説明

筆記具のためのクリップを取り付けるための構造体

本発明は、シャフトに堅固に連結された固定部材(4)を含む取り付け構造体に関するものであり、それは、間に凹部を形成する近位壁(35)と遠位壁(45)と、凹部に取り付けられる固定部を備えるクリップとを備える。近位壁および遠位壁の少なくとも一つが複数のボス(42)を備えており、少なくとも一つの第1のボスは、壁(45)から第1の距離(d1)をおいて設けられる第1の先端部(42A)を有しており、かつ第1の先端部がクリップ固定部と接触するようにフィットさせられるようになっており、かつ壁(45)の少なくとも一つの第2のボスは、当該壁から第1の距離より小さな第2の距離(d2)をおいて設けられる第2の先端部(42B)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に長手方向に沿って延在するバレルを有する筆記具のためのクリップを取り付けるための構造体であって;
バレルと一体化されたプラスチック材料からなる固定部材であって、バレルに対する近位壁と遠位壁とを備え、かつそれらの間に開放挿入端を有する凹部を形成するために、互いに対向しかつ実質的に平行な面上に本質的に延在するよう構成された、固定部材と、
実質的に均一な厚さを有しかつ開放挿入端を介して凹部に取り付けるのに適した固定部を備えるクリップと、
を備える構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
そうした取り付け構造体は、特に特許文献1によって公知となっている。固定部材はT字形状断面を有する。金属シートから製造されたクリップは、固定部材の二つの平行な壁の間に設けられた二つの凹部のそれぞれに係合する固定部を形成するために内側に折り曲げられた断面がC字形状の後部を有する。各凹部の幅は実質的に均一でありかつシートの厚みに等しく、それは半径方向(すなわち平行な壁に直交する方向)において固定部材状に固定部を保持する。
【0003】
しかしながら、このデバイスはある欠点を有する。特に固定部材の凹部における固定部の係合が、クリップの後端を固定部材の前端に対して正確に位置決めされ、固定部が完全に挿入されるまでクリップを並進運動で押すことを必要とする。この動作は、手動でおおむね行われるため、かなりの扱いにくさをもたらすようになる。実際に、凹部に対するクリップの要求された軸方向における整合を得ることは容易ではなく、それは取り付けのために必要とされる時間を長くする。加えて、クリップの固定部は、製造許容値に基づいて変更可能なクリップの厚さまたは凹部の幅に応じて、凹部の平行な壁とある程度密着させられるようになっている。これは、かなりの付着力またはクリップにおいては十分ではない保持状態をもたらす。付着力はクリップに過干渉するため、所望の軸方向の整列状態が解消される場合に、固定部の係合の開始時に特に固定部材が損なわれる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第51061936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、そうした欠点を解消することを目的としている。このため、本発明は、バレルと一体化された固定部材に対する所望の軸方向整列において少なくとも部分的なクリップの取り付けを手動でかつ容易にできるようにする筆記具のための取り付け構造体を提供することを目的としている。部分的な取り付けとは、クリップは完全に取り付けられていないが、あらかじめ決められかつ相対的に安定した様式で、所望の軸方向整列においてクリップが固定部材に取り付けられる際の暫定的なクリップの取り付け部を意味している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
こうした目的を達成するために、本発明は上記記載でおおむね規定された筆記具であって、近位壁および遠位壁の少なくとも一つが凹部の内側に向かって突出している複数のボスを備え、少なくとも一つの第1のボスが、前記第1の先端部が固定部と接触するよう構成された当該壁から第1の距離をおいて配置された第1の先端部を有しており、上記壁の少なくとも一つの第2のボスが、第1のボスと開放挿入端との間に配置されており、上記壁から第1の距離より小さな第2の距離をおいて設けられた第2の先端部を有している、筆記具に関するものである。
【0007】
