説明

立旋盤

【課題】立旋盤において、稼働効率の低下を防ぎつつ、ワークテーブルを受けるベアリングからの熱に起因したワークの加工精度の低下を抑制する。
【解決手段】立旋盤の回転装置2は、ベアリング26を冷却するベアリング冷却装置32と、支持台24を油によって冷却する支持台冷却装置34とを含み、支持台24には、ベアリング26の下リング26bと結合する円環状の下側取付部24aと、下側取付部24aの内周面に沿って配置され、冷却用の油を貯留する内側貯留溝24bと、下側取付部24aの外周面に沿って配置され、冷却用の油を貯留する外側貯留溝24cとが形成され、支持台冷却装置34は、内側貯留溝24b内で周方向に冷却用の油が流動するように油を吐出する内側貯留溝吐出ノズル34cと、外側貯留溝24c内で周方向に冷却用の油が流動するように油を吐出する外側貯留溝吐出ノズル34fとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立旋盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被加工物であるワークを上下方向に延びる縦軸回りに回転させながらそのワークの旋削加工を行う立旋盤が知られており、下記特許文献1には、このような立旋盤の一例が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された立旋盤は、ワークを縦軸回りに回転させるワーク回転装置と、そのワーク回転装置によって回転させられているワークを切削加工する切削装置とを備えている。ワーク回転装置は、ワークを下から支持するワークテーブルと、そのワークテーブルの下方に配置され、そのワークテーブルを支持するためのベッドと、ワークテーブルの下面とベッドの上面との間に介装され、ベッドに対するワークテーブルの回転を許容するベアリングテーブル受けとを備えている。また、ベアリングテーブル受けの内側の近傍の位置には、ベアリングテーブル受けに向かって油を吐出する油管が設けられており、この油管から吐出される油によりベアリングテーブル受けが冷却されるとともに潤滑されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−117844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大型の立旋盤では、大型のワークを上に載せた状態でワークテーブルが高速回転する。この場合、上記のようにワークテーブルを下からベアリングで受けている構造では、ワークテーブルとワークの合計の大きな荷重がベアリングに掛かり、そのことに起因してベアリング内で非常に大きな摩擦熱が発生する。このため、上記のように油管からベアリングテーブル受けに油を吹き掛けていても、ベアリングテーブル受けを十分に冷却することは困難であり、このベアリングテーブル受けから発生した熱は、ベッドに伝達されてベッドを熱膨張させ、ワークの加工精度を低下させる。具体的には、ベアリングテーブル受けからの熱によりベッドが熱膨張すると、それに伴ってワークテーブル及びその上に載置されたワークが上方に変位し、加工プログラムにより設定されたワークの加工形状に対して実際の加工形状にずれが生じ、加工精度が低下する。このような加工精度の低下を防ごうとする場合には、例えば、ベッドの熱膨張が落ち着くまで立旋盤の暖気運転をしてからワークの加工の基準位置を設定して加工を開始したり、立旋盤を稼働中に度々停止させて加工の基準位置の誤差補正をしたりといった立旋盤の稼働効率の低下を招くプロセスが必要となる。
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、立旋盤において、稼働効率の低下を防ぎつつ、ワークテーブルを受けるベアリングからの熱に起因したワークの加工精度の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明による立旋盤は、ワークを上下方向に延びる回転軸回りに回転させながら旋削加工する立旋盤であって、ワークを前記回転軸回りに回転させる回転装置と、前記回転装置によって回転させられているワークを切削加工する切削装置とを備え、前記回転装置は、前記ワークを下から支持するワークテーブルと、そのワークテーブルの下方に配置されて当該ワークテーブルを支持する支持台と、前記回転軸と同心となるように配置された状態で前記支持台の上面と前記ワークテーブルの下面との間に介装されて前記支持台に対する前記ワークテーブルの前記回転軸回りの回転を許容するベアリングと、前記ワークテーブルを前記回転軸回りに回転させる駆動装置と、前記ベアリングに油を吹き掛けてそのベアリングを冷却するベアリング冷却装置と、前記支持台を油によって冷却する支持台冷却装置とを含み、前記支持台には、前記回転軸と同心となるように配置され、前記ベアリングの下端部と結合する円環状の下側取付部と、前記下側取付部の内周面に沿ってその下側取付部の周方向に延び、冷却用の油を貯留する内側貯留溝と、前記下側取付部の外周面に沿ってその下側取付部の周方向に延び、冷却用の油を貯留する円環状の外側貯留溝とが形成され、前記支持台冷却装置は、前記内側貯留溝内で前記下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するようにその内側貯留溝内に油を吐出する内側吐出部と、前記外側貯留溝内で前記下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するようにその外側貯留溝内に油を吐出する外側吐出部とを有する。
【0008】
この立旋盤では、ワークテーブルを下から受けるベアリングをベアリング冷却装置から吹き掛ける油によって冷却するのに加えて、支持台において下側取付部の内周面と外周面とに沿ってその周方向に延びるように形成された各貯留溝内で冷却用の油を周方向に流動させて下側取付部を冷却することができるため、立旋盤において前記ベアリングが非常に大きな摩擦熱を発しても、そのベアリングをベアリング冷却装置からの油で直接冷却しつつ、冷却しきれずにベアリングから支持台の下側取付部に伝達された熱を前記両貯留溝内を流動する冷却用の油によって冷却することができる。このため、支持台の熱膨張を抑制することができ、ワークの加工精度の低下を抑制することができる。しかも、この構成では、支持台の熱膨張自体を抑制することができるので、支持台の熱膨張を落ち着かせるために立旋盤の暖機運転を行ったり、立旋盤の稼働中に支持台の熱膨張に起因する加工位置の誤差を補正するために立旋盤を度々停止させたりする必要がなく、立旋盤の稼働効率の低下を防ぐことができる。従って、この構成では、立旋盤の稼働効率の低下を防ぎつつ、ワークテーブルを下から受けるベアリングからの熱に起因したワークの加工精度の低下を抑制することができる。
【0009】
