説明

立坑構築方法

【課題】杭材を掘削坑の建て込み位置に略直立させた姿勢で設置することができ、杭材の間にシールド機が通過可能な一定形状の領域を作ることができる立坑構築方法を提供する。
【解決手段】この立坑構築方法は、第1鋼線14を部材間部分33を緊張させた状態で、掘削坑41に第1および第2杭材11,12を建て込む杭材建て込み工程と、第2鋼線15を地上において支持しつつ第1鋼線14を第2支持部材17から切り離し、第1鋼線14を掘削坑41から引き抜くとともに第1杭材11を縦方向上方へ引き上げて第1杭材11と第2杭材12との端部19,20を縦方向へ所定寸法離間させる第1杭材引き上げ工程と、ソイルモルタル42を養生させた後、第2鋼線15を第3支持部材18から切り離して第2鋼線15を掘削坑41から引き抜く第2鋼線引き抜き工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を掘削して縦方向へ延びる掘削坑を形成し、掘削坑に養生充填材を充填するとともに杭材を建て込んで立坑を構築する立坑構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤を掘削して縦方向へ延びる掘削坑を形成し、掘削坑にソイルモルタルを充填し、下部杭材を掘削坑の下方に建て込んだ後、上部杭材を掘削坑の上方に建て込んで立坑を構築する立坑構築方法がある(特許文献1参照)。この立坑構築方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。下部杭材の頂部を支持部材で支持し、支持部材とともに下部杭材を掘削坑の下方へ向かって建て込む。下部杭材を掘削坑に建て込んだ後、支持部材を下部杭材から外し、支持部材を掘削坑から引き抜く。次に、上部杭材を掘削坑に建て込み、下部杭材の頂部と上部杭材の底部とを縦方向へ所定寸法離間させた状態で、上部杭材の頂部を地上において固定し、下部杭材の頂部と上部杭材の底部との離間状態を維持する。ソイルモルタルを所定期間養生固結させた後、上部杭材の頂部の固定を解除する。この立坑構築方法は、下部杭材の頂部と上部杭材の底部との間に杭材が存在しないソイルモルタルのみの領域を作ることができ、下部杭材と上部杭材との間にシールド機がそのまま通過可能な領域を形成することができる。
【特許文献1】特開平5−187184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に開示の立坑構築方法は、掘削坑の下方に建て込まれた下部杭材を建て込み位置において保持固定する手段がなく、掘削坑に充填されたソイルモルタルが養生するまでの間に下部杭材がモルタル中を徐々に沈降するから、下部杭材を掘削坑の建て込み位置に設置することができないばかりか、下部杭材の頂部と上部杭材の底部との離間寸法が一定せず、シールド機が通過可能な一定形状の領域を作ることができない場合がある。また、この立坑構築方法は、下部杭材の姿勢を安定させることができず、掘削坑に充填されたソイルモルタルが養生するまでの間に下部杭材が掘削坑において不用意にずれ動き、掘削坑に下部芯材を直立させた状態で設置することができない場合がある。この立坑構築方法は、上部杭材とその下方に連なる下部杭材との位置決めが難しく、上部杭材の直下に下部杭材を位置させることができない場合がある。
【0004】
本発明の目的は、杭材を掘削坑の建て込み位置に略直立させた姿勢で設置することができ、杭材の間にシールド機が通過可能な一定形状の領域を作ることができる立坑構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の前提は、地盤を掘削して縦方向へ延びる掘削坑を形成し、掘削坑に養生充填材を充填するとともに縦方向に杭材を建て込んで立坑を構築する立坑構築方法である。
【0006】
前記前提における本発明の特徴は、杭材が、互いに当接する対向端部を有して軸方向へ並ぶ第1杭材および第2杭材と、軸方向へ延びていて第1杭材の非対向端部からそれら杭材の対向端部を越えて第2杭材の所定の位置に達する第1鋼線と、軸方向へ延びていて第1杭材の非対向端部からそれら杭材の対向端部を越えて第2杭材の所定の位置に達する第2鋼線と、第1杭材に取り付けられて第1鋼線を摺動可能に支持する第1支持部材と、第2杭材に取り付けられて第1鋼線を支持可能かつ第1鋼線を切り離し可能な第2支持部材と、第2杭材に取り付けられて第2鋼線を支持可能かつ第2鋼線を切り離し可能な第3支持部材とから形成され、第1鋼線を第1支持部材と第2支持部材との間において緊張させた状態で、掘削坑に第1および第2杭材を建て込む杭材建て込み工程と、第2鋼線を地上において支持しつつ第1鋼線を第2支持部材から切り離し、第1鋼線を掘削坑から引き抜くとともに第1杭材を縦方向上方へ引き上げて第1杭材と第2杭材との対向端部を縦方向へ所定寸法離間させる第1杭材引き上げ工程と、充填材を養生させた後、第2鋼線を第3支持部材から切り離して第2鋼線を掘削坑から引き抜く第2鋼線引き抜き工程とを有することにある。
