説明

立体駐車装置

【課題】昇降ガイド機構に負担をかけることなく、車両の入出庫時におけるパレットの衝撃荷重を吸収することができる立体駐車装置を提供する。
【解決手段】立体駐車装置1では、車両Mの地上面Gに対応する位置に当接部材12が設けられており、車両Mの入出庫に伴いパレット7が揺動して後側に移動した際に、ピットPの内壁Wから離間した当接部材12と、この当接部材12の前側に位置するストッパ部材13とが当接する。このように、ストッパ部材13を当接させる対象を内壁Wではなく当接部材12とすることで、平面度が確保されていない内壁Wにストッパ部材13を当接させる場合に比べて、高い精度で当接部材12とストッパ部材13とを当接させることができる。従って、昇降ガイド機構に負担をかけることなく、車両Mの入出庫時におけるパレット7の衝撃荷重を吸収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下方向に配された複数段の駐車部間で昇降されるパレットを備えたピット昇降式の立体駐車装置では、その構成上、車両の入出庫時においてパレットが揺動し易い。特に、入庫時に車輪が車止めに当接する際の衝撃は大きく、この衝撃によるパレットの揺動によって立体駐車装置において昇降を検出するセンサに異常が発生したり、昇降ガイド機構に不具合が生じることが考えられる。そこで、パレットの揺動を防止する揺動防止装置を備えた立体駐車装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、パレットの後端部に例えば金属で形成されたストッパを設け、パレットが揺動した際に、ストッパを壁に当接させることで昇降ガイド機構への衝撃荷重の伝達を防止する立体駐車装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−302443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、立体駐車装置が設けられるピット内において、地下段のパレットの通常の昇降時には、ストッパと壁とが接触しない程度のクリアランスを必要とする。しかしながら、ピットを形成する壁の平面度を確保することは難しく、その精度が例えば±5cm程度となっているため、昇降時にストッパが壁に接触しない程度の一定のクリアランスを確保しようとすると、壁の平面度によってはストッパが有効に機能しないといった問題が生じることがある。このような場合、ストッパが伝達すべき衝撃荷重がパレット昇降ガイド機構に伝達され、この昇降ガイド機構において衝撃荷重を吸収してしまう。従って、上記従来のストッパを有する立体駐車装置にあっては、パレットが受ける衝撃荷重を吸収するための構成が十分に考えられていなかった。
【0006】
本発明は、上記課題解決のためになされたものであり、昇降ガイド機構に負担をかけることなく、車両の入出庫時におけるパレットの衝撃荷重を吸収することができる立体駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題解決のため、本発明に係る立体駐車装置は、車両の地上面から所定の深さで形成されたピット内に、上下方向に配された複数段のパレットからなるパレット昇降体を備えた立体駐車装置であって、地上面に対応する位置において、パレットの後端側に面するピットの内壁から離間して配置される当接部材と、パレットが地上面に昇降したときに、当接部材の前面側に位置するように各段パレットの後端部に固定されたストッパ部材と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この立体駐車装置は、車両の地上面に対応する位置に当接部材が設けられており、車両の入出庫に伴いパレットが揺動して後側に移動した際に、ピットの内壁から離間した当接部材と、この当接部材の前側に位置するストッパ部材とが当接する。このように、ストッパ部材を当接させる対象を壁ではなく当接部材とすることで、平面度が確保されていない壁にストッパを当接させる場合に比べて、高い精度で当接部材とストッパとを当接させることができる。これにより、車両の入出庫時にパレットに加えられた衝撃加重が確実にストッパから当接部材に伝達されるため、昇降ガイド機構において衝撃荷重が吸収されることを防止できる。従って、昇降ガイド機構に負担をかけることなく、車両の入出庫時におけるパレットの衝撃荷重を吸収することができる。
【0009】
また、パレットにおける後端部の角部には、切欠部が形成されており、当接部材とストッパ部材とは、パレットの昇降方向から見て切欠部で画成される領域内で互いに対向していることが好ましい。このような構成により、当接部材とストッパとがパレットの後端部よりもパレットの内側に入り込んだ位置で当接することになるので、パレットと内壁との間のクリアランスを小さくすることができる。
