説明

端子金具付き液体状態検知素子及び液体状態検知センサ

【目的】液体状態検知素子のの外部端子である金属層にロウ付けされた端子金具に外力がかかったとしても、その接合破断が生じることを有効に防止できる端子接合構造を提供。
【構成】絶縁基体内部に、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体117を備えると共に、その絶縁基体の一方の主面111cに、発熱抵抗体117に連なる外部端子114を備えてなる液体状態検知素子110と、外部端子114に、素子側接合部203aを介してロウ付けされた端子金具201とからなる。素子110には、外部端子である第1金属層114とは別に、反対側の主面112cに第2金属層124を備える。端子金具201は、素子側接合部203aに加えて第2金属層用接合部203bを有し、第2金属層用接合部203bを第2金属層124にロウ付けした。このロウ付けがある分、接合強度が倍増する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具付き液体状態検知素子及びこの端子金具付き液体状態検知素子を用いた液体状態検知センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル自動車から排出される窒素酸化物(NOx)を還元する排ガス浄化装置においては、NOx選択還元(SCR)触媒が用いられることがあり、その還元剤としては尿素水溶液が用いられる。この還元反応を効率よく行うためには、尿素濃度が32.5wt%の尿素水溶液を用いるのが好ましいとされている。しかしながら、ディーゼル自動車に搭載される尿素水タンクに収容される尿素水溶液は、経時変化などにより、尿素濃度が変化してしまうことがある。また、尿素水タンク内に誤って異種溶液(軽油など)や水等が混入してしまうこともある。そこで、このタンク内の尿素水溶液の尿素濃度など、その液体(液)の状態を管理するための液体状態検知センサ(尿素濃度識別装置ともいわれる)が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載の液体状態検知センサ(尿素濃度識別装置)では、基板と感温体と絶縁層と発熱体と保護層とが、順次積層されてなる検知素子(薄膜チップ)を有する傍熱型濃度検知部を備えている。この装置では、発熱体に所定時間通電し、その通電前後において感温体により測定された発熱体の温度変化に基づいて尿素濃度を検知する手法がとられている。具体的には、尿素濃度の相違により、発熱体の温度変化に差異が生じることを利用し、発熱体の温度変化を検知することでその濃度を検知するようにしている。この装置に使用される検知素子においては、その内部に尿素水溶液が侵入しないようにする必要があるため、この検知素子は樹脂でモールドされている。このため、尿素水溶液に熱が伝わり難く、したがって、同水溶液が昇温しにくいことから、素子の感温体の温度変化の差異が生じ難くなり、検知感度が良くないという問題がある。
【0004】
こうした中で、本願発明者は、発熱抵抗体を例えば2層のセラミック積層体内に封止してなる液体状態検知素子を用いた液体状態検知センサを提案している(特許文献2)。この液体状態検知センサにおける液体状態検知素子は、発熱抵抗体をセラミック積層体内に封止してなるセラミック積層体構造のものであるため、その内部に液体が侵入することがない。したがって、その素子自体を直接液体(尿素水溶液)に浸漬することができるため、周囲を樹脂でモールドした構造の前記素子に比べると、熱伝導も良好となり、したがって、センサとしての感度ないし応答特性が向上する。また、このようなセラミック積層体構造の液体状態検知素子においては、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を用いているため、その発熱抵抗体に通電すれば、液体の濃度等、液体の状態に応じて、発熱抵抗体の抵抗値に対応した信号を得ることができる。したがって、この信号に基づいて、液体の濃度(液体中の所定成分の濃度)等の液体(液)の状態が検知できる。
【0005】
図11は、特許文献2に記載の液体状態検知センサを構成する液体状態検知素子110を示したもので、この素子110は、内部に発熱抵抗体(図示せず)を備えたセラミック積層体(絶縁基体)の一方の主面(主表面)111に、その発熱抵抗体に連なる通電又は電圧印加用の外部端子(金属層)114を一対備えてなるものである。そして、その外部端子114には、端子金具201がその図示左端の素子側接合部203を介してロウ付け又はハンダ付けにより接合されており、この端子金具201の図示しないバレルに、図示しない電線が接続されて制御装置に配線される。なお、このような素子110は、例えば筒状体の先端部に設けられて液体状態検知センサを構成するものである。そして、このセンサは、ディーゼル自動車に搭載される尿素水タンクに取り付けられて使用されるが、その際には素子110が同タンク内に収容される尿素水溶液内に液没するようにして取り付けられる。なお、本明細書において液体状態とは、液体の濃度、温度のほか、測定対象の液体(液)の有無(液が所定量有るか無いかの状態)や液体の種類(液体が何であるのか)をも含む概念として用いている。
【特許文献1】特開2005−84026号公報
