端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラム
【課題】端末を修復するために、画面転送のように端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、修復するオペレータをサポートする端末修復方法を提供する。
【解決手段】修復対象端末10の端末状況の入力をオペレータから受付け、入力された端末状況に基づいて、修復対象端末10の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出し、修復項目及び修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する。これに対して、修復対象端末10は、修復コードが入力されたことに応じて、修復コードをデコードし、修復項目及び修復設定値を取得して、取得した修復項目及び修復設定値に基づいて、端末状況の修復処理を実行する。
【解決手段】修復対象端末10の端末状況の入力をオペレータから受付け、入力された端末状況に基づいて、修復対象端末10の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出し、修復項目及び修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する。これに対して、修復対象端末10は、修復コードが入力されたことに応じて、修復コードをデコードし、修復項目及び修復設定値を取得して、取得した修復項目及び修復設定値に基づいて、端末状況の修復処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の修復を遠隔から行う際に使用する修復コードを利用する端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
このような高度なWebサービスや、高度なスマートフォンの機能を最大限、利用するには、スマートフォンに対する設定操作や機能を、ユーザは熟知する必要がある。さらに、操作に不慣れなユーザが、端末に対して、初めての設定を行うと、削除すべきでない設定を削除してしまったり、適切でない設定を行うことでエラーを発生させてしまう場合も多い。
【0004】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザ端末にログインして、設定内容を変えたり、設定操作を指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2では、携帯電話のカメラによる拡張現実を利用して、ユーザ端末の画面情報を転送し、リモートサポートを行うことが可能な技術が開示されている。
【0006】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【特許文献2】特開2011−34315号公報
【特許文献3】特開2009−15451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように、ユーザの画面情報を送信してリモートサポートを行う場合は、ユーザの個人情報が画面情報として転送されることで、オペレータ側にこの個人情報を視認されてしまう虞がある。すなわち、ユーザのユーザIDやパスワードや趣味のデータ等が他人であるオペレータに漏れてしまう場合がある。
【0009】
これに加えて、リモートログインのように、オペレータ端末からユーザ端末にログインさせて、ユーザ端末に対する操作をオペレータ側に許容してしまうと、オペレータはユーザ端末のデータ操作が自由になるため、ユーザが、気がつかないところでデータを複製されていたり、視認されている虞もある。このような不安がリモートサポートのシステムの爆発的な流行を妨げているとも考えられている。
【0010】
さらに、ユーザの画面情報を送信したり、リモートログインを行うリモートサポートでは、ユーザがオフラインでは、サポートを受けることができない。通信が必要なリモートサポートを受ける場合に、そもそも通信の問題が生じている場合には、問題を修復するための診断が開始できない場合もある。
【0011】
そこで、本発明者は、ユーザ端末の画面情報を転送しないで、かつ、ユーザがオフラインでも、オペレータ側でユーザ端末の修復を可能にするシステムのニーズが高いことに着目した。
【0012】
そこで、修復を行う際に、設定変更を行う値を数値や文字列を修復コードで表現し、修復コードをユーザ端末に入力して、設定変更を行う方法が開示されている(特許文献3)。この技術によれば、ユーザが設定変更の操作を直接的にすることが不可能であっても、修復コードを入力するだけで、設定を変更することが可能となる。
【0013】
しかしながら、特許文献3の方法では、オペレータが、修復項目、修復方法、変更する設定値の全てを理解していなければ、修復コードを生成することは不可能である。現状では、修復の対象となるユーザ端末の種類によって、修復項目、修復方法、変更する設定値が異なる場合が多い。
【0014】
例えば、無線LANを使用可能にするという設定において、端末Aでは「Wi−Fiの設定」という設定項目を「ON」にしなければ、無線LANを使用可能に設定することができない。一方、端末Bでは、「Wi−Fiの設定」という設定項目は存在せず、「ネットワーク設定」を「ON」にしておかなくては、無線LANを使用可能に設定することができない。オペレータは、このような設定を変更する項目(修復項目)や、設定変更する設定値を把握していなければ、修復を完了することができない。
【0015】
このように、修復の対象となるユーザ端末の種類によって、修復項目、修復方法、変更する設定値が異なる現状において、ユーザ端末の種類が多くなると、オペレータは、ユーザ端末の設定項目や設定変更すべき設定値の詳細までを、把握することが困難になる。この場合は、結果的に、修復コードを生成することが不可能になり、サポートを行うことができなくなる。そこで、オペレータによる修復コードの生成をサポートする修復コード生成方法を提供できることが望ましいことに、本発明者は着目した。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑み、ユーザ端末を修復するために、画面転送のようにユーザ端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、修復するオペレータをサポートする端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0018】
第1の特徴に係る発明は、修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復方法であって、
オペレータ端末は、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付けるステップと、
入力された前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出するステップと、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成するステップと、を実行し、
前記修復対象端末は、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップと、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行するステップと、を実行する端末修復方法を提供する。
【0019】
第1の特徴に係る発明によれば、オペレータ端末は、修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付け、入力された端末状況に基づいて、修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出し、修復項目及び修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する。そして、修復対象端末は、修復コードが入力されたことに応じて、修復コードをデコードし、修復項目及び修復設定値を取得し、取得した修復項目及び修復設定値に基づいて、端末状況の修復をする修復処理を実行する。
【0020】
したがって、ユーザ端末を修復するために、修復コードを利用するために、画面転送のようにユーザ端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、端末状況の入力で修復項目と修復設定値が抽出されることで、オペレータによる修復コードの生成をサポートする端末修復方法を提供することが可能となる。
【0021】
第1の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0022】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であることを前提として、前記修復対象端末は、前記修復コードが入力される前後のタイミングで、該当する修復項目及び前記修復設定値のバックアップを取得するステップを、さらに含む、端末修復方法を提供する。
