説明

等電位接続と基礎杭アース板への現場サージ電流放電実験検査方法及び放電試験装置並びに放電監視方法

【課題】建物の基礎部分や各フロアのコンクリート内に埋設されている鉄筋が落雷により破壊あるいは溶解してしまうような瑕疵を生コンクリート打設前に検査することができるサージ電流放電工法及び放電試験器並びに放電監視方法を提供する。
【解決手段】 建物に布設された避雷器のアース端子から雷・静電気・電磁波等の高電圧のサージ電流を擬似的に放電させるようにした高圧電流放電検査方法であって、該サージ電流の発生を視覚又は聴覚により知覚可能に構成されたノイズセンサーを設けると共に、高圧電流発生器を設け、該高圧電流発生器のプラス極に前記電源ケーブルを接続し、当該プラス極に対向配置されたマイナス極に高圧電流を放電し、放電耐久試験を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建築現場において、コンクリート打設する前の建物に使用する金属への落雷模擬実験をし、雷サージ電流が安全に基礎杭アースに流れるかどうか等を検査する放電技術に関し、とくに建物における金属からのスパーク放電及びコンクリート破壊や、金属からの腐食状況を監視する方法(工法)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、世界中の建築技術者やIT技術者が、建物に落雷したときに発生する雷ノイズ電流により、建物内のブレーカー、電源コンセント、TVやPC等の電気機器内の基板が破壊されることを危惧し、そのリスクマネージメントの重要性が増していると認識している。そして、様々な雷対策が進められている中で、本発明者もまた1999年〜2005年の間に、雷ノイズ電流に対応するビルの全体構造、フロアの内部構造、等電位アース接続工法及び避雷器等、種々の雷対策技術を提案してきた(特許文献1〜特許文献3参照。)。本発明者は、従来、建物と電気機器への電磁波対策と静電気対策とが併合されていなかった点に着目し、ノイズセンサーを建物の鉄筋・鉄骨に電気的に接続して雷由来のノイズ電流を監視するシステムを提案してきた。
【0003】
しかしながら、従来の監視システムには次のような欠点があった。例えば、農業用ビニールハウス、木造一般家屋、上・下水道の監視塔、工場・病院・ビル等が施工される土地の高度、すなわち、建物を施工する海抜が考慮されていなかった。つまり、海岸、平地、高地や山間地と、雷雲との各々の放電距離の違いが考慮されていなかった。
【0004】
したがって、従来型の避雷針と等電位ボンディングアースと避雷器とから構成される雷ノイズ監視システムにおいては、下記の点をさらに改良する必要がある。
(1)直撃雷を受けたビルの鉄骨・鉄筋構造と接地アースとの接続方法。
(2)誘導雷を受けた電線・通信ケーブルを含む全ての導電性ケーブルに流れ込む電流と接地アースとの関係。
(3)直撃雷から発生する過剰電流、稲光のようなノイズ電流、建物に近接した場所への落雷電流を当該建物のアース手段に流入させない手段。
【0005】
等電位ボンディングアース構造にされていない既設建物や、施工高度(海抜)、すなわち、雷雲と建物との距離、また、アースされる地層と深度を考慮せずに設計された建物は、たとえ、等電位アース構造に施工したとしても、実際に放電試験を行ってみなければ安全性を確認できない、しかしながら、従来、建築現場において、予め、このような落雷放電を模して試験する方法も機器も存在しなかった。また、木造建物と基礎コンクリート内の鉄筋や金属、建物内の鉄筋・鉄骨の金属部分と大地にアースされた基礎部分とが確実に電気的に導通されているかどうかを検証しながら施工する方法や落雷による鉄筋やコンクリートの破壊状況を監視する共に、これを通報するシステムも存在しなかった。特に、木造建築や、ビニールハウスを含む、鉄道・高速道路・港湾設備・プラント設備や、ビルへ直撃雷し、ブレーカーと接続されている電線が切断した時には、等電位された金属に漏電したことを知得する監視システムがないので、どこから漏電しているのか判断できない。
【0006】
【特許文献1】特開2001−169460号公報
【特許文献2】特開2001−249131号公報
【特許文献3】特許第4048314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明者は、鉄道車両、自動車、航空機、船舶などの金属製躯体を擁する交通機械において、燃料点火プラグの放電ノイズの影響を受けても機械内のコンピューターが誤動作しない技術、例えば、航空機においては、離陸してから安定飛行高度に到達するまでの間に、放電する雷雲内を安全に飛行する機体構造と、過剰電流が翼の先端から放電する作用を建物に応用すれば、如何なる高地に立てられた建物でも雷電流を防御でき得るであろうことに着目した。
【0008】
すなわち、落雷対策で最も考慮すべきは、雷雲Kから地表面Gまでの距離である。数十メートル以上の高層ビルに避雷針及び避雷器を取り付けることは一般的に行なわれているが、例えば、海抜50mの土地に建てられた平屋の建物は、平地に建てられた50mのビルの頂部の高さに相当するものであるのに関わらず、避雷対策は不十分であった。雷は決して避雷針のみに落ちるものではないので、建物に使用している全ての導電性材料に落雷する危険を想定し、かつ、誘導雷や静電気のようなノイズ電流をどのようにアースするかを考慮する必要がある。まして、敷地内や木造建築の屋根や、ビル建築の屋上・側面・ガラス窓等々に太陽光発電を設置することで、発電パネルを支えるための架台を金属製で支えるとすると、木造建築では太陽光発電パネルと架台とアンテナとが等電位接続されていないと、避雷針の役目になり落雷する可能性が大きくなり、等電位アース接続した架台の必要性を世界中のメーカーは考慮していないのが現状であり、パネルと蓄電池に対してもノイズ電流の回避回路として避雷器を接続することも考慮されていない。