【特許文献2】特願2005−200808号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記したこのような液体状態検知素子110における外部端子(金属層)114には、前記もしたように端子金具201がその素子側接合部203を介してロウ付け又はハンダ付け(以下、単にロウ付けとも言う)により接続されるが、この端子金具201又はこれに接続されている電線には自動車の走行等に起因する様々な原因により、外力が作用する。もちろん、素子110における外部端子114と端子金具201における素子側接合部203との接合部(ロウ付け部)には、このような外力からその端子接合部におけるロウに分離や破断等の不具合が生じないように設定されている。しかしながら、この端子接合部には、その電線に対する引張り作用などに起因して、想定外の大きさの外力(主として引張り力)がかかることがある。このため、その接合部におけるロウが破断したり、端子金具201が素子110の外部端子114から引き剥がされたり、或いは捲れたりして分離するなど、その端子接合部に接合破断が生じる可能性があるとの指摘があった。いうまでもなく、そのような破断の発生は必然的にセンサの故障の原因となって顕在化する。
【0007】
そこで、このような対策として第1に考えられるのは、素子110における外部端子114と端子金具201における素子側接合部203とのロウ付け面積の増大があるが、これでは外部端子114の面積の増大や端子金具201の大型化につながり、結果的に素子の大型化を招くことなどの問題がある。また、このようにロウ付け面積を増大することで、一応の接合強度の向上は図られるが、それのみでは十分な効果は得られない。というのは、本願発明者によれば、上記の端子接合構造における接合破断の原因は、そのロウ付けが、素子110の片面においてなされることによる、ある意味のアンバランスにも起因しているためである。というのは、このような端子接合構造において、電線に対する外力(引張り力)の作用方向は、外部端子114が形成されている素子110の主面(表面)111に平行とは限らず、その主面に対して傾斜して加わりがちであるためである。すなわち、このような場合には、接合されている端子金具201に引き剥がし力が作用することから、比較的小さな力でも接合破断が発生する。
【0008】
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、液体状態検知素子の大型化を招くことなく、その外部端子である金属層にロウ付けされている端子金具に外力がかかったとしても、その接合破断が生じることを有効に防止できる高強度の端子接合構造を有する、端子金具付き液体状態検知素子、及びこれを用いた液体状態検知センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を内部に封止してなる板状の絶縁基体の一方の主面に、前記発熱抵抗体に連なる外部端子である第1金属層を備えてなる液体状態検知素子と、
前記第1金属層に、素子側接合部を介してロウ付け又はハンダ付けにより接合されてなる端子金具とを備え、
前記液体状態検知素子には、前記第1金属層とは別に、前記一方の主面と反対側の主面に第2金属層が設けられている一方、
前記端子金具は、前記素子側接合部に加えて第2金属層用接合部を備えており、この第2金属層用接合部が前記第2金属層にロウ付け又はハンダ付けにより接合されてなることを特徴とする端子金具付き液体状態検知素子である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記第2金属層は、前記絶縁基体を介して、前記第1金属層に対向する部位に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の端子金具付き液体状態検知素子である。請求項3に記載の発明は、前記液体状態検知素子は、第2金属層が第1金属層と電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の端子金具付き液体状態検知素子である。請求項4に記載の発明は、前記液体状態検知素子は、第2金属層が第1金属層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子金具付き液体状態検知素子である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記端子金具における素子側接合部と第2金属層用接合部とが、前記液体状態検知素子をその両主面において挟み付けるように二股状に形成されていると共に、その股部が前記液体状態検知素子の端部に当接されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体状態検知素子である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の端子金具付き液体状態検知素子と、
前記発熱抵抗体への通電により、その発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される出力信号に基づいて、検知対象をなす液体の状態を検知する検知部と、を備えることを特徴とする液体状態検知センサである。また、請求項7に記載の発明は、前記液体が尿素水溶液である請求項6に記載の液体状態検知センサである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の端子金具付き液体状態検知素子(以下、単に素子とも言う)においては、外部端子である第1金属層に接合された端子金具が、液体状態検知素子の反対側の主面(主表面)に設けられた第2金属層にもロウ付け又はハンダ付け(以下、単にロウ付けともいう)により接合されている。すなわち、従来の素子における外部端子(本願発明の第1金属層)は、その片方の主面にのみ形成されており、端子金具は、その素子側接合部を介してその外部端子にロウ付けされた端子接合構造をなしている。このため、この端子金具又はこれに接続された電線が引張られるなどして、端子金具と素子における外部端子との間に引張り力(負荷)が作用すると、その接合をしているロウが破断したりして、外部端子から端子金具が分離する危険性が高かった。とくに、このような引張り力は素子の主面に傾斜して加わりがちであることから、このような場合にはそのロウ付け部において端子金具に引き剥がし力が作用するため、比較的小さな力でも接合破断が発生していた。
