端末装置、電子メールサーバ、コンピュータが実行する情報処理方法及びプログラム
【課題】リソースを制限された携帯端末において、様々なアプリケーションプログラムを安全に実行する技術を提供する。
【解決手段】端末装置から電子メールの送信要求を受ける電子メールサーバであり、上記端末装置からの電子メール本文を含む送信要求を受信する送信要求受付部と、上記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求し、上記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得する保存要求部と、上記電子メール本文に上記指示情報を付加して電子メールを送信する送信部とを備える。
【解決手段】端末装置から電子メールの送信要求を受ける電子メールサーバであり、上記端末装置からの電子メール本文を含む送信要求を受信する送信要求受付部と、上記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求し、上記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得する保存要求部と、上記電子メール本文に上記指示情報を付加して電子メールを送信する送信部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話や端末装置等の通信装置、および、そのような通信装置やサーバからなる情報システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、携帯電話等の携帯端末は急速に普及し、家庭や企業社会等の様々な場面で利用されている。このような携帯端末は、単に通話に利用すること以外に、ウェブサイトへのデータのアップロード、ウェブサイトの閲覧、電子メールの送信等各種用途に利用されている。
【0003】
特に、携帯端末にカメラを搭載し、撮影した画像を他の携帯端末やウェブサイトに発信する等、画像を取り扱う機能が多用されている。
【0004】
また、携帯端末で電話を掛ける場合でも、電話番号検索機能や、発信履歴利用よる電話呼出機能等、多種多数の機能が提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、携帯端末における画像データの利用は、例えば、主として以下のものに限定されていた。
【0006】
(A)撮影した画像をメール添付などの手段を用いて外部へ転送する。
【0007】
(B)撮影した画像の一部を切り出して、待ち受け画像などに利用する。
【0008】
したがって、携帯電話に画像処理・加工のアプリケーションプログラムをインストールすることはまれであった。この主な理由は、携帯端末に、そのようなアプリケーションプログラムをインストールしても、携帯端末のリソース上の制限により、複雑な処理や複数の処理を行うアプリケーションを実行することができなかったからである。
【0009】
また、従来の携帯端末において、ユーザの情報を処理するアプリケーションプログラム、例えば、電話帳データの検索表示プログラムをネットワークで公開されたダウンロードサイトからダウンロードして利用する場合があった。
【0010】
そのような場合、ダウンロードされたプログラムの内部の仕様は、ユーザから不明である。したがって、そのようなダウンロードサイトから入手したプログラムが意図的に、ネットワーク上の第三者にデータ(例えば、検索した電話帳データ)を引き渡さないような保証はなかった。すなわち、ネットワーク上で流通するプログラムを使用する場合、ユーザの携帯端末においてセキュリティを確保する手段はなかった。
【0011】
本発明は、このような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、リソースを制限された携帯端末において、様々なアプリケーションプログラムを安全に実行する技術を提供することにある。
【0012】
すなわち、本発明は、リソースの制限された携帯端末において、例えば、セキュリティを確保した上で画像のハンドリング・加工等のデータ処理を実行できる技術を提供する。
これにより、本発明は、利用者のプライバシーを保護する。
【0013】
本発明のより具体的な目的を以下に示す。
【0014】
(1)画像データをハンドリング・加工するためのアプリケーションをユーザが携帯電話の外部からダウンロードして、大規模かつ柔軟な処理を実行できるようにする。
【0015】
(2)データを扱う際に、データそのものを直接やりとりするのではなく、データ種類、項目、ハンドリング情報等をもつタグを用いて、データを授受する仕組みを提供する。
【0016】
(1)は例えばJava(登録商標)アプリケーションをダウンロードし動作させる環境を携帯端末の中に持たせ、外部のアプリケーションサーバから複数のモジュールに分割して保存してあるアプリケーションを順番にダウンロードして実行することにより、大規模かつ柔軟な機能を実現することができる。
【0017】
(2)は例えば携帯端末に含まれる全てのデータに種類別、項目別、扱い別に認識可能なタグ情報を用意する。そして、携帯電話と(1)で述べたアプリケーションの間ではタグ情報をやり取りし、データを扱う場合はそのデータの中身(実体)に依らず、間接的に扱うことで実現する。これにより、アプリケーション中でデータ内部を参照することがないようにし、悪意のあるアプリケーションからプライバシーのあるデータ(電話番号帳やアドレス帳、メール内容など)を保護する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下、本発明が採用する手段を説明する。すなわち、本発明は、端末装置から電子メールの送信要求を受ける電子メールサーバであり、上記端末装置からの電子メール本文を含む送信要求を受信する送信要求受付部と、上記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求し、上記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得する保存要求部と、上記電子メール本文に上記指示情報を付加して電子メールを送信する送信部とを備えるものである。
【0019】
また、本発明は、サーバ装置と通信する通信部と、上記通信部を介して上記サーバ装置から受信したプログラムを実行する処理部と、内部データの種類を記憶する内部メモリ部と、出力領域の内容をそのまま表示する表示部と、上記処理部で実行されるプログラムからの要求であって上記内部データを特定する情報と特定された内部データの上記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するデータ管理部とを備える端末装置についてのものでもよい。
【0020】
好ましくは、上記内部データは、文字データを含み、上記変換された内部データは、上記文字を画像に変換したデータを含むものでもよい。
【0021】
この内部データの形式は、データの本来の形式、例えば、文字情報である。一方、変換された内部データの形式は、本来のデータの復元が困難な形式、例えば、画像である。このように変換された形式に変換して上記出力先に出力することで、上記プログラムから端末の外部に上記内部データの形式のデータが流出する危険を低減できる。
【0022】
好ましくは、上記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順位を識別する情報とを有するものでもよい。
【0023】
このように、データの種類と、その1つの種類の情報を構成する項目位置、また、項目順位により、データの実体を明示することなく、間接的にデータを指定できる。
【0024】
また、本発明は、サーバ装置と通信する通信部と、上記通信部を介して上記サーバ装置から受信したプログラムを実行する処理部と、上記処理部で実行されるプログラムからの要求にしたがい所定の機能を提供する機能提供部と、上記機能提供部にデータを提供するデータ管理部とを備え、上記要求は、上記データを特定する情報と、そのデータに関連する機能を指定する情報とを含み、上記プログラムは、上記要求において上記データを間接特定し、上記データ管理部は、間接特定されたデータを上記機能提供部または上記処理部に引き渡してもよい。
【0025】
ここで、例えば、上記プログラムは、端末外部のサーバから受信した電話呼び出しプログラムであり、機能提供部は、携帯端末内部に用意された電話呼び出し機能であり、上記データはその電話番号である。
【0026】
このように、上記プログラムからの要求では、データ、例えば、電話番号が間接特定され、上記機能提供部に引き渡される。データ管理部は、間接特定されたデータの実体(電話番号)を上記機能提供部に引き渡す。したがって、上記プログラムの実行時の情報、例えば、実行時のログや実行履歴においては、データの実体(上記電話番号)が特定されない。
【0027】
好ましくは、上記データ管理部は、画像データを管理し、上記要求により間接特定される画像データを上記処理部で実行されるプログラムに引き渡してもよい。
【0028】
本発明の上記いずれかの構成要素をコンピュータのプログラムとして実現してもよい。本発明は、コンピュータに上記いずれかの処理を実行させる方法であってもよい。また、本発明は、コンピュータに、以上のいずれかの機能を実現させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0030】
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る情報システムを図1から図16の図面に基づいて説明する。
【0031】
<システム構成>
図1に、本情報システムのシステム構成図を示す。この情報システムは、ネットワーク上のアプリケーションサーバ11、ウェブサーバ12、受信メールサーバ13および送信メールサーバ14と、ネットワークを介してこれらのサーバにアクセスする携帯端末1とから構成される。
【0032】
アプリケーションサーバ11、ウェブサーバ12、受信メールサーバ13および送信メールサーバ14は、ネットワークにアクセスする通信基板を備えた一般的なコンピュータである。また、携帯端末1は、携帯電話、PHS(Personal Handypho
ne System)、携帯情報端末(PDA、Personal Digital(Data)Assistants)等である。
【0033】
アプリケーションサーバ11は、各種のアプリケーションプログラム(図1には、AP
1、AP2等として示されている)を保持している。アプリケーションサーバ11は、携帯端末1から要求があったときに、要求されたアプリケーションプログラムを携帯端末1にダウンロードする。
【0034】
ウェブサーバ12は、HTTP(HyperText Transfer Protopcol)にしたがい、クライアントである携帯端末1と通信する。そして、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのウェブページへのリクエストに応答して、そのウェブページを配信する。
【0035】
また、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのウェブページのアップロード要求に対して、そのウェブページを記述するHTML(HyperText Markup Language)のデータを受信し、所定の記憶領域にセーブする。
【0036】
本実施形態では、アップロードされたデータのセーブ先を示すURLは、携帯端末1が生成する。ウェブサーバ12は、アップロードされるデータと、そのURL(Uniform Resource Locator)とを受信する。そして、ウェブサーバ12は、そのURLによって指定されるファイルにアップロードされたデータをセーブする。
【0037】
受信メールサーバ13は、ネットワークを通じて受信した電子メールを携帯端末1に引き渡す。
【0038】
送信メールサーバ14は、携帯端末1から送信要求された電子メールを指定された送信先に送信する。本実施形態の情報システムにおいて電子メールに画像データが添付される場合には、画像データそのものが電子メールに添付される代わりに、その画像データの保存先を示すURLが添付される。以上のような各サーバのハードウェアの構成は広く知られているので、その説明を省略する。
【0039】
図2に、携帯端末1のハードウェア構成図を示す。図2のように、携帯端末1は、CPU2と、メモリ3と、クロック部9と、インターフェース4を介してCPU2に接続される撮影部5と、表示部6と、操作部7と、通信部8とを有している。
CPU2は、メモリ3にロードされたプログラムを実行し、携帯端末1としての機能を提供する。メモリ3は、CPU2で実行されるプログラムやCPU2で処理されるデータを記憶する。メモリ3は、揮発性のメモリ、例えば、DRAMと、不揮発性のメモリ、例えば、フラッシュメモリとを有している。
【0040】
クロック部9は、CPU2が動作する内部クロックを生成する。また、クロック部9は、CPU2で実行されるシステムプログラムの作用により、アプリケーションプログラムに対して内蔵時計の機能を提供する。
【0041】
すなわち、システムプログラムは、クロック部9によって計数された経過時間と所定の基準時刻とから現在の年月日時刻を算出する。CPU2で実行されるアプリケーションプログラムは、システムプログラムに現在の年月日時刻を問い合わせることができる。
インターフェース4は、CPUの内部バスの信号と、周辺装置に接続されるI/Oバスの信号とを互いに変換する。インターフェース4には、I/Oバスにより、撮影部5、表示部6、操作部7および通信部8が接続される。
【0042】
撮影部5は、例えば、MOSカメラ、CCDカメラ等である。撮影部5は、撮像素子に入力される光信号を電気信号に変換し、画像データを生成する。生成された画像データは、インターフェース4を介してメモリ3に記憶される。
【0043】
メモリ3に記録される画像データの形式としては、例えば、GIF(Graphics
Interchange Format)フォーマット、JPEG(Joint Pho
tographic Coding Experts Group)フォーマットまたはP
NG(Portable Network Graphics)フォーマット等を使用すればよい。これらのフォーマットは、広く知られているので、その説明を省略する。
【0044】
表示部6は、携帯端末1のユーザが入力した情報、メニュー、アイコン等のオブジェクト、撮影部5が撮影した画像、他の端末やサーバから送信された電子メールの文書、またはウェブサーバ12が配信するウェブページ等を表示する。表示部6として、例えば、液晶ディスプレイ、EL(electroluminescence)ディスプレイ等が使用される。
【0045】
操作部7は、情報を入力し、携帯端末1を操作するために使用される。操作部7は、キーボード、ポインティングデバイス、押しボタンダイヤル等である。ポインティングデバイスは、表示部6に表示されたメニューやアイコンを操作するために使用される。ポインティングデバイスとしては、例えば、矢印キー、トラックボール、ジョイスティック、静電式タッチパッド、スティック形状のポインティングデバイスが使用できる。
【0046】
通信部8は、CPU2の指令により、ネットワークにアクセスし、ネットワーク上のサーバや他の携帯端末と通信する。通信部8は、アンテナと高周波(RF)回路を含む。
図1に示すように、携帯端末1は、アプリケーションサーバ11からその画像データを処理するためのアプリケーションプログラムAP1、AP2等をダウンロードする。そして、携帯端末1は、ダウンロードしたアプリケーションプログラムAP1等を実行することで、撮影した画像データを加工する。
【0047】
ここで、画像データの加工とは、画像データの分割、2以上の画像データの合成、画像データへの文字情報の埋め込み、各種エフェクト処理等をいう。また、エフェクト処理には、例えば、画像データの平滑化、輪郭強調、色合いの調整、明るさの調整、コントラストの調整等が含まれる。
【0048】
