説明

端末装置、ウェブページ表示方法、およびコンピュータプログラム

【課題】画像形成装置などの装置ごとのウェブページのカスタマイズを従来よりも容易に行う。
【解決手段】端末装置2に次の手段を設ける。画像形成装置1それぞれの状態確認ページ40の個別クッキー50を記憶する個別クッキー記憶部23Aと、状態確認ページ40のうちのいずれかについて指定されたカスタマイズの内容である指定内容を示すデフォルトクッキー51を記憶するデフォルトクッキー記憶部23Bと、いずれかの状態確認ページ40が指定されたが、指定された状態確認ページ40の個別クッキー50が個別クッキー記憶部23Aに記憶されていない場合に、この個別クッキー50として、デフォルトクッキー51に示される内容を示すクッキーを生成し個別クッキー記憶部23Aに記憶させる、個別クッキー生成部234と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページを表示する装置および方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、スキャナ、FAX、ネットワークプリンタ、およびドキュメントサーバなどの機能が備わった、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる画像形成装置が普及している。
【0003】
画像形成装置には、さらに、ウェブサーバの機能が備わるようになった。そして、画像形成装置の状態を示すウェブページ(以下、「状態確認ページ」と記載する。)を配信するようになった。ユーザは、端末装置のウェブブラウザによって状態確認ページへアクセスし、画像形成装置の状態を確認したり設定値を変更したりすることができる。
【0004】
NAS(Network Attached Storage)およびダイアルアップルータなどの機器も同様に、ウェブサーバの機能を備え、状態確認ページを端末装置へ配信するようになった。
【0005】
また、従来、専用のアプリケーションの設定は変更(カスタマイズ)を行うことができたが(特許文献1)、最近は、状態確認ページなどのウェブページも、ユーザの好みに応じてカスタマイズすることができるようになった(特許文献2)。ウェブページのカスタマイズの内容(設定値)は、クッキーとして端末装置に保存される。そして、再びその状態確認ページへアクセスする際にウェブページのカスタマイズのために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−25906号公報
【特許文献2】特開2009−251754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、画像形成装置が複数台、同一のLAN(Local Area Network)などのネットワークに設置されるようになった。ユーザは、複数台の画像形成装置を適宜、使い分けることができる。さらに、ユーザは、それぞれの画像形成装置の状態確認ページへアクセスし、それぞれの画像形成装置の状態を確認したり設定値を変更したりすることができる。
【0008】
ウェブブラウザは、それぞれの画像形成装置の状態確認ページを別々のウェブページとして取り扱う。よって、ある画像形成装置の状態確認ページをカスタマイズしても、他の画像形成装置の状態確認ページはカスタマイズされない。したがって、ユーザは、画像形成装置ごとにカスタマイズの操作を行わなければならず、面倒である。NASおよびルータなどの機器の状態確認ページにも、同様の課題がある。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、画像形成装置などの装置ごとのウェブページのカスタマイズを従来よりも容易に行うことができるようにすることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態に係る端末装置は、特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態で、ディスプレイに表示させる端末装置であって、前記複数台の処理装置のそれぞれの前記ウェブページのうちのいずれかについて指定されたカスタマイズの内容である指定内容を示すカスタマイズデータを記憶するカスタマイズデータ記憶手段と、前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる、クッキー生成手段と、を有する。
【0011】
好ましくは、前記クッキー記憶手段に記憶されている前記クッキーそれぞれの識別子を記憶する識別子記憶手段と、前記複数台の処理装置のそれぞれの前記ウェブページのうちの1つのウェブページカスタマイズに伴って当該1つのウェブページの前記クッキーが更新された場合に、前記クッキー一覧データに前記識別子が示される、当該1つのウェブページ以外の前記ウェブページそれぞれの前記クッキーおよび前記カスタマイズデータを当該カスタマイズの内容を示すように更新する、クッキー等更新手段と、を有する。
【0012】
または、前記クッキー記憶手段は、1つの前記ウェブページについて前記クッキーをユーザごとに記憶することができ、前記ディスプレイには、前記ウェブページが、前記ユーザのうちの当該端末装置を使用しているユーザの前記クッキーに基づいてカスタマイズされた形態で表示され、前記カスタマイズデータ記憶手段には、前記カスタマイズデータとして、前記ユーザごとに、当該ユーザによって指定された前記指定内容を示すカスタマイズデータを記憶し、前記クッキー生成手段は、前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが前記ユーザによって指定されたが、当該指定されたウェブページの当該ユーザの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、当該ユーザの前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる。
【0013】
または、前記複数台の処理装置のそれぞれは2つ以上のグループのうちの1つのグループに属しており、前記カスタマイズデータ記憶手段には、前記カスタマイズデータとして、前記グループごとに前記カスタマイズデータを記憶し、前記クッキー生成手段は、前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、当該ウェブページに係る処理装置の属する前記グループの前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる。
【0014】
本発明の他の形態に係る端末装置は、特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態で、ディスプレイに表示させる端末装置であって、前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、前記クッキー記憶手段に記憶されている前記クッキーのうち、当該指定されたウェブページに係る前記処理装置に最も機能が近い処理装置のクッキーに示される前記指定内容を示すクッキーを新たに生成し当該指定されたウェブページのクッキーとして前記クッキー記憶手段に記憶させる、クッキー生成手段、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、画像形成装置などの装置ごとのウェブページのカスタマイズを従来よりも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ネットワークシステムの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像形成装置の機能的構成の例を示す図である。
【図4】状態確認ページの例を示す図である。
【図5】端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図6】状態確認用スクリプトによって実現される機能的構成の例を示す図である。
【図7】変更ダイアログの例を示す図である。
【図8】状態確認ページへの初めてのアクセスおよびカスタマイズの処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【図9】カスタマイズの内容が入力された変更ダイアログの例を示す図である。
【図10】個別クッキーの例を示す図である。
【図11】カスタマイズされた状態確認ページの例を示す図である。
【図12】デフォルトクッキーの例を示す図である。
【図13】ある画像形成装置の状態確認ページへのアクセスの後に他の画像形成装置の状態確認ページへ端末装置が初めてアクセスする際の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【図14】デフォルトクッキーに基づいて生成された個別クッキーの例を示す図である。
