立体画像表示装置の視差量決定装置およびその動作制御方法
【目的】観賞者に適した視差を決定する。
【構成】ユーザの虹彩間距離がユーザごとに記憶されている。立体表示装置の表示画面前方にいる観賞者が撮像され(ステップ22),その観賞者の虹彩画像が検出される(ステップ23)。虹彩認証が行われ(ステップ24),検出された虹彩画像と同じ画像が記憶されていると(ステップ25でYES),観賞者がどのユーザがわかる。その観賞者の虹彩間距離が読み出される。読み出された虹彩間距離と,表示画面から観賞者までの距離と,表示画面サイズと,から視差が決定される。
【構成】ユーザの虹彩間距離がユーザごとに記憶されている。立体表示装置の表示画面前方にいる観賞者が撮像され(ステップ22),その観賞者の虹彩画像が検出される(ステップ23)。虹彩認証が行われ(ステップ24),検出された虹彩画像と同じ画像が記憶されていると(ステップ25でYES),観賞者がどのユーザがわかる。その観賞者の虹彩間距離が読み出される。読み出された虹彩間距離と,表示画面から観賞者までの距離と,表示画面サイズと,から視差が決定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,立体画像表示装置の視差量決定装置およびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体画像を表示する表示装置では,観賞者の左目で見る左目用画像と観賞者の右目で見る右目用画像と間で視差がある。視差量は画像によって決まっているが,観賞者によっては立体画像を観賞できないことがある。このために,視差量を調整するものがある(特許文献1〜3)。
【0003】
しかしながら,比較的適正な視差量を決定することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-333661号公報
【特許文献2】特開2003-329972号公報
【特許文献3】特開2001-339741号公報
【発明の概要】
【0005】
この発明は,比較的適正な視差量を決定することを目的とする。
【0006】
この発明は,立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置において,立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力する撮像手段,上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定する観賞者決定手段,上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定する測距手段,上記観賞者の上記中心間距離を測定する中心間距離測定手段,上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定する第1の判定手段,上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出す中心間距離読み出し手段,および上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定する視差量決定手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明は,上記立体画像表示装置の視差量決定装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置の動作制御方法において,撮像手段が,立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力し,観賞者決定手段が,上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定し,測距手段が,上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定し,中心間距離測定手段が,上記観賞者の上記中心間距離を測定し,判定手段が,上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定し,中心間距離読み出し手段が,上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出し,視差量決定手段が,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定するものである。
【0008】
この発明によると,立体画像表示装置の観賞者までの距離が測定される。また,観賞者の虹彩が撮像され,撮像された虹彩画像にもとづいて,その観賞者の左目の中心と右目の中心との中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかが判定される。その観賞者の中心間距離が記憶装置に記憶されていると,立体画像表示装置の表示画面サイズと,その観賞者までの距離と,記憶されている観賞者の中心間距離とから,視差量が決定される。その観賞者の中心間距離が記憶装置に記憶されていないと,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量が決定される。
【0009】
この発明によると,観賞者の左目の中心と右目の中心との中心間距離だけでなく,立体画像表示装置の表示画面サイズおよび観賞者までの距離も考慮して視差量が決定されるので,比較的正確に視差量を決定できる。
【0010】
中心間距離は,実質的に左目の中心と右目の中心との距離を表していればよく,左目の虹彩と右目の虹彩との距離,左目の黒目と右目の黒目との距離,一方の目の目尻と他方の目の目元との距離などを含むものである。
【0011】
上記第1の判定手段によって,上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記測距手段によって測定された一人以上の観賞者までの距離の平均距離を算出する平均距離算出手段をさらに備えてもよい。この場合,上記視差量決定手段は,たとえば,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された平均距離と,所定の上記中心間距離と,から,視差量を決定するものとなろう。
【0012】
上記観賞者の瞬き時間(瞬きにより目を閉じている時間)を測定する瞬き時間測定手段,上記瞬き時間測定手段によって測定された瞬き時間が所定時間以上かどうかを判定する第2の判定手段,および上記第2の判定手段によって瞬き時間が所定時間以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第1の補正手段をさらに備えてもよい。
【0013】
上記観賞者の瞬き回数(所定時間より短い間隔で連続的に目の開閉を繰り返す回数)を測定する第1の瞬き回数測定手段,上記第1の瞬き回数測定手段によって測定された瞬き回数が所定回数以上かどうかを判定する第3の判定手段,および上記第3の判定手段によって瞬き回数が所定数以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第2の補正手段をさらに備えてもよい。
【0014】
上記観賞者の左右の目の瞬き回数を左右の眼のそれぞれにおいて測定する第2の瞬き回数測定手段,上記第2の瞬き回数測定手段によって測定された右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上かどうかを判定する第4の判定手段,および上記第4の判定手段によって右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上と判定され,かつ右目と左目のうち一方の目の瞬き回数が他方の目の瞬き回数よりも多い場合に視差量が多くなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正し,上記他方の瞬き回数が上記一方の瞬き回数よりも多い場合に視差量が少なくなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第3の補正手段をさらに備えてもよい。
【0015】
