説明

筆記用具の本体にクリップを適用するためのシステム

本発明は、本体(2)と、クリップ(5)と、第1の側部面(33)を有する、クリップ(5)を取り付けるための第1の突起部材(3)とを含む筆記用具に関する。クリップ(5)は棒状部(53)を含み、本体は、第2の側部面(43)を有する第2の突起取付部材(4)を含む。第2の側部面(43)は、本体(2)に固定される基部(41)から上方端部(43a)まで延在し、そこから突出部(44)が第1の側部面(33)に向かって延在する。第1および第2の側部面(33、43)および突出部(44)は、棒状部(53)を受容するために適した空孔(49)を突出部の下に提供し、ロックされた位置内にロック部材(61)を挿入するのに適した経路(48)を提供するように配置され、そのために、ロック部材(61)は、第1の側部面(33)と、空孔(49)内に位置されるクリップの棒状部(53)との間に適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、筆記用具の本体にクリップを取り付けるためのシステムに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、
中心軸線に沿って長手方向に延在する本体と、
中心軸線に対して実質的に平行に、本体に固定される基部から自由端部まで延在するクリップと、
本体と一体である基部と径方向に遠隔の頂部との間に延在する第1の側面を有する、クリップを取り付けるための第1の突起部材と
を含む筆記用具に関する。
【背景技術】
【0003】
突起取付部材を有するこの種類の筆記用具について、取付部材と一体にスナップ留めする、プラスチック製のクリップの基部上にレリーフを提供することが知られている。金属のクリップについて、薄い金属縁部を取付部材の溝内へ、溝からのクリップの分離を遅くするためのこれらの縁部上の鋸歯状縁部を伴って、挿入することは通常である。
【0004】
しかし、繰り返される操作の後、及び、クリップによって形成されるレバーアームのために、使用者は、取付部材からクリップを意識的に又は無意識的に分離することが分かっている。したがって、プラスチック製のクリップについて、必然的に減少された寸法を有するスナップロックのレリーフは、一般に変形されるか、又は、平らにされ、そして、本体上にクリップを保持するそれらの役割をもはや実行できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特に、使用者によって異なる方向に加えられる繰り返される圧力による本体からのクリップの分離を回避するために、突起取付部材上へのクリップのより信頼性のある取付けの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明の対象物は、クリップは、前記クリップの基部と一体である第1の端部を有するバーを含み、本体は、第1の側面に面する第2の側面を有する第2の取付突起部材を含み、前記第2の側面は、本体と一体である基部から上方端部まで延在し、そこから突出部が第1の側面に向かって自由端部まで延在し、前記第1及び第2の側面及び突出部は、少なくとも部分的にクリップのバーを受容するようになされたキャビティを前記突出部の下に提供し、ロック位置内へ実質的に径方向にロック部材を挿入するための経路を提供するように配置され、そのために、ロック部材は、第1の側面と、キャビティ内に配置されるクリップのバーとの間に適合される、上記に説明された種類の筆記用具である。
【0007】
第2の取付部材、ロック部材、及び、おそらく第1の取付部材の間のバーの適合は、第1及び第2の側面に対して実質的に直角な平面内に、バーの対応する位置を固定することを可能にする。面の幅及びバーの外郭に多かれ少なかれかなり依存するバーの軸の周りの枢動に対する固定化がまた獲得される。これは棒なので、それは堅固な要素であり、スナップロック部材と対照的に、可撓性部材のように振る舞う必要がないことは理解されるだろう。したがって、この配置によって獲得される固定化は、特に信頼できる。バーの方向の運動を防止することは、その端部の形状によって、特に、それらのクリップの基部への接続によって容易に獲得できる。
【0008】
ロック部材は、クリップとは違い、外部要素からの応力に曝されない補助的要素であることに留意されたい。したがって、使用者が、通常の使用中、クリップを変えるためにそれを取り除く能力を与えられたとしても、どのような応力もそれを経路の外に出す原因とならないように設計することは容易である。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、以下の配置の1つ及び/又は別の配置が使用される。
バーは、クリップの基部とまた、一体である第2の端部を有し、ロック部材を挿入するための経路はまた、実質的に径方向内にバーを導入して、キャビティ内へ滑動するようになされ、それは、クリップにしっかりと取り付けられるバーを有している間、組立体を維持する。
