説明

管体穿孔用カッター

【課題】カッター本体内に入り込んだ切り屑を、容易に取り出しできるようにする。
【解決手段】上水道の本管1に分岐管2を取り付ける際にその本管1を穿孔するために使用され、円筒状のカッター本体31の前端に刃先32を有し、そのカッター本体31の後端にシャフト33をねじ込んで接合し、その接合状態で、前記刃先32を本管1の外周に押し付けながら前記シャフト33を軸周り一方へ回転させることにより前記本管1を穿孔する管体穿孔用カッターにおいて、前記シャフト33を前記カッター本体31に対して軸周り他方へねじ込んで接合するものとし、前記本体を穿孔した後に、前記接合状態からさらにシャフト33を軸周り他方へねじ込むことにより、そのシャフト33の前端が前記カッター本体31内に入り込んで前記刃先32に噛み込んだ切り屑Dを押し出すようにした。切り屑Dを取り出す際に、カッター本体31に接合したシャフト33をそのまま用いるので、切り屑Dの取出し作業が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上水道等に使用されている配水管に分岐管を取り付ける際に、その配水管を穿孔するために使用する管体穿孔用カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上水道等の本管(配水管)から分岐管(例えば、各家庭への配管等)に分水する場合、その本管を穿孔して分水栓が取付けられ、その分水栓を介して本管と分岐管とが接続される。この本管の穿孔には、管体穿孔用カッターが用いられる。
【0003】
この管体穿孔用カッターは、例えば、樹脂管を対象とする図5に示す管体穿孔用カッター10のように、本管1の外周に沿う弧状のサドル部21を有する分水栓20とともに用いられる。
【0004】
その分水栓20の構成は、図5(a)に示すように、前記サドル部21が本管1の外周にボルト3、ナット4等により着脱可能であり、そのサドル部21に、本管1の外周に臨む貫通孔22が設けられている。貫通孔22は本管1の管軸方向に対して立ち上がる方向に伸びて、本管1に面する側の前端開口部24と、その反対側の本管1から遠い側の後端開口部23との間に、止水用のボール弁25が備えられている。
【0005】
管体穿孔用カッター10は、円筒状のカッター本体11の前端に平面視円形の刃先12を有し、その刃先12で囲まれた空間は、カッター本体11内を前端側から後端側へと伸びてそのカッター本体11の後端面に開口している。
【0006】
そのカッター本体11後端面の前記開口内には、雌ねじ部18が形成されている。この雌ねじ部18に、外周に雄ねじ部14が形成されたシャフト13をねじ込むことにより、そのカッター本体11とシャフト13とを接合状態とすることができる。
【0007】
前記ボール弁25を回転させて、前記貫通孔22内を前端開口部24と後端開口部23とが連通する状態とする。
前端にカッター本体11を接合したシャフト13を、前記貫通孔22内に押し込んで前記刃先12を本管1の外周に宛がいながら、そのシャフト13の後端に設けた操作部17にツールtを係合させて回転させる。そのツールtでシャフト13を本管1側へ押圧しながらそのシャフト13を回転させると、カッター本体11の刃先12は本体1を削りながら徐々に穿孔していく。
【0008】
カッター本体11の刃先12が本管1内に完全に入り込むと穿孔を終了する。このとき、その穿孔により生じた切り屑(切片)Dは、円筒状のカッター本体11内に保持されるので、その切り屑Dが下流に流されていくことを防止できる。
【0009】
穿孔が終わり、シャフト13を後端側へ向かって後退させることにより、カッター本体11の刃先12がボール弁25よりも上方になる位置まで退避し、その後、ボール弁25を回転させて貫通孔22内を止水するとともに、カッター本体11をシャフト13とともに分水栓20から取り外し、前記後端開口部23を塞ぐキャップ(図示せず)を取付ける。
分水栓20には、側方に伸びる接続口27が設けられているので、その接続口27に各家庭への分岐管2が接続可能であり、本管1からその接続口27及び分岐管2への水の供給は、ボール弁25の操作によって開閉可能である。
【0010】
分水栓20から前記カッター本体11を取り外した後、そのカッター本体11内に保持された前記切り屑Dを取り出す必要がある。
【0011】
切り屑Dを取り出す際には、カッター本体11にねじ合っているシャフト13を取外し、図5(b)に示すように、カッター本体11の前記雌ねじ部18に押し棒16をねじ込む。押し棒16の外周には、その雌ねじ部18にねじ合う雄ねじ部15が設けられている。
【0012】
