説明

端末装置、サーバ

【課題】ユーザに対してより効果的な形式での視聴指標の提供を可能とする。
【解決手段】指標推移表示要求操作によって番組が指定されると、指定番組に関する番組グループ情報が記憶部23に格納されていないか(S110:NO)、又は格納されている番組グループ情報が完結していない(S120:NO)場合には、指定番組と共に同一の番組グループを構成する関連番組を抽出する番組グループ抽出処理を実行し(S130)、番組グループを構成する番組(指定番組および関連番組)それぞれについての視聴指標を、ネットワーク5を介してサーバ10から取得する(S140)。その取得した視聴指標に基づき、番組グループ内での視聴指標の推移を示すグループ視聴指標推移グラフを表示部25に表示する(S150〜S160)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組選択に必要な番組選択情報を利用する端末装置、および通信ネットワークを介して端末装置に情報提供するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送において、番組の詳細な内容の確認、視聴する番組や録画予約する番組の選択等に使用される電子番組表(EPG)が実用化されている。このEPGの表示に用いるデータ(EPGデータ)は、デジタル放送信号から抽出するか、インターネット等のネットワーク経由で取得することが可能である。
【0003】
また、EPGを利用可能な端末装置(例えば、テレビ受像器,録画装置,パーソナルコンピュータ等)において、端末装置に対してユーザが行う各種操作(例えば、リモコン操作等)から視聴中の番組や録画予約された番組を推定し、その推定結果をネットワーク上のサーバにて集計すること、更には、集計結果である視聴指標(視聴率や録画予約率等)を、ネットワークを介して端末装置に配信し、その視聴指標をEPG上で番組と対応づけて表示することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また更に、ネットワーク上のサーバにて視聴指標をリアルタイムで集計し、その集計結果に基づき、視聴中の番組の人気度(視聴率)の変遷を端末装置に表示させる技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−92773号公報
【特許文献2】特開2008−244602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの従来装置では、視聴指標は単に個々の番組と対応づけて表示されるに過ぎず、ユーザが望むような形式で提供されているとは限らないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、ユーザに対してより効果的な形式での視聴指標の提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の端末装置では、選択情報取得手段が、番組選択に必要な番組選択情報を取得する。そして、指定手段により、取得手段にて取得された番組選択情報によって選択可能な番組の中から、いずれかの番組が指定されると、抽出手段が、取得手段にて取得された番組選択情報を検索して、指定手段により指定された番組と同一の番組グループに属する番組を抽出する。
【0008】
なお、番組グループとは、例えば、連続ドラマやワイドショー等のように、複数の曜日の同じ時間帯に放送される番組(いわゆる帯番組)や、特定の曜日に放送される番組(いわゆる箱番組)等のことである。
【0009】
すると、視聴指標取得手段が、指定手段にて指定された指定番組および抽出手段にて抽出された関連番組の視聴指標を取得し、その取得した視聴指標に基づき、表示手段が、番組グループ内での視聴指標の推移を示した表示を行う。
【0010】
なお、視聴指標とは、着目する番組の視聴に繋がるユーザの行動がどの程度行われたかを示す指標であり、例えば、視聴率、視聴数、録画予約率、録画予約数等のことをいう。
このように構成された本発明の端末装置では、指定した番組の視聴率だけでなく、その番組が属する番組グループにおける視聴指標の推移が表示されるため、番組毎に個別に視聴指標が表示される場合と比較して、番組選択の支援等のために提供する情報の質を向上させることができる。
【0011】
なお、抽出手段は、具体的には、番組選択情報に含まれる番組名が、指定番組の番組名と一致する番組を関連番組として抽出するように構成することが考えられる。
但し、番組名中に、話数や新番組や最終回であることを示唆する付属情報(文字,記号等)が含まれている場合があるため、必ずしも全部が一致している必要はなく、付属情報を除いた部分が一致していればよい。
【0012】
また、通常、同じ番組グループの番組は同じ放送局から提供されるため、抽出手段は、指定番組と同じ放送局によって放送される番組について検索を実行することが望ましい。
