説明

管理シールセット

【課題】受取ったのし袋などを手指を傷つけることなく迅速かつ容易に整理して保管できる管理シールセットを提供する。
【解決手段】複数の管理シール14の組合せから構成され、管理シール14を管理対象20に貼り付けて管理対象20を整理管理するのに用いる管理シールセットにおいて、複数の管理シール14の表面には番号の表示スペースを設け、複数の管理シール14の裏面には粘着剤を塗布した塗布部分と塗布されていない非塗布部分とを設け、粘着剤の塗布部分によって台紙に剥離可能に貼り付け、粘着剤の非塗布部分には環状の一部を残した形状の切り溝を形成し、切り溝の内側部分の表面には管理シール14の本体部分と異なる色彩を付し、切り溝の内側部分を通し紐13の硬くなった始端部分13Aによって押し倒すことによって通し紐13を切り溝の内側に挿通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は管理シールセットに関し、例えば受取った香典袋を手指を傷つけることなく迅速かつ容易に整理して保管できるようにした管理シールセットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、葬儀において、受付で香典を受け取ると、その金額や芳名を確認し、香典帳を作成し、縫い針をのし袋に刺して糸を通し、あるいは目打ちでのし袋に通し孔をあけてから縫い針をのし袋に刺して糸を通し、多数ののし袋を重ねて保管し、受付が終了すると香典を親族に渡すことが行われているが、受付は短時間の間に多数の参列者で混み合うことが多く、かかる状況では受付をする者の負担が大きく、参列者とのし袋とが対応しなかったり、金額が一致しないなど、受付の不手際が起こりやすく、又目打ちや縫い針によって机を傷つけることがあった。
【0003】
これに対し、縦長直方体状の保管箱内に針金を起立して固定し、針金にのし袋を挿通させながら保管箱内に入れてゆき、多数ののし袋を上下に重ねて収納し保管する方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、管理シールに連続した番号を印刷し、この管理シールを台紙に貼るとともに複数の管理シールに連通孔を予めあけて糸を通しておき、管理シールを番号順に台紙から剥がしてのし袋に貼り付け、のし袋を重ねて保管するようにした方法が提案されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3003340号公報
【特許文献2】実用新案登録第3001652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、のし袋の種類によっては紙質が硬く、しかも厚いことがあり、特許文献1記載の方法ではのし袋を針金に挿通するときに大きな力を加える必要があり、誤って手指を傷つけるおそれがあった。
【0007】
他方、特許文献2記載の方法では管理シールに予め糸が挿通されているので、誤って手指を傷つけるおそれはなく、しかも管理シールの番号でのし袋を管理できるものの、のし袋の順序と管理シールの番号とを間違えたことが判明すると、管理シールを剥がして貼り直す必要があって作業が非常に繁雑であり、又何らかの原因で糸が抜けてしまうと、のし袋がバラバラになってしまい、整理が煩わしい。
【0008】
また、受付が置かれる場所の照明が比較的薄暗く、管理シールの連通孔に糸を通そうとしても連通孔が見にくく、糸を通すのに手間取ることがあった。特に、遠視ぎみの年配者が受付を行うと連通孔が見にくく、糸の通し直しが煩わしい。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑み、受取ったのし袋を手指を傷つけることなく迅速かつ容易に整理して保管できるようにした管理シールセットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明に係る管理シールセットは、複数の管理シールの組合せから構成され、管理シールを管理対象に貼り付けて管理対象を整理管理するのに用いる管理シールセットにおいて、複数の管理シールの表面には番号の表示スペースが設けられ、複数の管理シールの裏面には粘着剤を塗布した塗布部分と塗布されていない非塗布部分とが設けられ、粘着剤の塗布部分によって台紙に剥離可能に貼り付けられ、粘着剤の非塗布部分には環状の一部を残して環状の切り溝が形成され、該切り溝の内側部分の表面には管理シールの本体部分と異なる色彩が付されており、切り溝の内側部分を通し紐の硬くなった始端部分によって押し倒すことによって通し紐が切り溝の内側に挿通されるようになしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の特徴の1つは管理シールに環状の一部を残した形状の切り溝を形成し、この切り溝内側の表面を管理シールの本体部分と異なる色彩、例えば白色やピンク色などとした点にある。
