競技用義肢
【課題】空気抵抗や渦損を少なくして早く走ることができる競技用義肢を提供すること。
【解決手段】断端部が挿入されるソケット2とソケット2から下方に延びる下腿部3aと足部3bとを構成する前方に湾曲した板バネ3を有し、板バネ3の前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材4a、4bを備えることを特徴とする競技用義肢。
【解決手段】断端部が挿入されるソケット2とソケット2から下方に延びる下腿部3aと足部3bとを構成する前方に湾曲した板バネ3を有し、板バネ3の前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材4a、4bを備えることを特徴とする競技用義肢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、義肢に関し、特に板バネを用いた競技用義肢に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の競技用義肢10は、図12に示すように、断端部が挿入固定されるソケット20と、ソケット20から直接或いは膝継手を介して下方に延在する下腿部30aと足部30bを構成する板バネ30とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。板バネ30は、側方視で弓形をしており、前方が凹となるように湾曲している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開11−291189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
競技用義肢の進歩はめざましく、義肢を装着した障害者が健常者と遜色ない早さで走ることができるようになった。それは、最近の競技用義肢の板バネ30がカーボン繊維強化プラスチックでできているためである。ファイバ繊維強化プラスチック製の板バネ30は、強度と反発力が大きく、早く走ることができる。
【0005】
しかし、板バネ30がファイバ繊維強化プラスチックでできていても、人間の体重(70kg前後)を支える必要があり、板バネ30の幅wを60mm程度にしなければならなかった。
【0006】
発明者は、幅wが60mmもあると、少しでも早く走りたい競技用義肢としては、板バネ30の空気抵抗が無視できないと考えた。また、板バネ30の側面エッジ近傍に発生する渦損も無視できないと考えた。
【0007】
そこで、本発明は、空気抵抗や渦損を少なくして早く走ることができる競技用義肢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するためになされた本発明に係る競技用義肢は、断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有し、前記板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えることを特徴とする。
【0009】
板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えるので、早く走ることができる。
【0010】
課題を解決するためになされた本発明に係る競技用義肢は、断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有し、前記板バネの側面に該側面の近傍で発生する渦を抑制する渦抑制部材を備えることを特徴とする。
【0011】
板バネの側面に該側面の近傍で発生する渦を抑制する渦抑制部材を備えるので、早く走ることができる。
【0012】
上記の競技用義肢において、前記空気抵抗抑制部材は、長尺で長手方向と直交する切断面の形状が中高(なかだか)の断面形状をしているとよい。
【0013】
空気抵抗を有効に下げることができる。
【0014】
また、前記空気抵抗抑制部材は、軟性樹脂で作られているとよい。
【0015】
板バネの変形は抑制されず、反対側の義肢や下肢或いは他人の義肢や下肢を傷つけることが抑制される。また、走行音が低減される。
【0016】
また、前記渦抑制部材も軟性樹脂で作られているとよい。
【発明の効果】
【0017】
板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えるので、早く走ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1の競技用義肢の斜視図である。
【図2】実施形態1の競技用義肢の後方視図である。
【図3】図1のA1−A1線断面図である。
【図4】図1のA2−A2線断面図である。
【図5】図2のA3−A3線断面図である。
【図6】図2のA4−A4線断面図である。
【図7】実施形態2の競技用義肢の斜視図である。
【図8】図7のA5−A5線断面図である。
【図9】実施形態3の競技用義肢の正面図である。
