説明

竿掛け装置

【課題】 釣り竿の保持や取外しが容易であり、釣り竿の保持が確実で脱落する可能性が低く、釣り竿自体の操作性を損ねることがなく、釣り味を大切にできる竿掛け装置を提供する。
【解決手段】 本発明の竿掛け装置10は、対象型の形状である左右部材20A,20Bからなる本体20と、本体20の左右部材20A,20Bの一側に設けられ釣り竿40を位置決めするアーム21及び竿受け部22と、本体20の左右部材20A,20Bの他側に設けられ釣り竿40を保持する竿保持部23と、左右部材20A,20Bの中央部に設けられ、船に固定するためのベース30と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船釣りをするときに船べりに釣り竿を保持する竿掛け装置に関し、特に釣り竿の保持、取外しの操作がしやすく、確実に保持できる竿掛け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の竿掛け装置は種々のものがあるが、例えば実開平6−5476号公報に示されるものがある。この船釣り用竿受は、図6(a)に示されるように、並設したコ字状クランプ1の上部に挟ませて、支持杆2と該支持杆の下り止め部とを具備し、且つ釣り竿基部の先端側を支持する竿受け部と、係止杆3と該係止杆の上り止め部とを具備し、且つ釣り竿基部の基端側を係止する元受け部とを夫々、別体に、且つ上下に回動自在に枢着したことを特徴としている。
【0003】
また、従来のこの種の別の装置として、特開平8−172993号公報に示されるものがある。この船釣り用竿受具は、図6(b)に示されるように、竿受本体4に対して竿5を保持する竿取付片6を竿受本体4に固定される取付けベース7の連結突部に所定角度に簡易に保持できるようにしたものである。
【特許文献1】実開平6−5476号公報
【特許文献2】特開平8−172993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図18(a)に示した従来の船釣り用竿受は、船が揺れたときや、大型の魚が掛かったとき、また、他人の釣り竿が誤ってぶつかったとき等、釣り竿が竿受から脱落しやすく、釣り竿自体が海中に落ちやすいという問題があった。
【0005】
また、図18(b)に示した従来の船釣り用竿受具は、釣り竿5に竿取付片6を固定するため、釣り竿の重量が増すとともに突起物が付属するため操作性が悪くなり、釣り味が大きく損なわれるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、釣り竿の保持や取外しが容易であり、釣り竿の保持が確実で脱落する可能性が低く、釣り竿自体の操作性を損ねることがなく、釣り味を大切にできる竿掛け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の竿掛け装置は、左右の部材からなる本体と、前記本体の一側に設けられ釣り竿を位置決めする竿受け部と、前記本体の他側に設けられ釣り竿を保持する竿保持部と、前記左右の本体の部材中央部に設けられ、船に固定するためのベースと、を備える竿掛け装置であって、竿保持部は、所定の間隔をおいて立設された4本の支柱と、4本の支柱のそれぞれ左右の前後の2本の支柱の上部に横接された2本の支持軸と、2本の支持軸のそれぞれに回転可能に支持され、相互に内方に向けて付勢されて当接可能である2個のロックレバーと、釣り竿を上方向に付勢するための押圧部材を装着する押圧部材系止部と、を備え、前記2個のロックレバーと前記押圧部材系止部に装着された押圧部材とにより釣り竿を保持し、ベースは、左右の本体の部材の中央部に格納可能に設けられた、ことを特徴とする。
【0008】
また、2個のロックレバーは、バネによって当接され、当接時に前方向に略V字型の切れ込みを形成し、押圧部材系止部は、4本の支柱の前の2本の支柱の前方に設けられ、釣り竿を下方に移動した時、略V字型の切れ込みへの釣り竿の当接によって2個のロックレバーが開放して釣り竿を格納し、2個のロックレバーと押圧部材とにより釣り竿を保持する、ことができる。
【0009】
