説明

等電点電気泳動装置

【課題】簡単な操作により、目標蛋白質を溶液状態かつ高率で回収することのできる等電点電気泳動装置を提供すること。
【解決手段】試料溶液を収容するサンプルチャンバを有する連結ブロックと、その連結ブロックを介して端面同士をサンプルチャンバ内の試料溶液に接するように配置された異なるpHを有する一対のゲル充填カラムと、からなる少なくとも1個の電気泳動モジュールと、各電気泳動モジュールの両端となる上記一対のゲル充填カラムの端部にそれぞれ接続され、電解液を収容するアノード槽とカソード槽と、そのアノード槽とカソード槽にそれぞれ配置されたアノードとカソードとを有する等電点電気泳動装置である。そのアノードとカソードとに通電することにより、一方のゲル充填カラムのpHと他方のゲル充填カラムのpHとの間に等電点を有する試料溶液中の目標タンパク質をサンプルチャンバ内に集束させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質の分離分析などに利用されている等電点電気泳動装置に関し、さらに詳しくは希望するpH範囲のタンパク質を選択的に回収可能な等電点電気泳動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蛋白質を構成するアミノ酸側鎖やアミノ末端、そしてカルボキシル末端の電荷は溶液のpHによって変化し、等電点では蛋白質全体の電荷がゼロとなる。等電点電気泳動とは、その蛋白質の等電点の違いにより、蛋白質を分離・同定する技術である。等電点電気泳動は、所定のpH勾配を有する泳動ゲル(例えばアクリルアミドゲル)に試料溶液を添加し、その泳動ゲルに電場をかけることにより行う。試料溶液中の蛋白質はその固有の等電点と同じpHに向かって泳動ゲル中を移動し、等電点と同じpHの場所で止まるため、その停止位置により蛋白質の同定が可能となる。
【0003】
図5は、従来の等電点電気泳動装置の構成の一例を示す模式正面図である。等電点電気泳動装置100は、カソード電解液を収容するカソード槽101とアノード電解液を収容するアノード槽102とが側壁103を介して接続された直立構造を有する。カソード槽101とアノード槽102との間には、固定化pH勾配を有する泳動ゲルが収容された複数のゲルカラム104が着脱可能に直立状態で配置されている。カソード槽101とアノード槽102の中には、それぞれカソードとアノード(不図示)が配設されている。
【0004】
この泳動装置を用い、例えば以下の方法により、蛋白質の分離及び回収を行っている。
試料溶液をゲルカラムに添加し、カソードとアノードとの間に電源(不図示)から所定電圧を印加する。これにより、試料溶液中の蛋白質は泳動ゲル内をカソード方向に移動する。そして、蛋白質はその固有の等電点と同じpHを有するゲル部分で移動を停止し濃縮され、蛋白質は単一のバンドとして分離される。所定時間、電圧を印加した後、ゲルカラムを泳動装置から取り外し、さらにカラムからゲルを取り出した後、染色処理を行う。次に、分離対象となる目標蛋白質を含む所定pH範囲のバンドをゲルから切り出す。そして切り出したバンドを緩衝液中に浸し、一晩放置することにより溶液中に目標蛋白質を抽出している(例えば、非特許文献1)。この際、抽出前にプロテアーゼを含む消化溶液でバンドを予め処理し、ペプチド断片として抽出、回収することもよく行われている。また、目標蛋白質を抽出する方法としては、切り出したゲルから目標蛋白質を電気泳動溶出させイオン交換体からなる吸着体に吸着させ、その後、吸着体からイオン交換により目標蛋白質を溶液状態で回収する方法も提案されている(特許文献1)。
【非特許文献1】「生化学実験講座(1)タンパク質の化学I−分離精製」,東京化学同人,1976年,p.253