【図10】図9のA6−A6線断面図である。
【図11】渦抑制部材の変形態様を示す図9のA6−A6線断面図である。
【図12】従来の競技用義肢の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の競技用義肢1は、図1に示すように、断端部が挿入されるソケット2とソケット2から下方に延びる下腿部3aと足部3bを構成する前方に湾曲した板バネ3とを有する。
【0021】
なお、本実施形態の競技用義肢1は、膝下で切断した障害者用であるが、膝上で切断した障害者用の場合は、ソケット2と板バネ3との間に膝継手が装着される。
【0022】
板バネ3は、例えば、カーボン繊維強化樹脂(CFRP)でできている。
【0023】
板バネ3の前面(前方側の面)には、下腿部3aの途中から足部3bにかけて、第1空気抵抗抑制部材4aが、例えば両面接着テープで接着されている。
【0024】
また、板バネ3の下腿部3aの後面(後方側の面)には、図1、図2に示すように、第2空気抵抗抑制部材4bが接着されている。
【0025】
第1空気抵抗抑制部材4aは、例えば発泡ウレタン製で、図1、図3、図4に示すように、板バネ3の長手方向に沿って長く、長手方向と直交する切断面の形状が中高で山形の断面をしている。また、下腿部3a側から足部3bにかけて山の高さhがh1<h2と漸増している。
【0026】
同様に、第2空気抵抗抑制部材4bも発泡ウレタン製で、図1、図5、図6に示すように、板バネ3の長手方向に沿って長く、長手方向と直交する切断面の形状が中高で山形の断面をしている。また、下腿部3aの上方から下方にかけて山の高さhがh3<h4と漸増している。
【0027】
なお、第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bを発泡ポリエチレンで作った方が軽量化できるので好ましい。
【0028】
また、足部3bの下面には、滑り止め用のゴムシート5が取り付けられている。
【0029】
本実施形態の競技用義肢1を装着して前方に走行すると、図3〜図6に示すように、空気は前方から矢印方向に流れる。下腿部3a及び足部3bには、図3、図4に示すように、前方に突き出す山形の断面の第1空気抵抗抑制部材4aが装着されているので、空気流AF0は、山形断面の斜面に沿って空気流れAF1のように後方に流れていく。したがって、空気抵抗が抑制される。
【0030】
また、下腿部3aには、図5、図6に示すように、後方に突き出す山形の断面の第2空気抵抗抑制部材4bが装着されているので、下腿部3aの側方を通過した空気流AF0は、山形断面の斜面に沿って空気流れAF2のように後方に流れていく。したがって、後方への渦の発生が抑制され空気抵抗が抑制される。
【0031】
従来の競技用義肢を装着して走行すると、接地して蹴り出すとき板バネが振動してキーンという高音を発生するという問題があった。本実施形態の競技用義肢1を装着して走行しても、第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bが装着されているためコツコツという低音しか発生しない。また、低音のため、消音時間が短い。
【0032】
また、第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bが発泡ウレタンでできているので、板バネ3の変形が抑制されることがない。反対側の義肢や下肢或いは他人の義肢や下肢を傷つけることが抑制される。
【0033】
さらに、従来の競技用義肢を装着する際、板バネが折れるのではないかと不安になることがあった。本実施形態の競技用義肢1は、板バネ3に第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bが装着されているので、板バネ3はボリュームがあり、安定感、安心感が増す。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態の競技用義肢1Aは、図7、図8に示すように、実施形態1の競技用義肢1における第1空気抵抗抑制部材4aと第2空気抵抗抑制部材4bとを一体化して下腿部3aに装着した以外は、実施形態1と同じである。同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
図8からわかるように、空気抵抗抑制部材4は第1空気抵抗抑制部材4aと第2空気抵抗抑制部材4bとが一体化され、中央に下腿部3aが挿入される矩形穴を有する筒状形状をしている。したがって、本実施形態の競技用義肢1Aの組立は、空気抵抗抑制部材4の矩形穴に、板バネ3を挿入するだけでよく、容易に組み立てられる。
【0036】
図8の点線Lで示す中心線で左右に分割して、分割した空気抵抗抑制部材4で板バネ3の下腿部3aの左右を挟むように組み立ててもよい。
【0037】