【0023】
第2の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0024】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であることを前提として、前記修復コードは、前記修復項目に対応する修復結果を含み生成されることで、前記修復対象端末が前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップでは、前記修復結果を前記修復コードからデコードすることで、前記修復結果を取得し、さらに、
前記修復処理を実行するステップで実行した修復処理の修復結果を検証するステップを実行する端末修復方法を提供する。
【0025】
第3の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0026】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であることを前提として、
前記修復対象端末の機種が異なることで、端末状況を修復する目的が同一であっても、端末状況を修復する具体的な手段である修復項目が異なる場合に、前記抽出するステップでは、前記機種に対応する機種名の入力を受付けることで、該当する修復項目及び当該修復項目に対応する修復設定値を抽出する端末修復方法を提供する。
【0027】
第4の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザ端末を修復するために、画面転送のようにユーザ端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、オペレータをサポートする端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、修復コード生成システム1の全体構成図である。
【図2】図2は、修復対象端末10、オペレータ端末150の機能ブロック図である。
【図3】図3は、オペレータ端末150が実行する修復コード生成処理を示すフローチャート図である。
【図4】図4は、修復対象端末10が実行する修復実行処理を示すフローチャート図である。
【図5】図5は、オペレータ端末150に記憶される修復項目対応テーブルである。
【図6】図6は、修復対象端末10と、オペレータ端末150に記憶される修復コード対応テーブルである。
【図7】図7は、修復対象端末10と、オペレータ端末150に記憶される修復結果対応テーブルである。
【図8】図8は、修復コードの生成例を示す図である。
【図9】図9は、修復対象端末10に記憶される修復処理対応テーブルである。
【図10】図10は、オペレータ端末150に出力される端末状況と、推奨対応策の出力画面イメージ図である。
【図11】図11は、修復対象端末10に出力される修復コード入力画面の画面イメージ図である。
【図12】図12は、修復対象端末10に出力される修復完了の出力画面イメージ図である。
【図13】図13は、オペレータ端末150に記憶される端末機種別修復項目対応テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0031】
[修復コード生成システムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態である修復コード生成システム1のシステム構成図である。修復コード生成システム1は、修復対象端末10a、10b、10c(以下、単に「10」とする)、公衆回線網3(例えば、インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、オペレータ端末150(リモート端末)から構成される。後述するように、オペレータサーバ100は、必須の構成要素ではない。
【0032】
修復対象端末10と、オペレータ端末150又はオペレータサーバ100は、それぞれ公衆回線網3に接続されてよいが、修復対象端末10と、オペレータ端末150又はオペレータサーバ100がデータ通信可能であることが、本実施形態の必須要素ではない。
【0033】
修復対象端末10は、修復対象端末10b,10cのように、ローカルエリアネットワーク5により公衆回線網3と接続されていてよいし、修復対象端末10aのようにローカルエリアネットワーク5を介さずに、無線通信により基地局と電波を交信し、基地局から交換機に接続して、公衆回線網3に接続されていてもよい。
【0034】
修復対象端末10は、ユーザが利用する一般的な情報端末であってよく、通話機能を含め、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。修復対象端末10は、例えば、スマートフォン10a、スレート端末10b、パーソナルコンピュータ10c、携帯電話であってもよいし、家庭用電話機、ネットブック端末、電子書籍端末、電子辞書端末等の一般的な情報家電、テレビ、プリンタ、冷蔵庫、電話機等の家庭用電化製品であってもよい。
【0035】
オペレータ端末150は、修復対象端末10に対してサポートを行うオペレータが使用する一般的なパーソナルコンピュータ等の情報端末である。
【0036】
[各機能の説明]
図2は、修復対象端末10、オペレータ端末150の機能ブロックを示す図である。図2を参照して、各装置の機能とハードウェア構成について説明する。
【0037】
修復対象端末10は、修復対象となる端末であって、一般ユーザが使用する端末である。修復対象端末10は、制御部11、データ記憶部12、データ通信部13、タッチパネル入力部14、音声通信部15を備えていれば、家庭用電化製品、業務用電化製品、携帯端末、業務用端末のいずれであってもよい。
【0038】
本実施例における修復とは、修復対象端末10の設定を変更するための処理であってよいし、さらに、ハードウェア又はソフトウェアのプログラムやモジュールの欠陥を、新たなプログラムやモジュールをダウンロードして置換や更新をすることであってよい。
【0039】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、データ通信部13として、例えば、IEEE802.11に準拠したWi−Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。データ通信部13は、有線によるLAN接続であってもよい。
【0040】
データ記憶部12として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリ等のいずれか又は双方を備える。さらに、タッチパネル入力部14として、画像や文字のメッセージを表示する液晶モニタ等の表示部と、ユーザからの入力を受付けるキーボードやタッチパネル等の入力部を備える。タッチパネル入力部14が、音声入力の入力部を備えていてもよい。
【0041】
データ記憶部12には、後述する、修復結果対応テーブル、修復コード対応テーブル、修復処理対応テーブルが記憶されている。
【0042】
データ記憶部12には、修復対象となるデータやプログラムが記憶されている。修復対象となるデータとは、例えば、修復対象端末10の基本設定に関するデータが記述された基本設定データ30、Wi−Fi設定に関するデータが記述されたWi−Fi設定データ31、オペレーティングシステム(Operating System)の設定に関するデータが記述されたOS設定データ32、修復対象端末10で動作可能なハードウェアのドライバーであるドライバーモジュール33、修復対象端末10で動作可能なアプリケーションのためのプログラムであるアプリケーションプログラム34である。
【0043】
音声通信部15は、コミュニケーションを行う相手側(オペレータ)との発話をデジタル信号として受信し、ユーザが聴くことが可能となる音声データ受信出力機能と、ユーザの発話をデジタル信号として入力し音声データとして、相手側の電話機等に送信する音声データ送信機能を備える装置である。
【0044】
修復対象端末10は、制御部11がデータ記憶部12から所定のプログラムを読み出して、修復コードデコードモジュール20と修復実行モジュール21を実現する。
【0045】
オペレータ端末150は、ユーザをサポートするオペレータが使用する端末である。オペレータ端末150は、通常のパソコン等のコンピュータであってよい。オペレータ端末150のハードウェア構成は、修復対象端末10と同様であってよいので、説明を省略する。なお、オペレータ端末150の入力部154は、修復対象端末10と異なり、タッチパネルに限定されることなく、通常のキーボードやモニタであってよい。
【0046】
データ記憶部152には、後述する、修復項目対応テーブル、修復結果対応テーブル、修復コード対応テーブルが記憶されている。
【0047】
