説明

管用保護装置

【課題】 管用保護装置を管の内周面に着脱自在に取り付けることができ、フランジ面、管の端縁周部、及び管の内周面に水やダストが付着すること、及びこれらの部分に傷が付くことを防止すること。
【解決手段】 第1閉止部材14及び第1押え部材15の外周縁部間に、弾力性を有する第1取付けリング13を配置し、第1ボルト軸部17に螺合する第1ナット21を締め付けることによって、第1取付けリング13を、第1閉止部材14と第1押え部材15との間に挟み込んで管7の内周面7bに圧接させるようにした第1及び第2管用保護装置11、12であって、第1取付けリング13が管7の内周面7bを圧接する状態で、第1ナット21を更に締め付けることによって、第1締込み部18を更に圧縮変形させて、蓋体33が、第1保護パッキン23を管7の端縁周部7a及びフランジ面8aに押し付けて密着させる構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば管を保管する場合や、管の外表面にショットブラスト処理を施す場合に、管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面、管の端縁周部、及び管の内周面に水やダストが付着することを防止すると共に、傷が付くことを防止することができる管用保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばフランジ部が設けられている金属管や、フランジ部が設けられていない金属管を設置する前の状態で保管しておく場合、フランジ面、管の端縁周部、及び管の内周面に水やダストが付着して、それらが錆びることがないように、これらを保護することが行なわれている。
【0003】
例えば、フランジ面に対しては、粘着テープを直接に貼り付けて保護したり、ベニヤ板を宛がって、このベニヤ板を粘着テープで管に留めたりして保護することがある。また、フランジ面をビニールシートで被覆して、このビニールシートを粘着テープで管に留めてフランジ面を保護することもある。
【0004】
そして、管の端縁周部、及び管の内周面を保護するために、管の両方の各端部をビニールシートで被覆して密封することがある。このビニールシートは、例えば粘着テープで管に留められる。
【0005】
しかし、粘着テープを使用する方法では、粘着剤がフランジ面や管に付着するので、この管に付着した粘着剤を除去するのに手間と時間が多く掛かる。そして、ベニヤ板やビニールシートを使用する方法では、これらをフランジ面や管に取り付けたり、取り外すための手間と時間が多く掛かる。そして、ベニヤ板やビニールシートは、破損したり破れることがあるので、再利用する可能性が低く、ゴミとして処理する必要がある。
【0006】
また、管の外表面にショットブラスト処理を施す場合には、投射材としての粒体の衝突に耐えることができるように、上記のベニヤ板に代えて、金属板を使用することが考えられるが、金属板を使用しても、金属板をフランジ部に対して着脱するための手間と時間が多く掛かる。そして、管に付着した粘着剤を除去するのにも手間と時間が多く掛かる。
【0007】
また、管端部の損傷を防止したり、管内に水やダストが浸入することを防止することができるものの一例として、図7に示す管用保護具1がある(例えば、特許文献1参照。)。この管用保護具1は、図7に示すように、2つのゴムキャップ2と、1つの金属カバー3とを備えるものである。
【0008】
そして、図7には、この管用保護具1が取り付けられる2つの管端部4の断面図を示している。この2つの管端部4は、互いに間隔を隔ててフランジ部5のフランジ面5aに突設されている。
【0009】
この管用保護具1を2つの管端部4に取り付けるときは、まず、2つのゴムキャップ2を、2つのそれぞれの管端部4に装着する。次に、金属カバー3を、これら2つのゴムキャップ2の上から2つの管端部4に装着する。しかる後に、図示しないボルトを、金属カバー3に形成されている挿通孔3aに挿通して、フランジ部5に形成されている雌ねじ孔(図示せず)に螺合して締め付ける。
【0010】