【0007】
本発明の一例としては、第1および第2杭材が、互いに並行離間して軸方向へ延びる第1および第2対向壁と、それら対向壁の間に位置して軸方向へ延びる連結壁とを有するH形綱であり、第1対向壁と連結壁との交点に形成された第1角部および第2角部と、第2対向壁と連結壁との交点に形成されて第1角部に対向する第3角部および第2角部に対向する第4角部とを備え、第1鋼線が第1角部と第4角部とに配置され、第2鋼線が第2角部と第3角部とに配置されている。
【0008】
本発明の他の一例としては、第1杭材が互いに当接する対向端部を有して軸方向へ並ぶ主杭材と仮設杭材とから形成され、第1杭材引き上げ工程では、仮設杭材の長さ寸法が第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法に一致するように、仮設杭材を地上に引き上げた後、主杭材から仮設杭材を取り外す。
【0009】
本発明の他の一例としては、杭材が第1杭材と第2杭材との対向端部に跨って軸方向へ延びる支持板を含み、支持板は、第1杭材と第2杭材とのいずれか一方に取り付けられてそれら杭材をその軸方向から支持している。
【0010】
本発明の他の一例として、第2支持部材と第3支持部材とには、高周波誘導加熱コイルが設置され、高周波誘導加熱コイルが、第1および第2鋼線に渦電流を発生させてそれら鋼線自体を発熱破断させることで、それら鋼線を第2および第3支持部材から切り離す。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる立坑構築方法によれば、充填材が養生するまでの間、掘削坑の下方に位置する第2杭材が第2鋼線によって支持されるから、第2杭材が充填材中を沈降することはなく、第2杭材を掘削坑の建て込み位置に確実に設置することができる。また、第1杭材の対向端部と第2杭材の対向端部との離間寸法を一定に保持することができ、第1杭材と第2杭材との間にシールド機が通過可能な一定形状の領域を作ることができる。この立坑構築方法は、第2杭材が第2鋼線によって支持されるから、第2杭材の姿勢を安定させることができ、第2杭材が掘削坑において不用意にずれ動くことはなく、第2杭材を掘削坑の建て込み位置に略直立させた姿勢で設置することができる。この立坑構築方法は、第1杭材とそれの下方の連なる第2杭材との位置決めが容易であり、第1杭材の直下に第2杭材を確実に位置させることができる。
【0012】
第1および第2杭材がH形綱であり、第1鋼線がH形綱の第1角部と第4角部とに配置され、第2鋼線がH形綱の第2角部と第3角部とに配置された立坑構築方法は、一対の第1鋼線がH形綱の対角線に位置するとともに、一対の第2鋼線がH形綱の対角線に位置するから、第1鋼線や第2鋼線を掘削坑から引き抜くときの力が第1杭材や第2杭材に偏って作用することはなく、掘削坑に建て込まれた第1および第2杭材の鋼線引き抜き時におけるずれ動きを防ぐことができる。この立坑構築方法は、第1および第2杭材を掘削坑の建て込み位置に略直立させた姿勢で確実に設置することができ、第1杭材の直下に第2杭材を確実に位置させることができる。
【0013】
第1杭材が主杭材と仮設杭材とから形成され、仮設杭材の長さ寸法が第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法に一致するように、仮設杭材を地上に引き上げた後、主杭材から仮設杭材を取り外す立坑構築方法は、仮設杭材を地上に引き上げることで第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法が決まり、第1杭材の引き上げ高さを調節しつつ第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法を調節する必要はなく、仮設杭材を利用することで第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法を正確に調節することができる。この立坑構築方法は、仮設杭材の長さ寸法を変えることで、第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法を容易に変えることができ、第1杭材と第2杭材との間に杭材が存在しない一定形状の領域を確実に作ることができる。
【0014】
支持板が第1および第2杭材のいずれか一方に取り付けられてそれら杭材をその軸方向から支持する立坑構築方法は、第1および第2杭材の連結や姿勢が支持板によって保持されるから、それら杭材を掘削坑に建て込むときにそれら杭材の連結が不用意に解除されてしまうことはなく、それら杭材を掘削坑の建て込み位置に略直立させた姿勢で確実に設置することができる。
