筒状リールシート及び釣り竿
【課題】 リールシートの端部と竿体との間隙を埋めるものの取付対象を竿体からリールシート自体に変更することによって、リールシートの竿体における取付位置を比較的自由に選択でき、かつ、リールシート単体としての取り扱い販売も容易に行えるリールシートを提供する。
【解決手段】 元竿3に装着される筒状リールシート4であって、筒状リールシート4における竿先側端及び竿元側端に、竿先側端及び竿元側端夫々を縁取る装飾リング17を取付け、装飾リング17の内周面径を元竿3の外周面径と同一径か又は大きな径に設定してある。
【解決手段】 元竿3に装着される筒状リールシート4であって、筒状リールシート4における竿先側端及び竿元側端に、竿先側端及び竿元側端夫々を縁取る装飾リング17を取付け、装飾リング17の内周面径を元竿3の外周面径と同一径か又は大きな径に設定してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竿体の所定箇所に装着されるシートボディに、リールの脚部を保持するフード部を備えてある筒状リールシート及び釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端においては、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間に内外径の相違により半径方向で間隙が存在する場合には、元竿3の外周面に取付用の糸を巻き付けてその間隙を埋め巻き付けた糸とシートボディ10の端部とに亘って樹脂塗料を塗って固める作業形態を採っていた(特許文献なし)。
【0003】
また、別の方法としては、固定側のフード部を構成する固定受体(公報内番号:2)の先端と竿体(公報内番号:1)との段差を埋めるべく、円錐台状の固定リング(公報内番号:60)を竿体に取付固定するものがあった(特許文献1)。
【特許文献1】実公平4−34692号公報(第3頁の第6欄第18行目から第21行目,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂塗料と糸で間隙を埋める形態では、糸を巻き付ける作業と樹脂塗料を塗布する作業が大変になっていた。
一方、固定リングを使用する特許文献1に記載のものでは、糸を巻き付ける作業や樹脂塗料を塗布する作業は必要ではないが、固定リングを竿体の外周面に取付固定するものである為に、固定リングの内周面径と竿体の外周面径とが合致した部分にのみその固定リングを余儀なくされる。
【0005】
そうすると、固定リングで端部を位置決めされるリールシート位置も必然的に決められてしまう。このことは、グリップ部とリールシートとの間隔が仕掛けの投げ性能に影響する投げ釣り等においては、個人に最適な間隔設定が行えないこととなり、竿として使い辛い面があった。
また、リールシートとは別部品として製作保管管理しなければならず、取り扱い面で煩雑になる虞もあった。
【0006】
本発明の目的は、リールシートの端部と竿体との間隙を埋めるものの取付対象を竿体からリールシート自体に変更することによって、リールシートの竿体における取付位置を比較的自由に選択でき、かつ、リールシート単体としての取り扱い販売も容易に行えるリールシートを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体に装着される筒状リールシートであって、前記筒状リールシートにおける竿先側端及び竿元側端に、前記竿先側端及び前記竿元側端夫々を縁取る装飾リングを取付け、前記装飾リングの内周面径を前記竿体の外周面径と同一径か又は大きな径に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
〔作用効果〕
つまり、装飾リングを導入することによって、竿体に装着されるリールシートの竿先側端及び竿元側端と、竿体外周面との間隙を無くすか必要最小限に押さえて、リールシートの竿先側端及び竿元側端と竿体外周面との間隙を目立たせなくするので、釣り竿としての外観が向上する。
そして、このような装飾リングを導入することによって、間隙部分を隠すための糸の巻き付けや樹脂塗料の塗布等を行う必要がなく、作業性が向上する。
しかも、装飾リングはリールシートの一部品として属することとなり、取り扱いが容易である。さらに、装飾リングの内周面径を竿体の外周面径と同一か大径に形成するので、ある程度リールシートの竿体に対する取付位置の自由度を確保でき、釣り人の好みに合った握り部からの位置にリールシートを取り付けることができる。
【0009】
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記竿体に外嵌装着されるシートボディにおける前記竿体を挿通する挿通孔の内周面に、前記挿通孔の軸芯に向けて突出する突条を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
従来、リールシートを所定位置に取り付ける場合に、シートボディの挿通孔の内周面径が竿体の外周面径より大径である場合には、竿体の外周面に糸巻き付け樹脂塗料等で固めて外周面径を大きくして、シートボディとの内外径差を解消することを行っていた。
しかし、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業に手間と煩雑な作業を必要とするところから、竿体の製作工程においてその能率を低下させるものとなっていた。
そこで、本願発明においては、竿体の製造時のバラツキにより、突条の内径が竿体の外周面径より小径になったとしても、突条が多少変形して内径を拡大することが可能である。また、突条の変形によっても対応できない場合であっても、突条の研削により大径化を図ることができる。
【0011】
いずれにしても、竿体の製造時の外径のバラツキを見込んで、突条の内径をやや小さく設定する構成によって、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要とせず、製造が容易になる。
しかも、元竿にリールシートを装着する際に、突条の変形が許す範囲で、釣り人が好みの位置を選定して取り付けることが容易に行え、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要としない。
そして、この突条と装飾リングの導入によって、リールシートを取り付ける際に、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要としないところから、作業能率の向上を図ることができた。
【0012】
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2記載の筒状リールシートを備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
リールシートの竿先側端及び竿元側端と竿体外周面との間隙を埋めるために、糸を竿体外周面に巻き付け樹脂塗料で固めるといった手間の掛かる処理作業を必要とせず、かつ、装飾リングがリールシート側に属しているので、装飾リングを取り付けたリールシートを元竿の竿元端から竿先側の任意の位置に設定することが容易に行え、仕掛けの遠投等に使用し易い釣り竿を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
投げ竿Aについて説明する。投げ竿Aは、図1に示すように、トップガイド1A、2番ガイドから6番ガイドまでの5つの釣り糸ガイド1Bを備えた一番竿1と、7番ガイド2Aを備えた二番竿2と、スピニングリール5を取付固定した筒状リールシート4と竿元端に握り部6とを備えた竿体としての元竿3とを、並継式に連結して構成してある。
【0015】
握り部6は、元竿3の径より大径に形成して、仕掛けを投げる際に握り部6を握る手が滑り難いようになっている。握り部6の外周面は円形の断面を呈するものでもよいが、楕円状に形成してもよい。つまり、図1に示す状態で、横幅が上下幅より広い楕円形に形成すれば、握る手に力を込めやすく、遠投が容易になる。
【0016】
筒状リールシート4について説明する。図2及び図3に示すように、筒状リールシート4は、筒状のシートボディ10、前後二つのカバー体11、12、後カバー体12の内部に可動式の脚押さえ体13、後カバー体12の竿元側にスリーブ14、スリーブ14の竿元側に可動式の脚押さえ体13を駆動移動させるべく竿の軸線方向には移動不能で回転可能なナット体15、ナット体15の竿元側にストッパー体16、ストッパー体16の後端と前カバー体11の前端とに装飾リング17、を備えて構成してある。
【0017】
筒状のシートボディ10について説明する。図3から図5に示すように、筒状のシートボディ10には、軸線方向に沿って竿先側端の開口と竿元側端の開口とに達する貫通孔10Aが形成されており、貫通孔10Aの内周面側には、図7〜図9に示すように、円周方向8箇所に貫通孔10Aの全長に亘る突条10aが形成されている。
【0018】
この突条10aの機能は元竿3の外周面に筒状のシートボディ10を密着状態で外嵌させるためである。種々の外径を有する元竿3であっても、突条10aの先端部が撓みを生易く、この筒状のシートボディ10の内周面を適合させることが可能になる。ただし、元竿3の外径が更に大径のものであれば、突条10aの内面を研削加工することによって、大径化を図り、大径の元竿3との適合性を確保することができる。
【0019】
このような突条10aを有していない従来構成の場合には、元竿3に適合させるために、糸を密着巻きに巻き付けて元竿3の外径を見掛け上大きくし筒状のシートボディ10の内周面との適合性を図っていたが、作業性の悪いものであった。
上記のような構成を採ることによって、種々の外径を有する元竿3に対して幅広く適合性を確保でき、筒状リールシート4を単独で販売することが容易になる。
また、元竿3の外径に対する適合性が高いので、元竿3の竿元から竿先側の任意の間隔位置に筒状リールシート4を位置固定することが容易に行え、釣り人の好みに対応した設置形態を容易に採ることができる。