更に、同じ番組グループの番組は、同じ時間帯または同じ曜日に放送されることが多いため、抽出手段は、指定番組と同じ時間帯または同じ曜日に放送される番組について検索を実行するように構成されていてもよい。
【0013】
つまり、同じ番組グループの番組(例えば、シリーズもの)は、放送時間に規則性があるため、その規則に沿った検索を実行することにより、同じ番組グループに属する番組を効率良く抽出することができる。特に、時間帯を特定せずに検索する場合は、特別番組やスポーツ中継等の影響で通常時とは放送時間が異なっているような事態にも対処することができる。
【0014】
また、番組選択情報に、番組と番組グループとの対応関係を示すメタデータが含まれている場合、抽出手段は、そのメタデータに従って関連番組を抽出するように構成されていてもよい。これにより、信頼度の高い抽出を行うことができる。
【0015】
上述した本発明の端末装置では、同一の番組グループに属する番組の抽出を端末装置側で行っているが、これをサーバ側で行うように構成してもよい。
即ち、本発明のサーバは、番組選択に必要な番組選択情報を記憶する記憶手段を備えており、受付手段が、いずれかの番組を指定したグループ情報取得要求を、通信ネットワークを介して受け付ける。
【0016】
すると、抽出手段が、記憶手段に記憶された番組選択情報を検索して、受付手段が受け付けた前記グループ情報取得要求により指定された指定番組と同一の番組グループに属する番組を抽出すると共に、視聴指標取得手段が、指定番組および抽出手段にて抽出された関連番組の視聴指標を取得する。
【0017】
そして、送信手段が、グループ情報取得要求の要求元に対して、抽出手段での抽出結果および視聴指標取得手段での取得結果を、通信ネットワークを介して送信する。
このように構成された本発明のサーバによれば、通信ネットワークに接続された端末装置に対して、指定した番組が属する番組グループ内での視聴指標の推移を示した表示を、端末装置に行わせるための情報を提供することができ、その結果、端末装置のユーザに対して、視聴指標を、より効果的な形式で提供することができる。
【0018】
なお、本発明のサーバの抽出手段に、請求項2〜5に記載された事項を適用してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用された情報提供システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】端末装置が実行するグループ視聴率表示処理の内容を示すフローチャート。
【図3】番組グループ抽出処理の詳細を示すフローチャート。
【図4】紐付け処理の詳細を示すフローチャート。
【図5】表示部に表示されるグループ視聴指標推移グラフを例示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[全体構成]
図1は、本発明が適用された情報提供システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
情報提供システム1は、テレビ番組に関する各種情報を提供するサーバ10と、インターネット網等のネットワーク5を介してサーバ10との通信が可能な複数の端末装置(「クライアント」ともいう)20とを備えている。
【0022】
なお、端末装置20は、デジタル放送を受信する機能およびネットワーク5を介した通信機能を少なくとも備える装置であり、具体的には、テレビ受像器、レコーダ、パーソナルコンピュータ(PC)、車載用ナビゲーション装置、携帯電話機等として構成される。
【0023】
[サーバ]
サーバ10は、ネットワーク5を介した端末装置20との通信を所定のプロトコルに従って実行する通信部13と、端末装置20に提供するための各種情報を記憶するデータベース12と、通信部13やデータベース12を利用した各種処理を実行する制御部11とを備えている。
【0024】
データベース12は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより構成され、デジタル放送によって提供される番組と、その番組の視聴指標とを対応づけた視聴指標データが少なくとも記憶されている。この視聴指標として、放送済みの番組には平均視聴率,平均視聴数等が用いられ、放送中の番組にリアルタイム視聴率,リアルタイム視聴数等が用いられ、未放送の番組には録画予約率,録画予約数等が用いられる。
【0025】
更に、データベース12には、電子番組表(EPG)の表示に用いるEPGデータが所定期間分(例えば、過去1年間分)格納されている。
制御部11は、CPU,ROM,RAM等を備えた周知のマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに格納されたプログラム、RAMにロードされたプログラムやパラメータに基づいて各種処理を実行する。