【0012】
これにより、照明が比較的薄暗い場所であっても、又受付の担当者の視力に問題があっても、切り溝内側の色彩によって通し紐を通す箇所がすぐに分かり、簡単かつ確実に管理シールに通し紐を通すことができる。また、連通孔を打ち抜いていないので、穴あけを行う場合のように打ち抜きのかすができず、掃除の手間を少なくできる。
【0013】
管理シールの番号の表示スペースには受付の担当者が手で番号を記入するようにしてもよく、又予め連続番号を印刷などによって表示しておいてもよい。
【0014】
本発明の管理シールセット香典袋や祝儀袋などののし袋の管理に適用するとその効果が大きいが、他の管理対象、例えば受取った葉書などの管理に利用することもできる。
【0015】
また、本発明に係る管理シールセットは始端部分が硬くなった通し紐と予めセットにして用いるのがよい。即ち、本発明に係る管理セットは、複数の管理シールの組合せから構成され、管理シールを管理対象に貼り付けて管理対象を整理管理するのに用いる管理セットにおいて、先端部分が硬くなった通し紐と、複数の管理シールの表面には番号の表示スペースが設けられ、複数の管理シールの裏面には粘着剤を塗布した塗布部分と塗布されていない非塗布部分とが設けられ、粘着剤の塗布部分によって台紙に剥離可能に貼り付けられ、粘着剤の非塗布部分には環状の一部を残して環状の切り溝が形成され、該切り溝の内側部分の表面には管理シールの本体部分と異なる色彩が付されており、切り溝の内側部分を通し紐の硬くなった始端部分によって押し倒すことによって通し紐が切り溝の内側に挿通されるようになした管理シールと、を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る管理セットは管理対象を収納する箱と予め組合せておいてもよい。この箱はのし袋を横向きにかつ立てて収納しえる寸法とするのがよい。
【0017】
このように管理シールをのし袋の肩部に貼り付けて矩形箱に横向きかつ立てて収納できるようにすると、のし袋が多数になったときにも整理シールがのし袋から突出し、簡単に見つけ出すことができ、整理及び保管が容易である。
【0018】
管理シールの材質は特に限定されず、市販の材料を用いることができる。また、箱の材質は特に限定されず、例えば厚紙や段ボール紙で製作することができる。矩形箱は上面が開口されていればよいが、保管中の安全性を考慮すると、上蓋を設けるのが好ましい。
【0019】
通し紐は始端部分が硬くなっていればよく、例えば金属製キャップや合成樹脂製キャップを嵌め合わせてもよく、又蝋や樹脂を含浸させて硬くしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4は本発明に係る管理セットの好ましい実施形態を示す。図において、矩形状の収納箱10は段ボール紙を用い、複数ののし袋20を横向きにかつ立てて収納し得る大きさに製作され、上面が開口されて上蓋11によって封鎖されるようになっている。
【0021】
収納箱10の上面開口の長手方向の両側には舌片12が設けられ、一方の舌片12の上蓋11側の部位には通し紐13の終端部分が挿通されて粘着テープ又は金具(図示せず)によって固定され、通し紐13の始端部分は蝋又は樹脂を含浸させることによって硬くなっている。
【0022】
この通し紐13はその始端部分13Aによって管理シール14の切り溝14Aの内側部分を押し退けて挿通されるようになっている。
【0023】
管理シール14は裏面に粘着剤が塗布された塗布部分14Bと塗布されていない非塗布部分14Cとが設けられ、非塗布部分14Cには環状の一部を残して切り溝14Aが形成され、切り溝14Aの内側部分の表面には管理シール14の他の表面部分と異なる色彩、例えば白色やピンク色等が印刷されている。
【0024】
複数、例えば100枚の管理シール14がその裏面の粘着剤の塗布部分14Bによって台紙14Dに並べて貼着され、又複数の管理シール14の粘着剤の塗布部分の表面には連続する整理番号が印刷されている。
【0025】
葬儀の受付には、図1に示されるような収納箱10、図2に示されるような管理シール14を貼った台紙14D、及び受付机を用意する。参列者から香典を受け付けると、台紙14Dから番号1の管理シール14を剥がし、その粘着剤の塗布部分14Bを香典ののし袋20の右肩角部に貼り付けるとともに、通し紐13の始端部分13Aで管理シール14の切り溝14Aの内側部分を押し退けて挿通させると、のし袋20を通し紐13に保持できる。
【0026】
次に、芳名、住所、金額その他の必要な事項を確認し、香典帳に芳名と住所及び金額を記入するとともに、香典ののし袋20をそのまま横向きにかつ立てて収納箱10内に差し込む。
【0027】