携帯端末1は、このようにして生成した画像や加工した画像をウェブサーバ12にアップロードする。また、携帯端末1は、このようにして生成した画像や加工した画像を電子メールに添付する。
画像を電子メールに添付して送信先の端末やサーバ等に引き渡す手順として、本携帯端末1は、以下を用いる。
【0049】
(方法1)直接電子メールに画像データファイルを添付する。
【0050】
(方法2)画像データを所定のウェブサーバ12にアップロードしておき、そのアップロード先を示すURLを電子メールに添付する。
【0051】
携帯端末1は、ユーザの設定により、これらの方法を使い分ける。ただし、本実施形態では、方法1の手順による処理例を主として説明する。
【0052】
<データ構成>
図3に、アプリケーションサーバ11から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図を示す。図3に示すように、このデータは、ダウンロードされるプログラムの本体と、制御部とを有している。
【0053】
プログラムの本体とは、アプリケーションサーバ11で管理され、携帯端末1にダウン
ロードされるアプリケーションプログラムである(図1に示すAP1等)。これらのアプリケーションプログラムには、例えば、画像の加工や画像に対するエフェクト処理を実行するプログラムが含まれる。
【0054】
制御部には、本データによってダウンロードされるプログラムの次に実行可能なアプリケーションプログラムの数、およびそのようなアプリケーションプログラムを識別するIDが列記される。
【0055】
このIDは、携帯端末1内およびアプリケーションサーバ11内において各アプリケーションプログラムを識別する記号である。IDは、例えば、アプリケーションプログラムを格納するファイルのURLである。
【0056】
携帯端末1は、1つのアプリケーションプログラムを実行した後、制御部に複数の実行可能なプログラムが列記されていた場合、それらのプログラムの選択肢を表示部部6に表示し、ユーザに選択させる。ユーザがその選択肢のいずれかを選択すると、携帯端末1は、選択されたプログラムのダウンロードをアプリケーションサーバ11に要求し、ダウンロードされたプログラムをさらに実行する。
【0057】
また、携帯端末1は、1つのアプリケーションプログラムを実行した後、制御部に1つの実行可能なプログラムが指定されていた場合、制御部に指定されたプログラムのダウンロードをアプリケーションサーバ11に要求し、ダウンロードされたプログラムをさらに実行する。
【0058】
このような手順で、本実施形態の携帯端末1は、ウェブサーバ11から順次実行可能なアプリケーションプログラムをダウンロードし、逐次的に実行する。例えば、携帯端末1は、撮影部5で撮影した画像に以下の処理(これらを画像の加工ともいう)を実行する。
【0059】
(1)画像のノイズ除去
(2)画像の所定範囲の切り出し
(3)画像と画像の合成
(4)色合いの調整
(5)コントラストの調整
(6)輪郭部の強調
(7)所定の文字列、例えば、日付やタイトルを挿入する。
【0060】
(8)データの圧縮
さらに、携帯端末1は、上記のような処理がされた画像をウェブページとしてウェブサーバ12にアップロードする。また、携帯端末1は、そのような画像を電子メールに添付して送信先に送付する。
【0061】
<作用>
以下、図4から図11により、本情報システムの各構成要素において実行されるプログラムの処理を示す。
【0062】
[ウェブページに対するデータ処理]
図4に、携帯端末1のCPU2が実行するデータアップロード処理のフローチャートを示す。CPU2は、操作部7に対するユーザの操作に応答し、図4で示される処理を起動する。
【0063】
データアップロード処理では、CPU2は、まず、アップロードするデータを外部から
取得するか否かを判定する(S1)。外部から取得する場合とは、例えば、撮影部5により画像データを生成する場合、操作部7からユーザが入力したデータを利用する場合、または、ウェブサーバ12からダウンロードする場合等をいう。
【0064】
また、外部から取得しない場合とは、携帯端末1にすでに記録されているデータを利用する場合をいう。データを外部から取得するか否かは、CPU2がユーザの操作部7への操作を検出して決定する。
【0065】
データを外部から取得する場合、CPU2は、ユーザ操作にしたがい、処理対象データを取得する(S2)。例えば、CPU2は、撮影部5により画像データを生成する。一方、データを外部から取得しない場合、CPU2は、制御をS3に進める。
【0066】
次に、CPU2は、ユーザ操作を検出し、データを加工するか否かを判定する(S3)。データを加工する場合、CPU2はデータ加工処理を実行する(S4)。一方、データを加工しない場合、CPU2は、制御をS5に進める。
【0067】
次に、CPU2は、URLを生成する(S5)。このURLは、データをアップロードするアップロード先のデータファイルを指定するURLである。このURLは、アップロードするウェブサーバのURLに、携帯端末1の端末IDおよび現在の年月日時刻を示す文字列を結合して生成する。
【0068】
例えば、ウェブサーバのURLがhttp://provider.netであり、携帯端末の端末IDがABC010001であり、現在の年月日時刻が0000年12月23日4時56分01秒の場合、URLは、http://provider.net/ABC010001/0000−12−23−04−56−01のように生成される。
ここで、現在の年月日時刻は、システムプログラムに問い合わせることにより、内蔵時計(図2に示したクロック部9)から得ることができる。
【0069】
また、携帯端末IDは、携帯電話会社ごとに各携帯端末1に対してユニークに割り当てられる記号である。ただし、携帯端末IDを使用する代わりに携帯端末に割り当てられている電話番号を用いてもよい。この端末IDまたは電話番号は、メモリ3を構成する不揮発性メモリに記録されている。
【0070】
次に、CPU2は、そのURLを指定して、データをウェブサーバ12にアップロードする(S6)。
【0071】
図5に、データ加工処理(図4のS4)の詳細を示す。この処理では、CPU2は、まず、アプリケーションサーバ11からプログラムをダウンロードする(S41)。
【0072】
次に、CPU2は、そのプログラムを実行する(S42)。これにより、例えば、画像の色合いの調整、コントラストの調整、平滑化等が画像に対して実行され、画像が所定の領域に保存される。
【0073】
次にCPU2は、実行したプログラムから実行結果の保存先を取得する(S43)。次に、CPU2は、次に実行可能なプログラムが存在するか否かを判定する(S44)。これは、図3に示したように、ダウンロードしたデータの制御部に、次に実行可能なプログラムのIDが設定されているか否かの判定である。
【0074】
次に実行可能なプログラムがある場合、CPU2は、ユーザがデータ加工処理を終了させる指示をしたか否かを判定する(S45)。そして、データ加工処理を終了しない場合
、CPU2は、実行可能なプログラムが複数あるか否かを判定する(S46)。そのようなプログラムが複数ある場合、CPU2は、表示部6にそのようなプログラムの選択肢表示する。そして、CPU2は、ユーザにプログラムを選択させる(S47)。そして、CPU2は、制御をS41に戻す。
【0075】
また、S46の判定で、実行可能なプログラムが1つしかない場合、CPU2は、制御をS41に戻し、そのプログラムをダウンロードする。一方、S44の判定で、実行可能なプログラムがない場合、CPU2は、データ加工処理を終了する。
【0076】
図6に、アプリケーションサーバ11のダウンロード処理を示す。アプリケーションサーバ11は、通常、携帯端末1からのダウンロード要求を待っている(S100)。
アプリケーションサーバ11は、ダウンロード要求を受信すると(S101でYESの場合)、要求した携帯端末1に要求されたアプリケーションプログラムをダウンロードする(S102)。
【0077】
プログラムをダウンロードする際、図3に示したように、次に実行可能なプログラムを示す制御部が付加される。その後、アプリケーションサーバ11は、制御をS100に戻す。
【0078】
図7に、ウェブサーバ12で実行されるアップロード処理を示す。この処理では、ウェブサーバ11は、通常、携帯端末1からのアップロード要求を待っている(S110)。ウェブサーバ12は、アップロード要求を受信すると(S111でYESの場合)、携帯端末からアップロードされるデータを受信する(S112)。さらに、ウェブサーバ12は、アップロードされたデータを格納する格納先を示すURLを受信する(S113)。
【0079】
次に、ウェブサーバ12は、ウェブサーバオプション処理を実行する(S114)。ウェブサーバオプション処理は、アップロードされたデータに対する選択的な処理であり、携帯端末1からのアップロード要求で処理の有無、および処理の種類が指定される。
【0080】
次に、ウェブサーバ12は、受信したURLで指示される領域、例えば、URLが示すファイルにそのデータを格納する。この場合、そのファイルが存在しない場合、新たにファイルが作成され、データが格納される。その後、ウェブサーバ12は、制御をS110に戻す。
【0081】
図8に、ウェブサーバオプション処理(図7のS114)の詳細を示す。この処理では、ウェブサーバ12は、まず、受信データが画像データか否かを判定する(S1140)。
【0082】
そして、受信データが画像データの場合、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求に画像の加工指定があるか否かを判定する。画像の加工指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信した画像に指定された加工を実施する。画像の加工とは、色合い、コントラストの調整、画像の平滑化、切り出し、合成等である。
【0083】
次に、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求にテキストデータの付加指定があるか否かを判定する(S1143)。テキストデータの付加指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信したデータにテキストデータの付加を実施する(S1144)。
テキストデータの付加とは、アップロードされたデータに所定の定型文等を付加する処理をいう。これは、例えば、画像にタイトル、各種メッセージ(お祝い等のメッセージ)を付加する処理である。
【0084】
次に、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求に音データの付加指定があるか否かを判定する(S1145)。音データの付加指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信したデータに音データの付加を実施する(S1146)。
音データの付加とは、アップロードされたデータに所定の音声メッセージ、音楽、効果音等を付加する処理をいう。これは、例えば、画像にお祝い等の音楽(クリスマスソングやハッピーバースデイツーユー等)を付加する処理である。
【0085】
音データは、例えば、Wavフォーマット、PCM(Pulse Code Modulation)フォーマット、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)フォーマットまたはAIFF(Audio
Interchange File Format)等のフォーマット等で記録すればよ
い。
次に、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求に着信メロディデータの付加指定があるか否かを判定する(S1147)。着信メロディデータの付加指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信したデータに着信メロディデータの付加を実施する(S1148)。
【0086】
着信メロディデータとは、着信メロディデータを付加されたデータを受信した端末に着信メロディ音を発生させるデータである。例えば、画像に着信メロディデータを付加しておき、その画像を他の端末に送信すると、その画像データを受信した端末は、着信メロディを出力する。その後、ウェブサーバ12は、ウェブサーバオプション処理を終了する。
【0087】
[電子メールの送信処理]
図9に、携帯端末1が電子メールサーバ14に送信を要求する電子メール送信要求処理を示す。この処理も図4のデータアップロード処理と同様携帯端末1のCPU2において実行される。
【0088】
電子メール送信要求処理では、CPU2は、まず、電子メールに画像等のデータを添付するか否かを判定する(S1A)。データを添付する場合、CPU2は、ユーザ操作にしたがい、添付するデータを取得する(S2)。例えば、CPU2は、撮影部5により画像データを生成する。また、ユーザ操作にしたがい、添付ファイルの内容を取り込む。
【0089】
次に、CPU2は、ユーザ操作を検出し、送信するメッセージ本文または添付データを加工するか否かを判定する(S3A)。メッセージ本文またはデータを加工する場合、CPU2はメッセージまたはデータ加工処理を実行する(S4A)。
【0090】
メッセージの加工とは、例えば、メッセージ本文に着信メロディ、定型文、所定の音データを付加する処理をいう。また、画像の加工は、すでに述べたように、色合いやコントラストの調整、画像の平滑化、分割、合成、所定の文字データの付加、音データの付加等である。
【0091】
次に、CPU2は、URLを生成する(S5A)。この処理は、図4のS5と同様である。そして、CPU2は、そのURLを指定して、データをウェブサーバ12にアップロードする(S6A)。
【0092】
次に、CPU2は、そのURLを電子メールのメッセージ本文に付加して、送信メールサーバ14に引き渡す(S7A)。
【0093】
図10に、送信メールサーバ14の送信処理を示す。この処理では、通常、送信メール
サーバ14は、電子メール送信要求待ちの状態にある(S120)。
【0094】
電子メール送信要求を受信すると、送信メールサーバ14は、携帯端末1から画像データのセーブ先を示すURLが付加された電子メール本文を受け取る(S122)。
【0095】
次に、送信メールサーバ14は、送信メールサーバオプション処理を実行する(S123)。この送信メールサーバオプション処理は、電子メールで送信されるデータに対する選択的な処理であり、携帯端末1からの電子メール送信要求で処理の有無、および処理の種類が指定される。そして、送信メールサーバ14は、電子メールを送信する(S124)。
【0096】
図11に、送信メールサーバオプション処理(図10のS123)の詳細を示す。この処理では、送信メールサーバ14は、携帯端末1からの電子メール送信要求にテキストデータの付加指定があるか否かを判定する(S11230)。
【0097】
テキストデータの付加指定がある場合、送信メールサーバ14は、送信データにテキストデータを付加する(S1231)。テキストデータの付加は、図8のウェブサーバオプション処理で説明した処理(S1144)と同様である。
【0098】
次に、送信メールサーバ14は、携帯端末1からの電子メール送信要求に音データの付加指定があるか否かを判定する(S1232)。音データの付加指定がある場合、送信メールサーバ14は、送信データに音データを付加する(S1233)。音データの付加は、図8のウェブサーバオプション処理で説明した処理(S1146)と同様である。
【0099】
次に、送信メールサーバ14は、携帯端末1からの電子メール送信要求に着信メロディデータの付加指定があるか否かを判定する(S1234)。着信メロディデータの付加指定がある場合、送信メールサーバ14は、送信データに着信メロディデータを付加する(S1235)。
【0100】
着信メロディデータの付加は、図8のウェブサーバオプション処理で説明した処理(S1148)と同様である。その後、ウェブサーバ12は、送信メールサーバオプション処理を終了する。
【0101】
<実施形態の効果>
