説明

端末装置、指示装置、動作設定システム、動作設定方法およびプログラム

【課題】利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作のオンを、第三者が設定可能な端末装置、指示装置、動作設定システムおよび動作設定方法を提供する。
【解決手段】端末装置は、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な動作手段と、所定動作を実行するための実行指示を外部装置から受け付ける受付手段と、実行指示が受け付けられると、動作手段に所定動作を実行させる制御手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、指示装置、動作設定システム、動作設定方法およびプログラムに関し、特には、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な端末装置、その端末装置と通信可能な指示装置、動作設定システムおよび動作設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話機の利用者の発話が周囲の人の迷惑になることを防止可能な音声漏洩防止装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の音声漏洩防止装置は、利用者からの音声(例えば、携帯電話機への発話)を検出し、その音声と逆位相の音声を出力する音声漏洩抑制機能を有する。音声漏洩抑制機能が実行されると、利用者からの音声のうち周囲の人に漏れ伝わる音声は、逆位相の音声にて打ち消される。よって、利用者の発話が周囲の人に伝わり難くなり、利用者の発話が周囲の人の迷惑になることを防止可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−250389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音声漏洩抑制機能は、音声漏洩抑制機能を有する装置の利用者に対してではなく、その利用者とは異なる者(以下「第三者」と称する)のために行われる機能(以下「第三者用機能」と称する)である。
【0006】
音声漏洩抑制機能等の第三者用機能のオンの設定は、一般的に、第三者用機能の恩恵を受けない者(第三者用機能を有する装置の利用者)にて行われ、第三者用機能の恩恵を受ける者(第三者)が、第三者用機能のオンを設定できないという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を解決可能な端末装置、指示装置、動作設定システム、動作設定方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の端末装置は、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な動作手段と、前記所定動作を実行するための実行指示を、外部装置から受け付ける受付手段と、前記実行指示が受け付けられると、前記動作手段に前記所定動作を実行させる制御手段と、を含む。
【0009】
本発明の指示装置は、利用者の操作を検出する操作検出手段と、上記端末装置に、前記実行指示を出力する実行指示出力手段と、を含む。
【0010】
本発明の動作設定システムは、上記端末装置と、前記実行指示を送信する指示装置と、を含む。
【0011】
本発明の動作設定方法は、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な端末装置での動作設定方法であって、前記所定動作を実行するための実行指示を、外部装置から受け付ける受付ステップと、前記実行指示が受け付けられると、前記所定動作を実行する制御ステップと、を含む。
【0012】
本発明のプログラムは、コンピュータを、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な動作手段、前記所定動作を実行するための実行指示を、外部装置から受け付ける受付手段、および、前記実行指示が受け付けられると、前記動作手段に前記所定動作を実行させる制御手段として機能させる。
【0013】
本発明のプログラムは、コンピュータを、利用者の操作を検出する操作検出手段、および、前記操作検出手段が操作を検出すると上記端末装置に前記実行指示を出力する実行指示出力手段として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作のオンを、第三者が設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態の動作設定システムを示した図である。
【図2】携帯電話機1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】携帯電話機1が有する消音機能を第三者が有効に設定する手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態の動作設定システムを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の動作設定システムを示した図である。図1において、動作設定システムは、携帯電話機1および2を含む。