次々と受け付けられる多数の香典について、管理シール14の番号と香典帳の番号とを対応させながら、上記と同様に処理すると、収納箱1内に多数ののし袋20を容易に整理して収納することができる。
【0028】
例えば、100番目の香典ののし袋20を収納箱10内に収納した後、通し紐13の始端部分を環状に結ぶと、のし袋20がバラバラになることはない。
【0029】
また、管理シール14の一部がのし袋20の右肩角部に突き出ているので、特定ののし袋20を見つけたいときには香典帳の番号から管理シール14の番号を特定し、管理シール14の番号を探せば所望ののし袋20を簡単かつ迅速に発見することができる。
【0030】
香典の数が例えば100を越える時には例えば色違いの1番からの管理シール14のセットを用いて上記と同様にのし袋20を次の収納箱10に収納して行けばよい。
【0031】
なお、上記の例では通し紐13を収納箱10の舌部12に取付けるようにしたが、管理シールセットと通し紐の組合せ、あるいは管理シールセットと通し紐と収納箱の組合せとすればよく、必ずしも固定する必要はない。
【0032】
また、管理シール14は例えば100番までの連続番号を表示するようにしたが、100番よりも大きな番号までの連続番号を表示してもよく、また番号の表示スペースのみが設けられたシールとし、番号を任意に書き込むようにしてもよい。
【0033】
さらに、管理対象は香典ののし袋ではなく、祝儀袋ののし袋でもよく、整理管理を必要とする他の対象に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る管理セットの好ましい実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】上記実施形態における管理シールを示す図である。
【図3】上記管理シールの裏面を示す図である。
【図4】上記管理シールをのし袋に貼着した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
10 収納箱
11 上蓋
12 舌片
13 通し紐
13A 始端部分
14 管理シール
14A 切り溝
14B 非塗布部分
14C 塗布部分
20 のし袋(管理対象)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理シールの組合せから構成され、管理シールを管理対象に貼り付けて管理対象を整理管理するのに用いる管理シールセットにおいて、
複数の管理シールの表面には番号の表示スペースが設けられ、複数の管理シールの裏面には粘着剤を塗布した塗布部分と塗布されていない非塗布部分とが設けられ、
粘着剤の塗布部分によって台紙に剥離可能に貼り付けられ、粘着剤の非塗布部分には環状の一部を残した形状の切り溝が形成され、該切り溝の内側部分の表面には管理シールの本体部分と異なる色彩が付されており、
切り溝の内側部分を通し紐の硬くなった始端部分によって押し倒すことによって通し紐が切り溝の内側に挿通されるようになしたことを特徴とする管理シールセット。
【請求項2】
上記複数の管理シールの番号の表示スペースには連続番号が表示されている請求項1記載の管理シールセット。
【請求項3】
管理対象が香典袋、祝儀袋などののし袋である請求項1記載の管理シールセット。
【請求項4】
複数の管理シールの組合せから構成され、管理シールを管理対象に貼り付けて管理対象を整理管理するのに用いる管理セットにおいて、
始端部分が硬くなった通し紐と、
複数の管理シールの表面には番号の表示スペースが設けられ、複数の管理シールの裏面には粘着剤を塗布した塗布部分と塗布されていない非塗布部分とが設けられ、粘着剤の塗布部分によって台紙に剥離可能に貼り付けられ、粘着剤の非塗布部分には環状の一部を残して環状の切り溝が形成され、該切り溝の内側部分の表面には管理シールの本体部分と異なる色彩が付されており、切り溝の内側部分を通し紐の硬くなった始端部分によって押し倒すことによって通し紐が切り溝の内側に挿通されるようになした管理シールと、
を備えたことを特徴とする管理セット。
【請求項5】
管理対象を収納する箱を更に備えた請求項3記載の管理セット。
【請求項6】
管理対象が香典袋、祝儀袋などののし袋である請求項4記載の管理セット。
【請求項7】
箱がのし袋を横向きにかつ立てて収納しえる寸法である請求項4記載の管理セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−3336(P2009−3336A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166150(P2007−166150)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(501104258)株式会社大和生研 (3)
【Fターム(参考)】