【0014】
これに対して本願請求項1又は2に記載の発明によるときは、前記素子には、前記外部端子である第1金属層とは別に、前記反対側の主面に第2金属層が設けられている一方、前記端子金具は、前記素子側接合部に加えて第2金属層用接合部を備えており、この第2金属層用接合部が前記第2金属層にロウ付け又はハンダ付けにより接合されている。すなわち、素子の両面に設けられた2つの金属層に、端子金具における2つの接合部がそれぞれロウ付け等により接合されている。したがって、この端子金具又はこれに接続された電線と、素子における外部端子(第1金属層)との間に引張り力(負荷)が作用したとしても、その接合強度は倍増されていることから、そのような外力に対しても有効に抗することができる。このように本発明の素子によれば、その大型化を招くことなく、その外部端子(第1金属層)である金属層にロウ付けされている端子金具に外力がかかったとしても、その接合破断が生じることを有効に防止できるなど、高強度の端子接合構造を有するものとなすことができる。
【0015】
なお、本発明の素子によれば、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を備えるから、この発熱抵抗体に通電すれば、液体の状態に応じて発熱抵抗体の抵抗値に対応した信号を得ることができるので、この信号に基づいて液体状態を検知することができる。そして、本発明の素子においては、発熱抵抗体が絶縁基体内に封止されているため、素子自体を直接液体内に浸漬させることができる。したがって、周囲を樹脂でモールドした素子に比べて感度においても優れている。
【0016】
前記第2金属層は、請求項3に記載のように、前記第1金属層と電気的に接続されておらず、端子金具との機械的接合のみを目的とするもの(言わばダミー端子)としてもよいが、請求項4に記載のように、前記第1金属層と電気的に接続されているものとすると、第1金属層又は第2金属層のうちの一方におけるロウ付けが破断したとしても、直ちに断線にいたることがないため、安全性の高い端子接続構造となすことができる。
【0017】
また、請求項5に記載のように、前記端子金具における素子側接合部と第2金属層用接合部とが、前記液体状態検知素子をその両主面において挟み付けるように二股状に形成されていると共に、その股部が前記液体状態検知素子の端部に当接状に保持されているものでは、ロウ付け時の位置決めにおいてその当接を利用することができるので、その位置決めを容易にできる。また、ロウ付け後においては、素子の端部にその股部が当接している分、端子金具の振れ止めないし揺れ止めの各作用が図られるため、強度アップも期待される。
【0018】
なお、請求項6に記載の液体状態検知センサは、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を備え、検知対象をなす液体に浸漬される素子を備えているから、発熱抵抗体への通電により、この発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される出力信号に基づいて、液体状態を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明に係る端子金具付き液体状態検知素子の実施の形態について、図1〜図6に基づいて説明するが、まず、液体状態検知素子110について説明する。本形態の液体状態検知素子110は、細長い矩形の板形状をなしており、図4に示したように、第1、第2の2層のセラミック絶縁層111、112からなる積層構造をなしている。そして、第1セラミック絶縁層111と、第2セラミック絶縁層112との間(層間部位)には、発熱抵抗体117を含む導体層118を有しており、同時焼成により形成されている。この構造において内部の導体層118は、第1セラミック絶縁層111と第2セラミック絶縁層112との間に液密状に封止されており、したがって、素子110を直接、尿素水溶液に浸漬しても、その内部に尿素水溶液が浸水して導体層118が短絡する虞がないようにされている。
【0020】
導体層118は、Ptを主成分としてなるものであるが、図3、4に示したように、同素子110の先端(図3、4下)側に配置された発熱抵抗体117と、その発熱抵抗体117の両端部のそれぞれに連なり、素子110の左右の各長辺に沿ってそれぞれ延びるリード部115,116を両絶縁層111、112の間に備えている。そして、このリード部115,116の後端(図3、4上端)寄り部位に対応する第1セラミック絶縁層111のうちの外部に露出する主面(表面)111cには、発熱抵抗体117に対する通電用の外部端子をなす金属層(以下、第1金属層ともいう)114が一対、形成されている。この第1金属層114は、共に素子110に沿って縦長矩形をなしおり、ビア導体113を介して、左右のリード部115,116の後端寄り部位に電気的に接続されている。