【特許文献1】特開2004−155687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ゲルの特定のpH範囲を正確に特定し、かつ正確に切り出すことは困難であるという問題がある。また、切り出したゲルから目標蛋白質を溶液状態で抽出するには、複雑でかつ多くの工程からなる抽出操作が必要であり、目標蛋白質の回収率を向上させるのが困難であるという問題もあった。特に、試料中の目標蛋白質がμgオーダーの極微量である場合、回収率を向上させるのが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決し、簡単な操作により、目標蛋白質を溶液状態かつ高率で回収することのできる等電点電気泳動装置を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の等電点電気泳動装置は、試料溶液を収容するサンプルチャンバを有する連結ブロックと、該連結ブロックを介して端面同士をサンプルチャンバ内の試料溶液に接するように配置された異なるpHを有する一対のゲル充填カラムと、からなる少なくとも1個の電気泳動モジュールと、各電気泳動モジュールの両端となる上記一対のゲル充填カラムの端部にそれぞれ接続され、電解液を収容するアノード槽とカソード槽と、該アノード槽と該カソード槽にそれぞれ配置されたアノードとカソードとを有し、該アノードと該カソードとに通電することにより、一方のゲル充填カラムのpHと他方のゲル充填カラムのpHとの間に等電点を有する試料溶液中の目標タンパク質をサンプルチャンバ内に集束させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明の等電点電気泳動装置には、上記一対のゲル充填カラムの長さ方向に形成され、その一対のゲル充填カラムの端部をそれぞれ嵌合固定する一対の嵌合孔を有する連結ブロックを用いることができる。
【0009】
また、本発明の等電点電気泳動装置には、上記一対の嵌合孔を接続する連結孔であって、その一対の嵌合孔と同心配置されているサンプルチャンバを用いることができる。
【0010】
また、本発明の等電点電気泳動装置には、試料導入孔を有するサンプルチャンバを用いることができる。
【0011】
また、本発明の等電点電気泳動装置は、複数の電気泳動モジュールが長さ方向に配置され、かつ各電気泳動モジュールの両端がそれぞれアノード槽とカソード槽に接続されている構成とすることもできる。
【0012】
また、本発明の等電点電気泳動装置は、固定化pH勾配を有するゲル充填カラムを用いることもできる。すなわち、一対のゲル充填カラムを構成する第1のゲル充填カラムが長手方向に沿って第1のpHから第2のpHへと至る第1の固定化pH勾配を有する一方、第2のゲル充填カラムが第2のpHとは異なる第3のpHから第4のpHへと至る第2の固定化pH勾配を有する一対のゲル充填カラムと、からなる少なくとも1個の電気泳動モジュールを有しており、アノード槽とカソード槽とに通電することにより、第2のpHと第3のpHとの間に等電点を有する試料溶液中の目標蛋白質をサンプルチャンバ内に集束させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異なるpHを有する一対のゲル充填カラムをサンプルチャンバを有する連結ブロックを介して端面が試料溶液に接するように対向配置したので、一方のゲル充填カラムのpHと他方のゲル充填カラムのpHの間に等電点を有する目標蛋白質をサンプルチャンバ内に集束させることができるので、目標蛋白質を溶液状態で回収することが可能となる。これにより、従来のようにゲルからのバンドの切り出しや染色、そしてバンドからの抽出の操作が不要となり、短時間かつ容易に目標蛋白質を回収することができ、さらに極微量の蛋白質であっても、高率で回収することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る等電点電気泳動装置の構成の一例を示す模式斜視図である。本実施の形態に係る等電点電気泳動装置1は、長さ方向に並列配置された4個の電気泳動モジュール2と、各電気泳動モジュール2の両端のそれぞれが着脱可能に接続されたカソード槽6とアノード槽7と、カソード槽6とアノード槽7の中にそれぞれ配置されたカソード8とアノード9と、カソード8とアノード9に通電する電源16とから構成されている。電気泳動モジュール2は、連結ブロック3を介して着脱可能に連結された一対のゲル充填カラム、すなわち第1のゲル充填カラム4と第2のゲル充填カラム5とから構成されており、ゲル充填カラムの自由端がそれぞれアノード槽7とカソード槽6の嵌合孔(不図示)に着脱可能に嵌合されて接続されている。カソード槽8とアノード槽9は、上面が開放された溶液槽である。それぞれ、複数の電気泳動モジュール2の配列方向に沿って延在し対向する一対の主壁61,61及び71,71と、各電気泳動モジュールの長さ方向に沿って延在し対向する一対の側壁62,62及び72,72と、底壁63と73とから構成されている。カソード槽8とアノード槽9の両側壁62,72には係合穴を有する係合部材11が配設されており、対向する係合部材11,11の係合穴に固定バー10を通し嵌合固定させることにより、カソード槽8とアノード槽9とが対向状態で離間固定されている。