【0020】
図3から図5に示すように、筒状のシートボディ10の竿先側端部には固定側のフード部7が設けられ、そのフード部7にスピニングリール5のリール脚5Aの竿先側に延出された前脚部5aを覆い押さえ作用する脚取付部10Bが形成されている。脚取付部10Bは、筒状のシートボディ10の外方に膨出する膨出部分10bと、膨出部分10bの内部に形成され前脚部5aを収納する凹部とを備えている。
【0021】
膨出部分10bは、スピニングリール5の前脚部5aを凹部内に収納した際に前脚部5aに密着して押し付け固定する際に、弾性変形して押さえつけ状態を強固にする機能を担っている。筒状のリールボディ10は、ナイロン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を材料として成形される。
従来、このような機能を担うものは、樹脂製のクッション材として別部品として構成され、リールの脚部を押さえ支持していた金属製の可動フードの内周面に接着固定されていた。しかし、可動フードの内周面に取り付ける作業が煩雑でかつ使用が長期に亘ると剥がれやすくなる欠点があった。
しかし、上記のように、クッション部材として機能するものをシートボディの一部として一体形成することが可能になったので、従来の欠点が解消できている。
【0022】
前カバー体11の取付構造について説明する。図3から図6に示すように、スピニングリール5の前脚部5aを収納する脚取付部10Bに、竿先開口端から軸線方向に沿って前脚部5aを収納する凹部の入り口近くに達する範囲で、外周を小さくする浅い削り代部分10cを設けてある。削り代部分10cは前脚部5aを収納する凹部の入り口付近において段差部分10dを形成してある。
【0023】
前カバー体11は、脚取付部10Bに外嵌被着されるものであるが、前記した浅い削り代部分10cをピッタリ覆う筒状体に形成されている。
図3及び図6に示すように、前カバー体11は、浅い削り代部分10cに被着された状態で前記段差部分10dより突出しないように、薄い金属で構成されている。金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニュウム等が採用される。ただし、金属以外の材料を使用する場合には、周方向に強化繊維を配した樹脂材を使用することも可能である。この場合には、熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂のエポキシ等の使用が可能である。これによって、金属を使用する場合に比べて軽量化等を図ることができる。
ここに、浅い削り代部分10cを、前カバー体11を取り付けるための取付用の座面と称する。
【0024】
筒状の前カバー体11は、図3〜図6に示すように、竿先端側が小径で膨出部10bを覆う部分が大径となる形状を呈している。浅い削り代部分10cに被着された状態で、前記段差部分10dにはまり込む形状となっており、筒状のシートボディ10の外周面と前カバー体11の外周面との間に段差の無い状態となっている。
このように、スピニングリール5の前脚部5aを取り付ける脚取付部10Bに前カバー体11を取り付けた状態で、前カバー体11と脚取付部10Bとの外周面を段差のない滑らかな面に形成できた。これによって、釣り操作時に、元竿3とスピニングリール5とを伴握りする釣り人の人指し指等が前カバー体11と脚取付部10Bとの境界面に掛かることとなるが、その部分が滑らかな面に形成してあるので、違和感が少なく釣り人の指が痛くならず、握りやすくなる。
【0025】
脚取付部10Bにおける膨出部10bは、クッション性を持たせた部分であるが、脚取付部10Bに金属製の前カバー体11を被着することによって、補強することができ、前脚部5aを収納しての取付状態を強固なものにできる。
ここに、前カバー体11と脚取付部10Bとで、固定側のフード部7を構成する。フード部7が保持する対象となるリールとしては、スピニングリール以外に両軸受リールであってもよい。
【0026】
装飾リング17について説明する。図3〜図6に示すように、装飾リング17は前カバー体11の竿先端に取付けられるものであり、筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端の端部処理を良好なものとするものである。
つまり、従来、筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端においては、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間に内外径の相違により半径方向で間隙が存在する場合には、元竿3の外周面に取付用の糸を巻き付けてその間隙を埋め巻き付けた糸とシートボディ10の端部とに亘って樹脂塗料を塗って固める作業形態を採っていた。そうすると、糸を巻き付ける作業と樹脂塗料を塗布する作業が大変になっていた。
【0027】
そこで、前記したように、装飾リング17を前カバー体11の竿先端の開口縁に取り付けることによって、糸を巻き付ける作業や樹脂塗布作業を必要としない。つまり、装飾リング17の内周面径を元竿3の外周面径と同一径か又は僅かに大きな径とすることによって、内周面径を元竿3の外周面径に適したものに形成することによって、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間の間隙を塞ぐことが容易になる。
【0028】
図3〜図6に示すように、装飾リング17は、外周面に大径部17aと小径部17bを有している。これによって、装飾リング17は、小径部17bを前カバー体11の竿先開口端の内周面に密着させ、大径部17aと小径部17bとの段差部分を前カバー体11の竿先端に当接させて、位置決めされるものである。大径部17aは前カバー体11の外周面と段差無い状態で繋がるように、同一外径に設定されている。装飾リング17は前カバー体11に接着固定される。装飾リング17としては、チタンやステン等の金属製のリングに構成する方がよいが、場合によっては樹脂で構成してもよい。
【0029】
次に、後カバー体12等を取付ける筒状のシートボディ10の構造について説明する。図4及び図5に示すように、筒状のシートボディ10の構造として、前記した脚取付部10Bから竿元側に向けて、リール脚取付面を含む中間取付部10Cを形成するとともに、後カバー体12の装着位置から竿元端までに中間取付部10Cより小径の竿元端部10Dを形成してある。
【0030】
図4、図6及び図7に示すように、中間取付部10Cから竿元端部10Dにかけてリール脚取付面の左右中心位置に、断面が僅かに円弧状に盛り上がっている円弧状受止面10eを形成してある。円弧状受止面10eは、軸線方向に沿った状態で、かつ、スピニングリール5の前脚部5aおよび後脚部5bの底面を受止る状態に設けてある。
断面が円弧状に盛り上がっている円弧状受止面10eの左右両端位置には、平坦面が形成してあり、リール脚5Aの左右両端及び脚押さえ体13の両端脚部13Cを受け止めることのできる平坦受止面10fに形成してある。
【0031】
図4及び図6に示すように、平坦受止面10fも円弧状受止面10eと同様に、竿元端まで形成されている。ただ、平坦受止面10fの中間取付部10Cにおける部分10gの左右幅は一定のものではない。まず、リール5の前脚部5aを収納する凹部の横幅に対応した広い部分から、一旦竿元端側に向けて細い幅になるとともに細い幅の中間部から竿元端側に向けて広い幅のものとなる。
平坦受止面10fにおける竿元端部10Dに対応した部分10hにおいては、二つの部分に区分けされており、竿先側の部分が広い幅の矩形部分であり、竿元側の部分が狭い幅の矩形部分に形成されている。
【0032】
次に、筒状のシートボディ10における中間取付部10Cと竿元端部10Dとの外周形状について説明する。図11〜図14に示すように、中間取付部10Cにおける平坦受止面10f及び円弧状受止面10e以外の外周部分10jは、筒状のシートボディ10の貫通孔10Aにおける軸線Xを中心とした半径R2の円弧を呈する。
【0033】
竿元端部10Dにおける竿先側半分における平坦受止面10f及び円弧状受止面10e以外の外周部分10kは、三つの部分に区画されている。左右の二つの部分は、半径が前記した中間取付部10Cの外周部分10jの半径R2に比べて何倍も大きな略直線に近い大径の左右円弧面10mを呈するものである。大径の左右円弧面10mに挟まれた下向き円弧面10nは、図13に示すように、筒状のシートボディ10の貫通孔10Aの半径とほぼ同様の半径による円弧状を呈するが、筒状のシートボディ10の貫通孔10Aにおける軸線X位置よりやや上方に位置する軸心Yを中心とした半径R3による円弧を呈する。
【0034】
図12〜図14に示すように、中間取付部10Cにおける外周部分10jと、竿元端部10Dにおける外周部分10kとの間には、円弧面の中心が間隔αだけ異なる芯ズレが生じている。そのことによって、図12に示すように、中間取付部10Cと竿元端部10Dとの境界面には段差10pが形成されている。また、芯ズレによって、図13に示すように、中間取付部10Cの下面部分の肉厚と竿元端部10Dの下面部分の肉厚とは、竿元端部側の方が薄くなっている。
この点による作用効果については後述する。
【0035】
筒状のシートボディ10の竿元端には、ストッパー体16を取り付ける構造が形成され、次のような構成となっている。図11、図12、図15に示すように、竿元端部10Dにおける竿元端の外周面10qは、貫通孔10Aの軸線Xを中心とし、竿元端部10Dにおける外周部分10kの半径R3より若干小径R4で形成されている。外周面10qには、上半分の左右に二つの突起10rが設けてあり、ストッパー体16を抜止固定する突起10rとして機能させている。
以上、シートボディ10としては、中央部にスリットが切られていてその部分で筒状となっていないもの、或いは、両端において下側部分が欠けているために筒状を呈していないものも含むものである。
【0036】