上記立旋盤において、前記支持台には、前記内側吐出部が前記内側貯留溝内で油を吐出する高さ位置及び前記外側吐出部が前記外側貯留溝内で油を吐出する高さ位置よりも上側の位置で前記内側貯留溝内の空間及び前記外側貯留溝内の空間と連通し、それら両貯留溝内の油を当該支持台の外部へ排出するための排出口が設けられていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、両吐出部が油を吐出する高さ位置よりも上側の位置から両貯留溝内の油を排出口に排出することができ、両貯留溝内の油のうち下側取付部を冷却することによって昇温した油を選択的に排出することができる。具体的には、両貯留溝内で昇温した油は、両吐出部から吐出された直後の低温の油に対して比重差により上側に集まるため、本構成のように、両吐出部が油を吐出する高さ位置よりも上側の位置で排出口が両貯留溝内の空間と連通していれば、その排出口から温度の高い油を排出しやすくなる。その結果、本構成では、両貯留溝内から温度の高い油を選択的に排出することができ、両貯留溝内で流動する油による下側取付部の冷却効率を高めることができる。
【0011】
この場合において、前記排出口は、前記下側取付部の周方向において間隔をあけた複数の箇所に設けられていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、両貯留溝内の油を下側取付部の周方向において分散した位置から各排出口を通じて排出することができ、その周方向における温度分布の偏りを抑制できる。具体的には、仮に排出口が下側取付部の周方向の特定の1箇所のみに設けられている場合には、その排出口に貯留溝内の昇温した油が集中して流入し、下側取付部の周方向における温度分布の偏りが大きくなる。これに対して、本構成では、貯留溝内の昇温した油が下側取付部の周方向において分散した各排出口から排出されるため、そのような温度分布の偏りを抑制することができ、当該温度分布の偏りに起因する支持台の歪みの発生を抑制することができる。
【0013】
上記立旋盤において、前記内側吐出部は、前記内側貯留溝内で前記下側取付部の径方向に対して周方向に偏向した向きに冷却用の油を吐出し、前記外側吐出部は、前記外側貯留溝内で前記下側取付部の径方向に対して周方向に偏向した向きに冷却用の油を吐出することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、内側貯留溝内で下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するように油を吐出する内側吐出部と、外側貯留溝内で下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するように油を吐出する外側吐出部を具体的に構成することができる。
【0015】
上記立旋盤において、前記内側吐出部と前記外側吐出部は、前記内側貯留溝内における油の流動方向と前記外側貯留溝内における油の流動方向とが前記下側取付部の周方向において互いに逆向きとなるように冷却用の油を吐出することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、両貯留溝内で下側取付部の周方向の同じ向きに油が流れる場合に生じる温度分布の偏りを抑制することができる。具体的には、吐出部から吐出された直後の油は低温であるが、貯留溝内を下側取付部の周方向に流れるに従って下側取付部の熱を吸収して昇温するため、下流側へ向かうにつれて油の温度が高くなる。仮に、両吐出部から吐出された油が両貯留溝内で下側取付部の周方向の同じ向きに流れる場合には、両貯留溝の下流側の同じ領域で油の温度が高くなり、下側取付部の周方向における温度分布の偏りが大きくなる。これに対して、本構成では、内側貯留溝内と外側貯留溝内とで下側取付部の周方向において逆向きに油を流せるため、両貯留溝内で下側取付部の周方向の同じ領域に温度の高い油が集中せず、その周方向における温度分布の偏りを抑制できる。その結果、この温度分布の偏りに起因する支持台の歪みの発生を抑制できる。
【0017】
上記立旋盤において、前記ワークテーブルには、前記回転軸と同心となるように配置されて前記ベアリングの上端部と結合する円環状の上側取付部が形成され、前記立旋盤は、前記上側取付部に冷却用の油を吹き掛けてその上側取付部を冷却するテーブル冷却装置を備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ベアリングからの熱が伝達されて加熱されたワークテーブルの上側取付部を冷却することができ、ワークテーブルの熱変形及び熱膨張を抑制することができる。このため、ワークの加工精度の低下をより抑制できる。
【0019】
この場合において、前記テーブル冷却装置は、前記上側取付部の周方向に間隔をあけた複数の位置でその上側取付部に冷却用の油を吹き掛ける複数のノズルを有することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、上側取付部をその周方向においてバランスよく冷却することができるため、上側取付部の周方向における温度分布の偏りを有効に抑制することができる。その結果、上側取付部の周方向における温度分布の偏りに起因したワークテーブルの歪みの発生を抑制できる。
【0021】
上記ワークテーブルが上側取付部を有する構成において、前記ワークテーブルは、中空に形成されていて、当該ワークテーブル内の空間の下側を遮蔽する底壁を有し、この底壁は、当該ワークテーブルの下面を形成するとともに前記上側取付部を含み、前記底壁には、前記駆動装置から回転力が伝達されるリングギアが前記上側取付部の径方向外側でその上側取付部の周りを囲むように設けられ、前記底壁のうち前記上側取付部の径方向において前記リングギアの内周面の位置から前記上側取付部の内側の特定の位置に亘る範囲の肉厚は、当該底壁のそれ以外の範囲の肉厚よりも大きいことが好ましい。
【0022】
この構成では、ワークテーブルの底壁のうちベアリングの上端部と結合する上側取付部の径方向の内外に亘る特定の範囲が、大きな肉厚を有し、それに起因して大きな熱容量を有する。その結果、ベアリングからの熱によりワークテーブルの底壁のうち上側取付部近傍の範囲が加熱された場合でも、その範囲の急激な熱変形(熱膨張)が生じるのを防ぐことができる。その一方で、ワークテーブルの底壁全体の肉厚を大きくする場合に比べて、ワークテーブルの形成に要する材料を削減できる。従って、この構成では、ワークテーブルの底壁のうち上側取付部近傍の範囲の急激な熱変形を防ぎつつ、ワークテーブルの材料の削減を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、立旋盤において、稼働効率の低下を防ぎつつ、ワークテーブルを下から支持するベアリングからの熱に起因するワークの加工精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による立旋盤の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した立旋盤の回転装置からワークテーブル及びベアリングを取り外した状態を示すその回転装置の上面図である。
【図3】図2中のIII−III線に沿ったワークテーブル、ベアリング及び支持台の断面を部分的に示す図である。
【図4】図2中のIV−IV線に沿ったワークテーブル、ベアリング及び支持台の断面を部分的に示す図である。
【図5】図2中のV−V線に沿ったベアリング及び支持台の断面を断面図である。
【図6】図2中のVI−VI線に沿った断面を部分的に示す図である。
【図7】図2中のVII−VIIに沿った断面を部分的に示す図である。
【図8】図2中のVIII−VIII線に沿った支持台の断面を部分的に示す図である。
【図9】図8中のIX−IX線に沿った支持台の断面を部分的に示す図である。