こうした構成のため、クリップの固定部は第2のボスと接触しておらず、その一方で、少なくとも一つの第1のボスと接触が半径方向でクリップを保持できるようになるのに最適な厚さを有している。言い換えると、第2のボスと(平坦なまたはエンボス加工された)対向する壁との間にクリップの固定部の狭持(pinching)はなく、それゆえ少なくとも一つの第2のボスの、クリップの取り付け部に対する抵抗がない。これは、例えば第1のボスと接触するようになるクリップの固定縁部のそれぞれに対応するあらかじめ決められた暫定的なポジションの範囲においてはクリップの手動での取り付けを容易にする。
【0008】
この方法によって、暫定的にかなり安定する様式で固定部材に取り付けられたクリップは、取り付けを完成させるために、容易な再現性のある様式で取り付けツールに配置できるようになる。そうした取り付けツール(本発明の一部ではない)は、所定の暫定ポジションから固定部材における最終的な取り付けポジションまでクリップを移動させるべく、所望の軸方向において十分な力をクリップに及ぼすようにするために設けることができる。クリップのこうした移動中に、クリップの固定部が少なくとも第1の先端部と接触するようになり、それによってクリップは半径方向において固定部材に堅固に保持できるようになる。
【0009】
本発明の筆記具の他の好ましい実施形態においては以下の構成、すなわち:
近位壁および遠位壁は、近位壁および遠位壁に対して実質的に直交しかつ半径方向平面に延在する中央隔壁によって互いに結合されており、中央隔壁は二つの横方向対向部となるよう凹部を区分している;
近位壁は平坦な表面を有する;
第1の先端部は、近位壁から、固定部の厚さとほぼ同一の第3の距離をおいて配置されている;
第2の先端部は、近位壁から、固定部の厚さより大きな第4の距離をおいて配置されている;
遠位壁は、少なくとも二つの第1のボスと少なくとも二つの第2のボスとを有する;
近位壁および遠位壁はそれぞれ少なくとも一つのボスを有しており、近位壁および遠位壁のボスの各先端部は、第1の先端ぶが固定部の厚さに(他の距離に比べて)最も等しい半径方向における第5の距離によって対向する壁における先端部から離間されるよう配置されている;
ボスはそれぞれ上記中央隔壁に実質的に直交する方向に延在しており、かつそれぞれが当該方向において均一な部分を有している;
固定部は、長手方向に延在するスロットの各側部に二つの対向する固定縁部を備えており、それぞれの固定縁部が少なくとも一つのギャップを有する形状を有しており、かつ上記中央隔壁は、前記隔壁に直交するよう突出した少なくとも一つの横方向ボスを有する二つの対向する側壁を有しており、各横方向ボスは上記ギャップのうちの一つに係合するのに適しており、それによって、通常の使用範囲内で大きく超える引っ張り力がクリップに作用しない限りは、クリップが取り付け方向に対する逆移動することを防止できる;
第1の先端部と、第1の先端部に隣接する第2の先端部との間に横方向ボスが設けられている;
凹部は横方向の閉じられたギャップ部によって連続されており、かつクリップはU字形状部となる固定部を有している;
のうちの一つが用いられる。
【0010】
他の特性または利点については図面を参照して、以下に詳述する非限定的な実施形態から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に基づく取り付け構造体を介してキャップに取り付けられるよう提供されたクリップとともに、取り付け構造体の第一実施形態を示す概略平面図である。
【図2】図示されていないクリップを備える、図1の取り付け構造体の概略的部分側面図を示す。
【図3】固定部材に取り付けられたクリップを備える、図2の平面III−IIIにおける取り付け構造体の概略部分断面図である。
【図4】固定部材に取り付けられたクリップを備える、図2の平面IV−IVにおける取り付け構造体の概略部分断面図である。
【図5】取り付け部材の上下壁の両方がボスを有する、本発明に基づく取り付け構造体の第二実施形態を概略的に示す図である。
【図6】図1のクリップの下部透視図である。
【図7】上記構造体の固定部材の凹部が横方向において塞がれている、本発明に基づく取り付け構造体の第産実施形態を概略的に示す図である。