本実施形態の競技用義肢1Aは、図8に示すように、空気抵抗抑制部材4が前方と後方に突き出す山形の断面をもつので、空気流AF0は、空気抵抗抑制部材4の外壁を沿う層流AF3となって後方に流れる。その結果、空気抵抗が一層抑制される。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態の競技用義肢1Bは、図9、図10に示すように、実施形態1の競技用義肢1における第2空気抵抗抑制部材4bの代わりに、板バネ3の下腿部3aの側面に渦抑制部材6を取り付けた以外は、実施形態1と同じである。同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
渦抑制部材6は発泡ウレタン製で、図10に示すように、勾玉状の断面形状をしており、下腿部3aの前面側から後面側に回り込んでいる。したがって、下腿部3aの側面近傍に発生する渦(点線で示す流れAF5)が抑制され、渦損を受けることなく空気流れAF4のように流れていく。
【0040】
本実施形態渦抑制部材6は、勾玉状の断面形状をしていたが、図11に示すように発泡ウレタンチューブを半割して下腿部3aの側面部をくわえ込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1、1A、1B・・・競技用義肢
2・・・・・・・・ソケット
3・・・・・・・・板バネ
3a・・・・・・ 下腿部
3b・・・・・・ 足部
4・・・・・・・・空気抵抗抑制部材
4a、4a1・・・ 第1空気抵抗抑制部材
4b、4b1・・・ 第2空気抵抗抑制部材
6・・・・・・・・渦抑制部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、義肢に関し、特に板バネを用いた競技用義肢に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の競技用義肢10は、図12に示すように、断端部が挿入固定されるソケット20と、ソケット20から直接或いは膝継手を介して下方に延在する下腿部30aと足部30bを構成する板バネ30とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。板バネ30は、側方視で弓形をしており、前方が凹となるように湾曲している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開11−291189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
競技用義肢の進歩はめざましく、義肢を装着した障害者が健常者と遜色ない早さで走ることができるようになった。それは、最近の競技用義肢の板バネ30がカーボン繊維強化プラスチックでできているためである。ファイバ繊維強化プラスチック製の板バネ30は、強度と反発力が大きく、早く走ることができる。
【0005】
しかし、板バネ30がファイバ繊維強化プラスチックでできていても、人間の体重(70kg前後)を支える必要があり、板バネ30の幅wを60mm程度にしなければならなかった。
【0006】
発明者は、幅wが60mmもあると、少しでも早く走りたい競技用義肢としては、板バネ30の空気抵抗が無視できないと考えた。また、板バネ30の側面エッジ近傍に発生する渦損も無視できないと考えた。
【0007】
そこで、本発明は、空気抵抗や渦損を少なくして早く走ることができる競技用義肢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するためになされた本発明に係る競技用義肢は、断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有し、前記板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えることを特徴とする。
【0009】
板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えるので、早く走ることができる。
【0010】
課題を解決するためになされた本発明に係る競技用義肢は、断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有し、前記板バネの側面に該側面の近傍で発生する渦を抑制する渦抑制部材を備えることを特徴とする。
【0011】
板バネの側面に該側面の近傍で発生する渦を抑制する渦抑制部材を備えるので、早く走ることができる。
【0012】
上記の競技用義肢において、前記空気抵抗抑制部材は、長尺で長手方向と直交する切断面の形状が中高(なかだか)の断面形状をしているとよい。
【0013】
空気抵抗を有効に下げることができる。
【0014】
また、前記空気抵抗抑制部材は、軟性樹脂で作られているとよい。
【0015】
板バネの変形は抑制されず、反対側の義肢や下肢或いは他人の義肢や下肢を傷つけることが抑制される。また、走行音が低減される。
【0016】
また、前記渦抑制部材も軟性樹脂で作られているとよい。