オペレータ端末150は、制御部151とデータ記憶部152の協働により、修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を実現する。オペレータ端末150は、制御部151と入力部154の協働により、端末状況入力受付モジュール162を実現する。
【0048】
オペレータサーバ100は、本発明の必須の構成要素ではないが、修復対象端末10とオペレータ端末150とのコミュニケーションを中継するサーバであってよい。オペレータサーバ100も、同様に、制御部、データ記憶部、データ通信部を備えて、制御部とデータ記憶部の協働により、修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を実現してよい。
【0049】
オペレータサーバ100が修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を実現する場合は、オペレータ端末150に、修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を備えなくてもよく、いわゆるSaaS(Software As A Service)型で本実施例が実現される。この場合、オペレータ端末150は、入出力端末として機能する。
【0050】
すなわち、オペレータ端末150で決定された端末状況に基づいて、オペレータサーバ100で動作する修復関連データ抽出モジュール160が、修復対象端末10の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出し、修復コード生成モジュール161が対応する修復コードを生成する。そして、その生成した修復コードを、オペレータ端末150に送信し、オペレータ端末150に出力する。
【0051】
[修復コード生成処理]
図3に基づいて、オペレータ端末150が実行する修復コード生成処理について説明する。最初に、オペレータ端末150の端末状況入力受付モジュール162は、端末状況を出力する(ステップS01)。端末状況とは、ユーザが修復対象端末10について解決したい端末の状況である。オペレータは、ユーザと電話等でトラブルの内容についての問合せを受ける。この問合せ内容から、トラブルの内容を端末状況として選択する。すなわち、オペレータ端末150には、多数のトラブルの内容が列挙されて出力され、そのトラブル内容に対して、オペレータがチェックボックス等にチェックを入れることで、端末状況が反映される。このトラブルの内容は、複数であってもよい。
【0052】
図10は、オペレータ端末150にて端末状況を出力した例を示す画面イメージ図である。ここで、端末状況41は、「Wi−Fiが接続できない」、「SSIDの設定をしていない」、「フライトモードになっている」等で構成されている。この図の例では、オペレータは、端末状況として、「Wi−Fiが接続できない」、「SSIDの設定をしていない」のチェックボックスに対してチェックを行なって選択している。ここで、SSIDとは、無線LANにおけるアクセスポイントの識別子であって、Service Set Identifierの略語である。
【0053】
このように、出力された端末状況に対して、オペレータが適切な端末状況を選択して、例えば、端末状況決定ボタン(図示せず)を押すことで、オペレータが分析した修復対象端末10の端末状況が決定される(ステップS02)。決定されると(ステップS02:「YES」)、ステップS03に処理を移す。この決定がされるまでは、処理待ちとなり、オペレータから端末状況の入力を受付け続ける(ステップS02:「NO」)。
【0054】
次に、オペレータ端末10の修復関連データ抽出モジュール160は、選択された端末状況に応じて、推奨対応策を出力する(ステップS03)。推奨対応策とは、修復項目対応テーブルに示すメッセージであり、選択された端末状況に応じた推奨対応策をこのテーブルから選択して、図10に示すように出力する。
【0055】
例えば、「Wi−Fiが接続できない」、「SSIDの設定をしていない」の端末状況に対応する推奨対応策は、それぞれ、「Wi−Fi設定をONにする」、「SSIDの設定をONにする」である。これらの修復処理は、修復対象端末10で実行するために、チェックボックスにチェックが入れてある。このチェックは、オペレータが解除することが可能であるように構成されていてもよいし、他の対応策を選択可能に構成されていてもよい。
【0056】
ここで、推奨対応策をオペレータが選択後に、推奨対応策決定ボタン(図示しない)を押すことで、ステップS04に処理を移す。すなわち、修復関連データ抽出モジュール160は、修復項目対応テーブルを参照して、修復項目を抽出する(ステップS04)。修復項目とは、修復対象端末10で設定されている設定状況の変更を行う項目である。端末状況「Wi−Fi設定をONにする」の例では、修復項目は、「Wi−Fi設定」が該当する。
【0057】
次に、修復関連データ抽出モジュール160は、修復項目対応テーブルを参照して、修復設定値を抽出する(ステップS05)。修復設定値とは、修復項目に対して設定する値である。端末状況「Wi−Fi設定をONにする」の例では、修復項目は、「Wi−Fi設定」であって、修復設定値は「ON」が該当する。
【0058】
なお、修復設定値は、オペレータからの入力を受けて、抽出されてもよい。すなわち、例えば、SSIDやIPアドレスの入力をオペレータから受付けて、この入力された値を設定値としてもよい。
【0059】
次に、オペレータ端末10の修復コード生成モジュール161は、修復コードを生成する(ステップS06)。一例として、図8に示すように、修復コードは、2進数、8Bitで構成され、4つの修復項目を含んでいるとする。4つの修復項目とは、図6の修復コード対応テーブルに示すように、「フライトモード設定」、「Wi−Fi設定」、「SSID設定」、「節電モード設定」である。図8では、各修復項目と修復コードの対応を示す。修復コード対応テーブルによると、「フライトモード設定」、「Wi−Fi設定」、「SSID設定」、「節電モード設定」という順番であるため、修復コードは、この順番で生成される。
【0060】
修復コードは、2桁毎で構成され、先の値は、修復項目がオペレータに選択されたか否かを示し「0」であると選択されていないことを示し、「1」であると選択されていることを示す。先の例では、オペレータが選択した修復項目は、「Wi−Fi設定」、「SSID設定」であるため、これらのビットが「1」となる。これに対して、選択されていない修復項目である「フライトモード設定」、「節電モード設定」は、ビットが「0」になる。
【0061】
これに対して、後の値は、コード設定値を示す。修復コード生成モジュール161は、選択された修復項目の修復項目毎に抽出された修復設定値に基づいて、図7の修復結果対応テーブルを参照して、コード設定値を決定する。例えば、修復項目「Wi−Fi設定」では、決定された修復設定値が「ON」であるから、修復結果対応テーブルによると、コード設定値は「1」である。したがって、修復コードの「Wi−Fi設定」の後ろの値は、「1」となる。
【0062】
このようにして、設定項目「SSID設定」も同様に処理することで、結果として、この場合の修復コードは、図8に示すように、「00111100」となり、これを16進数で表して、「3C」となる。次に、修復コード生成モジュール161は、図10に示すように、修復コード44を出力する。
【0063】
なお、上述のように修復設定値が「ON」、「OFF」等の「0」、「1」で区別できずに、1から100までの数値であったり、アルファベットの文字列であることもある(例えば、SSIDの文字列であったり、IPアドレスである場合)。この場合には、例えば、上記の「3C」コードの後に、16進数の文字列を加えた修復コードを生成して処理を行なうことで、これらの数値や文字列を修復コードとすることが可能である。
【0064】
[修復実行処理]
ここで、修復対象端末10とオペレータ端末150がデータ通信可能に接続されていない場合は、オペレータは、生成された修復コードを、修復対象端末10を操作するユーザに電話等で伝える。修復対象端末10には、図11に示すような修復コード入力画面が表示され、ユーザはオペレータから聞いた修復コードを、修復コード入力ウィンドウ51に入力し(ステップS10:「YES」)、ステップS11に処理を移す。なお、修復コードの入力があるまでは、処理待ちとなる(ステップS10:「NO」)。
【0065】
一方、修復対象端末10とオペレータ端末150がデータ通信可能に接続されている場合は、生成された修復コードを、オペレータ端末150が修復対象端末10に送信する(ステップS07)。修復対象端末10は、ユーザからの入力を待たずに、オペレータ端末150から受信した修復コードにより、修復コードを入力し(ステップS10:「YES」)、ステップS11に処理を移す。同様に、修復コードの入力があるまでは、処理待ちとなる(ステップS10:「NO」)。
【0066】