以上述べたように、本実施形態の情報システムでは、携帯端末1は、画像等のデータを加工するための複数のアプリケーションプログラムをアプリケーションサーバ11から順次ダウンロードし、逐次実行する(図5)。このため、リソースが制限される携帯端末1においても、比較的負荷の大きい加工処理を実行することができる。
【0102】
また、上記携帯端末1は、撮影部5を備えているので、撮影した画像データに対してそのような加工を順次実行することができる。また、上記携帯端末1は、そのような加工後のデータをウェブサーバ12にアップロードすることができる。また、上記携帯端末1は、加工後のデータのURLを電子メールに付加し、送信先に送信することができる。
【0103】
また、上記実施形態の携帯端末1は、ウェブサーバ12にアップロードするデータの格納先を示すURLを携帯端末ID、電話番号、現在年月日時刻等の組み合わせにより生成する。このため、他の端末が生成したURLと重複のないユニークなURLを携帯端末1側で生成できる。
【0104】
<URL生成手順の変更>
上記実施形態では、携帯端末1がアップロードされるデータの格納先を示すURLを生成した。しかし、本発明の実施は、そのような手順には限定されない。
【0105】
図12に、ウェブサーバ12が、アップロードされたデータのセーブ先のURLを生成する処理を示す。この処理において、S110〜S112およびS114の処理は、図7の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0106】
ウェブサーバオプション実行後、ウェブサーバ12は、携帯端末からアップロードされたデータのセーブ先のURLを生成する(S115A)。セーブ先を指示するURLは、例えば、携帯端末1における処理(図4のS5)と同様、アップロード要求元の携帯端末1の携帯端末ID等や、現在の年月日時刻等を用いてもよい。また、乱数や通し番号等を用いてもよい。また、これらの組み合わせを用いてもよい。
【0107】
次に、ウェブサーバ12は、アップロードされたデータを生成したURLで指示される領域にセーブする(S115B)。次に、ウェブサーバ12は、データセーブ先のURLを携帯端末1へ送信する(S116)。これにより、携帯端末1は、アップロードされたデータのセーブ先を知ることができる。
【0108】
図13に、送信メールサーバ12が、電子メールに添付されるデータ(以下添付データという)を携帯端末1から受信し、ウェブサーバ12に作成したURLの領域に添付データを保存させる処理を示す。この処理のS120、S121は、図10の場合と同様である。
【0109】
電子メールの送信要求を受信すると、送信メールサーバ14は、携帯端末1から添付データを受信する(S122)。次に、送信メールサーバ14は、送信メールサーバオプションを実行する(S124)。
【0110】
次に、送信メールサーバ14は、添付データをウェブサーバ12にアップロードする(S125)。そして、送信メールサーバ14は、ウェブサーバ12から添付データのセーブ先URLを受信する(S126)。そして、送信メールサーバ14は、添付データのセーブ先のURLを付加した電子メールを送信する。
【0111】
<データサーバを含むシステム>
上記実施形態では、加工されるデータは、携帯端末1に保持されていた。しかし、本発明の実施は、このような構成や手順には限定されない。例えば、情報システムにデータサーバを追加、データサーバにおいてデータを保持するようにしてもよい。
【0112】
図14にそのような情報システムのシステム構成を示す。このシステムの構成は、データサーバ15が付加されている点を除いて図1と同様である。
【0113】
データサーバ15は、携帯端末1が撮影した画像データ等、携帯端末1で加工するデータ、携帯端末1からウェブサーバ12にアップロードするデータ、携帯端末1から発信する電子メールに添付するデータ等を保持する。
【0114】
この情報システムでは、データの加工前に、まず、携帯端末1がデータサーバ15から加工対象のデータをダウンロードする。そして、上記第1実施形態の場合と同様、アプリケーションサーバ11からのアプリケーションプログラムのダウンロードと実行を繰り返し、データを加工する。
【0115】
加工されたデータは、第1実施形態の場合と同様に、ウェブサーバ12にアップロード
してもよい。また、アップロードしたデータのセーブ先URLを電子メールに付加してもよい。
【0116】
ただし、加工後のデータをデータサーバ15に保存し、その保存先を示すURLをウェブサーバ12に引き渡すウェブページに記述するようにしてもよい。また、加工後のデータをデータサーバ15に保存し、その保存先を示すURLを電子メールに添付して送信するようにしてもよい。
【0117】
さらに、データサーバ15から携帯端末1にデータを一括してダウンロードせず、部分的なデータに区分して順次、携帯端末1に引き渡すようにしてもよい。そして、区分されたデータを順次加工するようにしてもよい。
【0118】
ただし、画像データを加工する場合には、画像の色合い調整、コントラスト調整、明るさの調整、平滑化、輪郭強調等の処理では、画像を区分した境界部分を適正に処理することが困難であり、データを区分して処理することは簡単ではない。
【0119】
一方、画像と画像を合成する処理や画像を切り出す処理、画像に文字データ、音データ等を付加する処理は、区分したデータに対しても適正に実行される。
【0120】
図15に、データを区分してデータサーバ15から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図を示す。このデータは、制御部と、ダウンロードされるデータの本体とから構成される。ここで、ダウンロードされるデータの本体とは、分割されたデータそのものである。本実施形態において、データが画像データの場合には、2次元の矩形表示領域を想定する。データが画像データ以外の場合、特に表示領域を想定しない。
【0121】
制御部は、データの識別子、データの分割数(N、M)、分割の幅(ΔW、ΔH)本データの分割番号(n、m)を有している。データの識別子は、処理対象のデータを識別する文字列である。
【0122】
データの分割数(N、M)は、データを分割する場合の横方向の分割N、および、縦方向の分割数Mである。ただし、データが画像データ以外の場合、M=1固定である。
【0123】
また、分割の幅(ΔW、ΔH)は、画像データに対する分割領域の横方向の幅ΔWと縦方向の幅ΔHである。
【0124】
本データの分割番号(n、m)は、分割された領域の位置を示す位置番号であり、例えば、右上の領域を開始位置(1、1)とし、nは右方向の位置番号、mは下方向の位置番号として定義される。ただし、データが画像データ以外の場合、m=1固定であり、番号nにより分割されたデータの順位を指定する。
【0125】
図16に、区分されたデータを加工する携帯端末1におけるCPU2のデータ処理の手順を示す。この処理では、CPU2は、まず、処理対象データ(区分されたデータ)をデータサーバ15から取得する(S30)。
【0126】
次に、CPU2は、処理対象データに所定の処理を実行する(S31)。所定の処理とは、例えば、画像に対する文字データの追加、画像の分割、画像の合成等である。
次に、CPU2は、実行結果のデータをデータサーバ15に保存する(S32)。この場合、データサーバ15は、分割部分の2番目の部分以降のデータをその前に処理されたに部分に合成すればよい。
【0127】
次に、携帯端末1は、データに分割の残り部分があるか否かを判定する。そして、分割の残り部分がある場合、CPU2は、次の分割部分をデータサーバ15から取得する(S34)。そして、CPU2は、制御をS31に戻す。一方、データの残り部分がない場合、CPU2は、データ処理を終了する。
【0128】
このような手順を採ることで、携帯端末1がデータ保持するための十分なリソースを有しない場合でも、最終的には、データの全体を加工することができる。
【0129】
<その他の変形例>
上記実施形態では、電子メールに画像を添付する場合に、その画像をまず、ウェブサーバ12にアップロードし、そのアップロードしたデータの格納先を示すURLを電子メールの本文に付加した。しかし、本発明の実施はそのような手順には限定されない。例えば、画像データそのものを電子メールに添付してもよい。
【0130】
上記実施形態では、携帯端末1からの要求によりアプリケーションサーバ11は、要求されたアプリケーションプログラムを携帯端末1にダウンロードした。そして、携帯端末1がアプリケーションプログラムを実行した。しかし、本発明の実施はそのような構成や作用に限定されない。例えば、携帯端末1から要求があったときに、アプリケーションサーバ11においてアプリケーションプログラムを実行するようにしてもよい。
【0131】
その場合には、携帯端末1からアプリケーションサーバ11に、処理対象のデータを引き渡すようにすればよい。また、図14に示したように、処理対象のデータがデータサーバ15に保持されている場合には、携帯端末1からアプリケーションサーバ11に、処理対象のデータの所在を引き渡すようにすればよい。
【0132】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態を図17から図21の図面の基づいて説明する。図17は、第2実施形態に係る情報システムのシステム構成図であり、図18は、図17に示した電話帳表示プログラムが携帯端末1に表示する電話帳画面の例であり、図19は、図17に示した外部プログラム20と内部プログラム21とのインターフェースを記述するタグ情報の例であり、図20は、電話帳表示プログラムの処理を示すフローチャートであり、図21は、携帯端末1で実行される電話呼出プログラムの処理を示すフローチャートである。
【0133】
上記第1実施形態では、携帯端末1に、アプリケーションサーバ11からプログラムを順次ダウンロードして実行することにより、リソースの少ない携帯端末1において複雑な処理を実現するシステムについて説明した。
【0134】
本実施形態では、携帯端末1に、アプリケーションサーバ11からプログラムをダウンロードして利用する場合に、利用者のセキュリティを確保するシステムについて説明する。
他の構成要素は、第1実施形態の場合と同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図16の図面を参照する。
【0135】
<発明の背景>
従来、アプリケーションサーバ11からプログラムを携帯端末1にダウンロードして実行することは行われていた。しかし、従来、アプリケーションサーバからダウンロードしたアプリケーションプログラム(以下、本実施形態では外部プログラムという)と、携帯端末1に内蔵した内部プログラムの関係は、以下の通りである。
【0136】
(1)ユーザが外部プログラムを起動し、所定の処理を、例えば、電話番号の検索・表示を実行する。
【0137】
(2)外部プログラムは、内部プログラムに依頼し、指定の検索条件に合致する電話番号を検索させる。
【0138】
(3)内部プログラム、例えば、データベース管理プログラムは、検索処理を実行し、結果を外部プログラムに引き渡す。
【0139】
(4)外部プログラムは、引き渡された結果を表示する。
【0140】
このような処理手順では、検索された結果が外部プログラムおよびネットワークを介してネットワーク上に流出する可能性があった。
【0141】
<システム構成>
図17に、本実施形態に係る情報システムの概念図を示す。本情報システムは、携帯端末1と、その携帯端末1に外部プログラム20を提供するアプリケーションサーバ1等のサーバをネットワークで接続して構成される。
【0142】
アプリケーションサーバ11は、外部プログラム格納部を有しており、各種の外部プログラムを保持している。外部プログラムには、例えば、電話帳表示プログラム、画像加工プログラム等が含まれる。これらの外部プログラム20は、Java(登録商標)等の言語で記述される場合が多い。
【0143】
携帯端末1は、メモリ3(図2参照)に外部プログラム20、および内部プログラム21を有する。携帯端末1のCPU2は、外部プログラム20を実行し、ユーザに対応する機能を提供する。
【0144】
本実施形態では、外部プログラム20は、外部プログラム20固有の処理結果を出力領域24に出力する(矢印200)。また、外部プログラム20が内部プログラム21を介して実行すべき処理は、所定のアプリケーションインタフェースを介して内部プログラム21に指令される(矢印201)。
【0145】
このアプリケーションインタフェースでは、処理対象のデータが、内部プログラム21が管理する内部データ22の場合に、間接的に指定される。すなわち、内部データ22を特定する情報を直接指定するのではなく、データの種類、その種類中の項目の番号等により間接的に内部データ22が指定される。例えば、電話帳という種類のデータの1番目〜10番目までの項目を出力する指令が外部プログラム20から内部プログラム21に引き渡される。
【0146】
内部プログラム21は、内部データ22にアクセスし、指定された種類のデータの中の指定された項目のデータを出力領域24に、例えば、画像として出力する(矢印202)。出力領域24の内容は、そのまま表示部6に表示される。したがって、電話帳の1から10番目に記録された電話番号が表示部6に表示される。
【0147】
この場合、外部プログラム24は、出力領域の画像を文字列として簡単には、認識することができない。したがって、外部プログラムがネットワークを介して内部データ22を第三者に引き渡すような不正の発生を低減できる。
【0148】
また、例えば、内部データとして、画像を取り扱う場合を考える。すなわち、撮影部5
で撮影して携帯端末1の内部に保存している複数の画像データ中から1つのデータを選択する場合、データについているタグとして
種類タグ:撮影画像データ(JPEG)
項目タグ:2番目の画像データ
ハンドリングタグ:加工可能なデータ(著作権フリー)
を扱うものとする。
【0149】
ネットワークのアプリケーションサーバ11上にあるアプリケーション群から、画像加工アプリケーションをダウンロードする。この画像加工アプリケーションはまず、携帯端末1の内部データ22から扱う対象データとして撮影画像データというタグを持つ内部データにアクセスする。
【0150】
このタグを持つ内部データ22をサーチし、リストする。このとき撮影画像データにつけられているタイトル名は、携帯電話内部に持っているタイトル名リストを種類タグと項目タグを使って取得する。
【0151】
この場合、取得のためのアプリケーションインターフェースと表示のためのアプリケーションインターフェースは携帯端末1内部プログラム21により実現する。これにより、外部アプリケーション20(この場合、画像加工アプリケーション)は直接タイトル名を扱う必要がない。その結果、例えば、画像のタイトルのような特定のプライバシー情報の保護が可能となる。
【0152】
リスト中から選択されたデータは、その種類タグから撮影画像データ(JPEG)であることがわかる。その結果、画像加工アプリケーションでの処理はJPEGデータを扱うことを前提に個々の処理実現できる。
【0153】
例えば画像中の座標(X,Y)の画素データを扱う場合は、携帯端末1側のデータアクセスアプリケーションインターフェースを利用して、座標から算出されるオフセットアドレス値を用いて値を得ることができる。また、加工したデータは同様のアプリケーションインターフェースを用いて書き込むことできる。このような方法を用いることで、画像データ全体の内容を確認することなく処理が行える。
【0154】
このような画像加工アプリケーションでの処理が終了した場合、加工後の画像データは携帯端末内部の元のエリアに書き戻してもよいし、ネットワーク側のデータサーバ15(図1参照)として利用可能な空間にアップロードして保存してもよい。
【0155】
<電話帳表示プログラムの画面構成>
図18に、図17に示した電話帳表示プログラムの画面表示例を示す。この例では、表示領域31に、罫線32が描画され表が形成されている。この表の第1行は、タイトル行であり、”通し番号”、”氏名”および”電話番号”の各タイトルが表示されている。