その両ねじ部18,15を介して、カッター本体11内に押し棒16をねじ込むことにより、その押し棒16の前端で前記切り屑Dをカッター本体11内から押し出して取り出すものである(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
なお、ねじ機構によらず、シャフト13内に軸方向の中空部を設け、その中空部内に挿通した押し棒16の後端を刃先12側に向かって押すことにより押し棒16を前進させて、前記切り屑Dを取り出す手法もある(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
【特許文献1】特開平11−277458号公報
【特許文献2】特開2003−200392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記図5に示す管体穿孔用カッター10によれば、カッター本体11に対して穿孔時にはシャフト13を、切り屑Dを取り出す際には押し棒16を、それぞれ取付けなければならない。このため、本管1に分岐管2を設ける場合には、このようなシャフト13や押し棒16の着脱作業を繰り返す必要があり、これらの作業は繁雑である。
【0016】
また、ねじ機構によらずにシャフト13に押し棒16を押し込む手法によれば、カッター本体11内に切り屑Dが固く噛み込んでしまった場合に、その切り屑Dを容易に取り出せない場合もある。
【0017】
そこで、この発明は、カッター本体内に入り込んだ切り屑を、容易に取り出しできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の課題を解決するために、この発明は、穿孔の際の回転力付与のために、カッター本体の後端にネジ接合されるシャフトを用い、そのシャフトをさらにカッター本体にねじ込むことにより、シャフトの前端がカッター本体内に入り込むようにして、そのシャフトの前端で切り屑を押し出しできるようにしたものである。
【0019】
このようにすれば、切り屑を取り出す際に、カッター本体に接合されているシャフトをそのまま用いることができるので、そのカッター本体に対してシャフトや他の部材を着脱する必要がない。このため、切り屑の取出し作業が容易である。
【0020】
具体的な構成は、本管に分岐管を取り付ける際にその本管を穿孔するために使用され、カッター本体の前端に刃先を有し、そのカッター本体の後端にシャフトをねじ込んで接合し、その接合状態で、前記刃先を本管の外周に押し付けながら前記シャフトを軸周り一方へ回転させることにより前記刃先を軸周り一方へ回転させて前記本管を穿孔する管体穿孔用カッターにおいて、前記本管を穿孔した後に、前記シャフトを前記カッター本体に対して前記接合状態からさらにねじ込むことにより、そのシャフトの前端が前記カッター本体内に入り込んで前記刃先に噛み込んだ切り屑を前記カッター本体外へ押し出すことができるようにした。
【0021】
シャフトはカッター本体の後端にネジ接合されるが、穿孔時、シャフトに回転力が付与された場合、カッター本体の刃先が配水管から切削抵抗を受けた際に、そのカッター本体とシャフトとが相対回転せずに一体に回転することが望ましい。
【0022】
このため、特に、穿孔時におけるシャフトの回転方向と、カッター本体に対するシャフトのねじ込み方向が同一方向である場合は、カッター本体とシャフトとの軸周り相対回転を規制するための回り止め手段を設けても良い。この回り止め手段は、例えば、カッター本体とシャフトとを径方向に貫通するピン等が考えられる。
【0023】
なお、シャフトに対する回転力の付与は、スパナ、レンチ等の工具(ツール)をシャフトに係止して手作業でツールを回動させることによりシャフトを回転させる場合もあるし、電動ドリル等の工具(ツール)をシャフトに係止してその駆動力によってシャフトを回転させる場合もある。
【0024】
この構成において、前記シャフトは、前記カッター本体に対して軸周り他方へねじ込んで接合されている構成を採用することができる。
例えば、穿孔時におけるシャフト及びカッター本体の回転方向が右ねじ方向(シャフト側から本管側を臨んで時計回り)である場合には、カッター本体に対するシャフトのねじ込みを左ねじとし、穿孔時におけるシャフト及びカッター本体の回転方向が左ねじ方向(シャフト側から本管側を臨んで反時計回り)である場合には、カッター本体に対するシャフトのねじ込みを右ねじとするものである。
【0025】
このようにすれば、穿孔時におけるシャフトの回転方向と、カッター本体に対するシャフトのねじ込み方向とが逆方向となる。このため、穿孔時、シャフトに回転力が付与された場合、カッター本体の刃先が配水管から切削抵抗を受けた際に、そのカッター本体に対してシャフトが深くねじ込まれていくことを防止し得る。