【0010】
また、ストッパ部材は、パレットの後端部から内壁側に突出するように各段パレットの後端部に固定されており、各段パレットの後端部には、各段パレットの後端部と内壁との隙間を塞ぐためのカバーが設けられていることが好ましい。このような構成により、当接部材とストッパ部材とを確実に当接させることができる。また、カバーによってパレットと内壁との間のクリアランスを小さくすることができる。
【0011】
また、パレットには車止めが固定されており、ストッパ部材の固定箇所は、パレットの前後方向において車止めの固定位置と同一線上に位置していることが好ましい。このような構成により、車両の車輪が車止めに当接した際の衝撃荷重を効率的にストッパに伝達することができる。これにより、車両の入出庫時におけるパレットの衝撃荷重をより確実に吸収することが可能となる。
【0012】
また、ピットの内壁からパレットの前後方向に突出する固定部材を更に備え、当接部材は、パレットの前後方向に対する位置調整が可能となるように、固定部材に着脱自在に取り付けられていることが好ましい。このような構成により、当接部材とストッパ部材との間のクリアランスを調整することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、昇降ガイド機構に負担をかけることなく、車両の入出庫時におけるパレットの衝撃荷重を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体駐車装置の概要を示す図である。
【図2】立体駐車装置における衝撃吸収構造を上方から見た図である。
【図3】立体駐車装置における衝撃吸収構造を前方から見た図である。
【図4】従来の立体駐車装置における衝撃吸収構造を示す図である。
【図5】変形例に係る当接部材を示す斜視図である。
【図6】変形例に係るストッパ部材を示す側面図である。
【図7】別の変形例に係るストッパ部材を示す側面図である。
【図8】別の変形例に係る当接部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る立体駐車装置の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る立体駐車装置の概要を示す図である。同図に示すように、立体駐車装置1は、車両Mが出入りする地上面Gから所定の深さで形成されたピットP内に設けられている。この立体駐車装置1は、枠体2、パレット昇降体3、昇降駆動機構(不図示)などを備えて構成されている。なお、以下の説明においては、車両Mの入出庫側を前側として説明する。
【0017】
枠体2は、パレット昇降体3の左右に立設された前部支柱4及び後部支柱5と、前部支柱4の頂部と後部支柱5の頂部との間に架設された前後梁6とによって構成されている。前部支柱4及び後部支柱5で囲まれた直方体状の空間は、単位駐車装置の空間を形成しており、当該空間にパレット昇降体3が配置されている。
【0018】
パレット昇降体3は、上段パレット7、中段パレット8、及び下段パレット9を有しており、車両を格納するための駐車部が枠体2の上下方向に3段に配されている。すなわち、パレット昇降体3の全体がピットP内に収納された状態で、上段パレット7の上方空間が上段の駐車部となり、中段パレット8の上方空間が中段の駐車部となり、下段パレット9の上方空間が下段の駐車部となっている。これらの上段パレット7、中段パレット8、及び下段パレット9は、パレット支柱10により一体的に結合されている。パレット昇降体3は、昇降駆動機構によって上下変位可能となっており、複数段の駐車部間で昇降される。
【0019】
パレット昇降体3の昇降駆動機構は公知のものであり、詳細な説明を省略するが、例えば以下の通りである。パレット昇降体3は、下段パレット9の下面において幅方向に掛け渡された前後2本のローラーチェーンで昇降可能に支持され、パレット昇降体3に対して片側の後部支柱5の上部近傍に配設された駆動モータ部の昇降運動によってチェーンスプロケット機構を作動させることにより、ピットP内を昇降するようになっている。
【0020】
また、図2及び図3に示すように、立体駐車装置1は、衝撃吸収構造11を備えている。図2は、立体駐車装置1における衝撃吸収構造11を上方から見た図であり、図3は、立体駐車装置1における衝撃吸収構造11を前方から見た図である。衝撃吸収構造11は、車両Mの入出庫時において、各パレット7〜9が受ける衝撃荷重を吸収するように構成されたものである。
【0021】
衝撃吸収構造11は、当接部材12と、各パレット7〜9に設けられるストッパ部材13とによって構成されている。なお、図2及び図3では、上段パレット7を示しているが、他段のパレット8,9についても同様の構成を有している。
【0022】