以上のような構成を採る筒状のシートボディ10に対して、後カバー体12、スリーブ14、ナット体15、ストッパー体16とを装着する。まず、後カバー体12の取付について説明する。図4から図6に示すように、後カバー体12は、薄い肉厚の筒状体であって、断面形状は、図7に示すように、下半部分12Aが円弧状を呈している。その断面形状における上方部分は、半径が下半部分12Aの半径の何倍にも大きな略直線状の部分12Bとなっており、左右直線状部分12Bの上方には、下半部分12Aの半径より大きく直線状部分12Bの半径より小さな半径を有する上端部12Cが形成されている。
【0037】
後カバー体12を、図3及び図6に示すように、筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌装着し、その後カバー体12の前端を、この竿元端部10Dと中間取付部10Cとの間に形成された段差10pに当接させて位置決めする構成を採っている。後カバー体12は、図6及び図7に示すように、下半部分12Aを筒状のシートボディ10の竿元端部10Dの下向き円弧面10nに密着する状態に、かつ、略直線状部分12Bを筒状のシートボディ10の中間取付部10Cの左右円弧面10mに密着する状態に取り付けられており、略直線状部分12Bの上半分と上端部12Cとは、平坦受止面10fと円弧状受止面10eとから離れた上方に位置する構成となっている。
後カバー体12の上端部12C及び略直線状部分12Bの上半分と、筒状のシートボディ10の平坦受止面10fと円弧状受止面10eとの間に形成された空間には、脚押さえ体13が挿入される。ここに、後カバー体12と脚押さえ体13とで可動側のフード部8を構成する。
【0038】
前記したように、後カバー体12を装着する筒状のシートボディ10の竿元端部10Dにおける下向き円弧面10nは、貫通孔10Aの軸芯Xよりリール脚取付部側に偏位した軸芯Yを中心とした円弧面に形成されている。つまり、図14に示すように、貫通孔10Aは軸芯Xを中心とした円弧面を呈し、下向き円弧面10nは軸芯Yを中心とした円弧面を呈するところから、貫通孔10Aと下向き円弧面10nとの間に形成される肉厚は、軸芯Xを中心として下向き円弧面10nを形成した場合に比べて薄くなっている。
【0039】
このように下向き円弧面10nを偏芯した軸芯Yを中心とした円弧面とすることによって、後カバー体12においても軸芯Yを中心として下半部分12Aを構成できる。そして、脚押さえ体13を収納するための収納空間を形成する為に、下半部分12Aの上方に直線状部分12Bと上端部12Cとを形成できる。
したがって、脚押さえ体13を収納するために、直線状部分12Bと上端部12Cとが図示した形状を維持するものであっても、中間取付部10Cの下半部分を薄肉に形成することによって下半部分12Aの形状を小さくできるので、後カバー体12の構造をコンパクトなものにできる。
そうすると、この部分に指を回してリール脚5Aとリールシート4とを伴握りする釣り人に採って握り易く、かつ、この薄い肉部分の形状も任意なものにできる。
【0040】
以上のような構成になる後カバー体12を筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌装着した状態で、後カバー体12の竿先側端は中間取付部10Cと竿元端部10Dとの接続部位に形成されている段差10pに当接して、後カバー体12の外周面を中間取付部10Cの外周部分10jと段差なく連続する状態に設置できる。
【0041】
後カバー体12は、筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌装着されるものであるが、この竿元端部10Dは、中間取付部10Cから一段切り下げ加工した部分であり、後カバー体12の取付座面に構成してある。
したがって、図6に示すように、後カバー体12は、その取付座面に外嵌被着された状態で、取付座面をピッタリ覆う筒状体に形成されている。また、その取付座面に被着された状態で前記段差10pより突出しないように、後カバー体12は薄い金属で構成されている。金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニュウム等が採用される。ただし、金属以外の材料を使用する場合には、周方向に強化繊維を配置した樹脂材を使用することも可能である。この場合には、熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂のエポキシ等の使用可能である。これによって、金属を使用する場合に比べて軽量化等を図ることができる。
【0042】
従来、筒状のシートボディ10の外周面に雄ネジ部を形成し、リール脚の前後脚部を収納固定する可動フードをナットとともにスライド移動させる形態を採っていた。そのような構成においては、雄ネジ部を形成した筒状のシートボディ10の外周面は、貫通孔10Aの軸芯を中心として円弧面に形成されているので、肉厚が厚くなり、そのために、可動フードの下半部分も大径のものとなり、結果的に可動フードは大型のものとなっていた。
【0043】
ここで、貫通孔10Aの軸芯Xを中心として、筒状のシートボディ10のリール取付面部分とは180°反対側での肉厚を薄くできるので、この部分に外嵌される後カバー体12も偏芯した軸芯Yを基準としてリール取付面側に偏位した状態で設けることができる。これによって、リール脚5Aの取付位置を貫通孔10Aの軸芯Xに対して偏芯した状態で設けることができ、実際の釣り時においては、リールシート4の下方に配置されるリール5の取付位置が下方に位置することとなり、釣り竿Aとしての重心が下がって安定する。
【0044】
また、このようにリールシート4がリール取付部側に若干偏位した状態となるので、寧ろ、楕円状のものを握る感覚に近いものとなる。つまり、元竿の下向きの面だけに板状のリールシートを取り付け、リールシートとリール脚とを伴に握り込む場合と同様の握り感覚を得られるのである。
板状のリールシートが元竿の外周面の下向き位相だけに取付られている場合には、円形を呈する元竿の下向き位相の部分が板状のリールシートの厚み分だけ外向きに突出していることとなっている。したがって、板状のリールシートを取り付けた元竿は、楕円状に近い状態を呈する。
そこで、完全な円形のリールシートを握る場合に比べて楕円状を呈する部分が抵抗となってリールシートを握る手が滑り難く、仕掛けを投げる投げ釣り操作に適したリールシートとすることができた。
【0045】
前記した後カバー体12の竿元端側には、スリーブ14が装着される。図4から図6、及び、図10に示すように、スリーブ14は、筒状体ではあるが、後カバー体12との竿先側の接続端14Aは斜め上向きに傾斜する開口となっている。その開口に直交する状態にスリーブ14の軸線が設定され、その軸線に沿って斜め方向にスリーブ14の外周面が形成されている。スリーブ14の竿元側の接続端14Bは上下向き姿勢の開口となっている。竿先側の接続端14Aには上端部分に竿先側に突出する鍔部14bを設けてあり、スリーブ14を後カバー体12の竿元側に装着した際に、鍔部14bが後カバー体12の竿元端側開口端に入り込み位置決めする機能を発揮する。
【0046】
図16及び図17に示すように、スリーブ14の内部に形成してある挿通孔14aは、筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌するように、竿元側の接続端14Bの開口に直交する状態に形成してあり、挿通孔14aは、スリーブ14の軸線とは交差する状態にある。したがって、スリーブ14の肉厚は、竿先側の接続端14Aにおいては、上端側が厚く下端側が薄い。反対に竿元側の接続端14Bにおいては、上端側が薄く下端側が厚い構成を採っている。以上のようにスリーブ14は、外側の筒状体の向きは斜め上向きであるが、内部に形成されている挿通孔14aは、水平向きに挿通されている。
【0047】
上記のようなスリーブ14を筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌すると、図6に示すように、鍔部14bが後カバー体12の竿元端側開口から内部に入り込み、後カバー体12の竿元端が鍔部14bを覆ってスリーブ14の竿先側の接続端に当接して両者の位置決めがなされる。
所定位置に装着されたスリーブ14は、後カバー体12の竿元端と段差無く繋がる状態で取り付けられており、リールシート4を握り込む釣り人に、違和感や手の痛みを与えることはない。
【0048】
図2、及び、図6に示すように、スリーブ14を取り付けた状態で筒状のシートボディ10の中間取付部10Cより外側に向けて突出する状態となっており、リールシート4とリール脚5Aとを伴握りする釣り人の手にスリーブ14の外面の突出部14cが当接して抜止機能を発揮して、釣り竿Aが強く引かれても手から擦り抜けることが抑制される。
【0049】
ナット体15について説明する。図2から図6及び図8、図10に示すように、ナット体15は略円筒状の形態を示しており、内周面に雌ネジ部15Aを形成してある。竿先側、及び、竿元側の開口部には、図5に示すように、斜めにカットされた円弧状隅部15aを形成して、丸味を帯びた形状に形成してある。外周面には、図8に示すように、大型のスプライン部15B構造が形成してあり、人為的にナット体15を回転操作する際の滑り止め構造としてある。
【0050】
図6及び図10に示すように、ナット体15とスリーブ14と後カバー体12の内部空間には脚押さえ体13が挿入され、脚押さえ体13でスピニングリール5の後脚部5bを押さえ作用すべく構成してある。
【0051】
脚押さえ体13について説明する。図2〜図6、図8及び図10、図18〜図20に示すように、脚押さえ体13は、竿先側に配置された頭部13Aと、頭部13Aの竿元側に配置されたネジ部13Bとで構成されている。頭部13Aは、略アーチ状の形状を呈しており、円弧状の外周面13aを後カバー体12の内周面に摺接させてスライド移動するように構成してある。図20に示すように、頭部13Aの内周面側には略アーチ状の天井面13bと左右の縦壁面13cとで囲まれた凹入空間13dが形成してあり、その凹入空間13d内にスピニングリール5等の後脚部5bを挿入して、押さえ固定するように構成してある。