上記第1の判定手段によって,中心間距離が記憶されていると判定された上記観賞者が上記立体画像表示装置の表示画面前方からいなくなったかどうかを判定する観賞者存否判定手段,および上記観賞者存否判定手段によって,上記観賞者が上記立体表示装置の表示画面前方からいなくなったと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離のうち最短距離を用いて視差量を決定するか,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離の平均距離を用いて視差量を決定するかどうかを判定する第5の判定手段をさらに備えてもよい。この場合,上記視差量決定手段は,たとえば,上記第5の判定手段によって最短距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの最短の距離と,上記最短の距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された中心間距離と,から,視差量を決定し,上記第5の判定手段によって平均距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された上記他の観賞者までの平均距離と,所定の中心間距離と,から,視差量を決定するものとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】立体表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザ/虹彩情報テーブルである。
【図3】視差量と表示画面からの距離等との関係を示している。
【図4】観賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図5】鑑賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図6】視差量と表示画面からの距離等との関係を示している。
【図7】視差量と表示画面からの距離等との関係を示している。
【図8】観賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図9】鑑賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図10】視差量補正処理手順のフローチャートである。
【図11】視差量補正処理手順のフローチャートである。
【図12】視差量補正処理手順のフローチャートである。
【実施例】
【0017】
図1は,この発明の実施例を示すもので,立体画像表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0018】
立体画像表示装置の全体の動作は,CPUによって統括される。立体画像表示装置には,観賞者等からの指令を入力する操作装置2が含まれている。操作装置2から出力される操作信号は,CPU1に入力する。
【0019】
立体画像表示装置には,記憶装置12が含まれている。この記憶装置12に記憶されている動画データが表示制御装置10の制御のもとに表示装置11に与えられることにより,表示装置11に立体的な動画(静止画でもよい)が表示される。表示装置11には,左目用画像と右目用画像とが表示され,左目用画像を立体画像表示装置の観賞者が左目で見て,右目用画像を立体画像表示装置の観賞者が右目で見ることにより,観賞者には立体的な画像が見える。
【0020】
この実施例においては,あらかじめ多数のユーザの虹彩を表す虹彩画像がユーザごとに記憶装置12に記憶されている。さらに,そのユーザごとにユーザの虹彩間距離も記憶装置12に記憶されている。
【0021】
図2は,記憶装置12に記憶されているユーザ/虹彩情報テーブルの一例である。
【0022】
ユーザ/虹彩情報テーブルには,ユーザに対応して,そのユーザの虹彩認証情報および虹彩間距離が格納されている。虹彩認証情報は,虹彩を認証(特定)するための情報であり,虹彩情報をコード化した虹彩コード,虹彩画像そのものなどである。後述するように,立体画像表示装置の観賞者の虹彩が撮像され,虹彩画像が得られると,その虹彩画像に対応する虹彩認証情報がユーザ/虹彩情報テーブルから検出される。検出された虹彩認証情報から観賞者がどのユーザかがわかり,その観賞者の虹彩間距離がわかる。たとえば,撮像により得られた虹彩画像が虹彩認証情報1に対応するものであると,観賞者はユーザ1であることがわかり,そのユーザ1の虹彩間距離が41mmであることがわかる。このように,虹彩画像から,ユーザの虹彩間距離がわかる。図2においては,虹彩間距離がテーブルに格納されているが,虹彩間距離でなくともユーザの左目の中心と右目の中心との中心間距離が実質的にわかるようなデータが格納されていればよい。たとえば,虹彩間距離の代わりに,その中心間距離,左目の黒目と右目の黒目との距離,一方の目の目尻と他方の目の目元との距離などが格納されていてもよい。
【0023】
さらに,この実施例では,ユーザに適切な視差量を表すデータも記憶装置12に記憶されている。
【0024】
図3は,ユーザ1の視差量と表示画面までの距離と立体表示装置の表示画面のサイズとの関係を示している。
【0025】
縦軸は視差量(左目用画像と右目用画像との視差)を示し,横軸は立体画像表示装置の表示画面から観賞者までの距離を示している。グラフg11は立体画像表示装置の表示画面が20型の場合の視差量と表示画面から観賞者までの距離との関係を示している。同様に,グラフg12およびg13は表示画面が40型および60型の場合の視差量と表示画面から観賞者までの距離との関係をそれぞれ示している。表示画面が20型,40型および60型のものについて図示したが,その他のサイズについても規定されているのはいうまでもない。
【0026】
このような関係を示すデータがユーザごとに記憶装置12に記憶されている。立体表示装置に表示されている立体画像を見ている観賞者がどのユーザかが特定されると,その特定されたユーザに対応する,図3に示すデータが読み取られる。さらに,その特定されたユーザが見ている表示画面のサイズと表示画面から特定されたユーザまでの距離とから,その特定されたユーザに最適な視差量が決定されることとなる。
【0027】
ユーザの虹彩間距離,表示画面サイズおよび表示画面までの距離を考慮して,そのユーザの視差量を決定しているので,そのユーザによって最適な視差量が決定できるのは理解されよう。
【0028】
図1に戻って,立体画像表示装置には,撮像装置3が含まれている。この撮像装置3によって立体画像表示装置の表示画面前方で立体画像を見ているユーザ(虹彩,目,または目を含むユーザ全体,顔)が撮像される。撮像装置3から出力された画像データは,撮像信号処理装置4に入力する。撮像信号処理装置4において所定の信号処理が行われる。
【0029】
撮像信号処理装置4から出力された画像データは,虹彩検出装置6に入力し,虹彩画像が検出される。検出された虹彩画像を表す画像データは,虹彩認証装置7に入力する。もっとも,撮像装置3がユーザの虹彩を撮像し,撮像により得られた虹彩画像を表すデータが虹彩認証装置7に入力するようにしてもよい。虹彩認証装置7において,撮像によって得られた虹彩画像に対応する虹彩画像データが記憶装置12に記憶されているかどうかが判定される。撮像によって得られた虹彩画像に対応する虹彩画像データが記憶装置12に記憶されていると,その記憶されている虹彩画像データによって表される虹彩画像のユーザが決定される。決定されたユーザの虹彩間距離が図2に示すテーブルから検出される。
【0030】
また,立体画像表示装置には,測距センサ5も設けられている。測距センサ5は,立体表示装置の表示画面の前方にいる観賞者までの距離を測定する。観賞者が一人であれば,その一人の観賞者までの距離を表すデータが測距センサ5から出力され,観賞者が複数であれば,複数のそれぞれの観賞者までの距離を表すデータが測距センサ5から出力される。測距センサ5から出力された距離を表すデータは,積算装置9に入力し,観賞者までの距離が算出される。複数の観賞者のそれぞれの距離を測定するのに必要であれば複数の測距センサ5が設けられる。一つの測距センサ5を用いて複数の観賞者のそれぞれの距離を測定してもよいのはいうまでもない。
【0031】
さらに,立体画像表示装置には,虹彩間距離算出装置8も含まれている。虹彩間算出装置8に,撮像された観賞者の画像データが入力することにより,その観賞者の虹彩間距離が算出される。
【0032】
図4および図5は,観賞者用視差調整処理手順を示すフローチャートである。
【0033】
まず,あらかじめ定められている所定の自動視差調整が行われる(ステップ21)。その後に,撮像装置3によって,立体画像表示装置の表示画面前方にいる観賞者が撮像される(ステップ22)。上述のように,観賞者を撮像することにより得られた画像データが虹彩検出装置6に入力し,虹彩画像が検出される(ステップ23)。
【0034】
虹彩画像が検出されると,虹彩認証が行われ(ステップ24),その検出された虹彩画像に対応する虹彩コードが記憶装置12に記憶されているかどうかが判定される(ステップ25)。もちろん,記憶装置に虹彩コードではなく,虹彩画像データが記憶されている場合には,検出された虹彩画像に対応する虹彩画像データが記憶されているかどうかが判定される。撮像された観賞者の虹彩画像を表す画像データが記憶装置12に記憶されているかどうかの判定は,撮像された観賞者の虹彩間距離が記憶装置12に記憶されているかどうかの判定を行っていることと等価である。