【図10】図2中のA部近傍を部分的に拡大して示す図である。
【図11】図10中のXI−XI線に沿った断面を部分的に示す図である。
【図12】図2中のB部を部分的に拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0026】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による立旋盤の全体構成について説明する。
【0027】
本実施形態による立旋盤は、被加工物であるワークを上下方向に延びる回転軸回りに回転させながら旋削加工するものである。
【0028】
本実施形態の立旋盤は、ワークを前記回転軸回りに回転させる回転装置2と、その回転装置2によって回転させられているワークを切削加工する切削装置4とを備えている。
【0029】
回転装置2は、ワークを下から支持するワークテーブル22を上下方向に延びる回転軸回りに回転させることによってワークを回転させる。この回転装置2の詳細な構成については、後述する。
【0030】
切削装置4は、間隔をあけて立設された一対のコラム6と、それら一対のコラム6間に水平方向に掛け渡されたクロスレール8と、クロスレール8をコラム6に沿って上下方向に移送する図略のクロスレール移送装置と、クロスレール8に搭載されたサドル10と、サドル10をクロスレール8に沿って水平方向に移送する図略のサドル移送装置と、サドル10に上下方向に移動可能となるように搭載されたラム12と、ラム12をサドル10に対して上下方向に移送する図略のラム移送装置と、ラム12の下端に取り付けられ、図略の工具を保持する工具ホルダ16とを備えている。この切削装置4では、クロスレール移送装置によるクロスレール8の上下方向への移送と、サドル移送装置によるサドル10の水平方向への移送と、ラム移送装置によるラム12の上下方向への移送とにより工具ホルダ16に保持された工具を予め設定された加工プログラムに従って移動させ、その工具で回転しているワークを旋削する。
【0031】
次に、図1〜図12を参照して、本実施形態による回転装置2の詳細な構造について説明する。
【0032】
本実施形態による回転装置2は、ワークテーブル22(図1参照)と、支持台24と、ベアリング26(図3参照)と、駆動装置28(図2参照)と、テーブル冷却装置30と、ベアリング冷却装置32と、支持台冷却装置34とを備えている。
【0033】
ワークテーブル22は、ワークを下から支持するものであり、上下方向に延びる回転軸回りに回転自在となっている。このワークテーブル22は、上方から見て当該ワークテーブル22の回転軸を中心とした円形に形成されており、その上面が水平面となるように設けられている。ワークテーブル22は、中空に形成されており、その内部の空間の上側を遮蔽する天壁22aと、その内部の空間の下側を遮蔽する底壁22b(図3参照)と、それら天壁22aと底壁22bとをそれらの間で繋ぐ連結壁22cとを有する。天壁22aは、ワークが載置されるワークテーブル22の上面を形成しており、底壁22bは、ワークテーブル22の下面を形成している。また、底壁22bは、ベアリング26の上端部、具体的にはベアリング26の後述する上リング26aと締結される上側取付部22eを有する。この上側取付部22eは、ワークテーブル22の回転軸と同心となるように配置された円環状に形成されており、ベアリング26の外径よりも僅かに大きい外径と、ベアリング26の内径よりも僅かに小さい内径とを有している。この上側取付部22eは、底壁22bのうち当該上側取付部22eの内外に位置する部位下面よりも下側に突出している。
【0034】
また、ワークテーブル22の下端部には、駆動装置28から回転力が伝達される円環状のリングギア23が設けられている。このリングギア23は、上側取付部22eの径方向外側においてその上側取付部22eの周りを囲むように底壁22bに取り付けられており、ワークテーブル22の回転軸と同心となるように配置されている。リングギア23は、上側取付部22eの外径よりも大きい内径を有しており、このリングギア23の内周面は、上側取付部22eの外周面から径方向外側に所定距離だけ離間した位置に配置されている。また、底壁22bのうち上側取付部22eの径方向においてリングギア23の内周面の位置から上側取付部22eの内側の位置に亘る範囲(図3中の範囲D)の肉厚は、底壁22bのそれ以外の範囲の肉厚よりも大きくなっている。
【0035】
支持台24は、ワークテーブル22の下方に配置されてそのワークテーブル22を支持するものである。この支持台24には、図2に示すように、下側取付部24aと、内側貯留溝24bと、外側貯留溝24cと、リングギア収容溝24dと、4つの内側堰部24eと、4つの外側堰部24fと、2つの冷却油排出口24gと、ギア噛合空間24hとが形成されている。
【0036】
下側取付部24a(図3参照)は、ベアリング26の下端部、具体的にはベアリング26の後述する下リング26bと締結される部分である。この下側取付部24aは、ワークテーブル22の回転軸と同心となるように配置された円環状に形成されており、ベアリング26の外径よりも僅かに大きい外径とベアリング26の内径よりも僅かに小さい内径とを有している。
【0037】
内側貯留溝24bは、下側取付部24aの内周面に沿って下側取付部24aの周方向に延びるように支持台24の上面に形成された溝であり、その内部に冷却用の油を貯留するものである。内側貯留溝24bは、図2に示すように、2つの領域に分かれている。具体的には、内側貯留溝24bは、下側取付部24aの周方向において約半周ずつの範囲に亘る内側貯留溝一側領域24jと内側貯留溝他側領域24kからなる。内側貯留溝一側領域24jと内側貯留溝他側領域24kは、下側取付部24aの周方向に沿って等しい長さを有する。内側貯留溝一側領域24jの一端と内側貯留溝他側領域24kの対応する一端との間と、内側貯留溝一側領域24jの他端と内側貯留溝他側領域24kの対応する他端との間に、冷却油排出口24gがそれぞれ設けられている。すなわち、内側貯留溝一側領域24jの一端と内側貯留溝他側領域24kの対応する一端とが2つの冷却油排出口24gのうちの一方の冷却油排出口24gを挟んで向き合っているとともに、内側貯留溝一側領域24jの他端と内側貯留溝他側領域24kの対応する他端とがもう一方の冷却油排出口24gを挟んで向き合っている。
【0038】
外側貯留溝24cは、下側取付部24aの外周面に沿って下側取付部24aの周方向に延びるように支持台24の上面に形成された溝であり、その内部に冷却用の油を貯留するものである。外側貯留溝24cは、下側取付部24aの周方向において内側貯留溝24bと同じ位置で2つの領域に分かれている。具体的には、外側貯留溝24cは、下側取付部24aの周方向において約半周ずつの範囲に亘る外側貯留溝一側領域24mと外側貯留溝他側領域24nからなり、外側貯留溝一側領域24mの一端と外側貯留溝他側領域24nの対応する一端とが2つの冷却油排出口24gのうちの一方の冷却油排出口24gを挟んで向き合っているとともに、外側貯留溝一側領域24mの他端と外側貯留溝他側領域24nの対応する他端とがもう一方の冷却油排出口24gを挟んで向き合っている。外側貯留溝一側領域24mと外側貯留溝他側領域24nは、下側取付部24aの周方向に沿って等しい長さを有する。
【0039】