次に、修復対象端末10は、バックアップ処理を実行する(ステップS11)。ここで、バックアップ処理とは、修復コードによって設定状況の設定値が変更されるための、修復前の設定値をバックアップしておく処理である。例えば、修復コードに示される修復項目に該当する設定値のみをバックアップする。ここでバックアップされたデータを用いて、修復対象端末10は、修復完了もしくは修復未完了の出力された後の、任意のタイミングで、ロールバックを実行することが可能である。
【0067】
なお、バックアップ処理の実行タイミングは、ステップS11のように、修復コードの入力があった直後であってもよいし、修復コードの入力がされる前に、ユーザ等の操作に基づいて実行されてもよい。
【0068】
次に、修復対象端末10の修復コードデコードモジュール20は、修復コードをデコードして、修復項目と修復設定値を取得する(ステップS12)。修復対象端末10も、オペレータ端末150と同様に、修復コード対応テーブルと修復結果対応テーブルを記憶している。したがって、先の例(修復コードが、00111100)では、修復項目「Wi−Fi設定」の修復設定値が「ON」で、修復項目「SSID設定」の修復設定値が「ON」であるとデコードすることができる。
【0069】
次に、修復対象端末10の修復実行モジュール21は、修復処理を実行する(ステップS13)。修復実行モジュール21は、デコードして得た修復設定項目と修復設定値から、修復処理対応テーブルを参照し、修復モジュールを抽出する。そして、修復実行モジュール21は、修復モジュールを実行して、修復項目を修復する。上記の例では、修復実行モジュール21は、修復項目「Wi−Fi設定」に対応する修復モジュールAを起動し、設定状況「Wi−Fi設定」の設定を「ON」に変更する。
【0070】
次に、修復実行モジュール21は、修復結果に問題がないか否かを検証する(ステップS14)。すなわち、修復モジュールAの実行後に、対応する確認モジュールを実行する。確認モジュールとは、修復設定値の通りに、修復項目が設定されているか否かを確認するプログラムである。
【0071】
修復実行モジュール21は、修復結果に問題がないと判断した場合(ステップS14:「YES」)は、修復完了の出力を行う(ステップS15)。例えば、図12に示すように、ユーザに対して修復コードを入力した結果、修復が完了したことを出力する。一方、修復実行モジュール21は、修復結果に問題がないと判断した場合は、修復完了の出力を行う(ステップS15)。
【0072】
ここで、修復対象端末10がオペレータ端末150と通信可能に接続されている場合は、修復完了を通知する修復完了データをオペレータ端末150に送信する(ステップS16)。修復完了データを受信したオペレータ端末10は、修復が完了したことをオペレータに通知する。
【0073】
一方、修復実行モジュール21は、修復結果に問題があって、修復設定値に修復項目が設定されていないと判断した場合(ステップS14:「NO」)は、修復未完了の出力を行う(ステップS17)。同様に、修復対象端末10がオペレータ端末150と通信可能に接続されている場合は、修復完了ができなかったことを通知する修復未完了データをオペレータ端末150に送信する(ステップS18)。修復未完了データを受信したオペレータ端末10は、修復が完了できなかったことをオペレータに通知する。
【0074】
[機種によって修復項目が異なる場合]
上述の例では、図5の修復項目対応テーブルに示すように、端末状況と、それを設定する修復項目が一対一で対応していたが、修復対象端末10の機種が異なると、必ずしも、端末状況と修復項目が一対一で対応しないことがある。
【0075】
例えば、端末状況として「Wi−Fiが接続できない」に対して、端末Aでは、修復項目が「Wi−Fi設定」に対して、修復設定値を「ON」にすれば修復が可能であるが、端末Bでは、修復項目「ネットワーク設定」に対して、修復設定値を「ON」にすることで修復が可能である。また、端末Cでは、修復項目「インターネットセキュリティ設定」に対して、修復設定値を「中」にすることで修復が可能である。
【0076】
このように、修復対象端末10の機種が異なることで、端末状況を修復する目的が同一であっても、端末状況を修復する具体的な手段である修復項目が異なる場合がある。この場合には、修復対象端末10は、修復項目対応テーブルの代わりに、端末機種別修復項目対応テーブルを参照する。
【0077】
オペレータは、事前に修復対象端末10の機種名を、ユーザに電話で聞くか、登録ユーザID等を参照して、取得していなくてはならない。オペレータが、オペレータ端末150に端末機種名を入力することで、修復関連データ抽出モジュール160は、端末機種別修復項目対応テーブルを参照して、該当する修復項目及び当該修復項目に対応する修復設定値を抽出する。これ以降の処理は、修復コード生成処理のステップS06以降を、上述と同様に実行する。
【0078】
本処理により、オペレータが、修復対象端末10の機種名が異なるために、端末状況のトラブルを修復するための修復項目や修復設定値を知らない場合であっても、端末状況と機種名から端末毎の修復項目を抽出することで、結果的に、端末状況のトラブルを解決することが可能となる。
【0079】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 修復コード生成システム、3 公衆回線網、10 修復対象端末、100 オペレータサーバ、150 オペレータ端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の修復を遠隔から行う際に使用する修復コードを利用する端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
このような高度なWebサービスや、高度なスマートフォンの機能を最大限、利用するには、スマートフォンに対する設定操作や機能を、ユーザは熟知する必要がある。さらに、操作に不慣れなユーザが、端末に対して、初めての設定を行うと、削除すべきでない設定を削除してしまったり、適切でない設定を行うことでエラーを発生させてしまう場合も多い。
【0004】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザ端末にログインして、設定内容を変えたり、設定操作を指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2では、携帯電話のカメラによる拡張現実を利用して、ユーザ端末の画面情報を転送し、リモートサポートを行うことが可能な技術が開示されている。
【0006】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【特許文献2】特開2011−34315号公報
【特許文献3】特開2009−15451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように、ユーザの画面情報を送信してリモートサポートを行う場合は、ユーザの個人情報が画面情報として転送されることで、オペレータ側にこの個人情報を視認されてしまう虞がある。すなわち、ユーザのユーザIDやパスワードや趣味のデータ等が他人であるオペレータに漏れてしまう場合がある。
【0009】
これに加えて、リモートログインのように、オペレータ端末からユーザ端末にログインさせて、ユーザ端末に対する操作をオペレータ側に許容してしまうと、オペレータはユーザ端末のデータ操作が自由になるため、ユーザが、気がつかないところでデータを複製されていたり、視認されている虞もある。このような不安がリモートサポートのシステムの爆発的な流行を妨げているとも考えられている。
【0010】
さらに、ユーザの画面情報を送信したり、リモートログインを行うリモートサポートでは、ユーザがオフラインでは、サポートを受けることができない。通信が必要なリモートサポートを受ける場合に、そもそも通信の問題が生じている場合には、問題を修復するための診断が開始できない場合もある。
【0011】
そこで、本発明者は、ユーザ端末の画面情報を転送しないで、かつ、ユーザがオフラインでも、オペレータ側でユーザ端末の修復を可能にするシステムのニーズが高いことに着目した。
【0012】
そこで、修復を行う際に、設定変更を行う値を数値や文字列を修復コードで表現し、修復コードをユーザ端末に入力して、設定変更を行う方法が開示されている(特許文献3)。この技術によれば、ユーザが設定変更の操作を直接的にすることが不可能であっても、修復コードを入力するだけで、設定を変更することが可能となる。
【0013】
しかしながら、特許文献3の方法では、オペレータが、修復項目、修復方法、変更する設定値の全てを理解していなければ、修復コードを生成することは不可能である。現状では、修復の対象となるユーザ端末の種類によって、修復項目、修復方法、変更する設定値が異なる場合が多い。
【0014】