【0035】
検出された虹彩画像と同じ虹彩画像を表す画像データが記憶装置12に記憶されていると(ステップ25でYES),検出された虹彩画像から観賞者が,記憶されているユーザのうち,どのユーザかが特定される(ステップ26)。また,観賞者までの距離が測定される(ステップ27)。さらに,立体画像の表示画面のサイズを表すデータが記憶装置12から読み取られる(ステップ28)。
【0036】
特定されたユーザについての,図3に示すような視差量と表示画面までの距離と表示画面サイズとの関係を示すデータが記憶装置から読み取られ,その読み取られたデータによって示す関係にもとづいて,その特定されたユーザに適した視差量が決定される(ステップ29)。決定された視差量となるように,左目用画像と右目用画像(左右画像)の視差が調整される(ステップ30)。
【0037】
上述の実施例においては,複数の観賞者がいて,そのうち複数の観賞者の虹彩画像が記憶されていた場合には,いずれかの観賞者の虹彩にもとづいて視差量を決定すればよい。
【0038】
また,上述の実施例においては,虹彩画像からユーザを決定し,決定されたユーザから虹彩間距離を検出しているが,虹彩画像と虹彩間距離とを一対一に対応するように記憶しており,検出された虹彩画像からユーザを決定することなく,虹彩間距離を検出するようにしてもよい。
【0039】
図6から図8は,他の実施例を示している。この実施例は,観賞者が複数いた場合の処理で,検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていないときに,もっとも表示画面に近い観賞者に適した視差を決定するものである。
【0040】
図6および図7は,図2に相当するもので,視差量と表示画面までの距離と表示画面との関係を示している。図7は虹彩間距離が40mmの観賞者に適するもので,図8は虹彩間距離が41mmの観賞者に適するものである。虹彩間距離が40mmおよび41mmのものについて図示されているが,1mmずつ異なる40mm〜90mmの虹彩間距離のものについてのデータが記憶装置12に記憶されている。もっとも,40mm未満の虹彩間距離または90mmよりも大きい虹彩間距離についても記憶しておいてもよい。図6においてグラフg21,g22,およびg23は,それぞれ表示画面が20型,40型,および60型のものであり,図7においてグラフg31,g32,およびg33は,それぞれ表示画面が20型,40型,および60型のものである。
【0041】
図8は,観賞者用視差調整処理手順を示すフローチャートである。これらの図において,図4または図5の処理と同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
まず,図4のステップ21から25までの処理と同じ処理が行われる。検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されている場合には(ステップ25でYES),図5のステップ26から30までの処理が行われる。
【0043】
検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合には(ステップ25でNO),検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合に行われる処理がどのようなものに設定されているかが確認される(ステップ31)。図8に示す例では,表示画面にもっとも近い観賞者に適するように視差が調整されるように設定されているものとする(最短距離設定)(ステップ31)。この設定は,操作装置2を用いてあらかじめ行われているのはいうまでもない。
【0044】
上述のように,表示画面の前方にいる観賞者は撮像されているから,その画像から表示画面に最短距離にいる観賞者が特定される(ステップ32)。最短距離にいる観賞者は,画像に含まれる顔の割合が一番大きい者でもよいし,実際に測定された距離にもとづいて決定してもよい。最短距離にいる観賞者の画像から,観賞者の虹彩間距離が測定される(ステップ33)。
【0045】
図6および図7に示すような,視差量と表示画面までの距離と表示画面サイズとの関係のうち,測定された虹彩間距離に対応する関係を表すデータから,最短距離にいる観賞者に適した視差量が決定される(ステップ28,29)。決定した視差量をもつように左右画像が調整される(ステップ30)。
【0046】
図9は,さらに他の実施例を示すもので,観賞者用視差調整処理手順を示すフローチャートである。これらの図において,図4および図5ならびに図8に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合には(ステップ25でNO),検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合に行われる処理がどのようなものに設定されているかが確認される(ステップ34)。図9に示す例では,表示画面前方にいる観賞者までの表示画面からの距離の平均距離を用いて視差が調整されるように設定されているものとする(平均距離設定)(ステップ34)。この設定は,操作装置2を用いてあらかじめ行われているのはいうまでもない。
【0048】
上述のように,表示画面の前方にいる観賞者は撮像されているから,その画像から表示画面前方にいる観賞者の数が算出される(ステップ35)。表示画面前方にいる観賞者までの距離の平均距離が測定される(ステップ36)。
【0049】
図6および図7に示すような,視差量と表示画面までの距離と表示画面サイズとの関係のうち,所定の虹彩間距離に対応する関係を表すデータから,平均距離に観賞者がいる場合に適した視差量が決定される(ステップ28,29)。決定した視差量をもつように左右画像が調整される(ステップ30)。
【0050】
図10は,視差量補正処理手順を示すフローチャートである。この視差量補正処理は,上述のようにして決定された視差量を補正するものである。
【0051】
図4および図5,図8または図9に示すいずれかの方法により視差調整が行われる(ステップ41)。視差調整が終了すると(ステップ42でYES),瞬き検出処理が開始される(ステップ43)。
【0052】
瞬きが検出されると(ステップ44でYES),その瞬きの内容が確認される(ステップ45)。たとえば,本当の瞬きかどうかの確認,左目の瞬きか,右目の瞬きか,などが確認される。本当の瞬きであることがわかると,左右の目ごとに瞬きの回数がカウントされるまた,瞬きの時間が加算されていく。視差量補正指令があるまで,ステップ44および45の処理が繰り返される(ステップ46)。
【0053】
視差量補正処理があると(ステップ46でYES),左右の瞬き回数,時間が読み取られる(ステップ47)。読み取られた瞬き回数,時間にもとづいて,視差量の補正量が決定される(ステップ48)。決定された補正量で視差が補正され,その補正された視差をもつように左右画像が調整される(ステップ49)。
【0054】
たとえば,左右の目にかかわらず,瞬き回数(左目または右目の瞬き回数,両目の瞬き回数)が所定しきい値以上であれば(瞬き回数が所定のしきい値以上かどうかを判定する装置が設けられよう),観賞者に視差が合っていないと考えられるので,視差が補正される。視差が大きくなるように補正してもよいし,視差が小さくなるように補正してもよい。また,瞬きの合計時間が所定以上の時間となっても観賞者に視差が合っていないと考えられるので,視差が補正される(瞬きの合計時間が所定以上の時間かどうかを判定する装置が設けられよう)。さらに,右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定の回数以上であり,右目の瞬き回数が左目の瞬き回数よりも多い場合には視差量が多くなるようにし,左目の瞬き回数が右目の瞬き回数よりも多い場合は視差量が少なくなるようにしてもよい(瞬き回数比較装置が設けられよう)。
【0055】
図11および図12は,他の実施例を示すもので,視差量補正処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
図4および図5,図8または図9に示すいずれかの方法により視差調整が行われる(ステップ41)。視差調整が終了すると(ステップ42でYES),瞬き検出処理が開始される(ステップ43)。
【0057】
表示画面前方の観賞者が撮像され(ステップ53),撮像された観賞者の虹彩画像が検出される(ステップ54)。検出された虹彩画像から上述したのと同様に虹彩認証が行われる(ステップ55)。虹彩認証により,虹彩画像が記憶されているユーザであれば,表示画面前方にどのユーザがいるのかがわかるから,観賞者用視差調整において視差が適するようにされた特定の観賞者が表示画面前方からいなくなったかどうかが確認される(ステップ56)。特定の観賞者が表示画面前方にいれば(ステップ56でNO),ステップ53から55の処理が繰り返される。