【0026】
制御部11が実行する処理には、通信部13(ひいてはネットワーク5)を介して端末装置20から取得する情報に基づいて、データベース12に格納する情報を生成する情報生成処理や、端末装置20からの要求に従って、データベース12に格納された情報(ここでは情報指標データやEPGデータ)を端末装置20に提供する情報提供処理が少なくとも含まれている。
【0027】
このうち、情報提供処理は、サーバ本来の機能を実現するための周知の処理である。また、情報生成処理は、端末装置20から送信されてくる操作情報(後述する)に基づいて、番組毎の視聴指標を集計し、その集計結果から視聴指標データを生成してデータベースに格納する処理であり、例えば、特開2003−244731号公報等にて詳述されているため、ここでの説明は省略する。
【0028】
[端末装置]
端末装置20は、ネットワーク5を介したサーバ10との通信を所定のプロトコルに従って実行する通信部22と、デジタル放送を受信する放送受信部26と、端末装置20に対する各種指令を入力するための操作部24と、放送受信部26が受信した映像の他、操作部24を介して入力された指令に基づく各種表示を行うための表示部25と、これら各部を制御して各種処理を実行する処理部21と、処理部21での処理結果や、通信部22(ひいてはネットワーク5)を介してサーバ10から取得した情報等を記憶する記憶部23とを備えている。
【0029】
なお、図1に示す端末装置20の構成は、各種存在する端末装置20に共通する構成であり、個々の端末装置20は、図1に記載された構成以外に、その端末装置20が果たすべき本来の機能を実現するための構成を有する。但し、その構成は、発明の主要部ではないため、ここでは図示を省略している。
【0030】
放送受信部26は、デジタル放送信号を受信するアンテナや、デジタル放送信号を供給するCATV網等に接続され、操作部24での操作に従ってデジタル放送信号から所望の番組の信号を抽出する機能や、デジタル放送信号からEPGデータを抽出する機能を有した周知のチューナからなる。
【0031】
操作部24は、例えばキーボード,マウス,リモコン等のユーザからの操作を受け付けるユーザインタフェースとして構成されている。また、操作部24では、放送受信部26を使用して、視聴する番組を選択するための操作(番組選択操作)、端末装置20がレコーダである場合、或いは端末装置20にレコーダが接続されている場合には、録画予約をするための操作(録画予約操作)、指定した番組が属する番組グループにおける視聴指標の推移を表示部25に表示させる指令を入力する操作(指標推移表示要求操作)等が少なくとも可能であるように構成されている。
【0032】
記憶部23は、サーバ10におけるデータベース12と同様に、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより構成されている。また、記憶部23には、放送受信部26にて抽出されたEPGデータを記憶する領域、処理部21での処理結果の一つである、番組グループ情報を記憶する領域が少なくとも確保されている。
【0033】
なお、EPGデータを記憶する領域は、デジタル放送信号から抽出される最新のデータだけでなく、所定期間分(例えば過去3ヶ月分)のデータを格納できるように確保されている。また、番組グループ情報は、番組グループを構成する各番組に関する情報であり、個々の番組の放送日時や、サーバ10から取得する視聴指標、その視聴指標から算出される各種情報等が含まれる。
【0034】
処理部21は、サーバ10における制御部11と同様に、CPU,ROM,RAM等を備えた周知のマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに格納されたプログラム、RAMにロードされたプログラムやパラメータに基づいて所定の処理を実行する。
【0035】
具体的には、処理部21は、操作部24での番組選択操作から特定した視聴中の番組、および録画予約操作から特定した録画予約された番組を操作情報として、通信部22(ひいてはネットワーク5)を介してサーバ10に通知する操作情報通知処理、操作部24から入力される指標推移表示要求操作に従って実行するグループ視聴指標表示処理を少なくとも実行する。
【0036】
このうち、操作情報通知処理は、サーバ10における情報生成処理と同様に、例えば、特開2003−244731号公報等に記載された公知の処理であるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
<グループ視聴指標表示処理>
