説明

端末装置のためのコンピュータプログラム及び端末装置

【課題】 ユーザに印刷結果を迅速に提供し得る技術を提供する。
【解決手段】 PCは、印刷開始操作が実行される前に、部分印刷データPP11〜PP21を生成する。PCは、印刷開始操作が実行される前に、部分印刷データPP11〜PP21を、プリンタに送信する。PCは、ユーザによって印刷開始操作が実行される場合に、部分印刷データPP11〜PP21を用いた印刷をプリンタに開始させるための印刷開始指示を、プリンタに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、プリンタに接続される端末装置のための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタに接続される文書操作端末が開示されている。文書操作端末は、ユーザが文書操作端末に印刷指示を実行する前に、印刷対象である文書データを変換して、印刷データを生成する。文書操作端末は、ユーザによって印刷指示が実行された後に、生成済みの印刷データをプリンタに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−100356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、通常、印刷結果を迅速に取得することを望む。本明細書では、ユーザに印刷結果を迅速に提供し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される技術は、プリンタに接続される端末装置のためのコンピュータプログラムである。コンピュータプログラムは、端末装置に搭載されるコンピュータに、第1の印刷データ生成処理と、第1の印刷データ送信処理と、指示送信処理と、を実行させる。第1の印刷データ生成処理では、コンピュータは、印刷対象の対象画像のうちの少なくとも一部である第1の特定画像に対応する第1の印刷データを生成する。第1の印刷データ生成処理では、コンピュータは、第1の印刷データを用いた印刷をプリンタに開始させるための特定の操作が、端末装置の操作部に実行される前に、第1の印刷データを生成する。第1の印刷データ送信処理では、コンピュータは、上記の特定の操作が実行される前に、第1の印刷データを、プリンタに送信する。指示送信処理では、コンピュータは、上記の特定の操作が実行される場合に、第1の印刷データを用いた印刷をプリンタに開始させるための印刷開始指示を、プリンタに送信する。
【0006】
上記のコンピュータプログラムでは、端末装置は、上記の特定の操作が実行される前に、第1の印刷データをプリンタに送信する。端末装置は、第1の印刷データの送信後、上記の特定の操作が実行される場合に、印刷開始指示を、プリンタに送信する。プリンタは、印刷開始指示を受信すると、受信済みの第1の印刷データを用いた印刷を開始する。この構成によれば、上記の特定の操作が端末装置に実行された後に、端末装置が第1の印刷データをプリンタに送信する構成と比較して、プリンタは、第1の印刷データを用いた印刷を、迅速に開始し得る。従って、ユーザに印刷結果を迅速に提供し得る。
【0007】
第1の印刷データ生成処理では、コンピュータは、第1の印刷データを、端末装置のメモリ内に生成してもよい。第1の印刷データ送信処理では、コンピュータは、プリンタが第1の印刷データを記憶可能である場合に、第1の印刷データを送信してもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータに、さらに、消去処理と、維持処理と、を実行させてもよい。消去処理では、コンピュータは、第1の印刷データがプリンタに送信される場合に、第1の印刷データをメモリから消去してもよい。維持処理では、コンピュータは、プリンタが第1の印刷データを記憶不可能である場合に、第1の印刷データがプリンタに送信されるまで、第1の印刷データを、メモリから消去せずに、メモリ内に維持してもよい。この構成では、プリンタが第1の印刷データを記憶不可能である場合(例えばプリンタのメモリの空き容量が少ない場合)に、端末装置は、第1の印刷データがプリンタに送信されるまで、第1の印刷データを、端末装置のメモリ内に維持する。このため、端末装置は、第1の印刷データを、適切にプリンタに送信し得る。
【0008】
第1の印刷データ送信処理では、コンピュータは、第1の印刷データがメモリ内に維持されており、かつ、上記の特定の操作が実行される特定の場合に、メモリ内に維持されている第1の印刷データを、プリンタに送信してもよい。この構成によれば、端末装置は、第1の印刷データを、適切にプリンタに送信し得る。
【0009】
第1の印刷データ送信処理では、コンピュータは、上記の特定の場合において、プリンタが1枚の印刷媒体に対する印刷が終了した後に、メモリ内に維持されている第1の印刷データを、プリンタに送信してもよい。この構成によれば、端末装置は、第1の印刷データを、適切なタイミングで、プリンタに送信し得る。
【0010】
対象画像は、複数個の第1の特定画像を含んでいてもよい。第1の印刷データ生成処理では、コンピュータは、複数個の第1の特定画像に対応する複数個の第1の印刷データを生成してもよい。
【0011】
複数個の第1の特定画像は、端末装置によって利用される特定のアプリケーションプログラムに従った操作が、操作部に実行されることによって生成されてもよい。第1の印刷データ生成処理では、コンピュータは、上記の特定のアプリケーションプログラムに従った操作に応じて、複数個の第1の特定画像のうちの1個の第1の特定画像が生成される毎に、当該1個の第1の特定画像に対応する1個の第1の印刷データを生成してもよい。第1の印刷データ送信処理では、コンピュータは、複数個の第1の印刷データのそれぞれを、プリンタに順次送信してもよい。この構成によれば、端末装置は、複数個の第1の印刷データのそれぞれを、適切に生成及び送信し得る。
【0012】
対象画像は、対象画像のうちの一部である第2の特定画像を、さらに含んでいてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータに、さらに、第2の印刷データ生成処理と、第2の印刷データ送信処理と、第3の印刷データ生成処理と、第3の印刷データ送信処理と、を実行させてもよい。第2の印刷データ生成処理では、コンピュータは、第2の特定画像に対応する第2の印刷データを生成してもよい。第2の印刷データ生成処理では、コンピュータは、上記の特定の操作が実行される前に、第2の印刷データを生成してもよい。第2の印刷データ送信処理では、コンピュータは、第2の印刷データを、上記の特定の操作が実行される前に、プリンタに送信してもよい。第3の印刷データ生成処理では、コンピュータは、第2の印刷データがプリンタに送信された後に、第2の特定画像を、第2の特定画像のうちの少なくとも一部の画像が変更画像に変更された第3の特定画像に変更するための変更操作が操作部に実行される場合に、変更画像に対応する第3の印刷データを生成してもよい。第3の印刷データ生成処理では、コンピュータは、上記の特定の操作が実行される前に、第3の印刷データを生成してもよい。第3の印刷データ送信処理では、コンピュータは、第3の印刷データを、上記の特定の操作が実行される前に、プリンタに送信してもよい。指示送信処理では、コンピュータは、上記の特定の操作が実行される場合に、第1の印刷データと、第3の印刷データを含む第4の印刷データを用いた印刷をプリンタに開始させるための印刷開始指示を、プリンタに送信してもよい。第4の印刷データは、第3の特定画像に対応する印刷データであってもよい。この構成によれば、プリンタに送信された第2の印刷データに対応する第2の特定画像が、第3の特定画像に変更された場合に、第3の特定画像に対応する第4の印刷データを用いた印刷を、プリンタに迅速に実行させ得る。
【0013】