【図8】構造体に取り付けられたクリップを備える、図7の平面VIII−VIIIにおける取り付け構造体の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に平面図が示される取り付け構造体は、長手方向軸Aに沿って延在する筆記具の外側筒状部3と一体化された固定部材4を備えている。以下に述べるように「バレル」との語は当該外側筒状部3を意味するよう使用されているが、当該用語がより広範の概念を意味し、キャップの筒状部に対しても使用されることを理解されたい。固定部材4は、バレル3に対して遠位にある上部40と、バレルに対して近位にある下部30とを備えており、これら二つの部分は、半径方向においてそれらの間に凹部を提供し、凹部はクリップ1のために開放挿入端47を有する。クリップ1それ自体は通常は金属シートから製造され、かつ図6に詳細に示されるように中央スロット9によって離間される「のこ歯」21で形状付けられた対向縁部20を備える固定部2を備えている。
【0013】
固定部2は、実質的に均一な厚さを有しており、かつ挿入端47によって固定部材4の凹部への取り付けに適するものとなっている。挿入端47の対向する側部において、固定部材4は、挿入端47の方向においてバレル3の閉鎖端部6が延在している突出隆起部6Aによって限定されている。この隆起部6Aは、クリップ1の外面と連続する面を形成するためにかつ閉鎖端6の方へ向かうクリップの逆方向移動を防止するストッパーを構成するために提供されている。
【0014】
図2および図3に示されるように、固定部材の上部40は、固定部材の下部30の平面によって形成された壁35に対向して構成された壁45を有する。壁45は壁35よりもバレル3から遠くにあるため、壁45および壁35はそれぞれ遠位壁および近位壁と称される。遠位壁45は、近位壁35が延在する完全に平坦な平面P1に実質的に平行な平面P2上に延在する平坦部を有しており、かつ近位壁35の方に向かって突出する複数のボス42をさらに有している。各ボス42はその軸に平行な平面で先端が規定されるシリンダ形状を有しており、これは、いくつかのボスを形成する型がボスの軸(これら軸は平面P1およびP2に平行しておりかつ長手方向軸Aに直交する)の方向において取り外し可能な場合に成型の容易性に関して利点となる。ただし、本発明はこうした形状のボスに限定されるものでないことを理解されたい。
【0015】
複数のボスは、二つのタイプのボスを備えている。主に、第1のタイプのボスは、壁から第1の距離をおいて配置される第1の先端部42Aを有する少なくとも一つの第1のボスによって構成される。第2のタイプのボスは、壁から第2の距離をおいて配置された第2の先端部42Bを有しており、この第2の距離は第1の距離よりも小さい。各第2のボスは第1のボスと挿入端47との間に配置されている。
【0016】
図示された実施形態は二つの第1のボスと二つの第2のボスとを備えているが、それぞれのタイプについて一つのボスあるいは二つ以上のボスを設けることができることを理解されたい。各第1の先端部42Aは、近位壁35から、クリップ1の固定部2の厚さにほぼ等しい第3の距離g1をおいて配置されている。好ましくは、これらのクリップ1のプラスチック材料および付加物の固定部材4の製造許容値を考慮すると(多くの場合、金属で製造されると幅狭となる)、第3の距離g1に関して認められる最大許容値は固定部2の厚さに関して認められる最低許容値と等しくなるよう設定される。それによりこれらは、固定部材4における完全に取り付けられた固定部2の半径方向の遊びがなくなるようにできる。
【0017】
固定部材4の製造のために使用されるプラスチック材料は例えばポリプロピレンであり、相対的に固くかつ圧縮性がほぼないが、約数百ミリメートル単位ほどの小さな第1のボスの圧縮性ならば、必要な場合に有効距離g1に対する固定部2の小さな過剰厚さを吸収するために固定部材を脆弱にすることなく得ることができる。この方法において、固定部2は、近位壁35に対して第1のボスによって半径方向において事実上狭持されるようになり、クリップは半径方向における遊びがない状態で保持されることが確実となる。なお、この狭持は弱いものであるかまたは事実上ゼロとなっており、それによって、付着力に打ち勝つ必要以上の作用を要求することなく、固定部材4の凹部への固定部2の完全な挿入が実施可能となる。相対的に冒頭で説明したような当該技術分野の形態のデバイスは、固定部材の凹部の均一な幅に対するクリップのシートの過剰厚さを吸収できず、そして、そうした過剰厚さは、クリップがねじれる(つまり固定部材における破損が引き起こされる)可能性のあるクリップの挿入を難しくすることがある。
【0018】