ここで、グループ視聴指標表示処理を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理は、操作部24にて指標推移表示要求操作が検出されると起動する。なお、指標推移表示要求操作には、EPGデータを利用して番組を指定する操作が含まれており、この指定された番組を以下では「指定番組」という。また、指定番組は、放送済みの番組、放送中の番組、未放送の番組のいずれであってもよい。
【0038】
本処理が起動すると、まず、指定番組が属する番組グループについての番組グループ情報が記憶部23に格納されているか否かを判断し(S110)、格納されていれば(S110:YES)、更に、その番組グループ情報は、完結している(最終話までの情報が存在する)か否かを判断する(S120)。
【0039】
そして、指定番組に関する番組グループ情報が記憶部23に格納されていないか(S110:NO)、又は格納されている番組グループ情報が完結していない(S120:NO)場合には、指定番組と共に同一の番組グループを構成する番組(以下「関連番組」という)を抽出する番組グループ抽出処理を実行し(S130)、番組グループを構成する番組(指定番組および関連番組)それぞれについての視聴指標を、ネットワーク5を介してサーバ10から取得する(S140)。
【0040】
但し、視聴指標として、放送済みの番組については、視聴率または視聴数(番組を通した平均値,最大値,最小値)を、放送中の番組についてはリアルタイム視聴率またはリアルタイム視聴数を、未放送の番組については録画予約率または録画予約数を取得する。なお、放送中の番組については、リアルタイム視聴率やリアルタイム視聴数の代わりに、録画予約率や録画予約数を取得してもよい。
【0041】
次に、S140にて取得した視聴指標から、番組グループ全体に関わる情報を求め、この情報(以下「表示情報」という)を、S130にて抽出された番組グループを構成する各番組、S140で取得された各番組の視聴指標と共に番組グループ情報として記憶部23に記憶する(S150)。但し、番組グループ情報が既に存在している場合には、今回生成した情報を元からある情報に追加する。
【0042】
なお、表示情報とは、例えば、番組グループ(シリーズ)を通した視聴率または視聴数の平均値,最大値,最小値等が考えられる。但し、全話が終了していない場合には、放送済みの番組のみを対象としてもよい。
【0043】
最後に、S150にて記憶された番組グループ情報に基づき、番組グループ内での視聴指標の推移を表すグループ視聴指標推移グラフを表示部25に表示して(S160)本処理を終了する。
【0044】
ここで、図5(a)に、グループ視聴指標推移グラフの表示例を示す。但し、表示の対象となる番組グループは、最終話まで既に放送が終了しているものとする。
図示されているように、番組グループを構成する番組の話数(放送順)に従って、その番組の平均視聴率が折れ線グラフで示されており、この折れ線グラフと共に、番組グループ全体を通しての平均視聴率、最低視聴率、最高視聴率も表示されている。
【0045】
図5(b)は、折れ線グラフの点を拡大したものであり、図示されているように、各話の平均視聴率だけでなく、その話数の番組中での最大視聴率および最低視聴率を同時に表示してもよい。
【0046】
また、グループ視聴指標推移グラフは、視聴指標の度合いに応じて点や線の色を変化させたり、話数の代わりに又は話数と共に放送日時を表示させたりしてもよい。
また、放送中の番組については平均視聴率の代わりにリアルタイム視聴率を、未放送の番組については平均視聴率の代わりに録画予約率を表示するようにしてもよい。また、視聴率/録画予約率の表示と、視聴数/録画予約数の表示とが、ユーザの操作に応じて切り替え可能であってもよい。
【0047】
<番組グループ抽出処理>
次に、先のS110で実行する番組グループ抽出処理の詳細を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
【0048】
図3に示すように、まず、検索に必要なEPGデータが記憶部23に格納されているか否かを判断し(S210)、格納されていなければ(S210:NO)、放送受信部26または通信部22(ネットワーク5)を介してEPGデータを取得する(S220)。
【0049】
そして、記憶部23に記憶されたEPGデータのうち、指定番組と同じ放送局の番組であって、指定番組と同じ曜日の同じ時間帯に放送される又は放送された番組を検索対象として、指定番組と同じ番組名を有する番組を関連番組としてすべて抽出し(S230)、その抽出した関連番組および指定番組に対して、個々の番組が番組グループ内の何話目であるかを特定する紐付け処理(後述する)を実行する(S240)。
【0050】
但し、記憶部23に番組グループ情報の一部が存在する場合(S120:NOであった場合)、検索対象を設定する際には、検索する必要のない範囲(既に存在する番組グループ情報から特定される範囲)を検索対象から除外する。以下、検索対象を設定する際には同様である。
【0051】