【0052】
ネジ部13Bについて説明する。図18及び図19に示すように、ネジ部13Bは、頭部13Aに比べて薄くかつ略長方形状を呈し、その長方形状の上面に雄ネジ13eが形成してある。雄ネジ13eがナット体15の雌ネジ部15Aに咬合し、ナット体15の回転によって、脚押さえ体13が竿線方向に沿ってスライド移動可能に構成してある。
【0053】
図19及び図20に示すように、頭部13Aに形成された凹入空間13dの竿元端からネジ部13B内の底面部に至る状態で、上向きに凹入する円弧断面の凹入路13fが形成してあり、筒状シートベース10に形成された円弧状受止面10eに凹入路13fが上方から当接して、竿線方向からズレなく移動できるように構成してある。
【0054】
頭部13Aにおける縦壁面13cを備えている部分は頭部13Aを支持する脚部13Cとなっており、この脚部13Cの底面が筒状シートベース10の平坦受止面10fに載置されて、脚押さえ体13がスライド移動するようになっている。
ここに、脚押さえ体13とその脚押さえ体13を被覆してガイドする後カバー体12とでフード部を構成する。
【0055】
以上のように、頭部13Aに脚部13Cが形成されており、かつ、頭部13Aの上面は後カバー体12の内周面に摺接しているので、脚押さえ体13のスライド移動がフラツキなく行え、ナット体15のフラツキも少なく回転操作も円滑に行える。
【0056】
従来は、脚押さえ体13は、リールの脚部を挿入して押さえるべく、アーチ状のフードを備えた可動体で構成されており、この可動体が筒状シートベース10に形成したネジ部を移動することによって、リール脚部を取り付ける状態と固定する状態とに切り換えていた。したがって、可動体がフラツキ易く、リール脚を支持する姿勢が安定しなかった。
【0057】
ストッパー体16について説明する。図2〜図6及び図21〜図23に示すように、ナット体15の更に竿元側にストッパー体16は位置する。ストッパー体16は、略筒状のものであり、竿先側開口端16Aが大径で竿元側開口端16Bが小径に形成され、図22において、上端部分が肉厚で、下端部分が肉薄に徐々に変化する厚みに構成されている。図21に示すように、ストッパー体16の外周面は、図面上軸線を挟んで上方側の面においては、竿元側に徐々に縮径する緩傾斜面16aと緩傾斜面16aの更に竿元側に急傾斜面16bとを備えており、図面上軸線を挟んで下方側の面においては、竿先端から竿元端に亘って徐々に縮径する緩傾斜面16aに形成してある。
【0058】
図21〜図23に示すように、ストッパー体16の内部空間には軸線方向に沿って貫通する貫通孔16Cが形成され、貫通孔16Cにおける竿先端側に、筒状のシートボディ10の竿元端10Sに外嵌合する嵌合孔16cと、嵌合孔16cより小径な位置決め孔16dを形成してある。嵌合孔16cにおける竿先端側開口端には、内向きに突出する突条16eが周方向に沿って姿勢で上半分に亘って設けてあり、突条16eを筒状のシートボディ10の竿元端10Sに螺合して、ストッパー体16をシートボディ10の竿元側端に取付固定でしる。
【0059】
つまり、図11、図12及び図23に示すように、筒状のシートボディ10の竿元端10sには、竿元端部10Dにおける外周部分10kより小径に形成されている外周面10qとその外周面10qより竿元端側に位置する突起10rとが形成してある。これに対して、図6及び図9に示すように、突条16eを外周面10qに当接するようにかつ突起10rの竿先側に位置するように嵌め込み嵌着することによって、ストッパー体16を所定状態に取付固定できる。ストッパー体16が筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに嵌合固定された状態で、その外周面はナット体15の外周面と滑らかに繋がって、リールシート4とリールとを伴握りする手に、違和感を与えず、手を圧迫することがない。
【0060】
具体的に、このストッパー体16を筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに嵌合固定する方法は次のようになっている。まず、図23に示す、ストッパー体16の突条16eをシートボディ10の竿元端10sの突起10rが存在しない位相となる姿勢に設定して、ストッパー体16を被せ、その突条16eが筒状のシートボディ10の竿元端部10Dの小径外周面10qに当接する位置まで軸線方向に沿って動かす。突条16eが小径外周面10qに至ると、ストッパー体16を円周方向に180°反転させて、突条16eが筒状のシートボディ10の竿元端部10Dにおける突起10rの竿先側に入り込む状態にして、突条16eと突起10rとを圧接させてストッパー体16のシートボディ10に対する取付状態を固定する。
【0061】
以上説明したように、ナット体15は、スリーブ14とストッパー体16とに挟まれて、筒状のシートボディ10の軸線方向には移動不能に構成してある。円周方向に回転のみ可能である。一方、筒状のシートボディ10の軸線方向に移動するものは、脚押さえ体13であり、脚押さえ体13は、後カバー体12、ナット体15の内部空間内に収納されている。したがって、ナット体15に形成された雌ネジ部15Aと脚押さえ体13の雄ネジ部13eは表には出てはいない。
【0062】
従来は、前記したように、筒状のシートボディ10に円周方向全周に亘ってネジ部を刻設し、このネジ部にナットを螺合させ、リール脚を保持する可動フードをシートボディの軸線方向に沿ってスライド移動可能に構成していた。これによって、ネジ部に螺合したナットを回転駆動することによってナットとともに可動フードをスライド移動させて、リール脚を保持する状態とリール脚より離間する状態とに切り換えていた。
【0063】
上記したような構成を採っていたので、ネジ部の長さを可動フードが移動できるだけの十分な長さとするために、そのネジ部の部分が可動フード及びナットから大きくはみ出して表出することとなり、そのネジ部にリール脚とリールシートとを伴握りする手が接触して、手に違和感を与え手を痛くする虞があった。
また、ナットに手が触れるところから、仕掛けを投入する際等に竿を振ると同時にナットを緩め操作するところからナットが釣り操作の途中で緩みを生じたり、ナットを可動フードとともに移動させる必要から、ナットとネジ部との咬合状態は比較的甘く設置されており、ナットがネジ部に螺合した状態であっても、多少ナットにガタツキが生ずる等の欠点があった。
【0064】
これに対して本願発明においては、ネジ部15A、13eが表出していないので、ネジ部15A、13eにリール脚5Aとリールシート4とを伴握りする手が接触することはなく、違和感が少なく、手が痛くなることがない。ナット体15は筒状のシートボディ10の軸線方向には移動不能に取付られているので、ナット体15が緩みを生ずることはなく、ガタツキを生ずることはない。
【0065】
ストッパー体16の更に竿元側には、装飾リング17が設けてある。この装飾リング17については、先に説明したのでここでは、簡単に述べる。
図2〜図6に示すように、装飾リング17は、外周面に大径部17aと小径部17bを有しており、小径部17bをストッパー体16の竿元開口端の内周面に密着する状態で装着される。大径部17aと小径部17bとの段差部分をストッパー体16の竿元端に当接させて、装飾リング17は位置決めされるものである。大径部17aはストッパー体16の外周面と段差の無い状態で繋がるように、同一外径に設定されている。装飾リング17はストッパー体16に接着固定される。
【0066】
〔別実施形態〕
(1) 装飾リング17を取り付ける対象として、竿先側端においては前カバー体11、竿元側端においてはストッパー体16を選定しているが、シートボディ10の竿先側端及び竿元側端に取り付ける構成を採ってもよい。
(2) 装飾リング17の内周面径としては、元竿3の外周面径と同一径か又は僅かに大きな径に設定することができる。
(3) 上記リールシート4を適用する釣り竿Aとしては、前記した投げ竿だけでなく、磯竿、船竿等に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】投げ竿を示す組み立て前の側面図
【図2】リールシートにリールを取り付けた状態を示す側面図
【図3】リールシートを示す斜視図
【図4】リールシートを示す分解斜視図
【図5】リールシートを組み立てる前の状態を示す縦断側面図
【図6】リールシートにリールを取り付けた状態を示す縦断側面図
【図7】図6におけるVII―VII線断面図
【図8】図6におけるVIII―VIII線断面図
【図9】図6におけるIX―IX線断面図
【図10】(a)可動側のフード部でリール脚を保持する前の状態を示す縦断側面図、(b)可動側のフード部でリール脚を保持した状態を示す縦断側面図
【図11】シートボディを示す平面図
【図12】シートボディを示す側面図、
【図13】図12におけるXIII―XIII線断面図
【図14】図12におけるXIV―XIV線断面図
【図15】図12におけるXV―XV線断面図
【図16】スリーブの側面図
【図17】スリーブの前面図
【図18】脚押さえ体の平面図
【図19】脚押さえ体の側面図
【図20】脚押さえ体の縦断正面図
【図21】ストッパー体の縦断側面図
【図22】図21におけるXXII―XXII線断面図
【図23】ストッパー体をリールボディの竿元端に取り付ける前の状態を示す分解斜視図
【符号の説明】
【0068】
3 元竿(竿体)
4 リールシート
17 装飾リング
【技術分野】
【0001】
本発明は、竿体の所定箇所に装着されるシートボディに、リールの脚部を保持するフード部を備えてある筒状リールシート及び釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端においては、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間に内外径の相違により半径方向で間隙が存在する場合には、元竿3の外周面に取付用の糸を巻き付けてその間隙を埋め巻き付けた糸とシートボディ10の端部とに亘って樹脂塗料を塗って固める作業形態を採っていた(特許文献なし)。