【0015】
高周波誘導加熱コイルが第1および第2鋼線に渦電流を発生させてそれら鋼線自体を発熱破断させる立坑構築方法は、渦電流によって第1および第2鋼線自体が発熱するから、外部熱源からそれら鋼線に熱を加える場合と比較し、それら鋼線を確実に破断させることができ、それら鋼線の第2および第3支持部材からの切り離し不能を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付の図面を参照し、本発明に係る立坑構築方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、杭材10Aの一例を示す図であり、図2は、図1のA−A線端面図である。図3は、図1のB−B線端面図であり、図4は、図1のC−C線端面図である。図5は、第2および第3支持部材17,18の一例を示す図である。図1では、軸方向を矢印L1で示す。この立坑構築方法は、掘削機を利用して地盤38を掘削し、地表39から地中40に向かって縦方向へ延びる掘削坑41を形成するとともに、その掘削坑41にソイルモルタル42(養生充填材)を充填し、掘削坑41に杭材10Aを建て込んで立坑仮壁43を構築する(図6参照)。立坑構築方法に使用する杭材10Aは、第1杭材11および第2杭材12と、それら杭材11,12を支持する一対の支持板13と、第1鋼線14および第2鋼線15と、それら鋼線14,15を支持する第1〜第3支持部材16,17,18とから形成されている。
【0017】
第1杭材11と第2杭材12とは、それらの一方の端部19,20(対向端部)どうしが互いに当接した状態で軸方向へ直状に並んでいる。それら杭材11,12は、軸方向へ長いH形綱であり、互いに並行離間して軸方向へ延びる第1および第2対向壁21,22と、それら対向壁21,22の間に位置して軸方向へ延びる連結壁23とを有する。それら杭材11,12は、第1対向壁21と連結壁23との交差箇所(交点)に形成された略直角の第1角部24と、第1対向壁21と連結壁23との交差箇所(交点)に形成されて第1角部24の反対側に位置する略直角の第2角部25と、第2対向壁22と連結壁23との交差箇所(交点)に形成されて第1角部24に対向する略直角の第3角部26と、第2対向壁22と連結壁23との交差箇所(交点)に形成されて第2角部25に対向する略直角の第4角部27とを有する。
【0018】
それら支持板13には、軸方向へ長い矩形の綱板が使用されている。支持板13は、第1および第2杭材11,12の端部19,20に跨って軸方向へ延びている。支持板13は、それら杭材11,12の端部19,20において対向壁21,22に当接し、第1杭材11の対向壁21,22に固定手段(図示せず)を介して固定されている。支持板13は、それら杭材11,12をその軸方向から支持し、それら杭材11,12のずれ動きを防いでそれら杭材11,12どうしの連結を維持する。なお、支持板13は、第1杭材11に固定されずに、第2杭材12の対向壁21,22に固定されていてもよい。
【0019】
第1鋼線14および第2鋼線15には、PC綱撚線が使用されている。第1鋼線14は、第1および第2杭材11,12の第1角部24と第4角部27とに配置され、それら杭材11,12に沿って軸方向へ延びている。第1鋼線14は、一対のそれらがH形綱の対角線に位置している。第1鋼線14は、第1杭材11の他方の端部28(非対向端部)からそれら杭材11,12の端部19,20を越えて第2杭材12の端部20の内側(杭材12の中央部)に達している。第1鋼線14は、第1杭材11の端部28の側に位置する端部分29が杭材11の端部28から軸方向外方に延出している。第2鋼線15は、第1および第2杭材11,12の第2角部25と第3角部26とに配置され、それら杭材11,12に沿って軸方向へ延びている。第2鋼線15は、一対のそれらがH形綱の対角線に位置している。第2鋼線15は、第1杭材11の他方の端部28(非対向端部)からそれら杭材11,12の端部19,20を越えて第2杭材12の端部20の内側(杭材12の中央部)に達している。第2鋼線15は、第1杭材11の端部28の側に位置する端部分30が杭材11の端部28から軸方向外方に延出している。
【0020】