クリップの基部は2つのフィンを有し、前記フィンの間に設置されるバーの第1及び第2の端部は、それらに接続され、前記フィンは、第1及び第2の取付部材の第1及び第2の側面に隣接する側面と、少なくとも部分的に接触するように配置され、このやり方で生じされる接触の範囲が、クリップの基部の固定化をさらに強化し、より具体的には、径方向内のバーの方向を定める。
クリップは、開口部を含む外面を有し、それを通して、ロック部材は経路に挿入され、ロック部材は、ロック位置でクリップの外側面と連続した表面を形成するように形作られた外部キャップを有し、それにより、ロック部材は把持を提供せず、それを分解する可能性は減少される。
ロック部材は、ロック位置で保持部材と一体にスナップ留めされるようになされた、少なくとも1つのスナップロック部材を有し、それは、組み立てられたクリップを分離不可能にする。
保持部材は、クリップの基部上の隆起した突出部によって形成され、それは、クリップの基部が取付部材に対して前もって位置付けられない場合、ロック部材は経路内にロックできないことを保証する。
バーは、多角形の断面を有し、その一部分が、第2の取付部材によって範囲を定められるキャビティの外郭を充足し、これは、バーによって画定される軸の周りのクリップの回転を阻止する。
ロック部材は、ロック位置内の場合、第2の側面に対してバーから圧力を加えるようになされ、好ましくは、第1及び第2の側面に対して直角なフィンの形態であり、前記フィンは、実質的にこれらの面の幅より狭い幅を有し、ロック部材によって加えられる圧力が遊びの存在を回避し、フィンの比較的薄い形状は、いくらかのロック部材の変形が、製造による寸法の変更を補償することを可能にする。
第1及び第2の側面は、相互に長手方向に間隔をあけて配置され、クリップの基部からのバーは、中心軸線に対して直角な平面内へ延在する。
バー及びクリップの基部は、第1及び第2の取付部材に対して、ロック位置内でクリップのロック部材との取付け位置を1つだけ可能にするように形作られ、これは、どのような反転された組立も防止する。
【0010】
他の特徴及び利点は、図面を参照しながら、制限のない例示として与えられる以下の説明を読むと明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の本体と、クリップと、ロック部材とを含む筆記用具の部分的透視図である。
【図2】図1の主要部分の分解組立図である。
【図3】図1のXY平面に沿った、単純化された半分の断面図である。
【図4】図3の線IV−IVの面に沿った、単純化された断面図である。
【図5】本体の部分的拡大透視図である。
【図6】クリップの拡大透視図である。
【図7】ロック部材の拡大透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
異なる図において、同じ符号は、同一又は同様の要素を指示するために使用される。図1は、図2に見られる両方の第1の取付部材3と第2の取付部材4とを有する本体2を含む筆記用具1を示す。加えて、筆記用具1は、クリップ5とロック6とを含む。
【0013】
用具の本体2は、後部押しボタン22から反対側の端部(図示されず)まで中心軸線Xに沿って長手方向に延在する。示される実施形態において、以下に詳細に説明されるように、本体2は、クリップ5が第1及び第2の取付部材(3、4)の手段によって組み付けられる、実質的に円筒状の前部23で形成される胴部を形成する。
【0014】
ここで、用具1は、後部押しボタン22を作動することによって芯が先に送られる、シャーペンである。しかし、筆記用具1は、どのような種類の用具でも、特に、後部ボタン22を作動することによって収納できるボールポイントを有する用具でありうることは理解されるだろう。それはまた、先端部をきつく覆うための取り外し可能で、よく知られるやり方で本体の後部端部に置くことができるキャップを有する、蛍光ペン又は先端部がフェルトの用具でありうる。この場合、キャップは、第1及び第2の取付部材(3、4)を含む可能性のある用具1の本体2の一部分を構成することは理解される。したがって、クリップ5の組立は、クリップ5又はロック6のための取付部材(3、4)に対する重大な変更を要求しない。
【0015】
第1の取付部材3は、本体2の後部24と一体であり、中心軸線Xに直角な径方向Y内に頂部32まで延在する基部31を有する。しかし、頂部32が本体2から径方向に離れている限りは、第1の取付部材3は、径方向Yから僅かに外れた方向に延在できる。
【0016】
第1の取付部材3の、部材が延在する方向を横断する断面は、多角形であり、変更可能な範囲である。この区域は、異なる幾何学的形状を有しうるが、それは、少なくとも、基部31と頂部32との間に延在する第1の側面33を画定しなくてはならない。好ましい示される実施形態において、この第1の側面33は、実質的に平坦であり、本体2の後部端部に向かって方向付けられるが、第2の取付部材4が、第1の側面33と部分24の端部との間に設置されるように、後部24の端部から隔てて据えられる。