【0009】
しかしながら、現在の建築仕様では、建物のどの部位に落雷したのかを判断するための特段の手法もなく、また、全ての導電ケーブルに誘導されたノイズ電流をコンセント内の等電位アース端子と大地アースに流すことができるコンセントボックスや中継ボックスも無い。一般的な建物のアース工法として、深度数m程度の地層にアース板やアース棒を複数本埋設することが行なわれているが、これらをアースケーブルを用いて等電位に接続したとしても、過剰電流はより深い地層に流す必要がある。その理由は、地面より数メートル程度の地層は湿潤しており、過剰電流が深い地層へ流れる前に、横方向の四方八方に流れてしまい、湿潤した大地は、あたかも電子部品を取り付けるマザーボードと同じ理論構成となるからである。
一方、諸外国 (とくにEU)では、ガス管・水道管に雷電流を流す工法が浸透しているようであるが、わが国では、阪神・淡路大震災等で配管自体が折れる経験をしていることから、地震の起きる頻度が高いアジアでは、アースをガス管や水道管に接続する技術者はいない。
【0010】
また、建物基礎等の型枠に生コンクリートを打設する前に、鉄筋に落雷したような場合を想定して試験する機器は存在しない。それは、雷は建物の頂部に落ちるという一般的な固定観念のもとで設計されているからである。したがって、工事中の落雷による人身事故、電気機器への影響、基礎コンクリートの破壊による建築物の脆弱化を認識することもできていないのが現状である。
【0011】
事実、建築途中の鉄骨や基礎コンクリート内又はフロアのコンクリート内に埋設されている鉄筋が落雷により破損あるいは溶解してしまうことがあり(OTWA第五回雷写真コンテストの銀賞写真「スケルトンビル」2007年6月14日撮影 於バンコク ラマ三世通り参照)、このような瑕疵は建物の施工後には確認し難く、漏電箇所の特定も困難である。このため、雷、静電気、電磁波等のサージ電流を模擬的に発生させることができるノイズ放電試験器を用いて、生コンクリート打設前の金属部位(鉄筋・鉄骨・骨組み・耐震金具・ガス管・水道管・吊り下げボルト等)の接続状態を検査することが肝要であり、建築後のビルメンテナンス時にも雷放電を模擬的に現場で実験し安全確認を怠らないことが肝要である。
【0012】
また、農業用ビニールハウスや工場、木造を含む平屋家屋には、従来型のA種・B種・C種・D種の接地工事が施されたアースケーブルと建物に使用している鉄筋・鉄骨及び、基礎に使用している鉄筋とアース棒・アース板又は、基礎杭に使用している金属と電気的に接続されていない。
【0013】
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、建物の基礎部分や各フロアのコンクリート内に埋設されている鉄筋や鉄骨、そして、等電位されているはずのビルに使用されている全ての金属が落雷により破壊あるいは溶解してしまうような瑕疵を生コンクリート打設前に検査することができるサージ電流放電工法及び放電試験器並びに放電監視方法とビル内・外に敷設されているケーブルに流れるノイズ電流(雷・静電気・電磁波)を大地に逃がし且つ蓄電池に蓄電し、充放電するエコ建築を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このため本発明の請求項1は、地上に敷設された光通信又は、無線システム(携帯電話)を使用した監視システムを備えた上水道・下水道・コンビナート・プラント・道路案内板システム・交差点用信号機又は車両監視システムや鉄道・高速道路・トンネル標識・電柱・ビニールハウスや建物に布設された容量の異なる避雷素子が直列・並列接続された避雷器を収納し、並列接続された収納ボックスのアース端子から雷・静電気・電磁波等の高電圧のサージ電流を擬似的に放電させるようにした高圧電流放電検査方法であって、該サージ電流の発生を視覚又は聴覚により知覚可能に構成されたノイズセンサーを設けると共に、高圧電流発生器を設け、該高圧電流発生器のプラス極に前記電源ケーブルを接続し、当該プラス極に対向配置されたマイナス極に高圧電流を放電し、放電耐久試験を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係るサージ電流放電工法は、地上に敷設された光通信又は、無線システム(携帯電話)を使用した監視システム・消防システム・防災システム・都市ガスシステム・上水道・下水道・コンビナート・プラント・道路案内板システム・交差点用信号機又は車両監視システムや鉄道・高速道路・トンネル標識・電柱・ビニールハウスや建物に布設された容量の異なる避雷素子を直列・並列接続された避雷器を収納し、直列又は並列に接続された電源、低・高電圧可変装置付き電流発生器、光通信ケーブル・通信系集線装置、TVチューナー、電源ケーブル、通信ケーブル及びアースケーブルを、電源ケーブル収納用配管、通信ケーブル収納用配管及びアースケーブル収納用配管内に敷設されたケーブルを区画して収納した金属製ボックスに、前記全てのケーブルを入線工事や、結線、メンテナンスする際に作業者から発生する静電気を、(直列・並列接続した放電容量の異なる避雷器素子の)避雷器回避回路のアース極に等電位接続されたリストバンド又は、静電対策マットにより除去することを特徴とする。
【0016】
請求項3に係るサージ電流放電工法は、請求項1又は請求項2記載のサージ電流放電工法において、アースケーブルにノイズセンサーを取り付けると共に、金属製ボックス内の等電位アース端子とアースケーブルとを建物のフロア鉄筋や、基礎コンクリート内の鉄筋又は基礎杭に接続し、ノイズ電流を大地に埋設された基礎杭と連結された電極に放電することを特徴とする。