第1支持部材16は、第1杭材11の端部19の内側に配置され、杭材11の連結壁23における第1角部24と第4角部27とに固定手段(図示せず)を介して固定されている(図3参照)。第1支持部材16は、第1鋼線14をその周方向から圧着し、鋼線14を支持している。ただし、鋼線14は支持部材16において摺動可能かつ支持部材16から抜脱可能である。ゆえに、第1鋼線14の端部29を軸方向外方へ強く引っ張ると、鋼線14が第1支持部材16を摺動し、鋼線14が支持部材16から徐々に引き抜かれる。第2支持部材17は、第2杭材12の端部20の内側(杭材12の中央部)に配置され、杭材12の連結壁23における第1角部24と第4角部27とに固定手段(図示せず)を介して固定されている(図2参照)。第2支持部材17は、第1鋼線14を固定支持する固定部31と、鋼線14を支持部材17から切り離す高周波誘導加熱コイル32とから形成されている。固定部31では、第1鋼線14が抜脱不能に支持されている。第1鋼線14の第1支持部材16と第2支持部材17との間の部材間部分33は、軸方向外方へ引っ張られた状態でそれら支持部材16,17に支持されている。ゆえに、部材間部分33が緊張した状態にあり、第1および第2杭材11,12どうしの連結が鋼線14によって維持されている。
【0021】
第3支持部材18は、第2杭材12の端部20の内側(杭材12の中央部)に配置され、杭材12の連結壁23における第2角部25と第3角部26とに固定手段(図示せず)を介して固定されている(図2参照)。第3支持部材18は、第2鋼線15を固定支持する固定部34と、鋼線15を支持部材18から切り離す高周波誘導加熱コイル35とから形成されている。固定部34では、第2鋼線15が抜脱不能に支持されている。第2および第3支持部材17,18の高周波誘導加熱コイル32,35には、配線57を介して高周波発生装置(図示せず)が接続されている。高周波誘導加熱コイル32,35に高周波発生装置から高周波電圧を印加すると、コイル32,35に高周波電流が流れ、高周波電流と鎖交する方向へ磁束が発生する。発生した磁束が第1および第2鋼線14,15に作用すると、それら鋼線14,15に渦電流が発生し、それによってそれら鋼線14,15自体が発熱(ジュール熱)する。発熱した部位36,37では、鋼線14,15の強度が著しく低下する。鋼線14,15に張力をかけた状態で、それら鋼線14,15の部位36,37が高温に発熱すると、部位36,37に作用する張力によって鋼線14,15が部位36,37おいて破断し、第2および第3支持部材17,18から切り離される。
【0022】
図6は、杭材10Aを掘削坑41に建て込む杭材建て込み工程の説明図であり、図7は、第1杭材11を引き上げる第1引き上げ工程の説明図である。図8は、図7のD−D線端面図である。図6では、縦方向を矢印L2で示す。杭材10Aを掘削坑38に建て込む前の準備として、掘削機(図示せず)を使用して地盤38を掘削し、縦方向へ延びる掘削坑41を作り、その掘削坑41にソイルモルタル42(養生充填材)を充填する。あわせて、図1の杭材10Aを用意する。それらの準備が完了した後、杭材10Aを掘削坑41に建て込む(杭材建て込み工程)。クレーン44の玉掛け45で杭材10Aの端部(第1杭材11の端部28)を支持し、クレーン44によって杭材10Aを垂直に立てて空中に吊り上げ、杭材10Aを掘削坑41の上部に移動させる。
【0023】
クレーン44に保持された杭材10Aでは、第1杭材11が上方に位置し、杭材11の下方に第2杭材12が位置する。杭材10Aを掘削坑41の上部に位置させた後、クレーン44によって杭材10Aをその端部(第2杭材12の端部46)から掘削坑41に徐々に建て込み、図6に示すように、杭材10Aの端部(第1杭材11の端部28)を地上に露出させた状態で杭材10Aの大部分を掘削坑41(ソイルモルタル42)に埋設させる。杭材建て込み工程では、第1鋼線14の第1および第2支持部材16,17の間に延びる部材間部分33が緊張状態にあり、さらに、支持板13が第1および第2杭材11,12の端部19,20を支持しているから、それら杭材11,12どうしの不用意なずれ動きがなく、それら杭材11,12の連結が維持される。
【0024】
杭材建て込み工程が終了すると、次に、第1杭材11を縦方向上方へ所定高さまで引き上げる(第1杭材引き上げ工程)。第1杭材引き上げ工程では、第2鋼線15の地上に露出した端部分30を地上において固定手段47を介して固定した状態で、第2支持部材17の高周波誘導加熱コイル32に高周波発生装置から高周波電圧を印加する。コイル32に高周波電圧を印加すると、コイル32に発生した磁束により、第1鋼線14の部材間部分33のうちのコイル32に対向する部位36に渦電流が発生し、部位36が発熱して高温になる。第1鋼線14では、緊張状態にある部材間部分33のうちのコイル32に対向する部位36が高温に発熱するとともに、部位36に作用する張力によって部位36が破断し、第1鋼線14が第2支持部材17から切り離される。第1鋼線14が切り離されると、鋼線14の部材間部分33が第2支持部材17から外れ、部分33の緊張状態が解除されるとともに、鋼線14による第1および第2杭材11,12の連結が解除される。なお、杭材建て込み工程や第1杭材引き上げ工程においてソイルモルタル42は固結していないが、第2杭材12が第2鋼線15によって吊り下げられるから、杭材12の掘削坑41における沈降が防止される。
【0025】