【0017】
第1の側面33に加えて、第1の取付部材3は、第1の側部壁33に隣接する2つの側部壁35を有し、つまり、各々は、この第1の側部壁33と共通の縁部を有する。ここで、隣接する側部壁35の部分は、正面端部の近くで一体となり、一部分は、延在して、頂部32の径方向高さより明確に低い高さの突起36を形成する。補助的側部壁37は、この突起36で隣接する側部壁35を接続する。
【0018】
突起36が減少された高さである事実を除き、第1の取付部材3は横断面のかなりの変更を有することに留意されたい。より具体的には、基部31は、頂部32より小さい断面を有し、それは、より少ないプラスチック材料を使用し、プラスチックのかなりの厚さによってもたらされる型から外した後の寸法の変更を回避する。どのような場合においても、第1の取付部材3の断面は、この第1の取付部材3が、変形への抵抗において、少なくともクリップに相当するように、クリップ5の細長い部分の断面と同じ大きさの程度で、かなりの大きさを保持する。
【0019】
断面の変更のために、第1の取付部材3の隣接する側面35は、表面の残部に対して突起する表面の部分、特に、図5に示される、頂部32に接近して位置される突起表面35aの一部分と、突起36に位置される突起表面35bの一部分とを有する。
【0020】
示される実施形態に例示されるように、第1の取付部材3は本体の後部24と一体に成形されて、組立作業を削減することが好ましい。しかし、第1の取付部材が本体から分離した一部分であることは、それに堅く取り付けられる限りは、まったく可能である。
【0021】
第2の取付部材4は、第1の取付部材3のやり方に類似したやり方で、基部41を有し、頂部42まで延在する。第2の取付部材4の横断面はまた、その断面にかなりの変更を有する。しかし、その最小の断面は、大きな応力抵抗を提供するために、かなりの大きさを保持する。
【0022】
頂部42は、実質的に第1の取付部材の頂部32の水準で位置され、これは他の状態も可能であるが、形状ではさほど平坦ではない。
【0023】
第2の取付部材4は、第2の側面と称される図5に見られる側面43を有し、それは、第1の取付部材3の第1の側面33に面していなければならない。相互に面しているように、第1及び第2の側面(33、43)は、概ね、およそ平行な平面であり、中央の平面内の、それらからのそれぞれの幾何学的投影は少なくとも部分的に重複しなくてはならない。したがって、示される実施形態において、第2の側面43は、本体2の正面端部に向かって方向付けられ、中心軸線Xに沿って第1の側面33から長手方向に間隔を隔てて配置される。
【0024】
第2の側面43はまた、基部41から延在するが、それは、この第2の取付部材4の頂部42の水準の下方に位置される上方端部43aまでだけ径方向に延在する。実際に、第2の取付部材4は、第2の側面の上方端部43aからの突出部44を含まなくてはならない。突出部44は、第1の側面33に向かって自由端部44aまで延在する。この突出部44の本体2及び第1の側面33に対する配置は、以下に明らかになるように、クリップ5及びロック6の幾何学的形状によって決定される。
【0025】
第2の側面43上の側部縁部から、2つの隣接する側面45は後方に向かって延在する。この第2の取付部材4のために、隣接する側面45は相互に平行で、平坦である。接続面47は、2つの隣接する側面45を繋げ、主に外側の外観の理由により引っ込められる。
【0026】
このやり方で配置された第1及び第2の取付部材(3、4)は、図5に示されるように、経路48を画定する。より具体的には、経路48は、第2の取付部材4からの突出部44の自由端部44aと第1の取付部材3の第1の側面33との間に位置される。経路48と通じているキャビティ49はまた、第2の側面43、突出部44の下方面、及び、本体2の一部分を形成する後部24によって画定される。
【0027】
キャビティ49の範囲を定める、後部24の部分内の突起傾斜部29の存在は留意されるだろう。傾斜部29は第2の側面43まで隆起する。
【0028】
クリップ5は、基部52から自由端部51aまで延在する細長い部材51を含む。細長い部材51の一体の部分として形成される基部52は、その外側面の下に据えられる。基部52は、組み立てられた状態で、本体2の後部端部に向かったU字状開口部を備えた概ねU字形状である。このU字形状のために、基部52は、概ね平行な2つのフィン(52a、52b)を有する。
【0029】
しかし、基部52は、実質的に異なる形状でよく、それに堅固に取付けできる限りは、細長い部材51から分離した一部分として形成されてよい。
【0030】