ここで、本体の左右の部材は、それぞれ内側に、中央部に回転軸を挿入するための孔を有する、円形放射状に設けられた山型凹凸部を備え、ベースは、外側に、中央部に回転軸を挿入するための孔を有する、円形放射状に設けられた山型凹凸部を備え、ベースの山型凹凸部と本体の左右の部材の山型凹凸部を歯合させ、ベース及び本体の左右の部材に設けられた孔に挿入された回転軸の左右をクランプとナットによって締止する、ことができる。
【0010】
また、押圧部材は、ゴムやバネなどの弾性部材で構成されるようにするとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の竿掛け装置によれば、釣り竿を2個のロックレバー間に押し当て、ロックレバー間を通過させるだけで容易に保持することができ、釣り竿は押圧部材によりロックレバー方向に付勢されるため保持は確実である。
【0012】
また、船に取り付けるためのベースは、本体内部に収納することができるため、移動時などではコンパクトに収納して持ち運ぶことができる。
【0013】
また、ベースと本体は、円形放射状の山型凹凸部によって、多段階的な角度で固定することができるため、船べりなどの形状に適合して竿掛け装置を変形させ、適切な竿掛け角度を獲得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の竿掛け装置の実施の形態を説明する。
【0015】
図1〜5は、本発明の竿掛け装置を示す図である。図1〜5において、この竿掛け装置10は、対象型の形状である左右部材20A,20Bからなる本体20と、本体20の左右部材20A,20Bの一側に設けられ釣り竿40を位置決めするアーム21及び竿受け部22と、本体20の左右部材20A,20Bの他側に設けられ釣り竿40を保持する竿保持部23と、左右部材20A,20Bの中央部に設けられ、船に固定するためのベース30と、を備える。
【0016】
ここで、竿保持部23は、所定の間隔をおいて立設された4本の支柱23Bと、4本の支柱23Bのそれぞれ左右の前後の2本の支柱23Bの上部に横接された2本の支持軸23Cと、2本の支持軸23Cのそれぞれに回転可能に支持され、相互に内方に向けてバネ23Eによって付勢されて当接可能である2個のロックレバー23Aと、釣り竿40を上方向に付勢するための押圧部材(図示せず)を装着する押圧部材系止部23Dと、を備えている。また、バネ23Eは、支柱23B側に設けられた支柱側バネ系止部23Fと、ロックレバー23A側に設けられたロックレバー側バネ系止部23Gとによって、ロックレバー23Aの内部に系止されている。この2個のロックレバー23Aと押圧部材系止部23Dに装着された押圧部材(図示せず)とにより釣り竿40を保持する。
【0017】
また、ベース30は、左右の本体の部材20A,20Bの中央部に格納可能に設けられている(図2の一点鎖線)。
【0018】
また、2個のロックレバー23Aは、バネ23Eによって当接され、当接時に前方向に略V字型の切れ込みを形成し(図4及び図5)、押圧部材系止部23Dは、4本の支柱23Bの前の2本の支柱23Bの前方に設けられ、釣り竿40を下方に移動した時、略V字型の切れ込みへの釣り竿40の当接によって2個のロックレバー23Aが開放して釣り竿40を格納し、2個のロックレバー23Aと押圧部材(図示せず)とにより釣り竿を保持する(図5の矢印参照)。ここで、押圧部材は、ゴムやバネなどの弾性部材にするとよい。
【0019】
また、本体の左右の部材20A,20Bは、それぞれ内側に、中央部に回転軸24を挿入するための孔26を有する、円形放射状に設けられた本体山型凹凸部25を備え、ベース30は、その外側に、中央部に回転軸24を挿入するための孔36を有する、円形放射状に設けられたベース山型凹凸部35を備え、ベース山型凹凸部35と本体20の左右の部材20A,20Bの本体山型凹凸部25を歯合させ、ベース30及び本体20の左右の部材20A,20Bに設けられた孔36,26に挿入された回転軸24の左右をクランプB28とナット27によって、本体山型凹凸部25及びベース山型凹凸部35の山型の凹凸の数に応じた多段階の角度で締止する、ことができる。
【0020】
また、竿掛け装置10は、ベース30に設けられたクランプボルト31をクランプ33で回動させることにより、船べりなどを締皿32と凹凸辺34とで挟み込んで竿掛け装置10を船に固定することができる。
【0021】