例えば、無線LANを使用可能にするという設定において、端末Aでは「Wi−Fiの設定」という設定項目を「ON」にしなければ、無線LANを使用可能に設定することができない。一方、端末Bでは、「Wi−Fiの設定」という設定項目は存在せず、「ネットワーク設定」を「ON」にしておかなくては、無線LANを使用可能に設定することができない。オペレータは、このような設定を変更する項目(修復項目)や、設定変更する設定値を把握していなければ、修復を完了することができない。
【0015】
このように、修復の対象となるユーザ端末の種類によって、修復項目、修復方法、変更する設定値が異なる現状において、ユーザ端末の種類が多くなると、オペレータは、ユーザ端末の設定項目や設定変更すべき設定値の詳細までを、把握することが困難になる。この場合は、結果的に、修復コードを生成することが不可能になり、サポートを行うことができなくなる。そこで、オペレータによる修復コードの生成をサポートする修復コード生成方法を提供できることが望ましいことに、本発明者は着目した。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑み、ユーザ端末を修復するために、画面転送のようにユーザ端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、修復するオペレータをサポートする端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0018】
第1の特徴に係る発明は、修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復方法であって、
オペレータ端末は、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付けるステップと、
入力された前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出するステップと、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成するステップと、を実行し、
前記修復対象端末は、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップと、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行するステップと、を実行する端末修復方法を提供する。
【0019】
第1の特徴に係る発明によれば、オペレータ端末は、修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付け、入力された端末状況に基づいて、修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出し、修復項目及び修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する。そして、修復対象端末は、修復コードが入力されたことに応じて、修復コードをデコードし、修復項目及び修復設定値を取得し、取得した修復項目及び修復設定値に基づいて、端末状況の修復をする修復処理を実行する。
【0020】
したがって、ユーザ端末を修復するために、修復コードを利用するために、画面転送のようにユーザ端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、端末状況の入力で修復項目と修復設定値が抽出されることで、オペレータによる修復コードの生成をサポートする端末修復方法を提供することが可能となる。
【0021】
第1の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0022】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であることを前提として、前記修復対象端末は、前記修復コードが入力される前後のタイミングで、該当する修復項目及び前記修復設定値のバックアップを取得するステップを、さらに含む、端末修復方法を提供する。
【0023】
第2の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0024】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であることを前提として、前記修復コードは、前記修復項目に対応する修復結果を含み生成されることで、前記修復対象端末が前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップでは、前記修復結果を前記修復コードからデコードすることで、前記修復結果を取得し、さらに、
前記修復処理を実行するステップで実行した修復処理の修復結果を検証するステップを実行する端末修復方法を提供する。
【0025】
第3の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0026】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であることを前提として、
前記修復対象端末の機種が異なることで、端末状況を修復する目的が同一であっても、端末状況を修復する具体的な手段である修復項目が異なる場合に、前記抽出するステップでは、前記機種に対応する機種名の入力を受付けることで、該当する修復項目及び当該修復項目に対応する修復設定値を抽出する端末修復方法を提供する。
【0027】
第4の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて端末修復方法のみならず、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザ端末を修復するために、画面転送のようにユーザ端末の個人情報の漏洩の虞がなく、かつ、オフラインでも修復が可能であって、かつ、オペレータをサポートする端末修復方法、端末修復システム、及び、端末修復システム用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、修復コード生成システム1の全体構成図である。
【図2】図2は、修復対象端末10、オペレータ端末150の機能ブロック図である。
【図3】図3は、オペレータ端末150が実行する修復コード生成処理を示すフローチャート図である。
【図4】図4は、修復対象端末10が実行する修復実行処理を示すフローチャート図である。
【図5】図5は、オペレータ端末150に記憶される修復項目対応テーブルである。
【図6】図6は、修復対象端末10と、オペレータ端末150に記憶される修復コード対応テーブルである。
【図7】図7は、修復対象端末10と、オペレータ端末150に記憶される修復結果対応テーブルである。
【図8】図8は、修復コードの生成例を示す図である。
【図9】図9は、修復対象端末10に記憶される修復処理対応テーブルである。
【図10】図10は、オペレータ端末150に出力される端末状況と、推奨対応策の出力画面イメージ図である。
【図11】図11は、修復対象端末10に出力される修復コード入力画面の画面イメージ図である。
【図12】図12は、修復対象端末10に出力される修復完了の出力画面イメージ図である。
【図13】図13は、オペレータ端末150に記憶される端末機種別修復項目対応テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0031】
[修復コード生成システムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態である修復コード生成システム1のシステム構成図である。修復コード生成システム1は、修復対象端末10a、10b、10c(以下、単に「10」とする)、公衆回線網3(例えば、インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、オペレータ端末150(リモート端末)から構成される。後述するように、オペレータサーバ100は、必須の構成要素ではない。
【0032】
修復対象端末10と、オペレータ端末150又はオペレータサーバ100は、それぞれ公衆回線網3に接続されてよいが、修復対象端末10と、オペレータ端末150又はオペレータサーバ100がデータ通信可能であることが、本実施形態の必須要素ではない。
【0033】
修復対象端末10は、修復対象端末10b,10cのように、ローカルエリアネットワーク5により公衆回線網3と接続されていてよいし、修復対象端末10aのようにローカルエリアネットワーク5を介さずに、無線通信により基地局と電波を交信し、基地局から交換機に接続して、公衆回線網3に接続されていてもよい。
【0034】
修復対象端末10は、ユーザが利用する一般的な情報端末であってよく、通話機能を含め、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。修復対象端末10は、例えば、スマートフォン10a、スレート端末10b、パーソナルコンピュータ10c、携帯電話であってもよいし、家庭用電話機、ネットブック端末、電子書籍端末、電子辞書端末等の一般的な情報家電、テレビ、プリンタ、冷蔵庫、電話機等の家庭用電化製品であってもよい。