【図15】状態確認用スクリプトによる端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図16】状態確認用スクリプトによる端末装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図17】デフォルトクッキーの変形例を示す図である。
【図18】状態確認ページへの初めてのアクセスおよびカスタマイズの処理の流れの変形例を説明するシーケンス図である。
【図19】ある画像形成装置の状態確認ページへのアクセスの後に他の画像形成装置の状態確認ページへ端末装置が初めてアクセスする際の処理の流れの変形例を説明するシーケンス図である。
【図20】個別クッキーの生成を画像形成装置で行う場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【図21】状態確認ページ表示スクリプトによって実芸される機能的構成の例を示す図である。
【図22】個別クッキーの生成を画像形成装置で行う場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【図23】既存の個別クッキーに基づいて画像形成装置において状態確認ページをカスタマイズする場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【図24】個別クッキーの生成を画像形成装置で行う場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、ネットワークシステム1NSの全体的な構成の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。図4は、状態確認ページ40の例を示す図である。図5は、端末装置2のハードウェア構成の例を示す図である。図6は、状態確認用スクリプト203によって実現される機能的構成の例を示す図である。図7は、変更ダイアログ41の例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、ネットワークシステム1NSは、複数台の画像形成装置1、端末装置2、および通信回線3などによって構成される。各画像形成装置1と端末装置2とは、通信回線3を介して繋がれている。通信回線3として、いわゆるLAN(Local Area Network)回線、公衆回線、またはインターネットなどが用いられる。以下、各画像形成装置1を「画像形成装置1A」、「画像形成装置1B」、「画像形成装置1C」、…と区別して記載することがある。
【0019】
画像形成装置1は、一般に「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる装置であって、コピー、ファックス、スキャン、ネットワークプリント、およびファイルサーバなどの機能を集約した装置である。
【0020】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、スキャナユニット10e、印刷ユニット10f、ネットワークインタフェース10g、タッチパネルディスプレイ10h、モデム10i、およびフィニッシャ10jのほか制御用の回路などによって構成される。
【0021】
ネットワークインタフェース10gは、通信回線3を介して端末装置2などの装置を相手にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルで通信を行う。ネットワークインタフェース10gとして、例えばNIC(Network Interface Card)が用いられる。
【0022】
タッチパネルディスプレイ10hは、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが処理の指令および条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0023】
スキャナユニット10eは、用紙に記されている写真、文字、絵、図表などからなる画像を読み取って画像データを生成する。
【0024】
モデム10iは、固定電話網を介してファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りするための装置である。
【0025】
印刷ユニット10fは、スキャナユニット10eによって読み取られた画像のほか、端末装置2またはファックス端末などから受信した画像データに示される画像を印刷する。
【0026】
フィニッシャ10jは、印刷ユニット10fによって画像が印刷された印刷物に対して仕上げの処理、例えば、ステープルで印刷物を綴じる処理またはパンチ穴を開ける処理を行う。
【0027】
ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、オペレーティングシステムおよびアプリケーションなどのソフトウェアがインストールされている。これらのソフトウェアの1つとして、ウェブサーバ用のソフトウェアがある。ソフトウェアを構成するモジュールは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
【0028】
オペレーティングシステムによると、図3に示すMFP機能制御部101およびプロトコル制御部102が実現される。MFP機能制御部101は、画像形成装置1の全体的な制御を行う。プロトコル制御部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)およびSNMP(Simple Network Management Protocol)などのプロトコルによる通信の制御を行う。
【0029】
また、ウェブサーバ用のソフトウェアによると、ウェブサービスアプリ制御部103が実現される。ウェブサービスアプリ制御部103は、種々のアプリケーションと連携し、種々のウェブページを再現するためのファイルを端末装置2へ配信する。以下、状態確認ページ40のファイルを端末装置2へ配信する場合を例に説明する。
【0030】
状態確認ページ40は、画像形成装置1の状態をユーザに確認させるためのウェブページである。本実施形態では、図4のように、5つの領域40a〜40eからなるウェブページが状態確認ページ40として用いられる。
【0031】
領域40aには、OKボタンおよびカスタマイズボタンなどのボタンが配置される。領域40b〜40eには、画像形成装置1の各種の状態が示される。クッキー(Cookie)に基づかない場合、つまり、デフォルトでは、領域40b、40c、40d、および40eには、それぞれ、印刷ユニット10fの給紙トレイの用紙の残りの状態(用紙状態)、印刷ユニット10fのトナーの残りの状態(トナー状態)、受け付けたジョブの状態(ジョブ状態)、および各ハードウェアの稼働の状態(ハードウェア稼働状態)が示される。
【0032】
状態確認ページ40は、クッキーに基づいてカスタマイズされて液晶ディスプレイ20gに表示される。これについては、後述する。
【0033】
図1に戻って、端末装置2は、画像形成装置1のサービスを受けるクライアントである。端末装置2として、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、またはスマートフォンなどが用いられる。以下、端末装置2としてパーソナルコンピュータが用いられる場合を例に、説明する。
【0034】
端末装置2は、図5に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、大容量記憶装置20d、キーボード20e、ポインティングデバイス20f、液晶ディスプレイ20g、およびネットワークインタフェース20hなどによって構成される。
【0035】
キーボード20eおよびポインティングデバイス20fは、ユーザが指令およびデータを端末装置2に対して入力するための装置である。ポインティングデバイス20fとして、マウスまたはトラックパッドなどが用いられる。
【0036】
液晶ディスプレイ20gには、画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10hと同様、種々の画面が表示される。本実施形態では、特に、状態確認ページ40のほか、後述する変更ダイアログ41が表示される。
【0037】
ROM20cまたは大容量記憶装置20dには、図6に示すように、オペレーティングシステム201およびウェブブラウザ202などのソフトウェアがインストールされている。これらのソフトウェアは、必要に応じてRAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。大容量記憶装置20dとして、HDDまたはSDDなどが用いられる。
【0038】
さらに、端末装置2には、画像形成装置1から、状態確認用スクリプト203がダウンロードされる。状態確認用スクリプト203は、状態確認ページ40をクッキーに基づいてカスタマイズして表示するためのスクリプトである。状態確認用スクリプト203は、ウェブブラウザ202による解釈が可能な言語、例えばHTML(Hypertext Markup Language)およびJava(登録商標)Scriptなどによって記述されている。したがって、状態確認用スクリプト203は、ウェブブラウザ202によって解釈されCPU20aによって実行される。