【0018】
携帯電話機1は、一般的に端末装置と呼ぶことができる。携帯電話機2は、一般的に外部装置または指示装置と呼ぶことができる。
【0019】
携帯電話機1は、動作部11と、通信部12と、制御部13と、電話機能部14と、を含む。
【0020】
動作部11は、一般的に動作手段と呼ぶことができる。
【0021】
動作部11は、消音動作を実行可能である。消音動作は、携帯電話機1の利用者からの音声を受け付け、その音声の逆位相の音声を出力する。このため、携帯電話機1の利用者からの音声のうち利用者と異なる第三者に向かう音声は、逆位相の音声にて打ち消される可能性が高くなる。なお、消音動作は、第三者のために行われる所定動作の一例である。また、消音動作は、携帯電話機1の利用者には関係しないが、他の者(第三者)には関係する機能の一例でもある。
【0022】
動作部11は、マイクロホン11aと、増幅器11bと、A/Dコンバータ11cと、逆位相生成部11dと、D/Aコンバータ11eと、アンプ11fと、音量調整部11gと、スピーカ11hと、を含む。A/Dコンバータ11cと、逆位相生成部11dと、D/Aコンバータ11eと、アンプ11fと、音量調整部11gと、スピーカ11hとは、消音動作部110に含まれる。
【0023】
マイクロホン11aは、携帯電話機1の利用者(音声源)からの音声波を捉え、その音声波をアナログ音声信号に変換する。増幅器11bは、マイクロホン11aからのアナログ音声信号を増幅する。
【0024】
A/Dコンバータ11cは、増幅器11bからのアナログ音声信号をディジタル音声信号に変換する。逆位相生成部11dは、ディジタル音声信号に基づいて、携帯電話機1の利用者が発した音声波と位相が180度異なる音声波を有するディジタル音声信号を生成する。D/Aコンバータ11eは、逆位相生成部11dからのディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。アンプ11fは、D/Aコンバータ11eからのアナログ音声信号を増幅する。音量調整部11gは、A/Dコンバータ11cからのディジタル音声信号に基づいて、アンプ11fの利得を調整する。スピーカ11hは、アンプ11fからのアナログ音声信号に応じた音声波を出力する。
【0025】
スピーカ11hからの音声波は、音声源(携帯電話機1の利用者)の音声波と干渉する。よって、スピーカ11hからの音声波と音声源の音声波とが打ち消しあう。したがって、消音もしくは音声伝播の抑制が行われる。
【0026】
なお、動作部11が実行する消音動作は、特許文献1に詳細が述べられているため、詳細な説明は省略する。
【0027】
通信部12は、一般的に受付手段と呼ぶことができる。
【0028】
通信部12は、携帯電話機2内の実行指示出力部2aから出力された、消音動作を実行するための実行指示を受け付ける。通信部12は、実行指示を受け付けると、その実行指示を制御部13に出力する。本実施形態では、実行指示出力部2aは、携帯電話機2内の操作部2bが携帯電話機2の利用者にて操作されると、予め設定された可聴音域外の音を実行指示として出力する。なお、実行指示出力部2aが、実行指示として、人間の可聴音域外の音のような所定の音を出力する場合、マイクロホン11aが通信部12を兼ねてもよい。この場合、マイクロホン11aの出力が、制御部13に入力される。
【0029】
制御部13は、一般的に制御手段と呼ぶことができる。
【0030】
制御部13は、通信部12にて実行指示が受け付けられると、動作部11に消音動作を実行させる。例えば、制御部13は、通信部12から実行指示を受け付けると、携帯電話機1の利用者の了解を得ることなく、消音動作部110に電源電圧を供給して消音動作部110を起動して、動作部11に消音動作を実行させる。つまり、制御部13は、携帯電話機1の利用者の作業に影響を与えず、携帯電話機1が有する携帯電話機1の利用者のための機能を損なうことなく、動作部11に消音動作を実行させる。
【0031】
電話機能部14は、増幅器11bからのアナログ音声信号を用いて、通話等の電話機能を実行する。
【0032】
携帯電話機2内の操作部2bは、一般的に操作検出手段と呼ぶことができる。操作部2bは、例えば、操作ボタンであり、携帯電話機2の利用者の操作を検出する。
【0033】
携帯電話機2内の実行指示出力部2aは、一般的に実行指示出力手段と呼ぶことができる。実行指示出力部2aは、操作部2bが携帯電話機2の利用者の操作を検出すると、予め設定された可聴音域外の音を実行指示として携帯電話機1に出力する。
【0034】
なお、携帯電話機1は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、コンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、動作部11、通信部12、制御部13および電話機能部14として機能する。記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。
【0035】
また、携帯電話機2は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、コンピュータは、CD−ROMのような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、実行指示出力部2aおよび操作部2bとして機能する。