【0156】
また、この表の第2行目以降の各行は、電話帳の個人ごとのデータが表示される。各行には、タイトル行に対応して、通し番号34、氏名35、および電話番号33が表示される。
【0157】
<タグ情報の構成例>
図19に、本実施形態で使用するタグ情報の構成例を示す。図19に示すように、本実施形態では、タグ情報は、分類タグ、種類タグ、および項目タグの組み合わせで指定する。
【0158】
分類タグは、データの種類を指定する。例えば、”分類タグ=01”のとき、データが文字データであることを示す。また、”分類タグ=02”のとき、データが画像データであることを示す。さらに、”分類タグ=03”のとき、データが音声または音データであることを示す。
【0159】
種類タグは、各々の分類ごとに定義される。例えば、文字データに対して、種類タグが0〜500の項番の範囲で指定される。そして、文字データに対する”種類タグ=01”は電話番号を示す。また、文字データに対する”種類タグ=02”は電子メールアドレスを示す。文字データに対する”種類タグ=03”は氏名を示す。また、文字データに対する”種類タグ=04”は所属を示す。
【0160】
さらに、各種類タグに対して項目タグを指定することができる。このようにして、例えば、”分類タグ=01”、”種類タグ=01”、”項目タグ=5”により、電話帳の5番目のデータが指定される。
【0161】
同様に、”分類=02”により画像データが指定される。また、”分類=03”より音声、音データが指定される。
【0162】
<作用>
図20に、携帯端末1のCPU2で実行される電話帳表示プログラムの処理を示す。このCPU2は、ユーザによる操作部4を介した電話帳表示指示を検出すると図20で示される電話帳表示プログラムを起動する。
【0163】
この処理では、まず、電話帳表示プログラムは、描画領域確保のアプリケーションインターフェースを呼び出す(S140)。この呼び出しによりメモリ3に指定された寸法の描画領域に対応する領域が確保される。このとき、アプリケーションインターフェースからの返値として領域IDが電話帳表示プログラムに返される。このような領域IDは、例えば、マルチウィンドウシステムにおけるウィンドウIDや、ウィンドウ内の部品IDとして知られている。この領域に画像データを書き込むことにより、その内容がそのまま表示部3に表示される。
【0164】
次に、電話帳表示プログラムは、確保された領域に電話帳の枠となる罫線とタイトルを描画する(S141)。
【0165】
次に、電話帳表示プログラムは、上記領域ID、領域内の描画開始位置を指定して通し番号描画のアプリケーションインターフェース(API)を呼び出す(S142)。すると、電話帳の第2行目(通し番号01)の通し番号が表示される。
【0166】
次に、電話帳表示プログラムは、上記領域ID、領域内の描画開始位置を指定して、氏名描画のアプリケーションインターフェースを呼び出す(S143)。このとき、タグ情報として、”分類タグ=01”の文字データ、”種類タグ=03”の氏名、”項目=1”が指定される。その結果、電話帳の第2行目(通し番号01)の氏名が表示される。
【0167】
次に、電話帳表示プログラムは、上記領域ID、領域内の描画開始位置を指定して、電話番号描画のアプリケーションインターフェースを呼び出す(S144)。このとき、タグ情報として、”分類タグ=01”の文字データ、”種類タグ=01”の電話番号、”項目=1”が指定される。その結果、電話帳の第2行目(通し番号01)の電話番号が表示される。
【0168】
次に、電話帳表示プログラムは、電話帳の残りデータの数を判定する。電話帳の残りデ
ータ数は、アプリケーションインターフェースからの返値で判定する。そして、電話帳に残りデータがある場合、電話帳表示プログラムは、制御をS142に戻す。一方、電話帳に残りデータがない場合、電話帳表示プログラムは、処理を終了する。
【0169】
図21に電話呼び出しプログラムの処理を示す。このプログラムは、例えば、ユーザが電話帳の特定の行を選択し、電話呼び出し操作をしたときに、実行される。
すなわち、電話呼び出しプログラムは、ユーザが電話帳の項目を選択するのを待つ(S151)。そして、項目が選択された後、電話呼び出しの指示があると(S152でYESの場合)、電話呼び出しプログラムはメモリ3の所定の領域に電話呼び出しコマンドを記述する(S153)。
【0170】
次に、電話呼び出しプログラムは、電話呼び出しコマンドのパラメータとして、”分類=01”の文字データ、”種類=01”の電話番号、”項目=選択された項目の番号”を設定する(S514)。
【0171】
次に、電話呼び出しプログラムは電話呼び出しコマンドとタグによるパラメータを電話呼び出しのアプリケーションインターフェースに引き渡す(S155)。この呼び出しにより、ユーザが選択した電話帳の項目の電話番号が呼び出される。
【0172】
<実施形態の効果>
このように、本実施形態の携帯端末1では、アプリケーションサーバ11からダウンロードされた外部プログラム20と、内部プログラム21の間は、データの分類、種類、項目番号等を指定するタグ情報で処理対象の内部データ22が指定される。
【0173】
このため、外部プログラムが直接内部データ22の内容に接触することがない。このため、ネットワーク上に公開された内部仕様が不明確な外部プログラム20を使用する場合であっても、内部データ22が流出する危険を低減できる。
【0174】
上記のように、データの分類、種類、項目をタグで間接的に指定して電話呼び出しを実行させた場合、操作履歴には、タグ情報が記録され、呼び出し先の電話番号が記録されない。したがって、上記のような電話番号表示や電話呼び出しを実行してもユーザのプライバシー、例えば、いつ誰に電話を掛けたかという情報が外部に流出する危険を低減できる。
【0175】
<変形例>
上記実施形態では、タグ情報の例として、分類タグ、種類タグ、および項目タグを使用した。しかし、本発明の実施は、このような構成に限定されるものではない。例えば、種類タグ、および項目タグの2種類で内部データ22を指定するようにしてもよい。また、4以上のタグを使用して情報を特定してもよい。
【0176】
上記実施形態では、電話帳の表示項目を選択して電話を掛ける例を示した。しかし、本発明の実施はこのような応用に限定されるものではない。例えば、電子メールアドレス一覧から特定のアドレスを選択して、そのアドレスに電子メールを発信するようなアプリケーション等にも適用可能である。
【0177】
また、上記第1実施形態における携帯端末1の機能と第2実施形態における携帯端末1の機能とを組み合わせてもよい。例えば、図4に示したように、携帯端末1のデータアップロード処理では、加工するデータを取得し(S1、S2)、アプリケーションサーバ11からダウンロードしたプログラムを実行して、データを加工した(S4)。
このようなデータの加工処理において、処理対象のデータを上記タグ情報によって特定す
るようにしてもよい。
【0178】
すなわち、図19の記述にしたがうと、”分類=02”の画像、”種類=02”のJPEG、”項番=01”のように画像データを特定してもよい。
【0179】
このように画像の加工を実行するプログラム(第2実施形態における外部プログラム21に相当)において、間接的なタグ情報でデータを特定させることで、「外部プログラム実行時にユーザどのような画像データを処理したか」というプライバシーが保護される。例えば、第1実施形態の画像の加工を実行するプログラムがログを記録する場合であっても、ログとしてはタグ情報が記録され、画像データの実体名等が外部に流出することがない。
【0180】
《コンピュータ読み取り可能な記録媒体》
コンピュータに上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0181】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0182】
また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【0183】
《搬送波に具現化されたデータ通信信号》
また、上記プログラムは、コンピュータのハードディスクやメモリに格納し、通信媒体を通じて他のコンピュータに配布することができる。この場合、プログラムは、搬送波によって具現化されたデータ通信信号として、通信媒体を伝送される。そして、その配布を受けたコンピュータに上記機能を提供させることができる。
【0184】
ここで通信媒体としては、有線通信媒体、例えば、同軸ケーブルおよびツイストペアケーブルを含む金属ケーブル類、光通信ケーブル等、または、無線通信媒体例えば、衛星通信、地上波無線通信等のいずれでもよい。
【0185】
また、搬送波は、データ通信信号を変調するための電磁波または光である。ただし、搬送波は、直流信号でもよい。この場合、データ通信信号は、搬送波がないベースバンド波形になる。したがって、搬送波に具現化されたデータ通信信号は、変調されたブロードバンド信号と変調されていないベースバンド信号(電圧0の直流信号を搬送波とした場合に相当)のいずれでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明は、携帯電話等の携帯端末の製造産業、携帯端末による通信事業、携帯端末を利用したサービス産業、ネットワーク上のサーバの製造産業、サーバにより情報やサービスを提供する情報産業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報システムのシステム構成図であり、
【図2】図2は、図1に示した携帯端末1のハードウェア構成図であり、
【図3】図3は、図1のアプリケーションサーバ11から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図であり、
【図4】図4は、携帯端末1においてデータをウェブサーバ12にアップロードするデータアップロード処理を示すフローチャートであり、
【図5】図5は、図4に示したデータ加工処理(S4)の詳細を示すフローチャートであり、
【図6】図6は、図1に示したアプリケーションサーバ11のダウンロード処理を示すフローチャートであり、
【図7】図7は、図1に示したウェブサーバ12のアップロード処理を示すフローチャートであり、
【図8】図8は、図7に示したウェブサーバオプション処理(S114)の詳細を示すフローチャートであり、
【図9】図9は、携帯端末1において送信メールサーバ14に送信を要求する電子メール送信要求処理を示すフローチャートであり、
【図10】図10は、図1に示した送信メールサーバ14の送信処理を示すフローチャートであり、
【図11】図11は、図10に示した送信メールサーバオプション処理(S123)の詳細を示すフローチャートであり、
【図12】図12は、第1実施形態の変形例に係るウェブサーバ12のアップロード処理を示すフローチャートであり、
【図13】図13は、第1実施形態の変形例に係る送信メールサーバ14の送信処理を示すフローチャートであり、
【図14】図14は、第1実施形態の変形例に係る情報システムのシステム構成図であり、
【図15】図15は、図14に示したデータサーバ15から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図であり、
【図16】図16は、図14に示した携帯端末1で実行されるデータ処理例を示すフローチャートであり、
【図17】図17は、本発明の第2実施形態に係る情報システムの概念図であり、
【図18】図18は、図17に示した電話帳表示プログラムが携帯端末1に表示する電話帳画面の例であり、
【図19】図19は、図17に示した外部プログラム20と内部プログラム21とのインターフェースを記述するタグ情報の例であり、
【図20】図20は、電話帳表示プログラムの処理を示すフローチャートであり、
【図21】図21は、携帯端末1で実行される電話呼出プログラムの処理を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話や端末装置等の通信装置、および、そのような通信装置やサーバからなる情報システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、携帯電話等の携帯端末は急速に普及し、家庭や企業社会等の様々な場面で利用されている。このような携帯端末は、単に通話に利用すること以外に、ウェブサイトへのデータのアップロード、ウェブサイトの閲覧、電子メールの送信等各種用途に利用されている。
【0003】
特に、携帯端末にカメラを搭載し、撮影した画像を他の携帯端末やウェブサイトに発信する等、画像を取り扱う機能が多用されている。
【0004】
また、携帯端末で電話を掛ける場合でも、電話番号検索機能や、発信履歴利用よる電話呼出機能等、多種多数の機能が提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、携帯端末における画像データの利用は、例えば、主として以下のものに限定されていた。
【0006】
(A)撮影した画像をメール添付などの手段を用いて外部へ転送する。
【0007】
(B)撮影した画像の一部を切り出して、待ち受け画像などに利用する。
【0008】
したがって、携帯電話に画像処理・加工のアプリケーションプログラムをインストールすることはまれであった。この主な理由は、携帯端末に、そのようなアプリケーションプログラムをインストールしても、携帯端末のリソース上の制限により、複雑な処理や複数の処理を行うアプリケーションを実行することができなかったからである。
【0009】
また、従来の携帯端末において、ユーザの情報を処理するアプリケーションプログラム、例えば、電話帳データの検索表示プログラムをネットワークで公開されたダウンロードサイトからダウンロードして利用する場合があった。
【0010】
そのような場合、ダウンロードされたプログラムの内部の仕様は、ユーザから不明である。したがって、そのようなダウンロードサイトから入手したプログラムが意図的に、ネットワーク上の第三者にデータ(例えば、検索した電話帳データ)を引き渡さないような保証はなかった。すなわち、ネットワーク上で流通するプログラムを使用する場合、ユーザの携帯端末においてセキュリティを確保する手段はなかった。
【0011】
本発明は、このような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、リソースを制限された携帯端末において、様々なアプリケーションプログラムを安全に実行する技術を提供することにある。
【0012】
すなわち、本発明は、リソースの制限された携帯端末において、例えば、セキュリティを確保した上で画像のハンドリング・加工等のデータ処理を実行できる技術を提供する。
これにより、本発明は、利用者のプライバシーを保護する。
【0013】
本発明のより具体的な目的を以下に示す。
【0014】
(1)画像データをハンドリング・加工するためのアプリケーションをユーザが携帯電話の外部からダウンロードして、大規模かつ柔軟な処理を実行できるようにする。
【0015】
(2)データを扱う際に、データそのものを直接やりとりするのではなく、データ種類、項目、ハンドリング情報等をもつタグを用いて、データを授受する仕組みを提供する。
【0016】
(1)は例えばJava(登録商標)アプリケーションをダウンロードし動作させる環境を携帯端末の中に持たせ、外部のアプリケーションサーバから複数のモジュールに分割して保存してあるアプリケーションを順番にダウンロードして実行することにより、大規模かつ柔軟な機能を実現することができる。
【0017】
