループにより取り囲まれた立体的な標的を有するゴルフゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォスタ(Foster)に対し発行された米国特許第5,538,253号には、フック及びループ材料を使用するシミュレーションゴルフゲーム装置が記載されている。該ゲーム装置は、従来のゴルフグリーンと同一のテクスチャと、ボール及びゴルフクラブとを有するシート材料を含んでいる。フック及びループ材料(一般にベルクロ(Velcro)(登録商標名)と称される)のパッチがシートの1つの領域に取り付けられ、また、追加的なフック及びループ材料のパッチがボールに取り付けられる。このゲーム装置の目的は、プレーヤがボールを打ち、ボールがシート上のフック及びループ材料のパッチまで転がるようにすることである。ボールがフック及びループ材料のパッチに接触すると、ボールはそのパッチに付着して、そのホールのプレーが終了する。しかし、この設計は、プレーヤが標的を位置決めし且つその標的を打つことを助ける立体形の標的を提供することができない。更に、このゲーム装置は、ゴルフコースの既存のホールと関係して使用できる設計とはされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,538,253号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、必要とされるものの、従来の技術にて見られないものは、立体形の標的及びボールを提供する改良されたゴルフゲーム装置であって、ボールが立体形の標的と接触するとき、ボールを立体形の標的に固着する手段を更に備えるゴルフゲーム装置である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来のゴルフゲーム装置と類似したゲーム装置である。該ゲーム装置は、立体形の標的と、打撃マットと、ボールと、立体形標的を貫通して延在するロッド及びロッドに取り付けられたカップ形状端部と、1つ以上のクラブと、ティーとを備えている。立体形の標的は、円筒形であることが好ましいが、プレーヤが望むようなその他の従来の立体形の形状(円錐体のような)とすることもできる。一般にベルクロ(登録商標名)と称されるフック及びループ材料のシートは、立体形の標的に取り付けられる。立体形の標的は更に基部とフック及びループ材料の間にクッションを備えている。ロッド及びロッドに取り付けられたカップ形状端部はゴルフコースのホール内に配置される。
【0006】
ゲーム装置をプレーするためには、プレーヤは、ボールをクラブにより立体形の標的の方向に打つ。このゲーム装置の目的は、プレーヤがボールを打ち、ボールが立体形の標的に接触するようにすることである。従来のゴルフゲーム装置と同様の仕方にて得点を計算する、すなわちボールが立体形の標的に接触する迄、プレーヤがボールを打つ回数を数える。打撃回数の最も少ないプレーヤが競技に勝つ者である。
【0007】
本発明の目的及び有利な点は、以下の詳細な説明及び添付図面から当業者にとってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のゴルフゲーム装置の立体形標的の分解図である。
【図2】2aは、本発明の立体形標的の平面図である。 2bは、クッションを含む本発明の立体形標的の平面図である。
【図3】立体形標的がスパイク付き端部を有するロッドを含む、立体形標的の第二の実施の形態の拡大図である。
【図4】立体形標的がカップ形状端部を有するロッドを備える、立体形標的の第三の実施の形態の拡大図である。
【図5】5aは、本発明のゴルフゲーム装置のボールの側面図である。 5bは、図5aに図示したボールの矢印5b−5bに沿った断面図である。
【図6】本発明のゴルフゲーム装置の1つのゴルフクラブの立面図である。
【図7】7aは、本発明のゴルフゲーム装置の第二のゴルフクラブの立面図である。 7bは、本発明のゴルフゲーム装置の第二のゴルフクラブの平面図である。
【図8】8aは、本発明のゴルフゲーム装置にて使用されるマットの平面図である。 8bは、本発明のゴルフゲーム装置にて使用されるマットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、ゲーム装置装置10は、立体形標的12と、1つ以上のクラブ28と、マット50と、ボール30とを備えている。上述した要素によりゲーム装置をプレーするためには、プレーヤ(図示せず)はボール30をマット50に置き、そのボール30をクラブ28により立体形標的12の方向に打つ。プレーヤはボール30が立体形標的12と接触する迄、ボール30をクラブ28で打ち続ける。プレーヤは、従来のゴルフゲーム装置と同様の仕方にて得点を計算する、すなわちボール30を打つ回数毎に1回打撃と数える。プレーヤが一度びボール30を立体形標的12と接触させたならば、そのホールに対するプレーヤ自身の得点となる。多数のプレーヤとの競技中、所定の数のホール(典型的に9個又は18個)に対する打撃回数が最小のプレーヤが勝ちとなる。
【0010】