【0058】
特定の観賞者が表示画面前方からいなくなったかどうかが判定される(ステップ56)。たとえば,特定の観賞者を撮像していてその観賞者の虹彩,目,顔などが一定時間以上検出されなかった場合に表示画面からいなくなったものと判定されよう。特定の観賞者が表示画面前方からいなくなると(ステップ56でYES),優先順位の設定が確認される(優先順位判定装置が設けられ,その優先順位判定装置によりあらかじめ設定されよう)(ステップ57)。優先順位に応じて視差量が決定される(ステップ58)。優先順位が,上述したように最短距離に設定されていると,表示画面前方にいる観賞者のうちもっとも表示画面に近い観賞者に適するように視差が決定される。また,優先順位が,上述のように平均距離に設定されていると,表示画面前方にいる観賞者の表示画面からの平均距離にもとづいて視差量が決定される。
【0059】
表示画面に表示されているコンテンツが切り換えられるタイミングとなると(ステップ59でYES),決定された視差量をもつように左右画像が調整される(ステップ60)。
【0060】
上記の実施例においては,あらかじめ設定されている優先順位にしたがって視差量が決定されるが,視差量を決定するごとに優先順位を決定するようにしてもよい。たとえば,表示画面からそれぞれの観賞者までのそれぞれの距離差が小さい場合には平均距離を用い,その距離差が大きい場合にはもっとも近い観賞者までの距離を用いるようにしてもよい。さらに,ユーザ/虹彩情報テーブルに子供か大人かの情報を格納しておき,観賞者が子供であることがわかると,その子供までの距離を用いることもできる。このように,その場の状況に応じて優先順位を決定することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1 CPU
3 撮像装置
6 虹彩検出装置
7 虹彩認証装置
8 虹彩間距離算出装置
11 表示装置
12 記憶装置
【技術分野】
【0001】
この発明は,立体画像表示装置の視差量決定装置およびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体画像を表示する表示装置では,観賞者の左目で見る左目用画像と観賞者の右目で見る右目用画像と間で視差がある。視差量は画像によって決まっているが,観賞者によっては立体画像を観賞できないことがある。このために,視差量を調整するものがある(特許文献1〜3)。
【0003】
しかしながら,比較的適正な視差量を決定することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-333661号公報
【特許文献2】特開2003-329972号公報
【特許文献3】特開2001-339741号公報
【発明の概要】
【0005】
この発明は,比較的適正な視差量を決定することを目的とする。
【0006】
この発明は,立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置において,立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力する撮像手段,上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定する観賞者決定手段,上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定する測距手段,上記観賞者の上記中心間距離を測定する中心間距離測定手段,上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定する第1の判定手段,上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出す中心間距離読み出し手段,および上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定する視差量決定手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明は,上記立体画像表示装置の視差量決定装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置の動作制御方法において,撮像手段が,立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力し,観賞者決定手段が,上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定し,測距手段が,上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定し,中心間距離測定手段が,上記観賞者の上記中心間距離を測定し,判定手段が,上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定し,中心間距離読み出し手段が,上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出し,視差量決定手段が,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定するものである。
【0008】
この発明によると,立体画像表示装置の観賞者までの距離が測定される。また,観賞者の虹彩が撮像され,撮像された虹彩画像にもとづいて,その観賞者の左目の中心と右目の中心との中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかが判定される。その観賞者の中心間距離が記憶装置に記憶されていると,立体画像表示装置の表示画面サイズと,その観賞者までの距離と,記憶されている観賞者の中心間距離とから,視差量が決定される。その観賞者の中心間距離が記憶装置に記憶されていないと,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量が決定される。
【0009】
この発明によると,観賞者の左目の中心と右目の中心との中心間距離だけでなく,立体画像表示装置の表示画面サイズおよび観賞者までの距離も考慮して視差量が決定されるので,比較的正確に視差量を決定できる。
【0010】
中心間距離は,実質的に左目の中心と右目の中心との距離を表していればよく,左目の虹彩と右目の虹彩との距離,左目の黒目と右目の黒目との距離,一方の目の目尻と他方の目の目元との距離などを含むものである。
【0011】
上記第1の判定手段によって,上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記測距手段によって測定された一人以上の観賞者までの距離の平均距離を算出する平均距離算出手段をさらに備えてもよい。この場合,上記視差量決定手段は,たとえば,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された平均距離と,所定の上記中心間距離と,から,視差量を決定するものとなろう。
【0012】
上記観賞者の瞬き時間(瞬きにより目を閉じている時間)を測定する瞬き時間測定手段,上記瞬き時間測定手段によって測定された瞬き時間が所定時間以上かどうかを判定する第2の判定手段,および上記第2の判定手段によって瞬き時間が所定時間以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第1の補正手段をさらに備えてもよい。
【0013】
上記観賞者の瞬き回数(所定時間より短い間隔で連続的に目の開閉を繰り返す回数)を測定する第1の瞬き回数測定手段,上記第1の瞬き回数測定手段によって測定された瞬き回数が所定回数以上かどうかを判定する第3の判定手段,および上記第3の判定手段によって瞬き回数が所定数以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第2の補正手段をさらに備えてもよい。
【0014】
上記観賞者の左右の目の瞬き回数を左右の眼のそれぞれにおいて測定する第2の瞬き回数測定手段,上記第2の瞬き回数測定手段によって測定された右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上かどうかを判定する第4の判定手段,および上記第4の判定手段によって右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上と判定され,かつ右目と左目のうち一方の目の瞬き回数が他方の目の瞬き回数よりも多い場合に視差量が多くなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正し,上記他方の瞬き回数が上記一方の瞬き回数よりも多い場合に視差量が少なくなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第3の補正手段をさらに備えてもよい。