遠位壁45の第2のボスに関して、各第2の先端部42Bは近位壁35から固定部2の厚さより大きな第4の距離g2をおいて配置されているため、これら第2のボスは、半径方向におけるクリップでの堅固な保持を確実にするものではない。当該距離g2と当該厚さとの差は、例えば10分の1ミリメートル単位である。この方法において第2のボスはクリップを狭持せず、したがって固定部2に付着力が発生しないようになっているとはいえ、それは、クリップが固定部材4に対して所望の軸方向整列状態にある暫定取り付けポジションを提供するためにクリップの相対的に安定した位置決めを可能とする。
【0019】
遠位壁45は、長手方向軸Aを通る半径方向平面において延在する中央隔壁41によって近位壁35に連結されている。この中央隔壁は、半径方向平面に対して対称的な溝の形態の二つの横方向対向部分10,11となるよう固定部材4の凹部を区分する。ボス42を形成する切頭シリンダ形状の平行軸は中央隔壁41に対して実質的に直交する。
【0020】
有利なことに、中央隔壁41は二つの対向する側壁を有しており、そのそれぞれが、隔壁に対して直交して突出する少なくとも一つの側方ボス44を有する。側方ボス44は、その軸(当該軸は平面P1およびP2に対して交差している)に対して平行な面において切頭シリンダ形状を有しており、かつ図6に示されるようにクリップの固定部2の固定縁部20のギャップ22における係合に適している。
【0021】
公知の標準的な様式において、側方ボス44を固定部2の中央スロット9へ挿入できるようにするために、固定部2は、横方向におけるクリップのC形状部によって横方向にある程度の弾性を有している。各側方ボス44は、第1の先端部42Aと、第1の先端部42Aに隣接する第2の先端部42Bとの間に配置されている、つまり、第2の先端部42Aと挿入端47との間に側方ボスは存在していない。これは、取り付け中に、クリップの固定縁部20が、所定の暫定取り付けポジションに到達するまで側方ボスと接触しないことを確実なものとする。
【0022】
側方ボス44の、挿入端47に隣接して位置する面は、当該端47から離れた側方ボスの面の曲率半径よりも小さな曲率半径を有する。挿入端47に対向する側部において、各凹部10または11は、隆起部6Aの方向に向かって半径方向に延在する端部壁46によって閉じられている。この部分6Aは、堅固に形成された部分7が中央隔壁41の外側へ向かって半径方向に延在しており、かつクリップの半径方向の貫通を防止するストッパーとして機能する。
【0023】
図示された実施形態において、固定部材4およびバレル3は、サンドイッチ射出成型によって一体部品として製造され、かつそれは二つの材料の一方によって形成された外層8を有する。図3および図4から明らかなように、この外層8は、近位壁35の肩部36に当接する内縁部81を規定する中央開口を有しており、当該内縁部は、固定部2と密着している。この実施形態は、外層8に関する材料を使用できるようにするという利点を有しており、他の材料に対するその接着力は必ずしも高いものではなく、当該層8はクリップを保持するための引っ張り力(traction)に何ら影響を及ぼすものではない。なお、サンドイッチ射出成型が使用される図示されていない他の実施形態によれば、クリップの使用下で当該層8の分離の危険性が防止できるほど二つの材料間の付着力が充分に高い場合には、固定部材4を外層8として同様の材料で成型されるようにすることができる。
【0024】
図3から明らかなように、平面P1と平面P2との間の空間h内では近位壁35と遠位壁45とがそれぞれ延在しており、空間hはクリップの固定部2の厚さeの2倍から4倍を見なされる。
【0025】
図4から明らかなように各凹部10または11において各第1のボス42は半径方向において固定部2を保持するようになっており、かつ図3に比べると空間hが固定部2の厚さeと第1のボスの高さd1との合計に等しくなっていることを理解されたい。
【0026】