【0015】
図2は、電気泳動モジュール2を構成する連結ブロック3と一対のゲル充填カラム4,5との関係を示す模式分解斜視図である。連結ブロック3は、試料溶液を収容するサンプルチャンバ301を介して同心形成された一対の嵌合孔302,303と、表面からサンプルチャンバ301に達する試料導入孔304を有している。ゲル充填カラム4,5の端部をそれぞれ嵌合孔302,303に嵌合させることにより、パッキン(不図示)を介して一対のゲル充填カラム4,5を連結固定する。さらに、図3は、一対のゲル充填カラムを連結ブロックを介して連結させた時の連結ブロックの構造を示す模式正面図である。ゲル充填カラム4は、カラム12とその中に充填されたゲル14とから構成されている。ゲル充填カラム5も、同様にカラム13とその中に充填されたゲル15とから構成されている。ゲル充填カラム4,5の端面はサンプルチャンバ301を介して対向しており、試料導入孔304から試料溶液が導入されると、ゲル充填カラムの端面のゲルが試料溶液と接する。これにより、カソード8とアノード9に通電すると、試料溶液中の蛋白質がその荷電状態に応じてゲル充填カラムのゲル中を移動可能な状態となっている。
【0016】
連結ブロックには、ガラス又はアクリル樹脂のブロックを所定形状に成形加工したものを用いることができる。サンプルチャンバの形状や大きさは、試料溶液を導入するピペットチップや注射針等が導入可能で、対向配置された一対のゲル充填カラムの端面に試料溶液が接触可能であれば特に限定されない。好ましくは、対向配置される一対のゲル充填カラムの長さ方向に延び両端が開放した円筒形状であって、長さ方向の長さが2mm以上である。保持可能な試料溶液の最小容量に制限は無いが、好ましくは1μl以上である。
【0017】
また、ゲル充填カラムを連結ブロックに接続するには、サンプルチャンバの開放端とゲル充填カラムの端面を位置合わせして、フィルターあるいはパッキンを介して接続できる方法であれば特に限定されない。好ましくは、図2及び3に示すように、対向配置する一対のゲル充填カラムの長さ方向であってゲル充填カラムの端部を嵌合固定可能な一対の嵌合孔を連結ブロックに設けることができる。ゲル充填カラムの位置合わせと固定が容易となるからである。さらに好ましくは、図2及び3に示すように、サンプルチャンバを一対の嵌合孔を接続する連結孔とし、サンプルチャンバと一対の嵌合孔を同心配置した構成とすることができる。同心配置とすることにより、試料溶液中の蛋白質のゲル中での移動を容易として、目標蛋白質の分離、回収効率を高めることができる。
【0018】
また、連結ブロックにサンプルチャンバに達する試料導入孔を設けることができる。これにより、サンプルチャンバへの試料の導入が容易となる。この試料導入孔は電気泳動終了後、試料溶液を回収するための回収孔としても用いることができる。試料溶液の回収には、ピペットや注射器、そして減圧吸引等の方法を用いることができる。
【0019】
ゲル充填カラムには、ゲルをガラス製又はアクリル製の管からなるカラムに充填したものを用いることができる。カラムの大きさは特に限定されないが、内径1mm〜20mm、より好ましくは1mm〜10mmのものを用いることができる。
【0020】
また、ゲルには、一定pH又は固定化pH勾配を有するゲルを用いることができる。これらのゲルは、固定化pH勾配法(IPG法)に使用される、例えば、種々の等電点を有する側鎖を含むアクリルアミド誘導体から作製したゲルを用いることができる。IPG法に用いられるゲルを用いることにより、pH3から10の範囲で、0.001pH単位の違いでも分離することができるので、特定の等電点を持つ蛋白質を選択的に分離することができる。
【0021】
以下に、実施の形態に係る装置を用いた蛋白質の分離方法について説明する。