【0015】
上記第1の判定手段によって,中心間距離が記憶されていると判定された上記観賞者が上記立体画像表示装置の表示画面前方からいなくなったかどうかを判定する観賞者存否判定手段,および上記観賞者存否判定手段によって,上記観賞者が上記立体表示装置の表示画面前方からいなくなったと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離のうち最短距離を用いて視差量を決定するか,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離の平均距離を用いて視差量を決定するかどうかを判定する第5の判定手段をさらに備えてもよい。この場合,上記視差量決定手段は,たとえば,上記第5の判定手段によって最短距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの最短の距離と,上記最短の距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された中心間距離と,から,視差量を決定し,上記第5の判定手段によって平均距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された上記他の観賞者までの平均距離と,所定の中心間距離と,から,視差量を決定するものとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】立体表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザ/虹彩情報テーブルである。
【図3】視差量と表示画面からの距離等との関係を示している。
【図4】観賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図5】鑑賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図6】視差量と表示画面からの距離等との関係を示している。
【図7】視差量と表示画面からの距離等との関係を示している。
【図8】観賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図9】鑑賞者用視差調整処理手順のフローチャートである。
【図10】視差量補正処理手順のフローチャートである。
【図11】視差量補正処理手順のフローチャートである。
【図12】視差量補正処理手順のフローチャートである。
【実施例】
【0017】
図1は,この発明の実施例を示すもので,立体画像表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0018】
立体画像表示装置の全体の動作は,CPUによって統括される。立体画像表示装置には,観賞者等からの指令を入力する操作装置2が含まれている。操作装置2から出力される操作信号は,CPU1に入力する。
【0019】
立体画像表示装置には,記憶装置12が含まれている。この記憶装置12に記憶されている動画データが表示制御装置10の制御のもとに表示装置11に与えられることにより,表示装置11に立体的な動画(静止画でもよい)が表示される。表示装置11には,左目用画像と右目用画像とが表示され,左目用画像を立体画像表示装置の観賞者が左目で見て,右目用画像を立体画像表示装置の観賞者が右目で見ることにより,観賞者には立体的な画像が見える。
【0020】
この実施例においては,あらかじめ多数のユーザの虹彩を表す虹彩画像がユーザごとに記憶装置12に記憶されている。さらに,そのユーザごとにユーザの虹彩間距離も記憶装置12に記憶されている。
【0021】
図2は,記憶装置12に記憶されているユーザ/虹彩情報テーブルの一例である。
【0022】
ユーザ/虹彩情報テーブルには,ユーザに対応して,そのユーザの虹彩認証情報および虹彩間距離が格納されている。虹彩認証情報は,虹彩を認証(特定)するための情報であり,虹彩情報をコード化した虹彩コード,虹彩画像そのものなどである。後述するように,立体画像表示装置の観賞者の虹彩が撮像され,虹彩画像が得られると,その虹彩画像に対応する虹彩認証情報がユーザ/虹彩情報テーブルから検出される。検出された虹彩認証情報から観賞者がどのユーザかがわかり,その観賞者の虹彩間距離がわかる。たとえば,撮像により得られた虹彩画像が虹彩認証情報1に対応するものであると,観賞者はユーザ1であることがわかり,そのユーザ1の虹彩間距離が41mmであることがわかる。このように,虹彩画像から,ユーザの虹彩間距離がわかる。図2においては,虹彩間距離がテーブルに格納されているが,虹彩間距離でなくともユーザの左目の中心と右目の中心との中心間距離が実質的にわかるようなデータが格納されていればよい。たとえば,虹彩間距離の代わりに,その中心間距離,左目の黒目と右目の黒目との距離,一方の目の目尻と他方の目の目元との距離などが格納されていてもよい。
【0023】
さらに,この実施例では,ユーザに適切な視差量を表すデータも記憶装置12に記憶されている。
【0024】
図3は,ユーザ1の視差量と表示画面までの距離と立体表示装置の表示画面のサイズとの関係を示している。
【0025】
縦軸は視差量(左目用画像と右目用画像との視差)を示し,横軸は立体画像表示装置の表示画面から観賞者までの距離を示している。グラフg11は立体画像表示装置の表示画面が20型の場合の視差量と表示画面から観賞者までの距離との関係を示している。同様に,グラフg12およびg13は表示画面が40型および60型の場合の視差量と表示画面から観賞者までの距離との関係をそれぞれ示している。表示画面が20型,40型および60型のものについて図示したが,その他のサイズについても規定されているのはいうまでもない。
【0026】
このような関係を示すデータがユーザごとに記憶装置12に記憶されている。立体表示装置に表示されている立体画像を見ている観賞者がどのユーザかが特定されると,その特定されたユーザに対応する,図3に示すデータが読み取られる。さらに,その特定されたユーザが見ている表示画面のサイズと表示画面から特定されたユーザまでの距離とから,その特定されたユーザに最適な視差量が決定されることとなる。
【0027】
ユーザの虹彩間距離,表示画面サイズおよび表示画面までの距離を考慮して,そのユーザの視差量を決定しているので,そのユーザによって最適な視差量が決定できるのは理解されよう。
【0028】
図1に戻って,立体画像表示装置には,撮像装置3が含まれている。この撮像装置3によって立体画像表示装置の表示画面前方で立体画像を見ているユーザ(虹彩,目,または目を含むユーザ全体,顔)が撮像される。撮像装置3から出力された画像データは,撮像信号処理装置4に入力する。撮像信号処理装置4において所定の信号処理が行われる。
【0029】
撮像信号処理装置4から出力された画像データは,虹彩検出装置6に入力し,虹彩画像が検出される。検出された虹彩画像を表す画像データは,虹彩認証装置7に入力する。もっとも,撮像装置3がユーザの虹彩を撮像し,撮像により得られた虹彩画像を表すデータが虹彩認証装置7に入力するようにしてもよい。虹彩認証装置7において,撮像によって得られた虹彩画像に対応する虹彩画像データが記憶装置12に記憶されているかどうかが判定される。撮像によって得られた虹彩画像に対応する虹彩画像データが記憶装置12に記憶されていると,その記憶されている虹彩画像データによって表される虹彩画像のユーザが決定される。決定されたユーザの虹彩間距離が図2に示すテーブルから検出される。
【0030】
また,立体画像表示装置には,測距センサ5も設けられている。測距センサ5は,立体表示装置の表示画面の前方にいる観賞者までの距離を測定する。観賞者が一人であれば,その一人の観賞者までの距離を表すデータが測距センサ5から出力され,観賞者が複数であれば,複数のそれぞれの観賞者までの距離を表すデータが測距センサ5から出力される。測距センサ5から出力された距離を表すデータは,積算装置9に入力し,観賞者までの距離が算出される。複数の観賞者のそれぞれの距離を測定するのに必要であれば複数の測距センサ5が設けられる。一つの測距センサ5を用いて複数の観賞者のそれぞれの距離を測定してもよいのはいうまでもない。
【0031】
さらに,立体画像表示装置には,虹彩間距離算出装置8も含まれている。虹彩間算出装置8に,撮像された観賞者の画像データが入力することにより,その観賞者の虹彩間距離が算出される。
【0032】