【0021】
なお、導体層118は、素子110の主面を平面視したときにおいて、図3に示したようなパターンをなしており、上記もしたが、矩形の長辺に沿ってそれぞれ先後に延びるように形成された第1リード部115と、第2リード部116と、先端寄り部位において両者に接続する発熱抵抗体117とを有している。そして、発熱抵抗体117は、第2セラミック絶縁層112の長手方向(図3において上下方向)に、互いに平行に直線状に延びる多数の平行線状部117bと、隣り合う平行線状部117b同士を方向転換して連結する円弧状の連結部117cとを有しており、全体として、第1リード部115及び第2リード部116に比べて小さな断面積の線が蛇行して延びる線形状をなしている。このため、導体層118に通電すると、主に、発熱抵抗体117において発熱するように形成されている。そして、この発熱抵抗体117は、自身の温度に応じて抵抗値が変化する。
【0022】
また、上記したように、素子110は、第1リード部115と、第2リード部116との各後端寄り部位において、素子110の一方の主面をなす第1セラミック絶縁層111の表面111cに、それぞれ外部端子(接続パッド)をなす金属層(第1金属層)114を備えている。そして、この第1金属層114,114は、それぞれ、第1セラミック絶縁層111を貫通するビア(導体)113,113を介して、第1リード部115と、第2リード部116とに電気的に接続されている。
【0023】
他方、本形態では、図4に示したように、液体状態検知素子110をなす第2セラミック絶縁層112のうち、第1セラミック絶縁層111の表面111cの第1金属層114,114に対応する部位の表面112cに、その第1金属層114と同寸、同形(形状)の金属層(本発明の第2金属層。以下、第2金属層とも言う)124,124を備えている。すなわち、第1金属層114と第2金属層124とは、第1セラミック絶縁層111と第2セラミック絶縁層112を介して、対向している。本形態では、この第2金属層124もPtを主成分としてなるものとして、同時焼成により形成されている。なお、第1金属層114と第2金属層124とは、素子110の表裏両面111c,112cにおいて対応する位置(同一位置)になくともよい(ずれていてもよい)が、このような位置関係にあるため、本形態の素子110は、表裏いずれの面も同じ外観を呈している。また、次に説明する端子金具201のうち、前記金属層114,124に対する各接合部を同様の形態に形成できる。
【0024】
なお、このような液体状態検知素子110は次のようにして製造される。第1セラミック絶縁層111をなすセラミックグリーンシートの前記ビアに対応する位置にビアホール111bを穿孔し、導体層118及びビア113、さらには第1金属層114の各メタライズ層に対応する部位に、Ptを主成分として含むメタライズペーストを印刷しておく。他方、第2セラミック絶縁層112をなすセラミックグリーンシートの第2金属層124に対応する部位に同様のメタライズペーストを印刷しておく。次いで、この両セラミックグリーンシートを積層、圧着し、同時焼成する。そして、この液体状態検知素子110の露出する外部端子をなす第1金属層114等の表面に所要のメッキを施す。なお、このような素子110の第1、第2金属層114、124には、次記する端子金具(コネクタ)121が、その素子側接合部203aと第2金属層用接合部203bを介して例えば銀ロウにて接合(ロウ付け)され、端子金具付き液体状態検知素子をなす。
【0025】
次に本形態の端子金具201について、図1及図2、び図4〜図6を参照して説明する。ただし、本形態では左右の端子金具201は、対称形状をなしているものの、実質、同一のものであるため、その一方について説明する。すなわち、端子金具201は、金属薄板から形成されてなるもので、その一端(図1上端)に、電線(端部)90の先端の芯線を圧着(カシメ)によって接続するようにU字状に折り曲げて形成された一定長さを有する圧着部(バレル)211を備えている。そして、他端部には、素子110における第1セラミック絶縁層111の主面111cに形成された外部端子用の第1金属層114と、第2セラミック絶縁層112の主面112cに形成された第2金属層124とに、それぞれロウ付けにより接合可能に、略平行に2面が向き合って延びるように形成された素子側接合部203aと、第2金属層用接合部203bとが形成されている。すなわち、本形態の端子金具201は、一端部の圧着部211と、他端部の2つの接合部203a、203bと、これらを一体で連結する中継線部207とからなっている。そして、中継線部207は、圧着部寄り部位が細い帯板208からなり、2つの接合部寄り部位は、それより幅広の帯板を横断面コ字形部204をなすように折り曲げて形成されている。このうち両接合部203a、203bは、そのコ字形部204の両フランジ部位204bの端から先端側に二股状となって延びるように形成されて、素子110をその両主面111c,112cにおいて挟み付け可能に形成されている。ただし、両接合部203a、203bの先端寄り部位の約半分は、両者の平行間隔がやや小さくなるように屈曲形成されている。また、中継線部207の圧着部寄り部位の細い帯板208は、このコ字形部204の開口側に向けて斜めに屈曲されるとともに、圧着部211の近傍において、圧着部211が接合部203a、203bと略平行に延びるように屈曲されている。
【0026】