【0035】
オペレータ端末150は、修復対象端末10に対してサポートを行うオペレータが使用する一般的なパーソナルコンピュータ等の情報端末である。
【0036】
[各機能の説明]
図2は、修復対象端末10、オペレータ端末150の機能ブロックを示す図である。図2を参照して、各装置の機能とハードウェア構成について説明する。
【0037】
修復対象端末10は、修復対象となる端末であって、一般ユーザが使用する端末である。修復対象端末10は、制御部11、データ記憶部12、データ通信部13、タッチパネル入力部14、音声通信部15を備えていれば、家庭用電化製品、業務用電化製品、携帯端末、業務用端末のいずれであってもよい。
【0038】
本実施例における修復とは、修復対象端末10の設定を変更するための処理であってよいし、さらに、ハードウェア又はソフトウェアのプログラムやモジュールの欠陥を、新たなプログラムやモジュールをダウンロードして置換や更新をすることであってよい。
【0039】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、データ通信部13として、例えば、IEEE802.11に準拠したWi−Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。データ通信部13は、有線によるLAN接続であってもよい。
【0040】
データ記憶部12として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリ等のいずれか又は双方を備える。さらに、タッチパネル入力部14として、画像や文字のメッセージを表示する液晶モニタ等の表示部と、ユーザからの入力を受付けるキーボードやタッチパネル等の入力部を備える。タッチパネル入力部14が、音声入力の入力部を備えていてもよい。
【0041】
データ記憶部12には、後述する、修復結果対応テーブル、修復コード対応テーブル、修復処理対応テーブルが記憶されている。
【0042】
データ記憶部12には、修復対象となるデータやプログラムが記憶されている。修復対象となるデータとは、例えば、修復対象端末10の基本設定に関するデータが記述された基本設定データ30、Wi−Fi設定に関するデータが記述されたWi−Fi設定データ31、オペレーティングシステム(Operating System)の設定に関するデータが記述されたOS設定データ32、修復対象端末10で動作可能なハードウェアのドライバーであるドライバーモジュール33、修復対象端末10で動作可能なアプリケーションのためのプログラムであるアプリケーションプログラム34である。
【0043】
音声通信部15は、コミュニケーションを行う相手側(オペレータ)との発話をデジタル信号として受信し、ユーザが聴くことが可能となる音声データ受信出力機能と、ユーザの発話をデジタル信号として入力し音声データとして、相手側の電話機等に送信する音声データ送信機能を備える装置である。
【0044】
修復対象端末10は、制御部11がデータ記憶部12から所定のプログラムを読み出して、修復コードデコードモジュール20と修復実行モジュール21を実現する。
【0045】
オペレータ端末150は、ユーザをサポートするオペレータが使用する端末である。オペレータ端末150は、通常のパソコン等のコンピュータであってよい。オペレータ端末150のハードウェア構成は、修復対象端末10と同様であってよいので、説明を省略する。なお、オペレータ端末150の入力部154は、修復対象端末10と異なり、タッチパネルに限定されることなく、通常のキーボードやモニタであってよい。
【0046】
データ記憶部152には、後述する、修復項目対応テーブル、修復結果対応テーブル、修復コード対応テーブルが記憶されている。
【0047】
オペレータ端末150は、制御部151とデータ記憶部152の協働により、修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を実現する。オペレータ端末150は、制御部151と入力部154の協働により、端末状況入力受付モジュール162を実現する。
【0048】
オペレータサーバ100は、本発明の必須の構成要素ではないが、修復対象端末10とオペレータ端末150とのコミュニケーションを中継するサーバであってよい。オペレータサーバ100も、同様に、制御部、データ記憶部、データ通信部を備えて、制御部とデータ記憶部の協働により、修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を実現してよい。
【0049】
オペレータサーバ100が修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を実現する場合は、オペレータ端末150に、修復関連データ抽出モジュール160、修復コード生成モジュール161を備えなくてもよく、いわゆるSaaS(Software As A Service)型で本実施例が実現される。この場合、オペレータ端末150は、入出力端末として機能する。
【0050】
すなわち、オペレータ端末150で決定された端末状況に基づいて、オペレータサーバ100で動作する修復関連データ抽出モジュール160が、修復対象端末10の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出し、修復コード生成モジュール161が対応する修復コードを生成する。そして、その生成した修復コードを、オペレータ端末150に送信し、オペレータ端末150に出力する。
【0051】
[修復コード生成処理]
図3に基づいて、オペレータ端末150が実行する修復コード生成処理について説明する。最初に、オペレータ端末150の端末状況入力受付モジュール162は、端末状況を出力する(ステップS01)。端末状況とは、ユーザが修復対象端末10について解決したい端末の状況である。オペレータは、ユーザと電話等でトラブルの内容についての問合せを受ける。この問合せ内容から、トラブルの内容を端末状況として選択する。すなわち、オペレータ端末150には、多数のトラブルの内容が列挙されて出力され、そのトラブル内容に対して、オペレータがチェックボックス等にチェックを入れることで、端末状況が反映される。このトラブルの内容は、複数であってもよい。
【0052】
図10は、オペレータ端末150にて端末状況を出力した例を示す画面イメージ図である。ここで、端末状況41は、「Wi−Fiが接続できない」、「SSIDの設定をしていない」、「フライトモードになっている」等で構成されている。この図の例では、オペレータは、端末状況として、「Wi−Fiが接続できない」、「SSIDの設定をしていない」のチェックボックスに対してチェックを行なって選択している。ここで、SSIDとは、無線LANにおけるアクセスポイントの識別子であって、Service Set Identifierの略語である。
【0053】
このように、出力された端末状況に対して、オペレータが適切な端末状況を選択して、例えば、端末状況決定ボタン(図示せず)を押すことで、オペレータが分析した修復対象端末10の端末状況が決定される(ステップS02)。決定されると(ステップS02:「YES」)、ステップS03に処理を移す。この決定がされるまでは、処理待ちとなり、オペレータから端末状況の入力を受付け続ける(ステップS02:「NO」)。
【0054】
次に、オペレータ端末10の修復関連データ抽出モジュール160は、選択された端末状況に応じて、推奨対応策を出力する(ステップS03)。推奨対応策とは、修復項目対応テーブルに示すメッセージであり、選択された端末状況に応じた推奨対応策をこのテーブルから選択して、図10に示すように出力する。
【0055】
例えば、「Wi−Fiが接続できない」、「SSIDの設定をしていない」の端末状況に対応する推奨対応策は、それぞれ、「Wi−Fi設定をONにする」、「SSIDの設定をONにする」である。これらの修復処理は、修復対象端末10で実行するために、チェックボックスにチェックが入れてある。このチェックは、オペレータが解除することが可能であるように構成されていてもよいし、他の対応策を選択可能に構成されていてもよい。
【0056】
ここで、推奨対応策をオペレータが選択後に、推奨対応策決定ボタン(図示しない)を押すことで、ステップS04に処理を移す。すなわち、修復関連データ抽出モジュール160は、修復項目対応テーブルを参照して、修復項目を抽出する(ステップS04)。修復項目とは、修復対象端末10で設定されている設定状況の変更を行う項目である。端末状況「Wi−Fi設定をONにする」の例では、修復項目は、「Wi−Fi設定」が該当する。
【0057】
次に、修復関連データ抽出モジュール160は、修復項目対応テーブルを参照して、修復設定値を抽出する(ステップS05)。修復設定値とは、修復項目に対して設定する値である。端末状況「Wi−Fi設定をONにする」の例では、修復項目は、「Wi−Fi設定」であって、修復設定値は「ON」が該当する。