以上述べたような本発明の竿掛け装置10によれば、釣り竿40を2個のロックレバー23A間に押し当て、ロックレバー23A間を通過させるだけで容易に保持することができ、釣り竿40は押圧部材によりロックレバー23A方向に付勢されるため保持は確実である。
【0022】
また、船に取り付けるためのベース30は、本体20の内部に収納することができるため、移動時などではコンパクトに収納して持ち運ぶことができる。
【0023】
また、ベース30と本体20は、円形放射状の山型凹凸部35,25によって、多段階的な角度で固定することができるため、船べりなどの形状に適合して竿掛け装置10を変形させ、適切な竿掛け角度を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の竿掛け装置を示す図である。
【図2】本発明の竿掛け装置を示す図である。
【図3】本発明の竿掛け装置を示す図である。
【図4】本発明の竿掛け装置を示す図である。
【図5】本発明の竿掛け装置を示す図である。
【図6】(a)は従来技術を示す概略斜視図、(b)は他の従来技術を示す概略正面である。
【符号の説明】
【0025】
10 竿掛け装置
20 本体
20A 左部材 20B 右部材
21 アーム
22 竿受け部
23 竿保持部
23A ロックレバー 23B 支柱
23C 支持軸 23D 押圧部材系止部
23E バネ 23F 支柱側バネ系止部
23G ロックレバー側バネ系止部
24 回転軸
25 本体山型凹凸部
26,36 孔
27 ナット
28 クランプB
30 ベース
31 クランプボルト
32 締皿
33 クランプA
34 凹凸辺
35 ベース山型凹凸部
40 竿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の部材からなる本体と、前記本体の一側に設けられ釣り竿を位置決めする竿受け部と、前記本体の他側に設けられ釣り竿を保持する竿保持部と、前記左右の本体の部材中央部に設けられ、船に固定するためのベースと、を備える竿掛け装置であって、
前記竿保持部は、
所定の間隔をおいて立設された4本の支柱と、
前記4本の支柱のそれぞれ左右の前後の2本の支柱の上部に横接された2本の支持軸と、
前記2本の支持軸のそれぞれに回転可能に支持され、相互に内方に向けて付勢されて当接可能である2個のロックレバーと、
釣り竿を上方向に付勢するための押圧部材を装着する押圧部材系止部と、
を備え、
前記2個のロックレバーと前記押圧部材系止部に装着された押圧部材とにより釣り竿を保持し、
前記ベースは、前記左右の本体の部材の中央部に格納可能に設けられた、
ことを特徴とする竿掛け装置。
【請求項2】
前記2個のロックレバーは、バネによって当接され、当接時に前方向に略V字型の切れ込みを形成し、
前記押圧部材系止部は、前記4本の支柱の前の2本の支柱の前方に設けられ、
釣り竿を下方に移動した時、前記略V字型の切れ込みへの前記釣り竿の当接によって前記2個のロックレバーが開放して前記釣り竿を格納し、前記2個のロックレバーと前記押圧部材とにより釣り竿を保持する、
ことを特徴とする請求項1記載の竿掛け装置。
【請求項3】
前記本体の左右の部材は、それぞれ内側に、中央部に回転軸を挿入するための孔を有する、円形放射状に設けられた山型凹凸部を備え、
前記ベースは、外側に、中央部に回転軸を挿入するための孔を有する、円形放射状に設けられた山型凹凸部を備え、
前記ベースの山型凹凸部と前記本体の左右の部材の山型凹凸部を歯合させ、前記ベース及び前記本体の左右の部材に設けられた孔に挿入された回転軸の左右をクランプとナットによって締止する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の竿掛け装置。
【請求項4】
前記押圧部材は、ゴムやバネなどの弾性部材で構成されることを特徴とする請求項1から3何れか記載の竿掛け装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−204109(P2006−204109A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16325(P2005−16325)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(599116100)株式会社 ファジー (5)
【Fターム(参考)】