(2)は例えば携帯端末に含まれる全てのデータに種類別、項目別、扱い別に認識可能なタグ情報を用意する。そして、携帯電話と(1)で述べたアプリケーションの間ではタグ情報をやり取りし、データを扱う場合はそのデータの中身(実体)に依らず、間接的に扱うことで実現する。これにより、アプリケーション中でデータ内部を参照することがないようにし、悪意のあるアプリケーションからプライバシーのあるデータ(電話番号帳やアドレス帳、メール内容など)を保護する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下、本発明が採用する手段を説明する。すなわち、本発明は、端末装置から電子メールの送信要求を受ける電子メールサーバであり、上記端末装置からの電子メール本文を含む送信要求を受信する送信要求受付部と、上記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求し、上記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得する保存要求部と、上記電子メール本文に上記指示情報を付加して電子メールを送信する送信部とを備えるものである。
【0019】
また、本発明は、サーバ装置と通信する通信部と、上記通信部を介して上記サーバ装置から受信したプログラムを実行する処理部と、内部データの種類を記憶する内部メモリ部と、出力領域の内容をそのまま表示する表示部と、上記処理部で実行されるプログラムからの要求であって上記内部データを特定する情報と特定された内部データの上記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するデータ管理部とを備える端末装置についてのものでもよい。
【0020】
好ましくは、上記内部データは、文字データを含み、上記変換された内部データは、上記文字を画像に変換したデータを含むものでもよい。
【0021】
この内部データの形式は、データの本来の形式、例えば、文字情報である。一方、変換された内部データの形式は、本来のデータの復元が困難な形式、例えば、画像である。このように変換された形式に変換して上記出力先に出力することで、上記プログラムから端末の外部に上記内部データの形式のデータが流出する危険を低減できる。
【0022】
好ましくは、上記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順位を識別する情報とを有するものでもよい。
【0023】
このように、データの種類と、その1つの種類の情報を構成する項目位置、また、項目順位により、データの実体を明示することなく、間接的にデータを指定できる。
【0024】
また、本発明は、サーバ装置と通信する通信部と、上記通信部を介して上記サーバ装置から受信したプログラムを実行する処理部と、上記処理部で実行されるプログラムからの要求にしたがい所定の機能を提供する機能提供部と、上記機能提供部にデータを提供するデータ管理部とを備え、上記要求は、上記データを特定する情報と、そのデータに関連する機能を指定する情報とを含み、上記プログラムは、上記要求において上記データを間接特定し、上記データ管理部は、間接特定されたデータを上記機能提供部または上記処理部に引き渡してもよい。
【0025】
ここで、例えば、上記プログラムは、端末外部のサーバから受信した電話呼び出しプログラムであり、機能提供部は、携帯端末内部に用意された電話呼び出し機能であり、上記データはその電話番号である。
【0026】
このように、上記プログラムからの要求では、データ、例えば、電話番号が間接特定され、上記機能提供部に引き渡される。データ管理部は、間接特定されたデータの実体(電話番号)を上記機能提供部に引き渡す。したがって、上記プログラムの実行時の情報、例えば、実行時のログや実行履歴においては、データの実体(上記電話番号)が特定されない。
【0027】
好ましくは、上記データ管理部は、画像データを管理し、上記要求により間接特定される画像データを上記処理部で実行されるプログラムに引き渡してもよい。
【0028】
本発明の上記いずれかの構成要素をコンピュータのプログラムとして実現してもよい。本発明は、コンピュータに上記いずれかの処理を実行させる方法であってもよい。また、本発明は、コンピュータに、以上のいずれかの機能を実現させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0030】
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る情報システムを図1から図16の図面に基づいて説明する。
【0031】
<システム構成>
図1に、本情報システムのシステム構成図を示す。この情報システムは、ネットワーク上のアプリケーションサーバ11、ウェブサーバ12、受信メールサーバ13および送信メールサーバ14と、ネットワークを介してこれらのサーバにアクセスする携帯端末1とから構成される。
【0032】
アプリケーションサーバ11、ウェブサーバ12、受信メールサーバ13および送信メールサーバ14は、ネットワークにアクセスする通信基板を備えた一般的なコンピュータである。また、携帯端末1は、携帯電話、PHS(Personal Handypho
ne System)、携帯情報端末(PDA、Personal Digital(Data)Assistants)等である。
【0033】
アプリケーションサーバ11は、各種のアプリケーションプログラム(図1には、AP
1、AP2等として示されている)を保持している。アプリケーションサーバ11は、携帯端末1から要求があったときに、要求されたアプリケーションプログラムを携帯端末1にダウンロードする。
【0034】
ウェブサーバ12は、HTTP(HyperText Transfer Protopcol)にしたがい、クライアントである携帯端末1と通信する。そして、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのウェブページへのリクエストに応答して、そのウェブページを配信する。
【0035】
また、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのウェブページのアップロード要求に対して、そのウェブページを記述するHTML(HyperText Markup Language)のデータを受信し、所定の記憶領域にセーブする。
【0036】
本実施形態では、アップロードされたデータのセーブ先を示すURLは、携帯端末1が生成する。ウェブサーバ12は、アップロードされるデータと、そのURL(Uniform Resource Locator)とを受信する。そして、ウェブサーバ12は、そのURLによって指定されるファイルにアップロードされたデータをセーブする。
【0037】
受信メールサーバ13は、ネットワークを通じて受信した電子メールを携帯端末1に引き渡す。
【0038】
送信メールサーバ14は、携帯端末1から送信要求された電子メールを指定された送信先に送信する。本実施形態の情報システムにおいて電子メールに画像データが添付される場合には、画像データそのものが電子メールに添付される代わりに、その画像データの保存先を示すURLが添付される。以上のような各サーバのハードウェアの構成は広く知られているので、その説明を省略する。
【0039】
図2に、携帯端末1のハードウェア構成図を示す。図2のように、携帯端末1は、CPU2と、メモリ3と、クロック部9と、インターフェース4を介してCPU2に接続される撮影部5と、表示部6と、操作部7と、通信部8とを有している。
CPU2は、メモリ3にロードされたプログラムを実行し、携帯端末1としての機能を提供する。メモリ3は、CPU2で実行されるプログラムやCPU2で処理されるデータを記憶する。メモリ3は、揮発性のメモリ、例えば、DRAMと、不揮発性のメモリ、例えば、フラッシュメモリとを有している。
【0040】
クロック部9は、CPU2が動作する内部クロックを生成する。また、クロック部9は、CPU2で実行されるシステムプログラムの作用により、アプリケーションプログラムに対して内蔵時計の機能を提供する。
【0041】
すなわち、システムプログラムは、クロック部9によって計数された経過時間と所定の基準時刻とから現在の年月日時刻を算出する。CPU2で実行されるアプリケーションプログラムは、システムプログラムに現在の年月日時刻を問い合わせることができる。
インターフェース4は、CPUの内部バスの信号と、周辺装置に接続されるI/Oバスの信号とを互いに変換する。インターフェース4には、I/Oバスにより、撮影部5、表示部6、操作部7および通信部8が接続される。
【0042】
撮影部5は、例えば、MOSカメラ、CCDカメラ等である。撮影部5は、撮像素子に入力される光信号を電気信号に変換し、画像データを生成する。生成された画像データは、インターフェース4を介してメモリ3に記憶される。
【0043】
メモリ3に記録される画像データの形式としては、例えば、GIF(Graphics
Interchange Format)フォーマット、JPEG(Joint Pho
tographic Coding Experts Group)フォーマットまたはP
NG(Portable Network Graphics)フォーマット等を使用すればよい。これらのフォーマットは、広く知られているので、その説明を省略する。
【0044】
表示部6は、携帯端末1のユーザが入力した情報、メニュー、アイコン等のオブジェクト、撮影部5が撮影した画像、他の端末やサーバから送信された電子メールの文書、またはウェブサーバ12が配信するウェブページ等を表示する。表示部6として、例えば、液晶ディスプレイ、EL(electroluminescence)ディスプレイ等が使用される。
【0045】
操作部7は、情報を入力し、携帯端末1を操作するために使用される。操作部7は、キーボード、ポインティングデバイス、押しボタンダイヤル等である。ポインティングデバイスは、表示部6に表示されたメニューやアイコンを操作するために使用される。ポインティングデバイスとしては、例えば、矢印キー、トラックボール、ジョイスティック、静電式タッチパッド、スティック形状のポインティングデバイスが使用できる。
【0046】
通信部8は、CPU2の指令により、ネットワークにアクセスし、ネットワーク上のサーバや他の携帯端末と通信する。通信部8は、アンテナと高周波(RF)回路を含む。
図1に示すように、携帯端末1は、アプリケーションサーバ11からその画像データを処理するためのアプリケーションプログラムAP1、AP2等をダウンロードする。そして、携帯端末1は、ダウンロードしたアプリケーションプログラムAP1等を実行することで、撮影した画像データを加工する。
【0047】
ここで、画像データの加工とは、画像データの分割、2以上の画像データの合成、画像データへの文字情報の埋め込み、各種エフェクト処理等をいう。また、エフェクト処理には、例えば、画像データの平滑化、輪郭強調、色合いの調整、明るさの調整、コントラストの調整等が含まれる。
【0048】
携帯端末1は、このようにして生成した画像や加工した画像をウェブサーバ12にアップロードする。また、携帯端末1は、このようにして生成した画像や加工した画像を電子メールに添付する。
画像を電子メールに添付して送信先の端末やサーバ等に引き渡す手順として、本携帯端末1は、以下を用いる。
【0049】
(方法1)直接電子メールに画像データファイルを添付する。
【0050】
(方法2)画像データを所定のウェブサーバ12にアップロードしておき、そのアップロード先を示すURLを電子メールに添付する。
【0051】
携帯端末1は、ユーザの設定により、これらの方法を使い分ける。ただし、本実施形態では、方法1の手順による処理例を主として説明する。
【0052】
<データ構成>
図3に、アプリケーションサーバ11から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図を示す。図3に示すように、このデータは、ダウンロードされるプログラムの本体と、制御部とを有している。
【0053】
プログラムの本体とは、アプリケーションサーバ11で管理され、携帯端末1にダウン
ロードされるアプリケーションプログラムである(図1に示すAP1等)。これらのアプリケーションプログラムには、例えば、画像の加工や画像に対するエフェクト処理を実行するプログラムが含まれる。
【0054】
制御部には、本データによってダウンロードされるプログラムの次に実行可能なアプリケーションプログラムの数、およびそのようなアプリケーションプログラムを識別するIDが列記される。
【0055】
このIDは、携帯端末1内およびアプリケーションサーバ11内において各アプリケーションプログラムを識別する記号である。IDは、例えば、アプリケーションプログラムを格納するファイルのURLである。
【0056】
携帯端末1は、1つのアプリケーションプログラムを実行した後、制御部に複数の実行可能なプログラムが列記されていた場合、それらのプログラムの選択肢を表示部部6に表示し、ユーザに選択させる。ユーザがその選択肢のいずれかを選択すると、携帯端末1は、選択されたプログラムのダウンロードをアプリケーションサーバ11に要求し、ダウンロードされたプログラムをさらに実行する。
【0057】
また、携帯端末1は、1つのアプリケーションプログラムを実行した後、制御部に1つの実行可能なプログラムが指定されていた場合、制御部に指定されたプログラムのダウンロードをアプリケーションサーバ11に要求し、ダウンロードされたプログラムをさらに実行する。
【0058】
このような手順で、本実施形態の携帯端末1は、ウェブサーバ11から順次実行可能なアプリケーションプログラムをダウンロードし、逐次的に実行する。例えば、携帯端末1は、撮影部5で撮影した画像に以下の処理(これらを画像の加工ともいう)を実行する。
【0059】
(1)画像のノイズ除去
(2)画像の所定範囲の切り出し
(3)画像と画像の合成
(4)色合いの調整
(5)コントラストの調整
(6)輪郭部の強調
(7)所定の文字列、例えば、日付やタイトルを挿入する。
【0060】
(8)データの圧縮
さらに、携帯端末1は、上記のような処理がされた画像をウェブページとしてウェブサーバ12にアップロードする。また、携帯端末1は、そのような画像を電子メールに添付して送信先に送付する。
【0061】
<作用>
以下、図4から図11により、本情報システムの各構成要素において実行されるプログラムの処理を示す。
【0062】
[ウェブページに対するデータ処理]
図4に、携帯端末1のCPU2が実行するデータアップロード処理のフローチャートを示す。CPU2は、操作部7に対するユーザの操作に応答し、図4で示される処理を起動する。
【0063】
データアップロード処理では、CPU2は、まず、アップロードするデータを外部から
取得するか否かを判定する(S1)。外部から取得する場合とは、例えば、撮影部5により画像データを生成する場合、操作部7からユーザが入力したデータを利用する場合、または、ウェブサーバ12からダウンロードする場合等をいう。
【0064】
また、外部から取得しない場合とは、携帯端末1にすでに記録されているデータを利用する場合をいう。データを外部から取得するか否かは、CPU2がユーザの操作部7への操作を検出して決定する。
【0065】
データを外部から取得する場合、CPU2は、ユーザ操作にしたがい、処理対象データを取得する(S2)。例えば、CPU2は、撮影部5により画像データを生成する。一方、データを外部から取得しない場合、CPU2は、制御をS3に進める。
【0066】
次に、CPU2は、ユーザ操作を検出し、データを加工するか否かを判定する(S3)。データを加工する場合、CPU2はデータ加工処理を実行する(S4)。一方、データを加工しない場合、CPU2は、制御をS5に進める。
【0067】
次に、CPU2は、URLを生成する(S5)。このURLは、データをアップロードするアップロード先のデータファイルを指定するURLである。このURLは、アップロードするウェブサーバのURLに、携帯端末1の端末IDおよび現在の年月日時刻を示す文字列を結合して生成する。
【0068】
例えば、ウェブサーバのURLがhttp://provider.netであり、携帯端末の端末IDがABC010001であり、現在の年月日時刻が0000年12月23日4時56分01秒の場合、URLは、http://provider.net/ABC010001/0000−12−23−04−56−01のように生成される。
ここで、現在の年月日時刻は、システムプログラムに問い合わせることにより、内蔵時計(図2に示したクロック部9)から得ることができる。