【0017】
請求項4に係るサージ電流放電工法は、低・高圧可変装置付き電流発生器のプラス極と電線を、複数の中継コンセントボックス内のアース端子と導通されたボックス外端子、又は建物の耐震金具とアースケーブルを金属製ボックス内に引き込み、等電位アース端子に接続し、前記耐震金具と基礎コンクリート内の鉄筋を大地に埋設した放電電極のプラス極に導通接続し、放電する際はマイナス極がアース極になり、鉄筋の腐食と破断試験時には、プラス極がアース極に変換可能とし、ノイズセンサーからの信号を受信する報知器を設け、建物内外に設置してノイズ電流の発生又は、漏電電流を監視することを特徴とする。
【0018】
請求項5に係るサージ電流放電試験器は、絶縁性ボックス内に、低・高圧電流発生器と、商用電源又はブレーカーの一次側に接続可能なプラグを設け、キャスター又は肩掛けベルト又は携行用ハンドルを装備し、生コンクリートを打設する前の建物の基礎、各階フロア、柱、梁等の鉄筋又は、等電位接続された専用金属・金具に前記低・高圧電流発生器のプラス極を接続し、建設現場にて落雷による破損試験を模擬的に行うことを特徴とする。
【0019】
請求項6に係る放電監視方法は、木造住宅・ビニールハウス・園芸ハウス・仮設事務所・港のクレーン設備・プラントを含む、全ての建物に使用されているクレーン・アーム金具や筋交い金具・鉄筋・鉄骨と当該建物のコンクリート基礎内の鉄筋とに等電位接続されたアース極を接地し、設備内に直列・並列接続接地された電力供給ボックスと並列接続された、ノイズフィルターと容量の異なる避雷素子が直列・並列接続された避雷器を収納し、ボックス内外に等電位アース端子を設け、且つ、ボックス内を区分若しくは、一体化された埋込みタイプ及び露出タイプの2種の中継コンセントボックスを当該建物の支柱に取り付けると共に、分度器を取り付け、該分度器で、建物の基礎、柱・梁・桁等に垂下した錘の揺動を計測し、建物の傾斜を報知することを特徴とする。
【0020】
請求項7に係る放電監視方法は、ノイズ電流の発生を、有線又は無線で遠隔報知すると共に、落雷による基礎コンクリートの破壊、鉄筋からの火花放電による火災や地震時の建物の傾きを監視カメラで撮影して画像送信することを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る高圧電流放電工法は、絶縁性ボックスに内蔵された電流発生装置のプラス極に二極の端子を設け、一方の端子をアースに接続し、これら端子間に避雷器を介在させ、避雷器に流れる高圧電流を測定し、且つ、測定した高圧電流をアースケーブルに流し、一対の電極を絶縁状態で互いに対向させ、一方をプラス極、他方をマイナス極とし、高圧電流を印加し、プラス極からマイナス極に放電したときには、マイナス極がアース極として機能し、少量の電流が流れた時には、プラス極がアース極として機能するように、接続して等電位ボンディングアースすることを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る高圧電流放電工法は、木造住宅又は既設ビルの周囲に耐震補強金属を取付け、該耐震補強金属と、屋上の避雷針と、屋上又は建物の側面に設置されているテレビアンテナ・温水器・看板又は大型ディスプレイや、架台又は発電システムの金属部分と等電位接続し、既設のアースケーブルを全て前記耐震補強金属の梁筋に等電位接続し、直撃雷時の雷電流は、補強金具の四隅の柱と接続された基礎杭アース板から落雷電流を大地に逃がし、既設のアース接地(A・B・C・D種接地極)回路と梁筋とを並列接続し、全てのビルの屋内外に使用しているアースを等電位接続することで、雷サージ電流の回り込みを防止することを特徴とする。
【0023】
請求項10に係る高圧電流放電工法は、請求項9記載の高圧電流放電工法において、建物内の電力・電源・通信・信号・無線・テレビ等の全てのケーブルをシールド付き電線ケーブルとし、ノイズ(雷・静電気・電磁波・磁場)電流をアースに逃がすことを特徴とする。
【0024】
請求項11に係る高圧電流放電工法は、建築物の全フロアから流れるノイズ(雷・静電気・電磁波・磁場)電流を各フロアの鉄筋・鉄骨やアースケーブルに流れることを感知する、漏電用カレントセンサーを含む全てに流れる信号電流を大地に流すとともに、カレントセンサーと並列接続された蓄電池に蓄電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以下の優れた効果を奏する。
(1)建物の建築中に、基礎又は各フロアのコンクリート内に埋設されている鉄筋・鉄骨や等電位金具が、落雷により破壊や溶解してしまうような瑕疵を確認し、漏電箇所を認知することができる。
(2)新築・改築を問わず、木造及び、プラント・道路標識・交差点の信号設備や建物基礎工事における生コンクリート打設前の基礎鉄筋を含む各階ごとのフロア鉄筋・鉄骨や等電位金具等の金属部位の接続状態をセンサーで検査することができる。
【0026】
本発明に係るノイズ放電試験器は、携行可能なサイズの函状に構成され、建物に使用している鉄筋やアース棒・アース板の漏電や破断を、建築現場で基礎工事から各フロアの建設工事工程に準じて診断することができる。そして、建築後の建物への落雷が安全にアース放電されることを確認することができ、落雷時の雷ノイズが大地から各種電気機器へ回り込むことを防止する。また、放電時の漏電ルートを確認することもできる。
【0027】