図4および図5は,観賞者用視差調整処理手順を示すフローチャートである。
【0033】
まず,あらかじめ定められている所定の自動視差調整が行われる(ステップ21)。その後に,撮像装置3によって,立体画像表示装置の表示画面前方にいる観賞者が撮像される(ステップ22)。上述のように,観賞者を撮像することにより得られた画像データが虹彩検出装置6に入力し,虹彩画像が検出される(ステップ23)。
【0034】
虹彩画像が検出されると,虹彩認証が行われ(ステップ24),その検出された虹彩画像に対応する虹彩コードが記憶装置12に記憶されているかどうかが判定される(ステップ25)。もちろん,記憶装置に虹彩コードではなく,虹彩画像データが記憶されている場合には,検出された虹彩画像に対応する虹彩画像データが記憶されているかどうかが判定される。撮像された観賞者の虹彩画像を表す画像データが記憶装置12に記憶されているかどうかの判定は,撮像された観賞者の虹彩間距離が記憶装置12に記憶されているかどうかの判定を行っていることと等価である。
【0035】
検出された虹彩画像と同じ虹彩画像を表す画像データが記憶装置12に記憶されていると(ステップ25でYES),検出された虹彩画像から観賞者が,記憶されているユーザのうち,どのユーザかが特定される(ステップ26)。また,観賞者までの距離が測定される(ステップ27)。さらに,立体画像の表示画面のサイズを表すデータが記憶装置12から読み取られる(ステップ28)。
【0036】
特定されたユーザについての,図3に示すような視差量と表示画面までの距離と表示画面サイズとの関係を示すデータが記憶装置から読み取られ,その読み取られたデータによって示す関係にもとづいて,その特定されたユーザに適した視差量が決定される(ステップ29)。決定された視差量となるように,左目用画像と右目用画像(左右画像)の視差が調整される(ステップ30)。
【0037】
上述の実施例においては,複数の観賞者がいて,そのうち複数の観賞者の虹彩画像が記憶されていた場合には,いずれかの観賞者の虹彩にもとづいて視差量を決定すればよい。
【0038】
また,上述の実施例においては,虹彩画像からユーザを決定し,決定されたユーザから虹彩間距離を検出しているが,虹彩画像と虹彩間距離とを一対一に対応するように記憶しており,検出された虹彩画像からユーザを決定することなく,虹彩間距離を検出するようにしてもよい。
【0039】
図6から図8は,他の実施例を示している。この実施例は,観賞者が複数いた場合の処理で,検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていないときに,もっとも表示画面に近い観賞者に適した視差を決定するものである。
【0040】
図6および図7は,図2に相当するもので,視差量と表示画面までの距離と表示画面との関係を示している。図7は虹彩間距離が40mmの観賞者に適するもので,図8は虹彩間距離が41mmの観賞者に適するものである。虹彩間距離が40mmおよび41mmのものについて図示されているが,1mmずつ異なる40mm〜90mmの虹彩間距離のものについてのデータが記憶装置12に記憶されている。もっとも,40mm未満の虹彩間距離または90mmよりも大きい虹彩間距離についても記憶しておいてもよい。図6においてグラフg21,g22,およびg23は,それぞれ表示画面が20型,40型,および60型のものであり,図7においてグラフg31,g32,およびg33は,それぞれ表示画面が20型,40型,および60型のものである。
【0041】
図8は,観賞者用視差調整処理手順を示すフローチャートである。これらの図において,図4または図5の処理と同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
まず,図4のステップ21から25までの処理と同じ処理が行われる。検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されている場合には(ステップ25でYES),図5のステップ26から30までの処理が行われる。
【0043】
検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合には(ステップ25でNO),検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合に行われる処理がどのようなものに設定されているかが確認される(ステップ31)。図8に示す例では,表示画面にもっとも近い観賞者に適するように視差が調整されるように設定されているものとする(最短距離設定)(ステップ31)。この設定は,操作装置2を用いてあらかじめ行われているのはいうまでもない。
【0044】
上述のように,表示画面の前方にいる観賞者は撮像されているから,その画像から表示画面に最短距離にいる観賞者が特定される(ステップ32)。最短距離にいる観賞者は,画像に含まれる顔の割合が一番大きい者でもよいし,実際に測定された距離にもとづいて決定してもよい。最短距離にいる観賞者の画像から,観賞者の虹彩間距離が測定される(ステップ33)。
【0045】
図6および図7に示すような,視差量と表示画面までの距離と表示画面サイズとの関係のうち,測定された虹彩間距離に対応する関係を表すデータから,最短距離にいる観賞者に適した視差量が決定される(ステップ28,29)。決定した視差量をもつように左右画像が調整される(ステップ30)。
【0046】
図9は,さらに他の実施例を示すもので,観賞者用視差調整処理手順を示すフローチャートである。これらの図において,図4および図5ならびに図8に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合には(ステップ25でNO),検出された虹彩画像と同じ虹彩画像が記憶されていない場合に行われる処理がどのようなものに設定されているかが確認される(ステップ34)。図9に示す例では,表示画面前方にいる観賞者までの表示画面からの距離の平均距離を用いて視差が調整されるように設定されているものとする(平均距離設定)(ステップ34)。この設定は,操作装置2を用いてあらかじめ行われているのはいうまでもない。
【0048】
上述のように,表示画面の前方にいる観賞者は撮像されているから,その画像から表示画面前方にいる観賞者の数が算出される(ステップ35)。表示画面前方にいる観賞者までの距離の平均距離が測定される(ステップ36)。
【0049】
図6および図7に示すような,視差量と表示画面までの距離と表示画面サイズとの関係のうち,所定の虹彩間距離に対応する関係を表すデータから,平均距離に観賞者がいる場合に適した視差量が決定される(ステップ28,29)。決定した視差量をもつように左右画像が調整される(ステップ30)。
【0050】
図10は,視差量補正処理手順を示すフローチャートである。この視差量補正処理は,上述のようにして決定された視差量を補正するものである。
【0051】
図4および図5,図8または図9に示すいずれかの方法により視差調整が行われる(ステップ41)。視差調整が終了すると(ステップ42でYES),瞬き検出処理が開始される(ステップ43)。
【0052】
瞬きが検出されると(ステップ44でYES),その瞬きの内容が確認される(ステップ45)。たとえば,本当の瞬きかどうかの確認,左目の瞬きか,右目の瞬きか,などが確認される。本当の瞬きであることがわかると,左右の目ごとに瞬きの回数がカウントされるまた,瞬きの時間が加算されていく。視差量補正指令があるまで,ステップ44および45の処理が繰り返される(ステップ46)。
【0053】
視差量補正処理があると(ステップ46でYES),左右の瞬き回数,時間が読み取られる(ステップ47)。読み取られた瞬き回数,時間にもとづいて,視差量の補正量が決定される(ステップ48)。決定された補正量で視差が補正され,その補正された視差をもつように左右画像が調整される(ステップ49)。
【0054】
たとえば,左右の目にかかわらず,瞬き回数(左目または右目の瞬き回数,両目の瞬き回数)が所定しきい値以上であれば(瞬き回数が所定のしきい値以上かどうかを判定する装置が設けられよう),観賞者に視差が合っていないと考えられるので,視差が補正される。視差が大きくなるように補正してもよいし,視差が小さくなるように補正してもよい。また,瞬きの合計時間が所定以上の時間となっても観賞者に視差が合っていないと考えられるので,視差が補正される(瞬きの合計時間が所定以上の時間かどうかを判定する装置が設けられよう)。さらに,右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定の回数以上であり,右目の瞬き回数が左目の瞬き回数よりも多い場合には視差量が多くなるようにし,左目の瞬き回数が右目の瞬き回数よりも多い場合は視差量が少なくなるようにしてもよい(瞬き回数比較装置が設けられよう)。