クリップ5は、基部52のフィン(52a、52b)との間に位置付けられ、第1の端部53a及び第2の端部53bによってそれらにそれぞれ堅固に取り付けられるバー53を含む。しかし、バー53は、端部(53a;53b)のうちの1つのみを基部52に接続することによっても堅固にクリップ5に取り付けることができ、他方の端部は、好ましくは、キャビティ49を通る滑動を防止するために拡大された頭部を備えて、固定されないままになることに留意されたい。しかし、バー53の示される構造は、クリップ組立の堅固さの理由のために好ましい。
【0031】
バー53は、通常の使用中にクリップが被る場合がある応力に抵抗するために、好ましくは、第1及び第2の取付部材(3、4)の最小の断面と同じ大きさの程度である、かなりの大きさの断面を有する細長い部材である。
【0032】
示される実施形態において、及び、図3により明確に例示されるように、バー53は、突出部44の内側面、第2の側面43及び傾斜部29によって画定される外郭と嵌合する、外郭の多角方形の断面を有する。この配置は、そのキャビティ29内の縦方向の軸の周りのバーの回転を防止し、したがって、本体2に対するクリップ5の固定化の度合いを定める。しかし、バーは、中心軸線Xに沿った1つの移動の運動を専ら防止しなければならない場合、円形の断面を有することが可能である。
【0033】
図6に見られる基部52の内側面52cは、組み立てられた状態で、端部部分24に嵌合し、したがって、クリップの固定化に資するように構成される。フィン(52a及び52b)の、すなわち、相互に面している内部面は、材料の厚さ、及び、突起範囲、より具体的には、図6に見られる突起範囲52eを削減するために、それらの表面上に引っ込められた範囲を含む。
【0034】
クリップの細長い部材51は、その上方表面上に大きい開口部56を有し、その形状は、基部52のフィン(52a、52b)の間の空間に実質的に一致し、したがって、それは、この空間に向かって開いている。
【0035】
その機能の実行するために、ロック6は、バー53がキャビティ49に配置される場合に、経路48を通って挿入されるように構成されたロック部材61を基本的に含む。そして、ロック部材61は、ロック位置を達成し、そのために、ロック部材61は、第1の側面33とバー53との間に適合される。
【0036】
ロック部材61の適合は、クリップ5の組立においてどのような遊びも回避するために、ならびに、製造による寸法の変更を許容するために、僅かな応力変形さえも伴って、きついやり方で据付けられる。この目的のために、ロック部材61は、図7に明確に見られ、その縦方向に比較的薄く、第1及び第2の側面(33、43)に対して直角に配置されるフィンによって形成されることは留意されるだろう。このフィン61の幅は、実質的に側面(33、43)の幅より小さく、その結果として、ロック部材61の力による挿入は、第1及び第2の取付部材(3、4)の顕著な変形を伴わずに、主にロック部材61の変形をもたらす。このような変形を伴う力による挿入は、ロック6のどのような取り外しも防止するために、それが必要であると判断された場合には、充分でありうる。
【0037】
しかし、ロック部材61に加えて、ロック6は、一旦ロック位置において、取り外しを防止する2つのスナップロック部材65を有する。
【0038】
好ましくは、スナップロック部材65は、好ましくは、クリップ5の基部52上の隆起された範囲によって、より具体的には、図6に見られるフィン(52a、52c)の内側面の各々上の突出部52fによって形成される保持部材と協働する。そして、クリップ5が前もって正確に、つまり、キャビティ49内に位置付けられる、クリップ5のバー53によって組み立てられた場合、経路48内のロック位置は、唯一の最終的なものである。
【0039】
加えて、ロック6は、細片によって形成されたキャップ66を含み、そこからロック部材の各面上に配置されたロック部材61及びスナップロック部材65が突出する。キャップ66は、クリップ5が組み立てられた場合、ロック位置でロック6に美観的外観を与え、クリップとは異なる外観のプラスチックが使用される場合、装飾的効果をも創出できる。図1及び3に明らかなように、キャップ66が、その外側面がロック位置でクリップ5の外側面と連続しているか、又は、平らな表面を形成するように形作られることは留意されるだろう。したがって、ロック6は、使用者のためのどのような把持も提供しない。そのようにして、スナップロック部材65を伴うか又は伴わずに獲得されるロック位置内の弱い維持力は、クリップの手での分解をほとんど不可能にする。
【0040】
我々は、ここで、用具の本体2上にクリップ5を取り付けるための過程を説明し、この組立体は、図2に示される3つの部分(24、25及び26)だけで獲得され、ロック6の補助によって定められる後部24上のクリップ5のポジティブロックによって特に堅固に作られる。この取付けは、容易に不可逆に作られうる。
【0041】