【0036】
次に、動作を説明する。
【0037】
以下では、携帯電話機1を用いて通話中の話者Aと、話者Aの声を抑制したいと考える第三者Bがいるものとする。また、第三者Bは、携帯電話機2を持っているとする。
【0038】
図2は、携帯電話機1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0039】
携帯電話機1は、話者Aの操作に従って通話状態になると、特定のパターン(実行指示として予め設定された特定のパターン)を受け付けたか否かの判定(以下「特定パターン判定」と称する)を開始する(ステップS21)。
【0040】
携帯電話機1が特定パターン判定を開始すると、通信部12は、音の受け付けを開始する(ステップS22)
そして、制御部13は、通信部12が受け付けた音が特定のパターンに当てはまるかをチェックする(ステップS23)。
【0041】
この状況で、携帯電話機2内の操作部2bが第三者Bの操作を検出すると、携帯電話機2内の実行指示出力部2aは、実行指示として予め設定された特定のパターンの音を発する。
【0042】
携帯電話機1内の制御部13は、携帯電話機2からの特定のパターンの音を感知し、消音機能を有効にして、動作部11に消音動作を実行させる(ステップS24)。
【0043】
図3は、携帯電話機1が有する消音機能を第三者Bが有効に設定する手順を説明するためのフローチャートである。
【0044】
話者Aが通話を開始した後、第三者Bは、話者Aからの音声を抑制しようと決断し、携帯電話機2内の操作部2bを操作したとする。
【0045】
携帯電話機2内の操作部2bは、第三者Bの操作を検出する(ステップS31)。
【0046】
携帯電話機2内の操作部2bが第三者Bの操作を検出すると、携帯電話機2内の実行指示出力部2aは、実行指示として予め設定された特定のパターンの音を発する(ステップS32)。
【0047】
携帯電話機1内の制御部13は、携帯電話機2からの特定のパターンの音を感知し、消音機能を有効にして、動作部11に消音動作を実行させる。
【0048】
このため、第三者Bが携帯電話機2内の操作部2bを操作するだけで、実行指示出力部2aが、実行指示として予め設定された特定のパターンの音を発し、動作部11が消音動作を実行する。
【0049】
本実施形態によれば、動作部11は、利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能である。通信部12は、携帯電話機2内の実行指示出力部2aから出力された、消音動作を実行するための実行指示を受け付ける。通信部12が携帯電話機2から実行指示を受け付けると、制御部13は、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作(例えば、消音動作)を、動作部11に実行させる。
【0050】
このため、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作のオンを第三者が設定することが可能になる。
【0051】
また、本実施形態では、制御部13は、通信部12が携帯電話機2から実行指示を受け付けると、携帯電話機1の利用者に確認せず、携帯電話機1の利用者の操作を必要とせず、携帯電話機1の設定に係わらず強制的に、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行する。よって、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作のオンを、携帯電話機1の利用者の都合に係わらず、第三者が設定することが可能になる。
【0052】
なお、所定動作は、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために行われる動作であるため、所定動作の実行が、携帯電話機1の利用者に気がつかないうちに制御部13にて設定されても、例えば、携帯電話機1の利用者が意図せずに所定動作の実行が制御部13にて設定されても、携帯電話機1の利用者に対して生じる問題は少ない。
【0053】
なお、動作部11が、所定動作として消音動作(携帯電話機1の利用者からの音声を受け付け、その音声の逆位相の音声を出力する動作)を実行する場合、携帯電話機1の利用者でない第三者(本実施形態では、携帯電話機2の利用者)が、携帯電話機1の消音動作を有効にする設定(オン設定)を行うことが可能になる。このため、携帯電話機1の利用者の発話を迷惑と感じている側(本実施形態では、携帯電話機2の利用者)の判断が尊重され、携帯電話機1の利用者が意識せずに、携帯電話機1の利用者の発話の周りへの影響を抑えることができる。また、消音動作の設定に携帯電話機1の利用者本人の意思は関係無いため、携帯電話機1の利用者が無意識に引き起こす迷惑を防止することが可能になる。
【0054】
また、実行指示が所定の音である場合、例えば、以下の5つの利点を有する。
【0055】
(1)実行指示の指向性が少なく、携帯電話機の向きや位置の制約を少なくすることが可能になる。
【0056】