なお、上記のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体、上記の端末装置、及び、上記の端末装置を実現するための制御方法も、新規で有用である。
【0014】
また、上記の端末装置に接続されるプリンタも新規で有用である。このプリンタは、印刷データ受信部と、指示受信部と、印刷実行部と、を備える。印刷実行部は、端末装置から第1の印刷データを受信する。印刷データ受信部は、第1の印刷データを用いた印刷をプリンタに開始させるための特定の操作が、端末装置の操作部に実行される前に、第1の印刷データを受信する。指示受信部は、第1の印刷データが受信された後に、端末装置から印刷開始指示を受信する。印刷開始指示は、上記の特定の操作が端末装置の操作部に実行される場合に、端末装置から送信される指示である。印刷実行部は、印刷開始指示が受信される場合に、第1の印刷データを用いた印刷を実行する。この構成によれば、プリンタは、第1の印刷データを用いた印刷を迅速に実行することができる。従って、ユーザに印刷結果を迅速に提供し得る。
【0015】
なお、上記のプリンタを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体も、新規で有用である。また、上記の端末装置と上記のプリンタとを含むシステムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ネットワークシステムの構成を示す。
【図2】PCが実行する印刷データ生成処理のフローチャートを示す。
【図3】PCが実行するユーザ操作監視処理のフローチャートを示す。
【図4】PCが実行する部分印刷データ送信処理のフローチャートを示す。
【図5】プリンタが実行するメイン処理のフローチャートを示す。
【図6】プリンタが実行する印刷処理のフローチャートを示す。
【図7】対象データファイル内に対象データが既に含まれているケース(ケースA)を説明するための図を示す。
【図8】対象データファイルが新規に生成されるケース(ケースB)を説明するための図を示す。
【図9】対象データファイル内に対象データが既に含まれており、かつ、対象データが追加されるケース(ケースC)を説明するための図を示す。
【図10】対象データファイル内に対象データが既に含まれており、かつ、対象データが変更されるケース(ケースD)を説明するための図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(ネットワークシステム2の構成)
図1に示すように、ネットワークシステム2は、PC10(プリンタ100の周辺機器)と、プリンタ100と、を備える。PC10は、無線LAN4を介して、プリンタ100と無線接続されている。なお、無線LAN4は、アクセスポイント200を備える。図1では、無線LAN4内の破線は、破線の両端の各装置(例えばPC10とアクセスポイント200)が無線接続されていることを表わす。
【0018】
(PC10の構成)
PC10は、表示部12と、操作部14と、ネットワークインターフェイス16と、制御部20と、を備える。表示部12は、制御部20の指示に従って、様々な情報を表示する。操作部14は、キーボードとマウスとを備える。PC10は、ネットワークインターフェイス16を介して、無線LAN4に接続されるプリンタ100と通信する。
【0019】
制御部20は、CPU22とメモリ30とを備える。CPU22は、メモリ30に記憶されているプリンタドライバ34に従って、様々な処理を実行する。これにより、印刷データ生成部50と印刷データ送信部52と指示送信部54とメモリ制御部56との各機能が実現される。例えば、ユーザは、コンピュータ可読記録装置(例えばCDROM)に記録されているプリンタドライバ34を、PC10にインストールしてもよい。
【0020】
メモリ30は、さらに、アプリケーションプログラム32を記憶している。アプリケーションプログラム32は、文書データを含むデータファイルを生成するためのプログラムである。なお、変形例では、アプリケーションプログラム32は、表計算用のプログラム、描画用のプログラム等であってもよい。
【0021】
メモリ30は、データ記憶領域40を備える。データ記憶領域40は、印刷データ記憶領域42とファイル記憶領域44とを含む。印刷データ記憶領域42は、CPU22がプリンタドライバ34に従って生成した印刷データを記憶することができる。
【0022】
ファイル記憶領域44は、データファイルを記憶することができる。ファイル記憶領域44は、外部の記憶装置(例えば無線LAN4を介してPC10に接続されるサーバ(図示省略)、CDROM等の記憶媒体)から取得されたデータファイルを記憶することができる。また、ファイル記憶領域44は、CPU22がアプリケーションプログラム32に従って生成したデータファイルを記憶することができる。後述の図2の処理で印刷対象として扱われるデータファイルは、PC10の外部から取得されるデータファイルであってもよいし、PC10自身によって生成されるデータファイルであってもよい。
【0023】
(アプリケーションプログラム32について)
ユーザは、操作部14を操作することによって、アプリケーションプログラム32を起動させることができる。また、ユーザは、アプリケーションプログラム32に従った操作を、操作部14に実行することができる。アプリケーションプログラム32に従った操作は、例えば、新規のデータファイルを生成するための生成操作と、既存のデータファイル内のデータ(文字データ、写真データ等)を編集するための編集操作と、を含む。なお、編集操作は、データファイル内に文字データ、写真データ等を入力する操作と、データファイルに含まれる文字データ等を消去する操作と、を含む。CPU22は、ユーザによって操作部14に操作が実行されると、アプリケーションプログラム32に従って、当該操作に応じた処理を実行する。例えば、生成操作が実行されると、CPU22は、新規なデータファイルを、ファイル記憶領域44内に生成する(図1では、データファイルDF)。なお、ユーザは、操作部14を操作することによって、データファイルDFのファイル名を決定することができる(図1では、「fileX」)。
【0024】
なお、変形例では、アプリケーションプログラム32は、PC10に記憶されていなくてもよい。例えば、いわゆるクラウドコンピューティングシステムのように、アプリケーションプログラム32は、無線LAN4に接続されるサーバ(図示省略)に記憶されていてもよい。本変形例では、CPU22は、サーバ内のアプリケーションプログラム32に従って、様々な処理を実行してもよい。
【0025】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、ネットワークインターフェイス102と、印刷実行部104と、制御部120と、を備える。プリンタ100は、ネットワークインターフェイス102を介して、無線LAN4に接続されるPC10と通信する。印刷実行部104は、CPU122の指示に従って、印刷データを用いた印刷を実行する。
【0026】
制御部120は、CPU122とメモリ130とを備える。CPU122は、メモリ130に記憶されているプログラム132に従って、様々な処理を実行する。これにより、印刷データ受信部150と指示受信部152との各機能が実現される。
【0027】
メモリ130は、印刷データ記憶領域140を備える。CPU122は、PC100から受信される印刷データ(例えば後述の部分印刷データPP11〜21)を、印刷データ記憶領域140に記憶させる。CPU122は、印刷データ記憶領域140内の印刷データを用いた印刷を、印刷実行部104に実行させる。
【0028】
(PC10が実行する処理)
図面を参照して、PC10のCPU22が実行する処理の内容を説明する。
【0029】
(印刷データ生成処理)