なお、中継線部207の屈曲は、端子金具201を素子110に接合する際に、コ字形部204の上部と下部とを連結している連結部(以下、ウエブという)204cが素子110の幅方向の中央寄り部位に位置するようにして、その二股状の両接合部203a、203bを第1、第2の金属層114,124にロウ付けすることとしたため、そのロウ付け状態において、圧着部211が他方の端子金具201の圧着部211と離間するようになっている。また本形態では、中継線部207をなす帯板208は圧着部211寄り部位において、90度ねじられており、これにより、圧着部211のU字状の開口とコ字形材の開口とが90度異なる向きを向くようにされている。
【0027】
上記した液体状態検知素子110と端子金具201とは、次のようにして、例えば銀ロウにてロウ付けされている。すなわち、本形態に用いる前記した端子金具201はその2つとも、各中継線部207におけるコ字形部204のウエブ204cを素子110の後端110bにおいて素子110の幅方向の中央寄り部位に位置させる。次いで、その二股状の両接合部203a、203bが素子110を、その両面の第1、第2金属層114,124においてそれぞれ挟むようにする。そして、二股状に延びる両接合部203a、203bの股部203cをなす中継線部207のコ字形部204のウエブ204cの端(接合部寄り端)を素子110の後端110bに当接させて、素子110の前後に対する位置決めをする。この状態において各素子110の第1、第2金属層114,124を、端子金具201の両接合部203a、203bのそれぞれをロウ付けする。
【0028】
本形態では、このようにロウ付けにおいては、素子110の前後における位置決めができるため、その接合工程が容易になる。なお、端子金具201の圧着部211に対しては、ロウ付けの前又は後に、電線90の先端を圧着により接続しておけばよい。
【0029】
しかして、このようにして素子110と端子金具201とが接合されてなる本形態の端子金具付き液体状態検知素子における、その接合構造においては、各端子金具201は、いずれもその二股状に延びる接合部203a、203bにて、素子110の両面の各金属層114,124にロウ付けされている。すなわち、本形態では、発熱抵抗体117に通電するための一方の主面111cに形成された第1金属層114に加えて、他方の主面112cに独立して形成された第2金属層124にも、1つの端子金具201における接合部(素子側接合部203a、第2金属層用接合部203b)がそれぞれロウ付けされている。したがって、このような端子金具付きの素子においては、端子金具201に引張り力が作用したとき、従来のように、その素子側接合部のみが外部端子をなす第1金属層にロウ付けされている場合に比べると、その接合強度は、約2倍の強度を保持できるため、高い信頼性が保持される。
【0030】
なお、前記形態の端子金具付き素子においては、素子110における第2金属層124及び端子金具201における第2金属層用接合部203bは、接合強度確保のためのみの作用しかないが、図4に示したように、第2金属層124についても、その第1金属層114と同様に、ビア(ビア導体)113bを介して、左右のリード部115,116の後端寄り部位に電気的に接続しておいてもよい。このようにしておけば、万一、一方の金属層において、端子金具201の接合部203a,203bとのロウ付けが分断されたとしても、直ちに接合不良を招くことがない。また、本形態では、素子110の後端(端部)110bに素子側接合部203aと第2金属層用接合部203bとの股部203cが当接している分、端子金具201の振れ止めないし揺れ止めの各作用が図られるため、接合強度のアップが図られる。
【0031】
なお、上記した素子110によれば、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体117を備えるから、この発熱抵抗体117に通電すれば、液体の状態に応じて発熱抵抗体117の抵抗値に対応した信号を得ることができるので、この信号に基づいて液体状態を検知することができる。そして、上記した素子110においては、発熱抵抗体117が絶縁基体(セラミック絶縁層)内に封止されているため、素子110自体を直接液体内に浸漬させることができる。したがって、周囲を樹脂でモールドした素子に比べて感度においても優れたものとなすことができる。
【0032】
次に、端子金具の別例について、図7に基づいて説明する。ただし、この端子金具301は、前記した端子金具201と基本的に共通するものであり、本質的な相違はない。したがって、その相違点のみ説明し、同一部位には同一の符号を付すに止める。すなわち、この端子金具301は、素子側接合部203aと、第2金属層用接合部203bとが、上記形態のように二股状とはなっておらず、上記した形態の中継線部207における横断面がコ字形部204が、その横断面のままで先端に向けて延びた形態を呈している。ただし、この端子金具301においては、これを素子110の両外側から取付け得るように、その取り付け状態においてコ字形部204の開口が相互に向き合い、しかも圧着部211が相互に離間するように、帯板208が屈曲形成されている。このような端子金具301は、コ字形部204のウエブ204cが素子110の側面に押付けられると共に、両フランジ204bに連なる部位が接合部203a,203bとなって、素子110の両主面111c,112cを挟み付ける形態となるが、接合部203a,203bが横断面がコ字形をなしている分、端子金具301自体の強度が高められる。
【0033】