好ましい実施の形態において、立体形標的12は円筒体(図1、図2、図3及び図4に図示するように)である。図2aを参照すると、立体形標的12は、典型的に、基部14と、受け入れ面を形成し得るように該基部14を取り囲む標的の付着材料18とを有している。基部14は、発泡材にて出来ていることが好ましいが、プラスチックのようなその他の材料で出来たものでもよい。標的の付着材料18は、一般に、ベルクロ(登録商標名)という商標名で販売されているフック及びループ材料の1つの要素であることが好ましい。より具体的には、標的の付着材料18は、典型的に、フック及びループ材料のループと相互作用するフックを含んでいる。
【0011】
更に、図2bを参照すると、立体形標的12は、基部14と標的の付着材料18との間に装着されたクッション16を含むことができる。該クッション16は、ボール30が立体形標的12に接触するとき、ボール30が立体形標的12から跳ね出さないように発泡材のような柔軟な材料にて出来たパットである。クッション16は、典型的に、基部14が硬い表面を有するプラスチック又は他の何らかの材料で出来ているときに使用される。
【0012】
図5aを参照すると、ゲーム装置10のボール30は、典型的に従来のテニスボール(直径約63.5mm(2.5インチ))よりも僅かに小さいが、この寸法は、プレーヤの選択に従って変更可能である。図5bを参照すると、ボール30は、球31の外面に固着されたボール付着材料32を有するゴム球31である。球31は、ボール30の外面に力を加えたときにボールが圧縮することを許容する中空領域33を含んでいる。更に、ボール30の近似的な重量は56.699g(2オンス)である。
【0013】
ボールの付着材料32は、係合面を形成し、標的付着材料18として使用されないフック及びループ材料の他の材料である。このボール付着材料32は、標的の付着材料18と相互作用するように選ばれる。例えば、標的の付着材料18がフックを含む場合、ボールの付着材料32は、ボール30を立体形標的12に固着すべくフックと相互作用するループを含んでいる。このため、ボール30が立体形標的12と接触するとき、ボール30は接触した表面に固着された状態を保つ。
【0014】
ゲーム装置10の好ましい実施の形態は、従来のゴルフクラブ(図6参照)のようにボール30を打つ少なくとも1つのクラブ40を更に備えている。該クラブ40の各々は、ヘッド部44に接続されたシャフト42(典型的に繊維ガラスで出来ている)と、シャフト42の一部分を取り巻くゴムグリップ部46とを備えている。これにより、プレーヤはボール30をヘッド部44で打つためシャフト42に取り付けられたゴムグリップ部46によりクラブ40を保持する。ヘッド部44は、典型的に硬く且つ平滑な材料で出来ており、該ヘッド部はボール30を取り囲むボールの付着材料32との接着部を形成せずに、ボール30及びボール付着材料32に接触することができる。
【0015】
好ましい実施の形態において、ゲーム装置10は、従来のゴルフクラブセット(図6参照)のドライバのような角度付きヘッド部44を有する1つのクラブ40と、従来のパターゴルフクラブ(図7a及び図7b参照)のような垂直ヘッド部48を有する他のクラブ41という2つのクラブを備えている。このため、ボール30に係合してボール30を空中に上昇させ且つ推進させるため、角度付きのヘッド部44を有するクラブ40が使用され、ボールが立体形標的12に向けて長い距離を飛ぶようにする。垂直ヘッド部44を有するクラブ41は、ボール30に係合してボール30を立体形標的12に向けて短い距離だけ転がすために使用される。
【0016】
図8a及び図8bを参照すると、好ましい実施の形態のマット50は、非滑り面52と、芝生層54とを含む。該非滑り面52は、典型的にゴムで出来ており、芝生層54は、人工芝材料で出来ている。該芝生層54は、プレーヤがボール30を打つためにマット50に立つことができるように非滑り面52の頂部に取り付けられる。更に、ティー58が配置される芝生層54にティーホール56が設けられている。ティー58(典型的に、ゴムで出来ている)はボール30をその上に乗せ得るような設計とされている。次に、ボール30をティー58から打ち又はマット50の芝生層54から直接打つことができる。更に、ハンドル60はマット50の一体的部分である。該ハンドル60は、必要なときにプレーヤがマット50を移動するのを助ける。
【0017】
図1、図2a、図2bを更に参照すると、立体形標的12は、該立体形標的12を貫通して伸びる中空のコア20を備えている。立体形標的12を地面26の上に確実に配置するための色々な方法がある。立体形標的12を地面26に固着する1つの手段は、ロッド21(図1、図3及び図4に図示)を使用することによる。このゲーム装置10の実施の形態は、コア20を通じてロッド21の周りに立体形標的12を配置することのできるような設計とされている。このため、該ロッド21は、このゴルフゲーム装置10に対し2つの機能を提供する。第一に、該ロッド21は、立体形標的12をプレーヤが希望する位置に安定化させる。第二に、該ロッド21は、プレーヤが立体形標的12の位置を決定し且つプレーヤからの距離を決定するのを助ける視覚的ガイドとしても機能する。
【0018】
図3を更に参照すると、スパイク付き端部22及び鈍角な端部23を有するようにロッド21の1つの実施の形態が図示されている。この実施の形態において、ロッド21のスパイク付き端部22は、立体形標的12を地面26に固着し得るように、地面26内に挿入可能であるような設計とされている。この設計は、表面26の硬さ及びプレーヤの希望に従ってプレーヤが立体形標的12を配置する位置を選ぶことを可能にする。