図2を参照して、印刷データ生成処理の内容を説明する。本処理は、PC10の電源がONにされると開始される。ユーザは、ファイル記憶領域44内のデータファイルDFに含まれるデータによって表わされる表示画像を、表示部12に表示させるための表示操作を、操作部14に実行することができる。S12では、CPU22は、表示操作又は新規データファイルの生成操作が実行されることを監視している。
【0030】
表示操作が実行されると、CPU22は、アプリケーションプログラム32に従って、上記の表示画像を、表示部12に表示させる。生成操作が実行されると、CPU22は、アプリケーションプログラム32に従って、新規データファイルを、ファイル記憶領域44内に生成し、新規画像を表示部12に表示させる。新規画像は、アプリケーションプログラム32に予め設定されている用紙サイズ(例えばA4サイズ)の白紙のページを含む。なお、以下では、表示操作によって選択されたデータファイル、又は、生成操作によって生成されたデータファイルを、「対象データファイル」と呼び、対象データファイルに含まれる画像(文字、写真、グラフ、図形等)を表わすデータ(ユーザの編集操作により追加されるデータも含む)を、「対象データ」と呼ぶ。
【0031】
表示操作又は生成操作が実行されると(S12でYES)、S14において、CPU22は、予め設定されている所定の大きさ以上の画像を表わす対象データが、対象データファイルに含まれているのか否かを判断する。上記の所定の大きさは、対象データファイルに設定されている1枚の用紙の用紙サイズを、縦方向に沿って複数個(例えば5個)の対象領域に等分割したときの1個の対象領域の大きさに等しい。CPU22は、1ページ目の複数個の対象領域のうちの先頭の対象領域よりも後ろの対象領域に、画像(文字、写真、グラフ、図形等)が含まれている場合に、S14でYESと判断する。なお、先頭の対象領域に画像が含まれていなくても(即ち先頭の対象領域が空白であっても)、先頭の対象領域よりも後ろの対象領域に画像に含まれている場合には、S14でYESと判断される。
【0032】
S14でYESの場合にS16に進み、S14でNOの場合にS26に進む。S16では、印刷データ生成部50は、先頭の対象領域に対応する1個の部分対象データ(即ち、先頭の対象領域に含まれる画像を表わす1個の部分対象データ)を複製して、複製された1個の部分対象データを変換して、1個の部分印刷データを生成する。詳細には、印刷データ生成部50は、1個の部分対象データに対して、色変換(RGBからCMYK)処理と、ハーフトーン処理と、を含む画像処理を実行して、プリンタ100が解釈可能な形式を有する1個の部分印刷データを生成する。S16では、印刷データ生成部50は、印刷データ記憶領域42内に、1個の部分印刷データを生成する。なお、先頭の対象領域に画像が含まれていない場合(即ち先頭の対象領域が空白である場合)、印刷データ生成部50は、空白を表わす1個の部分印刷データを生成する。
【0033】
なお、S16では、印刷データ生成部50は、生成された1個の部分印刷データに、識別情報(即ちID)を付与する。IDは、対象データファイルDFのファイル名と、生成された1個の部分印刷データに対応する1個の対象領域を含むページを示すページ番号と、当該1個の対象領域のページ内での順番と、を含む。例えば、ファイル名「fileX」を有する対象データファイルDFについて、1ページ目の先頭の対象領域に対応する1個の部分印刷データが生成される場合には、印刷データ生成部50は、ファイル名「fileX」と、ページ番号「1」と、対象領域のページ内での順番「1」と、の組み合わせであるID「fileX−11」を付与する。
【0034】
さらに、S16では、印刷データ生成部50は、1個の部分印刷データが生成されたことを示す生成済情報を、メモリ30に記憶させる。生成済情報は、生成された1個の部分印刷データに対応する1個の対象領域の位置を示す位置情報(例えば「1ページ目の縦方向における0mm〜50mm」を示す情報)と、生成された1個の部分印刷データのIDと、を含む。
【0035】
次いで、S18では、印刷データ送信部52は、S16で生成された1個の部分印刷データをプリンタ100が記憶可能であるのか否かを判断する。詳しくは後述するが、プリンタ100は、1個の部分印刷データを記憶するための空き容量が印刷データ記憶領域140に残っていない場合(後述する図5のS114でNO)、部分印刷データを記憶不可能であることを示す記憶不可能情報を、PC10に送信する。PC10のCPU22は、上記の記憶不可能情報がプリンタ100から受信される場合に、上記の記憶不可能情報を、メモリ30に記憶させる。
【0036】
S18では、印刷データ送信部52は、記憶不可能情報がメモリ30に記憶されている場合に、記憶不可能である(S18でNO)と判断し、記憶不可能情報がメモリ30に記憶されていない場合に、記憶可能である(S18でYES)と判断する。
【0037】
S18でNOの場合、S14に戻る。この場合、S16で生成された1個の部分印刷データは、印刷データ記憶領域42に維持される。一方、S18でYESの場合、S22において、印刷データ送信部52は、S16で生成された1個の部分印刷データを、ネットワークインターフェイス16及び無線LAN4を介して、プリンタ100に送信する。次いで、S24では、メモリ制御部56は、S22で送信された1個の部分印刷データを、印刷データ記憶領域42から消去して、S14に戻る。
【0038】
なお、2回目以降のS14では、CPU22は、メモリ30内の生成済情報によって示される位置情報(複数個の生成済情報がメモリ30に記憶されている場合、最も後ろの位置を示す位置情報)によって示される位置の次の対象領域を、処理対象の対象領域として決定し、当該対象領域に対応する1個の部分対象データを用いて、S16以降の処理を実行する。なお、2回目以降のS16では、印刷データ生成部50は、対象データファイルDFのファイル名「fileX」と、処理対象の対象領域を含むページを示すページ番号「α」と、処理対象の対象領域のページ内での順番「β」と、を用いて、生成された1個の部分印刷データに、ID「fileX−αβ」を付与する。
【0039】
S26では、CPU22は、部分印刷データ送信処理(図4参照)を起動する。次いで、S28では、CPU22は、ユーザ操作監視処理(図3参照)を実行する。CPU22は、部分印刷データ送信処理とユーザ操作監視処理とを並行して実行する。ユーザ操作監視処理が終了すると、S12に戻る。
【0040】
(ユーザ操作監視処理)
次いで、図3を参照して、図2のS28で実行されるユーザ操作監視処理の内容について説明する。上述したように、ユーザは、編集操作を操作部14に実行することによって、表示部12に表示されている画像を表わす部分対象データを編集したり、新たな部分対象データを追加したりすることができる。
【0041】
S32では、印刷データ生成部50は、新たな部分対象データが追加されたのか否かを判断する。具体的に言うと、印刷データ生成部50は、上記の所定の大きさ以上の画像を表わす部分対象データが追加された場合(新たに生成された場合)に、S32でYESと判断して、S34に進む。
【0042】
S34では、印刷データ生成部50は、S32でYESと判断された1個の部分対象データを変換して、1個の部分印刷データを、印刷データ記憶領域42内に生成する。さらに、印刷データ生成部50は、生成された1個の部分印刷データに、IDを付与するとともに、生成済情報を、メモリ30に記憶させて、S32に戻る。S34の処理は、図2のS16の処理と同様である。
【0043】
S36では、指示送信部54は、ユーザが、予め決められた印刷開始操作を、PC10の操作部14に実行することを監視している。印刷開始操作は、生成済みの1個以上の部分印刷データを用いた印刷を、プリンタ100に開始させるための操作である。印刷開始操作が実行される場合(S36でYES)にS38に進み、印刷開始操作が実行されない場合(S36でNO)にS42に進む。
【0044】