【0058】
なお、修復設定値は、オペレータからの入力を受けて、抽出されてもよい。すなわち、例えば、SSIDやIPアドレスの入力をオペレータから受付けて、この入力された値を設定値としてもよい。
【0059】
次に、オペレータ端末10の修復コード生成モジュール161は、修復コードを生成する(ステップS06)。一例として、図8に示すように、修復コードは、2進数、8Bitで構成され、4つの修復項目を含んでいるとする。4つの修復項目とは、図6の修復コード対応テーブルに示すように、「フライトモード設定」、「Wi−Fi設定」、「SSID設定」、「節電モード設定」である。図8では、各修復項目と修復コードの対応を示す。修復コード対応テーブルによると、「フライトモード設定」、「Wi−Fi設定」、「SSID設定」、「節電モード設定」という順番であるため、修復コードは、この順番で生成される。
【0060】
修復コードは、2桁毎で構成され、先の値は、修復項目がオペレータに選択されたか否かを示し「0」であると選択されていないことを示し、「1」であると選択されていることを示す。先の例では、オペレータが選択した修復項目は、「Wi−Fi設定」、「SSID設定」であるため、これらのビットが「1」となる。これに対して、選択されていない修復項目である「フライトモード設定」、「節電モード設定」は、ビットが「0」になる。
【0061】
これに対して、後の値は、コード設定値を示す。修復コード生成モジュール161は、選択された修復項目の修復項目毎に抽出された修復設定値に基づいて、図7の修復結果対応テーブルを参照して、コード設定値を決定する。例えば、修復項目「Wi−Fi設定」では、決定された修復設定値が「ON」であるから、修復結果対応テーブルによると、コード設定値は「1」である。したがって、修復コードの「Wi−Fi設定」の後ろの値は、「1」となる。
【0062】
このようにして、設定項目「SSID設定」も同様に処理することで、結果として、この場合の修復コードは、図8に示すように、「00111100」となり、これを16進数で表して、「3C」となる。次に、修復コード生成モジュール161は、図10に示すように、修復コード44を出力する。
【0063】
なお、上述のように修復設定値が「ON」、「OFF」等の「0」、「1」で区別できずに、1から100までの数値であったり、アルファベットの文字列であることもある(例えば、SSIDの文字列であったり、IPアドレスである場合)。この場合には、例えば、上記の「3C」コードの後に、16進数の文字列を加えた修復コードを生成して処理を行なうことで、これらの数値や文字列を修復コードとすることが可能である。
【0064】
[修復実行処理]
ここで、修復対象端末10とオペレータ端末150がデータ通信可能に接続されていない場合は、オペレータは、生成された修復コードを、修復対象端末10を操作するユーザに電話等で伝える。修復対象端末10には、図11に示すような修復コード入力画面が表示され、ユーザはオペレータから聞いた修復コードを、修復コード入力ウィンドウ51に入力し(ステップS10:「YES」)、ステップS11に処理を移す。なお、修復コードの入力があるまでは、処理待ちとなる(ステップS10:「NO」)。
【0065】
一方、修復対象端末10とオペレータ端末150がデータ通信可能に接続されている場合は、生成された修復コードを、オペレータ端末150が修復対象端末10に送信する(ステップS07)。修復対象端末10は、ユーザからの入力を待たずに、オペレータ端末150から受信した修復コードにより、修復コードを入力し(ステップS10:「YES」)、ステップS11に処理を移す。同様に、修復コードの入力があるまでは、処理待ちとなる(ステップS10:「NO」)。
【0066】
次に、修復対象端末10は、バックアップ処理を実行する(ステップS11)。ここで、バックアップ処理とは、修復コードによって設定状況の設定値が変更されるための、修復前の設定値をバックアップしておく処理である。例えば、修復コードに示される修復項目に該当する設定値のみをバックアップする。ここでバックアップされたデータを用いて、修復対象端末10は、修復完了もしくは修復未完了の出力された後の、任意のタイミングで、ロールバックを実行することが可能である。
【0067】
なお、バックアップ処理の実行タイミングは、ステップS11のように、修復コードの入力があった直後であってもよいし、修復コードの入力がされる前に、ユーザ等の操作に基づいて実行されてもよい。
【0068】
次に、修復対象端末10の修復コードデコードモジュール20は、修復コードをデコードして、修復項目と修復設定値を取得する(ステップS12)。修復対象端末10も、オペレータ端末150と同様に、修復コード対応テーブルと修復結果対応テーブルを記憶している。したがって、先の例(修復コードが、00111100)では、修復項目「Wi−Fi設定」の修復設定値が「ON」で、修復項目「SSID設定」の修復設定値が「ON」であるとデコードすることができる。
【0069】
次に、修復対象端末10の修復実行モジュール21は、修復処理を実行する(ステップS13)。修復実行モジュール21は、デコードして得た修復設定項目と修復設定値から、修復処理対応テーブルを参照し、修復モジュールを抽出する。そして、修復実行モジュール21は、修復モジュールを実行して、修復項目を修復する。上記の例では、修復実行モジュール21は、修復項目「Wi−Fi設定」に対応する修復モジュールAを起動し、設定状況「Wi−Fi設定」の設定を「ON」に変更する。
【0070】
次に、修復実行モジュール21は、修復結果に問題がないか否かを検証する(ステップS14)。すなわち、修復モジュールAの実行後に、対応する確認モジュールを実行する。確認モジュールとは、修復設定値の通りに、修復項目が設定されているか否かを確認するプログラムである。
【0071】
修復実行モジュール21は、修復結果に問題がないと判断した場合(ステップS14:「YES」)は、修復完了の出力を行う(ステップS15)。例えば、図12に示すように、ユーザに対して修復コードを入力した結果、修復が完了したことを出力する。一方、修復実行モジュール21は、修復結果に問題がないと判断した場合は、修復完了の出力を行う(ステップS15)。
【0072】
ここで、修復対象端末10がオペレータ端末150と通信可能に接続されている場合は、修復完了を通知する修復完了データをオペレータ端末150に送信する(ステップS16)。修復完了データを受信したオペレータ端末10は、修復が完了したことをオペレータに通知する。
【0073】
一方、修復実行モジュール21は、修復結果に問題があって、修復設定値に修復項目が設定されていないと判断した場合(ステップS14:「NO」)は、修復未完了の出力を行う(ステップS17)。同様に、修復対象端末10がオペレータ端末150と通信可能に接続されている場合は、修復完了ができなかったことを通知する修復未完了データをオペレータ端末150に送信する(ステップS18)。修復未完了データを受信したオペレータ端末10は、修復が完了できなかったことをオペレータに通知する。
【0074】
[機種によって修復項目が異なる場合]
上述の例では、図5の修復項目対応テーブルに示すように、端末状況と、それを設定する修復項目が一対一で対応していたが、修復対象端末10の機種が異なると、必ずしも、端末状況と修復項目が一対一で対応しないことがある。
【0075】
例えば、端末状況として「Wi−Fiが接続できない」に対して、端末Aでは、修復項目が「Wi−Fi設定」に対して、修復設定値を「ON」にすれば修復が可能であるが、端末Bでは、修復項目「ネットワーク設定」に対して、修復設定値を「ON」にすることで修復が可能である。また、端末Cでは、修復項目「インターネットセキュリティ設定」に対して、修復設定値を「中」にすることで修復が可能である。
【0076】
このように、修復対象端末10の機種が異なることで、端末状況を修復する目的が同一であっても、端末状況を修復する具体的な手段である修復項目が異なる場合がある。この場合には、修復対象端末10は、修復項目対応テーブルの代わりに、端末機種別修復項目対応テーブルを参照する。
【0077】
オペレータは、事前に修復対象端末10の機種名を、ユーザに電話で聞くか、登録ユーザID等を参照して、取得していなくてはならない。オペレータが、オペレータ端末150に端末機種名を入力することで、修復関連データ抽出モジュール160は、端末機種別修復項目対応テーブルを参照して、該当する修復項目及び当該修復項目に対応する修復設定値を抽出する。これ以降の処理は、修復コード生成処理のステップS06以降を、上述と同様に実行する。
【0078】
本処理により、オペレータが、修復対象端末10の機種名が異なるために、端末状況のトラブルを修復するための修復項目や修復設定値を知らない場合であっても、端末状況と機種名から端末毎の修復項目を抽出することで、結果的に、端末状況のトラブルを解決することが可能となる。