この状態で、各ゴムキャップ2は、それぞれの管端部4と密着しているので、異物が各管端部4内に浸入することを防止できる。そして、各管端部4を、ゴムキャップ2の上から金属カバー3で被覆しているので、金属カバー3に対して衝撃が掛かったとしても、管端部4が損傷することを防止することができる。また、金属カバー3は、ボルトでフランジ部5に留めてあるので、外力によって、金属カバー3が管端部4から外れることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−201687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、図7に示す従来の管用保護具1では、金属カバー3を、ボルトでフランジ部5に留めることはできるが、通常、一般の管には、ボルトを螺合させるための雌ねじ孔が設けられていないため、このような金属カバー3を管に固定して取り付けることはできない。また、管にボルトを留めるための雌ねじ孔を設けると、その管が規格から外れることになり、そのようなことはできない。
【0013】
そこで、図7に示す管用保護具1のゴムキャップ2及び金属カバー3を、ボルトを使用せずに、管端部4に嵌合させて取り付けることを考えると、この管端部4が形成されている例えば熱交換器を保管している間に、この管用保護具1に対して外力が掛かったときに、管用保護具1が管端部4から外れることがある。このように、管用保護具1が管端部4から外れると、水やダストが管端部4内に浸入して管の内面が錆びることがあるし、管の内面に傷が付くこともある。
【0014】
また、この管端部4が形成されている部材の外表面に、例えばショットブラスト処理を施す場合には、投射材がこの管用保護具1に衝突することによって、管用保護具1が管端部4から外れることがあり、その場合は、管の端部や内面が投射剤の衝突によって傷が付くことがある。
【0015】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、管の内周面に強固に着脱自在に取り付けることができ、管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面、管の端縁周部、及び管の内周面に水やダストが付着することを防止すると共に、これらの部分に傷が付くことを防止することができる管用保護装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る管用保護装置は、管内に挿入される略円形の第1閉止部材と、略円形の第1押え部材とを互いに間隔を隔てて対向して配置し、前記第1閉止部材及び前記第1押え部材のそれぞれの外周縁部間に、弾力性を有する第1取付けリングを配置し、前記第1閉止部材に結合して設けた第1ボルト軸部を、蓋体、弾力性を有する第1締込み部、前記第1押え部材、及び前記第1取付けリングに挿通して、これらを前記第1ボルト軸部に螺合する第1ナットで締め付けることによって、前記第1取付けリングを、前記第1閉止部材と前記第1押え部材との間に挟み込んで管の内周面に圧接させるようにした管用保護装置であって、前記蓋体の板面には、第1保護パッキンが設けられ、前記第1取付けリングが管の内周面を圧接する状態で、前記第1ナットを更に締め付けることによって、前記第1締込み部を更に圧縮変形させて、前記蓋体が、前記第1保護パッキンを管の端縁周部、又は管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させる構成としたことを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る管用保護装置を管の内周面に取り付けるときは、作業者が、まず、第1閉止部材、第1取付けリング、及び第1押え部材を管の内孔に挿入して、蓋体に設けられている第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させる。そしてこの状態で、第1ボルト軸部に螺合する第1ナットを締め付けることによって、第1ナットと第1閉止部材との間に、蓋体、弾力性を有する第1締込み部、第1押え部材、及び第1取付けリングを挟み込んで締め付けることができ、このとき、第1閉止部材及び第1押え部材のそれぞれの外周縁部間で第1取付けリングを圧縮して、この第1取付けリングを管の内周面に向かう方向に変形させて圧接させることができる。これによって、第1取付けリングの例えば管軸方向の移動に対して、管の内周面との間で摩擦抵抗が働くようにすることができ、この管用保護装置を、管の内周面に着脱自在に固定して取り付けることができる。
【0018】
そして、第1取付けリングが管の内周面を圧接して、管用保護装置が管の内周面に固定して取り付けられている状態で、第1ナットを更に締め付けることによって、第1締込み部が更に圧縮変形し、その結果、蓋体が、第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ面に押し付けて密着させることができ、その密着部分を密封することができる。
【0019】