【0039】
状態確認用スクリプト203によると、全体制御部231、状態確認ページ表示処理部232、変更ダイアログ表示処理部233、個別クッキー生成部234、デフォルトクッキー生成部235、個別クッキー更新部236、デフォルトクッキー更新部237、クッキーリスト生成部238、およびクッキーリスト更新部239などが実現される。
【0040】
全体制御部231は、状態確認ページ40をクッキーに基づいてカスタマイズして表示するために状態確認ページ表示処理部232ないしデフォルトクッキー更新部237を制御する。つまり、全体の制御の処理を行う。全体制御部231の処理は、後にフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
状態確認ページ表示処理部232は、状態確認ページ40をクッキーに基づいて生成し、液晶ディスプレイ20gに表示させる。クッキーは、後述するように、画像形成装置1ごとに個別に生成され記憶される。以下、個別のクッキーを「個別クッキー50」と記載する。状態確認ページ表示処理部232は、原則として、アクセス先の画像形成装置1のクッキーに基づいて状態確認ページ40を生成する。
【0042】
変更ダイアログ表示処理部233は、図7のような変更ダイアログ41を液晶ディスプレイ20gに表示させる。ユーザは、状態確認ページ40を、変更ダイアログ41によってカスタマイズすることができる。
【0043】
具体的には、変更ダイアログ41には、状態確認ページ40の領域40b〜40eそれぞれの設定値を変更するためのプルダウンメニューなどのオブジェクトが配置されている。ユーザは、これらのオブジェクトを操作することによって、領域40b〜40eそれぞれに表示させる情報および表示に使用するフォントのサイズを指定する。
【0044】
個別クッキー生成部234は、変更ダイアログ41に指定された内容または後述するデフォルトクッキー51に基づいて個別クッキー50を生成する。
【0045】
デフォルトクッキー生成部235は、変更ダイアログ41に指定された内容に基づいてデフォルトクッキー51を生成する。デフォルトクッキー51の生成および使用については、後に順次説明する。
【0046】
個別クッキー更新部236は、変更ダイアログ41に指定された内容に基づいて個別クッキー50を更新する。
【0047】
デフォルトクッキー更新部237は、変更ダイアログ41に指定された内容に基づいてデフォルトクッキー51を更新する。
【0048】
クッキーリスト生成部238は、個別クッキー50の一覧であるクッキーリスト52を生成する。
【0049】
クッキーリスト更新部239は、新たに個別クッキー50が生成されるごとに、この個別クッキー50の識別子が示されるようにクッキーリスト52を更新する。
【0050】
図8は、状態確認ページ40への初めてのアクセスおよびカスタマイズの処理の流れの例を説明するシーケンス図である。図9は、カスタマイズの内容が入力された変更ダイアログ41の例を示す図である。図10は、個別クッキー50の例を示す図である。図11は、カスタマイズされた状態確認ページ40の例を示す図である。図12は、デフォルトクッキー51の例を示す図である。図13は、ある画像形成装置1の状態確認ページ40へのアクセスの後に他の画像形成装置1の状態確認ページ40へ端末装置2が初めてアクセスする際の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。図14は、デフォルトクッキー51に基づいて生成された個別クッキー50の例を示す図である。
【0051】
ここで、いずれの画像形成装置1にもアクセスしたことがなかった端末装置2が初めて画像形成装置1Aにアクセスする場合の処理の流れと、その後に端末装置2が初めて画像形成装置1Bにアクセスする場合の処理の流れとを、シーケンス図を参照しながら説明する。
【0052】
図8において、ユーザは、画像形成装置1Aの状態を確認する必要が生じたら、端末装置2のウェブブラウザ202を起動する。そして、画像形成装置1Aの状態確認ページ40のURL(Uniform Resource Locator)を入力する。URLには、状態確認ページ40を取得する際に用いるプロトコル、画像形成装置1Aのアドレス、および状態確認ページ40のパスが示される。例えば、画像形成装置1Aのアドレスが「192.168.1.101」であり、状態確認ページ40のパスが「inf/status.htm」である場合は、ユーザは、URLとして「http://192.168.1.101/inf/status.htm」を入力する。
【0053】
ウェブブラウザ202は、このURLを受け付けると(#721)、このURLに基づいて画像形成装置1Aへアクセスし、HTTPリクエストを送信することによって、状態確認ページ40のファイルを要求する(#722)。
【0054】
画像形成装置1Aは、要求(HTTPリクエスト)を受け付けると(#701)、状態確認用スクリプト203を状態確認ページ40を表示するためのファイルとして端末装置2へ送信する(#702)。
【0055】
端末装置2のウェブブラウザ202は、状態確認用スクリプト203を受信すると(#723)、状態確認用スクリプト203に基づいて状態確認ページ40の表示の処理を開始する(#724)。
【0056】
状態確認ページ表示処理部232は、アクセス先つまり画像形成装置1Aの個別クッキー50の有無を確認する(#725)。ここでは、未だいずれの画像形成装置1にもアクセスしたことない場合を例にしているので、端末装置2は、画像形成装置1Aの個別クッキー50を有しない。
【0057】
画像形成装置1Aの個別クッキー50がない場合は、状態確認ページ表示処理部232は、さらに、デフォルトクッキー51の有無を確認する(#726)。デフォルトクッキー51は、後に図13で説明する通り、個別クッキー50に示される設定値をコピーすることによって生成される。端末装置2は未だ1台の画像形成装置1にもアクセスしたことないので、デフォルトクッキー51を有しない。
【0058】
デフォルトクッキー51もない場合は、状態確認ページ表示処理部232は、カスタマイズを行うことなく、つまり、図4に示したようにデフォルトの形態で、状態確認ページ40を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#727)。
【0059】
ここで、ユーザは、状態確認ページ40によって画像形成装置1Aの種々の事項の状態を確認することができる。さらに、ユーザは、状態確認ページ40のカスタマイズを所望する場合は、「カスタマイズ」ボタンを押す。
【0060】
変更ダイアログ表示処理部233は、「カスタマイズ」ボタンが押されたことを検知すると(#728)、変更ダイアログ41(図7参照)を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#729)。
【0061】
ここで、ユーザは、状態確認ページ40の領域40b〜40eそれぞれに表示させる情報および表示に使用するフォントのサイズを指定する。
【0062】
個別クッキー生成部234は、変更ダイアログ41に指定された内容を受け付けると(#730)、これに基づいて画像形成装置1Aの個別クッキー50を生成し個別クッキー記憶部23Aに保存する(#731)。個別クッキー50には、変更ダイアログ41に指定された内容のほか、現在アクセスしている状態確認ページ40のURLが示される。
【0063】
例えば、図9に示すようにユーザが指定した場合は、個別クッキー生成部234は、図10に示す内容の個別クッキー50を生成する。
【0064】
個別クッキー記憶部23Aは、ウェブブラウザ202に予め設定された、大容量記憶装置10dに設けられているファイルまたはフォルダである。個別クッキー記憶部23Aがフォルダである場合は、個別クッキー50は、1つのファイルとして個別クッキー記憶部23Aに保存される。一方、個別クッキー記憶部23Aがファイルである場合は、個別クッキー50は、テキストデータまたはバイナリデータとして個別クッキー記憶部23Aに書き込まれる。
【0065】
そして、状態確認ページ表示処理部232は、生成された個別クッキー50に基づいて、図11のように、ユーザが指定した通りに状態確認ページ40を表示し直す(#732)。
【0066】
個別クッキー50の生成の処理と前後してまたは並行して、デフォルトクッキー生成部235は、図12のような、変更ダイアログ41に指定された状態確認ページ40の設定の内容を示すデフォルトクッキー51を生成し、大容量記憶装置10dにデフォルトクッキー記憶部23Bを設け、デフォルトクッキー51をデフォルトクッキー記憶部23Bに保存する(#733)。
【0067】
クッキーリスト生成部238は、今回生成した個別クッキー50の識別子を示すクッキーリスト52を生成し、大容量記憶装置10dにクッキーリスト記憶部23Cを設け、クッキーリスト52をクッキーリスト記憶部23Cに保存する(#734)。本実施形態では、個別クッキー50の識別子として、現在アクセスしている状態確認ページ40のURLが用いられる。