【0003】
また、別の方法としては、固定側のフード部を構成する固定受体(公報内番号:2)の先端と竿体(公報内番号:1)との段差を埋めるべく、円錐台状の固定リング(公報内番号:60)を竿体に取付固定するものがあった(特許文献1)。
【特許文献1】実公平4−34692号公報(第3頁の第6欄第18行目から第21行目,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂塗料と糸で間隙を埋める形態では、糸を巻き付ける作業と樹脂塗料を塗布する作業が大変になっていた。
一方、固定リングを使用する特許文献1に記載のものでは、糸を巻き付ける作業や樹脂塗料を塗布する作業は必要ではないが、固定リングを竿体の外周面に取付固定するものである為に、固定リングの内周面径と竿体の外周面径とが合致した部分にのみその固定リングを余儀なくされる。
【0005】
そうすると、固定リングで端部を位置決めされるリールシート位置も必然的に決められてしまう。このことは、グリップ部とリールシートとの間隔が仕掛けの投げ性能に影響する投げ釣り等においては、個人に最適な間隔設定が行えないこととなり、竿として使い辛い面があった。
また、リールシートとは別部品として製作保管管理しなければならず、取り扱い面で煩雑になる虞もあった。
【0006】
本発明の目的は、リールシートの端部と竿体との間隙を埋めるものの取付対象を竿体からリールシート自体に変更することによって、リールシートの竿体における取付位置を比較的自由に選択でき、かつ、リールシート単体としての取り扱い販売も容易に行えるリールシートを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体に装着される筒状リールシートであって、前記筒状リールシートにおける竿先側端及び竿元側端に、前記竿先側端及び前記竿元側端夫々を縁取る装飾リングを取付け、前記装飾リングの内周面径を前記竿体の外周面径と同一径か又は大きな径に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
〔作用効果〕
つまり、装飾リングを導入することによって、竿体に装着されるリールシートの竿先側端及び竿元側端と、竿体外周面との間隙を無くすか必要最小限に押さえて、リールシートの竿先側端及び竿元側端と竿体外周面との間隙を目立たせなくするので、釣り竿としての外観が向上する。
そして、このような装飾リングを導入することによって、間隙部分を隠すための糸の巻き付けや樹脂塗料の塗布等を行う必要がなく、作業性が向上する。
しかも、装飾リングはリールシートの一部品として属することとなり、取り扱いが容易である。さらに、装飾リングの内周面径を竿体の外周面径と同一か大径に形成するので、ある程度リールシートの竿体に対する取付位置の自由度を確保でき、釣り人の好みに合った握り部からの位置にリールシートを取り付けることができる。
【0009】
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記竿体に外嵌装着されるシートボディにおける前記竿体を挿通する挿通孔の内周面に、前記挿通孔の軸芯に向けて突出する突条を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
従来、リールシートを所定位置に取り付ける場合に、シートボディの挿通孔の内周面径が竿体の外周面径より大径である場合には、竿体の外周面に糸巻き付け樹脂塗料等で固めて外周面径を大きくして、シートボディとの内外径差を解消することを行っていた。
しかし、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業に手間と煩雑な作業を必要とするところから、竿体の製作工程においてその能率を低下させるものとなっていた。
そこで、本願発明においては、竿体の製造時のバラツキにより、突条の内径が竿体の外周面径より小径になったとしても、突条が多少変形して内径を拡大することが可能である。また、突条の変形によっても対応できない場合であっても、突条の研削により大径化を図ることができる。
【0011】
いずれにしても、竿体の製造時の外径のバラツキを見込んで、突条の内径をやや小さく設定する構成によって、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要とせず、製造が容易になる。
しかも、元竿にリールシートを装着する際に、突条の変形が許す範囲で、釣り人が好みの位置を選定して取り付けることが容易に行え、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要としない。
そして、この突条と装飾リングの導入によって、リールシートを取り付ける際に、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要としないところから、作業能率の向上を図ることができた。
【0012】
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2記載の筒状リールシートを備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
リールシートの竿先側端及び竿元側端と竿体外周面との間隙を埋めるために、糸を竿体外周面に巻き付け樹脂塗料で固めるといった手間の掛かる処理作業を必要とせず、かつ、装飾リングがリールシート側に属しているので、装飾リングを取り付けたリールシートを元竿の竿元端から竿先側の任意の位置に設定することが容易に行え、仕掛けの遠投等に使用し易い釣り竿を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
投げ竿Aについて説明する。投げ竿Aは、図1に示すように、トップガイド1A、2番ガイドから6番ガイドまでの5つの釣り糸ガイド1Bを備えた一番竿1と、7番ガイド2Aを備えた二番竿2と、スピニングリール5を取付固定した筒状リールシート4と竿元端に握り部6とを備えた竿体としての元竿3とを、並継式に連結して構成してある。
【0015】
握り部6は、元竿3の径より大径に形成して、仕掛けを投げる際に握り部6を握る手が滑り難いようになっている。握り部6の外周面は円形の断面を呈するものでもよいが、楕円状に形成してもよい。つまり、図1に示す状態で、横幅が上下幅より広い楕円形に形成すれば、握る手に力を込めやすく、遠投が容易になる。
【0016】
筒状リールシート4について説明する。図2及び図3に示すように、筒状リールシート4は、筒状のシートボディ10、前後二つのカバー体11、12、後カバー体12の内部に可動式の脚押さえ体13、後カバー体12の竿元側にスリーブ14、スリーブ14の竿元側に可動式の脚押さえ体13を駆動移動させるべく竿の軸線方向には移動不能で回転可能なナット体15、ナット体15の竿元側にストッパー体16、ストッパー体16の後端と前カバー体11の前端とに装飾リング17、を備えて構成してある。
【0017】
筒状のシートボディ10について説明する。図3から図5に示すように、筒状のシートボディ10には、軸線方向に沿って竿先側端の開口と竿元側端の開口とに達する貫通孔10Aが形成されており、貫通孔10Aの内周面側には、図7〜図9に示すように、円周方向8箇所に貫通孔10Aの全長に亘る突条10aが形成されている。
【0018】
この突条10aの機能は元竿3の外周面に筒状のシートボディ10を密着状態で外嵌させるためである。種々の外径を有する元竿3であっても、突条10aの先端部が撓みを生易く、この筒状のシートボディ10の内周面を適合させることが可能になる。ただし、元竿3の外径が更に大径のものであれば、突条10aの内面を研削加工することによって、大径化を図り、大径の元竿3との適合性を確保することができる。
【0019】
このような突条10aを有していない従来構成の場合には、元竿3に適合させるために、糸を密着巻きに巻き付けて元竿3の外径を見掛け上大きくし筒状のシートボディ10の内周面との適合性を図っていたが、作業性の悪いものであった。
上記のような構成を採ることによって、種々の外径を有する元竿3に対して幅広く適合性を確保でき、筒状リールシート4を単独で販売することが容易になる。
また、元竿3の外径に対する適合性が高いので、元竿3の竿元から竿先側の任意の間隔位置に筒状リールシート4を位置固定することが容易に行え、釣り人の好みに対応した設置形態を容易に採ることができる。
【0020】
図3から図5に示すように、筒状のシートボディ10の竿先側端部には固定側のフード部7が設けられ、そのフード部7にスピニングリール5のリール脚5Aの竿先側に延出された前脚部5aを覆い押さえ作用する脚取付部10Bが形成されている。脚取付部10Bは、筒状のシートボディ10の外方に膨出する膨出部分10bと、膨出部分10bの内部に形成され前脚部5aを収納する凹部とを備えている。
【0021】
膨出部分10bは、スピニングリール5の前脚部5aを凹部内に収納した際に前脚部5aに密着して押し付け固定する際に、弾性変形して押さえつけ状態を強固にする機能を担っている。筒状のリールボディ10は、ナイロン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を材料として成形される。
従来、このような機能を担うものは、樹脂製のクッション材として別部品として構成され、リールの脚部を押さえ支持していた金属製の可動フードの内周面に接着固定されていた。しかし、可動フードの内周面に取り付ける作業が煩雑でかつ使用が長期に亘ると剥がれやすくなる欠点があった。
しかし、上記のように、クッション部材として機能するものをシートボディの一部として一体形成することが可能になったので、従来の欠点が解消できている。
【0022】