本発明に係る管用保護装置において、前記蓋体は、円板状の蓋本体部と、この蓋本体部の外周縁部に設けられ、当該蓋本体部の板面に対して略垂直方向に突出する略円筒形状の環状凸部とを有し、前記蓋本体部の板面には前記第1保護パッキンが設けられ、前記環状凸部の内周面には、管の端部の外周面、又は管の端部に設けられているフランジ部の外周面に装着されて密着される第2保護パッキンが設けられているものとすることができる。
【0020】
このようにすると、この管用保護装置を、管の内周面に固定して取り付けた状態で、蓋本体部が、第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ面に押し付けて密着させることができる。そして、この状態で、環状凸部の内周面に設けられている第2保護パッキンを、管の端部の外周面、又は管の端部に設けられているフランジ部の外周面に密着させることができる。
【0021】
本発明に係る管用保護装置において、管内に挿入される略円形の第2閉止部材を、前記第1閉止部材に対して間隔を隔てて対向して配置し、前記第1閉止部材及び前記第2閉止部材のそれぞれの外周縁部間に、弾力性を有する第2取付けリングを配置し、前記第2閉止部材に結合して設けた第2ボルト軸部を、前記蓋体、第2締込み部、前記第1閉止部材、及び前記第2取付けリングに挿通して、前記第2取付けリング、前記第1閉止部材、及び前記第2締込み部を、前記第2ボルト軸部に螺合する第2ナットで締め付けることによって、前記第2取付けリングを、前記第1閉止部材と前記第2閉止部材との間に挟み込んで管の内周面に圧接させることができ、前記第1及び第2取付けリングが管の内周面を圧接する状態で、前記第1ナットを更に締め付けることによって、前記第1締込み部を更に圧縮変形させて、前記蓋体が前記第1保護パッキンを、管の端縁周部、又は管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させる構成とすることができる。
【0022】
このように構成された管用保護装置を管の内周面に取り付けるときは、作業者が、まず、第1閉止部材、第1取付けリング、及び第1押え部材、並びに第2閉止部材、及び第2取付けリングを管の内孔に挿入して、蓋体に設けられている第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させる。そしてこの状態で、第2ボルト軸部に螺合する第2ナットを締め付けることによって、第2ナットと第2閉止部材との間に、第2取付けリング、第1閉止部材、及び第2締込み部を挟み込んで締め付けることができ、このとき、第1閉止部材及び第2閉止部材のそれぞれの外周縁部間で第2取付けリングを圧縮して、この第2取付けリングを管の内周面に向かう方向に変形させて圧接させることができる。
【0023】
次に、上記と同様にして、第1ボルト軸部に螺合する第1ナットを締め付けることによって、第1取付けリングを管の内周面に向かう方向に変形させて圧接させることができる。
【0024】
このように、第1及び第2取付けリングの両方を、管の内周面に圧接させることによって、この第1及び第2取付けリングには、管軸方向の移動に対して、管の内周面との間で摩擦抵抗が働くようにすることができ、この管用保護装置を、管の内周面に着脱自在に強力に固定して取り付けることができる。その結果、この状態で、第1ナットを更に締め付けることによって、蓋体が、第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ面に押し付けていくときに、管に取り付けられている管用保護装置が管の軸方向にずれることがなく、蓋体が、第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ面に強力に押し付けて密着させることができる。
【0025】
本発明に係る管用保護装置において、前記第1閉止部材は、互いに結合する第1取付けリング用閉止部材と、第2取付けリング用押え部材とを有し、前記第1取付けリング用閉止部材は、前記第1押え部材との間に前記第1取付けリングを挟み込むように配置され、前記第2取付けリング用押え部材は、前記第2閉止部材との間に前記第2取付けリングを挟み込むように配置されているものとすることができる。
【0026】
このようにすると、第1取付けリング用閉止部材と、第1押え部材との間に挟み込まれて管の内周面に向かう方向に変形する第1取付けリングを、第2取付けリング用押え部材と、第2閉止部材との間に挟み込まれて管の内周面に向かう方向に変形する第2取付けリングから相対的に所定の間隔だけ引き離した状態で配置することができる。これによって、それぞれ変形する第1及び第2取付けリングどうしが互いに当接してその変形が妨げられないようにすることができ、それぞれの第1及び第2取付けリングを、管の内周面に向かう適切な方向に変形させて圧接させることができる。その結果、管用保護装置を管に対して適切な強度で取り付けることができる。