また、本発明では、金属の酸化腐食や地震の際の崩壊状況を監視カメラで撮影し、施設内又は遠隔地において監視することもできる。そして、世界中のノイズ対策技術者の共通認識では、ノイズ電流は大地に埋設している金属アースから漏電又は、雷電流を含むノイズ電流を逃がし電子機器や火災を防止する技術が一般的であったが、航空機工学とガソリンエンジンのノイズ対策技術をビルフロアに応用し、太陽光発電・大自然の風とクーラー室外機のファンから出ている風を応用した新・風力発電とノイズ電流が大地に流れる電流を蓄電池に蓄電することで、地球温暖化防止ビルと応用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は海抜と雷の関係を模式的に示す説明図、図2はキルヒホッフの法則を説明する回路図、図3はビル骨組みの等電位構造を示す斜視図、図4はブリッジ回路を示す回路図、図5は既設ビルの避雷構造を示す斜視図、図6は本発明に係るビルフロア(フリーアクセス)の等電位構造を示す一部断面斜視図、図7は耐震補強鉄骨と等電位アース杭を示す斜視図、図8は図7のアース杭の使用状態を示す斜視図、図9は本発明に係る分電盤の構成を示す回路図、図10は基礎杭の高圧電流試験システムを模式的に示す説明図、図11及び図12は本発明に係るサージ電流放電監視方法を模式的に示す説明図、図13は害虫駆除高圧電流放電方法と監視システムを模式的に示す説明図、図14はビルの等電位工法の他の実施例を示す斜視図である。
【実施例】
【0029】
通常、雷雲Kは海抜数千mに位置するが、高地の建物T2は平地の建物T1と比較して、数百m単位で放電距離が接近しているのである(図1参照)。例えば、海抜800mの高地に10階建てのビルを建てた場合、決して最上階に落雷Sするとは限らない。また、航空機Pが雷雲Kに進入する際の摩擦抵抗で発生する静電気と雷雲Kの電荷の合成電流電圧を航空機Pの躯体は受けているが、機内の電子機器は守られ、翼に貯留された燃料にも引火しない。また、エンジンのノイズは抵抗で減衰されてしまうので、この翼からの放電理論を基礎杭アース盤に応用する。
【0030】
図2乃至図4に示す、キルヒホッフ回路やブリッジ回路から分かるように、平行なa−cとb−dの二本の電線の両端を並列接続し、eの電線の両端をa−cとb−dと並列接続した二本の電線の中間点に接続すると、aとbの両端に電圧がかかってもeの電線には電流が流れないことからも分かるように、ビルの四方の支柱11a、1b、1c及び1dに均等に雷電流が流れるのは避雷針に落雷Sしたときのみである。避雷針以外の場所(例えば、梁筋2等)に落雷Sした場合は、建物の基礎杭23の鉄筋等にアース板3を接続することでこの問題を解消できる。尚、基礎杭23をスクリュー状に形成すれば、大地への打ち込みも簡便になる。
【0031】
検証として、キルヒホッフの法則により、図4に示す電線等価回路上で、抵抗を、柱1a、柱1b、柱1c及び柱1dとすると、梁筋2には電流が流れないことが分かる。
【0032】
すなわち、図5乃至図6に示すように、ビル等を新築する際、フロア9のフリーアクセスFにおいては、四方の梁筋2からアースを取ると、フロア9内のアースが等電位になりゼロ抵抗に近くなる。各支柱1a、柱1b、柱1c及び柱1d間には、水平方向に延びる梁筋2が設けられ、梁筋2の略中点にはアースボックス(図示せず)を介して導線(アース線)が避雷器のアース側に接続されている。梁筋2は構造上、支筋1に対して電気抵抗が高い(導体が細い)ので、建物に誘導雷が襲来しても、梁筋2には所定値以上のサージ電流又は静電気が生じることがない。また、避雷針Hからは避雷導線15を介して地中に接地板23又は3aが並列接続される。この接地板3aは、所謂、A種接地工事(2003年6月までの接地工事種類・第1種接地工事;高圧及び高圧アース工事)のものであり、この他、B種接地工事(第2種接地工事;特別高圧又は、高圧電路と低圧電路との結合する変圧器の中世点又は一端子)、C種接地工事(第3種接地工事;低圧機器の絶縁が劣化した場合に機器の金属製外箱にかかる接触電圧を低減するためのアース工事)、D種接地工事(第4種接地工事;機械・機具の鉄台・避雷器、放出器、高圧ケーブルの防護装置の金属部分の絶縁抵抗100Ω以内アース工事)の夫々の接地板3a、3c、3dと電気的に接続されると共に、地中に埋設された建物の支柱1a、柱1b、柱1c及び柱1dと接続されて等価回路が形成される。
【0033】
したがって、如何なる建物においても、その骨組となる金属製の支柱1や梁2を利用して等電位アースすることが好ましい。しかしながら、2003年6月以前の国内アース工事規格は、A種10Ω、B・C種アース10Ω・D種100Ωと異なっていたため、既設建物の改築や耐震補強工事等においては、これらを改めて等電位アースする必要がある。
【0034】
図7に示すように、鉄骨の各支柱1a、柱1b、柱1c及び柱1dは基礎杭アース23に接続すると良い。既設ビルのアース板3(3a、3b、3c、3d)は3mから5mの地中に埋設されているのを利用して、基礎杭アース23と既設アース板3を等電位に接続することにより、例えば、建物の近隣の立木等に落雷があったとしても建物内部に繋がったアースケーブルにサージ電流は逆流しない。万一、逆流した場合は避雷器で防御する。
【0035】
基礎杭アース23は、例えば、図7及び図8に示すように、その下端部に径方向に拡張する複数の羽根板23aを取り付け、埋設孔25内で展翅させた状態でコンクリート25aで埋め戻すと、アース体の表面積が増えることになり大地との接触面積が広くなり直撃雷時の大電流も流すことができる。
【0036】