第1鋼線14を第2支持部材17から切り離した後、クレーン44の玉掛け45で第1杭材11の端部28を支持し、第1杭材11を縦方向上方に引き上げる。第1杭材11を引き上げると、杭材11の端部19が第2杭材12の端部20から縦方向上方へ離間し、第1杭材11と第2杭材12との間にそれら杭材11,12が存在しないソイルモルタル42のみの領域48が形成される。領域48の縦方向の寸法L3は、第1杭材11の引き上げ高さによって調節する。第1杭材11は、クレーン44によって吊り下げられ、第1杭材11と第2杭材12との離間状態(領域48の寸法L3)が維持される。杭材11を引き上げた後は、他のクレーン(図示せず)の玉掛けで第1鋼線14の端部分29を支持して鋼線14を縦方向上方へ引っ張る。第1鋼線14は、第1支持部材16を摺動しつつ部材16から徐々に引き抜かれて部材16から離脱し、さらに、掘削坑41から地上に引き抜かれる。なお、それら鋼線14は、掘削坑41から同時に引き抜かれる。
【0026】
図9は、第2鋼線15を引き抜く第2鋼線引き抜き工程の説明図であり、図10は、立坑仮壁43の完成図である。図11は、図10のE−E線端面図である。第1杭材引き上げ工程が終了すると、次に、ソイルモルタル42を所定期間養生し、第2鋼線15を掘削坑41(ソイルモルタル42)から引き抜く(第2鋼線引き抜き工程)。ソイルモルタル42を養生すると、モルタル42が固結し、モルタル42によって第1杭材11や第2杭材12が掘削坑41に固定される。第2鋼線引き抜き工程では、第1杭材11の地上に露出する余分な部分を切断した後、第2鋼線15の地上に露出する端部分30をクレーン(図示せず)の玉掛けで支持しつつ、クレーンで鋼線15を矢印L4で示す縦方向上方へ引っ張り、鋼線15を緊張状態に保持する。なお、第1杭材11の余分な部分の切断時には、第2鋼線15が固定手段47を介して固定されている。
【0027】
次に、第3支持部材18の高周波誘導加熱コイル35に高周波発生装置から高周波電圧を印加する。コイル35に高周波電圧を印加すると、コイル35に発生した磁束により、第2鋼線15のコイル35に対向する部位37に渦電流が発生し、部位37が発熱して高温になる。緊張状態にある第2鋼線15のうちのコイル35に対向する部位37が高温に発熱するとともに、部位37に作用する張力によって部位37が破断し、第2鋼線15が第3支持部材18から切り離される。第2鋼線15が切り離されると、鋼線15が第3支持部材18から外れ、鋼線15の緊張状態が解除される。鋼線15は、掘削坑41から徐々に引き上げられ、掘削坑41から地上に引き抜かれる。第2鋼線15を引き抜くと、図10に示すように、第1および第2杭材11,12の間に領域48が形成された立坑仮壁43が構築される。
【0028】
図12は、この立坑構築方法によって作られた立坑仮壁43のユニット49の一例を示す図であり、図13は、杭材11,12の間の領域48を通るシールド装置50を模式的に示す図である。前記各工程をトンネルの進行方向と交差する方向へ繰り返すことで、図12に示すように、複数の杭材11,12,51から形成された1つのユニット49を作ることができる。さらに、トンネルの進行方向へ各ユニット49を隣接させることで、杭材11,12,51に囲繞された円形の領域48をトンネルの進行方向へ並べることができる。それらユニット49には、杭材11,12,51が存在しない円形の領域48が画成されている。この立坑構築方法では、第1杭材11の引き上げ高さを調節することで、領域48を円形にすることができる。なお、ユニット49の両側に位置する杭材51は、1本のそれを使用しており、前記各工程によって建て込まれたものではなく、掘削坑41に単に建て込んだものである。この立坑構築方法によって作られた立坑仮壁43では、第1杭材11と第2杭材12との間にそれら杭材11,12が存在しないソイルモルタル42のみの領域48が形成されるから、ユニット49においてシールド機50がそのまま通過可能な円形の領域48を容易に作ることができ、シールド機50の通過領域を確保するための杭材の切断、撤去(鏡切り)を行う必要はない。
【0029】
この立坑構築方法は、ソイルモルタル42が養生するまでの間、掘削坑41の下方に位置する第2杭材12が第2鋼線15に吊り下げられ、第2杭材12が第2鋼線15によって支持されるから、第2杭材12が掘削坑41を沈降することはなく、第2杭材12を掘削坑41の建て込み位置に確実に設置することができる。また、第1杭材11の端部19と第2杭材12の端部20との離間寸法L3を一定に保持することができ、第1杭材11と第2杭材12との間にシールド機50が通過可能な円形の領域48を作ることができる。立坑構築方法は、第2杭材12が第2鋼線15によって支持されるから、第2杭材12の姿勢を安定させることができ、杭材12が掘削坑41において不用意にずれ動くことはなく、杭材12を掘削坑41の建て込み位置に略直立させた姿勢で設置することができる。立坑構築方法は、第1杭材11とそれの下方の連なる第2杭材12との位置決めが容易であり、第1杭材11の直下に第2杭材12を確実に位置させることができる。