【0027】
本発明に係る管用保護装置において、前記第1締込み部は、略短円筒形状のゴム様弾性体、又はバネで形成されているものとすることができる。
【0028】
このように、第1締込み部を、略短円筒形状のゴム様弾性体とすると、第1締込み部の両方の各端部が、第1ボルト軸部が挿通する第1押え部材及び蓋体のそれぞれの挿通孔の内周縁部と密着して、各挿通孔を密封することができ、外部の水、ダスト、及び投射材等が、蓋体の挿通孔から管の内孔に浸入することを防止できる。これによって、管の内面やフランジ面が、錆びたり汚れたりすること、及び傷が付くことを防止できる。
【0029】
そして、第1締込み部をバネとすると、第1及び第2取付けリングが管の内周面を適切な力で圧接すると共に、第1保護パッキンが、管の端縁周部、又はフランジ面に適切な力で密着するように、第1締込み部の弾性係数を正確に設定することができる。
【0030】
本発明に係る管用保護装置において、前記第1保護パッキンは、ゴム層で形成されているものとすることができる。
【0031】
このように、第1保護パッキンは、ゴム層で形成することによって、管の端縁周部に隙間ができないように密着することができ、この管の端縁周部を密封することができる。よって、外部から管の内孔に水、ダスト、及び投射材等が浸入することを防止できる。そして、第1保護パッキンは、管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面に隙間ができないように密着するように形成することができ、このフランジ面に水、ダストが付着したり、投射材が衝突することを防止できる。
【0032】
本発明に係る管用保護装置において、前記第2保護パッキンは、単泡スポンジで形成されているものとすることができる。
【0033】
このように、第2保護パッキンを単泡スポンジで形成することによって、作業者が、第2保護パッキンが内周面に設けられている蓋体の環状凸部を、管の端部の外周面、又は管の端部に設けられているフランジ部の外周面に装着するときに、この第2保護パッキンが必要量だけ柔軟に変形するように、この第2保護パッキンを形成することができる。よって、作業者は、蓋体の環状凸部を、管の端部の外周面、又はフランジ部の外周面に簡単に装着することができる。また、この管用保護装置を、管の内周面に取り付けた状態で、第2保護パッキンを、管の端部の外周面又はフランジ部の外周面に、適切な接触圧で隙間ができないように密着させることができるので、管の端部の外周面又はフランジ部の外周面と、第2保護パッキンとの接触面から水、ダスト、及び投射材等が管内に浸入することを防止できる。
【0034】
本発明に係る管用保護装置において、前記蓋体の外表面を、ゴム層で被覆したものとすることができる。
【0035】
このようにすると、例えば管用保護装置が取り付けられている管に対してショットブラスト処理を行なうときに、投射材が、蓋体の外表面に直接に衝突することを、このゴム層によって防止できる。これによって、蓋体の損傷を防止でき、蓋体による管に対する保護機能が損なわれないようにすることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る管用保護装置は、この管用保護装置を、管の内周面に着脱自在に固定して取り付けた状態で、蓋体が、第1保護パッキンを管の端縁周部、又は管に設けられているフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させることができる構成である。従って、例えばこの管を保管するときに、管の端縁周部、又はフランジ面に水やダストが付着することを、この第1保護パッキンによって防止することができる。そして、蓋体が、第1保護パッキンを管の端縁周部、又はフランジ面に押し付けて密着させているので、この管用保護装置が取り付けられている管の開口部から内孔に、外部の水やダストが浸入することを防止できる。これによって、管の端縁周部、又はフランジ面、及び管の内周面が、錆びたり汚れたりすることを防止できるし、それらの面に傷が付かないように保護することができる。
【0037】
そして、弾力性を有する第1取付けリングを管の内周面に圧接させることによって、この管用保護装置を管に取り付けているので、管の内面に傷を付けずにこの管用保護装置を管に着脱自在に取り付けることができる。
【0038】