(2)無線LAN(Local Area Network)等のネットワークの構築を必要としない。
【0057】
(3)実行指示として赤外線通信が用いられた場合に比べて、実行指示の到達距離が長くなる。
【0058】
(4)実行指示が障害物にさえぎられにくくなり実行指示の非到達領域が少なくなる。
【0059】
(5)簡単な圧電素子を用いて実行指示を送信可能となるため、実行指示を送信する装置の構成を簡略化することが可能になる。
【0060】
(6)携帯電話機1が有するマイクロホン11aを通信部12として兼用することが可能になり、構成の簡略化を図ることが可能になる。
【0061】
上記実施形態では、実行指示として可聴音域外の音が用いられる。これは、消音機能の強制オンの実施に伴う話者と第三者とのトラブルを避けるために誰が音(実行指示)を放ったかを分かりにくくするためである。
【0062】
なお、実行指示として可聴領域の音が用いられても良い。この場合、携帯電話機1の利用者に注意を喚起することが可能になる。また、実行指示として予め設定された特定のパターンは、特定の音声のパターンでも良いし、特定のメロディでも良い。
【0063】
上記実施形態において、携帯電話機2では、操作部2bが、携帯電話機2の利用者の操作を検出し、実行指示出力部2aは、操作部2bが操作されると、予め設定された可聴音域外の音を実行指示として携帯電話機1に出力する。
【0064】
この場合、携帯電話機1とは異なる機器を用いて、携帯電話機1の所定動作(例えば、消音動作)の実行を制御することが可能になる。
【0065】
上記実施形態では、外部装置または指示装置として携帯電話機2が用いられたが、外部装置または指示装置は、携帯電話機2に限らず、実行指示出力部2aと操作部2bとを有している装置であればよく、適宜変更可能である。
【0066】
例えば、コンサートホールまたは劇場で、本発明の一実施形態の動作設定システムが使用される場合、コンサートホールまたは劇場に、実行指示出力部2aと操作部2bとを含む指示装置が設置され、この指示装置から、実行指示がコンサートホールまたは劇場内の全ての携帯電話機1に対して出力される。
【0067】
この場合、通信部12としては、携帯電話機1に電源電圧が投入されると動作を開始し、携帯電話機1の利用者が携帯電話機1を用いて通話を開始する前から、実行指示を受け付け可能な状態となる通信部が用いられ、コンサートホールまたは劇場内の指示装置は、例えば、携帯電話機1がコンサートホールまたは劇場に入るときに入り口で、実行指示を出力することが望ましい。
【0068】
上記実施形態において、実行指示出力部2aは、実行指示の他に、消音動作を停止するための停止指示を出力してもよい。
【0069】
停止指示は、例えば、実行指示として予め設定された特定のパターンとは異なる所定のパターンの音声波(可聴音域外の音であって、実行指示とは音の高さが異なる音、実行指示とは異なる和音または旋律)である。この場合、通信部12は、この停止指示をさらに受け付け、制御部13は、消音動作の実行中に停止指示が受け付けられると、消音動作部110への電源電圧の供給を停止して、動作部11に消音動作を停止させる。
【0070】
例えば、コンサートホールまたは劇場内の指示装置は、携帯電話機1がコンサートホールまたは劇場に入るときに実行指示を出力し、携帯電話機1がコンサートホールまたは劇場から退場するときに出口で停止指示を出力する。
【0071】
なお、停止指示は、可聴音域の音であって、実行指示とは音の高さが異なる音、実行指示とは異なる和音または旋律であってもよい。
【0072】
上記実施形態では、実行指示および停止指示として所定の音が用いられたが、実行指示および/または停止指示は音に限るものではない。
【0073】
例えば、実行指示および/または停止指示として、赤外線の信号を用いることが可能である。この場合、実行指示出力部2aとして赤外線送信部が用いられ、通信部12として赤外線受信部が用いられる。
【0074】
また、例えば、実行指示および/または停止指示として、電子メールが用いられてもよい。この場合、例えば、携帯電話機1に消音動作設定用の電子メールアドレスが設定され、携帯電話機2の利用者が、予め携帯電話機1の消音動作設定用の電子メールアドレスを認識している必要がある。このため、例えば、携帯電話機2の利用者と携帯電話機1の利用者とが知り合いであり、携帯電話機2の利用者が、予め携帯電話機1の消音動作設定用の電子メールアドレスを認識できる場合、実行指示および/または停止指示として電子メールを用いることが有効となる。
【0075】
また、実行指示および/または停止指示として電子メールが用いられる場合、本文に「実行指示」と記載された電子メールが、実行指示として用いられ、本文に「停止指示」と記載された電子メールが、停止指示として用いられてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態では、所定動作として消音動作が用いられたが、所定動作は、消音動作に限るものではなく、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために携帯電話機1にて行われる動作、例えば、動作を開始しても携帯電話機1の利用者にとって携帯電話機1の使用感が変化しない動作であればよい。例えば、所定動作として、呼び出し音を受け付けその呼び出し音の逆位相の声を出力して、呼び出し音のうち第三者に向かう声を逆位相の声にて打ち消す呼び出し音打ち消し動作が用いられてもよい。