なお、この構成においても、前記回り止め手段を併用することは差し支えない。
【0026】
これらの各構成において、前記カッター本体に係止部を設け、前記シャフトを前記カッター本体に対してねじ込む際に、その係止部により前記カッター本体を回り止めできるようにした構成を採用することができる。
このようにすれば、切り屑を取り出す際に、カッター本体がシャフトとともに同方向に回ってしまうことを防ぎ、カッター本体にシャフトをねじ込みやすくなる。このため、切り屑の取出し作業がさらに容易である。
【発明の効果】
【0027】
この発明は、穿孔の際の回転力付与のために、円筒状のカッター本体の後端にネジ接合されるシャフトを用い、そのシャフトをさらにカッター本体にねじ込むことにより、シャフトの前端がカッター本体内に入り込むようにして、そのシャフトの前端で切り屑を押し出しできるようにしたので、切り屑を取り出す際に、カッター本体に接合されているシャフトをそのまま用いることができる。
このため、そのカッター本体に対して部材を着脱する必要がなく、切り屑の取出し作業が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
一実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。この実施形態は、上水道等に用いられている樹脂製の本管(配水管)1から分水栓20を介して各家庭への分岐管を接続する場合に、その本管1を穿孔するために使用する管体穿孔用カッター30に関するものであり、その管体穿孔用カッター30の構成、及び、その管体穿孔用カッター30を用いた分水栓20、及び分岐管2の接続方法について、以下に説明する。
【0029】
分水栓20の構成は、従来例と同様であり、図1(a)に示すように、本管1の外周に沿う弧状のサドル部21が、本管1の外周にボルト3、ナット4により着脱可能である。
【0030】
そのサドル部21に、本管1の外周に臨む貫通孔22を有する分水栓本体26が設けられている。その貫通孔22は本管1の管軸方向に対して垂直に立ち上がる方向に伸びて、本管1に面する側の前端開口部24と、その反対側の本管1から遠い側の後端開口部23との間に、止水用のボール弁25が備えられている。
【0031】
また、その前端開口部24は、前記本管1と前記サドル部21の内周面との間に形成された空間sに臨み、その空間sは、サドル部21と本管1の外周面との間で水密に閉じられている。
【0032】
管体穿孔用カッター30は、図2(a)に示すように、円筒状のカッター本体31の前端に平面視円形の刃先32を有している。刃先32は全周に亘って連続的に設けられて環状を成している。
その環状の刃先32で囲まれた断面円形の空間は、カッター本体31内を、刃先32のある前端側から後端側へと徐々に狭まるテーパー状に伸びて、そのカッター本体31の後端面は開口している。また、前記テーパー状を成すカッター本体31内の空間の途中に、径方向に貫通する空気抜き孔39が設けられている。
【0033】
そのカッター本体31後端面の前記開口34内には、雌ねじ部38が形成されている。この雌ねじ部38に、外周に雄ねじ部35が形成されたシャフト33をねじ込むことにより、図3(a)の状態から図3(b)の状態へと、カッター本体31とシャフト33とを接合することができる。
【0034】
前記両ねじ部38,35は、左ねじ(逆ネジ)に形成されているので、カッター本体31に対してシャフト33を左ねじ方向(シャフト33側からカッター本体31側を臨んで反時計回り)に回転させながらねじ込んでいき、図3(b)に示す所定のねじ込み位置となったところでねじ込みを終了する。この状態を、以下「接合状態」と称し、この「接合状態」で本管1の穿孔を行う。
【0035】
なお、この実施形態では、シャフト33をホルダー33aと回転軸33bとで構成しており、そのホルダー33aに回転軸33bが右ねじ方向にねじ込まれて、両者が一体に連結(接合)されている。
【0036】
この管体穿孔用カッター30を用いた分水栓20、及び分岐管2の接続方法について説明すると、前記ボール弁25を回転させて、図1(b)に示すように、前記貫通孔22内を前端開口部24と後端開口部23とが連通する状態とする。
【0037】
前記接合状態にある前記カッター本体31及び前記シャフト33を、前記分水栓20の貫通孔22内に差し入れる。カッター本体31はボール弁25の弁体に設けられた貫通孔25a内を通って前端側へ入り込み、その刃先32が、本管1の外周に当接する。
【0038】