S38では、指示送信部54は、1個以上の部分印刷データを用いた印刷を、プリンタ100に開始させるための印刷開始指示を、プリンタ100に送信する。指示送信部54は、対象データファイルのファイル名(例えば「fileX」)を含む印刷開始指示を送信する。次いで、S40では、CPU22は、メモリ30内の印刷開始フラグを「0」から「1」に変更して、S32に戻る。
【0045】
S42では、印刷データ生成部50は、編集操作(例えば、文字等を入力する操作、又は、文字等を消去する操作)によって、部分対象データが変更されたのか否かを判断する。具体的には、印刷データ生成部50は、表示部12に表示されるカーソルが生成済みの部分対象データによって表わされる画像内に位置し(カーソルの位置と、生成済情報に含まれる位置情報と、を用いて判断する)、ユーザによって編集操作が実行された場合に、S42でYESと判断する。
【0046】
S42でYESの場合にS44に進み、S42でNOの場合にS52に進む。S44では、印刷データ生成部50は、変更された部分の部分印刷データを、印刷データ記憶領域42内に生成する。例えば、印刷データ生成部50は、編集操作によって、文字「AA」が文字「AB」に変更された場合に、文字「B」を表わす部分印刷データのみを生成し、編集操作によって変更されなかった部分対象データ(先頭の文字「A」)に対応する部分印刷データを生成しない。印刷データ生成部50は、さらに、変更前の部分印刷データのIDと、S44で生成された部分印刷データが変更前の部分印刷データのどこに位置するのかを示す変更箇所情報と、を含む変更情報を生成する。
【0047】
次いで、S46では、印刷データ送信部52は、変更前の部分印刷データがプリンタ100に送信済みであるのか否かを判断する。具体的には、印刷データ送信部52は、S44で生成された変更情報に含まれるIDで識別される変更前の部分印刷データが、印刷データ記憶領域42に記憶されている場合に、変更前の部分印刷データがプリンタ100に送信済みでない(S46でNO)と判断し、当該部分印刷データが、印刷データ記憶領域42に記憶されていない場合に、プリンタ100に送信済みである(S46でYES)と判断する。
【0048】
S46でYESの場合、S48において、印刷データ送信部52は、S44で生成された部分印刷データ(上記の例では、文字「B」を表わす部分印刷データ)と変更情報とをプリンタ100に送信して、S32に戻る。一方、S46でNOの場合、S50において、印刷データ生成部50は、S44で生成された部分印刷データと変更情報とを用いて、変更前の部分印刷データを修正して、S32に戻る。具体的には、まず、印刷データ生成部50は、変更情報に含まれるIDで識別される変更前の部分印刷データを特定する。次いで、印刷データ生成部50は、変更情報に含まれる変更箇所情報で示される箇所のデータ(変更前の部分印刷データに含まれるデータ)を、S44で生成された部分印刷データに置換する。
【0049】
S52では、CPU22は、ユーザによって、アプリケーションプログラム32を終了するための終了操作が、操作部14に実行されたのか否かを判断する。終了操作が実行されない場合(S52でNO)、S32に戻る。一方において、ユーザが、対象データによって表わされる画像の印刷の実行を望まずに(印刷開始操作(S36参照)を実行せずに)、終了操作を実行する可能性がある。この場合、CPU22は、S52でYESと判断して、S54に進む。
【0050】
S54では、指示送信部54は、プリンタ100内の部分印刷データを消去するための消去指示を、プリンタ100に送信して、処理を終了する。消去指示は、対象データのファイル名(例えば「fileX」)を含む。S54では、さらに、メモリ制御部56は、上記の記憶不可能情報がメモリ30に記憶されている場合に、記憶不可能情報を消去する。S54では、さらに、メモリ制御部56は、対象データから生成された1個以上の部分印刷データが、印刷データ記憶領域42に記憶されている場合に、当該部分印刷データを消去する。さらに、CPU22は、アプリケーションプログラム32を終了する。
【0051】
(部分印刷データ送信処理)
次いで、図4を参照して、図2のS26で開始される部分印刷データ送信処理の内容を説明する。S62では、印刷データ送信部52は、少なくとも1個の部分印刷データが、印刷データ記憶領域42に記憶されているのか否かを判断する。部分印刷データが記憶されている場合(S62でYES)にS64に進み、部分印刷データが記憶されていない場合(S62でNO)にS80に進む。
【0052】
S64では、印刷データ送信部52は、プリンタ100が部分印刷データを記憶可能であるのか否かを判断する。印刷データ送信部52は、上記の記憶不可能情報がメモリ30に記憶されている場合に、記憶不可能である(S64でNO)と判断してS70に進み、上記の記憶不可能情報がメモリ30に記憶されていない場合に、記憶可能である(S64でYES)と判断してS66に進む。
【0053】
S66では、印刷データ送信部52は、印刷データ記憶領域42内の1個以上の部分印刷データのうち、最も前に位置する画像を表わす1個の部分印刷データを選択して、当該1個の部分印刷データをプリンタ100に送信する。具体的には、印刷データ送信部52は、印刷データ記憶領域42内の1個以上の部分印刷データのIDの「−(ハイフン)」よりも後ろの数字が最も小さいIDが付与されている部分印刷データを選択する。次いで、S68では、メモリ制御部56は、S66で送信された1個の部分印刷データを、印刷データ記憶領域42から消去して、S62に戻る。
【0054】
S70では、CPU22は、メモリ30内の印刷開始フラグ(図3のS40参照)が「1」であるのか否かを判断する。印刷開始フラグが「0」である場合(S70でNO)、S80に進む。一方、印刷開始フラグが「1」である場合(S70でYES)、S72において、印刷データ送信部52は、S66と同様の手法で、印刷データ記憶領域42内の1個以上の部分印刷データのうち、1個の部分印刷データを選択する。印刷データ送信部52は、選択された1個の部分印刷データを、プリンタ100に送信することを試行する。なお、S72では、印刷データ送信部52は、メモリ30に上記の記憶不可能情報が記憶されているが(S70でYESと判断されるが)、部分印刷データの送信を試行する。
【0055】
S74において、CPU22は、S72で送信された1個の部分印刷データの受信が完了したことを示す応答を、プリンタ100から受信することを監視している。応答が受信されない場合(S74でNO)、S72に戻って、印刷データ送信部52は、1個の部分印刷データの送信を試行する。後に詳述するが、プリンタ100は、1枚の印刷用紙の印刷が完了すると、当該印刷用紙の印刷に用いた各部分印刷データを、印刷データ記憶領域140から削除する。この結果、前回のS72においてプリンタ100が記憶不可能であるために、プリンタ100が部分印刷データを受信不可能であったが、次回のS72では、プリンタ100が部分印刷データを受信可能となっている可能性がある。
【0056】
応答が受信された場合(S74でYES)、S76において、メモリ制御部56は、S72で送信された1個の部分印刷データを、印刷データ記憶領域42から消去する。次いで、S77において、印刷データ送信部52は、印刷データ記憶領域42に、少なくとも1個の印刷データが記憶されているのか否かを判断する。部分印刷データが記憶されている場合(S77でYES)、S72に戻る。部分印刷データが記憶されていない場合(S77でNO)、S78において、CPU22は、メモリ30内の印刷開始フラグを、「1」から「0」に変更して、処理を終了する。なお、S78では、さらに、メモリ制御部56は、上記の記憶不可能情報をメモリ30から消去する。
【0057】
S80では、CPU22は、アプリケーションプログラム32が終了されたのか否かを判断する。アプリケーションプログラム32が終了された場合(S80でYES)、処理を終了する。なお、S80でYESの場合には、メモリ制御部56は、上記の記憶不可能情報をメモリ30から消去する。一方、アプリケーションプログラム32が終了されていない場合(S80でNO)、S62に戻る。