また、この管用保護装置は、作業者が第1ナットを締め付けたり緩めるという極めて簡単な操作を行なうことによって、短時間で管に着脱自在に繰り返し取り付けることができる。
【0039】
更に、第1取付けリングは、管の内周面に圧接することによって、この管用保護装置を管の内周面に取り付ける構成であるので、管どうしが互いに接近して配置されている場合でも、隣に配置されている管に邪魔されずに、この管用保護装置を所望の管に取り付けることができる。
【0040】
更に、蓋体に環状凸部を設け、この環状凸部の内周面に第2保護パッキンを設けた構成とすることによって、例えばこの管用保護装置が取り付けられた管に対してショットブラスト(サンドブラスト)処理を行なうときに、投射材としての粒体が、管の端部の外周面、又は管の端部に設けられているフランジ部の外周面に衝突することを、第2保護パッキンによって防止できる。これによって、管の端部の外周面、又はフランジ部の外周面よりも奥側に配置されており、第1保護パッキンが密着している管の端縁周部、又はフランジ面が、投射材の衝突によって傷が付くことを確実に防止できる。
【0041】
このように、管の端縁周部に傷が付かないようにする目的は、例えば管の端縁周部が溶接のための開先形状に形成されている場合に、規定の溶接品質を確保するためである。そして、フランジ面に傷が付かないようにする目的は、互いに接続されたフランジ部の接合面の密封性を確保するためである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の第1及び第2実施形態に係る第1及び第2管用保護装置を示す縦断面図である。
【図2】同第1実施形態に係る第1管用保護装置を示す正面図である。
【図3】同発明の第3及び第4実施形態に係る第3及び第4管用保護装置を示す縦断面図である。
【図4】同発明の第5実施形態に係る第5管用保護装置を示すB−B断面図である。
【図5】同第5実施形態に係る第5管用保護装置を示すA−A断面図である。
【図6】同発明の第6実施形態に係る第6管用保護装置を、図4と同方向から見た断面図である。
【図7】従来の管用保護具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明に係る管用保護装置の第1及び第2実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。図1に示すように、第1実施形態の第1管用保護装置11は、管7のフランジ部8が設けられている右端部に取り付けることができ、第2実施形態の第2管用保護装置12は、管7のフランジ部8が設けられていない左端部に取り付けることができるものである。この第1及び第2管用保護装置11、12は、例えば管7を設置する前の状態で保管しておく場合に、フランジ面8a、管7の端縁周部7a、及び管7の内周面7bに水やダストが付着して、それらが錆びたり汚れたりすることがないように、これらを保護することができるものである。図2は、第1管用保護装置11を示す正面図である。
【0044】
そして、図1に示すように、第1管用保護装置11は、例えば内径が約100mmの管7の左端部に取り付けることができ、第2管用保護装置12は、外径が約200mmのフランジ部8に取り付けることができるように形成されているが、この大きさに近い管やフランジ部にも取り付けることができる。また、第1及び第2管用保護装置11、12は、管7やフランジ部8の大きさに応じて形成することによって、そのような大きさの管やフランジ部に取り付けることができるようにすることができる。
【0045】
更に、この第1及び第2管用保護装置11、12は、例えば設置する前の管7に取り付けて使用することができるが、これ以外の例えば既設配管に対しては、例えば補修工事の際に取り付けて使用することもできる。そして、管7及びフランジ部8は、金属製であってもよいし、合成樹脂製であってもよい。
【0046】
図1に示す管7は、円筒形状に形成され、その右端部に円板状のフランジ部8が溶接されて設けられている。
【0047】
次にまず、図1を参照して、第1管用保護装置11を説明する。この第1管用保護装置11は、第1取付けリング13を管7の内周面7bに圧接させるための第1閉止部材14と第1押え部材15とを備えている。
【0048】
これら第1閉止部材14及び第1押え部材15は、同図に示すように、それぞれの断面形状が略左右対称の形状及び大きさに形成されたものであり、所定の厚みを有する円板状体であって、互いに間隔を隔てて対向して配置されている。
【0049】