さて次に、上記した構成の端子金具付き液体状態検知素子が用いられてなる液体状態検知センサ100について、図8に基づいて説明する。図8は本実施形態にかかる液体状態検知センサ100の全体を説明する要部破断縦断面図である。図8に示すように、この液体状態検知センサ100は、円筒状の外筒電極10と、その内側に内挿状態に保持された円筒状の内筒電極20、及び、この内筒電極20の先端(図8下端)に配置されてなる上記した液体状態検知素子110と、これら両電極10,20を図示における上端部で固定すると共に、図示しない尿素水タンクの例えば天板部にセンサ100自体を取り付けるためのフランジを有する取付部40などから構成されている。
【0034】
そして、この取付け部40の図示上部には、詳しくは後述するが、CPUなどが実装された配線基板60を含む検知部160が設けられており、保護カバー161にてカバーされている。なお、以下、液体状態検知センサ100について、その全体を図示の上下方向に見て、下に位置する液体状態検知素子110の側を先端側、上に位置する検知部160の側を後端側として説明する。このような本実施形態の液体状態検知センサ100は、その先端側が尿素水タンク内の尿素水溶液に浸漬され、液体状態検知素子110で同液の濃度等を、そして両電極10,20で液位を検知するように形成されている。
【0035】
センサ100を構成する外筒電極10は金属製で円筒状の直管をなし、その軸線Gを上下にして上の取付け部40から垂下状にして固定されている。この外筒電極10の取付け部40に対する固定は、後端部(図示上端)12を取付部40に溶接することによっている。なお、取付部40は、検知部160を構成する配線基板60に対し、そのグランド電位をなす配線部(図示しない)と同電位となるように接続されており、取付部40に溶接されている外筒電極10もグランド電位となるようにされている。
【0036】
一方、内筒電極20は、金属製で、外筒電極10より小径の円筒状の直管をなし、その軸線を軸線Gに一致させて外筒電極10の内側に配置されている。この内筒電極20は、図示はしないが、その後端部において、絶縁部材を介して取付部40に固着されている。また、その先端部は外筒電極10の先端から突出しないようにその長さが設定されており、外筒電極10の先端寄り部位の内側において、後述するように絶縁を保持して弾性的に支持されている。そして、本形態では、外筒電極10の先端寄り部位の内側において、しかも、この内筒電極20の内側先端から突出するようにして、上記した液体状態検知素子110が配置されている。
【0037】
液体状態検知素子110(以下、単に素子110ともいう)自体の詳細な構成については上記した通りである。この素子110は、内筒電極20の先端に取付けられた径違い筒状をなすホルダ120の下部の小径部内に充填された固定部材(樹脂)126によって、素子110自身の中間寄り部位をシール状に固定され、先端寄り部位をホルダ120の先端から所定量突出させている。なお、素子110を固定しているホルダ120は、その上部の大径部を、その内側にシール材(ゴムリング)127を介在させて、内筒電極20の先端部外周面に外嵌することで取り付けられている。また、素子110の内部の発熱抵抗体117に通電するための金属層(以下、外部端子ともいう)114に、端子金具201を介して接続された電線90は内筒電極20の内側を通されて後端側に引出され、検知部160を構成する配線基板60に電気的に接続されている。
【0038】
上記のように、素子110を保持、固定して内筒電極20の先端部外側に外嵌されてなるホルダ120には、その外周面に密着するホルダ密着部を有し、液体状態検知素子110を包囲して保護するように異径有底円筒状に形成されたプロテクタ130が装着されている。ただし、このプロテクタ130には、その内外を尿素水溶液が流通するための貫通孔が複数穿孔されている。一方、外筒電極10の先端寄り部位の内側には、上部の内径が大径で異径筒状をなすゴムブッシュ80が嵌着、固定されており、その内側にプロテクタ130におけるホルダ密着部を介して、ホルダ120を嵌合させており、これによって内筒電極20の先端部と共に液体状態検知素子110を弾性的に支持している。なお、ゴムブッシュ80の外筒電極10に対する固定は、ゴムブッシュ80の外周面に形成された突起を外筒電極10の周面(筒壁)に形成された貫通穴に嵌合させることによっている。
【0039】
また、本形態では内筒電極20は、検知部160を構成する配線基板60に電気的に接続され、交流電圧が印加されるように構成されている。そして、内筒電極20のうち尿素水溶液に接触する外表面には、フッ素系樹脂からなる絶縁被膜23が形成されている。また、外筒電極10及び内筒電極20をその後端において固定している取付部40は、金属板からなり、その周囲のフランジ部には図示しないボルト用貫通孔(図示省略)が穿孔されている。これにより、この液体状態検知センサ100は、取付部40のボルト用貫通孔に取付ボルトを通して尿素水タンクに取付られる構成とされている。
【0040】
次に、このセンサにおける検知システムについて説明する。検知部160は、上記もしたように、CPUなどが実装された配線基板60等により構成されており、保護カバー161の内部に配置されている。この検知部160は、図9に示すように、マイクロコンピュータ220と、第1検知回路部280と、第2検知回路部250と、入出力回路部290とを有している。このうち、マイクロコンピュータ220は、CPU221、ROM222、及びRAM223を有し、各種制御を行う。入出力回路部290は、マイクロコンピュータ220とECU(エンジンコントロールユニット)との間で信号の入出力を行うための、通信プロトコルの制御を行う。