【0068】
その後、ユーザは、画像形成装置1Bの状態を確認する必要が生じたら、画像形成装置1Bの状態確認ページ40のURLをウェブブラウザ202に入力する。
【0069】
すると、画像形成装置1Bおよび端末装置2は、図13に示す手順で処理を実行する。なお、ステップ#751〜#752および#761〜#766の処理は、図8で説明したステップ#701〜#702および#721〜#726の処理と同様である。
【0070】
ウェブブラウザ202は、ユーザが入力したURLを受け付けると(#761)、このURLに基づいて画像形成装置1Bへアクセスし、状態確認ページ40のファイルを要求する(#762)。
【0071】
画像形成装置1Bは、要求を受け付けると(#751)、状態確認用スクリプト203を状態確認ページ40を表示するためのファイルとして端末装置2へ送信する(#752)。
【0072】
端末装置2のウェブブラウザ202は、状態確認用スクリプト203を受信すると(#763)、状態確認ページ40の表示の処理を開始する(#764)。
【0073】
状態確認ページ表示処理部232は、アクセス先つまり画像形成装置1Bの個別クッキー50の有無を確認する(#765)。画像形成装置1Bの状態確認ページ40へのアクセスは初めてなので、端末装置2は、画像形成装置1Bの個別クッキー50を有しない。
【0074】
画像形成装置1Bの個別クッキー50がない場合は、状態確認ページ表示処理部232は、さらに、デフォルトクッキー51の有無を確認する(#766)。図8で説明した通り、先に画像形成装置1Aにアクセスした際に、デフォルトクッキー51が生成されデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶された。したがって、端末装置2は、デフォルトクッキー51を有する。
【0075】
個別クッキー生成部234は、図14のような、デフォルトクッキー51に示される状態確認ページ40の設定の内容および画像形成装置1Bの状態確認ページ40のURLなどを示す個別クッキー50を生成し、個別クッキー記憶部23Aに保存する(#767)。
【0076】
クッキーリスト更新部239は、生成された個別クッキー50の識別子つまり現在アクセスしている状態確認ページ40のURLをクッキーリスト52に追記する(#768)。
【0077】
クッキーリスト52への追記の処理と前後してまたは並行して、状態確認ページ表示処理部232は、生成された個別クッキー50に基づいて状態確認ページ40を表示し直す(#769)。これにより、画像形成装置1Aの状態確認ページ40に対して以前に行われたカスタマイズが画像形成装置1Bの状態確認ページ40に対しても行われる。
【0078】
ここで、ユーザは、画像形成装置1Bの種々の事項の状態を確認することができる。さらに、ユーザは、状態確認ページ40のカスタマイズを所望する場合は、「カスタマイズ」ボタンを押す。
【0079】
変更ダイアログ表示処理部233は、「カスタマイズ」ボタンが押されたことを検知すると(#770)、変更ダイアログ41(図7参照)を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#771)。
【0080】
ここで、ユーザは、状態確認ページ40の領域40b〜40eそれぞれに表示させる情報および表示に使用するフォントのサイズを指定する。
【0081】
変更ダイアログ41に指定された内容を受け付けると(#772)、個別クッキー更新部236は、クッキーリスト52に示される各個別クッキー50を、受け付けた内容が示されるように更新する(#773)。デフォルトクッキー更新部237も同様に、デフォルトクッキー51を、受け付けた内容が示されるように更新する(#774)。
【0082】
そして、状態確認ページ表示処理部232は、更新された画像形成装置1Bの個別クッキー50に基づいて、ユーザが指定した通りに状態確認ページ40を表示し直す(#775)。
【0083】
図15および図16は、状態確認用スクリプト203による端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0084】
次に、全体制御部231による状態確認ページ表示処理部232ないしクッキーリスト更新部239の制御の処理の手順を、画像形成装置1Cの状態確認ページ40へアクセスする場合を例に、図15および図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0085】
全体制御部231は、画像形成装置1Cの個別クッキー50が個別クッキー記憶部23Aに記憶されているか否かを、状態確認ページ表示処理部232に確認させる(#501)。
【0086】
画像形成装置1Cの個別クッキー50が記憶されている場合は(#502でYes)、全体制御部231は、この個別クッキー50に基づいて状態確認ページ40を生成し表示するように状態確認ページ表示処理部232を制御する(#506)。
【0087】
画像形成装置1Cの個別クッキー50が記憶されていない場合は(#502でNo)、全体制御部231は、デフォルトクッキー51がデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されているか否かを状態確認ページ表示処理部232に確認させる(#503)。
【0088】
デフォルトクッキー51が記憶されている場合は(#504でYes)、全体制御部231は、個別クッキー生成部234に、デフォルトクッキー51に示される設定値をコピーするなどして画像形成装置1Cの個別クッキー50を生成させる(#505)。クッキーリスト更新部239に、この個別クッキー50の識別子として画像形成装置1Cの状態確認ページ40のURLをクッキーリスト52に書き込ませる(#506)。なお、未だクッキーリスト52がない場合は、クッキーリスト更新部239にクッキーリスト52を生成させ、クッキーリスト記憶部23Cに記憶させる。そして、この個別クッキー50に基づいて状態確認ページ40を生成し表示するように状態確認ページ表示処理部232を制御する(#507)。
【0089】
デフォルトクッキー51が記憶されていない場合は(#504でNo)、全体制御部231は、デフォルトの状態の状態確認ページ40を生成し表示するように状態確認ページ表示処理部232を制御する(#508)。
【0090】
状態確認ページ40の表示後、ユーザが「カスタマイズ」ボタンを押したことを検知すると(#509でYes)、全体制御部231は、変更ダイアログ41を表示するように変更ダイアログ表示処理部233を制御する(図16の#510)。
【0091】
ここで、ユーザは、状態確認ページ40をカスタマイズすることができる。全体制御部231は、ユーザが入力したカスタマイズの内容を受け付けると(#511)、個別クッキー50およびデフォルトクッキー51の生成または更新の処理を次のように各部に実行させる。
【0092】
画像形成装置1Cの個別クッキー50が個別クッキー記憶部23Aに記憶されている場合は(#512でYes)、全体制御部231は、個別クッキー更新部236に、受け付けたカスタマイズの内容が示されるように画像形成装置1Cの個別クッキー50を更新させる(#513)。
【0093】
一方、画像形成装置1Cの個別クッキー50が記憶されていない場合は(#512でNo)、全体制御部231は、個別クッキー生成部234に、受け付けたカスタマイズの内容および画像形成装置1Cの状態確認ページ40のURLを示す個別クッキー50を生成させる(#514)。生成された個別クッキー50は、個別クッキー記憶部23Aに記憶される。
【0094】
そして、全体制御部231は、生成されまたは更新された個別クッキー50に基づいて状態確認ページ40を生成し表示するように状態確認ページ表示処理部232を制御する(#515)。
【0095】
また、画像形成装置1C以外の画像形成装置1の個別クッキー50が個別クッキー記憶部23Aに記憶されている場合は(#516でYes)、個別クッキー更新部236に、受け付けたカスタマイズの内容が示されるようにこれらの個別クッキー50を更新させる(#517)。なお、これらの個別クッキー50の有無は、クッキーリスト記憶部23Cに記憶されているクッキーリスト52を参照すれば分かる。
【0096】
また、デフォルトクッキー51がデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されている場合は(#518でYes)、デフォルトクッキー更新部237に、受け付けたカスタマイズの内容が示されるように個別クッキー50を更新させる(#519)。
【0097】
一方、デフォルトクッキー51が記憶されていない場合は(#518でNo)、全体制御部231は、デフォルトクッキー生成部235に、受け付けたカスタマイズの内容を示すデフォルトクッキー51を生成させる(#520)。生成されたデフォルトクッキー51は、デフォルトクッキー記憶部23Bに記憶される。