【0058】
(プリンタ100が実行する処理)
次いで、図面を参照して、プリンタ100のCPU122が実行する処理の内容を説明する。図5に示すように、S102では、印刷データ受信部150は、PC10から1個の部分印刷データが受信されることを監視している。部分印刷データが受信される場合(S102でYES)、S104に進み、部分印刷データが受信されない場合(S102でNO)、S120に進む。
【0059】
S104では、CPU122は、S102で受信された部分印刷データが、印刷データ記憶領域140内の部分印刷データを変更するための変更箇所の部分印刷データであるのか否かを判断する。具体的には、CPU122は、部分印刷データとともに上記の変更情報が受信された場合(図3のS48参照)に、S104でYESと判断し、部分印刷データとともに上記の変更情報が受信されなかった場合(図2のS22、図4のS66、S72参照)に、S104でNOと判断する。
【0060】
S104でYESの場合、S106では、CPU122は、変更情報に含まれるIDで識別される部分印刷データを、印刷データ記憶領域140から特定する。次いで、S108では、CPU122は、S102で受信された変更箇所の部分印刷データを用いて、S106で特定された部分印刷データを修正する。CPU122が実行する修正手法は、図3のS50においてPC10が実行する修正手法と同様である。S108が終了すると、S102に戻る。
【0061】
一方、S104でNOの場合、S110において、CPU122は、S102で受信された部分印刷データを、印刷データ記憶領域140に記憶させる。次いで、S112では、CPU122は、仮に、1個の部分印刷データがさらにPC10から受信されると、印刷データ記憶領域140に当該1個の部分印刷データを記憶させることが可能であるのか否かを判断する。即ち、CPU122は、次の1個の部分印刷データを記憶するための空き容量が、印刷データ記憶領域140に残っているのか否かを判断する。空き容量が残っている場合(S112でYES)、S102に戻る。一方、空き容量が残っていない場合(S112でNO)、S114において、CPU122は、上記の記憶不可能情報を、PC10に送信して、S102に戻る。この結果、PC10は、上記の記憶不可能情報をメモリ30に記憶させる。
【0062】
S120では、指示受信部152は、PC10から印刷開始指示(図3のS38参照)を受信することを監視している。印刷開始指示が受信される場合(S120でYES)、S122において、CPU122は、印刷処理(図6参照)を実行して、S102に戻る。一方、印刷開始指示が受信されない場合(S120でNO)、S124では、指示受信部152は、PC10から消去指示(図3のS54)を受信することを監視している。消去指示が受信される場合(S124でYES)、S126において、CPU122は、消去指示に含まれるファイル名(例えば「fileX」)を含む全ての部分印刷データ(例えば「fileX−11」等)を印刷データ記憶領域140から消去して、S102に戻る。一方、消去指示が受信されない場合(S124でNO)、S102に戻る。
【0063】
(印刷処理)
次いで、図6を参照して、図5のS122の印刷処理の内容を説明する。S132では、CPU122は、まず、図5のS120で受信された印刷開始指示に含まれるファイル名(例えば「fileX」)を含む全ての部分印刷データ(例えば「fileX−11」等)を、印刷データ記憶領域140から特定する。次いで、CPU122は、特定された各部分印刷データのIDを用いて、最初に印刷に利用されるべき(即ち最も前の位置を示すIDが付与されている)1個の部分印刷データを選択する。具体的には、CPU122は、IDの「−(ハイフン)」よりも後ろの数字が、最も小さいIDが付与されている部分印刷データを選択する。S134では、CPU122は、選択された1個の部分印刷データを、印刷実行部104に供給する。印刷実行部104は、供給された1個の部分印刷データで表される画像を、印刷用紙に印刷する。
【0064】
次いで、S136では、CPU122は、1枚の印刷用紙に対する印刷が完了したのか否かを判断する。1枚の印刷用紙に対する印刷が完了した場合(S136でYES)にS138に進み、1枚の印刷用紙に対する印刷が完了していない場合(S136でNO)にS144に進む。
【0065】
S138では、CPU122は、印刷実行部104に供給された各部分印刷データ(即ち1枚の印刷用紙に対する印刷に利用された各部分印刷データ)を、印刷データ記憶領域140から消去する。これにより、印刷データ記憶領域140が解放され、部分印刷データを印刷データ記憶領域140に新たに記憶させることができるようになる。即ち、PC10が図4のS72で部分印刷データの送信を試行する場合に、プリンタ100は、当該部分印刷データを受信して(後述のS140でYES)、印刷データ記憶領域140に新たに記憶させることができる。
【0066】
S140では、印刷データ受信部150は、1個の部分印刷データを、PC10から受信したのか否かを判断する。部分印刷データを受信しない場合(S140でNO)、S144に進む。一方、部分印刷データを受信する場合(S140でYES)、CPU122は、S140で受信された部分印刷データを、印刷データ記憶領域140に記憶させる。次いで、S142において、CPU122は、部分印刷データを受信したことを示す受信完了を示す応答(図4のS74参照)を、PC10に送信して、S144に進む。
【0067】
S144では、CPU122は、印刷データ記憶領域140に、少なくとも1個の部分印刷データが記憶されているのか否かを判断する。部分印刷データが記憶されている場合(S144でYES)、S132に戻る。一方、部分印刷データが記憶されていない場合(S144でNO)、処理を終了する。
【0068】
(具体例)
続いて、上記の図2〜図6のフローチャートによって実現される様々なケース(ケースA〜D)について説明する。
【0069】
(ケースA)
図7のケースAは、PC10のファイル記憶領域44内の対象データファイルDF(図1参照)に、画像を表わす対象データが既に含まれており、かつ、対象データがユーザによって編集されないケースを示す。
【0070】
対象データファイルDFに対する表示操作が、ユーザによって操作部14に実行されると、PC10のCPU22は、対象データファイルDFに含まれる対象データによって表される表示画像を、表示部12に表示させる(図2のS12でYES)。表示画像は、8個の画像A〜Hを含む。各画像A〜Hは、上記の所定の大きさ(図2のS14参照)を有する。印刷データ生成部50は、印刷開始操作が操作部14に実行される前に、画像Aを表わす部分対象データPT11を用いて、部分印刷データPP11を生成する(図2のS16)。印刷データ生成部50は、部分印刷データPP11にID「fileX―11」を付与する。印刷データ送信部52は、印刷開始操作が操作部14に実行される前に、部分印刷データPP11を、プリンタ100に送信する(図2のS22)。メモリ制御部56は、部分印刷データPP11を、印刷データ記憶領域42から消去する(図2のS24)。
【0071】
同様に、印刷データ生成部50は、印刷開始操作が操作部14に実行される前に、画像B〜Fを表わす5個の部分対象データPT12〜15,21を順次用いて、5個の部分印刷データPP12〜15,21を順次生成する。これらの部分印刷データPP12〜15,21には、それぞれ、ID「fileX−12〜15,21」が付与される。印刷データ送信部52は、印刷開始操作が操作部14に実行される前に、1個の部分印刷データPP12〜15,21が生成される毎に、当該1個の部分印刷データPP12〜15,21をプリンタ100に送信する(図2のS22)。
【0072】