ここで、本発明に係るサージ電流放電工法は、建物に布設された避雷器のアース端子から雷・静電気・電磁波等の高電圧のサージ電流を擬似的に放電させるものであり、サージ電流の発生を視覚又は聴覚により知覚可能に構成されたノイズセンサー30を設けると共に、低・高圧電流発生装置32を設け、この低・高圧電流発生装置32のプラス極に電源ケーブルを接続し、当該プラス極に対向配置されたマイナス極に高圧電流を放電し、放電耐久試験を行うものである。
【0037】
具体的なサージ電流放電工法としては、例えば、図9に示すように、建物内に低・高電流発生装置32と漏電監視盤33を設けたノイズ回避ボックス10を装備する。ノイズ回避ボックス10は、災害時等の如何なる状況においても発信可能にするために、商用電源12と並列接続された自然エネルギーを利用した電源(太陽光発電・風力発電・振動発電)31、電源ケーブル12aやブレーカー14及び畜電池29が収納される分電機器収納スペース13Bと、携帯電話・無線の送受信装置26、PC用HUB27等が収納される電子機器収納スペース13Aとを金属製のシールド板15で区画して設け、電源ケーブル12aには、ギャプ式避雷器4で構成された放電回路を直列に接続し、放電時にグランドアース極Gに発生する跳ね返り波を吸収する放電跳ね返り波回避回路を構成する。さらに、電源ケーブル12aには、ブレーカー14を介して、コイル5と抵抗器6を並列接続又はコイル5とコンデンサー6を並列接続して構成されたコイル式ノイズフィルター7又は21のプラス・マイナス両極に、放電跳ね返り波回避回路のライン端子を並列に接続し、避雷器4のマイナス極に放電されたノイズ電流はフレーム(F・G)に流し、機器のスイッチ・オフ時に発生するアーク放電、グロー放電はコイル式ノイズフィルター7又は21で防御し、静電気以上の電圧及び高周波ノイズはギャップ式避雷器4で回避する。フィルター21の電源側とコンセント側にもギャプ式避雷器4を介在させ、敷地内に敷設された全ての(光通信・火災報知機・監視カメラ・セキュリティ・発電システム・クーラーシステム・上下水道設備のセンサー電源・電力)ボックスを並列接続する。
【0038】
分電機器収納スペース13Bには、商用電源12から引き込まれた電源ケーブル12aに、低・高周波ノイズフィルター21とアースケーブル11付の複数の避雷器4を、フェライトコア19を介して接続し、また、電源12と電源コンセント18の間には、コイル式ノイズフィルター21を設ける。例えば、避雷針やビルの最上階に近いブレーカー14には、大電流対応のIEC規格の50KA(キロアンペア)用10/350μsec又は40KA(キロアンペア)用8/20μSsecの直列・並列接続した避雷器や1.2/50μsec対応の20KA(キロアンペア)用ギャップ式避雷器4と、ギガヘルツ帯域(GHz)のコイル式高周波ノイズフィルター21を直列・並列接続する。
【0039】
ノイズ回避ボックス10内に外部から入線される光通信ケーブル28は、放電ギャップ式避雷器4を介して光通信ケーブル用HUB27Aに接続される。電子機器収納スペース13A内のPC用HUB27Bには、光通信ケーブル用HUB27Aから分岐されたケーブルが接続されるが、この通信ケーブルにも放電ギャップ式避雷器4とフェライトコア19が取り付けられている。また、PC用HUB27Bとアースケーブル11との間に抵抗器6を並列接続したコイル式ノイズフィルター5を設ける。尚、放電端子の一次側にリストバンド22を接続し、放電端子の二次側にアースケーブル11を接続し、入線工事の際に作業者から発生する静電気からPC等の電子機器を保護する。また、アースケーブル11にはカウンター付ノイズセンサー30を取付け、落雷回数やノイズ発生回数をカウントする。
【0040】
すなわち、既設建物への四方の耐震補強金具1Aと屋上の避雷針Hとを等電位に接続し、従来のアースケーブル全てを補強金具1Aの梁筋2に等電位接続する。ここで、建物内の電源ケーブル12には、ノイズを拾わないシールド付き電線ケーブルを使用するのが好ましい。監視システムでは、漏電用カレントセンサー34を設け、カレントセンサー34に流れる信号電流を集め蓄電することもできる。
【0041】
そして、電源12又は31、低・高電圧電流発生装置32、通信系集線装置、TVチューナー17、電源ケーブル、通信ケーブル及びアースケーブルを、電源ケーブル収納用配管40a、通信ケーブル収納用配管40b及びアースケーブル収納用配管40c内に区画して収納し、前記全てのケーブルを入線工事する際に作業者から発生する静電気をアースに接続されたリストバンド22により除去することができる。
【0042】
図10乃至図12に示すように、アースケーブル11にカレントセンサー(磁気測定センサー)34を取り付けると共に、金属製ボックス10内の等電位アース端子とアースケーブルとを建物の基礎コンクリート8内の鉄筋8a又は基礎杭23に接続し、ノイズ電流を大地に埋設された電極に放電する。
【0043】
低・高圧電流発生装置32のプラス極と電線を、複数の中継コンセントボックス35内のアース端子と導通されたボックス外端子、又は建物の耐震金具8bとアースケーブル11を金属製ボックス10内に引き込み、等電位アース端子に接続し、前記耐震金具と基礎コンクリート8内の鉄筋8aを大地に埋設した放電電極のプラス極に導通接続し、放電する際はマイナス極がアース極になり、鉄筋8aの腐食と破断試験を行う際には、プラス極がアース極に変換可能とし、ノイズセンサー30からの信号を受信する報知器を設け、建物内外に設置してノイズ電流の発生を監視することができる。
【0044】
絶縁性ボックス10A内に、低・高圧電流発生器32と、商用電源12又はブレーカー14の一次側に接続可能なプラグを設け、キャスター又は肩掛けベルト又は携行用ハンドル32aを装備し、生コンクリートを打設する前の建物の基礎8、各階フロア9、柱1、梁2等の鉄筋に前記低・高圧電流発生器のプラス極を接続し、落雷による破損試験を模擬的に行うことができる。