次に、S240での紐付け処理の結果に基づき、番組グループを構成する番組の抽出漏れがあるか否かを判断し(S250)、抽出漏れがなければ(S250:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0052】
なお、抽出漏れがあるか否かは、紐付け処理の結果に基づき、特定した番組の話数に抜けがあるか否かによって判断する。
一方、抽出漏れがあれば(S250:YES)、記憶部23に記憶されたEPGデータのうち、指定番組と同じ放送局の番組であって、指定番組と同じ曜日かつ指定番組とは異なる時間帯に放送される又は放送された番組を検索対象として、指定番組と同じ番組名を有する番組を関連番組としてすべて抽出し(S260)、その抽出した各番組に対してS240と同様の紐付け処理を実行する(S270)。
【0053】
次に、S270での紐付け処理の結果に基づき、番組グループを構成する番組の抽出漏れがあるか否かを判断し(S280)、抽出漏れがなければ(S280:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0054】
一方、抽出漏れがあれば(S280:YES)、記憶部23に記憶されたEPGデータのうち、指定番組と同じ放送局の番組であって、指定番組とは異なる曜日かつ指定番組と同じ時間帯に放送される又は放送された番組を検索対象として、指定番組と同じ番組名を有する番組を関連番組としてすべて抽出し(S290)、その抽出した各番組に対してS240と同様の紐付け処理を実行する(S300)。
【0055】
次に、S300での紐付け処理の結果に基づき、番組グループを構成する番組の抽出漏れがあるか否かを判断し(S310)、抽出漏れがなければ(S310:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0056】
一方、抽出漏れがあれば(S310:YES)、記憶部23に記憶されたEPGデータのうち、指定番組と同じ放送局の番組であって、指定番組とは異なる曜日かつ指定番組とは異なる時間帯に放送される又は放送された番組を検索対象として、指定番組と同じ番組名を有する番組を関連番組としてすべて抽出し(S320)、その抽出した各番組に対してS240と同様の紐付け処理を実行して(S330)、本処理を終了する。
【0057】
つまり、最初は指定番組が属する番組グループは帯番組であると仮定した検索範囲を設定し、次に、帯番組ではあるが放送時間帯がずれた回があると仮定した検索範囲を設定し、その次に、週1回の箱番組であると仮定した検索範囲を設定し、その次に、箱番組ではあるが放送時間帯がずれた回があると仮定した検索範囲を設定し、最後に、放送曜日や放送時間帯に法則性がないと仮定した検索範囲(即ち、全範囲)を設定して、関連番組を抽出するようにされている。
【0058】
このように、本実施形態では、番組の抽出漏れがあった場合に段階的に検索範囲を拡大しているが、最初から記憶部23に記憶されたEPGデータの全体を検索範囲として設定するようにしてもよい。
【0059】
<紐付け処理>
次に、先のS240,S270,S300,S320にて実行する紐付け処理の詳細を、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
【0060】
本処理では、まず、本処理を実行する前のステップで実行された処理によって抽出された番組であって、後述する処理の対象となっていない番組(以下「未処理番組」という)があるか否かを判断し(S400)、未処理番組がなければ(S400:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0061】
一方、未処理番組があれば(S400:YES)、その未処理番組の一つを選択し(S410)、その選択された番組に関するEPGデータに、話数に関するメタデータが含まれているか否かを判断する(S420)。そして、話数に関するメタデータが含まれていれば(S420:YES)、そのメタデータから話数を認識する(S430)。
【0062】
EPGデータに話数に関するメタデータが含まれていなければ(S420:NO)、S410にて選択された番組に関するEPGデータに含まれている番組名を示す情報(以下「番組名情報」という)に、番組グループ内での話数を示唆する情報が含まれているか否かを判断する(S440)。そして、番組名情報に話数を示唆する情報が含まれていれば(S440:YES)、その話数を示唆する情報から話数を認識する(S450)。
【0063】
ここで話数を示唆する情報とは、例えば「5話」「1夜」「#3」等といった話数を示唆する数字が含まれた情報や、「新」「終」といった新番組や最終回であることを示唆する文字が含まれた情報のことをいう。つまり、番組名情報に話数を示唆する数字が含まれていれば、その数字を話数として認識し、また、新番組であることを示唆する情報が含まれていれば第1話、最終回であることを示唆する情報が含まれていれば最終話として認識する。