【0030】
立坑構築方法は、第1杭材11に取り付けられた支持板13が第1および第2杭材11,12をその軸方向から支持し、それら杭材11,12の連結や姿勢が支持板13によって保持されるから、それら杭材11,12を掘削坑41に建て込むときに杭材11,12の連結が不用意に解除されてしまうことはなく、それら杭材11,12を掘削坑41の建て込み位置に略直立させた姿勢で確実に設置することができる。立坑構築方法は、第1鋼線14が第1および第2杭材11,12の第1角部24と第4角部27とに配置され、第2鋼線15が第1および第2杭材11,12の第2角部25と第3角部26とに配置されることで、一対の第1鋼線14がH形綱の対角線に位置するとともに、一対の第2鋼線15がH形綱の対角線に位置するから、第1鋼線14や第2鋼線15を掘削坑41から引き抜くときの力が第1杭材11や第2杭材12に偏って作用することはなく、掘削坑41の建て込み位置における第1および第2杭材11,12の不用意なずれ動きを防ぐことができる。
【0031】
図14は、杭材10Bの他の一例を示す図であり、図15は、杭材10Bを掘削坑41に建て込む杭材建て込み工程の説明図である。図16は、第1杭材11を引き上げる第1杭材引き上げ工程の説明図であり、図17は、第2鋼線15を引き抜く第2鋼線引き抜き工程の説明図である。図14では、軸方向を矢印L1で示し、図15では、縦方向を矢印L2で示す。なお、図1の杭材10Aの各端面を示す各端面図は、この杭材10Bの各端面を示す端面図として援用することができる。
【0032】
杭材10Bは、第1杭材11および第2杭材12と、それら杭材11,12を支持する一対の支持板13と、第1鋼線14および第2鋼線15と、それら鋼線14,15を支持する第1〜第3支持部材16,17,18とから形成されている。この杭材10Bが図1のそれと異なるところは第1杭材11が主杭材52と仮設杭材53とから形成されている点にあり、この杭材10Bのその他の構成は図1の杭材10Aのそれと同様であるから、図1と同一の符号を付すことで、この杭材10Bにおけるその他の構成の説明は省略する。
【0033】
第1杭材11は、主杭材52と、主杭材52よりも軸方向の長さ寸法が短い仮設杭材53とから作られている。主杭材52と仮設杭材53とは、それらの端部54,55(対向端部)どうしが互いに当接した状態で軸方向へ直状に並んでいる。それら杭材52,53は、端部54,55どうしが固定手段(図示せず)を介して連結されている。それら杭材52,53は、図1のそれと同様に、第1および第2対向壁21,22と連結壁23とを有するH形綱である。なお、杭材53は、角柱状のコンクリート柱であってもよい。杭材10Bでは、主杭材52の一方の端部19(対向端部)と第2杭材12の一方の端部20(対向端部)とが当接した状態で、それら杭材12,52が軸方向へ直状に並んでいる。
【0034】
この杭材10Bを使用して立坑仮壁43を構築する手順は、以下のとおりである。掘削坑41にソイルモルタル42(養生充填材)を充填するとともに、図14の杭材10Bを用意する。それらの準備が完了した後、杭材10Bを掘削坑41に建て込む(杭材建て込み工程)。クレーン44の玉掛け45で杭材10Bの端部(仮設杭材53の端部56)を支持し、クレーン44によって杭材10Bを垂直に立てて空中に吊り上げ、杭材10Bを掘削坑41の上部に移動させる。クレーン44に保持された杭材10Bでは、仮設杭材53が上方に位置し、杭材53の下方に主杭材52が位置するとともに、杭材52の下方に第2杭材12が位置する。杭材10Bを掘削坑41の上部に位置させた後、クレーン44によって杭材10Bをその端部(第2杭材12の端部46)から掘削坑41に徐々に建て込み、図15に示すように、仮設杭材53の端部56を地上に露出させた状態で杭材10Bの大部分を掘削坑41(ソイルモルタル42)に埋設させる。杭材建て込み工程では、第1鋼線14の第1および第2支持部材16,17の間に延びる部材間部分33が緊張状態にあり、さらに、支持板13が第1および第2杭材11,12の端部19,20を支持しているから、それら杭材11,12どうしの不用意なずれ動きがなく、それら杭材11,12の連結が維持される。
【0035】