前カバー体11の取付構造について説明する。図3から図6に示すように、スピニングリール5の前脚部5aを収納する脚取付部10Bに、竿先開口端から軸線方向に沿って前脚部5aを収納する凹部の入り口近くに達する範囲で、外周を小さくする浅い削り代部分10cを設けてある。削り代部分10cは前脚部5aを収納する凹部の入り口付近において段差部分10dを形成してある。
【0023】
前カバー体11は、脚取付部10Bに外嵌被着されるものであるが、前記した浅い削り代部分10cをピッタリ覆う筒状体に形成されている。
図3及び図6に示すように、前カバー体11は、浅い削り代部分10cに被着された状態で前記段差部分10dより突出しないように、薄い金属で構成されている。金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニュウム等が採用される。ただし、金属以外の材料を使用する場合には、周方向に強化繊維を配した樹脂材を使用することも可能である。この場合には、熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂のエポキシ等の使用が可能である。これによって、金属を使用する場合に比べて軽量化等を図ることができる。
ここに、浅い削り代部分10cを、前カバー体11を取り付けるための取付用の座面と称する。
【0024】
筒状の前カバー体11は、図3〜図6に示すように、竿先端側が小径で膨出部10bを覆う部分が大径となる形状を呈している。浅い削り代部分10cに被着された状態で、前記段差部分10dにはまり込む形状となっており、筒状のシートボディ10の外周面と前カバー体11の外周面との間に段差の無い状態となっている。
このように、スピニングリール5の前脚部5aを取り付ける脚取付部10Bに前カバー体11を取り付けた状態で、前カバー体11と脚取付部10Bとの外周面を段差のない滑らかな面に形成できた。これによって、釣り操作時に、元竿3とスピニングリール5とを伴握りする釣り人の人指し指等が前カバー体11と脚取付部10Bとの境界面に掛かることとなるが、その部分が滑らかな面に形成してあるので、違和感が少なく釣り人の指が痛くならず、握りやすくなる。
【0025】
脚取付部10Bにおける膨出部10bは、クッション性を持たせた部分であるが、脚取付部10Bに金属製の前カバー体11を被着することによって、補強することができ、前脚部5aを収納しての取付状態を強固なものにできる。
ここに、前カバー体11と脚取付部10Bとで、固定側のフード部7を構成する。フード部7が保持する対象となるリールとしては、スピニングリール以外に両軸受リールであってもよい。
【0026】
装飾リング17について説明する。図3〜図6に示すように、装飾リング17は前カバー体11の竿先端に取付けられるものであり、筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端の端部処理を良好なものとするものである。
つまり、従来、筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端においては、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間に内外径の相違により半径方向で間隙が存在する場合には、元竿3の外周面に取付用の糸を巻き付けてその間隙を埋め巻き付けた糸とシートボディ10の端部とに亘って樹脂塗料を塗って固める作業形態を採っていた。そうすると、糸を巻き付ける作業と樹脂塗料を塗布する作業が大変になっていた。
【0027】
そこで、前記したように、装飾リング17を前カバー体11の竿先端の開口縁に取り付けることによって、糸を巻き付ける作業や樹脂塗布作業を必要としない。つまり、装飾リング17の内周面径を元竿3の外周面径と同一径か又は僅かに大きな径とすることによって、内周面径を元竿3の外周面径に適したものに形成することによって、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間の間隙を塞ぐことが容易になる。
【0028】
図3〜図6に示すように、装飾リング17は、外周面に大径部17aと小径部17bを有している。これによって、装飾リング17は、小径部17bを前カバー体11の竿先開口端の内周面に密着させ、大径部17aと小径部17bとの段差部分を前カバー体11の竿先端に当接させて、位置決めされるものである。大径部17aは前カバー体11の外周面と段差無い状態で繋がるように、同一外径に設定されている。装飾リング17は前カバー体11に接着固定される。装飾リング17としては、チタンやステン等の金属製のリングに構成する方がよいが、場合によっては樹脂で構成してもよい。
【0029】
次に、後カバー体12等を取付ける筒状のシートボディ10の構造について説明する。図4及び図5に示すように、筒状のシートボディ10の構造として、前記した脚取付部10Bから竿元側に向けて、リール脚取付面を含む中間取付部10Cを形成するとともに、後カバー体12の装着位置から竿元端までに中間取付部10Cより小径の竿元端部10Dを形成してある。
【0030】
図4、図6及び図7に示すように、中間取付部10Cから竿元端部10Dにかけてリール脚取付面の左右中心位置に、断面が僅かに円弧状に盛り上がっている円弧状受止面10eを形成してある。円弧状受止面10eは、軸線方向に沿った状態で、かつ、スピニングリール5の前脚部5aおよび後脚部5bの底面を受止る状態に設けてある。
断面が円弧状に盛り上がっている円弧状受止面10eの左右両端位置には、平坦面が形成してあり、リール脚5Aの左右両端及び脚押さえ体13の両端脚部13Cを受け止めることのできる平坦受止面10fに形成してある。
【0031】
図4及び図6に示すように、平坦受止面10fも円弧状受止面10eと同様に、竿元端まで形成されている。ただ、平坦受止面10fの中間取付部10Cにおける部分10gの左右幅は一定のものではない。まず、リール5の前脚部5aを収納する凹部の横幅に対応した広い部分から、一旦竿元端側に向けて細い幅になるとともに細い幅の中間部から竿元端側に向けて広い幅のものとなる。
平坦受止面10fにおける竿元端部10Dに対応した部分10hにおいては、二つの部分に区分けされており、竿先側の部分が広い幅の矩形部分であり、竿元側の部分が狭い幅の矩形部分に形成されている。
【0032】
次に、筒状のシートボディ10における中間取付部10Cと竿元端部10Dとの外周形状について説明する。図11〜図14に示すように、中間取付部10Cにおける平坦受止面10f及び円弧状受止面10e以外の外周部分10jは、筒状のシートボディ10の貫通孔10Aにおける軸線Xを中心とした半径R2の円弧を呈する。
【0033】
竿元端部10Dにおける竿先側半分における平坦受止面10f及び円弧状受止面10e以外の外周部分10kは、三つの部分に区画されている。左右の二つの部分は、半径が前記した中間取付部10Cの外周部分10jの半径R2に比べて何倍も大きな略直線に近い大径の左右円弧面10mを呈するものである。大径の左右円弧面10mに挟まれた下向き円弧面10nは、図13に示すように、筒状のシートボディ10の貫通孔10Aの半径とほぼ同様の半径による円弧状を呈するが、筒状のシートボディ10の貫通孔10Aにおける軸線X位置よりやや上方に位置する軸心Yを中心とした半径R3による円弧を呈する。
【0034】
図12〜図14に示すように、中間取付部10Cにおける外周部分10jと、竿元端部10Dにおける外周部分10kとの間には、円弧面の中心が間隔αだけ異なる芯ズレが生じている。そのことによって、図12に示すように、中間取付部10Cと竿元端部10Dとの境界面には段差10pが形成されている。また、芯ズレによって、図13に示すように、中間取付部10Cの下面部分の肉厚と竿元端部10Dの下面部分の肉厚とは、竿元端部側の方が薄くなっている。
この点による作用効果については後述する。
【0035】
筒状のシートボディ10の竿元端には、ストッパー体16を取り付ける構造が形成され、次のような構成となっている。図11、図12、図15に示すように、竿元端部10Dにおける竿元端の外周面10qは、貫通孔10Aの軸線Xを中心とし、竿元端部10Dにおける外周部分10kの半径R3より若干小径R4で形成されている。外周面10qには、上半分の左右に二つの突起10rが設けてあり、ストッパー体16を抜止固定する突起10rとして機能させている。
以上、シートボディ10としては、中央部にスリットが切られていてその部分で筒状となっていないもの、或いは、両端において下側部分が欠けているために筒状を呈していないものも含むものである。
【0036】
以上のような構成を採る筒状のシートボディ10に対して、後カバー体12、スリーブ14、ナット体15、ストッパー体16とを装着する。まず、後カバー体12の取付について説明する。図4から図6に示すように、後カバー体12は、薄い肉厚の筒状体であって、断面形状は、図7に示すように、下半部分12Aが円弧状を呈している。その断面形状における上方部分は、半径が下半部分12Aの半径の何倍にも大きな略直線状の部分12Bとなっており、左右直線状部分12Bの上方には、下半部分12Aの半径より大きく直線状部分12Bの半径より小さな半径を有する上端部12Cが形成されている。
【0037】
後カバー体12を、図3及び図6に示すように、筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌装着し、その後カバー体12の前端を、この竿元端部10Dと中間取付部10Cとの間に形成された段差10pに当接させて位置決めする構成を採っている。後カバー体12は、図6及び図7に示すように、下半部分12Aを筒状のシートボディ10の竿元端部10Dの下向き円弧面10nに密着する状態に、かつ、略直線状部分12Bを筒状のシートボディ10の中間取付部10Cの左右円弧面10mに密着する状態に取り付けられており、略直線状部分12Bの上半分と上端部12Cとは、平坦受止面10fと円弧状受止面10eとから離れた上方に位置する構成となっている。