【0064】
但し、番組名が、例えば「最終駅、新宿の夜」であり、番組名自体に「新」「終」といった話数を示唆する文字が含まれている場合、話数を誤認識してしまう可能性がある。
そこで、同一番組グループ内で、新番組や最終回であると判断された番組が複数存在する場合には、その中で、新番組又は最終回であることを示唆する情報がもっとも多く含まれているものを、新番組や最終回であると判断し、それ以外のものは、新番組又は最終回であることを示唆する情報を無視して、再度、話数を認識するようにしてもよい。
【0065】
具体的には、同一番組グループを形成する3つの番組の番組名情報が、それぞれ「最終駅、新宿の夜 1夜[新]」「最終駅、新宿の夜 第2夜」「最終駅、新宿の夜 最終夜[終]」であった場合、「1夜」の番組名情報には、新番組であることを示唆する「新」の文字が他の番組名情報より多く含まれており、また、「最終夜」の番組名情報には、最終回であることを示唆する「終」の文字が他の番組名情報より多く含まれているため、これによって、新番組や最終回を正しく認識することができる。
【0066】
また、同一番組グループ内で、新番組や最終回であると判断された番組が複数存在する場合、番組名情報で共通する情報(上記例では「最終駅、新宿の夜 (××)夜」)を無視し、残った情報から話数を認識するようにしてもよい。
【0067】
番組名情報に話数を示唆する情報が含まれていなければ(S440:NO)、前週または前日に同名の番組があるか否かを判断する(S460)。そして、同名の番組がなければ(S460:NO)、その番組が第1話であると認識し(S470)、同名の番組があれば(S460:YES)、既に話数が認識されている他の番組との関係から、その番組の話数を推定する(S480)。但し、他の番組の情報が不足していて推定不能である場合は処理を保留し、他の番組の話数が認識された後に、その保留した番組の話数の推定を再度行うようにしてもよい。
【0068】
番組の話数を認識する処理(S420〜S480)が終了すると、次は、番組名情報に再放送であることを示唆する情報が含まれているか否かを判断する(S490)。そして、番組名情報に再放送であることを示唆する情報が含まれていれば(S490:YES)、その番組は再放送であると認識する(S500)。
【0069】
番組が再放送であるか否かを認識する処理(S490〜S500)が終了すると、S400に戻り、上述の処理(S400〜S500)を繰り返す。
なお、S430,S450,S470,S480,S500での認識結果は、番組グループ情報の一つとして記憶部23に記憶される。
【0070】
[効果]
以上説明したように、端末装置20では、指標推移表示要求操作によって番組が指定されると、デジタル放送信号から抽出するかネットワーク5を介して取得され記憶部23に記憶されているEPGデータを検索して、指定番組と同一の番組グループを構成する番組(関連番組)を抽出する。そして、その番組グループを構成する各番組の視聴指標を、ネットワーク5を介して取得し、その取得した視聴指標に基づき、番組グループ内での視聴指標の推移を示すグループ視聴指標推移グラフを表示するようにされている。
【0071】
このように端末装置20によれば、指定番組が属する番組グループ全体での視聴指標の推移を、ユーザに提示することができ、番組毎に個別に視聴指標が表示される場合と比較して、番組選択の支援等のために提供する情報の質を向上させることができる。
【0072】
また、端末装置20では、指定番組についての関連番組を抽出する際に、最初は、放送パターンに従って検索範囲を絞って検索を実行し、その結果が不十分である場合に、検索範囲を順次広げて検索を繰り返すようにされている。
【0073】
従って、端末装置20によれば、無駄な検索が実行されることを抑制することができ、装置の処理能力を有効に用いることができると共に、特別番組やスポーツ中継等の影響で関連番組の放送時間が通常とは異なっているような場合でも、その関連番組を問題なく抽出することができる。
【0074】
[発明との対応]
上記実施形態において、S210,S220が選択情報取得手段、操作部24が指定手段、S230〜S330が抽出手段、S140が視聴指標取得手段、S160が表示手段に相当する。
【0075】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
【0076】
例えば、上記実施形態では、番組グループ抽出処理を端末装置20側で行っているが、この処理をサーバ10側で行うように構成してもよい。
この場合、サーバ10,端末装置20は、以下の動作をするように構成すればよい。
【0077】