異なるpHを有するゲルを充填した第1のゲル充填カラム4(第1のpHを有する)と第2のゲル充填カラム5(第2のpHを有する)を作製する。次いで、図2に示すように第1のゲル充填カラム4と第2のゲル充填カラム5の端部を嵌合孔302,303にそれぞれ嵌合して固定し、電気泳動モジュール2とする。次いで、図1に示すように電気泳動モジュール2の両端をそれぞれアノード槽7とカソード槽6の嵌合孔に嵌合固定して接続する。使用しないアノード槽7とカソード槽6の嵌合孔は閉鎖する。ここで、より小さいpHのゲルを有するゲル充填カラムはアノード槽に接続する。例えば、第1のpHが第2のpHより小さい場合には、第1のゲル充填カラム4の自由端をアノード槽7に接続し、第2のゲル充填カラム5の自由端をカソード槽6に接続する。次いで、連結ブロック3のサンプルチャンバ301に試料導入孔304から試料溶液を注入する。次いで、アノード槽7とカソード槽6にアノード電解液(酸性電解液)とカソード電解液(塩基性電解液)を満たし、電源16を用いてアノード9とカソード8に通電する。通電により、等電点が低く全体として負の電荷を有する蛋白質はアノード側に移動し、等電点が高く全体として正の電荷を有する蛋白質はカソード側に移動するため、その等電点に応じて第1のゲル充填カラム側あるいは第2のゲル充填カラム側に移動する。一方、第1のpHと第2のpHとの間に等電点を持つ目標蛋白質は、サンプルチャンバ内に集束される。所定時間経過後、通電を中止し、サンプルチャンバから試料溶液を回収する。
【0022】
ここで、目標蛋白質を大量に分離する必要がある場合には、複数の同じ電気泳動モジュールをアノード槽7とカソード槽6とに同様に接続する。これにより、一度に目標蛋白質を溶液状態で大量に分離することができる。また、等電点の異なる複数の蛋白質を分離する必要がある場合には、目標蛋白質の等電点に応じて第1のpHと第2のpHの値を変化させたゲルを含む複数の電気泳動モジュールを作製して、アノード槽7とカソード槽6に接続することで、一度に種々の目標蛋白質を溶液状態で分離することができる。
【0023】
また、固定化pH勾配を有するゲルを用いる場合、第1のゲル充填カラムには長手方向に沿って第1のpHから第2のpHへと至る第1の固定化pH勾配を有するものを用い、第2のゲル充填カラムには第2のpHとは異なる第3のpHから第4のpHへと至る第2の固定化pH勾配を有するものを用いる。アノード槽とカソード槽とに通電することにより、第2のpHと第3のpHとの間に等電点を有する試料溶液中の目標タンパク質をサンプルチャンバ内に集束させることができる。これにより、目標蛋白質を溶液状態で分離できるのみならず、同時に試料溶液中の他の蛋白質の分離同定も可能となる。
【0024】
本実施の形態によれば、ゲルの切り出し及び染色が不要で、電気泳動後、抽出操作を行うことなく目標蛋白質を回収することができる。また、一定pHを有するゲル又は固定化pH勾配を有するゲルを用いることにより高精度にpHを制御することができるので、目標蛋白質のみを選択的に回収することができる。これにより、簡単な操作で、目標蛋白質を溶液状態かつ高率で回収することができる。
【0025】
また、複数の電気泳動モジュールを用いることができるので、一度に大量の目標蛋白質を回収することもできる。また、pHの組合せの異なる複数の電気泳動モジュールを用いることにより、同時に複数の目標蛋白質を回収することも可能である。また、試料溶液の量に応じてサンプルチャンバの容積の異なる連結ブロックを用いることができるので、試料溶液の量に影響されることなく、目標蛋白質の回収が可能である。
【0026】
また、現在、プロテオーム解析には二次元電気泳動法が用いられ、一次元目には等電点電気泳動法が用いられ、二次元目にはSDS電気泳動法が用いられている。本実施の形態に係る等電点電気泳動装置を用いて一次元目の等電点電気泳動を行えば高率で目標蛋白質を回収することができるので、目標蛋白質のみをアプライすることができ、二次元目のSDS電気泳動において目標蛋白質の分離能をさらに向上させることができる。また、従来は、ゲルを長時間保存することが困難なため、速やかにSDS電気泳動を行う必要がある。しかし、本実施の形態によれば目標蛋白質を溶液状態で保管できるので、より効率的に電気泳動を行うことも可能となる。
【0027】
なお、本実施の形態では、4個の電気泳動モジュールを用いた例を示したが、4個に限定されるものではない。必要に応じて1個以上の所望の数の電気泳動モジュールを用いることができる。
【0028】
実施の形態2.