また、内側貯留溝一側領域24j、内側貯留溝他側領域24k、外側貯留溝一側領域24m及び外側貯留溝他側領域24nの内部の底面は、同じ高さ位置に配置されている。下側取付部24aは、その径方向内側に内側貯留溝一側領域24j及び内側貯留溝他側領域24kが形成されるとともにその径方向外側に外側貯留溝一側領域24m及び外側貯留溝他側領域24nが形成されることによって、それらの領域24j,24k,24m,24n内の底面から上方に突出している(図3、図4参照)。そして、下側取付部24aの内周面が、内側貯留溝一側領域24j及び内側貯留溝他側領域24kの内面のうち下側取付部24aの径方向内側を向く面を構成し、下側取付部24aの外周面が、外側貯留溝一側領域24m及び外側貯留溝他側領域24nの内面のうち下側取付部24aの径方向外側を向く面を構成している。
【0040】
リングギア収容溝24dは、支持台24の上面のうち外側貯留溝24cのさらに外側に形成された円環状の溝である(図2参照)。このリングギア収容溝24dは、下側取付部24aと同心となるように配置されており、外側貯留溝24cの周りを囲むように設けられている。このリングギア収容溝24dは、その内部に前記リングギア23を収容し(図3及び図4参照)、リングギア23がワークテーブル22とともに前記回転軸回りに回転する際にそのリングギア23の回転を許容する。なお、当該リングギア23には、後述するように潤滑油が吹き掛けられるが、このリングギア23に付着した潤滑油の一部は、リングギア23の回転中にリングギア収容溝24d内で飛散する。
【0041】
内側堰部24eは、内側貯留溝一側領域24jの各端部の位置と内側貯留溝他側領域24kの各端部の位置とにそれぞれ設けられており、それら各領域24j,24kの各端部を塞いでいる。内側堰部24eの上端は、その内側堰部24eが塞いでいる内側貯留溝一側領域24jの端部又は内側貯留溝他側領域24kの端部の最上部の高さ位置P1よりも低い位置に配置されている(図3〜図5、図11参照)。
【0042】
外側堰部24fは、外側貯留溝一側領域24mの各端部の位置と外側貯留溝他側領域24nの各端部の位置とにそれぞれ設けられており、それら各領域24m,24nの各端部を塞いでいる。外側堰部24fの上端は、その外側堰部24fが塞いでいる外側貯留溝一側領域24mの端部又は外側貯留溝他側領域24nの端部の最上部の高さ位置P2よりも低い位置に配置されている。
【0043】
2つの冷却油排出口24gは、内側貯留溝24b及び外側貯留溝24c内の冷却用の油とリングギア収容溝24d内で飛散した潤滑油を支持台24の外部へ排出するためのものである。この冷却油排出口24gは、本発明の排出口の概念に含まれる。各冷却油排出口24gは、下側取付部24aの周方向において間隔をあけた箇所に設けられている。具体的には、2つの冷却油排出口24gは、図2に示すように、下側取付部24aの周方向において互いに正反対となる箇所に配設されている。そして、2つの冷却油排出口24gは、互いに対称形となるように構成されている。
【0044】
各冷却油排出口24gは、内側貯留溝一側領域24j及び内側貯留溝他側領域24kの内部の空間と連通する内側排出穴24pと、外側貯留溝一側領域24m及び外側貯留溝他側領域24nの内部の空間と連通する外側排出穴24qと、リングギア収容溝24d内の空間と連通するギア潤滑油排出穴24rと、それらの排出穴24p,24q,24rと連通する連通空間24s(図5参照)と、その連通空間24sと支持台24の外部の空間とを連通させる外部排出口24tとからなる。内側排出穴24pは、内側貯留溝一側領域24jの端部とその端部と向き合う内側貯留溝他側領域24kの端部との間で支持台24の天壁を上下に貫通しており、外側排出穴24qは、外側貯留溝一側領域24mの端部とその端部と向き合う外側貯留溝他側領域24nとの間で支持台24の天壁を上下に貫通している。また、ギア潤滑油排出穴24rは、リングギア収容溝24d内のうちその径方向において外側排出穴24qの外側に位置する箇所で支持台24の天壁を上下に貫通している。連通空間24sは、支持台24の内部において前記各排出穴24p,24q,24rの下側の位置に設けられてそれらの排出穴24p,24q,24rと連通している。また、外部排出口24tは、支持台24の外縁部近傍の下部において連通空間24sの下側に繋がっている(図5、図7参照)。この外部排出口24tには、排出管36が接続されている。排出管36は、外部排出口24tよりも低い高さ位置に配置された後述の図略の供給源のタンクに繋がっており、冷却油排出口24g内の油は、排出管36を通じて高低差によりタンクへ自然に回収される。
【0045】
また、各冷却油排出口24gは、支持台冷却装置34の後述する内側貯留溝吐出ノズル34cが内側貯留溝24b内で冷却用の油を吐出する高さ位置及び支持台冷却装置34の後述する外側貯留溝吐出ノズル34fが外側貯留溝24c内で冷却用の油を吐出する高さ位置よりも上側の位置で内側貯留溝一側領域24j、内側貯留溝他側領域24k、外側貯留溝一側領域24m及び外側貯留溝他側領域24nの内部の空間と連通している。
【0046】
具体的には、冷却油排出口24gの内側排出穴24pが、内側堰部24eの上端の上側を通じて内側貯留溝一側領域24j内の空間及び内側貯留溝他側領域24k内の空間と連通しており、それによって、後述のように内側貯留溝一側領域24j内及び内側貯留溝他側領域24k内の底面近傍で油を吐出する内側貯留溝吐出ノズル34cよりも上側の位置で内側排出穴24pと内側貯留溝一側領域24j及び内側貯留溝他側領域24kの内部の空間とが連通している。このような構成により、内側貯留溝一側領域24j内及び内側貯留溝他側領域24k内の油のうち内側堰部24eの上端を越えて溢れた油が、内側排出穴24pに流入し、その後、連通空間24s及び外部排出口24tを経て排出される。
【0047】
また、冷却油排出口24gの外側排出穴24qが、外側堰部24fの上端の上側を通じて外側貯留溝一側領域24m内の空間及び外側貯留溝他側領域24n内の空間と連通しており、それによって、後述のように外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内の底面近傍で油を吐出する外側貯留溝吐出ノズル34fよりも上側の位置で外側排出穴24qと外側貯留溝一側領域24m及び外側貯留溝他側領域24nの内部の空間とが連通している。このような構成により、外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内の油のうち外側堰部24fの上端を越えて溢れた油が、外側排出穴24qに流入し、その後、連通空間24s及び外部排出口24tを経て排出される。
【0048】
また、冷却油排出口24gのギア潤滑油排出穴24rは、リングギア収容溝24d内の空間の底部に繋がっており、リングギア23から飛散してリングギア収容溝24d内に溜まる潤滑油が当該ギア潤滑油排出穴24rを通じて連通空間24sに流れ込み、外部排出口24tを通じて排出される。
【0049】