即ち、端末装置20は、操作部24にて指標推移表示要求操作が行われると、その操作によって指定された指定番組を明示したグループ情報取得要求を、通信部22(ネットワーク5)を介してサーバ10に送信する。
【0078】
通信部13(ネットワーク5)を介してグループ情報取得要求を受信したサーバ10では、制御部11が、データベース12に格納されているEPGデータを用いて番組グループ抽出処理を実行し、その処理結果である番組グループ情報を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0079】
通信部22を介して番組グループ情報を受信した端末装置20では、処理部21が、その番組グループ情報を記憶部23に格納すると共に、S150,S160に相当する処理を実行する。
【0080】
このような構成とすることで、端末装置20での処理負担を軽減することができる。
上記実施形態では、視聴指標を特に分類していないが、サーバ10は、性別,年代別,エリア別などの条件別で視聴指標を集計し、端末装置20は、グループ視聴指標推移グラフを、その条件によって表示を切り替えることができるように構成してもよい。
【0081】
上記実施形態では、番組の話数に関するメタデータをEPGデータから取得するものとして説明したが、このようなメタデータをネットワーク5上に存在する指定番組についてのコミュニティサイト等から取得するように構成してもよい。
【0082】
上記実施形態では、話数の推定を、メタデータやEPGデータを用いて行っているが、話数を示す画面上の表示やナレーションを画像解析技術や音声解析技術を用いて抽出した結果を用いて行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…情報提供システム 5…ネットワーク 10…サーバ 11…制御部 12…データベース 13…通信部 20…端末装置 21…処理部 22…通信部 23…記憶部 24…操作部 25…表示部 26…放送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組選択に必要な番組選択情報を取得する選択情報取得手段と、
前記取得手段にて取得された前記番組選択情報によって選択可能な番組の中から、いずれかの番組を指定する指定手段と、
前記取得手段にて取得された前記番組選択情報を検索して、前記指定手段により指定された番組と同一の番組グループに属する番組を抽出する抽出手段と、
前記指定手段にて指定された指定番組および前記抽出手段にて抽出された関連番組の視聴指標を取得する視聴指標取得手段と、
前記視聴指標取得手段が取得した視聴指標に基づき、前記番組グループ内での前記視聴指標の推移を示すための表示を行う表示手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記番組選択情報に含まれる番組名が、前記指定番組の番組名と一致する番組を前記関連番組として抽出することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記指定番組と同じ放送局によって放送される番組について検索を実行することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記指定番組と同じ時間帯または同じ曜日に放送される番組について検索を実行することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記番組選択情報に番組と番組グループとの対応関係を示すメタデータが含まれている場合、該メタデータに従って前記関連番組を抽出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
番組選択に必要な番組選択情報を記憶する記憶手段と、
いずれかの番組を指定したグループ情報取得要求を、通信ネットワークを介して受け付ける受付手段と、
前記記憶手段に記憶された前記番組選択情報を検索して、前記受付手段が受け付けた前記グループ情報取得要求により指定された指定番組と同一の番組グループに属する番組を抽出する抽出手段と、
前記指定番組および前記抽出手段にて抽出された関連番組の視聴指標を取得する視聴指標取得手段と、
前記通信ネットワークを介して、前記グループ情報取得要求の要求元に前記抽出手段での抽出結果および前記視聴指標取得手段での取得結果を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−5041(P2012−5041A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140605(P2010−140605)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(591275481)株式会社アイ・オー・データ機器 (98)
【Fターム(参考)】