杭材建て込み工程が終了すると、次に、第1杭材11を縦方向上方へ所定高さまで引き上げる(第1杭材引き上げ工程)。第1杭材引き上げ工程では、第2鋼線15の地上に露出した端部分30を地上において固定手段47を介して固定した状態で、第2支持部材の高周波誘導加熱コイル32に高周波発生装置から高周波電圧を印加する。第1鋼線14では、緊張状態にある部材間部分33のうちのコイル32に対向する部位36が高温に発熱するとともに、部位36に作用する張力によって部位36が破断し、第1鋼線14が第2支持部材17から切り離される。第1鋼線14が切り離されると、鋼線14の部材間部分33が第2支持部材17から外れ、部分33の緊張状態が解除されるとともに、鋼線14による第1および第2杭材11,12の連結が解除される。第2杭材12は第2鋼線15によって吊り下げられるから、杭材15の掘削坑41における沈降が防止される。
【0036】
第1鋼線14を第2支持部材17から切り離した後、クレーン44の玉掛け45で仮設杭材53の端部56を支持し、仮設杭材53を縦方向上方に引き上げ、杭材53すべてを掘削坑41から地上に引き上げるとともに、主杭材52の端部55を地上に露出させる。主杭材52の端部55の露出寸法は、建て込み工程終了時における仮設杭材53の端部56の露出寸法と同一である。仮設杭材53を地上に引き上げると、第1杭材11の端部19が第2杭材12の端部20から縦方向上方へ離間し、第1杭材11と第2杭材12との間にそれら杭材11,12が存在しないソイルモルタル42のみの領域48が形成される。領域48の縦方向の寸法L3は、引き上げられた仮設杭材53のそれと同一となる。仮設杭材53を引き上げた後、第1杭材11がクレーン44によって吊り下げられ、第1杭材11と第2杭材12との離間状態(領域48の寸法L3)が維持される。杭材11を引き上げた後は、他のクレーン(図示せず)の玉掛けで第1鋼線14の端部29を支持して鋼線14を縦方向上方へ引っ張る。第1鋼線14は、第1支持部材17を摺動しつつ部材17から徐々に引き抜かれて部材17から離脱し、さらに、掘削坑41から地上に引き抜かれる。鋼線14を引き抜いた後は、主杭材52と仮設杭材53との固定が解除され、仮設杭材53が主杭材52から取り外される。
【0037】
第1杭材引き上げ工程が終了すると、次に、ソイルモルタル42を所定期間養生し、第2鋼線15を掘削坑41から引き抜く(第2鋼線引き抜き工程)。ソイルモルタル42を養生すると、モルタル42が固結し、モルタル42によって第1杭材11(主杭材52)や第2杭材12が掘削坑41に固定される。第2鋼線引き抜き工程では、第2鋼線15の地上に露出する端部分30をクレーン(図示せず)の玉掛けで支持しつつ、クレーンで鋼線15を矢印L4で示す縦方向上方へ引っ張り、鋼線15を緊張状態に保持する。次に、第3支持部材18の高周波誘導加熱コイル35に高周波発生装置から高周波電圧を印加する。コイル35に高周波電圧を印加すると、緊張状態にある第2鋼線15のうちのコイル35に対向する部位37が高温に発熱するとともに、部位37に作用する張力によって部位37が破断し、第2鋼線15が第3支持部材18から切り離される。第2鋼線15が切り離されると、鋼線15が第3支持部材18から外れ、鋼線15の緊張状態が解除される。鋼線15は、掘削坑41から徐々に引き上げられ、掘削坑41から地上に引き抜かれる。第2鋼線15を引き抜くと、第1および第2杭材11,12の間に領域48が形成された立坑仮壁43が構築される(図10参照)。
【0038】
前記各工程をトンネルの進行方向と交差する方向へ繰り返すことで、複数の杭材11,12,51から形成された1つのユニット49を作ることができる(図12参照)。さらに、トンネルの進行方向へ各ユニット49を隣接させることで、杭材11,12,51に囲繞された円形の領域48をトンネルの進行方向へ並べることができる。この杭材10Bを使用する立坑構築方法は、図1の杭材10Aを使用する立坑構築方法が有する効果に加え、以下の効果を有する。仮設杭材53を地上に引き上げることで第1および第2杭材11,12における端部19,20どうしの離間寸法L3が決まり、図1の杭材10Aのように第1杭材11の引き上げ高さを調節しつつ第1および第2杭材11,12における端部19,20どうしの離間寸法L3を調節する必要はなく、仮設杭材53を利用することで第1および第2杭材11,12における端部どうし19,20の離間寸法L3を正確に調節することができる。この立坑構築方法は、仮設杭材53の長さ寸法を変えることで、第1および第2杭材11,12における端部19,20どうしの離間寸法L3を容易に変えることができ、第1杭材11と第2杭材12との間に杭材11,12が存在しない一定形状の領域48を確実に作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】杭材の一例を示す図。
【図2】図1のA−A線端面図。
【図3】図1のB−B線端面図。
【図4】図1のC−C線端面図。
【図5】第2および第3支持部材の一例を示す図。
【図6】杭材を掘削坑に建て込む杭材建て込み工程の説明図。
【図7】第1杭材を引き上げる第1引き上げ工程の説明図。
【図8】図7のD−D線端面図。
【図9】第2鋼線を引き抜く第2鋼線引き抜き工程の説明図。