図5に示す第二実施形態は、第一実施形態とは、固定部材の近位壁35が隆起部を有している点において異なっている。この隆起部は、ここではボス43の両側における二つのギャップを有しており、その先端部43Aは、遠位壁45における二つの第1のボス43を区分するギャップに対向するよう配置されている。簡単にするために図2の側方ボス44は図5には示されていないが、この第二実施形態は有利なことにそうしたボスを備えていることを理解されたい。先端部43Aは、近位壁35の平坦部が延在する第1の頂面P3に対して接面(tangent)状態となっており、かつ二つの第1の先端部42Aは第1の最上面P3と平行な第1の最上面P4に対して接面状態となっている。この二つの最上面P3およびP4は、固定部2の厚さeに実質的に等しい距離g’1によって離間されている。したがって、固定部2は主に先端部43Aの位置で近位壁35に対して狭持される。その結果、第二実施形態において、固定部材4の、固定部2と接触する面は第1の実施形態と比べると小さくなり、それはさらに固定部2の狭持によって生じる付着力をも低減でき、したがってクリップの取り付けのために必要な力を提言させることができる。
【0027】
図6に斜視状態で示されたクリップ1は上記実施形態から改良されたものである。好ましくは、固定部2の後端23の二つの縁部は、クリップが完全に取り付けられたときに、凹部10または11の端壁46に対してそれぞれ当接するように構成されている。
【0028】
図7および図8に示される第三実施形態は、上記二つの実施形態とは、クリップ1’がU字形状部からなる固定部2’を有している点、および固定部材4’の凹部10’が挿入端47’の位置で横方向に開閉するギャップ部によって構成され、それによってクリップ1’の固定部が取り付け部材によって囲まれるように取り付け部に挿入される点において異なっている。固定部材4’は、平坦な遠位壁45’と、遠位壁45’に実質的に直交する平面に延在する平坦部を有する近位壁35’とを備える。
【0029】
近位壁35’は、第1の先端部43’Aをそれぞれ有する二つの第1のボスと第2のボスとを有しており、その第2の先端部43’Bは、第1の先端部43’Aより近位壁35’に隣接している。第1の先端部43’Aと遠位壁45’との間の距離は、固定部のおおむね有意な狭持を得るために固定部2’の厚さに最も等しい。固定部2’は、U字形状部の脚に対応しかつバレル3’の方へ方向付けられている二つのフランク(flank)を有している。
【0030】
好ましくは、各フランクは、半径方向における凹部10’の広がりと最も等しい高さhにわたって延在しており、かつそれぞれが、クリップ1’の取り外しに対する抵抗性を向上させるために、のこ歯のように形状付けられた端縁部を有している。
【0031】
図示されていない他の実施形態において、遠位壁45’がボスを有するようにすることができ、この場合、さらに完全に平坦な近位壁35’を提供することができる。
【符号の説明】
【0032】
1,1’ クリップ
2,2’ 固定部
3,3’外側筒状部
4,4’ 固定部材
6 閉鎖端部
6A 隆起部
8 外層
10,10’, 11 凹部
20 対向縁部
21 のこ歯
22 ギャップ
23 後端
30 下部
35,35’ 近位壁
36 肩部
40 上部
41 中央隔壁
42,43 ボス
42A,43’A 第1の先端部
42B,43’B 第2の先端部
43A 先端部
44 側方ボス
45,45’ 遠位壁
46 端部壁
47, 47’ 挿入端
81 内縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(A)に沿って延在するバレルを有する筆記具のためのクリップを取り付けるための構造体であって、
前記バレル(3,3’)と一体化されたプラスチック材料から形成される固定部材(4;4’)であって、前記バレルに対する近位壁(35;35’)と遠位壁(45;45’)とを具備してなり、前記近位壁と遠位壁と間に開放挿入端(47;47’)を有する凹部(10,11;10’)を形成するために、前記近位壁および遠位壁が、互いに対して対向するよう構成されかつ実質的に平行な個々の平面(P1,P2)において全体的に延在するようになっている、固定部材(4;4’)と;
実質的に均等な厚さ(e)を有しかつ前記開放挿入端(47;47’)によって前記凹部(10,11;10’)に取り付けられるのに適した固定部(2,2’)を具備してなるクリップ(1;1’)と;
を具備してなり、
前記近位壁および前記遠位壁の少なくとも一つが、前記凹部(10,11;10’)の内部方向に突出する複数のボス(42;43;43’)を具備してなり、
少なくとも一つの第1のボスは第1の先端部(42A,43’A)を有しており、前記第1の先端部(42A,43’A)は、前記第1の先端部が前記固定部(2,2’)と接触するよう構成された前記壁(45;35’)から第1の距離(d1)をおいて配置され、かつ、