【0098】
本実施形態によると、画像形成装置1ごとの状態確認ページ40のカスタマイズを従来よりも容易に行うことができる。
【0099】
〔1台の端末装置2を複数のユーザが共用する場合の変形例〕
図17は、デフォルトクッキー51の変形例を示す図である。
【0100】
従来、端末装置2のオペレーティングシステム201およびウェブブラウザ202によっては、ユーザごとのユーザアカウントを設け複数のユーザで端末装置2を共用することができる場合がある。この場合は、ユーザごとに種々の設定値が端末装置2に保存される。個別クッキー記憶部23Aも、ユーザごとに設けられる。そして、状態確認ページ40をはじめウェブページへのアクセスによって生成されるクッキーが、アクセスしたユーザのために生成され、そのユーザの個別クッキー記憶部23Aに個別クッキー50として記憶される。なお、ユーザは、他のユーザの個別クッキー記憶部23Aへのアクセスが禁止されている。このような環境においては、ユーザごとに状態確認ページ40のカスタマイズを行うことができる。
【0101】
この場合は、端末装置2において、状態確認用スクリプト203として、図15および図16で説明した処理を次のように行うためのスクリプトが、用いられる。
【0102】
<1> 状態確認ページ40のURLが指定された際の処理
端末装置2は、ステップ#501において、端末装置2に現在ログインしているユーザの個別クッキー記憶部23Aにこの状態確認ページ40の個別クッキー50が記憶されているか否かを確認する。他のユーザの個別クッキー記憶部23Aに記憶されているか否かは、確認しない。以下、端末装置2に現在ログインしているユーザを「ログインユーザ」と記載する。
【0103】
この状態確認ページ40の個別クッキー50がログインユーザの個別クッキー記憶部23Aに記憶されていなければ(#502でNo)、端末装置2は、ステップ#503において、ログインユーザのユーザアカウントの識別子を示すデフォルトクッキー51がデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されているか否かを確認する。以下、ユーザアカウントの識別子を「ユーザID」と記載する。他のユーザのユーザIDを示すデフォルトクッキー51の有無は確認しない。
【0104】
個別クッキー50の有無の確認の結果およびデフォルトクッキー51の有無の確認の結果は、ログインユーザがそのURLを初めて指定したか否かおよび他の状態確認ページ40のURLを指定したことがあるか否かによる。これらの結果に応じて、次の処理が実行される。
【0105】
<2> ログインユーザが初めて指定するURLに基づいて状態確認ページ40にアクセスし、かつ、ログインユーザが他の状態確認ページ40のURLを過去に指定したことがない場合
この場合は、ログインユーザの個別クッキー記憶部23Aには、この状態確認ページ40の個別クッキー50は未だ記憶されていない。さらに、ログインユーザのユーザIDを示すデフォルトクッキー51もデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されていない。
【0106】
端末装置2は、ログインユーザが変更ダイアログ41で指定した内容をステップ#510、#511において受け付けると、ステップ#514において、受け付けた内容を示すクッキーを生成し、アクセス先の状態確認ページ40の個別クッキー50として、ログインユーザの個別クッキー記憶部23Aに保存する。さらに、ステップ#520において、受け付けた内容およびログインユーザのユーザIDを示すデフォルトクッキー51を生成しデフォルトクッキー記憶部23Bに保存する。
【0107】
<3> ログインユーザが初めて指定するURLに基づいて状態確認ページ40にアクセスし、かつ、ログインユーザが他の状態確認ページ40のURLを過去に指定したことがある場合
この場合は、ログインユーザの個別クッキー記憶部23Aには、この状態確認ページ40の個別クッキー50は記憶されていない。しかし、ログインユーザのユーザIDを示すデフォルトクッキー51がデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されている。
【0108】
そこで、端末装置2は、ステップ#505において、このデフォルトクッキー51に示される状態確認ページ40の設定の内容をコピーするなどして個別クッキー50を生成し、ログインユーザの個別クッキー記憶部23Aに保存する。これにより、ステップ#507において、端末装置2は、生成した個別クッキー50に基づいてこの状態確認ページ40をカスタマイズして表示する。
【0109】
その後、端末装置2は、ログインユーザが変更ダイアログ41で指定した内容をステップ#510、#511において受け付けると、ステップ#515、#517において、ログインユーザの個別クッキー記憶部23Aに記憶されている、この状態確認ページ40および他の状態確認ページ40それぞれの個別クッキー50を、受け付けた内容が示されるように更新する。さらに、ステップ#519において、ログインユーザのユーザIDを示すデフォルトクッキー51を、受け付けた内容が示されるように更新する。
【0110】
<4> ログインユーザが過去に指定したことがあるURLが再び指定された場合
この場合は、このURLに係る状態確認ページ40の個別クッキー50が既にログインユーザの個別クッキー記憶部23Aに記憶されている。よって、ステップ#507において、端末装置2は、この個別クッキー50に基づいてこの状態確認ページ40をカスタマイズして表示する。
【0111】
〔複数の機種の画像形成装置1が設けられている場合の第一の変形例〕
図18は、状態確認ページ40への初めてのアクセスおよびカスタマイズの処理の流れの変形例を説明するシーケンス図である。図19は、ある画像形成装置1の状態確認ページ40へのアクセスの後に他の画像形成装置1の状態確認ページ40へ端末装置2が初めてアクセスする際の処理の流れの変形例を説明するシーケンス図である。
【0112】
ネットワークシステム1NSに複数の機種の画像形成装置1が設けられる場合がある。機種が異なると機能が異なるので、設定できる事項および内容も異なる。そうすると、状態確認ページ40のデザインが異なる。
【0113】
この場合は、端末装置2において、状態確認用スクリプト203として、図18および図19に示す処理を行うためのスクリプトが、用いられる。
【0114】
いずれの画像形成装置1にもアクセスしたことがなかった端末装置2が初めて画像形成装置1Aにアクセスする場合は、端末装置2において、図18に示す手順で処理が実行される。
【0115】
端末装置2は、画像形成装置1Aの状態確認ページ40のURLの入力を受け付けると(図18の#821)、このURLに基づいて画像形成装置1Aへアクセスし、状態確認ページ40のファイルを要求する(#822)。画像形成装置1Aは、要求を受け付けると(#801)、状態確認用スクリプト203を状態確認ページ40を表示するためのファイルとして端末装置2へ送信する(#802)。
【0116】
端末装置2は、状態確認用スクリプト203を受信すると(#823)、状態確認用スクリプト203に基づいて状態確認ページ40の表示の処理を開始する(#824)。
【0117】
端末装置2は、アクセス先つまり画像形成装置1Aの個別クッキー50の有無を確認する(#825)。ここでは、未だいずれの画像形成装置1にもアクセスしたことない場合を例にしているので、端末装置2は、画像形成装置1Aの個別クッキー50を有しない。
【0118】
画像形成装置1Aの個別クッキー50がない場合は、端末装置2は、他の画像形成装置1の個別クッキー50のうち、画像形成装置1Aに機能が最も近い画像形成装置1の個別クッキー50を検索する(#826)。
【0119】
他の画像形成装置1の個別クッキー50の存在は、クッキーリスト52によって確認することができる。ただし、この時点では未だクッキーリスト52が存在しないので、端末装置2は、他の画像形成装置1の個別クッキー50がないと判別する。
【0120】
また、機能の類似性は、画像形成装置1Aのスペックと他の画像形成装置1のスペックとを比較することによって求めることができる。または、画像形成装置1Aの状態確認ページ40に設けられている項目(タグ)と他の画像形成装置1の状態確認ページ40に設けられている項目とを比較し、共通する項目の個数を類似度として算出してもよい。スペックまたは項目の情報は、予め各画像形成装置1に用意しておいてもよいし、必要に応じて、各画像形成装置1へ問い合わせることによって取得してもよい。
【0121】
画像形成装置1Aの個別クッキー50も他の画像形成装置1の個別クッキー50もない場合は、端末装置2は、カスタマイズを行うことなく、つまり、図4に示したようにデフォルトの形態で、状態確認ページ40を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#827)。
【0122】