本実施例の構成では、対象データファイルDFに含まれる対象データを、1個のIDが付与される1個の印刷データのみに変換する構成と比較して、1個のIDが付与される1個の印刷データ(即ち1個の部分印刷データ)のデータサイズが小さい。例えば、PC10が、特定のIDが付与されている印刷データをプリンタ100に送信している間に、PC10とプリンタ100との間の無線接続が切断される状況を想定する。このような状況では、PC10は、上記の特定のIDが付与されている印刷データを、再送信しなくてはならない。この場合、上記の特定のIDが付与されている印刷データのデータサイズが大きいと、再送信に時間が掛かる。本実施例の構成によれば、1個のIDが付与されている1個の部分印刷データを再送信する場合に、処理時間を短縮することができる。
【0073】
部分印刷データPP21が送信された後に、CPU22は、プリンタ100から上記の記憶不可能情報を受信する。このため、CPU22は、上記の記憶不可能情報を、メモリ30に記憶させる。印刷データ生成部50は、画像Gを表わす部分対象データPT22を用いて、印刷データ記憶領域42内に、部分印刷データPP22を生成する(図2のS16)。印刷データ送信部52は、プリンタ100が部分印刷データPP22を記憶不可能であると判断して(図2のS18でNO)、部分印刷データPP22をプリンタに送信しない。この結果、部分印刷データPP22は、印刷データ記憶領域42から消去されずに維持される。同様に、画像Hを表わす部分対象データPT23を用いて生成された部分印刷データPP23も、印刷データ記憶領域42から消去されずに維持される。この構成によれば、プリンタ100が部分印刷データを記憶不可能である場合に、当該部分印刷データがPC10側に記憶された状態を維持することができる。この構成によると、PC10は、プリンタ100が部分印刷データを記憶不可能である状態から記憶可能である状態になったタイミング(図6のS138の消去のタイミング)で、PC10側に維持された部分印刷データを、プリンタ100に送信することができる。
【0074】
ユーザによって印刷開始操作が実行される(図3のS36でYES)と、指示送信部54は、印刷開始指示をプリンタ100に送信する(図3のS38)。プリンタ100は、印刷開始指示を受信すると(図5のS120でYES)、印刷データ記憶領域140内の部分印刷データPP10〜21のうち、部分印刷データPP10〜15を用いて、1枚の印刷媒体に対して1ページ目の画像を印刷する(図6のS134)。プリンタ100は、1ページ目の印刷が完了すると(図6のS136でYES)、部分印刷データPP10〜15を、印刷データ記憶領域140から消去する(図6のS138)。この結果、印刷データ記憶領域140が解放される。
【0075】
印刷開始操作が実行される(図3のS36でYES)と、印刷開始フラグが「1」に変更される(図3のS40)。この結果、印刷データ送信部52は、印刷データ記憶領域42に記憶されている部分印刷データPP22,23を、プリンタ100に送信することを試行する(図4のS72)。上述したように、印刷データ記憶領域140が解放されるために、プリンタ100は、部分印刷データPP22,23を記憶することができる。
【0076】
上述したように、印刷データ送信部52は、上記の記憶不可能情報がプリンタ100から受信される(図5のS114)までは、1個の部分印刷データPP11〜15,21が生成される毎に(図3のS34)、当該1個の部分印刷データPP11〜15,21を送信する(図4のS66)。そして、印刷データ送信部52は、上記の記憶不可能情報がプリンタ100から受信されると、プリンタ100は部分印刷データを記憶不可能であると判断して(図4のS64でNO)、印刷開始操作が実行される(図3のS36でYES)まで、部分印刷データPP22,23の送信を実行しない。印刷データ送信部52は、印刷開始操作が実行される(図3のS36でYES)と、印刷開始フラグを「1」に変更し(図3のS40、図4のS70でYES)、部分印刷データPP22,23の送信を試行する(図4のS72)。この構成によれば、PC10は、プリンタ100が部分印刷データを記憶可能なタイミングで、部分印刷データをプリンタ100に適切に送信することができる。
【0077】
(ケースB)
図8のケースBは、対象データファイルDF(図1参照)が新規に生成されるケースを示す。
【0078】
対象データファイルDFを生成するための生成操作が、ユーザによって操作部14に実行されると、CPU22は、対象データファイルDFを生成する(図2のS12でYES)。新規の対象データファイルDFは、空白のみによって構成されており、対象データ(文字、写真、図形、グラフ等)を含んでいない。この結果、図2のS14でNOと判断され、S26の部分印刷データ送信処理、及び、S28のユーザ操作監視処理が実行される。ユーザによって編集操作が実行され、画像Aを表わす部分対象データPT11が生成される(図3のS32でYES)と、印刷データ生成部50は、部分対象データPT11を変換して、部分印刷データPP11を生成する(図3のS34)。印刷データ送信部52は、部分印刷データPP11を、プリンタ100に送信する(図4のS66)。
【0079】
同様に、ユーザによって編集操作が実行され、画像Bを表わす部分対象データPT12が生成されると、印刷データ生成部50は、部分印刷データPP12を生成する(図3のS34)。印刷データ送信部52は、部分印刷データPP12を、プリンタ100に送信する(図4のS66)。このように、本実施例の構成によれば、PC10は、1個の部分対象データPP11,12が生成される毎に、1個の部分印刷データを生成してプリンタ100に送信する。従って、複数個の部分対象データが生成された後に、複数個の部分印刷データが生成される構成と比較して、PC10は、部分印刷データを迅速に生成してプリンタ100に送信することができる。この結果、印刷結果をユーザに迅速に提供し得る。
【0080】
印刷開始操作が実行される(図3のS36でYES)と、指示送信部54は、印刷開始指示を、プリンタ100に送信する(図3のS38)。プリンタ100は、印刷データ記憶領域140内の部分印刷データPP11,12を用いた印刷を実行する(図6のS134)。
【0081】
(ケースC)
図9のケースCは、ファイル記憶領域44内の対象データファイルDF(図1参照)に、対象データが既に含まれており、かつ、新たに対象データが追加されるケースを示す。
【0082】
対象データファイルDFに対する表示操作が、ユーザによって操作部14に実行されると、CPU22は、表示画像を表示部12に表示させる(図2のS12でYES)。表示画像は、3個の画像A〜Cを含む。各画像A〜Cは、上記の所定の大きさを有する。印刷データ生成部50は、3個の部分対象データPT11〜13のそれぞれを順次用いて、印刷データ記憶領域42内に、3個の部分印刷データPP11〜13を順次生成する(図2のS16)。印刷データ送信部52は、1個の部分印刷データPP11〜13が生成される毎に、当該1個の部分印刷データPP11〜13をプリンタ100に送信する(図2のS22)。
【0083】
その後、ユーザによって操作部14に編集操作が実行され、画像Dを表わす1個の部分対象データPT14が新たに生成されると(図3のS32でYES)、印刷データ生成部50は、1個の部分対象データPT14を用いて、1個の部分印刷データPP14を生成する(図3のS34)。印刷データ送信部52は、1個の部分印刷データPP14を、プリンタ100に送信する(図4のS66)。
【0084】
印刷開始操作が実行される(図3のS36でYES)と、指示送信部54は、印刷開始指示を、プリンタ100に送信する(図3のS38)。プリンタ100は、印刷データ記憶領域140内の部分印刷データPP11〜14を用いた印刷を実行する(図6のS134)。
【0085】
(ケースD)
図10のケースDは、ファイル記憶領域44内の対象データファイルDF(図1参照)に、対象データが既に含まれており、かつ、既に含まれている対象データが変更されるケースを示す。
【0086】