【0069】
また、携帯端末IDは、携帯電話会社ごとに各携帯端末1に対してユニークに割り当てられる記号である。ただし、携帯端末IDを使用する代わりに携帯端末に割り当てられている電話番号を用いてもよい。この端末IDまたは電話番号は、メモリ3を構成する不揮発性メモリに記録されている。
【0070】
次に、CPU2は、そのURLを指定して、データをウェブサーバ12にアップロードする(S6)。
【0071】
図5に、データ加工処理(図4のS4)の詳細を示す。この処理では、CPU2は、まず、アプリケーションサーバ11からプログラムをダウンロードする(S41)。
【0072】
次に、CPU2は、そのプログラムを実行する(S42)。これにより、例えば、画像の色合いの調整、コントラストの調整、平滑化等が画像に対して実行され、画像が所定の領域に保存される。
【0073】
次にCPU2は、実行したプログラムから実行結果の保存先を取得する(S43)。次に、CPU2は、次に実行可能なプログラムが存在するか否かを判定する(S44)。これは、図3に示したように、ダウンロードしたデータの制御部に、次に実行可能なプログラムのIDが設定されているか否かの判定である。
【0074】
次に実行可能なプログラムがある場合、CPU2は、ユーザがデータ加工処理を終了させる指示をしたか否かを判定する(S45)。そして、データ加工処理を終了しない場合
、CPU2は、実行可能なプログラムが複数あるか否かを判定する(S46)。そのようなプログラムが複数ある場合、CPU2は、表示部6にそのようなプログラムの選択肢表示する。そして、CPU2は、ユーザにプログラムを選択させる(S47)。そして、CPU2は、制御をS41に戻す。
【0075】
また、S46の判定で、実行可能なプログラムが1つしかない場合、CPU2は、制御をS41に戻し、そのプログラムをダウンロードする。一方、S44の判定で、実行可能なプログラムがない場合、CPU2は、データ加工処理を終了する。
【0076】
図6に、アプリケーションサーバ11のダウンロード処理を示す。アプリケーションサーバ11は、通常、携帯端末1からのダウンロード要求を待っている(S100)。
アプリケーションサーバ11は、ダウンロード要求を受信すると(S101でYESの場合)、要求した携帯端末1に要求されたアプリケーションプログラムをダウンロードする(S102)。
【0077】
プログラムをダウンロードする際、図3に示したように、次に実行可能なプログラムを示す制御部が付加される。その後、アプリケーションサーバ11は、制御をS100に戻す。
【0078】
図7に、ウェブサーバ12で実行されるアップロード処理を示す。この処理では、ウェブサーバ11は、通常、携帯端末1からのアップロード要求を待っている(S110)。ウェブサーバ12は、アップロード要求を受信すると(S111でYESの場合)、携帯端末からアップロードされるデータを受信する(S112)。さらに、ウェブサーバ12は、アップロードされたデータを格納する格納先を示すURLを受信する(S113)。
【0079】
次に、ウェブサーバ12は、ウェブサーバオプション処理を実行する(S114)。ウェブサーバオプション処理は、アップロードされたデータに対する選択的な処理であり、携帯端末1からのアップロード要求で処理の有無、および処理の種類が指定される。
【0080】
次に、ウェブサーバ12は、受信したURLで指示される領域、例えば、URLが示すファイルにそのデータを格納する。この場合、そのファイルが存在しない場合、新たにファイルが作成され、データが格納される。その後、ウェブサーバ12は、制御をS110に戻す。
【0081】
図8に、ウェブサーバオプション処理(図7のS114)の詳細を示す。この処理では、ウェブサーバ12は、まず、受信データが画像データか否かを判定する(S1140)。
【0082】
そして、受信データが画像データの場合、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求に画像の加工指定があるか否かを判定する。画像の加工指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信した画像に指定された加工を実施する。画像の加工とは、色合い、コントラストの調整、画像の平滑化、切り出し、合成等である。
【0083】
次に、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求にテキストデータの付加指定があるか否かを判定する(S1143)。テキストデータの付加指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信したデータにテキストデータの付加を実施する(S1144)。
テキストデータの付加とは、アップロードされたデータに所定の定型文等を付加する処理をいう。これは、例えば、画像にタイトル、各種メッセージ(お祝い等のメッセージ)を付加する処理である。
【0084】
次に、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求に音データの付加指定があるか否かを判定する(S1145)。音データの付加指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信したデータに音データの付加を実施する(S1146)。
音データの付加とは、アップロードされたデータに所定の音声メッセージ、音楽、効果音等を付加する処理をいう。これは、例えば、画像にお祝い等の音楽(クリスマスソングやハッピーバースデイツーユー等)を付加する処理である。
【0085】
音データは、例えば、Wavフォーマット、PCM(Pulse Code Modulation)フォーマット、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)フォーマットまたはAIFF(Audio
Interchange File Format)等のフォーマット等で記録すればよ
い。
次に、ウェブサーバ12は、携帯端末1からのアップロード要求に着信メロディデータの付加指定があるか否かを判定する(S1147)。着信メロディデータの付加指定がある場合、ウェブサーバ12は、受信したデータに着信メロディデータの付加を実施する(S1148)。
【0086】
着信メロディデータとは、着信メロディデータを付加されたデータを受信した端末に着信メロディ音を発生させるデータである。例えば、画像に着信メロディデータを付加しておき、その画像を他の端末に送信すると、その画像データを受信した端末は、着信メロディを出力する。その後、ウェブサーバ12は、ウェブサーバオプション処理を終了する。
【0087】
[電子メールの送信処理]
図9に、携帯端末1が電子メールサーバ14に送信を要求する電子メール送信要求処理を示す。この処理も図4のデータアップロード処理と同様携帯端末1のCPU2において実行される。
【0088】
電子メール送信要求処理では、CPU2は、まず、電子メールに画像等のデータを添付するか否かを判定する(S1A)。データを添付する場合、CPU2は、ユーザ操作にしたがい、添付するデータを取得する(S2)。例えば、CPU2は、撮影部5により画像データを生成する。また、ユーザ操作にしたがい、添付ファイルの内容を取り込む。
【0089】
次に、CPU2は、ユーザ操作を検出し、送信するメッセージ本文または添付データを加工するか否かを判定する(S3A)。メッセージ本文またはデータを加工する場合、CPU2はメッセージまたはデータ加工処理を実行する(S4A)。
【0090】
メッセージの加工とは、例えば、メッセージ本文に着信メロディ、定型文、所定の音データを付加する処理をいう。また、画像の加工は、すでに述べたように、色合いやコントラストの調整、画像の平滑化、分割、合成、所定の文字データの付加、音データの付加等である。
【0091】
次に、CPU2は、URLを生成する(S5A)。この処理は、図4のS5と同様である。そして、CPU2は、そのURLを指定して、データをウェブサーバ12にアップロードする(S6A)。
【0092】
次に、CPU2は、そのURLを電子メールのメッセージ本文に付加して、送信メールサーバ14に引き渡す(S7A)。
【0093】
図10に、送信メールサーバ14の送信処理を示す。この処理では、通常、送信メール
サーバ14は、電子メール送信要求待ちの状態にある(S120)。
【0094】
電子メール送信要求を受信すると、送信メールサーバ14は、携帯端末1から画像データのセーブ先を示すURLが付加された電子メール本文を受け取る(S122)。
【0095】
次に、送信メールサーバ14は、送信メールサーバオプション処理を実行する(S123)。この送信メールサーバオプション処理は、電子メールで送信されるデータに対する選択的な処理であり、携帯端末1からの電子メール送信要求で処理の有無、および処理の種類が指定される。そして、送信メールサーバ14は、電子メールを送信する(S124)。
【0096】
図11に、送信メールサーバオプション処理(図10のS123)の詳細を示す。この処理では、送信メールサーバ14は、携帯端末1からの電子メール送信要求にテキストデータの付加指定があるか否かを判定する(S11230)。
【0097】
テキストデータの付加指定がある場合、送信メールサーバ14は、送信データにテキストデータを付加する(S1231)。テキストデータの付加は、図8のウェブサーバオプション処理で説明した処理(S1144)と同様である。
【0098】
次に、送信メールサーバ14は、携帯端末1からの電子メール送信要求に音データの付加指定があるか否かを判定する(S1232)。音データの付加指定がある場合、送信メールサーバ14は、送信データに音データを付加する(S1233)。音データの付加は、図8のウェブサーバオプション処理で説明した処理(S1146)と同様である。
【0099】
次に、送信メールサーバ14は、携帯端末1からの電子メール送信要求に着信メロディデータの付加指定があるか否かを判定する(S1234)。着信メロディデータの付加指定がある場合、送信メールサーバ14は、送信データに着信メロディデータを付加する(S1235)。
【0100】
着信メロディデータの付加は、図8のウェブサーバオプション処理で説明した処理(S1148)と同様である。その後、ウェブサーバ12は、送信メールサーバオプション処理を終了する。
【0101】
<実施形態の効果>
以上述べたように、本実施形態の情報システムでは、携帯端末1は、画像等のデータを加工するための複数のアプリケーションプログラムをアプリケーションサーバ11から順次ダウンロードし、逐次実行する(図5)。このため、リソースが制限される携帯端末1においても、比較的負荷の大きい加工処理を実行することができる。
【0102】
また、上記携帯端末1は、撮影部5を備えているので、撮影した画像データに対してそのような加工を順次実行することができる。また、上記携帯端末1は、そのような加工後のデータをウェブサーバ12にアップロードすることができる。また、上記携帯端末1は、加工後のデータのURLを電子メールに付加し、送信先に送信することができる。
【0103】
また、上記実施形態の携帯端末1は、ウェブサーバ12にアップロードするデータの格納先を示すURLを携帯端末ID、電話番号、現在年月日時刻等の組み合わせにより生成する。このため、他の端末が生成したURLと重複のないユニークなURLを携帯端末1側で生成できる。
【0104】
<URL生成手順の変更>
上記実施形態では、携帯端末1がアップロードされるデータの格納先を示すURLを生成した。しかし、本発明の実施は、そのような手順には限定されない。
【0105】
図12に、ウェブサーバ12が、アップロードされたデータのセーブ先のURLを生成する処理を示す。この処理において、S110〜S112およびS114の処理は、図7の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0106】
ウェブサーバオプション実行後、ウェブサーバ12は、携帯端末からアップロードされたデータのセーブ先のURLを生成する(S115A)。セーブ先を指示するURLは、例えば、携帯端末1における処理(図4のS5)と同様、アップロード要求元の携帯端末1の携帯端末ID等や、現在の年月日時刻等を用いてもよい。また、乱数や通し番号等を用いてもよい。また、これらの組み合わせを用いてもよい。
【0107】
次に、ウェブサーバ12は、アップロードされたデータを生成したURLで指示される領域にセーブする(S115B)。次に、ウェブサーバ12は、データセーブ先のURLを携帯端末1へ送信する(S116)。これにより、携帯端末1は、アップロードされたデータのセーブ先を知ることができる。
【0108】
図13に、送信メールサーバ12が、電子メールに添付されるデータ(以下添付データという)を携帯端末1から受信し、ウェブサーバ12に作成したURLの領域に添付データを保存させる処理を示す。この処理のS120、S121は、図10の場合と同様である。
【0109】
電子メールの送信要求を受信すると、送信メールサーバ14は、携帯端末1から添付データを受信する(S122)。次に、送信メールサーバ14は、送信メールサーバオプションを実行する(S124)。
【0110】
次に、送信メールサーバ14は、添付データをウェブサーバ12にアップロードする(S125)。そして、送信メールサーバ14は、ウェブサーバ12から添付データのセーブ先URLを受信する(S126)。そして、送信メールサーバ14は、添付データのセーブ先のURLを付加した電子メールを送信する。
【0111】
<データサーバを含むシステム>
上記実施形態では、加工されるデータは、携帯端末1に保持されていた。しかし、本発明の実施は、このような構成や手順には限定されない。例えば、情報システムにデータサーバを追加、データサーバにおいてデータを保持するようにしてもよい。
【0112】
図14にそのような情報システムのシステム構成を示す。このシステムの構成は、データサーバ15が付加されている点を除いて図1と同様である。
【0113】
データサーバ15は、携帯端末1が撮影した画像データ等、携帯端末1で加工するデータ、携帯端末1からウェブサーバ12にアップロードするデータ、携帯端末1から発信する電子メールに添付するデータ等を保持する。
【0114】
この情報システムでは、データの加工前に、まず、携帯端末1がデータサーバ15から加工対象のデータをダウンロードする。そして、上記第1実施形態の場合と同様、アプリケーションサーバ11からのアプリケーションプログラムのダウンロードと実行を繰り返し、データを加工する。
【0115】
加工されたデータは、第1実施形態の場合と同様に、ウェブサーバ12にアップロード
してもよい。また、アップロードしたデータのセーブ先URLを電子メールに付加してもよい。
【0116】
ただし、加工後のデータをデータサーバ15に保存し、その保存先を示すURLをウェブサーバ12に引き渡すウェブページに記述するようにしてもよい。また、加工後のデータをデータサーバ15に保存し、その保存先を示すURLを電子メールに添付して送信するようにしてもよい。
【0117】
さらに、データサーバ15から携帯端末1にデータを一括してダウンロードせず、部分的なデータに区分して順次、携帯端末1に引き渡すようにしてもよい。そして、区分されたデータを順次加工するようにしてもよい。
【0118】
ただし、画像データを加工する場合には、画像の色合い調整、コントラスト調整、明るさの調整、平滑化、輪郭強調等の処理では、画像を区分した境界部分を適正に処理することが困難であり、データを区分して処理することは簡単ではない。
【0119】
一方、画像と画像を合成する処理や画像を切り出す処理、画像に文字データ、音データ等を付加する処理は、区分したデータに対しても適正に実行される。
【0120】