図2に示される構造によって、クリップ5は、基部52の下方面52cが、後部24と接触するまで、バー53が、経路48を介して第1及び第2の取付部材(3、4)の間に挿入されるように、方向Yの径方向運動で後部24に向かって動かされる。クリップ5の反対方向向きの提供は、特に、反対方向向きの場合、基部内部の空間に侵入できない取付部材(3、4)の頂部(32、42)の形状の相違によって、この接触を達成しないだろうことは留意されるだろう。
【0042】
一旦、本体2の後部24と接触すると、クリップ5は、中心軸線Xに平行な運動で後方に向かって滑動される。この長手方向の移動の間で、バー53はキャビティ49で停止し、図3に示される位置に達する。傾斜部29は、バー53を突出部44の下に押しつけることによって、この位置へそれを案内するように働く。
【0043】
この長手方向の移動の間で、第1の部材3の突起表面35aの部分が、クリップ開口部56の壁と接触すること、及び、フィン表面(52a、52b)の部分が、第2の取付部材4の隣接する側部壁45と接触することは留意されるだろう。これは、径方向Yでのクリップの枢動を防止するクリップの固定化を強化する。
【0044】
加えて、さらに、この長手方向の移動の間、フィン(52a、52b)の内部面上の突起表面52eの部分は、第1の取付部材3の隣接する側面46と接触し、それは、枢動を防止するのにも役立つ。
【0045】
突起表面52eのこれらの部分は、第1の取付部材3の突起表面35aの部分の下を通過し、それは、ここで、中心軸線Xに直角な平面内のT字状の断面を有することは留意されなくてはならない。これは、けん引が外側径方向Yに印加される場合、本体2上のクリップ5の維持を強化する。ロックはまだ適切な位置にないこの構造において、クリップの固定化は5度未満の運動の自由度まですでに達成され、中心軸線Xの方向の前進移動だけがまだ可能であることに留意されたい。
【0046】
この最後の運動の固定化は、ロック部材61が、図3及び4に見られるように、クリップ5のバー53と、第1の取付部材3の第1の側面33との間の止め子を生ずるように、ロック6を挿入することによって達成される。この挿入は、ロック部材61の応力を生ずるため、又は、さらにはそれを変形するために、僅かな力を伴って行われ、それによって、組立体内の全遊びを排除する。
【0047】
この実施形態において、ロック位置を達成するロック6の挿入は、クリップ5の不可逆な取付けを結果としてもたらす。しかし、ロック6のための(径方向Yの)組立方向が、このロックによって達成される固定化の方向(中心軸線Xに平行な方向)に対して直角であるならば、意図されない分解の低い危険性を保ちながら、例えば、ロック6上に比較的小さい把持要素を提供することによって、クリップの取付けは、かなり容易に可逆的に作られうることは明白である。
【0048】
当然、この実施形態は決して制限されず、当業者には、機能的役割を変えることなく、図2に示される3つの部分に対して、多くの構造的変更が作られうることは明らかである。例として、中心軸線Xの周りのクリップの回転運動を固定化するロックを伴って、第1及び第2の取付部材は、本体2の外周に沿って配置できる。一部分の部材の1つ又は他の1つによって満たされる多数の機能はまた、他の1つの部分と一体である同等の部材によって満たされうる。
【符号の説明】
【0049】
2 本体
3 第1の突起部材
4 第2の取付突起部材
5 クリップ
31 基部
32 頂部
33 第1の側面
41 基部
43 第2の側面
43a 上方端部
44 突出部
44a 自由端部
48 経路
49 キャビティ
51a 自由端部
52 基部
52a フィン
52b フィン
52f 保持部材
53 バー
53a 第1の端部
53b 第2の端部
56 開口部
61 ロック部材
65 スナップロック部材
66 外部キャップ
X 中心軸線
Y 径方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線(X)に沿って長手方向に延在している本体(2)と、
前記本体に固定されている基部(52)から自由端部(51a)に至るまで、前記中心軸線(X)に対して略平行な状態で延在しているクリップ(5)と、
前記本体と一体化された基部(31)と径方向に離隔された頂部(32)との間に延在している第1の側面(33)を有している、前記クリップ(5)を取り付けるための第1の突起部材(3)と、
を備えている筆記用具であって、
前記クリップ(5)が、前記クリップの前記基部(52)と一体化された第1の端部(53a)を有しているバー(53)を備えており、
前記本体が、前記第1の側面(33)に面している第2の側面(43)を有している第2の取付突起部材(4)を備えており、前記第2の側面(43)が、前記本体(2)と一体化された基部(41)から上方端部(43a)に至るまで延在しており、突出部(44)が、前記上方端部から前記第1の側面(33)に向かって自由端部(44a)に至るまで延在しており、