ユーザは、状態確認ページ40のカスタマイズを所望する場合は、「カスタマイズ」ボタンを押す。
【0123】
端末装置2は、「カスタマイズ」ボタンが押されたことを検知すると(#828)、変更ダイアログ41(図7参照)を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#829)。
【0124】
ここで、ユーザは、状態確認ページ40の領域40b〜40eそれぞれに表示させる情報および表示に使用するフォントのサイズを指定する。
【0125】
端末装置2は、変更ダイアログ41に指定された内容を受け付けると(#830)、これに基づいて画像形成装置1Aの個別クッキー50を生成し個別クッキー記憶部23Aに保存する(#831)。なお、本例では、デフォルトクッキー51を生成しない。
【0126】
そして、端末装置2は、生成した個別クッキー50に基づいて、ユーザが指定した通りに状態確認ページ40を表示し直す(#832)。
【0127】
端末装置2は、今回生成した個別クッキー50の識別子(状態確認ページ40のURL)を示すクッキーリスト52を生成し、大容量記憶装置10dにクッキーリスト記憶部23Cを設け、クッキーリスト52をクッキーリスト記憶部23Cに保存する(#833)。
【0128】
その後、ユーザは、画像形成装置1Bの状態を確認する必要が生じたら、画像形成装置1Bの状態確認ページ40のURLをウェブブラウザ202に入力する。
【0129】
すると、画像形成装置1Bおよび端末装置2は、図19に示す手順で処理を実行する。なお、ステップ#851〜#852および#861〜#866の処理は、図18で説明したステップ#801〜#802および#821〜#826の処理と同様である。
【0130】
端末装置2は、ユーザが入力したURLを受け付けると(#861)、画像形成装置1Bの状態確認ページ40の状態確認用スクリプト203を画像形成装置1Bからダウンロードし、実行を開始する(#862、#851、#852、#863、#864)。
【0131】
端末装置2は、アクセス先つまり画像形成装置1Bの個別クッキー50の有無を確認する(#865)。画像形成装置1Bの状態確認ページ40へのアクセスは初めてなので、端末装置2は、画像形成装置1Bの個別クッキー50を有しない。
【0132】
画像形成装置1Bの個別クッキー50がない場合は、端末装置2は、他の画像形成装置1の個別クッキー50のうち、画像形成装置1Bに機能が最も近い画像形成装置1の個別クッキー50を検索する(#866)。この時点では、画像形成装置1Aの個別クッキー50のみが存在するので、画像形成装置1Aの個別クッキー50が見つかる。
【0133】
端末装置2は、見つかった個別クッキー50に示される状態確認ページ40の設定の内容および画像形成装置1Bの状態確認ページ40のURLなどを示すクッキーを生成し、これを画像形成装置1Bの個別クッキー50として個別クッキー記憶部23Aに保存する(#867)。
【0134】
端末装置2は、生成した個別クッキー50の識別子つまり画像形成装置1Bの状態確認ページ40のURLをクッキーリスト52に追記する(#868)。
【0135】
クッキーリスト52への追記の処理と前後してまたは並行して、端末装置2は、生成した個別クッキー50に基づいて状態確認ページ40を表示し直す(#869)。これにより、画像形成装置1Aの状態確認ページ40に対して以前に行われたカスタマイズが画像形成装置1Bの状態確認ページ40に対しても行われる。
【0136】
その後、「カスタマイズ」ボタンが押された場合は、端末装置2は、ステップ#871〜#874の処理を適宜、実行する。これらの処理は、前に図13のステップ#771〜#775で説明した通りである。ただし、本例ではデフォルトクッキー51を使用しないので、デフォルトクッキー51の更新は行わない。
【0137】
〔複数の機種の画像形成装置1が設けられている場合の第二の変形例〕
上述の実施例では、画像形成装置1として、主にオフィスにおいて事務のために用いられるMFPを例に説明した。しかし、パンフレット、チラシ、および書籍などを大量に印刷する画像形成装置も、存在する。このような画像形成装置は、主に印刷業者によって用いられる。一般に、主にオフィスで用いられる画像形成装置は「オフィス機」と呼ばれ、主に印刷業者によって用いられる画像形成装置は「PP(Production Print)機」と呼ばれる。
【0138】
各画像形成装置1をオフィス機およびPP機のうちのいずれかにグループ分けし、デフォルトクッキー51として、オフィス機用のデフォルトクッキー51AおよびPP機用のデフォルトクッキー51Bを使い分けてもよい。つまり、オフィス機の状態確認ページ40へのアクセスの際およびカスタマイズの際はデフォルトクッキー51Aを生成しまたは更新し、PP機の状態確認ページ40へのアクセスの際およびカスタマイズの際はデフォルトクッキー51Bを生成しまたは更新してもよい。
【0139】
また、デフォルトクッキー51A、51Bそれぞれに対して初期値を予め設定しデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶させておいてもよい。例えば、オフィス機にはコストダウンが求められるので、消耗品や電力などのこれまでの使用量が上部に示されるように初期値をデフォルトクッキー51Aに設定してもよい。PP機は消耗品の消費が激しいので、トナーの残量および用紙の残量が上部に配置されるように初期値をデフォルトクッキー51Bに設定してもよい。
【0140】
グループは、PP機のグループおよびオフィス機のグループに限らない。例えば、カラー印刷の機能を有する画像形成装置のグループおよび有しない画像形成装置のグループにグループ分けしてもよい。
【0141】
〔クッキーの生成および更新等を画像形成装置1で行う場合の変形例〕
図20は、個別クッキー50の生成を画像形成装置1で行う場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。図21は、状態確認ページ表示スクリプト205によって実芸される機能的構成の例を示す図である。図22は、個別クッキー50の生成を画像形成装置1で行う場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。図23は、既存の個別クッキー50に基づいて画像形成装置1において状態確認ページ40をカスタマイズする場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。図24は、個別クッキー50の生成を画像形成装置1で行う場合の処理の流れの例を説明するシーケンス図である。
【0142】
上述の実施例および変形例では、端末装置2のウェブブラウザ202において状態確認用スクリプト203を実行することによって、個別クッキー50を生成しまたは更新し、状態確認ページ40をカスタマイズした。しかし、一般に、個別クッキー50をウェブサーバ側つまり画像形成装置1が生成し更新し、状態確認ページ40をカスタマイズする場合もある。この場合は、画像形成装置1および端末装置2は、次のように処理を実行すればよい。
【0143】
いずれの画像形成装置1にもアクセスしたことがなかった端末装置2が初めて画像形成装置1Aにアクセスする場合の処理の流れと、その後に端末装置2が初めて画像形成装置1Bにアクセスする場合の処理の流れとを、シーケンス図を参照しながら説明する。
【0144】
図20において、ユーザは、画像形成装置1Aの状態を確認する必要が生じたら、端末装置2のウェブブラウザ202を起動する。そして、画像形成装置1Aの状態確認ページ40のURLを入力する。
【0145】
ウェブブラウザ202は、このURLを受け付けると(#621)、このURLに基づいて画像形成装置1Aへアクセスし、状態確認ページ40のファイルを要求する(#623)。この際に、ウェブブラウザ202は、画像形成装置1Aの状態確認ページ40の個別クッキー50が個別クッキー記憶部23Aに保存されているか否かを確認し(#622)、記憶されていれば、この個別クッキー50を画像形成装置1Aへ送信する。アクセスの際にクッキーをサーバへ送信する機能自体は、従前、ウェブブラウザに備わっている。ただし、この時点では、未だいずれの画像形成装置1にもアクセスしたことないので、状態確認ページ40は保存されていない。
【0146】
画像形成装置1Aは、端末装置2から要求を受け付けると(#601)、端末装置2から個別クッキー50を受信しなかった場合は、端末装置2のためのクッキーを生成する(#602)。
【0147】
クッキーには、少なくとも画像形成装置1Aの状態確認ページ40の識別子および端末装置2の識別子が示される。本例では、画像形成装置1Aの状態確認ページ40の識別子としてこの状態確認ページ40のURLが示され、端末装置2の識別子として、画像形成装置1Aが発行するユニークなIDが示される。
【0148】
また、端末装置2ごとに状態確認ページ40をカスタマイズして表示するので、端末装置2ごとに状態確認ページ40の設定値が生じる。一般に、設定値は、クライアントごとの個別のクッキーに書き込んでおく場合もあれば、ウェブサーバがクライアントの識別子と対応付けて記憶しておく場合もある。本例では、前者、つまり、端末装置2のクッキーに書き込んでおく方法を採る。