そして、これら第1閉止部材14及び第1押え部材15のそれぞれの外周縁部間に、弾力性を有する第1取付けリング13が配置されている。この第1取付けリング13を保持しているのがリング保持面16である。
【0050】
第1閉止部材14のリング保持面16は、円環状に形成され、図1の断面図に示すように、この第1閉止部材14の半径方向に延びる垂直面16aと、この垂直面16aの内周縁と連続して接続する傾斜面16bとを備えている。この傾斜面16bは、第1閉止部材14の中心側から半径方向外側に向かうに従って、この第1閉止部材14と対向して配置されている第1押え部材15から離れていくように形成されている。
【0051】
同様に、第1押え部材15のリング保持面16は、円環状に形成され、図1の断面図に示すように、この第1押え部材15の半径方向に延びる垂直面16aと、この垂直面16aの内周縁と連続して接続する傾斜面16bとを備えている。この傾斜面16bは、第1押え部材15の中心側から半径方向外側に向かうに従って、この第1押え部材15と対向して配置されている第1閉止部材14から離れていくように形成されている。
【0052】
第1取付けリング13は、例えば合成ゴム等のゴム様弾性体であり、円環状に形成され、断面形状が図1に示すようにC字形状であって、内周面には内側に窪む略コ字形状の環状溝が形成され、外周面は、外側に膨らむ略円弧状に形成されている。そして、図1に示す第1取付けリング13の左側面及び右側面の各断面形状は、第1閉止部材14及び第1押え部材15のそれぞれのリング保持面16を構成している垂直面16a及び傾斜面16bと対応する形状であって、外側に膨らむ形状である。
【0053】
また、図1に示すように、第1閉止部材14の中心に形成された挿通孔には、第1ボルト軸部17の先端部が嵌入しており、この状態で第1閉止部材14に溶接されて溶接部で結合している。
【0054】
この第1ボルト軸部17は、図1に示すように、所定の長さ及び太さに形成された棒状体である。そして、この第1ボルト軸部17は、その先端(左端部)側から基端(右端部)側に向かう順に、第1押え部材15の中心に形成された挿通孔、第1締込み部18の内孔、蓋体19の中心に形成された挿通孔、及び座金20の内孔に挿通している。更に、基端部には、雄ねじ部17aが形成され、この雄ねじ部17aに第1ナット21が螺合している。この第1ナット21には、ハンドル22が設けられている。
【0055】
なお、図1に示す第1押え部材15、第1締込み部18、蓋体19、及び座金20は、第1ボルト軸部17に対して軸方向に移動自在に挿通している。そして、第1締込み部18の両方の各端部は、第1押え部材15及び蓋体19の各板面と密着して当接している。そして、第1締込み部18の内側に、第1押え部材15及び蓋体19のそれぞれに形成されている挿通孔が配置されている。また、第1ナット21の端部は、座金20を介して蓋体19の外表面の板面に当接している。
【0056】
第1締込み部18は、略短円筒形状であって、例えば合成ゴム等のゴム様弾性体で形成されている。
【0057】
蓋体19は、図1及び図2に示すように、管7の右開口端部に設けられているフランジ部8のフランジ面8aに対して、この蓋体19に設けられている第1保護パッキン23を押し付けて密着させることができるものである。
【0058】
蓋体19は、例えば金属製の円板であって、その外径は、円板状のフランジ部8の外径と略一致している。
【0059】
第1保護パッキン23は、図1に示すように、フランジ部8のフランジ面8aに密着してこのフランジ面8aを保護するためのものであり、蓋体19のフランジ部8に向かう側の板面(内表面)に貼り付けられたゴムシートによって形成されている。従って、第1保護パッキン23は、保護しようとするフランジ面8aに密着してこれを覆うことができる大きさ及び形状に形成されている。つまり、第1保護パッキン23は、円環状の板状体であって、その外径は、円板状の蓋体19及びフランジ部8の外径と略一致している。そして、第1保護パッキン23の内径は、フランジ部8の内径よりも少し大きく形成されている。
【0060】
なお、この第1保護パッキン23は、ゴム様弾性体で形成されたゴムシートを蓋体19の内表面に貼り付けてゴム層として形成したが、これ以外の方法によって蓋体19の内表面に第1保護パッキン23を形成してもよい。そして、第1保護パッキン23は、その内径がフランジ部8の内径と一致するように形成してもよい。
【0061】