前記第1のボスと前記開放挿入端(47;47’)との間に配置された、前記壁(45;35’)の少なくとも一つの第2のボスは、前記壁(45;35’)から前記第1の距離(d1)より小さな第2の距離(d2)をおいて配置された第2の先端部(42B;43’B)を有していることを特徴とするクリップを取り付けるための構造体。
【請求項2】
前記近位壁および遠位壁(35,45)は、それらに対して実質的に直交しかつ半径方向平面(P5)において延在する中央隔壁(41)によって互いに連結されており、前記中央隔壁(41)は、前記凹部(10,11)を二つの横方向対向部分に区分していることを特徴とする請求項1に記載の取り付け構造体。
【請求項3】
前記近位壁(35)は平坦面を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取り付け構造体。
【請求項4】
前記第1の先端部(42A)は、前記近位壁(35)から、前記固定部(2)の厚さ(e)に最も等しい第3の距離(g1)をおいて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の取り付け構造体。
【請求項5】
前記第2の先端部(42B)は、前記近位壁(35)から前記固定部(2)の厚さ(e)よりも大きい第4の距離(g2)をおいて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の取り付け構造体。
【請求項6】
前記遠位壁(45)は、少なくとも二つの第1のボスと少なくとも二つの第2のボスとを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の取り付け構造体。
【請求項7】
前記近位壁および遠位壁(35,45)は少なくとも一つのボス(42,43)をそれぞれ有しており、前記近位壁および遠位壁の前記ボスの各先端部は、前記第1の先端部(42A)が前記対向する壁(35)における先端部(43A)から前記固定部(2)の厚さ(e)に最も等しい半径方向における第5の距離(g’1)によって離間されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取り付け構造体。
【請求項8】
前記ボス(42,43)は、前記中央隔壁(41)に実質的に直交する方向にそれぞれ延在しており、かつ当該方向において均一な部分をそれぞれ有していることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか一項に記載の取り付け構造体。
【請求項9】
前記固定部(2)は、長手方向に延在するスロット(9)の両側において二つの対向する固定縁部(20)を具備してなり、各固定縁部(20)は、少なくとも一つのギャップ(22)を有する形状を有しており、かつ前記中央隔壁(41)は二つの対向する側壁を有しており、そのそれぞれが、前記隔壁に直交して突出する少なくとも一つの側方ボス(44)を有しており、各側方ボス(44)は、前記ギャップ(22)のうちの一つに係合するのに適したものとなっていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか一項に記載の取り付け構造体。
【請求項10】
側方ボス(44)が、前記第1の先端部(42A)と前記第1の先端部(42A)に近接した前記第2の先端部(42B)との間に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の取り付け構造体。
【請求項11】
前記凹部(10’)は、側方閉鎖ギャップ部によって構成されており、かつ前記クリップ(1’)はU字形状部からなる固定部(2’)を有していることを特徴とする請求項1に記載の取り付け構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−501887(P2012−501887A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526543(P2011−526543)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051698
【国際公開番号】WO2010/029256
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(501325048)ソシエテ・ビック (24)
【Fターム(参考)】