本実施の形態は、電気泳動モジュールを構成するゲル充填カラムに、L字型カラムを用いた以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。
図4は、本実施の形態に係る等電点電気泳動装置の構成の一例を示す模式正面図である。本実施の形態に係る等電点電気泳動装置20は、一対のL字型のゲル充填カラム23,24を連結ブロック22に嵌合固定した電気泳動モジュール21を有しており、その電気泳動モジュール21の両端は、それぞれアノード槽7とカソード槽6の中に固定部材26,25により電解液に接触可能に保持されている。
【0029】
本実施の形態によれば、実施に形態1により得られると同様の効果のみならず、L字型のゲル充填カラムを用いるようにしたので、アノード槽とカソード槽との間の距離をより短くすることができ、装置をより省スペースな大きさとすることが可能となる。
【0030】
以上説明したように、本発明の等電点電気泳動装置によれば、簡単な操作で、目標蛋白質を溶液状態かつ高率で回収することができる。さらに、本発明の等電点電気泳動装置をSDS電気泳動装置と組み合わせることにより、二次元電気泳動において蛋白質の分離能をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1に係る等電点電気泳動装置の構成の一例を示す模式斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る等電点電気泳動装置の電気泳動モジュールの構造を示す模式分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る等電点電気泳動装置の電気泳動モジュールの構造を示す模式正面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る等電点電気泳動装置の構成の一例を示す模式正面図である。
【図5】従来の等電点電気泳動装置の構成の一例を示す模式正面図である。
【符号の説明】
【0032】
1,20 等電点電気泳動装置
2,21 電気泳動モジュール
3 連結ブロック
4,23 第1のゲル充填カラム
5,24 第2のゲル充填カラム
6 カソード槽
7 アノード槽
8 カソード
9 アノード
10 固定バー
11 係合部材
12,13 カラム
14,15 ゲル
16 電源
25,26 固定部材
61,71 主壁
62,72 側壁
63,73 底壁
301 サンプルチャンバ
302,303 嵌合孔
304 試料導入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料溶液を収容するサンプルチャンバを有する連結ブロックと、該連結ブロックを介して端面同士をサンプルチャンバ内の試料溶液に接するように配置された異なるpHを有する一対のゲル充填カラムと、からなる少なくとも1個の電気泳動モジュールと、
各電気泳動モジュールの両端となる上記一対のゲル充填カラムの端部にそれぞれ接続され、電解液を収容するアノード槽とカソード槽と、
該アノード槽と該カソード槽にそれぞれ配置されたアノードとカソードとを有し、
該アノードと該カソードとに通電することにより、一方のゲル充填カラムのpHと他方のゲル充填カラムのpHとの間に等電点を有する試料溶液中の目標タンパク質をサンプルチャンバ内に集束させるようにした等電点電気泳動装置。
【請求項2】
上記連結ブロックが、上記一対のゲル充填カラムの長さ方向に形成され、上記一対のゲル充填カラムの端部をそれぞれ嵌合固定する一対の嵌合孔を有する請求項1記載の等電点電気泳動装置。
【請求項3】
上記サンプルチャンバが、上記一対の嵌合孔を接続する連結孔であって、上記一対の嵌合孔と同心配置されている請求項2記載の等電点電気泳動装置。
【請求項4】
上記サンプルチャンバが、試料導入孔を有する請求項1から3のいずれか一つに記載の等電点電気泳動装置。
【請求項5】
複数の上記電気泳動モジュールが長さ方向に配置され、かつ各電気泳動モジュールの両端がそれぞれ上記アノード槽と上記カソード槽に接続されている請求項1から4のいずれか一つに記載の等電点電気泳動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−218781(P2007−218781A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40833(P2006−40833)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(596053068)京都市 (26)
【出願人】(500158096)
【出願人】(506202076)
【出願人】(506057177)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)