【0045】
図13に示すように、建物に使用されている金具(インサート等電位金具・セパレータ等電位金具・鉄筋接続金具)や鉄筋と当該建物のコンクリート基礎8内の鉄筋8aとに等電位接続されたアース極を接地し、埋込みタイプ及び露出タイプの2種の中継コンセントボックス37を当該建物の支柱1に取り付けると共に、分度器39を取り付け、該分度器39で、建物の基礎2、柱1、梁・桁2等に垂下した錘39aの揺動を計測し、建物の傾斜を報知する。
【0046】
ノイズ電流の発生を、有線又は無線で遠隔報知すると共に、落雷Sによる基礎コンクリート8の破壊、鉄筋8aからの火花放電による火災や地震時の建物の傾きを監視カメラ37で撮影して無線機38aで画像送信することで監視する。
【0047】
導電性ボックス10に内蔵された高・低圧電流発生装置32のプラス極に二極の端子を設け、一方の端子をアースに接続し、これら端子間に避雷器4を介在させ、避雷器4に流れる電流値を測定し、且つ、測定した高圧電流をアースケーブル11に流し、一対の電極を絶縁状態で互いに対向させ、一方をプラス極、他方をマイナス極とし、高圧電流を印加し、プラス極からマイナス極に放電したときには、マイナス極がアース極として機能し、少量の電流が流れた時には、プラス極のアース極として機能するように、接続して等電位ボンディングアースする。
【0048】
既設ビルの周囲に耐震補強金属を取付け、該耐震補強金属と、屋上の避雷針と、発電システムの金属部分と等電位接続し、既設のアースケーブルを全て前記耐震補強金属の梁筋に等電位接続する。
【0049】
導電性ボックス10A内に、低・高圧電流発生器32と、商用電源12又はブレーカー14の一次側に接続可能なプラグを設け、キャスター又は肩掛けベルト又は携行用ハンドル32aを装備し、建築現場に携行して、落雷試験電流を流して鉄筋の溶解等の異常を確認することがきる。具体的には、生コンクリートを打設する前の建物の基礎8、各階フロア9、柱1、梁・桁2等の鉄筋に低・高圧電流発生器のプラス極を接続し、落雷試験電流を流して鉄筋の溶解等の異常を確認することがきる。また、定期的に放電し、放電電流を流せば地中の害虫35やその卵35aの駆除もできるという副次的な効果がある。また、定期的に雷実験電流を流すことで、コンクリート内部の鉄筋に発生する錆を防止し、基礎アース杭23のコンクリート25a内にレキ岩を混入することでも酸化防止になる。
【0050】
尚、監視システムでは、カレントセンサーに流れる信号電流を集め、蓄電することが好ましい。発電は、太陽光発電や風力発電のみならず、ノイズ発電(カレントセンサーに流れる雷・静電気・電磁波)、クーラーの室外機と室内機の風力発電、騒音等の集音による音発電で行なうこともできる。
【0051】
また、図14に示すように、建物T1の屋上等に設置された太陽光発電パネルの架台41等の金属部位は、通常は等電位アースされていないので、落雷したときのサージ電流の逃げ道がない。そこで、木造住宅の基礎内の鉄筋や、耐震補強金具又は屋根に取り付ける太陽光発電を支えている金属金具や、ビルの4辺の耐震補強金属と屋上の避雷針Hと発電システムの金属とを等電位接続し、従来のアースケーブルを全て補強金属の梁筋に等電位接続するとよい。建物内の電源ケーブルは、シールド付き電線ケーブルとすれば、ノイズを拾わずに済む。また、ノイズ電流を大地に埋設したアース杭23に流すと共にノイズ電流を蓄電池に充電することで、風力・太陽光・振動・音声発電システムができる。
【0052】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、種々の応用変形が可能である。避雷器で保護される電気機器として、コンピューターを一例に挙げたが、被保護機器は、(変換)ハブ、分電盤、光ファイバーケーブル及びその関連機器等その他の電気機器または無人化された上水道・下水道設備・コンビナート設備・工場の設備等・監視カメラシステム、防災システム・セキュリティシステムの監視ルームと各階フロア又はサーバー監視システムフロア回路であってもよい。すなわち、光ファイバーのテンションメンバー、商用電源のコンセント部に各々避雷器を接続し、各避雷器を近くの梁筋にアース接続して避雷させることができる。また、上記実施例における引込線(電流線・電圧線)にはノイズを拾わないシールド線を使用するのが好ましい。
【0053】
また、無線基地局などの特殊な建物においても、全ての建物内部の通信・ネットワーク無線ボックスは、ノイズ対策コンセントボックスと分電盤の電源ブレーカーとフィルター式避雷器とを組み合わせることで、万全のノイズ対策を図ることができるものと考察される。
したがって、プラントや発電システムビル又は、既設ビルと新築ビルでは、航空機構学と、船舶。自動車等の等電位理論構成とノイズ対策としてエンジンプラグからの反射波防止対策と、大地の地層の深い基礎杭とアース板を一体にしてノイズ電流を逃がすと共に、ノイズ(雷・静電気・電磁波・磁場)電流を蓄電池に蓄電システムがエコビルとしての新システムで有り。ノイズ対策は、クッキングヒーターのように過剰の電流を電線に流すことで、全ての建築物からノイズ電流で温度が上昇する原因となる。電子機器のメーカーが、電子基盤内に実験室で流した基盤電流よりも多く流れていることで、熱が発生していることを防ぐシステムが大事である。
又、今後、一般家庭の駐車場や敷地内・ビル駐車場等に、電気自動車用の充電ボックスや、充電スタンド等が建設されて来ることから、ノイズ対策コンセントボックスや、監視カメラで撮影した映像をPCや携帯電話等の端末に受信して視認する監視システムは、太陽光発電や風力発電や振動発電と並列接続したノイズ発電システムを蓄電池に蓄えノイズ対策が施された設備が必要不可欠である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】海抜と雷の関係を模式的に示す説明図である。