ギア噛合空間24hは、前記リングギア23と後述のギアボックス28bのギア28cとを噛合させるための空間である。このギア噛合空間24hは、リングギア収容溝24dの周方向において前記2つの冷却油排出口24gの間でそれら両排出口24gから等距離にある位置に設けられている。ギア噛合空間24hは、支持台24においてリングギア収容溝24dの底部から当該支持台24の外側面に貫通しており(図8、図9参照)、その外側面に取り付けられたギアボックス28b内の空間と連通している。支持台24には、図略の潤滑油吐出ノズルが設けられており、その潤滑油吐出ノズルは、ギア噛合空間24h内のリングギア23とギア28cとの噛合部に潤滑油を吹き掛ける。
【0050】
ベアリング26は、支持台24に対するワークテーブル22の回転軸回りの回転を許容するものであり、ワークテーブル22の回転軸と同心となるように配置された状態で支持台24の上面とワークテーブル22の下面との間に介装されている。すなわち、このベアリング26は、ワークテーブル22を下から受けており、ワークテーブル22の重量及びそのワークテーブル22上に載置されるワークの重量を支える。また、このベアリング26は、軸方向の荷重を受けるスラストベアリングであり、当該ベアリング26としてころ軸受が用いられている。ベアリング26は、上下に配置された円環状の上リング26a及び下リング26bと、それら両リング26a,26b間で周方向に並んで配置された多数のころ26cと、それらのころ26cを保持するホルダ26dとを有する。上リング26aは、その上面がワークテーブル22の上側取付部22eの下側を向く面に接触した状態でその上側取付部22eと締結されている。下リング26bは、支持台24の下側取付部24a上に載置された状態でその下側取付部24aと締結されている。ワークテーブル22の回転時には、ころ26cが両リング26a,26b間で転動することにより下リング26bに対する上リング26aの回転が許容され、それによって支持台24に対するワークテーブル22の回転が許容される。
【0051】
駆動装置28は、ワークテーブル22をその回転軸回りに回転させるものである。具体的には、駆動装置28は、図略のモータと、ギアボックス28b(図2参照)とを有する。ギアボックス28bは、モータの動力を受けて回転力を順番に伝達する複数のギアを有しており、支持台24のうちギア噛合空間24hが設けられた側の側面に取り付けられている。このギアボックス28bの複数のギアのうち回転力の伝達方向において最も下流側のギア28cが、ギア噛合空間24h内で前記リングギア23と噛み合っている。これにより、モータからギアボックス28b内の複数のギアを通じてリングギア23に回転力が伝達されてワークテーブル22が回転するようになっている。また、ギアボックス28bのうち支持台24に対して取り付けられている部位と反対側の部位には、図略の排出管が接続されており、その排出管は、後述の図略の供給源のタンクに繋がっている。このタンクは、支持台24及びギアボックス28bよりも低い高さ位置に配置されており、前記リングギア23及び前記ギア28cに吹き掛けられた潤滑油は、ギア噛合空間24hからギアボックス28b内を通り、図略の排出管を通じて高低差によりタンクへ自然に回収される。
【0052】
テーブル冷却装置30は、ワークテーブル22の上側取付部22eに冷却用の油を吹き掛けてその上側取付部22eを冷却するものである。このテーブル冷却装置30は、図略の供給源と、図略の4本の内側供給配管と、4つの内側分岐部30cと、12本の内側ノズル30dと、図略の外側供給配管と、12本の外側ノズル30fとを有する。なお、内側ノズル30dと外側ノズル30fが、本発明のノズルの概念に含まれるものである。
【0053】
4つの内側分岐部30cは、支持台24の内側貯留溝24bよりも径方向内側の位置で周方向に間隔をあけて配設されている。各内側分岐部30cには、1本の内側供給配管がそれぞれ接続されているとともに、3本の内側ノズル30dがそれぞれ接続されている。全部で12本の内側ノズル30dの先端は、上側取付部22eの周方向に略等間隔に配置されており、各内側ノズル30cの先端部は、図4に示すように、上側取付部22e側へ向かって斜め上向きに延びている。図略の供給源は、油を貯留するタンク、そのタンク内の油を冷却する冷却装置及びタンクから油を吸い上げて吐出するポンプを備えており、冷却された油を4本の内側供給配管それぞれに供給する。この油は、各内側供給配管を通じて対応する内側分岐部30cに供給され、その内側分岐部30cからそれに繋がる3本の内側ノズル30dに分配されて各内側ノズル30dの先端の吐出口から吐出される。各内側ノズル30cから吐出された油は、上側取付部22eに対してその径方向内側から吹き掛けられて上側取付部22eを冷却し、その後、下方へ流れて内側貯留溝24b内に貯留される。
【0054】
また、12本の外側ノズル30fは、上側取付部22eの周方向に略等間隔に配置されている。各外側ノズル30fは、図3に示すように、外側貯留溝24c内から上方へ延びて上側取付部22e側へ屈曲し、斜めに延びている。各外側ノズル30fの下端部には、支持台24の天壁のうち外側貯留溝24c内の底面を構成する部分を貫通して延びる外側供給配管の分岐管が接続されている。外側供給配管には、前記供給源から冷却された油が供給され、その油は、外側供給配管の各分岐管を通じて対応する外側ノズル30fへ供給されて各外側ノズル30fの上端の吐出口から吐出され、上側取付部22eに対して径方向外側から吹き掛けられる。各外側ノズル30fから上側取付部22eに吹き掛けられた油は、上側取付部22eを冷却し、その後、下方へ流れて外側貯留溝24c内に貯留される。
【0055】
ベアリング冷却装置32は、ベアリング26に油を吹き掛けてベアリング26を冷却するとともに潤滑するものである。このベアリング冷却装置32は、テーブル冷却装置30と共通の供給源と、図略の4本のベアリング油供給配管と、4つの分岐部32cと、12本のベアリング冷却ノズル32dとを有する。
【0056】
4つの分岐部32cは、支持台24の内側貯留溝24bよりも径方向内側の位置で周方向に間隔をあけて配設されており、各分岐部32cは、前記4つの内側分岐部30cの隣り合うもの同士の間の位置にそれぞれ配設されている。各分岐部32cには、1本のベアリング油供給配管がそれぞれ接続されているとともに、3本のベアリング冷却ノズル32dがそれぞれ接続されている。全部で12本のベアリング冷却ノズル32dの先端は、ベアリング26の周方向に略等間隔に配置されており、各ベアリング冷却ノズル32dの先端部は、図3に示すように、ベアリング26側へ向かって斜め下向きに延びている。各ベアリング油供給配管には、前記供給源から冷却された油が供給され、その油は、ベアリング油供給配管から対応する分岐部32cを通じてその分岐部32cに繋がる3本のベアリング冷却ノズル32dに分配されて各ベアリング冷却ノズル32dの先端の吐出口から吐出される。各ベアリング冷却ノズル32dから吐出された油は、ベアリング26に吹き掛けられ、ベアリング26を冷却するとともにベアリング26内に入ってころ26cを潤滑する。その後、この油は、下方へ流れ、内側貯留溝24b及び/又は外側貯留溝24cに貯留される。
【0057】
支持台冷却装置34は、支持台24の下側取付部24aを油で冷却するためのものである。この支持台冷却装置34は、テーブル冷却装置30及びベアリング冷却装置32と共通の供給源と、2本の内側貯留溝供給配管34aと、図略の内側貯留溝配管外部接続部と、4つの内側分岐ジョイント34bと、4つの内側貯留溝吐出ノズル34cと、2本の外側貯留溝供給配管34dと、図略の外側貯留溝配管外部接続部と、4つの外側分岐ジョイント34eと、外側貯留溝吐出ノズル34fとによって構成されている。なお、内側貯留溝吐出ノズル34cは、本発明の内側吐出部の概念に含まれるものであり、外側貯留溝吐出ノズル34fは、本発明の外側吐出部の概念に含まれるものである。