シャフト33の後端に設けた操作部37に、電動式の工具のツールtを係合させて、その工具の駆動力でシャフト33を軸周り右ねじ方向(シャフト33側から本管1側を臨んで時計回り)に回転させる。なお、操作部37には右ネジが形成されているので、その操作部37にツールtがねじ込まれて係止されるようになっている。ツールtは、その右ねじ形式の操作部37にねじ込み可能なものを使用する。
シャフト33を軸周り回転させながら、前記刃先32を本管1の外周に押し付けるようにシャフト33を本管1側へ押圧する。押圧を続けながらシャフト33を回転させると、カッター本体31の刃先32は本体1を削りながら穿孔していく。
【0039】
カッター本体31の刃先32が本管1内に完全に入り込んで、図1(c)に示すように、本管1に孔5が形成されると穿孔を終了する。
このとき、その穿孔により生じた切り屑(切片)Dは、円筒状のカッター本体31内に保持されるので、その切り屑Dが本管1内に流されていくことを防止できる。
なお、カッター本体31には、前記空気抜き孔39が設けられているので、切り屑Dがカッター本体31内に入り込みやすくなっている。
【0040】
穿孔が終わり、シャフト33を分水栓20の貫通孔22に対して後端側へ向かって後退させることにより、カッター本体31の刃先32がボール弁25よりも上方になる位置まで退避させる。
【0041】
その後、ボール弁25を回転させて貫通孔22内を止水するとともに、カッター本体31をシャフト33とともに分水栓20から取り外し、その分水栓20に前記後端開口部23を塞ぐキャップ(図示せず)を取付ける。
【0042】
分水栓20には、側方に伸びる接続口27が設けられているので、その接続口27に各家庭への分岐管(図示せず)を接続する。前記ボール弁25の弁体の前記貫通孔25aは、前記前端開口部24と後端開口部23とを結ぶ方向に伸びているとともに、その両開口部24,23間の途中から分岐して、前記接続口27側へ連通できるように形成された分岐孔25bを備えている。
【0043】
このため、ボール弁25の弁体を回転操作することにより、前記貫通孔25aが前記前端開口部24と後端開口部23とを結ぶ方向に向けば、その分岐孔25bを通じて本管1から前記接続口27及び分岐管2と前記後端開口部23へ水が供給され、また、前記貫通孔25aが前記前端開口部24と後端開口部23とを結ぶ方向に対して直交する方向へ向けば、本管1から前記接続口27及び分岐管2と前記後端開口部23への水の供給が断たれるようになっている。
【0044】
つぎに、カッター本体31内に保持された前記切り屑Dを取り出す作業について説明する。
【0045】
分水栓20から取り外した状態の前記カッター本体31とシャフト33とを、図2(a)に示す。
この状態から、カッター本体31に対してシャフト33を左ねじ方向(シャフト33側からカッター本体31側に臨んで反時計回り)に回転させてさらにねじ込んでいく。このシャフト33の回転には、穿孔時に使用したツールtをそのまま使用できる。
図2(b)に示すように、シャフト33の前端が前記カッター本体31内に入り込んで、前記刃先32に噛み込んだ切り屑Dを前記カッター本体31外へ押し出すことができる。
【0046】
このとき、環状の刃先32で囲まれた断面円形の空間は、前端側から後端側へと徐々に狭まるテーパー状となっているので、切り屑Dは前端側へ向かって押し出されやすくなっている。
【0047】
また、シャフト33は、その前端が、図2(b)に示すように、刃先32よりも突出する位置までカッター本体31内に入り込むことができるので、切り屑Dは確実にカッター本体31内から押し出される。
【0048】
このねじ込みの際、前記カッター本体31の外周に、平面にカットした対の係止部31aが設けられているので、前記シャフト33を前記カッター本体31に対してねじ込む際に、その対の係止部31a,31aにスパナ等を差し込んで手で固定することにより、シャフト33を回した際に前記カッター本体31を回り止めできるようになっている。
【0049】
この実施形態では、シャフト33をホルダー33aと回転軸33bとで構成しているので、前記対の係止部31a,31aと同様の係止部33cを、ホルダー33aと回転軸33bのそれぞれに設けている。シャフト33を1本の軸単体で構成する場合は、係止部33cは1箇所としてもよい。
【0050】
また、この実施形態では、対の係止部31a,31aはそれぞれフラット面であり、その面方向が並行になるように形成しているが、例えば、カッター本体31の外周に孔を形成しておいて、その孔に回り止め用のピンを差し込んで回らないように固定する等、他の構成からなる係止部を採用してもよい。係止部33cについても同様である。
【0051】
また、前記シャフト33は、前記カッター本体31に対して軸周り左ねじ方向へねじ込んで接合されているので、穿孔時においてシャフト33に付与される回転力の方向と、カッター本体31に対するシャフト33のねじ込み方向とが逆方向となっている。