【0077】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態の端末装置3を示したブロック図である。図4において、図1に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0078】
端末装置3は、例えば、携帯電話機である。端末装置3は、動作部11と、通信部12と、制御部13と、を含む。
【0079】
なお、端末装置3は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、コンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROMのような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、動作部11、通信部12および制御部13として機能する。
【0080】
第2実施形態においても、通信部12が携帯電話機2から実行指示を受け付けると、制御部13は、携帯電話機1の利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作(例えば、消音動作)を、動作部11に実行させる。
【0081】
このため、端末装置3の利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作のオンを第三者が設定することが可能になる。
【0082】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0083】
1、2 携帯電話機
11 動作部
11a マイクロホン
11b 増幅器
11c A/Dコンバータ
11d 逆位相生成部
11e D/Aコンバータ
11f アンプ
11g 音量調整部
11h スピーカ
110 消音動作部
12 通信部
13 制御部
2a 実行指示出力部
2b 操作部
3 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な動作手段と、
前記所定動作を実行するための実行指示を、外部装置から受け付ける受付手段と、
前記実行指示が受け付けられると、前記動作手段に前記所定動作を実行させる制御手段と、を含む端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置において、
前記動作手段は、前記利用者からの音声を受け付け当該音声の逆位相の音声を出力する動作を、前記所定動作として実行する、端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の端末装置において、
前記実行指示は、所定の音である、端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の端末装置において、
前記所定の音は、可聴音域外の音である、端末装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の端末装置において、
前記受付手段は、前記外部装置から、前記所定動作を停止するための停止指示をさらに受け付け、
前記制御手段は、前記所定動作の実行中に前記停止指示が受け付けられると、前記動作手段に前記所定動作を停止させる、端末装置。
【請求項6】
利用者の操作を検出する操作検出手段と、
前記操作検出手段が操作を検出すると、請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置に、前記実行指示を出力する実行指示出力手段と、を含む指示装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置と、
前記実行指示を送信する指示装置と、を含む動作設定システム。
【請求項8】
利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な端末装置での動作設定方法であって、
前記所定動作を実行するための実行指示を、外部装置から受け付ける受付ステップと、
前記実行指示が受け付けられると、前記所定動作を実行する制御ステップと、を含む動作設定方法。
【請求項9】
コンピュータを、
利用者とは異なる第三者のために行われる所定動作を実行可能な動作手段、
前記所定動作を実行するための実行指示を、外部装置から受け付ける受付手段、および、
前記実行指示が受け付けられると、前記動作手段に前記所定動作を実行させる制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
利用者の操作を検出する操作検出手段、および、
前記操作検出手段が操作を検出すると、請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置に、前記実行指示を出力する実行指示出力手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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