【図10】立坑の完成図。
【図11】図10のE−E線端面図。
【図12】立坑構築方法によって作られた立坑のユニットの一例を示す図。
【図13】杭材の間の領域を通るシールド装置を模式的に示す図。
【図14】杭材の他の一例を示す図。
【図15】杭材を掘削坑に建て込む杭材建て込み工程の説明図。
【図16】第1杭材を引き上げる第1杭材引き上げ工程の説明図。
【図17】第2鋼線を引き抜く第2鋼線引き抜き工程の説明図。
【符号の説明】
【0040】
10A 杭材
10B 杭材
11 第1杭材
12 第2杭材
13 支持板
14 第1鋼線
15 第2鋼線
16 第1支持部材
17 第2支持部材
18 第3支持部材
19 端部(対向端部)
20 端部(対向端部)
21 第1対向壁
22 第2対向壁
23 連結壁
24 第1角部
25 第2角部
26 第3角部
27 第4角部
31 固定部
32 高周波誘導加熱コイル
33 部材間部分
34 固定部
35 高周波誘導加熱コイル
41 掘削坑
42 ソイルモルタル(養生充填材)
43 立坑仮壁
48 領域
52 主杭材
53 仮設杭材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を掘削して縦方向へ延びる掘削坑を形成し、前記掘削坑に養生充填材を充填するとともに前記縦方向に杭材を建て込んで立坑を構築する立坑構築方法において、
前記杭材が、互いに当接する対向端部を有して軸方向へ並ぶ第1杭材および第2杭材と、前記軸方向へ延びていて前記第1杭材の非対向端部からそれら杭材の対向端部を越えて前記第2杭材の所定の位置に達する第1鋼線と、前記軸方向へ延びていて前記第1杭材の非対向端部からそれら杭材の対向端部を越えて前記第2杭材の所定の位置に達する第2鋼線と、前記第1杭材に取り付けられて前記第1鋼線を摺動可能に支持する第1支持部材と、前記第2杭材に取り付けられて前記第1鋼線を支持可能かつ該第1鋼線を切り離し可能な第2支持部材と、前記第2杭材に取り付けられて前記第2鋼線を支持可能かつ該第2鋼線を切り離し可能な第3支持部材とから形成され、
前記第1鋼線を前記第1支持部材と前記第2支持部材との間において緊張させた状態で、前記掘削坑に前記第1および第2杭材を建て込む杭材建て込み工程と、前記第2鋼線を地上において支持しつつ前記第1鋼線を前記第2支持部材から切り離し、該第1鋼線を前記掘削坑から引き抜くとともに前記第1杭材を縦方向上方へ引き上げて第1杭材と第2杭材との対向端部を縦方向へ所定寸法離間させる第1杭材引き上げ工程と、前記充填材を養生させた後、前記第2鋼線を前記第3支持部材から切り離して該第2鋼線を前記掘削坑から引き抜く第2鋼線引き抜き工程とを有することを特徴とする立坑構築方法。
【請求項2】
前記第1および第2杭材が、互いに並行離間して軸方向へ延びる第1および第2対向壁と、それら対向壁の間に位置して軸方向へ延びる連結壁とを有するH形綱であり、前記第1対向壁と前記連結壁との交点に形成された第1角部および第2角部と、前記第2対向壁と前記連結壁との交点に形成されて前記第1角部に対向する第3角部および前記第2角部に対向する第4角部とを備え、前記第1鋼線が、前記第1角部と前記第4角部とに配置され、前記第2鋼線が、前記第2角部と前記第3角部とに配置されている請求項1記載の立坑構築方法。
【請求項3】
前記第1杭材が、互いに当接する対向端部を有して軸方向へ並ぶ主杭材と仮設杭材とから形成され、前記第1杭材引き上げ工程では、前記仮設杭材の長さ寸法が第1および第2杭材における対向端部どうしの離間寸法に一致するように、前記仮設杭材を地上に引き上げた後、前記主杭材から前記仮設杭材を取り外す請求項1または請求項2に記載の立坑構築方法。
【請求項4】
前記杭材が、前記第1杭材と前記第2杭材との対向端部に跨って前記軸方向へ延びる支持板を含み、前記支持板は、前記第1杭材と前記第2杭材とのいずれか一方に取り付けられてそれら杭材をその軸方向から支持する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の立坑構築方法。
【請求項5】
前記第2支持部材と前記第3支持部材とには、高周波誘導加熱コイルが設置され、前記高周波誘導加熱コイルが、前記第1および第2鋼線に渦電流を発生させてそれら鋼線自体を発熱破断させることで、それら鋼線を前記第2および第3支持部材から切り離す請求項1ないし請求項4いずれかに記載の立坑構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−255688(P2008−255688A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99961(P2007−99961)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)