【図2】キルヒホッフの法則を説明する回路図である。
【図3】ビル骨組みの等電位構造を示す斜視図である。
【図4】ブリッジ回路を示す回路図である。
【図5】既設ビルの避雷構造を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るビルフロア(フリーアクセス)の等電位構造を示す一部断面斜視図である。
【図7】耐震補強鉄骨と等電位アース杭を示す斜視図である。
【図8】図7のアース杭の使用状態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る分電盤の構成を示す回路図である。
【図10】基礎杭の高圧電流試験システムを模式的に示す説明図である。
【図11】本発明に係るサージ電流放電監視方法を模式的に示す説明図である。
【図12】本発明に係るサージ電流放電監視方法を模式的に示す説明図である。
【図13】害虫駆除高圧電流放電方法と監視システムを模式的に示す説明図である。
【図14】ビルの等電位工法の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 建物の支柱(支筋)
1A 耐震補強金具
1a 建物の支柱
1b 建物の支柱
1c 建物の支柱
1d 建物の支柱
2 梁・桁筋
3 大地に埋設されたアース板
3a アース板(A種)
3b アース板(B種)
3c アース板(C種)
3d アース板(D種)
4 ギャップ式避雷器
5 コイル
6 抵抗器又はコンデンサー
7 コイル式ノイズフィルター
8 コンクリート基礎
8a 基礎内の鉄筋
8b 耐震金具
9 ビルのフロア
10 ノイズ回避ボックス(室内)
10A ノイズ回避ボックス(室外)
11 アースケーブル
11a アースケーブルのアース端子
11b 光通信ケーブルのアース端子
12 商用電源
12a 電源ケーブル
13A 電子機器収納スペース
13B 分電機器収納スペース
14 ブレーカー
15 シールド板(金属板)
16 スイッチハブ
17 テレビチューナー
18 コンセントボックス
19 フェライトコア又は電磁石
20 LEDランプ装置
21 高周波ノイズフィルター
22 リストバンド
23 基礎杭アース
23a 羽根板
24 無線・携帯電話の送受信アンテナ
25 埋設孔
25a コンクリート
26 無線・携帯電話の送受信装置
27A 光通信ケーブルのHUB
27B PC用のHUB
28 光通信ケーブル
29 畜電池
30 カウンター付ノイズセンサー
31 自然エネルギー発電
32 低・高圧電流発生装置
32a 携行手段(キャスター又は肩掛けベルト又はハンドル)
33 漏電監視盤
34 カレントセンサー
35 害虫
35a 害虫の卵
36 放電電極棒
36a 電極棒のプラス極
36b 電極棒のマイナス極
37 中継コンセントボックス
38 監視カメラ
38a 無線機
39 分度器
39a 錘
40a 電源ケーブル収納用配管
40b 通信ケーブル収納用配管
41 クーラー室外機
42 太陽電池パネルの架台
T1 建物(コンクリートビル)
T2 建物(木造平屋)
S 落雷
K 雷雲
P 航空機
G グランドアース
F・G フレームアース
H 避雷針
F フリーアクセス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に敷設された光通信又は、無線システム(携帯電話)を使用した監視システムを備えた上水道・下水道・コンビナート・プラント・道路案内板システム・交差点用信号機又は車両監視システムや鉄道・高速道路・トンネル標識・電柱・ビニールハウスや建物に布設された容量の異なる避雷素子が直列・並列接続された避雷器を収納し、並列接続された収納ボックスのアース端子から雷・静電気・電磁波等の高電圧のサージ電流を擬似的に放電させるようにした高圧電流放電検査方法であって、該サージ電流の発生を視覚又は聴覚により知覚可能に構成されたノイズセンサーを設けると共に、高圧電流発生器を設け、該高圧電流発生器のプラス極に前記電源ケーブルを接続し、当該プラス極に対向配置されたマイナス極に高圧電流を放電し、放電耐久試験を行うことを特徴とするサージ電流放電検査方法。
【請求項2】
地上に敷設された光通信又は、無線システム(携帯電話)を使用した監視システム・消防システム・防災システム・都市ガスシステム・上水道・下水道・コンビナート・プラント・道路案内板システム・交差点用信号機又は車両監視システムや鉄道・高速道路・トンネル標識・電柱・ビニールハウスや建物に布設された容量の異なる避雷素子を直列・並列接続された避雷器を収納し、直列又は並列に接続された電源、低・高電圧可変装置付き電流発生器、光通信ケーブル・通信系集線装置、TVチューナー、電源ケーブル、通信ケーブル及びアースケーブルを、電源ケーブル収納用配管、通信ケーブル収納用配管及びアースケーブル収納用配管内に敷設されたケーブルを区画して収納した金属製ボックスに、前記全てのケーブルを入線工事や、結線、メンテナンスする際に作業者から発生する静電気を、(直列・並列接続した放電容量の異なる避雷器素子の)避雷器回避回路のアース極に等電位接続されたリストバンド又は、静電対策マットにより除去することを特徴とするサージ電流放電工法。
【請求項3】