【0058】
2本の内側貯留溝供給配管34aのうち一方の内側貯留溝供給配管34aは、内側貯留溝一側領域24j内に冷却用の油を供給するためのものであり、他方の内側貯留溝供給配管34aは、内側貯留溝他側領域24k内に冷却用の油を供給するためのものである。
【0059】
一方の内側貯留溝供給配管34aは、図2に示すように、下側取付部24aの径方向において前記2つの冷却油排出口24gのうちの一方の冷却油排出口24gの内側の位置からその一方の冷却油排出口24gの内側排出穴24p内に延びている。そして、この一方の内側貯留溝供給配管34aは、その内側排出穴24p内で内側貯留溝一側領域24j側へ向かって屈曲し、内側堰部24eを貫通して内側貯留溝一側領域24j内へ延び、その内側貯留溝一側領域24j内で他方の冷却油排出口24g側へ下側取付部24aの周方向に沿って延びている。この一方の内側貯留溝供給配管34aには、図略の内側貯留溝配管外部接続部を介して図略の供給源が接続されており、その供給源から冷却された油が供給される。また、この一方の内側貯留溝供給配管34aのうち内側貯留溝一側領域24j内に位置する部位には、下側取付部24aの周方向において間隔をあけた2箇所に内側分岐ジョイント34bが設けられている。内側貯留溝吐出ノズル34cは、この2箇所の内側分岐ジョイント34bにそれぞれ接続されている。各内側貯留溝吐出ノズル34cは、その先端の吐出口が下側取付部24aの周方向において上方から見て反時計回りの向きを向くように設けられており、内側貯留溝供給配管34a及び内側分岐ジョイント34bを通じて供給される冷却用の油をその反時計回りに下側取付部24aの周方向に沿って吐出する。これにより、内側貯留溝一側領域24j内では、下側取付部24aの周方向において反時計回りに冷却用の油が流動する。
【0060】
また、他方の内側貯留溝供給配管34aは、前記一方の内側貯留溝供給配管34aと対称的に配置されている。この他方の内側貯留溝供給配管34aは、図2及び図10に示すように、前記一方の冷却油排出口24gと反対側に位置する他方の冷却油排出口24gに対して下側取付部24aの径方向の内側の位置からその他方の冷却油排出口24gの内側排出穴24p内に延びている。この他方の内側貯留溝供給配管34aは、内側排出穴24p内で内側貯留溝他側領域24k側へ向かって屈曲し、内側堰部24eを貫通して内側貯留溝他側領域24k内へ延び、その内側貯留溝他側領域24k内で前記一方の冷却油排出口24g側へ下側取付部24aの周方向に沿って延びている。この他方の内側貯留溝供給配管34aには、前記一方の内側貯留溝供給配管34aと同様に、図略の内側貯留溝配管外部接続部を介して図略の供給源が接続されている。また、当該他方の内側貯留溝供給配管34aのうち内側貯留溝他側領域24k内に位置する部位には、2箇所の内側分岐ジョイント34bが設けられ、その各内側分岐ジョイント34bに内側貯留溝吐出ノズル34cがそれぞれ接続されている(図12参照)。この他方の内側貯留溝供給配管34aに繋がる内側分岐ジョイント34b及び内側貯留溝吐出ノズル34cに係る構成は、上記一方の内側貯留溝供給配管34aにおける構成と同様であり、各内側貯留溝吐出ノズル34cは、内側貯留溝他側領域24k内に上方から見て反時計回りに下側取付部24aの周方向に沿って冷却用の油を吐出する。
【0061】
また、2本の外側貯留溝供給配管34dのうち一方の外側貯留溝供給配管34dは、外側貯留溝一側領域24m内に冷却用の油を供給するためのものであり、他方の外側貯留溝供給配管34dは、外側貯留溝他側領域24n内に冷却用の油を供給するためのものである。
【0062】
一方の外側貯留溝供給配管34dは、図2、図10及び図11に示すように、下側取付部24aの径方向において前記他方の冷却油排出口24gの内側の位置からその他方の冷却油排出口24gの内側排出穴24p内に延びるとともに、下側取付部24aの下をくぐるように連通空間24sを通ってその他方の冷却油排出口24gの外側排出穴24q内に延びている。そして、この一方の外側貯留溝供給配管34dは、その外側排出穴24q内で外側貯留溝一側領域24m側へ向かって屈曲し、外側堰部24fを貫通して外側貯留溝一側領域24m内へ延び、その外側貯留溝一側領域24m内で前記一方の冷却油排出口24g側へ下側取付部24aの周方向に沿って延びている。この一方の外側貯留溝供給配管34dには、図略の外側貯留溝配管外部接続部を介して図略の供給源が接続されており、その供給源から冷却された油が供給される。また、この一方の外側貯留溝供給配管34dのうち外側貯留溝一側領域24m内に位置する部位には、下側取付部24aの周方向において間隔をあけた2箇所に外側分岐ジョイント34eが設けられている。外側貯留溝吐出ノズル34fは、この2箇所の外側分岐ジョイント34eにそれぞれ接続されている。各外側貯留溝吐出ノズル34fは、その先端の吐出口が下側取付部24aの周方向において上方から見て時計回りの向きを向くように設けられており、外側貯留溝供給配管34d及び外側分岐ジョイント34eを通じて供給される冷却用の油をその時計回りに下側取付部24aの周方向に沿って吐出する。これにより、外側貯留溝一側領域24m内では、下側取付部24aの周方向において時計回りに冷却用の油が流動する。
【0063】
また、他方の外側貯留溝供給配管34dは、前記一方の外内側貯留溝供給配管34dと対称的に配置されている。この他方の外側貯留溝供給配管34dは、下側取付部24aの径方向において前記一方の冷却油排出口24gの内側の位置からその一方の冷却油排出口24gの内側排出穴24p内に延びるとともに、下側取付部24aの下をくぐるように連通空間24sを通ってその一方の冷却油排出口24gの外側排出穴24q内に延びている。この他方の外側貯留溝供給配管34dは、外側排出穴24q内で外側貯留溝他側領域24n側へ向かって屈曲し、外側堰部24fを貫通して外側貯留溝他側領域24n内へ延び、その外側貯留溝他側領域24n内で前記他方の冷却油排出口24g側へ下側取付部24aの周方向に沿って延びている。この他方の外側貯留溝供給配管34dには、前記一方の外側貯留溝供給配管34dと同様に、図略の外側貯留溝配管外部接続部を介して図略の供給源が接続されている。また、当該他方の外側貯留溝供給配管34dのうち外側貯留溝他側領域24n内に位置する部位には、2箇所の外側分岐ジョイント34eが設けられ、その各外側分岐ジョイント34eに外側貯留溝吐出ノズル34fがそれぞれ接続されている(図12参照)。この他方の外側貯留溝供給配管34dに繋がる外側分岐ジョイント34e及び外側貯留溝吐出ノズル34fに係る構成は、上記一方の外側貯留溝供給配管34dにおける構成と同様であり、各外側貯留溝吐出ノズル34fは、外側貯留溝他側領域24n内に上方から見て時計回りに下側取付部24aの周方向に沿って冷却用の油を吐出する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の立旋盤では、ベアリング26がワークテーブル22の重量とワークテーブル22上に載置されたワークの重量を全て支えるため、ベアリング26に大きな荷重が掛かり、その状態でワークテーブル22の回転に伴ってベアリング26内でころ26cが転動すると、大きな摩擦熱を発する。