後カバー体12の上端部12C及び略直線状部分12Bの上半分と、筒状のシートボディ10の平坦受止面10fと円弧状受止面10eとの間に形成された空間には、脚押さえ体13が挿入される。ここに、後カバー体12と脚押さえ体13とで可動側のフード部8を構成する。
【0038】
前記したように、後カバー体12を装着する筒状のシートボディ10の竿元端部10Dにおける下向き円弧面10nは、貫通孔10Aの軸芯Xよりリール脚取付部側に偏位した軸芯Yを中心とした円弧面に形成されている。つまり、図14に示すように、貫通孔10Aは軸芯Xを中心とした円弧面を呈し、下向き円弧面10nは軸芯Yを中心とした円弧面を呈するところから、貫通孔10Aと下向き円弧面10nとの間に形成される肉厚は、軸芯Xを中心として下向き円弧面10nを形成した場合に比べて薄くなっている。
【0039】
このように下向き円弧面10nを偏芯した軸芯Yを中心とした円弧面とすることによって、後カバー体12においても軸芯Yを中心として下半部分12Aを構成できる。そして、脚押さえ体13を収納するための収納空間を形成する為に、下半部分12Aの上方に直線状部分12Bと上端部12Cとを形成できる。
したがって、脚押さえ体13を収納するために、直線状部分12Bと上端部12Cとが図示した形状を維持するものであっても、中間取付部10Cの下半部分を薄肉に形成することによって下半部分12Aの形状を小さくできるので、後カバー体12の構造をコンパクトなものにできる。
そうすると、この部分に指を回してリール脚5Aとリールシート4とを伴握りする釣り人に採って握り易く、かつ、この薄い肉部分の形状も任意なものにできる。
【0040】
以上のような構成になる後カバー体12を筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌装着した状態で、後カバー体12の竿先側端は中間取付部10Cと竿元端部10Dとの接続部位に形成されている段差10pに当接して、後カバー体12の外周面を中間取付部10Cの外周部分10jと段差なく連続する状態に設置できる。
【0041】
後カバー体12は、筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌装着されるものであるが、この竿元端部10Dは、中間取付部10Cから一段切り下げ加工した部分であり、後カバー体12の取付座面に構成してある。
したがって、図6に示すように、後カバー体12は、その取付座面に外嵌被着された状態で、取付座面をピッタリ覆う筒状体に形成されている。また、その取付座面に被着された状態で前記段差10pより突出しないように、後カバー体12は薄い金属で構成されている。金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニュウム等が採用される。ただし、金属以外の材料を使用する場合には、周方向に強化繊維を配置した樹脂材を使用することも可能である。この場合には、熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂のエポキシ等の使用可能である。これによって、金属を使用する場合に比べて軽量化等を図ることができる。
【0042】
従来、筒状のシートボディ10の外周面に雄ネジ部を形成し、リール脚の前後脚部を収納固定する可動フードをナットとともにスライド移動させる形態を採っていた。そのような構成においては、雄ネジ部を形成した筒状のシートボディ10の外周面は、貫通孔10Aの軸芯を中心として円弧面に形成されているので、肉厚が厚くなり、そのために、可動フードの下半部分も大径のものとなり、結果的に可動フードは大型のものとなっていた。
【0043】
ここで、貫通孔10Aの軸芯Xを中心として、筒状のシートボディ10のリール取付面部分とは180°反対側での肉厚を薄くできるので、この部分に外嵌される後カバー体12も偏芯した軸芯Yを基準としてリール取付面側に偏位した状態で設けることができる。これによって、リール脚5Aの取付位置を貫通孔10Aの軸芯Xに対して偏芯した状態で設けることができ、実際の釣り時においては、リールシート4の下方に配置されるリール5の取付位置が下方に位置することとなり、釣り竿Aとしての重心が下がって安定する。
【0044】
また、このようにリールシート4がリール取付部側に若干偏位した状態となるので、寧ろ、楕円状のものを握る感覚に近いものとなる。つまり、元竿の下向きの面だけに板状のリールシートを取り付け、リールシートとリール脚とを伴に握り込む場合と同様の握り感覚を得られるのである。
板状のリールシートが元竿の外周面の下向き位相だけに取付られている場合には、円形を呈する元竿の下向き位相の部分が板状のリールシートの厚み分だけ外向きに突出していることとなっている。したがって、板状のリールシートを取り付けた元竿は、楕円状に近い状態を呈する。
そこで、完全な円形のリールシートを握る場合に比べて楕円状を呈する部分が抵抗となってリールシートを握る手が滑り難く、仕掛けを投げる投げ釣り操作に適したリールシートとすることができた。
【0045】
前記した後カバー体12の竿元端側には、スリーブ14が装着される。図4から図6、及び、図10に示すように、スリーブ14は、筒状体ではあるが、後カバー体12との竿先側の接続端14Aは斜め上向きに傾斜する開口となっている。その開口に直交する状態にスリーブ14の軸線が設定され、その軸線に沿って斜め方向にスリーブ14の外周面が形成されている。スリーブ14の竿元側の接続端14Bは上下向き姿勢の開口となっている。竿先側の接続端14Aには上端部分に竿先側に突出する鍔部14bを設けてあり、スリーブ14を後カバー体12の竿元側に装着した際に、鍔部14bが後カバー体12の竿元端側開口端に入り込み位置決めする機能を発揮する。
【0046】
図16及び図17に示すように、スリーブ14の内部に形成してある挿通孔14aは、筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌するように、竿元側の接続端14Bの開口に直交する状態に形成してあり、挿通孔14aは、スリーブ14の軸線とは交差する状態にある。したがって、スリーブ14の肉厚は、竿先側の接続端14Aにおいては、上端側が厚く下端側が薄い。反対に竿元側の接続端14Bにおいては、上端側が薄く下端側が厚い構成を採っている。以上のようにスリーブ14は、外側の筒状体の向きは斜め上向きであるが、内部に形成されている挿通孔14aは、水平向きに挿通されている。
【0047】
上記のようなスリーブ14を筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに外嵌すると、図6に示すように、鍔部14bが後カバー体12の竿元端側開口から内部に入り込み、後カバー体12の竿元端が鍔部14bを覆ってスリーブ14の竿先側の接続端に当接して両者の位置決めがなされる。
所定位置に装着されたスリーブ14は、後カバー体12の竿元端と段差無く繋がる状態で取り付けられており、リールシート4を握り込む釣り人に、違和感や手の痛みを与えることはない。
【0048】
図2、及び、図6に示すように、スリーブ14を取り付けた状態で筒状のシートボディ10の中間取付部10Cより外側に向けて突出する状態となっており、リールシート4とリール脚5Aとを伴握りする釣り人の手にスリーブ14の外面の突出部14cが当接して抜止機能を発揮して、釣り竿Aが強く引かれても手から擦り抜けることが抑制される。
【0049】
ナット体15について説明する。図2から図6及び図8、図10に示すように、ナット体15は略円筒状の形態を示しており、内周面に雌ネジ部15Aを形成してある。竿先側、及び、竿元側の開口部には、図5に示すように、斜めにカットされた円弧状隅部15aを形成して、丸味を帯びた形状に形成してある。外周面には、図8に示すように、大型のスプライン部15B構造が形成してあり、人為的にナット体15を回転操作する際の滑り止め構造としてある。
【0050】
図6及び図10に示すように、ナット体15とスリーブ14と後カバー体12の内部空間には脚押さえ体13が挿入され、脚押さえ体13でスピニングリール5の後脚部5bを押さえ作用すべく構成してある。
【0051】
脚押さえ体13について説明する。図2〜図6、図8及び図10、図18〜図20に示すように、脚押さえ体13は、竿先側に配置された頭部13Aと、頭部13Aの竿元側に配置されたネジ部13Bとで構成されている。頭部13Aは、略アーチ状の形状を呈しており、円弧状の外周面13aを後カバー体12の内周面に摺接させてスライド移動するように構成してある。図20に示すように、頭部13Aの内周面側には略アーチ状の天井面13bと左右の縦壁面13cとで囲まれた凹入空間13dが形成してあり、その凹入空間13d内にスピニングリール5等の後脚部5bを挿入して、押さえ固定するように構成してある。
【0052】
ネジ部13Bについて説明する。図18及び図19に示すように、ネジ部13Bは、頭部13Aに比べて薄くかつ略長方形状を呈し、その長方形状の上面に雄ネジ13eが形成してある。雄ネジ13eがナット体15の雌ネジ部15Aに咬合し、ナット体15の回転によって、脚押さえ体13が竿線方向に沿ってスライド移動可能に構成してある。
【0053】
図19及び図20に示すように、頭部13Aに形成された凹入空間13dの竿元端からネジ部13B内の底面部に至る状態で、上向きに凹入する円弧断面の凹入路13fが形成してあり、筒状シートベース10に形成された円弧状受止面10eに凹入路13fが上方から当接して、竿線方向からズレなく移動できるように構成してある。
【0054】
頭部13Aにおける縦壁面13cを備えている部分は頭部13Aを支持する脚部13Cとなっており、この脚部13Cの底面が筒状シートベース10の平坦受止面10fに載置されて、脚押さえ体13がスライド移動するようになっている。
ここに、脚押さえ体13とその脚押さえ体13を被覆してガイドする後カバー体12とでフード部を構成する。
【0055】