当接部材12は、板状の固定部12aと、板状の突出部12bとを有する断面L字状の部材である。当接部材12は、例えば鋼材からなる。この当接部材12は、車両Mの地上面Gに対応する位置、すなわち上段パレット7が地上面Gに位置したときの高さ位置においてピットPの後端側に配置されている。
【0023】
具体的には、当接部材12は、固定部材14に固定されている。この固定部材14は、当接部材12を支持固定する部材であり、パレット昇降体3を挟むように配設される道板Rの後端部の下方に設けられている。固定部材14は、上段パレット7の後端側に面するピットPの内壁Wに固定されると共に、内壁Wから上段パレット7の前後方向前側に向かって突出する突出部14aを有している。この突出部14aには、上段パレット7の前後方向に沿ってボルト締結用の孔(不図示)が複数設けられている。
【0024】
当接部材12は、突出部12bが内壁Wから離間し、かつ上段パレット7側に突出するように、固定部材14の突出部14aに固定されている。突出部14aと固定部12aとの固定は、突出部14aのボルト締結用の孔にボルトを螺入することによるボルト締結によりなされている。このボルトを螺入させる孔を選択することにより、当接部材12は、前後方向の位置が調整可能とされている。
【0025】
ストッパ部材13は、長方形状の頂部13aと、この頂部13aに略平行な底部13bと、頂部13aと底部13bとを連結するウェブ部13cとを有する断面コ字状の部材である。ストッパ部材13は、例えば鋼材からなる。このストッパ部材13の一端には、ウェブ部13cよりも長さ寸法の大きい板状の当接板13dが端面を塞ぐように設けられている。この当接板13dは、当接部材12の突出部12bと当接する部材である。このような構成を有するストッパ部材13は、図2に示すように、上段パレット7の後端部7dの角部に形成された切欠部15に設けられている。
【0026】
ここで、上段パレット7は、図2及び3に示すように、車両Mが載置される載置部7aと、この載置部7aの幅方向の両側部から起立するサイドメンバ7bと、このサイドメンバ7bから外側に突出するフランジ部7cとを含んで構成されている。従って、上述した切欠部15は、上段パレット7のフランジ部7cに形成されている。
【0027】
ストッパ部材13は、図2に示すように、上段パレット7の昇降方向から見て切欠部15で画成される領域内において当接板13dが内壁Wと対向するように、ウェブ部13cをサイドメンバ7bに沿わせた状態で、サイドメンバ7bに2本のボルトによって締結されている。また、サイドメンバ7bには、ストッパ部材13よりも前側に、車両Mの車輪に当接する車止め16が2本のボルトによって締結されている。従って、ストッパ部材13と車止め16との固定箇所は、同一線上に位置している。
【0028】
以上のような構成を有する当接部材12及びストッパ部材13は、図2に示すように、上段パレット7が地上面Gに位置した際、切欠部15で画成される領域内において、ストッパ部材13が前側となるように互いに対向している。つまり、当接部材12の突出部12bは、切欠部15の幅寸法よりも短くなっている。そして、突出部12bとストッパ部材13との間のクリアランスは、突出部12bの板厚程度となっており、上段パレット7の後端部7dと内壁Wとの間のクリアランスよりも小さくなっている。
【0029】
次に、立体駐車装置1における衝撃吸収構造11の作用効果について説明する。
【0030】
図4は、従来の立体駐車装置における衝撃吸収構造を示す図である。図4に示すように、従来の立体駐車装置20では、ストッパ21がパレット22の後端部22aに設けられており、車両の入出庫時にパレット22が揺動した際、ストッパ21と内壁Wとを当接させることによりパレット22が受ける衝撃荷重を内壁Wに伝達する構成となっている。このような構成の場合、パレット22の昇降時に、内壁Wとストッパ21とが接触しない程度の一定のクリアランスを必要とする。
【0031】
しかしながら、内壁Wの平面度が確保されていない場合には、ストッパ21と内壁Wとが接触しないための一定のクリアランスを確保すると、パレット22の揺動時にストッパ21と内壁Wとが当接せず、ストッパ21が有効に機能しないといった問題が生じるおそれがある。これにより、パレット22が受けた衝撃荷重は、昇降ガイド機構等に伝達されて吸収されることになる。その結果、昇降ガイド機構等に不具合が生じることが考えられるため、昇降ガイド機構を強化する必要性がある。
【0032】
これに対し、本実施形態に係る立体駐車装置1では、図2及び図3に示すように、車両Mの地上面Gに対応する位置に当接部材12が設けられており、車両Mの入出庫に伴い上段パレット7が揺動して後側に移動した際に、ピットPの内壁Wから離間した当接部材12の突出部12bと、この当接部材12の前側に位置するストッパ部材13とが当接する。このように、ストッパ部材13を当接させる対象を内壁Wではなく当接部材12とすることで、平面度が確保されていない内壁Wにストッパ部材13を当接させる場合に比べて、高い精度で当接部材12とストッパ部材13とを当接させることができる。