【発明の効果】
【0017】
板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えるので、早く走ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1の競技用義肢の斜視図である。
【図2】実施形態1の競技用義肢の後方視図である。
【図3】図1のA1−A1線断面図である。
【図4】図1のA2−A2線断面図である。
【図5】図2のA3−A3線断面図である。
【図6】図2のA4−A4線断面図である。
【図7】実施形態2の競技用義肢の斜視図である。
【図8】図7のA5−A5線断面図である。
【図9】実施形態3の競技用義肢の正面図である。
【図10】図9のA6−A6線断面図である。
【図11】渦抑制部材の変形態様を示す図9のA6−A6線断面図である。
【図12】従来の競技用義肢の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の競技用義肢1は、図1に示すように、断端部が挿入されるソケット2とソケット2から下方に延びる下腿部3aと足部3bを構成する前方に湾曲した板バネ3とを有する。
【0021】
なお、本実施形態の競技用義肢1は、膝下で切断した障害者用であるが、膝上で切断した障害者用の場合は、ソケット2と板バネ3との間に膝継手が装着される。
【0022】
板バネ3は、例えば、カーボン繊維強化樹脂(CFRP)でできている。
【0023】
板バネ3の前面(前方側の面)には、下腿部3aの途中から足部3bにかけて、第1空気抵抗抑制部材4aが、例えば両面接着テープで接着されている。
【0024】
また、板バネ3の下腿部3aの後面(後方側の面)には、図1、図2に示すように、第2空気抵抗抑制部材4bが接着されている。
【0025】
第1空気抵抗抑制部材4aは、例えば発泡ウレタン製で、図1、図3、図4に示すように、板バネ3の長手方向に沿って長く、長手方向と直交する切断面の形状が中高で山形の断面をしている。また、下腿部3a側から足部3bにかけて山の高さhがh1<h2と漸増している。
【0026】
同様に、第2空気抵抗抑制部材4bも発泡ウレタン製で、図1、図5、図6に示すように、板バネ3の長手方向に沿って長く、長手方向と直交する切断面の形状が中高で山形の断面をしている。また、下腿部3aの上方から下方にかけて山の高さhがh3<h4と漸増している。
【0027】
なお、第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bを発泡ポリエチレンで作った方が軽量化できるので好ましい。
【0028】
また、足部3bの下面には、滑り止め用のゴムシート5が取り付けられている。
【0029】
本実施形態の競技用義肢1を装着して前方に走行すると、図3〜図6に示すように、空気は前方から矢印方向に流れる。下腿部3a及び足部3bには、図3、図4に示すように、前方に突き出す山形の断面の第1空気抵抗抑制部材4aが装着されているので、空気流AF0は、山形断面の斜面に沿って空気流れAF1のように後方に流れていく。したがって、空気抵抗が抑制される。
【0030】
また、下腿部3aには、図5、図6に示すように、後方に突き出す山形の断面の第2空気抵抗抑制部材4bが装着されているので、下腿部3aの側方を通過した空気流AF0は、山形断面の斜面に沿って空気流れAF2のように後方に流れていく。したがって、後方への渦の発生が抑制され空気抵抗が抑制される。
【0031】
従来の競技用義肢を装着して走行すると、接地して蹴り出すとき板バネが振動してキーンという高音を発生するという問題があった。本実施形態の競技用義肢1を装着して走行しても、第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bが装着されているためコツコツという低音しか発生しない。また、低音のため、消音時間が短い。
【0032】
また、第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bが発泡ウレタンでできているので、板バネ3の変形が抑制されることがない。反対側の義肢や下肢或いは他人の義肢や下肢を傷つけることが抑制される。
【0033】
さらに、従来の競技用義肢を装着する際、板バネが折れるのではないかと不安になることがあった。本実施形態の競技用義肢1は、板バネ3に第1空気抵抗抑制部材4a、第2空気抵抗抑制部材4bが装着されているので、板バネ3はボリュームがあり、安定感、安心感が増す。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態の競技用義肢1Aは、図7、図8に示すように、実施形態1の競技用義肢1における第1空気抵抗抑制部材4aと第2空気抵抗抑制部材4bとを一体化して下腿部3aに装着した以外は、実施形態1と同じである。同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