前記第1の側面(33)及び前記第2の側面(43)と前記突出部(44)とが、前記クリップ(5)の前記バー(53)を少なくとも部分的に受容するようになっているキャビティ(49)を前記突出部の下方に備えているように、且つ、ロック位置に向かって略径方向(Y)にロック部材(61)を挿入するための経路(48)を形成するように配置されており、これにより前記ロック部材(61)が、前記第1の側面(33)と、前記キャビティ(49)内に配置された前記クリップ(5)の前記バー(53)との間に位置決めされることを特徴とする筆記用具。
【請求項2】
前記バー(53)が、前記クリップ(5)の前記基部(52)と一体化された第2の端部(53b)を有しており、
前記ロック部材(61)を挿入するための前記経路(48)が、前記バー(53)を略径方向(Y)に案内し、前記バー(53)を前記キャビティ(49)内部に滑動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の筆記用具。
【請求項3】
前記クリップの前記基部(52)が、2つのフィン(52a,52b)を有しており、
前記フィン同士の間に配置された前記バー(53)の前記第1の端部(53a)及び前記第2の端部(53b)が、前記フィンに接続されており、
前記フィンが、前記第1の突起部材(3)及び前記第2の取付突起部材(4)の前記第1の側面(33)及び第2の側面(43)に隣接している側面(35,45)と少なくとも部分的に接触するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の筆記用具。
【請求項4】
前記クリップ(5)が、前記ロック部材(61)が前記経路(48)に挿入される場合に貫通される、開口部(56)が形成されている外面を有しており、
前記ロック部材(61)が、前記ロック位置において前記クリップ(5)の前記外面と連続している表面を形成するようになっている外部キャップ(66)を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の筆記用具。
【請求項5】
前記ロック部材(61)が、前記ロック位置において保持部材(52f)と共に嵌め込まれるようになっている、少なくとも1つのスナップロック部材(65)を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の筆記用具。
【請求項6】
前記保持部材(52f)が、前記クリップ(5)の前記基部(52)上に隆起した突出部によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の筆記用具。
【請求項7】
前記バー(53)の断面が、多角形状の断面であり、
前記多角形状の断面の一部分が、前記第2の取付突起部材(4)によって境界が形成されている前記キャビティ(49)の形状と相補的であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の筆記用具。
【請求項8】
前記ロック部材(61)が、前記ロック位置に配置された場合に、前記バー(53)から前記第2の側面(43)に圧力を加えるように成っており、好ましくは前記第1の側面(33)及び前記第2の側面(43)に対して直角なフィンの形態とされ、
前記フィン(61)の幅が、前記第1の側面(33)及び第2の側面(43)の幅よりも実質的に狭くなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の筆記用具。
【請求項9】
前記第1の側面(33)及び前記第2の側面(43)が、長手方向において互いから離隔して配置されており、
前記バー(53)が、前記クリップの前記基部から前記中心軸線(X)に対して直角な平面に延在していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の筆記用具。
【請求項10】
前記バー(53)と前記クリップの前記基部(52)とが、前記第1の突起部材(3)及び第2の取付突起部材(4)に対して、前記ロック位置に前記クリップ(5)と前記ロック部材(61)との唯一の取付位置を許容するように形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の筆記用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−515244(P2011−515244A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500268(P2011−500268)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050439
【国際公開番号】WO2009/122086
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(501325048)ソシエテ・ビック (24)
【Fターム(参考)】