【0019】
図4を参照すると、カップ形状端部24と、鈍角な端部23とを有するロッド21の第二の実施の形態が図示されている。この実施の形態において、ロッド21のカップ形状端部24は、従来のゴルフコースにて使用されるホール(図示せず)内に完全に嵌まるような設計とされている。ホール内にきちっと嵌まりロッド21が該ホールと確実に接続し得るようなカップ形状端部24の直径とされている。この実施の形態において、プレーヤは設定されたホールが既存のゴルフコースにある位置に従って立体形標的12を配置することができる。その結果、プレーヤは既存のホールの位置内に配置された立体形標的12を目的とし、また、ゴルフコースの既存の寸法の知識に基づいて既存のゴルフコースのホールにてプレーすることができる。
【0020】
立体形標的12を地面26に固着する第三の方法は立体形標的12の寸法及び重量を調節することによる。立体形標的12の寸法は、該標的が配置される面26における立体形標的12の安定性を決定する。図1の円筒形の立体形標的12を参照すると、該立体形標的12が平坦面の上で安定し且つ安定化のためにロッド21を必要としないようにするのに十分な基部14の直径とされている。しかし、基部14の直径がより小さいならば、立体形標的12は、ボール30が立体形標的12と接触するときに基部14がひっくり返るのを防止するためコア20内にロッド21を必要とするであろう。更に、基部14自体を中空とし、基部14を水又は砂のような重り材料(図示せず)にて充填し、ロッド21を使用せずに立体形標的12に対し更なる安定性を持たせ得るようにすることができる。
【0021】
立体形標的12の安定性を増すのみならず、ゲーム装置の困難性を変更し得るよう立体形標的12の寸法を変更することができる。例えば、立体形標的12が小さければ小さい程、プレーヤがボール30を立体形標的12に接触させることが益々難しくなる。これとは逆に、立体形標的12の直径が大きければ大きい程、プレーヤが立体形標的12に接触することは、益々より容易となる。
【0022】
更に、本発明の立体形標的12はゲーム装置をプレーするため、円筒形の形状である必要はない。立体形標的12の代替的な形状の例は、球、立方体又は円錐体を含む。代替的な形状は、立体形標的12が上述したように、基部14、クッション16、標的付着材料18を依然として有するような設計としなければならない。更に、立体形標的12は、立体形標的12を固着するためにロッド21が挿入可能な中空のコア20を保つままであるようにする。
【符号の説明】
【0023】
12:立体形標的 14:基部
16:クッション 18:標的付着材料
20:中空のコア 21:ロッド
24:カップ状端部 30:ボール
32:ボール付着材料 44:クラブ
50:マット 58:ティー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフゲーム装置において、
直径よりも大きな高さ寸法を有する円筒形の立体形標的であって、基部と、前記基部を取り囲むクッションと、前記クッションの上に取り付けられた標的付着材料とを備えた、前記立体形標的と、
ゴルフボールよりも大きい直径を有するボールであって、前記ボールの外面に固着されたボール付着材料を備え、前記ボール付着材料は、前記ボールが前記立体形標的に接触するとき、前記標的付着材料に付着する材料からなる、前記ボールと、
前記立体形標的を貫通して延在するロッド及び前記ロッドに取り付けられたカップ形状端部であって、前記ロッド及びカップ形状端部がゴルフコースのホール内に配置されたとき、前記ロッド及びカップ形状端部が前記立体形標的を支持し、位置決めし、前記立体形標的が地面から上方に延在するようにした、前記ロッド及びロッドに取り付けられたカップ形状端部と、
前記ボールを前記立体形標的に向けて推進させ得るように前記ボールに係合するクラブと、
マットと、ボールをクラブで打つ前にボールを支持するティーと、
を備える、ゴルフゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゴルフゲーム装置において、前記標的付着材料及び前記ボール付着材料の一方が複数のフックを有する、ゴルフゲーム装置。
【請求項3】
請求項1のゴルフゲーム装置において、前記標的付着材料及び前記ボール付着材料の他方が複数のループを有する、ゴルフゲーム装置。
【請求項4】
請求項1のゴルフゲーム装置において、前記立体形標的が発泡材で出来ている、ゴルフゲーム装置。
【請求項5】
請求項1のゴルフゲーム装置において、前記立体形標的の基部がプラスチックで出来ている、ゴルフゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−78777(P2011−78777A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226421(P2010−226421)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【分割の表示】特願2000−607714(P2000−607714)の分割
【原出願日】平成12年3月27日(2000.3.27)
【出願人】(502034730)スナッグ・インコーポレーテッド (1)