このため、穿孔時に、シャフト33に回転力が付与された場合、カッター本体31の刃先32が本管1から切削抵抗を受けた際に、そのカッター本体31に対してシャフト33が深くねじ込まれていくことを防止し得るようになっている。
【0052】
図4に、他の実施形態を示す。この実施形態は、シャフト33の後端に設けられる操作部37を断面矩形とし、その断面矩形の操作部37にツールtを嵌め込んで係止できるようにしたものである。ツールtは、その断面矩形の操作部37にねじ込み可能なものを使用する。他の構成については、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、操作部37の構成はこれらの実施形態に限定されず、その操作部37とツールtとが係合可能で、そのツールtから操作部37を通じてシャフト33に回転力が付与できるものであればよい。
【0053】
さらに、これらの実施形態では、カッター本体31及びその刃先32の形状を、その全周に亘って連続する円筒形状としたが、他の実施形態として、カッター本体31とその刃先32とが全周に亘って連続的でない断続的な円筒形状、例えば、カッター本体31及びその刃先32周方向の一部が切り欠かれて、断面C字状とした構成とすることもできる。
なお、金属管等、他の材質からなる本管1に対しても、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】一実施形態を示し、(a)は穿孔前の状態を示す断面図、(b)は穿孔前においてボール弁を開放した状態を示す断面図、(c)は穿孔後の状態を示す断面図
【図2】同実施形態の管体穿孔用カッターの詳細を示し、(a)は穿孔後、切り屑の取り出し前の状態を示す断面図、(b)は切り屑の取り出し後の状態を示す断面図
【図3】同実施形態の管体穿孔用カッターの詳細を示し、(a)はカッター本体に対してシャフトをねじ込む前の状態を示す斜視図、(b)はカッター本体に対してシャフトをねじ込んだ後の状態を示す斜視図
【図4】他の実施形態を示す斜視図
【図5】従来例を示し、(a)は管体穿孔用カッターによる穿孔前の本管及び分水栓の断面図、及び管体穿孔用カッターの断面図、(b)はカッター本体に切り屑取出し用の押し棒を取り付けた状態を示す断面図
【符号の説明】
【0055】
1 本管
2 分岐管
3 ボルト
4 ナット
5 孔
10,30 管体穿孔用カッター
11,31 カッター本体
31a 係止部
12,32 刃先
13,33 シャフト
14,15,35 雄ねじ部
16 押し棒
17,37 操作部
18,38 雌ねじ部
20 分水栓
21 サドル部
22 貫通孔
23 後端開口部
24 前端開口部
25 ボール弁
26 分水栓本体
27 接続口
s 空間
t ツール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管1に分岐管2を取り付ける際にその本管1を穿孔するために使用され、カッター本体31の前端に刃先32を有し、そのカッター本体31の後端にシャフト33をねじ込んで接合し、その接合状態で、前記刃先32を本管1の外周に押し付けながら前記シャフト33を軸周り一方へ回転させることにより前記刃先32を軸周り一方へ回転させて前記本管1を穿孔する管体穿孔用カッターにおいて、
前記本管1を穿孔した後に、前記シャフト33を前記カッター本体31に対して前記接合状態からさらにねじ込むことにより、そのシャフト33の前端が前記カッター本体31内に入り込んで前記刃先32に噛み込んだ切り屑Dを前記カッター本体31外へ押し出すことができるようにしたことを特徴とする管体穿孔用カッター。
【請求項2】
前記シャフト33は、前記カッター本体31に対して軸周り他方へねじ込んで接合されていることを特徴とする管体穿孔用カッター。
【請求項3】
前記カッター本体31に係止部31aを設け、前記シャフト33を前記カッター本体31に対してねじ込む際に、その係止部31aにより前記カッター本体31を回り止めできるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の管体穿孔用カッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−184029(P2009−184029A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23793(P2008−23793)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000164896)栗本商事株式会社 (16)
【Fターム(参考)】