【0033】
これにより、車両Mの入出庫時に上段パレット7に加えられた衝撃加重が確実にストッパ部材13から当接部材12に伝達されるため、昇降ガイド機構に衝撃荷重が負荷され、この衝撃荷重が昇降ガイド機構おいて吸収されることを防止できる。従って、昇降ガイド機構に負担をかけることなく、車両Mの入出庫時における各パレット7〜9の衝撃荷重を吸収することができる
【0034】
また、上段パレット7の後端部7dのフランジ部7cには、切欠部15が形成されており、当接部材12とストッパ部材13とは、上段パレット7の昇降方向から見て切欠部15で画成される領域内で互いに対向しているので、当接部材12とストッパ部材13とが上段パレット7の後端部7dよりも上段パレット7の内側に入り込んだ位置で当接することになる。他段のパレット8,9も同様の構成を有している。これにより、パレット7に切欠部15を設けずに当接部材12を配置した場合に比べて、各パレット7〜9と内壁Wとの間のクリアランスを小さくすることができるので、例えば足がパレット7と内壁Wとの間に嵌まることを防止でき、安全性の向上を図ることができる。また、立体駐車装置1の駐車室空間を阻害せずに衝撃吸収構造11を設けることができる。
【0035】
また、ストッパ部材13の固定箇所は、各パレット7〜9の前後方向において車止め16の固定箇所と同一線上に位置しているので、車両Mの車輪が車止め16に当接した際の衝撃荷重を効率的にストッパ部材13に伝達することができる。これにより、車両Mの入出庫時における各パレット7〜9の衝撃荷重をより確実に吸収することが可能となる。
【0036】
更に、ピットPの内壁Wから各パレット7〜9の前後方向に突出する突出部14aを有する固定部材14を備え、当接部材12が各パレット7〜9の前後方向に対する位置調整が可能となるように、固定部材14の突出部14aに着脱可能に取り付けられているので、当接部材12とストッパ部材13との間のクリアランスを調整することができる。
【0037】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、図2及び図3に示すように、衝撃吸収構造11を立体駐車装置1の一方側に設けたが、他方側に同様の構成が設けられてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、ストッパ部材13が上段パレット7の昇降方向から見て切欠部15で画成される領域内において当接板13dが内壁Wと対向するようにサイドメンバ7bに固定されているが、例えば図5に示すように取り付けられてもよい。図5に示すように、内壁Wとパレット7Aの後端部7eとの間のクリアランスは、上述のパレット7の後端部7dと内壁Wとの間のクリアランスよりも小さくなっている。つまり、パレット7Aは、上述のパレット7よりも前後方向の長さ寸法が短縮されている。そして、ストッパ部材13は、パレット7Aの後端部7eから内壁W側に突出するように取り付けられている。また、パレット7Aの後端部7eと内壁Wとの間には、隙間を塞ぐための板状のカバーCが取り付けられている。このカバーCは、パレット7Aの後端部7eに沿って、ストッパ部材13に干渉しないようにカバーが取り付けられている。カバーCの前後方向の長さ寸法は、当接部材12とストッパ部材13との当接時において、内壁Wと接触しない程度に設定されている。
【0039】
以上のような構成を採用した場合であっても、ストッパ部材13を当接させる対象を内壁Wではなく当接部材12とすることで、平面度が確保されていない内壁Wにストッパ部材13を当接させる場合に比べて、高い精度で確実に当接部材12とストッパ部材13とを当接させることができる。また、カバーCを取り付けてパレット7Aの後端部7eと内壁Wとの間の隙間を塞ぎクリアランスを小さくすることで、例えば足がパレット7Aと内壁Wとの間に嵌まることを防止できる。
【0040】