以上のように、頭部13Aに脚部13Cが形成されており、かつ、頭部13Aの上面は後カバー体12の内周面に摺接しているので、脚押さえ体13のスライド移動がフラツキなく行え、ナット体15のフラツキも少なく回転操作も円滑に行える。
【0056】
従来は、脚押さえ体13は、リールの脚部を挿入して押さえるべく、アーチ状のフードを備えた可動体で構成されており、この可動体が筒状シートベース10に形成したネジ部を移動することによって、リール脚部を取り付ける状態と固定する状態とに切り換えていた。したがって、可動体がフラツキ易く、リール脚を支持する姿勢が安定しなかった。
【0057】
ストッパー体16について説明する。図2〜図6及び図21〜図23に示すように、ナット体15の更に竿元側にストッパー体16は位置する。ストッパー体16は、略筒状のものであり、竿先側開口端16Aが大径で竿元側開口端16Bが小径に形成され、図22において、上端部分が肉厚で、下端部分が肉薄に徐々に変化する厚みに構成されている。図21に示すように、ストッパー体16の外周面は、図面上軸線を挟んで上方側の面においては、竿元側に徐々に縮径する緩傾斜面16aと緩傾斜面16aの更に竿元側に急傾斜面16bとを備えており、図面上軸線を挟んで下方側の面においては、竿先端から竿元端に亘って徐々に縮径する緩傾斜面16aに形成してある。
【0058】
図21〜図23に示すように、ストッパー体16の内部空間には軸線方向に沿って貫通する貫通孔16Cが形成され、貫通孔16Cにおける竿先端側に、筒状のシートボディ10の竿元端10Sに外嵌合する嵌合孔16cと、嵌合孔16cより小径な位置決め孔16dを形成してある。嵌合孔16cにおける竿先端側開口端には、内向きに突出する突条16eが周方向に沿って姿勢で上半分に亘って設けてあり、突条16eを筒状のシートボディ10の竿元端10Sに螺合して、ストッパー体16をシートボディ10の竿元側端に取付固定でしる。
【0059】
つまり、図11、図12及び図23に示すように、筒状のシートボディ10の竿元端10sには、竿元端部10Dにおける外周部分10kより小径に形成されている外周面10qとその外周面10qより竿元端側に位置する突起10rとが形成してある。これに対して、図6及び図9に示すように、突条16eを外周面10qに当接するようにかつ突起10rの竿先側に位置するように嵌め込み嵌着することによって、ストッパー体16を所定状態に取付固定できる。ストッパー体16が筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに嵌合固定された状態で、その外周面はナット体15の外周面と滑らかに繋がって、リールシート4とリールとを伴握りする手に、違和感を与えず、手を圧迫することがない。
【0060】
具体的に、このストッパー体16を筒状のシートボディ10の竿元端部10Dに嵌合固定する方法は次のようになっている。まず、図23に示す、ストッパー体16の突条16eをシートボディ10の竿元端10sの突起10rが存在しない位相となる姿勢に設定して、ストッパー体16を被せ、その突条16eが筒状のシートボディ10の竿元端部10Dの小径外周面10qに当接する位置まで軸線方向に沿って動かす。突条16eが小径外周面10qに至ると、ストッパー体16を円周方向に180°反転させて、突条16eが筒状のシートボディ10の竿元端部10Dにおける突起10rの竿先側に入り込む状態にして、突条16eと突起10rとを圧接させてストッパー体16のシートボディ10に対する取付状態を固定する。
【0061】
以上説明したように、ナット体15は、スリーブ14とストッパー体16とに挟まれて、筒状のシートボディ10の軸線方向には移動不能に構成してある。円周方向に回転のみ可能である。一方、筒状のシートボディ10の軸線方向に移動するものは、脚押さえ体13であり、脚押さえ体13は、後カバー体12、ナット体15の内部空間内に収納されている。したがって、ナット体15に形成された雌ネジ部15Aと脚押さえ体13の雄ネジ部13eは表には出てはいない。
【0062】
従来は、前記したように、筒状のシートボディ10に円周方向全周に亘ってネジ部を刻設し、このネジ部にナットを螺合させ、リール脚を保持する可動フードをシートボディの軸線方向に沿ってスライド移動可能に構成していた。これによって、ネジ部に螺合したナットを回転駆動することによってナットとともに可動フードをスライド移動させて、リール脚を保持する状態とリール脚より離間する状態とに切り換えていた。
【0063】
上記したような構成を採っていたので、ネジ部の長さを可動フードが移動できるだけの十分な長さとするために、そのネジ部の部分が可動フード及びナットから大きくはみ出して表出することとなり、そのネジ部にリール脚とリールシートとを伴握りする手が接触して、手に違和感を与え手を痛くする虞があった。
また、ナットに手が触れるところから、仕掛けを投入する際等に竿を振ると同時にナットを緩め操作するところからナットが釣り操作の途中で緩みを生じたり、ナットを可動フードとともに移動させる必要から、ナットとネジ部との咬合状態は比較的甘く設置されており、ナットがネジ部に螺合した状態であっても、多少ナットにガタツキが生ずる等の欠点があった。
【0064】
これに対して本願発明においては、ネジ部15A、13eが表出していないので、ネジ部15A、13eにリール脚5Aとリールシート4とを伴握りする手が接触することはなく、違和感が少なく、手が痛くなることがない。ナット体15は筒状のシートボディ10の軸線方向には移動不能に取付られているので、ナット体15が緩みを生ずることはなく、ガタツキを生ずることはない。
【0065】
ストッパー体16の更に竿元側には、装飾リング17が設けてある。この装飾リング17については、先に説明したのでここでは、簡単に述べる。
図2〜図6に示すように、装飾リング17は、外周面に大径部17aと小径部17bを有しており、小径部17bをストッパー体16の竿元開口端の内周面に密着する状態で装着される。大径部17aと小径部17bとの段差部分をストッパー体16の竿元端に当接させて、装飾リング17は位置決めされるものである。大径部17aはストッパー体16の外周面と段差の無い状態で繋がるように、同一外径に設定されている。装飾リング17はストッパー体16に接着固定される。
【0066】
〔別実施形態〕
(1) 装飾リング17を取り付ける対象として、竿先側端においては前カバー体11、竿元側端においてはストッパー体16を選定しているが、シートボディ10の竿先側端及び竿元側端に取り付ける構成を採ってもよい。
(2) 装飾リング17の内周面径としては、元竿3の外周面径と同一径か又は僅かに大きな径に設定することができる。
(3) 上記リールシート4を適用する釣り竿Aとしては、前記した投げ竿だけでなく、磯竿、船竿等に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】投げ竿を示す組み立て前の側面図
【図2】リールシートにリールを取り付けた状態を示す側面図
【図3】リールシートを示す斜視図
【図4】リールシートを示す分解斜視図
【図5】リールシートを組み立てる前の状態を示す縦断側面図
【図6】リールシートにリールを取り付けた状態を示す縦断側面図
【図7】図6におけるVII―VII線断面図
【図8】図6におけるVIII―VIII線断面図
【図9】図6におけるIX―IX線断面図
【図10】(a)可動側のフード部でリール脚を保持する前の状態を示す縦断側面図、(b)可動側のフード部でリール脚を保持した状態を示す縦断側面図
【図11】シートボディを示す平面図
【図12】シートボディを示す側面図、
【図13】図12におけるXIII―XIII線断面図
【図14】図12におけるXIV―XIV線断面図
【図15】図12におけるXV―XV線断面図
【図16】スリーブの側面図
【図17】スリーブの前面図
【図18】脚押さえ体の平面図
【図19】脚押さえ体の側面図
【図20】脚押さえ体の縦断正面図
【図21】ストッパー体の縦断側面図
【図22】図21におけるXXII―XXII線断面図
【図23】ストッパー体をリールボディの竿元端に取り付ける前の状態を示す分解斜視図
【符号の説明】
【0068】
3 元竿(竿体)
4 リールシート
17 装飾リング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿体に装着される筒状リールシートであって、前記筒状リールシートにおける竿先側端及び竿元側端に、前記竿先側端及び前記竿元側端夫々を縁取る装飾リングを取付け、前記装飾リングの内周面径を前記竿体の外周面径と同一径か又は大きな径に設定してある筒状リールシート。
【請求項2】
前記竿体に外嵌装着されるシートボディにおける前記竿体を挿通する挿通孔の内周面に、前記挿通孔の軸芯に向けて突出する突条を設けてある請求項1記載の筒状リールシート。
【請求項3】
請求項1又は2記載の筒状リールシートを備えた釣り竿。
【請求項1】
竿体に装着される筒状リールシートであって、前記筒状リールシートにおける竿先側端及び竿元側端に、前記竿先側端及び前記竿元側端夫々を縁取る装飾リングを取付け、前記装飾リングの内周面径を前記竿体の外周面径と同一径か又は大きな径に設定してある筒状リールシート。
【請求項2】
前記竿体に外嵌装着されるシートボディにおける前記竿体を挿通する挿通孔の内周面に、前記挿通孔の軸芯に向けて突出する突条を設けてある請求項1記載の筒状リールシート。
【請求項3】
請求項1又は2記載の筒状リールシートを備えた釣り竿。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−247272(P2009−247272A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98466(P2008−98466)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】
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