対象データファイルDFに対する表示操作が、ユーザによって操作部14に実行されると、CPU22は、表示画像を表示部12に表示させる(図2のS12でYES)。表示画像は、予め設定されている大きさの3個の画像A〜Cを含む。ケースCと同様に、画像A〜Cを表わす3個の部分対象データPT11〜13を順次用いて、3個の部分印刷データPP11〜13が順次生成され、プリンタ100に送信される。なお、ケースDでは、画像Aは、文字列「12345」を含む。
【0087】
ユーザは、画像Aに含まれる文字列「12345」の文字「5」を消去する操作と、文字列「1234」の後ろに文字「6」を入力する操作と、を含む編集操作を実行する(図3のS42でYES)。この場合、印刷データ生成部50は、「6」を表わす部分印刷データPP11’を生成する。さらに、印刷データ生成部50は、部分印刷データPP11のIDと、部分印刷データPP11内での変更位置を示す変更箇所情報と、を含む変更情報を生成する(図3のS44)。印刷データ送信部52は、変更箇所の部分印刷データPP11’と変更情報とをプリンタ100に送信する。
【0088】
プリンタ100は、変更箇所の部分印刷データPP11’と変更情報とを受信する(図5のS104でYES)と、変更情報に含まれるIDで識別される部分印刷データPP11を特定する(図5のS106)。プリンタ100は、部分印刷データPP11のうちの一部のデータが、変更箇所の部分印刷データPP11’に置換された部分印刷データ(以下では、「置換後の部分印刷データ」と呼ぶ)を生成する(図5のS108)。プリンタ100は、印刷開始指示を受信すると(図5のS120でYES)、置換後の部分印刷データと、部分印刷データPP12,13と、を用いた印刷を実行する(図6のS134)。
【0089】
この構成によれば、部分印刷データPP11が生成されてプリンタ100に送信された後に、部分印刷データPP11に対応する画像A(即ち画像Aを表わす部分対象データPT11)が変更される場合に、置換後の部分印刷データを用いた印刷を、プリンタ100に実行させることができる。
【0090】
(本実施例の効果)
PC10は、印刷開始操作が操作部14に実行される前に、部分印刷データを生成してプリンタ100に送信する。そして、PC10は、印刷開始操作が実行されると、印刷開始指示をプリンタ100に送信する。プリンタ100は、印刷開始指示を受信すると、印刷データ記憶領域140内の部分印刷データによって表される画像の印刷を実行する。この構成によれば、印刷開始操作が操作部14に実行された後に、部分印刷データがプリンタに送信される構成と比較して、プリンタ100は、部分印刷データを用いた印刷を、迅速に開始することができる。従って、ユーザに印刷結果を迅速に提供することができる。
【0091】
(対応関係)
PC10が「端末装置」の一例であり、プリンタドライバ34が「コンピュータプログラム」の一例である。例えば、図7のケースAでは、8個の画像A〜Hの全体が「対象画像」の一例であり、8個の画像A〜Hが「複数個の第1の特定画像」の一例である。部分印刷データPP11〜23が「複数個の第1の印刷データ」の一例である。部分印刷データPP11が「プリンタが第1の印刷データを記憶可能である場合」の「第1の印刷データ」の一例である。また、部分印刷データPP22が、「プリンタが第1の印刷データを記憶不可能である場合」の「第1の印刷データ」の一例である。また、例えば、図8のケースBでは、2個の画像A〜Bが「端末装置によって利用される特定のアプリケーションプログラムに従った操作が、操作部に実行されることによって生成される複数個の第1の特定画像」の一例である。また、図10のケースDでは、2個の画像B〜Cが「複数個の第1の特定画像」の一例であり、1個の画像Aが「第2の特定画像」の一例であり、部分印刷データPP11が「第2の印刷データ」の一例である。また、文字列「12346」のうちの「6」が「変更画像」の一例であり、文字列「12346」が「第3の特定画像」の一例であり、変更箇所の部分印刷データPP11’が「第3の印刷データ」の一例であり、変更箇所の部分印刷データPP11’によって修正された部分印刷データPP11が「第4の印刷データ」の一例である。印刷開始操作が「特定の操作」の一例である。
【0092】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0093】
(変形例)
(1)上記の実施例では、図10のケースDに示すように、ユーザの編集操作によって、部分対象データPT11の一部が変更される場合に、印刷データ生成部50は、変更箇所の画像を表わす部分印刷データPP11’を生成している。しかしながら、印刷データ生成部50は、変更された部分対象データPT11の全体を変換して、部分印刷データPP11’’を生成してもよい。この場合、印刷データ生成部50は、部分印刷データPP11と同一のID「fileX−11」を、部分印刷データPP11’’に付与してもよい。印刷データ送信部52は、部分印刷データPP11’’とIDとを送信してもよい。
【0094】
本変形例では、プリンタ100は、部分印刷データPP11’’とIDとを受信すると、受信されたIDで識別される部分印刷データPP11を、印刷データ記憶領域140から消去し、受信された部分印刷データPP11’’を、印刷データ記憶領域140に記憶してもよい。
【0095】
本変形例の構成では、部分印刷データPP11’’は、部分印刷データPP11’を含んでいる。従って、本変形例では、部分印刷データPP11’’に含まれる部分印刷データPP11’が「第3の印刷データ」の一例であり、部分印刷データPP11’’が「第4の印刷データ」の一例である。
【0096】
(2)図10のケースDにおいて、印刷データ生成部50は、変更された部分対象データPT11を変換して、部分印刷データPP11’’を生成すると共に、部分対象データPT11よりも後ろに位置する部分対象データPT12,13を変換して、部分印刷データPP12,13を生成してもよい。印刷データ送信部52は、部分印刷データPP11’’と、部分印刷データPP12,13と、を送信してもよい。この構成によれば、部分対象データPT11に対する編集操作によって、それ以降の画像が変更される場合に、プリンタ100は、変更後の画像に対応する部分印刷データを用いて印刷を実行することができる。
【0097】
(3)上記の実施例では、PC10は、印刷データ生成処理において、表示操作又は生成操作が実行される場合(図2のS12)に、図2のS14以降の処理を実行する。しかしながら、これに替えて、又は、これと共に、PC10は、ユーザによって、データファイルをPC10にダウンロードするための操作が実行される場合、及び/又は、ユーザによって、データファイルを指定する操作(例えば、データファイルをクリックする操作)が操作部14に実行される場合に、図2のS14以降の処理を実行してもよい。一般的に言うと、第1の印刷データ生成処理では、コンピュータは、端末装置の操作部に対象画像を指定するための指定操作が実行された後であって、特定の操作が実行される前に、第1の印刷データを生成してもよい。第1の印刷データ送信処理では、コンピュータは、指定操作が実行された後であって、特定の操作が実行される前に、第1の印刷データをプリンタに送信してもよい。
【0098】
(4)上記の実施例では、CPU22がプリンタドライバ34に従って処理を実行することによって、各部50〜56が実現されるが、各部50〜56の少なくとも1個は、論理回路等のハードウェアで実現されてもよい。同様に、上記の実施例では、CPU122がプログラム132に従って処理を実行することによって、各部150〜152が実現されるが、各部150〜152の少なくとも1個は、論理回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0099】