【0055】
図11および図12は,他の実施例を示すもので,視差量補正処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
図4および図5,図8または図9に示すいずれかの方法により視差調整が行われる(ステップ41)。視差調整が終了すると(ステップ42でYES),瞬き検出処理が開始される(ステップ43)。
【0057】
表示画面前方の観賞者が撮像され(ステップ53),撮像された観賞者の虹彩画像が検出される(ステップ54)。検出された虹彩画像から上述したのと同様に虹彩認証が行われる(ステップ55)。虹彩認証により,虹彩画像が記憶されているユーザであれば,表示画面前方にどのユーザがいるのかがわかるから,観賞者用視差調整において視差が適するようにされた特定の観賞者が表示画面前方からいなくなったかどうかが確認される(ステップ56)。特定の観賞者が表示画面前方にいれば(ステップ56でNO),ステップ53から55の処理が繰り返される。
【0058】
特定の観賞者が表示画面前方からいなくなったかどうかが判定される(ステップ56)。たとえば,特定の観賞者を撮像していてその観賞者の虹彩,目,顔などが一定時間以上検出されなかった場合に表示画面からいなくなったものと判定されよう。特定の観賞者が表示画面前方からいなくなると(ステップ56でYES),優先順位の設定が確認される(優先順位判定装置が設けられ,その優先順位判定装置によりあらかじめ設定されよう)(ステップ57)。優先順位に応じて視差量が決定される(ステップ58)。優先順位が,上述したように最短距離に設定されていると,表示画面前方にいる観賞者のうちもっとも表示画面に近い観賞者に適するように視差が決定される。また,優先順位が,上述のように平均距離に設定されていると,表示画面前方にいる観賞者の表示画面からの平均距離にもとづいて視差量が決定される。
【0059】
表示画面に表示されているコンテンツが切り換えられるタイミングとなると(ステップ59でYES),決定された視差量をもつように左右画像が調整される(ステップ60)。
【0060】
上記の実施例においては,あらかじめ設定されている優先順位にしたがって視差量が決定されるが,視差量を決定するごとに優先順位を決定するようにしてもよい。たとえば,表示画面からそれぞれの観賞者までのそれぞれの距離差が小さい場合には平均距離を用い,その距離差が大きい場合にはもっとも近い観賞者までの距離を用いるようにしてもよい。さらに,ユーザ/虹彩情報テーブルに子供か大人かの情報を格納しておき,観賞者が子供であることがわかると,その子供までの距離を用いることもできる。このように,その場の状況に応じて優先順位を決定することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1 CPU
3 撮像装置
6 虹彩検出装置
7 虹彩認証装置
8 虹彩間距離算出装置
11 表示装置
12 記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置において,
立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力する撮像手段,
上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定する観賞者決定手段,
上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定する測距手段,
上記観賞者の上記中心間距離を測定する中心間距離測定手段,
上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定する第1の判定手段,
上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出す中心間距離読み出し手段,および
上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定する視差量決定手段,
を備えた立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項2】
上記第1の判定手段によって,上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記測距手段によって測定された一人以上の観賞者までの距離の平均距離を算出する平均距離算出手段をさらに備え,
上記視差量決定手段は,
上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された平均距離と,所定の上記中心間距離と,から,視差量を決定するものである,
請求項1に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項3】
上記観賞者の瞬き時間を測定する瞬き時間測定手段,
上記瞬き時間測定手段によって測定された瞬き時間が所定時間以上かどうかを判定する第2の判定手段,および
上記第2の判定手段によって瞬き時間が所定時間以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第1の補正手段,
をさらに備えた請求項1または2のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項4】
上記観賞者の瞬き回数を測定する第1の瞬き回数測定手段,
上記第1の瞬き回数測定手段によって測定された瞬き回数が所定回数以上かどうかを判定する第3の判定手段,および
上記第3の判定手段によって瞬き回数が所定数以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第2の補正手段,
をさらに備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項5】
上記観賞者の左右の目の瞬き回数を左右の眼のそれぞれにおいて測定する第2の瞬き回数測定手段,
上記第2の瞬き回数測定手段によって測定された右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上かどうかを判定する第4の判定手段,および
上記第4の判定手段によって右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上と判定され,かつ右目と左目のうち一方の目の瞬き回数が他方の目の瞬き回数よりも多い場合に視差量が多くなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正し,上記他方の瞬き回数が上記一方の瞬き回数よりも多い場合に視差量が少なくなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第3の補正手段,
をさらに備えた請求項1から4のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項6】
上記第1の判定手段によって,中心間距離が記憶されていると判定された上記観賞者が上記立体画像表示装置の表示画面前方からいなくなったかどうかを判定する観賞者存否判定手段,および
上記観賞者存否判定手段によって,上記観賞者が上記立体表示装置の表示画面前方からいなくなったと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離のうち最短距離を用いて視差量を決定するか,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離の平均距離を用いて視差量を決定するかどうかを判定する第5の判定手段をさらに備え,
上記視差量決定手段は,
上記第5の判定手段によって最短距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの最短の距離と,上記最短の距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された中心間距離と,から,視差量を決定し,上記第5の判定手段によって平均距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された上記他の観賞者までの平均距離と,所定の中心間距離と,から,視差量を決定するものである,
請求項2から5のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項7】
立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置の動作制御方法において,
撮像手段が,立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力し,