【0079】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 修復コード生成システム、3 公衆回線網、10 修復対象端末、100 オペレータサーバ、150 オペレータ端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復方法であって、
オペレータ端末は、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付けるステップと、
入力された前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出するステップと、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成するステップと、を実行し、
前記修復対象端末は、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップと、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行するステップと、
を実行する端末修復方法。
【請求項2】
前記修復対象端末は、前記修復コードが入力される前後のタイミングで、該当する修復項目及び前記修復設定値のバックアップを取得するステップを、さらに含む、請求項1に記載の端末修復方法。
【請求項3】
前記修復コードは、前記修復項目に対応する修復結果を含み生成されることで、前記修復対象端末が前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップでは、前記修復結果を前記修復コードからデコードすることで、前記修復結果を取得し、さらに、
前記修復処理を実行するステップで実行した修復処理の修復結果を検証するステップを実行する請求項1に記載の端末修復方法。
【請求項4】
前記修復対象端末の機種が異なることで、端末状況を修復する目的が同一であっても、端末状況を修復する具体的な手段である修復項目が異なる場合に、前記抽出するステップでは、前記機種に対応する機種名の入力を受付けることで、該当する修復項目及び当該修復項目に対応する修復設定値を抽出する請求項1に記載の端末修復方法。
【請求項5】
修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復システムであって、
オペレータ端末は、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付ける端末状況入力受付手段と、
前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出する修復関連データ抽出手段と、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する修復コード生成手段と、を備え、
前記修復対象端末は、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得する修復コードデコード手段と、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行する修復実行手段と、
を備える端末修復システム。
【請求項6】
修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復システム用プログラムであって、
オペレータ端末を、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付ける端末状況入力受付手段、
前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出する修復関連データ抽出手段、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する修復コード生成手段、として機能させるためのオペレータ用プログラムと、
前記修復対象端末を、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得する修復コードデコード手段、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行する修復実行手段、として機能させるための修復対象端末用プログラムと、
から構成される端末修復システム用プログラム。
【請求項1】
修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復方法であって、
オペレータ端末は、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付けるステップと、
入力された前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出するステップと、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成するステップと、を実行し、
前記修復対象端末は、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップと、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行するステップと、
を実行する端末修復方法。
【請求項2】
前記修復対象端末は、前記修復コードが入力される前後のタイミングで、該当する修復項目及び前記修復設定値のバックアップを取得するステップを、さらに含む、請求項1に記載の端末修復方法。
【請求項3】
前記修復コードは、前記修復項目に対応する修復結果を含み生成されることで、前記修復対象端末が前記修復項目及び前記修復設定値を取得するステップでは、前記修復結果を前記修復コードからデコードすることで、前記修復結果を取得し、さらに、
前記修復処理を実行するステップで実行した修復処理の修復結果を検証するステップを実行する請求項1に記載の端末修復方法。
【請求項4】
前記修復対象端末の機種が異なることで、端末状況を修復する目的が同一であっても、端末状況を修復する具体的な手段である修復項目が異なる場合に、前記抽出するステップでは、前記機種に対応する機種名の入力を受付けることで、該当する修復項目及び当該修復項目に対応する修復設定値を抽出する請求項1に記載の端末修復方法。
【請求項5】
修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復システムであって、
オペレータ端末は、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付ける端末状況入力受付手段と、
前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出する修復関連データ抽出手段と、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する修復コード生成手段と、を備え、
前記修復対象端末は、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得する修復コードデコード手段と、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行する修復実行手段と、
を備える端末修復システム。
【請求項6】
修復対象端末の設定状況を変更することで端末状況を修復する端末修復システム用プログラムであって、
オペレータ端末を、
前記修復対象端末の端末状況の入力をオペレータから受付ける端末状況入力受付手段、
前記端末状況に基づいて、前記修復対象端末の端末状況を修復するための修復項目及び、当該修復項目に対応して修復される値である修復設定値を抽出する修復関連データ抽出手段、
前記修復項目及び前記修復設定値を少なくとも含む修復コードを生成する修復コード生成手段、として機能させるためのオペレータ用プログラムと、
前記修復対象端末を、
前記修復コードが入力されたことに応じて、前記修復コードをデコードし、前記修復項目及び前記修復設定値を取得する修復コードデコード手段、
取得した前記修復項目及び前記修復設定値に基づいて、前記端末状況の修復をする修復処理を実行する修復実行手段、として機能させるための修復対象端末用プログラムと、
から構成される端末修復システム用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−84077(P2013−84077A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222569(P2011−222569)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(500132694)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(500132694)
【Fターム(参考)】
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