そこで、本実施形態では、ベアリング26をベアリング冷却装置32の各ノズル32dから吹き掛ける油によって冷却するのに加えて、支持台24において下側取付部24aの内周面に沿って冷却用の油が流れるように内側貯留溝吐出ノズル34cが内側貯留溝一側領域24j内及び内側貯留溝他側領域24k内に冷却用の油を吐出するとともに下側取付部24aの外周面に沿って冷却用の油が流れるように外側貯留溝吐出ノズル34fが外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内に冷却用の油を吐出して下側取付部24aを冷却するため、ベアリング26が非常に大きな摩擦熱を発しても、そのベアリング26をベアリング冷却装置32からの油で直接冷却しつつ、冷却しきれずにベアリング26から下側取付部24aに伝達された熱を内側貯留溝一側領域24j内及び内側貯留溝他側領域24k内を流れる冷却油と外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内を流れる冷却油によって冷却することができる。このため、支持台24の下側取付部24a及びその近傍の熱膨張を抑制することができ、ワークの加工精度の低下を抑制することができる。しかも、本実施形態では、支持台24の熱膨張自体を抑制することができるので、支持台24の熱膨張を落ち着かせるために立旋盤の暖機運転を行ったり、立旋盤の稼働中に支持台24の熱膨張に起因する加工位置の誤差を補正するために立旋盤を度々停止させたりする必要がなく、立旋盤の稼働効率の低下を防ぐことができる。従って、本実施形態では、立旋盤の稼働効率の低下を防ぎつつ、ワークテーブル22を下から受けるベアリング26からの熱に起因したワークの加工精度の低下を抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態では、冷却油排出口24gの内側排出穴24pが内側堰部24eの上端の上側を通じて内側貯留溝一側領域24j内の空間及び内側貯留溝他側領域24k内の空間と連通することにより、冷却油排出口24gは、内側貯留溝吐出ノズル34cが内側貯留溝一側領域24j内及び内側貯留溝他側領域24k内で油を吐出する高さ位置よりも上側の位置で内側貯留溝一側領域24j内の空間及び内側貯留溝他側領域24k内の空間と連通しているとともに、冷却油排出口24gの外側排出穴24qが外側堰部24fの上端の上側を通じて外側貯留溝一側領域24m内の空間及び外側貯留溝他側領域24n内の空間と連通することにより、冷却油排出口24gは、外側貯留溝吐出ノズル34fが外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内で油を吐出する高さ位置よりも上側の位置で外側貯留溝一側領域24m内の空間及び外側貯留溝他側領域24n内の空間と連通している。このため、下側取付部24aを冷却することにより貯留溝の各領域24j,24k,24m,24n内で昇温して上部に集まる高温の油を選択的に冷却油排出口24gへ排出することができる。このため、貯留溝の各領域24j,24k,24m,24n内で流動する油による下側取付部24aの冷却効率を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態では、2つの冷却油排出口24gが下側取付部24aの周方向において互いに正反対の箇所に設けられているため、内側貯留溝24b内の油及び外側貯留溝24c内の昇温した油を下側取付部24aの周方向において分散した位置から各冷却油排出口24gを通じて排出することができる。このため、下側取付部24aの周方向における温度分布の偏りを抑制することができ、当該温度分布の偏りに起因する支持台24の歪みの発生を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、内側貯留溝吐出ノズル34cと外側貯留溝吐出ノズル34fが、内側貯留溝一側領域24j内及び内側貯留溝他側領域24k内における冷却用の油の流動方向と外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内における冷却用の油の流動方向とが下側取付部24aの周方向において互いに逆向きとなるように冷却用の油を吐出するため、各吐出ノズル34c,34fから吐出後、内側貯留溝一側領域24j内、内側貯留溝他側領域24k内、外側貯留溝一側領域24m内及び外側貯留溝他側領域24n内をそれぞれ流れて昇温した油が下側取付部24aの周方向において同じ領域に集中するのを防ぐことができる。このため、下側取付部24aの周方向における温度分布の偏りをより有効に抑制することができ、温度分布の偏りに起因する支持台24の歪みの発生をより有効に抑制できる。
【0068】
また、本実施形態では、テーブル冷却装置30がワークテーブル22の上側取付部22eに冷却用の油を吹き掛けるため、ベアリング26から熱が伝達されて加熱された上側取付部22eを冷却でき、ワークテーブル22の熱変形及び熱膨張を抑制することができる。このため、ワークの加工精度の低下をより抑制できる。しかも、本実施形態では、テーブル冷却装置30の内側ノズル30d及び外側ノズル30fが、上側取付部22eの周方向に等間隔をあけた各位置で上側取付部22eに冷却用の油を吹き掛けるため、上側取付部22eを周方向においてバランスよく冷却することができ、上側取付部22eの周方向における温度分布の偏りを有効に抑制することができる。このため、上側取付部22eの周方向における温度分布の偏りに起因したワークテーブル22の歪みの発生を抑制できる。
【0069】
また、本実施形態では、ワークテーブル22の底壁22bのうち上側取付部22eの径方向においてリングギア23の内周面の位置から上側取付部22eの内側の位置に亘る範囲の肉厚が、当該底壁22bのそれ以外の範囲の肉厚よりも大きいため、底壁22bのうち上側取付部22eの径方向の内外に亘る特定の範囲が大きな熱容量を有する。その結果、ベアリング26からの熱により底壁22bのうち上側取付部22e近傍の範囲が加熱されても、その範囲の急激な熱変形(熱膨張)が生じるのを防ぐことができる。その一方で、ワークテーブル22の底壁22b全体の肉厚を大きくする場合に比べて、ワークテーブル22の形成に要する材料を削減することができる。従って、本実施形態では、ワークテーブル22の底壁22bのうち上側取付部22e近傍の範囲の急激な熱変形を防ぎつつ、ワークテーブル22の材料の削減を図ることができる。
【0070】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0071】
例えば、冷却油排出口は、支持台において下側取付部の周方向における特定の1箇所のみに設けられていてもよく、また、下側取付部の周方向において間隔をあけた3箇所以上に設けられていてもよい。
【0072】
また、冷却油排出口と内側貯留溝内の空間及び外側貯留溝内の空間とは、上記のような連通構造以外の構造で連通していてもよい。例えば、冷却油排出口と両貯留溝内の空間は、内側貯留溝吐出ノズル及び外側貯留溝吐出ノズルが油を吐出する高さ位置以下の高さ位置で連通していてもよい。また、例えば、内側堰部を貫通する連通穴によって内側貯留溝と冷却油排出口が連通するような連通構造や、外側堰部を貫通する連通穴によって外側貯留溝と冷却油排出口が連通するような連通構造であってもよい。