観賞者決定手段が,上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定し,
測距手段が,上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定し,
中心間距離測定手段が,上記観賞者の上記中心間距離を測定し,
判定手段が,上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定し,
中心間距離読み出し手段が,上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出し,
視差量決定手段が,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定する,
立体画像表示装置の視差量決定装置の動作制御方法。
【請求項1】
立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置において,
立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力する撮像手段,
上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定する観賞者決定手段,
上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定する測距手段,
上記観賞者の上記中心間距離を測定する中心間距離測定手段,
上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定する第1の判定手段,
上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出す中心間距離読み出し手段,および
上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定する視差量決定手段,
を備えた立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項2】
上記第1の判定手段によって,上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記測距手段によって測定された一人以上の観賞者までの距離の平均距離を算出する平均距離算出手段をさらに備え,
上記視差量決定手段は,
上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された平均距離と,所定の上記中心間距離と,から,視差量を決定するものである,
請求項1に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項3】
上記観賞者の瞬き時間を測定する瞬き時間測定手段,
上記瞬き時間測定手段によって測定された瞬き時間が所定時間以上かどうかを判定する第2の判定手段,および
上記第2の判定手段によって瞬き時間が所定時間以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第1の補正手段,
をさらに備えた請求項1または2のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項4】
上記観賞者の瞬き回数を測定する第1の瞬き回数測定手段,
上記第1の瞬き回数測定手段によって測定された瞬き回数が所定回数以上かどうかを判定する第3の判定手段,および
上記第3の判定手段によって瞬き回数が所定数以上と判定されたことに応じて上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第2の補正手段,
をさらに備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項5】
上記観賞者の左右の目の瞬き回数を左右の眼のそれぞれにおいて測定する第2の瞬き回数測定手段,
上記第2の瞬き回数測定手段によって測定された右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上かどうかを判定する第4の判定手段,および
上記第4の判定手段によって右目の瞬き回数または左目の瞬き回数が所定数以上と判定され,かつ右目と左目のうち一方の目の瞬き回数が他方の目の瞬き回数よりも多い場合に視差量が多くなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正し,上記他方の瞬き回数が上記一方の瞬き回数よりも多い場合に視差量が少なくなるように上記視差量決定手段によって決定された視差量を補正する第3の補正手段,
をさらに備えた請求項1から4のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項6】
上記第1の判定手段によって,中心間距離が記憶されていると判定された上記観賞者が上記立体画像表示装置の表示画面前方からいなくなったかどうかを判定する観賞者存否判定手段,および
上記観賞者存否判定手段によって,上記観賞者が上記立体表示装置の表示画面前方からいなくなったと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離のうち最短距離を用いて視差量を決定するか,上記立体画像表示装置の表示画面から上記いなくなった観賞者以外の他の観賞者までの距離の平均距離を用いて視差量を決定するかどうかを判定する第5の判定手段をさらに備え,
上記視差量決定手段は,
上記第5の判定手段によって最短距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの最短の距離と,上記最短の距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された中心間距離と,から,視差量を決定し,上記第5の判定手段によって平均距離を用いて視差量を決定すると判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記平均距離算出手段によって算出された上記他の観賞者までの平均距離と,所定の中心間距離と,から,視差量を決定するものである,
請求項2から5のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示装置の視差量決定装置。
【請求項7】
立体画像を表示する立体画像表示装置の視差量を決定する装置の動作制御方法において,
撮像手段が,立体画像の観賞者の虹彩を撮像し,虹彩画像を表す虹彩画像データを出力し,
観賞者決定手段が,上記撮像手段から出力される虹彩画像データにもとづいて,ユーザ情報と,虹彩認証情報と,左目の中心と右目の中心との中心間距離と,が対応付けられて記憶されている記憶装置の虹彩認証情報から,上記立体画像の観賞者を決定し,
測距手段が,上記立体画像表示装置の表示画面から上記観賞者までの距離を測定し,
中心間距離測定手段が,上記観賞者の上記中心間距離を測定し,
判定手段が,上記虹彩撮像手段から出力された虹彩画像データによって表される虹彩画像にもとづいて上記観賞者の上記中心間距離が記憶装置に記憶されているかどうかを判定し,
中心間距離読み出し手段が,上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていると判定されたことに応じて,上記記憶手段から,上記観賞者決定手段によって決定された観賞者の中心間距離を読み出し,
視差量決定手段が,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離と,上記中心間距離読み出し手段によって読み出された中心間距離と,から,視差量を決定する,あるいは上記第1の判定手段によって上記観賞者の上記中心間距離が上記記憶装置に記憶されていないと判定されたことに応じて,上記立体画像表示装置の表示画面サイズと,上記測距手段によって測定された上記観賞者までの距離のうちの最短距離と,上記最短距離にいる観賞者について上記中心間距離測定手段によって測定された上記中心間距離と,から,視差量を決定する,
立体画像表示装置の視差量決定装置の動作制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−193348(P2011−193348A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59338(P2010−59338)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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