(5)各部50〜64の少なくとも1個の機能を実現するためのプログラムが、プリンタドライバ34と異なる特定のプログラムに含まれていてもよい。メモリ30は、上記の特定のプログラムを、記憶していてもよい。
【0100】
(6)「端末装置」は、PCでなくてもよく、携帯電話装置、PDA等、プリンタに接続される端末装置であってもよい。
【0101】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0102】
2:ネットワークシステム、10:プリンタ、14:操作部、30:メモリ、34:プリンタドライバ、42:印刷データ記憶領域、50:印刷データ生成部、52:印刷データ送信部、54:指示送信部、56:メモリ制御部、100:プリンタ、104:印刷実行部、150:印刷データ受信部、152:指示受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタに接続される端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
印刷対象の対象画像のうちの少なくとも一部である第1の特定画像に対応する第1の印刷データを生成する第1の印刷データ生成処理であって、前記第1の印刷データを用いた印刷を前記プリンタに開始させるための特定の操作が、前記端末装置の操作部に実行される前に、前記第1の印刷データを生成する前記第1の印刷データ生成処理と、
前記特定の操作が実行される前に、前記第1の印刷データを、前記プリンタに送信する第1の印刷データ送信処理と、
前記特定の操作が実行される場合に、前記第1の印刷データを用いた印刷を前記プリンタに開始させるための印刷開始指示を、前記プリンタに送信する指示送信処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記第1の印刷データ生成処理では、前記コンピュータは、前記第1の印刷データを、前記端末装置のメモリ内に生成し、
前記第1の印刷データ送信処理では、前記コンピュータは、前記プリンタが前記第1の印刷データを記憶可能である場合に、前記第1の印刷データを、前記プリンタに送信し、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、さらに、以下の各処理、即ち、
前記第1の印刷データが前記プリンタに送信される場合に、前記第1の印刷データを前記メモリから消去する消去処理と、
前記プリンタが前記第1の印刷データを記憶不可能である場合に、前記第1の印刷データが前記プリンタに送信されるまで、前記第1の印刷データを、前記メモリから消去せずに、前記メモリ内に維持する維持処理と、
を実行させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記第1の印刷データ送信処理では、前記コンピュータは、前記第1の印刷データが前記メモリ内に維持されており、かつ、前記特定の操作が実行される特定の場合に、前記メモリ内に維持されている前記第1の印刷データを、前記プリンタに送信する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記第1の印刷データ送信処理では、前記コンピュータは、前記特定の場合において、前記プリンタが1枚の印刷媒体に対する印刷が終了した後に、前記メモリ内に維持されている前記第1の印刷データを、前記プリンタに送信する、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記対象画像は、複数個の前記第1の特定画像を含み、
前記第1の印刷データ生成処理では、前記コンピュータは、前記複数個の第1の特定画像に対応する複数個の前記第1の印刷データを生成する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記複数個の第1の特定画像は、前記端末装置によって利用される特定のアプリケーションプログラムに従った操作が、前記操作部に実行されることによって生成され、
前記第1の印刷データ生成処理では、前記コンピュータは、前記特定のアプリケーションプログラムに従った前記操作に応じて、前記複数個の第1の特定画像のうちの1個の第1の特定画像が生成される毎に、当該1個の第1の特定画像に対応する1個の第1の印刷データを生成し、
前記第1の印刷データ送信処理では、前記コンピュータは、前記複数個の第1の印刷データのそれぞれを、前記プリンタに順次送信する、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記対象画像は、前記対象画像のうちの一部である第2の特定画像を、さらに含み、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、さらに、以下の各処理、即ち、
前記第2の特定画像に対応する第2の印刷データを生成する第2の印刷データ生成処理であって、前記特定の操作が実行される前に、前記第2の印刷データを生成する第2の印刷データ生成処理と、
前記第2の印刷データを、前記特定の操作が実行される前に、前記プリンタに送信する第2の印刷データ送信処理と、
前記第2の印刷データが前記プリンタに送信された後に、前記第2の特定画像を、前記第2の特定画像のうちの少なくとも一部の画像が変更画像に変更された第3の特定画像に変更するための変更操作が前記操作部に実行される場合に、前記変更画像に対応する第3の印刷データを生成する第3の印刷データ生成処理であって、前記特定の操作が実行される前に、前記第3の印刷データを生成する前記第3の印刷データ生成処理と、
前記第3の印刷データを、前記特定の操作が実行される前に、前記プリンタに送信する第3の印刷データ送信処理と、
を実行させ、
前記指示送信処理では、前記コンピュータは、前記特定の操作が実行される場合に、前記第1の印刷データと、前記第3の印刷データを含む第4の印刷データであって、前記第3の特定画像に対応する第4の印刷データと、を用いた印刷を前記プリンタに開始させるための前記印刷開始指示を、前記プリンタに送信する、請求項1ないし6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
プリンタに接続される端末装置であって、
印刷対象の対象画像のうちの少なくとも一部である第1の特定画像に対応する第1の印刷データを生成する印刷データ生成部であって、前記第1の印刷データを用いた印刷を前記プリンタに開始させるための特定の操作が、前記端末装置の操作部に実行される前に、前記第1の印刷データを生成する前記印刷データ生成部と、
前記特定の操作が実行される前に、前記第1の印刷データを、前記プリンタに送信する印刷データ送信部と、
前記特定の操作が実行される場合に、前記第1の印刷データを用いた印刷を前記プリンタに開始させるための印刷開始指示を、前記プリンタに送信する指示送信部と、
を備える端末装置。
【請求項9】
端末装置に接続されるプリンタであって、
前記端末装置から第1の印刷データを受信する印刷データ受信部であって、前記第1の印刷データを用いた印刷を前記プリンタに開始させるための特定の操作が、前記端末装置の操作部に実行される前に、前記第1の印刷データを受信する印刷データ受信部と、
前記第1の印刷データが受信された後に、前記端末装置から印刷開始指示を受信する指示受信部であって、前記印刷開始指示は、前記特定の操作が前記端末装置の前記操作部に実行される場合に、前記端末装置から送信される指示である、前記指示受信部と、
前記印刷開始指示が受信される場合に、前記第1の印刷データを用いた印刷を実行する印刷実行部と、
を備えるプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−50898(P2013−50898A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189381(P2011−189381)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】