【0073】
また、内側貯留溝は、必ずしも上記のように一側領域と他側領域に分かれている必要はなく、下側取付部の全周に亘って繋がっている円環状の溝に形成されていてもよい。同様に、外側貯留溝も、下側取付部の全周に亘って繋がっている円環状の溝に形成されていてもよい。
【0074】
また、支持台冷却装置は、その内側吐出部が内側貯留溝内で下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するように油を吐出し、その外側吐出部が外側貯留溝内で下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するように油を吐出するような構成であれば、上記実施形態で示した構成に限定されない。
【0075】
例えば、内側貯留溝吐出ノズル及び外側貯留溝吐出ノズルの数及び設置位置は、上記実施形態で示した数及び設置位置に限定されない。
【0076】
また、内側貯留溝吐出ノズルと外側貯留溝吐出ノズルは、下側取付部の周方向において同じ向きに冷却用の油が流れるように油を吐出してもよい。
【0077】
また、内側貯留溝吐出ノズルは、その吐出口が必ずしも下側取付部の周方向を向いていなくてもよく、下側取付部の径方向から周方向に偏向した斜め方向に吐出口が向いていてその斜め方向に冷却油を吐出するように設けられていてもよい。また、外側貯留溝吐出ノズルも同様に、下側取付部の径方向から周方向に偏向した斜め方向に吐出口が向いていてその斜め方向に冷却油を吐出するように設けられていてもよい。
【0078】
また、テーブル冷却装置の構成は、上側取付部に冷却用の油を吹き掛けてその上側取付部を冷却できれば、上記実施形態で示した構成に限定されない。
【0079】
例えば、内側ノズル及び外側ノズルの数及び設置位置は、上記実施形態で示したもの以外の数及び設置位置を採用することが可能である。
【0080】
また、上記実施形態では、高低差を利用して、冷却油排出口24gからタンクへ油を自然回収し、ギア噛合空間24hからタンクへ油を自然回収するようにしたが、その代わりに、冷却油排出口24gに繋がる排出管36とギアボックス28bに接続された排出管に吸引装置を繋げてその吸引装置の吸引力により冷却油排出口24g及びギア噛合空間24hからタンクへ油を回収してもよい。
【符号の説明】
【0081】
2 回転装置
4 切削装置
22 ワークテーブル
22b 底壁
22e 上側取付部
23 リングギア
24 支持台
24a 下側取付部
24b 内側貯留溝
24c 外側貯留溝
24g 冷却油排出口(排出口)
26 ベアリング
28 駆動装置
30 テーブル冷却装置
30d 内側ノズル(ノズル)
30f 外側ノズル(ノズル)
32 ベアリング冷却装置
34 支持台冷却装置
34c 内側貯留溝吐出ノズル(内側吐出部)
34f 外側貯留溝吐出ノズル(外側吐出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを上下方向に延びる回転軸回りに回転させながら旋削加工する立旋盤であって、
ワークを前記回転軸回りに回転させる回転装置と、
前記回転装置によって回転させられているワークを切削加工する切削装置とを備え、
前記回転装置は、前記ワークを下から支持するワークテーブルと、そのワークテーブルの下方に配置されて当該ワークテーブルを支持する支持台と、前記回転軸と同心となるように配置された状態で前記支持台の上面と前記ワークテーブルの下面との間に介装されて前記支持台に対する前記ワークテーブルの前記回転軸回りの回転を許容するベアリングと、前記ワークテーブルを前記回転軸回りに回転させる駆動装置と、前記ベアリングに油を吹き掛けてそのベアリングを冷却するベアリング冷却装置と、前記支持台を油によって冷却する支持台冷却装置とを含み、
前記支持台には、前記回転軸と同心となるように配置され、前記ベアリングの下端部と結合する円環状の下側取付部と、前記下側取付部の内周面に沿ってその下側取付部の周方向に延び、冷却用の油を貯留する内側貯留溝と、前記下側取付部の外周面に沿ってその下側取付部の周方向に延び、冷却用の油を貯留する円環状の外側貯留溝とが形成され、
前記支持台冷却装置は、前記内側貯留溝内で前記下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するようにその内側貯留溝内に油を吐出する内側吐出部と、前記外側貯留溝内で前記下側取付部の周方向に冷却用の油が流動するようにその外側貯留溝内に油を吐出する外側吐出部とを有する、立旋盤。
【請求項2】
前記支持台には、前記内側吐出部が前記内側貯留溝内で油を吐出する高さ位置及び前記外側吐出部が前記外側貯留溝内で油を吐出する高さ位置よりも上側の位置で前記内側貯留溝内の空間及び前記外側貯留溝内の空間と連通し、それら両貯留溝内の油を当該支持台の外部へ排出するための排出口が設けられている、請求項1に記載の立旋盤。
【請求項3】
前記排出口は、前記下側取付部の周方向において間隔をあけた複数の箇所に設けられている、請求項2に記載の立旋盤。
【請求項4】
前記内側吐出部は、前記内側貯留溝内で前記下側取付部の径方向に対して周方向に偏向した向きに冷却用の油を吐出し、
前記外側吐出部は、前記外側貯留溝内で前記下側取付部の径方向に対して周方向に偏向した向きに冷却用の油を吐出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の立旋盤。
【請求項5】
前記内側吐出部と前記外側吐出部は、前記内側貯留溝内における油の流動方向と前記外側貯留溝内における油の流動方向とが前記下側取付部の周方向において互いに逆向きとなるように冷却用の油を吐出する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の立旋盤。
【請求項6】
前記ワークテーブルには、前記回転軸と同心となるように配置されて前記ベアリングの上端部と結合する円環状の上側取付部が形成され、
前記立旋盤は、前記上側取付部に冷却用の油を吹き掛けてその上側取付部を冷却するテーブル冷却装置を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の立旋盤。
【請求項7】
前記テーブル冷却装置は、前記上側取付部の周方向に間隔をあけた複数の位置でその上側取付部に冷却用の油を吹き掛ける複数のノズルを有する、請求項6に記載の立旋盤。
【請求項8】
前記ワークテーブルは、中空に形成されていて、当該ワークテーブル内の空間の下側を遮蔽する底壁を有し、この底壁は、当該ワークテーブルの下面を形成するとともに前記上側取付部を含み、
前記底壁には、前記駆動装置から回転力が伝達されるリングギアが前記上側取付部の径方向外側でその上側取付部の周りを囲むように設けられ、
前記底壁のうち前記上側取付部の径方向において前記リングギアの内周面の位置から前記上側取付部の内側の特定の位置に亘る範囲の肉厚は、当該底壁のそれ以外の範囲の肉厚よりも大きい、請求項6又は7に記載の立旋盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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