図15に、データを区分してデータサーバ15から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図を示す。このデータは、制御部と、ダウンロードされるデータの本体とから構成される。ここで、ダウンロードされるデータの本体とは、分割されたデータそのものである。本実施形態において、データが画像データの場合には、2次元の矩形表示領域を想定する。データが画像データ以外の場合、特に表示領域を想定しない。
【0121】
制御部は、データの識別子、データの分割数(N、M)、分割の幅(ΔW、ΔH)本データの分割番号(n、m)を有している。データの識別子は、処理対象のデータを識別する文字列である。
【0122】
データの分割数(N、M)は、データを分割する場合の横方向の分割N、および、縦方向の分割数Mである。ただし、データが画像データ以外の場合、M=1固定である。
【0123】
また、分割の幅(ΔW、ΔH)は、画像データに対する分割領域の横方向の幅ΔWと縦方向の幅ΔHである。
【0124】
本データの分割番号(n、m)は、分割された領域の位置を示す位置番号であり、例えば、右上の領域を開始位置(1、1)とし、nは右方向の位置番号、mは下方向の位置番号として定義される。ただし、データが画像データ以外の場合、m=1固定であり、番号nにより分割されたデータの順位を指定する。
【0125】
図16に、区分されたデータを加工する携帯端末1におけるCPU2のデータ処理の手順を示す。この処理では、CPU2は、まず、処理対象データ(区分されたデータ)をデータサーバ15から取得する(S30)。
【0126】
次に、CPU2は、処理対象データに所定の処理を実行する(S31)。所定の処理とは、例えば、画像に対する文字データの追加、画像の分割、画像の合成等である。
次に、CPU2は、実行結果のデータをデータサーバ15に保存する(S32)。この場合、データサーバ15は、分割部分の2番目の部分以降のデータをその前に処理されたに部分に合成すればよい。
【0127】
次に、携帯端末1は、データに分割の残り部分があるか否かを判定する。そして、分割の残り部分がある場合、CPU2は、次の分割部分をデータサーバ15から取得する(S34)。そして、CPU2は、制御をS31に戻す。一方、データの残り部分がない場合、CPU2は、データ処理を終了する。
【0128】
このような手順を採ることで、携帯端末1がデータ保持するための十分なリソースを有しない場合でも、最終的には、データの全体を加工することができる。
【0129】
<その他の変形例>
上記実施形態では、電子メールに画像を添付する場合に、その画像をまず、ウェブサーバ12にアップロードし、そのアップロードしたデータの格納先を示すURLを電子メールの本文に付加した。しかし、本発明の実施はそのような手順には限定されない。例えば、画像データそのものを電子メールに添付してもよい。
【0130】
上記実施形態では、携帯端末1からの要求によりアプリケーションサーバ11は、要求されたアプリケーションプログラムを携帯端末1にダウンロードした。そして、携帯端末1がアプリケーションプログラムを実行した。しかし、本発明の実施はそのような構成や作用に限定されない。例えば、携帯端末1から要求があったときに、アプリケーションサーバ11においてアプリケーションプログラムを実行するようにしてもよい。
【0131】
その場合には、携帯端末1からアプリケーションサーバ11に、処理対象のデータを引き渡すようにすればよい。また、図14に示したように、処理対象のデータがデータサーバ15に保持されている場合には、携帯端末1からアプリケーションサーバ11に、処理対象のデータの所在を引き渡すようにすればよい。
【0132】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態を図17から図21の図面の基づいて説明する。図17は、第2実施形態に係る情報システムのシステム構成図であり、図18は、図17に示した電話帳表示プログラムが携帯端末1に表示する電話帳画面の例であり、図19は、図17に示した外部プログラム20と内部プログラム21とのインターフェースを記述するタグ情報の例であり、図20は、電話帳表示プログラムの処理を示すフローチャートであり、図21は、携帯端末1で実行される電話呼出プログラムの処理を示すフローチャートである。
【0133】
上記第1実施形態では、携帯端末1に、アプリケーションサーバ11からプログラムを順次ダウンロードして実行することにより、リソースの少ない携帯端末1において複雑な処理を実現するシステムについて説明した。
【0134】
本実施形態では、携帯端末1に、アプリケーションサーバ11からプログラムをダウンロードして利用する場合に、利用者のセキュリティを確保するシステムについて説明する。
他の構成要素は、第1実施形態の場合と同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図16の図面を参照する。
【0135】
<発明の背景>
従来、アプリケーションサーバ11からプログラムを携帯端末1にダウンロードして実行することは行われていた。しかし、従来、アプリケーションサーバからダウンロードしたアプリケーションプログラム(以下、本実施形態では外部プログラムという)と、携帯端末1に内蔵した内部プログラムの関係は、以下の通りである。
【0136】
(1)ユーザが外部プログラムを起動し、所定の処理を、例えば、電話番号の検索・表示を実行する。
【0137】
(2)外部プログラムは、内部プログラムに依頼し、指定の検索条件に合致する電話番号を検索させる。
【0138】
(3)内部プログラム、例えば、データベース管理プログラムは、検索処理を実行し、結果を外部プログラムに引き渡す。
【0139】
(4)外部プログラムは、引き渡された結果を表示する。
【0140】
このような処理手順では、検索された結果が外部プログラムおよびネットワークを介してネットワーク上に流出する可能性があった。
【0141】
<システム構成>
図17に、本実施形態に係る情報システムの概念図を示す。本情報システムは、携帯端末1と、その携帯端末1に外部プログラム20を提供するアプリケーションサーバ1等のサーバをネットワークで接続して構成される。
【0142】
アプリケーションサーバ11は、外部プログラム格納部を有しており、各種の外部プログラムを保持している。外部プログラムには、例えば、電話帳表示プログラム、画像加工プログラム等が含まれる。これらの外部プログラム20は、Java(登録商標)等の言語で記述される場合が多い。
【0143】
携帯端末1は、メモリ3(図2参照)に外部プログラム20、および内部プログラム21を有する。携帯端末1のCPU2は、外部プログラム20を実行し、ユーザに対応する機能を提供する。
【0144】
本実施形態では、外部プログラム20は、外部プログラム20固有の処理結果を出力領域24に出力する(矢印200)。また、外部プログラム20が内部プログラム21を介して実行すべき処理は、所定のアプリケーションインタフェースを介して内部プログラム21に指令される(矢印201)。
【0145】
このアプリケーションインタフェースでは、処理対象のデータが、内部プログラム21が管理する内部データ22の場合に、間接的に指定される。すなわち、内部データ22を特定する情報を直接指定するのではなく、データの種類、その種類中の項目の番号等により間接的に内部データ22が指定される。例えば、電話帳という種類のデータの1番目〜10番目までの項目を出力する指令が外部プログラム20から内部プログラム21に引き渡される。
【0146】
内部プログラム21は、内部データ22にアクセスし、指定された種類のデータの中の指定された項目のデータを出力領域24に、例えば、画像として出力する(矢印202)。出力領域24の内容は、そのまま表示部6に表示される。したがって、電話帳の1から10番目に記録された電話番号が表示部6に表示される。
【0147】
この場合、外部プログラム24は、出力領域の画像を文字列として簡単には、認識することができない。したがって、外部プログラムがネットワークを介して内部データ22を第三者に引き渡すような不正の発生を低減できる。
【0148】
また、例えば、内部データとして、画像を取り扱う場合を考える。すなわち、撮影部5
で撮影して携帯端末1の内部に保存している複数の画像データ中から1つのデータを選択する場合、データについているタグとして
種類タグ:撮影画像データ(JPEG)
項目タグ:2番目の画像データ
ハンドリングタグ:加工可能なデータ(著作権フリー)
を扱うものとする。
【0149】
ネットワークのアプリケーションサーバ11上にあるアプリケーション群から、画像加工アプリケーションをダウンロードする。この画像加工アプリケーションはまず、携帯端末1の内部データ22から扱う対象データとして撮影画像データというタグを持つ内部データにアクセスする。
【0150】
このタグを持つ内部データ22をサーチし、リストする。このとき撮影画像データにつけられているタイトル名は、携帯電話内部に持っているタイトル名リストを種類タグと項目タグを使って取得する。
【0151】
この場合、取得のためのアプリケーションインターフェースと表示のためのアプリケーションインターフェースは携帯端末1内部プログラム21により実現する。これにより、外部アプリケーション20(この場合、画像加工アプリケーション)は直接タイトル名を扱う必要がない。その結果、例えば、画像のタイトルのような特定のプライバシー情報の保護が可能となる。
【0152】
リスト中から選択されたデータは、その種類タグから撮影画像データ(JPEG)であることがわかる。その結果、画像加工アプリケーションでの処理はJPEGデータを扱うことを前提に個々の処理実現できる。
【0153】
例えば画像中の座標(X,Y)の画素データを扱う場合は、携帯端末1側のデータアクセスアプリケーションインターフェースを利用して、座標から算出されるオフセットアドレス値を用いて値を得ることができる。また、加工したデータは同様のアプリケーションインターフェースを用いて書き込むことできる。このような方法を用いることで、画像データ全体の内容を確認することなく処理が行える。
【0154】
このような画像加工アプリケーションでの処理が終了した場合、加工後の画像データは携帯端末内部の元のエリアに書き戻してもよいし、ネットワーク側のデータサーバ15(図1参照)として利用可能な空間にアップロードして保存してもよい。
【0155】
<電話帳表示プログラムの画面構成>
図18に、図17に示した電話帳表示プログラムの画面表示例を示す。この例では、表示領域31に、罫線32が描画され表が形成されている。この表の第1行は、タイトル行であり、”通し番号”、”氏名”および”電話番号”の各タイトルが表示されている。
【0156】
また、この表の第2行目以降の各行は、電話帳の個人ごとのデータが表示される。各行には、タイトル行に対応して、通し番号34、氏名35、および電話番号33が表示される。
【0157】
<タグ情報の構成例>
図19に、本実施形態で使用するタグ情報の構成例を示す。図19に示すように、本実施形態では、タグ情報は、分類タグ、種類タグ、および項目タグの組み合わせで指定する。
【0158】
分類タグは、データの種類を指定する。例えば、”分類タグ=01”のとき、データが文字データであることを示す。また、”分類タグ=02”のとき、データが画像データであることを示す。さらに、”分類タグ=03”のとき、データが音声または音データであることを示す。
【0159】
種類タグは、各々の分類ごとに定義される。例えば、文字データに対して、種類タグが0〜500の項番の範囲で指定される。そして、文字データに対する”種類タグ=01”は電話番号を示す。また、文字データに対する”種類タグ=02”は電子メールアドレスを示す。文字データに対する”種類タグ=03”は氏名を示す。また、文字データに対する”種類タグ=04”は所属を示す。
【0160】
さらに、各種類タグに対して項目タグを指定することができる。このようにして、例えば、”分類タグ=01”、”種類タグ=01”、”項目タグ=5”により、電話帳の5番目のデータが指定される。
【0161】
同様に、”分類=02”により画像データが指定される。また、”分類=03”より音声、音データが指定される。
【0162】
<作用>
図20に、携帯端末1のCPU2で実行される電話帳表示プログラムの処理を示す。このCPU2は、ユーザによる操作部4を介した電話帳表示指示を検出すると図20で示される電話帳表示プログラムを起動する。
【0163】
この処理では、まず、電話帳表示プログラムは、描画領域確保のアプリケーションインターフェースを呼び出す(S140)。この呼び出しによりメモリ3に指定された寸法の描画領域に対応する領域が確保される。このとき、アプリケーションインターフェースからの返値として領域IDが電話帳表示プログラムに返される。このような領域IDは、例えば、マルチウィンドウシステムにおけるウィンドウIDや、ウィンドウ内の部品IDとして知られている。この領域に画像データを書き込むことにより、その内容がそのまま表示部3に表示される。
【0164】
次に、電話帳表示プログラムは、確保された領域に電話帳の枠となる罫線とタイトルを描画する(S141)。
【0165】
次に、電話帳表示プログラムは、上記領域ID、領域内の描画開始位置を指定して通し番号描画のアプリケーションインターフェース(API)を呼び出す(S142)。すると、電話帳の第2行目(通し番号01)の通し番号が表示される。
【0166】
次に、電話帳表示プログラムは、上記領域ID、領域内の描画開始位置を指定して、氏名描画のアプリケーションインターフェースを呼び出す(S143)。このとき、タグ情報として、”分類タグ=01”の文字データ、”種類タグ=03”の氏名、”項目=1”が指定される。その結果、電話帳の第2行目(通し番号01)の氏名が表示される。
【0167】
次に、電話帳表示プログラムは、上記領域ID、領域内の描画開始位置を指定して、電話番号描画のアプリケーションインターフェースを呼び出す(S144)。このとき、タグ情報として、”分類タグ=01”の文字データ、”種類タグ=01”の電話番号、”項目=1”が指定される。その結果、電話帳の第2行目(通し番号01)の電話番号が表示される。
【0168】
次に、電話帳表示プログラムは、電話帳の残りデータの数を判定する。電話帳の残りデ
ータ数は、アプリケーションインターフェースからの返値で判定する。そして、電話帳に残りデータがある場合、電話帳表示プログラムは、制御をS142に戻す。一方、電話帳に残りデータがない場合、電話帳表示プログラムは、処理を終了する。
【0169】
図21に電話呼び出しプログラムの処理を示す。このプログラムは、例えば、ユーザが電話帳の特定の行を選択し、電話呼び出し操作をしたときに、実行される。
すなわち、電話呼び出しプログラムは、ユーザが電話帳の項目を選択するのを待つ(S151)。そして、項目が選択された後、電話呼び出しの指示があると(S152でYESの場合)、電話呼び出しプログラムはメモリ3の所定の領域に電話呼び出しコマンドを記述する(S153)。
【0170】
次に、電話呼び出しプログラムは、電話呼び出しコマンドのパラメータとして、”分類=01”の文字データ、”種類=01”の電話番号、”項目=選択された項目の番号”を設定する(S514)。
【0171】
次に、電話呼び出しプログラムは電話呼び出しコマンドとタグによるパラメータを電話呼び出しのアプリケーションインターフェースに引き渡す(S155)。この呼び出しにより、ユーザが選択した電話帳の項目の電話番号が呼び出される。
【0172】
<実施形態の効果>
このように、本実施形態の携帯端末1では、アプリケーションサーバ11からダウンロードされた外部プログラム20と、内部プログラム21の間は、データの分類、種類、項目番号等を指定するタグ情報で処理対象の内部データ22が指定される。
【0173】
このため、外部プログラムが直接内部データ22の内容に接触することがない。このため、ネットワーク上に公開された内部仕様が不明確な外部プログラム20を使用する場合であっても、内部データ22が流出する危険を低減できる。
【0174】
上記のように、データの分類、種類、項目をタグで間接的に指定して電話呼び出しを実行させた場合、操作履歴には、タグ情報が記録され、呼び出し先の電話番号が記録されない。したがって、上記のような電話番号表示や電話呼び出しを実行してもユーザのプライバシー、例えば、いつ誰に電話を掛けたかという情報が外部に流出する危険を低減できる。