【0041】
第2検知回路部250は、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、外筒電極10と内筒電極20との間に所定の交流電圧を印加する。そして、このときに流れた電流を電圧変換し、その電圧信号をマイクロコンピュータ220に出力する。外筒電極10と内筒電極20との間に位置する尿素水溶液Lの液量に応じて、外筒電極10と内筒電極20との間の静電容量が異なることから、マイクロコンピュータ220では、出力された電圧信号に基づいて、尿素水溶液Lの液面レベルを検知することができる。
【0042】
第1検知回路部280は、差動増幅回路部230と、定電流出力部240と、スイッチ260とを有している。この第1検知回路部280は、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、液体状態検知素子110に定電流を流し、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号を、マイクロコンピュータ220に出力する。
【0043】
具体的には、定電流出力部240は、発熱抵抗体117と電気的に接続されており、定電流を出力する。スイッチ260は、定電流出力部240と発熱抵抗体117との通電経路上に位置し、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、定電流出力部240から発熱抵抗体117への通電のON/OFFの切り替えを行う。差動増幅回路部230は、発熱抵抗体117の入力端側の電位Pinと出力端側の電位Poutとの差分値を、検出電圧値としてマイクロコンピュータ220に出力する。これにより、マイクロコンピュータ220では、この検出電圧値に基づいて、例えば、尿素水溶液Lの尿素濃度を算出し、尿素濃度が適正であるか否かを検知したり、尿素水溶液Lの温度を算出したりすることができる。
【0044】
例えば、尿素水溶液Lの尿素濃度が32.5wt%であるときは、図10に実線で示すように、通電時間の経過に伴って発熱抵抗体117の電圧が変動する。この例を参照して説明すると、まず、定電流出力部240から発熱抵抗体117に定電流を流し、発熱抵抗体117への通電開始直後(具体的には、発熱抵抗体117への通電を開始してから10msec経過後)に、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号(第1検出電圧値V1)を検知する。次いで、通電開始から所定の通電時間t1(例えば、t1=700msec)経過後、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号(第2検出電圧値V2)を検知する。
【0045】
次いで、V2とV1との差分値ΔV(この例ではΔV1)=V2−V1を算出し、このΔV(この例ではΔV1)が、閾値Q(予め、様々な濃度の尿素水溶液Lについて取得したΔVの最大値)以下であれば、尿素水タンク98内には尿素水溶液Lが収容されていると判定できる。さらに、所定の演算式に基づいて、尿素水溶液の尿素濃度を算出すれば、尿素濃度が適正であるか否かを判定することができる。この例では、尿素濃度が32.5wt%と算出され、尿素濃度は適正であると判定されることとなる。
【0046】
これは、次のような原理に基づいて実現される。尿素水溶液Lに含まれる尿素の濃度の違いにより、尿素水溶液Lの熱伝導率が異なることから、発熱抵抗体117により尿素水溶液Lを加熱した場合、尿素濃度の違いにより、尿素水溶液Lの温度上昇率が異なることとなる。このため、尿素水溶液Lの温度上昇率(すなわち、尿素水溶液Lの濃度)が、尿素水溶液Lに浸漬された液体状態検知素子110に含まれる発熱抵抗体117の温度上昇に影響を与えることとなる。
【0047】
前述のように、発熱抵抗体117は、自身の温度に応じて抵抗値が変化する。従って、発熱抵抗体117に所定時間定電流を流した後では、尿素水溶液Lの尿素濃度の違い、あるいは液種の違い等により、発熱抵抗体117の抵抗値に違いが生じることとなる。このため、発熱抵抗体117に所定の通電時間t1だけ定電流を流したとき、尿素水溶液Lの尿素濃度の違い等により、第1検出電圧値V1と第2検出電圧値V2との差分値ΔV=V2−V1にも違いが生じることとなる。従って、ΔVに基づいて、尿素水溶液Lの尿素濃度、あるいは液種の違いを検知することが可能となる。また、通電開始直後の発熱抵抗体117の抵抗値の温度は、液体状態検知素子110(発熱抵抗体117)の周囲に位置する尿素水溶液Lの温度と略一致していることから、通電開始直後の発熱抵抗体117の抵抗値は、液体状態検知素子110(発熱抵抗体117)の周囲に位置する尿素水溶液Lの温度に対応した抵抗値となっている。従って、第1検出電圧値V1を利用して、尿素水溶液Lの温度を検知することもできる。
【0048】
ところで、ΔVが閾値Qを上回った場合は、尿素水タンク98内に適正な尿素水溶液が収容されていないこととなる。具体的には、尿素水タンク98内に、尿素水溶液Lとは異なる液体(具体的には、軽油など)が注入されている場合には、ΔVが閾値Qを上回ることとなる。さらに、尿素水タンク98内が空状態の場合には、より一層ΔVの値が大きくなる。
【0049】