各々のアース棒又はアース板を等電位アース接続されたアースケーブルにノイズセンサーを取り付けると共に、直列・並列した金属製ボックス内の等電位アース端子とアースケーブルとを建物の基礎コンクリート内の鉄筋を含む全ての鉄筋、鉄骨、を含む金属、又は、基礎コンクリート内の鉄筋、又は、基礎杭内の鉄筋又は金属と等電位接続されたアース電極板に接続し、ノイズ電流を大地に埋設された電極(柱と基礎杭アース板に接続された)に放電することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサージ電流放電工法。
【請求項4】
直列・並列接続された、低・高圧可変装置付き電流発生器のプラス極と電線を、複数(直列・並列接続)の中継コンセントボックス内のアース端子と導通されたボックス外端子、又は建物の耐震金具とアースケーブルを金属製ボックス内に引き込み、等電位アース端子に接続し、前記耐震金具と基礎コンクリート内の鉄筋を大地に埋設した放電電極のプラス極に導通接続し、放電する際はマイナス極がアース極になり、鉄筋の腐食と破断試験時には、プラス極がアース極に変換可能とし、ノイズセンサーからの信号を受信する報知器を設け、建物内外に設置してノイズ電流の発生を監視することを特徴とするサージ電流放電工法。
【請求項5】
絶縁性ボックス内に、低・高圧電流発生器と、商用電源又はブレーカーの一次側に接続可能なプラグを設け、キャスター又は肩掛けベルト又は携行用ハンドルを装備し、木造建築・ビニールハウス・園芸ハウス又は、工場で製作されたコンクリート壁内の鉄筋及び金属と生コンクリートを打設する前の建物の基礎、各階フロア、柱、梁・屋上の携帯電話用基地局又は無線鉄塔・避雷針・看板・クーラー室外機、水槽タンク等支持している金属や、鉄筋・鉄骨又は、等電位金属に前記低・高圧電流発生器のプラス極を接続し、落雷による破損試験を模擬的に行うことを特徴とするサージ電流放電試験工法及び試験器。
【請求項6】
木造住宅・ビニールハウス・園芸ハウス・仮設事務所・港のクレーン設備・プラントを含む、全ての建物に使用されているクレーン・アーム金具や筋交い金具・鉄筋・鉄骨と当該建物のコンクリート基礎内の鉄筋とに等電位接続されたアース極を接地し、設備内に直列・並列接続接地された電力供給ボックスと並列接続された、ノイズフィルターと容量の異なる避雷素子が直列・並列接続された避雷器を収納し、ボックス内外に等電位アース端子を設け、且つ、ボックス内を区分若しくは、一体化された埋込みタイプ及び露出タイプの2種の中継コンセントボックスを当該建物の支柱に取り付けると共に、分度器を取り付け、該分度器で、建物の基礎、柱・梁・桁等に垂下した錘の揺動を計測し、建物の傾斜を報知することを特徴とする放電監視方法。
【請求項7】
ノイズ電流の発生を、有線又は無線で遠隔報知すると共に、落雷による基礎コンクリートの破壊、鉄筋からの火花放電による火災や地震時の建物の傾きを監視カメラで撮影して画像送信(ノイズ対策された光通信・無線通信用ボックス)することを特徴とする建物の監視方法。
【請求項8】
絶縁性ボックスに内蔵された電流発生装置のプラス極に二極の端子を設け、一方の端子をアースに接続し、これら端子間に避雷器を介在させ、避雷器に流れる高圧電流を測定し、且つ、測定した高圧電流をアースケーブルに流し、一対の電極を絶縁状態で互いに対向させ、一方をプラス極、他方をマイナス極とし、高圧電流を印加し、プラス極からマイナス極に放電したときには、マイナス極がアース極として機能し、少量の電流が流れた時には、プラス極のアース極として機能するように、接続して等電位ボンディングアースすることを特徴とする高圧電流放電工法。
【請求項9】
木造住宅又は既設ビルの周囲に耐震補強金属を取付け、該耐震補強金属と、屋上の避雷針と、屋上又は建物の側面に設置されている温水器・テレビアンテナ・看板又は大型ディスプレイや、架台又は発電システムの金属部分と等電位接続し、既設のアースケーブルを全て前記耐震補強金属の梁筋に等電位接続し、直撃雷時の雷電流は、補強金具の四隅の柱と接続された基礎杭アース板又はアンカードリルアースから落雷電流を大地に逃がし、ビル内外に敷設されたケーブルに流れるノイズ電流を、金属製フリーアクセスフロアーと接続された、既設のアース接地(A・B・C・D種接地極)回路と梁筋とを並列接続し、全てのビルの屋内外に使用している、電力・電源・計装・通信ネットワークボックス内の等電位アース極とアースを等電位接続することで、雷サージ電流の回り込みを防止することを特徴とする高圧電流放電工法。
【請求項10】
建物内の全ての(電力・電源・無線・通信・テレビ)ケーブルをシールド付き電線ケーブルとし、シールドに流れる電磁波ノイズと、建物に使用している鉄筋・鉄骨に流れるノイズ(雷・静電気・電磁波)電流を、梁筋から大地に埋設した基礎杭アース板に流し、且つ、センサーに発生するノイズ電流を、フリーアクセスフロアー内か、蓄電池室の蓄電池に蓄電することを特徴とする請求項9記載の高圧電流放電工法。
【請求項11】
ビル内の鉄筋・鉄骨に流れる全てのノイズ(雷・静電気・電磁波)電流を大地内に埋設した基礎杭アース又はアース板に流れる時にカウントする漏電用を含む全てのカレントセンサーに流れる信号電流を集め、並列接続された蓄電池に蓄電し、屋外の発電設備と接続されたケーブルと屋内に敷設された蓄電池間を避雷器とフィルター回路でノイズ進入防止することを特徴とする高圧電流放電工法及び蓄電工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−54440(P2010−54440A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221870(P2008−221870)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(596038434)
【Fターム(参考)】