【0149】
したがって、ステップ#602で生成したクッキーには、さらに、状態確認ページ40の設定値が示される。ここでは、設定値として、状態確認ページ40のデフォルトの状態を示す値がクッキーに示される。
【0150】
画像形成装置1Aは、端末装置2から個別クッキー50を受信しなかった場合は、状態確認ページ40をデフォルトの形態で表示するための画面データを生成する(#603)。そして、この画面データを含む状態確認ページ表示スクリプト205を端末装置2へ送信する(#604)。この際に、生成したクッキーも端末装置2へ送信する。
【0151】
端末装置2において、ウェブブラウザ202は、状態確認ページ表示スクリプト205およびクッキーを受信すると(#624)、このクッキーを画像形成装置1Aの個別クッキー50として個別クッキー記憶部23Aに保存するとともに(#625)、状態確認ページ表示スクリプト205を実行する(#626)。
【0152】
状態確認ページ表示スクリプト205によると、図21に示す全体制御部261、状態確認ページ表示処理部262、変更ダイアログ表示処理部263、デフォルトクッキー生成部264、クッキーリスト生成部265、クッキーリスト更新部266、個別クッキー更新部267、デフォルトクッキー更新部268、およびカスタマイズ要求部269が実現される。全体制御部261は、次の処理が実行されるように、状態確認ページ表示処理部262ないしカスタマイズ要求部269を制御する。
【0153】
クッキーリスト更新部266は、受信された個別クッキー50の識別子をクッキーリスト52に追記する(#627)。ただし、未だクッキーリスト52がなければ、個別クッキー更新部267がクッキーリスト52を生成しクッキーリスト記憶部23Cに記憶させ、クッキーリスト更新部266は、これに個別クッキー50の識別子を追記する。
【0154】
状態確認ページ表示処理部262は、デフォルトクッキー記憶部23Bにデフォルトクッキー51が記憶されているか否かを確認し(#628)、記憶されていなければ、画面データに基づいて状態確認ページ40を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#629)。これにより、カスタマイズされていない形態で状態確認ページ40が表示される。
【0155】
ユーザは、状態確認ページ40によって画像形成装置1Aの種々の事項の状態を確認することができる。さらに、ユーザは、状態確認ページ40のカスタマイズを所望する場合は、「カスタマイズ」ボタンを押す。すると、図22に示す手順で処理が実行される。
【0156】
図22において、変更ダイアログ表示処理部263は、変更ダイアログ41(図7参照)を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#641)。ここで、ユーザは、領域40b〜40eそれぞれに表示させる情報および表示に使用するフォントのサイズを指定する。
【0157】
カスタマイズ要求部269は、変更ダイアログ41に指定された内容を受け付けると(#642)、受け付けた内容および端末装置2の識別子を示すカスタマイズ要求データ53を画像形成装置1Aへ送信することによって、状態確認ページ40を要求する(#643)。
【0158】
画像形成装置1Aは、カスタマイズ要求データ53を受信すると(#631)、カスタマイズ要求データ53に示される内容の通りに(つまり、ユーザが変更ダイアログ41で指定した通りに)状態確認ページ40を表示するための画面データを生成する(#632)。つまり、カスタマイズした状態確認ページ40の画面データを生成する。
【0159】
さらに、画像形成装置1Aは、端末装置2の新たなクッキーとして、画像形成装置1Aの状態確認ページ40のURL、端末装置2の識別子、およびカスタマイズした状態確認ページ40の設定値を示すクッキーを生成する(#633)。
【0160】
そして、画像形成装置1Aは、生成した画面データおよびクッキーを端末装置2へ送信する(#634)。
【0161】
端末装置2において、画面データおよびクッキーが受信されると(#644)、このクッキーが画像形成装置1Aの個別クッキー50として個別クッキー記憶部23Aに保存される(#645)。画像形成装置1Aの古い個別クッキー50は、削除される。これにより、画像形成装置1Aの個別クッキー50が更新される。
【0162】
状態確認ページ表示処理部262は、受信された画面データに基づいて状態確認ページ40を液晶ディスプレイ20gに表示し直す(#646)。これにより、カスタマイズされた状態確認ページ40が表示される。
【0163】
デフォルトクッキー生成部264は、デフォルトクッキー51がデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されているか否かを確認する(#647)。
【0164】
記憶されていなければ、デフォルトクッキー生成部264は、画像形成装置1Aの個別クッキー50に示される設定値を示すデフォルトクッキー51を生成しデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶させ、記憶されていれば、デフォルトクッキー更新部268は、画像形成装置1Aの個別クッキー50に示される設定値が示されるようにデフォルトクッキー51を更新する(#648)。
【0165】
個別クッキー更新部267は、クッキーリスト52に他の画像形成装置1の状態確認ページ40のURLが示されていれば、個別クッキー記憶部23Aに記憶されている、当該他の画像形成装置1の個別クッキー50を、画像形成装置1Aの個別クッキー50に示される設定値を示すように更新する(#649)。
【0166】
再び画像形成装置1Aの状態確認ページ40へアクセスする際の処理は、従来通りであって、図23に示す通りである。
【0167】
すなわち、ウェブブラウザ202は、画像形成装置1Aの状態確認ページ40のURLを受け付けると(#661)、このURLに基づいて画像形成装置1Aへアクセスし、状態確認ページ40のファイルを要求する(#663)。この際に、ウェブブラウザ202は、画像形成装置1Aの状態確認ページ40の個別クッキー50が個別クッキー記憶部23Aに記憶されているか否かを確認し(#662)、この個別クッキー50が記憶されていれば、この個別クッキー50を画像形成装置1Aへ送信する。
【0168】
画像形成装置1Aは、端末装置2から要求および個別クッキー50を受け付けると(#651)、この個別クッキー50に基づいてカスタマイズした状態確認ページ40の画面データを生成し(#652)、この画面データを含む状態確認ページ表示スクリプト205を端末装置2へ送信する(#653)。
【0169】
端末装置2において、ウェブブラウザ202は、状態確認ページ表示スクリプト205を受信すると(#664)、状態確認ページ表示スクリプト205を実行する(#665)。2回目以降のアクセスの場合は、クッキーに関する上述の処理はスキップされる。そして、状態確認ページ表示処理部262は、状態確認ページ表示スクリプト205に基づいて状態確認ページ40を液晶ディスプレイ20gに表示させる(#666)。これにより、前回のアクセスの際にカスタマイズされたのと同じ形態で状態確認ページ40が表示される。
【0170】
その後、ユーザは、画像形成装置1Bの状態を確認する必要が生じたら、画像形成装置1Bの状態確認ページ40のURLをウェブブラウザ202に入力する。
【0171】
すると、画像形成装置1Bおよび端末装置2は、図24に示す手順で処理を実行する。ステップ#671〜#674および#681〜#688の処理は、図20で説明したステップ#601〜#604および#621〜#628の処理と同様である。
【0172】
つまり、端末装置2は、未だ画像形成装置1Bの状態確認ページ40の個別クッキー50を有しないので、ステップ#683において個別クッキー50の送信を行うことができない。そこで、画像形成装置1Bは、画像形成装置1Bの状態確認ページ40のクッキーを生成し状態確認ページ表示スクリプト205とともに端末装置2へ送信する(#672〜#674)。端末装置2は、画像形成装置1Bから受信したクッキーを画像形成装置1Bの個別クッキー50として記憶する(#685)。状態確認ページ表示スクリプト205の開始後(#686)、クッキーリスト更新部266は、画像形成装置1Bの個別クッキー50の識別子をクッキーリスト52に追記する(#687)。
【0173】
しかし、その後の処理が、先に他の画像形成装置1(本例では、画像形成装置1A)の状態確認ページ40に既にアクセスした場合(図20参照)とは、異なる。
【0174】
つまり、デフォルトクッキー51がデフォルトクッキー記憶部23Bに記憶されている場合は、個別クッキー更新部267は、このデフォルトクッキー51に示される設定値を画像形成装置1Bの個別クッキー50にコピーする(#689)。このように、個別クッキー50は、実質的に、個別クッキー更新部267によって生成される。