図8からわかるように、空気抵抗抑制部材4は第1空気抵抗抑制部材4aと第2空気抵抗抑制部材4bとが一体化され、中央に下腿部3aが挿入される矩形穴を有する筒状形状をしている。したがって、本実施形態の競技用義肢1Aの組立は、空気抵抗抑制部材4の矩形穴に、板バネ3を挿入するだけでよく、容易に組み立てられる。
【0036】
図8の点線Lで示す中心線で左右に分割して、分割した空気抵抗抑制部材4で板バネ3の下腿部3aの左右を挟むように組み立ててもよい。
【0037】
本実施形態の競技用義肢1Aは、図8に示すように、空気抵抗抑制部材4が前方と後方に突き出す山形の断面をもつので、空気流AF0は、空気抵抗抑制部材4の外壁を沿う層流AF3となって後方に流れる。その結果、空気抵抗が一層抑制される。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態の競技用義肢1Bは、図9、図10に示すように、実施形態1の競技用義肢1における第2空気抵抗抑制部材4bの代わりに、板バネ3の下腿部3aの側面に渦抑制部材6を取り付けた以外は、実施形態1と同じである。同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
渦抑制部材6は発泡ウレタン製で、図10に示すように、勾玉状の断面形状をしており、下腿部3aの前面側から後面側に回り込んでいる。したがって、下腿部3aの側面近傍に発生する渦(点線で示す流れAF5)が抑制され、渦損を受けることなく空気流れAF4のように流れていく。
【0040】
本実施形態渦抑制部材6は、勾玉状の断面形状をしていたが、図11に示すように発泡ウレタンチューブを半割して下腿部3aの側面部をくわえ込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1、1A、1B・・・競技用義肢
2・・・・・・・・ソケット
3・・・・・・・・板バネ
3a・・・・・・ 下腿部
3b・・・・・・ 足部
4・・・・・・・・空気抵抗抑制部材
4a、4a1・・・ 第1空気抵抗抑制部材
4b、4b1・・・ 第2空気抵抗抑制部材
6・・・・・・・・渦抑制部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有する競技用義肢であって、
前記板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えることを特徴とする競技用義肢。
【請求項2】
断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有する競技用義肢であって、
前記板バネの側面に該側面の近傍で発生する渦を抑制する渦抑制部材を備えることを特徴とする競技用義肢。
【請求項3】
前記空気抵抗抑制部材は、長尺で長手方向と直交する切断面の形状が中高の断面形状をしている請求項1に記載の競技用義肢。
【請求項4】
前記空気抵抗抑制部材は、軟性樹脂で作られている請求項1または3に記載の競技用義肢。
【請求項5】
前記渦抑制部材は、軟性樹脂で作られている請求項2に記載の競技用義肢。
【請求項1】
断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有する競技用義肢であって、
前記板バネの前面及び或いは後面に空気抵抗を抑制する空気抵抗抑制部材を備えることを特徴とする競技用義肢。
【請求項2】
断端部が挿入されるソケットと前記ソケットから或いは膝継手を介して下方に延びる下腿部と足部を構成する前方に湾曲した板バネとを有する競技用義肢であって、
前記板バネの側面に該側面の近傍で発生する渦を抑制する渦抑制部材を備えることを特徴とする競技用義肢。
【請求項3】
前記空気抵抗抑制部材は、長尺で長手方向と直交する切断面の形状が中高の断面形状をしている請求項1に記載の競技用義肢。
【請求項4】
前記空気抵抗抑制部材は、軟性樹脂で作られている請求項1または3に記載の競技用義肢。
【請求項5】
前記渦抑制部材は、軟性樹脂で作られている請求項2に記載の競技用義肢。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−182881(P2011−182881A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49727(P2010−49727)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(390005751)株式会社今仙技術研究所 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(390005751)株式会社今仙技術研究所 (6)
【Fターム(参考)】
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