そこで、予め、尿素水タンク98内が空状態のときに取得したΔVに基づいて閾値Rを設定しておけば、実測されたΔVの値が閾値Qを上回り、さらに閾値Rを上回ったときには、尿素水タンク98内が空状態であると判定することができる。一方、実測されたΔVが、閾値Qと閾値Rとの間の値となった場合には、尿素水タンク98内が空状態ではないが、尿素水タンク98内に、適正な尿素水溶液Lよりも熱伝導率の小さな液体(軽油など)が入っていると判定することができる。このように、尿素水タンク98内の異常をも検知することが可能となる。なお、このような異常検知も、尿素水溶液Lの状態検知の一態様である。
【0050】
以上、本発明のセンサを実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、前記実施形態の液体状態検知センサ100では、外筒電極10及び内筒電極20を設け、尿素水溶液Lの液面レベルを検知するようにしたが、本発明のセンサにおいては、外筒電極10及び内筒電極20を設けなくても良い。但し、この場合には、前述のように、尿素水溶液Lが空状態となつた場合の異常を検知するのが好ましい。
【0051】
また、前記液体状態検知センサ100では、発熱抵抗体117を含む導体層118を、Pt(白金)を主成分として形成したが、導体層118の材質はこれに限定されるものではなく、W(タングステン)等を主成分としても良い。さらに、導体層118中に、第1セラミック絶縁層111,第2セラミック絶縁層112を構成するセラミック成分(本実施形態ではアルミナ)が微量添加されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の端子金具付き液体状態検知素子の実施形態にかかる斜視図。
【図2】図1の端子金具付き液体状態検知素子を主面側から見た図(正面図)。
【図3】図2の素子の内部を説明する拡大破断正面図。
【図4】図1の端子金具付き液体状態検知素子を側面側から見た図、及びその素子の内部を説明用に誇張して示した拡大破断面図。
【図5】図4の分解図。
【図6】図1の端子金具付き液体状態検知素子のうちの端子金具(一対)の斜視図。
【図7】端子金具(一対)の別例を示す斜視図。
【図8】実施形態にかかる液体状態検知センサの一部破断面図。
【図9】液体状態検知センサの電気的な構成を示すブロック図。
【図10】通電時における発熱抵抗体の電圧Vの変動の一例を示すグラフ。
【図11】液体状態検知素子と端子金具との接合における問題点を説明する図。
【符号の説明】
【0053】
100 液体状態検知センサ
110 液体状態検知素子
111 第1セラミック絶縁層
111c 絶縁基体の一方の主面
112 第2セラミック絶縁層
112c 反対側の主面
114 外部端子(第1金属層)
117 発熱抵抗体
124 第2金属層
160 検知部
201、301 端子金具
203a 端子金具の素子側接合部
203b 端子金具の第2金属層用接合部
203c 素子側接合部と第2金属層用接合部との股部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を内部に封止してなる板状の絶縁基体の一方の主面に、前記発熱抵抗体に連なる外部端子である第1金属層を備えてなる液体状態検知素子と、
前記第1金属層に、素子側接合部を介してロウ付け又はハンダ付けにより接合されてなる端子金具とを備え、
前記液体状態検知素子には、前記第1金属層とは別に、前記一方の主面と反対側の主面に第2金属層が設けられている一方、
前記端子金具は、前記素子側接合部に加えて第2金属層用接合部を備えており、この第2金属層用接合部が前記第2金属層にロウ付け又はハンダ付けにより接合されてなることを特徴とする端子金具付き液体状態検知素子。
【請求項2】
前記第2金属層は、前記絶縁基体を介して、前記第1金属層に対向する部位に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の端子金具付き液体状態検知素子。
【請求項3】
前記液体状態検知素子は、第2金属層が第1金属層と電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の端子金具付き液体状態検知素子。
【請求項4】
前記液体状態検知素子は、第2金属層が第1金属層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子金具付き液体状態検知素子。
【請求項5】
前記端子金具における素子側接合部と第2金属層用接合部とが、前記液体状態検知素子をその両主面において挟み付けるように二股状に形成されていると共に、その股部が前記液体状態検知素子の端部に当接されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体状態検知素子。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の端子金具付き液体状態検知素子と、
前記発熱抵抗体への通電により、その発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される出力信号に基づいて、検知対象をなす液体の状態を検知する検知部と、を備えることを特徴とする液体状態検知センサ。
【請求項7】
前記液体が尿素水溶液である請求項6に記載の液体状態検知センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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