また、上記実施形態では、当接部材12を固定部材14の突出部14aに着脱可能に取り付けられているが、当接部材12は、前端基準で設置される前後梁6(図1参照)と一体に形成されてもよい。この場合であっても、内壁Wに固定され、前後梁6を固定支持する梁固定部材(不図示)と前後梁6との前後方向の取り付け位置を変えることで、当接部材12とストッパ部材13との間のクリアランスを調整することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、当接部材12の突出部12bを板状としたが、例えば図6に示すような形状であってもよい。図6に示すように、当接部材12Aでは、突出部12cが断面台形状を成している。このような構成を採用した場合には、例えば各パレット7〜9の昇降時に当接部材12Aに各パレット7〜9が当接した場合であっても、当接部材12Aの突出部12cに各パレット7〜9が引っ掛かることなく昇降を継続することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、ストッパ部材13において、当接部材12と当接する部材を板状の当接板13dとしたが、例えば図7に示すような形状であってもよい。図7に示すように、ストッパ部材13Aは、当接部材12との当接部分が円柱状の当接棒13fとなっている。このような構成を採用した場合には、例えば各パレット7〜9の昇降時に当接部材12にストッパ部材13Aが当接した場合であっても、当接部材12にストッパ部材13Aの当接棒13fが引っ掛かることなく昇降を継続することができる。
【0043】
また、図7に示す当接棒13fに代えて、パレット7〜9の前後方向に回転可能とされた車輪が取り付けられてもよい。このような構成を採用した場合には、例えば各パレット7〜9の昇降時に当接部材12にストッパ部材が当接した場合であっても、当接部材12にストッパ部材の車輪が引っ掛かることなく昇降を継続することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、当接部材12が固定部材14の突出部14aに着脱可能に取り付けられているが、例えば図8に示すように取り付けられてもよい。図8に示すように、当接部材12Bの突出部12dは、複数(図8では3枚)のスペーサーSを介して内壁Wに例えばアンカーボルトによって固定されている。この突出部12dは、断面台形状を成している。また、スペーサーSは、クッション性のあるものであればよく、例えばゴムである。このスペーサーSの厚さ(枚数)を変えることで、当接部材12Bは、前後方向の位置が調整可能となっている。このような構成を採用した場合、パレット7が受けた衝撃荷重を直接内壁Wに伝達することができる。また、スペーサーSに例えばゴムを用いることで、防音・防振対策を図ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1…立体駐車装置、3…パレット昇降体、7〜9,7A…パレット、7d,7e…後端部、12…当接部材、12a…突設部、13…ストッパ部材、14…固定部材、15…切欠部、16…車止め、C…カバー、G…地上面、M…車両、P…ピット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の地上面から所定の深さで形成されたピット内に、上下方向に配された複数段のパレットからなるパレット昇降体を備えた立体駐車装置であって、
前記地上面に対応する位置において、前記パレットの後端側に面する前記ピットの内壁から離間して配置される当接部材と、
前記パレットが前記地上面に昇降したときに、前記当接部材の前面側に位置するように各段パレットの後端部に固定されたストッパ部材と、
を備えたことを特徴とする立体駐車装置。
【請求項2】
前記パレットにおける後端部の角部には、切欠部が形成されており、
前記当接部材と前記ストッパ部材とは、前記パレットの昇降方向から見て前記切欠部で画成される領域内で互いに対向していることを特徴とする請求項1記載の立体駐車装置。
【請求項3】
前記ストッパ部材は、前記パレットの後端部から前記内壁側に突出するように前記各段パレットの後端部に固定されており、
前記各段パレットの後端部には、当該各段パレットの後端部と前記内壁との隙間を塞ぐためのカバーが設けられていることを特徴とする請求項1記載の立体駐車装置。
【請求項4】
前記パレットには車止めが固定されており、
前記ストッパ部材の固定箇所は、前記パレットの前後方向において前記車止めの固定位置と同一線上に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の立体駐車装置。
【請求項5】
前記ピットの内壁から前記パレットの前後方向に突出する固定部材を更に備え、
前記当接部材は、前記パレットの前後方向に対する位置調整が可能となるように、前記固定部材に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の立体駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−236198(P2010−236198A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82868(P2009−82868)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)