【0175】
そして、ウェブブラウザ202は、状態確認ページ表示スクリプト205を終了しリロードを行うことによって、再度、画像形成装置1Bの状態確認ページ40へのアクセスを試みる(#690)。この際に、画像形成装置1Bの個別クッキー50が画像形成装置1Bへ送信される。そして、以下、図23で説明した通りに処理が行われ、カスタマイズされた状態確認ページ40が液晶ディスプレイ20gに表示される。
【0176】
このように、個別クッキー50の生成および更新等を画像形成装置1で行う場合であっても、本発明を適用することができる。
【0177】
本実施形態では、画像形成装置1の状態確認ページ40を表示する場合を例に説明したが、NAS(Network Attached Storage)およびルータなどの機器の状態確認ページを表示する場合にも、上述の各実施例を適用することができる。また、状態確認ページ以外のウェブページを表示する場合にも、上述の各実施例を適用することができる。
【0178】
その他、ネットワークシステム1NS、画像形成装置1、および端末装置2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0179】
2 端末装置
234、267 個別クッキー生成部(クッキー生成手段)
236、267 個別クッキー更新部(クッキー等更新手段)
237、268 デフォルトクッキー更新部(クッキー等更新手段)
23A 個別クッキー記憶部(クッキー記憶手段)
23B デフォルトクッキー記憶部(カスタマイズデータ記憶手段)
23C クッキーリスト記憶部(識別子記憶手段)
40 状態確認ページ(ウェブページ)
50 個別クッキー(クッキー)
51 デフォルトクッキー(カスタマイズデータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態で、ディスプレイに表示させる端末装置であって、
前記複数台の処理装置のそれぞれの前記ウェブページのうちのいずれかについて指定されたカスタマイズの内容である指定内容を示すカスタマイズデータを記憶するカスタマイズデータ記憶手段と、
前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる、クッキー生成手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記クッキー記憶手段に記憶されている前記クッキーそれぞれの識別子を記憶する識別子記憶手段と、
前記複数台の処理装置のそれぞれの前記ウェブページのうちの1つのウェブページカスタマイズに伴って当該1つのウェブページの前記クッキーが更新された場合に、前記クッキー一覧データに前記識別子が示される、当該1つのウェブページ以外の前記ウェブページそれぞれの前記クッキーおよび前記カスタマイズデータを当該カスタマイズの内容を示すように更新する、クッキー等更新手段と、を有する、
請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記クッキー記憶手段は、1つの前記ウェブページについて前記クッキーをユーザごとに記憶することができ、
前記ディスプレイには、前記ウェブページが、前記ユーザのうちの当該端末装置を使用しているユーザの前記クッキーに基づいてカスタマイズされた形態で表示され、
前記カスタマイズデータ記憶手段には、前記カスタマイズデータとして、前記ユーザごとに、当該ユーザによって指定された前記指定内容を示すカスタマイズデータを記憶し、
前記クッキー生成手段は、前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが前記ユーザによって指定されたが、当該指定されたウェブページの当該ユーザの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、当該ユーザの前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる、
請求項1または請求項2記載の端末装置。
【請求項4】
前記複数台の処理装置のそれぞれは2つ以上のグループのうちの1つのグループに属しており、
前記カスタマイズデータ記憶手段には、前記カスタマイズデータとして、前記グループごとに前記カスタマイズデータを記憶し、
前記クッキー生成手段は、前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、当該ウェブページに係る処理装置の属する前記グループの前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる、
請求項1または請求項2記載の端末装置。
【請求項5】
特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態で、ディスプレイに表示させる端末装置であって、
前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、前記クッキー記憶手段に記憶されている前記クッキーのうち、当該指定されたウェブページに係る前記処理装置に最も機能が近い処理装置のクッキーに示される前記指定内容を示すクッキーを新たに生成し当該指定されたウェブページのクッキーとして前記クッキー記憶手段に記憶させる、クッキー生成手段、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項6】
特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態で、端末装置のディスプレイに表示するウェブページ表示方法であって、
前記端末装置に、
前記複数台の処理装置のそれぞれの前記ウェブページのうちのいずれかについて指定されたカスタマイズの内容である指定内容を示すカスタマイズデータをカスタマイズデータ記憶手段に記憶させる処理を実行させ、
前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる処理を実行させる、
ことを特徴とするウェブページ表示方法。
【請求項7】
特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態で、端末装置のディスプレイに表示するウェブページ表示方法であって、
前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、前記クッキー記憶手段に記憶されている前記クッキーのうち、当該指定されたウェブページに係る前記処理装置に最も機能が近い処理装置のクッキーに示される前記指定内容を示すクッキーを新たに生成し当該指定されたウェブページのクッキーとして前記クッキー記憶手段に記憶させる処理を、当該端末装置に実行させる、
ことを特徴とするウェブページ表示方法。
【請求項8】
特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態でディスプレイに表示するコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数台の処理装置のそれぞれの前記ウェブページのうちのいずれかについて指定されたカスタマイズの内容である指定内容を示すカスタマイズデータをカスタマイズデータ記憶手段に記憶させる処理を実行させ、
前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、当該クッキーとして、前記カスタマイズデータに示される前記指定内容を示すクッキーを生成し前記クッキー記憶手段に記憶させる処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
特定の処理を行う複数台の処理装置のそれぞれの特定のウェブページを、当該ウェブページそれぞれの、クッキー記憶手段に記憶されているクッキーに基づいてカスタマイズした形態でディスプレイに表示するコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数台の処理装置のうちのいずれかの前記ウェブページが指定されたが、当該指定されたウェブページの前記クッキーが前記クッキー記憶手段に記憶されていない場合に、前記クッキー記憶手段に記憶されている前記クッキーのうち、当該指定されたウェブページに係る前記処理装置に最も機能が近い処理装置のクッキーに示される前記指定内容を示すクッキーを新たに生成し当該指定されたウェブページのクッキーとして前記クッキー記憶手段に記憶させる処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−3852(P2013−3852A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134454(P2011−134454)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】