【0175】
<変形例>
上記実施形態では、タグ情報の例として、分類タグ、種類タグ、および項目タグを使用した。しかし、本発明の実施は、このような構成に限定されるものではない。例えば、種類タグ、および項目タグの2種類で内部データ22を指定するようにしてもよい。また、4以上のタグを使用して情報を特定してもよい。
【0176】
上記実施形態では、電話帳の表示項目を選択して電話を掛ける例を示した。しかし、本発明の実施はこのような応用に限定されるものではない。例えば、電子メールアドレス一覧から特定のアドレスを選択して、そのアドレスに電子メールを発信するようなアプリケーション等にも適用可能である。
【0177】
また、上記第1実施形態における携帯端末1の機能と第2実施形態における携帯端末1の機能とを組み合わせてもよい。例えば、図4に示したように、携帯端末1のデータアップロード処理では、加工するデータを取得し(S1、S2)、アプリケーションサーバ11からダウンロードしたプログラムを実行して、データを加工した(S4)。
このようなデータの加工処理において、処理対象のデータを上記タグ情報によって特定す
るようにしてもよい。
【0178】
すなわち、図19の記述にしたがうと、”分類=02”の画像、”種類=02”のJPEG、”項番=01”のように画像データを特定してもよい。
【0179】
このように画像の加工を実行するプログラム(第2実施形態における外部プログラム21に相当)において、間接的なタグ情報でデータを特定させることで、「外部プログラム実行時にユーザどのような画像データを処理したか」というプライバシーが保護される。例えば、第1実施形態の画像の加工を実行するプログラムがログを記録する場合であっても、ログとしてはタグ情報が記録され、画像データの実体名等が外部に流出することがない。
【0180】
《コンピュータ読み取り可能な記録媒体》
コンピュータに上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0181】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0182】
また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【0183】
《搬送波に具現化されたデータ通信信号》
また、上記プログラムは、コンピュータのハードディスクやメモリに格納し、通信媒体を通じて他のコンピュータに配布することができる。この場合、プログラムは、搬送波によって具現化されたデータ通信信号として、通信媒体を伝送される。そして、その配布を受けたコンピュータに上記機能を提供させることができる。
【0184】
ここで通信媒体としては、有線通信媒体、例えば、同軸ケーブルおよびツイストペアケーブルを含む金属ケーブル類、光通信ケーブル等、または、無線通信媒体例えば、衛星通信、地上波無線通信等のいずれでもよい。
【0185】
また、搬送波は、データ通信信号を変調するための電磁波または光である。ただし、搬送波は、直流信号でもよい。この場合、データ通信信号は、搬送波がないベースバンド波形になる。したがって、搬送波に具現化されたデータ通信信号は、変調されたブロードバンド信号と変調されていないベースバンド信号(電圧0の直流信号を搬送波とした場合に相当)のいずれでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明は、携帯電話等の携帯端末の製造産業、携帯端末による通信事業、携帯端末を利用したサービス産業、ネットワーク上のサーバの製造産業、サーバにより情報やサービスを提供する情報産業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報システムのシステム構成図であり、
【図2】図2は、図1に示した携帯端末1のハードウェア構成図であり、
【図3】図3は、図1のアプリケーションサーバ11から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図であり、
【図4】図4は、携帯端末1においてデータをウェブサーバ12にアップロードするデータアップロード処理を示すフローチャートであり、
【図5】図5は、図4に示したデータ加工処理(S4)の詳細を示すフローチャートであり、
【図6】図6は、図1に示したアプリケーションサーバ11のダウンロード処理を示すフローチャートであり、
【図7】図7は、図1に示したウェブサーバ12のアップロード処理を示すフローチャートであり、
【図8】図8は、図7に示したウェブサーバオプション処理(S114)の詳細を示すフローチャートであり、
【図9】図9は、携帯端末1において送信メールサーバ14に送信を要求する電子メール送信要求処理を示すフローチャートであり、
【図10】図10は、図1に示した送信メールサーバ14の送信処理を示すフローチャートであり、
【図11】図11は、図10に示した送信メールサーバオプション処理(S123)の詳細を示すフローチャートであり、
【図12】図12は、第1実施形態の変形例に係るウェブサーバ12のアップロード処理を示すフローチャートであり、
【図13】図13は、第1実施形態の変形例に係る送信メールサーバ14の送信処理を示すフローチャートであり、
【図14】図14は、第1実施形態の変形例に係る情報システムのシステム構成図であり、
【図15】図15は、図14に示したデータサーバ15から携帯端末1にダウンロードされるデータのデータ構成図であり、
【図16】図16は、図14に示した携帯端末1で実行されるデータ処理例を示すフローチャートであり、
【図17】図17は、本発明の第2実施形態に係る情報システムの概念図であり、
【図18】図18は、図17に示した電話帳表示プログラムが携帯端末1に表示する電話帳画面の例であり、
【図19】図19は、図17に示した外部プログラム20と内部プログラム21とのインターフェースを記述するタグ情報の例であり、
【図20】図20は、電話帳表示プログラムの処理を示すフローチャートであり、
【図21】図21は、携帯端末1で実行される電話呼出プログラムの処理を示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から電子メールの送信要求を受ける電子メールサーバにおいて、
前記端末装置からの電子メール本文を含む送信要求を受信する送信要求受付部と、
前記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求し、このサーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得する保存要求部と、
前記電子メール本文に前記指示情報を付加して電子メールを送信する送信部と、
を備える電子メールサーバ。
【請求項2】
サーバ装置と通信する通信部と、
前記通信部を介して前記サーバ装置から受信したプログラムを実行する処理部と、
内部データの種類を記憶する内部メモリ部と、
出力領域の内容をそのまま表示する表示部と、
前記処理部で実行されるプログラムからの要求であって前記内部データを特定する情報と特定された内部データの前記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するデータ管理部と、
を備える端末装置。
【請求項3】
前記内部データは、文字データを含み、前記変換された内部データは、前記文字を画像に変換したデータを含む請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順位を識別する情報とを有する請求項2又は3に記載の端末装置。
【請求項5】
通信部を有するコンピュータが、
電子メール本文を含む送信要求を受信するステップと、
前記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求するステップと、
前記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得するステップと、
前記電子メール本文に前記指示情報を付加して電子メールを送信するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項6】
サーバ装置と通信する通信部を備えるコンピュータが、
前記サーバ装置から受信したプログラムを実行するステップと、
内部データの種類を内部メモリに記憶するステップと、
出力領域の内容をそのまま表示部に表示させるステップと、
前記実行されたプログラムからの要求であって前記内部データを特定する情報と特定された内部データの前記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項7】
前記内部データは、文字データを含み、前記変換された内部データは、前記文字を画像に変換したデータを含む請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順
位を識別する情報とを有する請求項6又は7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
通信部を有するコンピュータが、
電子メール本文を含む送信要求を受信するステップと、
前記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求するステップと、
前記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得するステップと、
前記電子メール本文に前記指示情報を付加して電子メールを送信するステップと、
を実行するプログラム。
【請求項10】
サーバ装置と通信する通信部を備えるコンピュータが、
前記サーバ装置から受信したプログラムを実行するステップと、
内部データの種類を内部メモリに記憶するステップと、
出力領域の内容をそのまま表示部に表示させるステップと、
前記実行されたプログラムからの要求であって前記内部データを特定する情報と特定された内部データの前記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するステップと、
を実行するプログラム。
【請求項11】
前記内部データは、文字データを含み、前記変換された内部データは、前記文字を画像に変換したデータを含む請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順位を識別する情報とを有する請求項10又は11に記載のプログラム。
【請求項1】
端末装置から電子メールの送信要求を受ける電子メールサーバにおいて、
前記端末装置からの電子メール本文を含む送信要求を受信する送信要求受付部と、
前記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求し、このサーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得する保存要求部と、
前記電子メール本文に前記指示情報を付加して電子メールを送信する送信部と、
を備える電子メールサーバ。
【請求項2】
サーバ装置と通信する通信部と、
前記通信部を介して前記サーバ装置から受信したプログラムを実行する処理部と、
内部データの種類を記憶する内部メモリ部と、
出力領域の内容をそのまま表示する表示部と、
前記処理部で実行されるプログラムからの要求であって前記内部データを特定する情報と特定された内部データの前記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するデータ管理部と、
を備える端末装置。
【請求項3】
前記内部データは、文字データを含み、前記変換された内部データは、前記文字を画像に変換したデータを含む請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順位を識別する情報とを有する請求項2又は3に記載の端末装置。
【請求項5】
通信部を有するコンピュータが、
電子メール本文を含む送信要求を受信するステップと、
前記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求するステップと、
前記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得するステップと、
前記電子メール本文に前記指示情報を付加して電子メールを送信するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項6】
サーバ装置と通信する通信部を備えるコンピュータが、
前記サーバ装置から受信したプログラムを実行するステップと、
内部データの種類を内部メモリに記憶するステップと、
出力領域の内容をそのまま表示部に表示させるステップと、
前記実行されたプログラムからの要求であって前記内部データを特定する情報と特定された内部データの前記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項7】
前記内部データは、文字データを含み、前記変換された内部データは、前記文字を画像に変換したデータを含む請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順
位を識別する情報とを有する請求項6又は7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
通信部を有するコンピュータが、
電子メール本文を含む送信要求を受信するステップと、
前記電子メール本文にデータが添付されていたときに、そのデータの保存をネットワーク上のサーバに要求するステップと、
前記サーバに保存されたデータの保存先を示す指示情報を取得するステップと、
前記電子メール本文に前記指示情報を付加して電子メールを送信するステップと、
を実行するプログラム。
【請求項10】
サーバ装置と通信する通信部を備えるコンピュータが、
前記サーバ装置から受信したプログラムを実行するステップと、
内部データの種類を内部メモリに記憶するステップと、
出力領域の内容をそのまま表示部に表示させるステップと、
前記実行されたプログラムからの要求であって前記内部データを特定する情報と特定された内部データの前記出力領域への出力を指示する情報とを含む要求に応じて、前記内部データを所定の形式に変換し変換された内部データを前記出力領域に出力するステップと、
を実行するプログラム。
【請求項11】
前記内部データは、文字データを含み、前記変換された内部データは、前記文字を画像に変換したデータを含む請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記内部データを特定する情報は、データの種類を識別する情報と、識別された1つの種類の情報を構成する、そのような複数の項目における位置または複数の項目における順位を識別する情報とを有する請求項10又は11に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−328793(P2007−328793A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154394(P2007−154394)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【分割の表示】特願2003−544585(P2003−544585)の分割
【原出願日】平成13年11月12日(2001.11.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【分割の表示】特願2003−544585(P2003−544585)の分割
【原出願日】平成13年11月12日(2001.11.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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