次に、図1を参照して、第2管用保護装置12を説明する。この第2管用保護装置12と、第1管用保護装置11とが相違するところは、第1管用保護装置11では、蓋体19に設けられている第1保護パッキン23をフランジ面8aに密着させて、このフランジ面8aを保護すると共に、第1保護パッキン23とフランジ面8aとの密着部分から水やダストが管7の外部から内孔7cに浸入しないように構成したのに対して、第2管用保護装置12では、蓋体25に設けられている第1保護パッキン26を管7の端縁周部7aに密着させて、この端縁周部7aを保護すると共に、第1保護パッキン26と端縁周部7aとの密着部分から水やダストが管7の外部から内孔7cに浸入しないように構成したところである。
【0062】
従って、第2管用保護装置12の第1保護パッキン26は、保護しようとする管7の端縁周部7aに密着してこれを覆うことができる大きさ及び形状に形成されている。つまり、第1保護パッキン26は、円環状の板状体であって、その外周縁部と内周縁部との間に管7の端縁周部7aが当接するように、ある程度の余裕を持ってその外径及び内径が設定されている。また、第1保護パッキン26の外径は、円板状の蓋体25の外径と略一致している。
【0063】
これ以外は、第1管用保護装置11と同等の構成であり同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0064】
次に、上記のように構成された第1及び第2管用保護装置11、12の作用及び使用方法を、図1を参照して説明する。この第1及び第2管用保護装置11、12は、例えば管7を設置する前の状態で保管しておく場合に、図1に示すように管7の両方の各端部に取り付けて、フランジ面8a、管7の端縁周部7a、及び管7の内周面7bに水やダストが付着して、それらが錆びたり汚れたりすることがないように、これらを保護することができる。
【0065】
次に、図1を参照して、管7の右側及び左側の各端部に、第1及び第2管用保護装置11、12を取り付ける手順及び作用を説明する。なお、管7に対して第1及び第2管用保護装置11、12を取り付ける順番は、どちらを先に管7に取り付けてもよいが、ここでは、まず、第1管用保護装置11を管7のフランジ部8側の右端部に取り付け、しかる後に、第2管用保護装置12を管7の左端部に取り付ける順番で説明する。
【0066】
作業者は、まず、図1に示すように、第1管用保護装置11の第1閉止部材14、第1取付けリング13、及び第1押え部材15を管7の右端部からその内孔7cに挿入して、蓋体19に設けられている第1保護パッキン23をフランジ部8のフランジ面8aに押し付けて密着させる。そしてこの状態で、第1ボルト軸部17に螺合する第1ナット21を締め付ける。これによって、第1ナット21と第1閉止部材14との間に、蓋体19、弾力性を有する第1締込み部18、第1押え部材15、及び第1取付けリング13を挟み込んで締め付けることができ、このとき、第1閉止部材14及び第1押え部材15のそれぞれの外周縁部(リング保持面16)間で第1取付けリング13を圧縮して、この第1取付けリング13を管7の内周面7bに向かう方向に変形させて圧接させることができる。
【0067】
これによって、第1取付けリング13は、例えば管軸方向の移動に対して、管7の内周面7bとの間で摩擦抵抗が働くようにすることができ、この第1管用保護装置11を、管7の内周面7bに着脱自在に固定して取り付けることができる。
【0068】
つまり、図1に示す第1ナット21を締め付けていくと、第1取付けリング13及び第1締込み部18のうち、まず、第1取付けリング13が大きく圧縮されて管7の内周面7bに向かう方向に変形するように、第1取付けリング13及び第1締込み部18のそれぞれの圧縮される方向の弾性係数が設定されている。即ち、第1取付けリング13は、第1締込み部18よりも圧縮される方向の弾性係数が小さく設定されている。
【0069】
次に、第1取付けリング13が管7の内周面7bを圧接して、第1管用保護装置11が管7の内周面7bに固定して取り付けられている状態で、第1ナット21を更に締め付けることによって、第1締込み部18が、図1の二点鎖線で示すように更に圧縮変形し、その結果、蓋体19が、第1保護パッキン23をフランジ面8aに押し付けて密着させることができ、その円環状の密着部分を密封することができる。
【0070】
このように、第1取付けリング13が管7の内周面7bを圧接している状態で、第1ナット21を更に締め付けることによって、第1締込み部18が更に圧縮変形して、蓋体19が、第1保護パッキン23をフランジ面8aに押し付けて密着させることができるのは、第1ナット21を更に締め付けたときに、管7の内周面7bを圧接する第1取付けリング13は、もうこれ以上、殆ど圧縮されないからである。
【0071】
従って、図1に示すように、管7に第1管用保護装置11を取り付けて保管すると、フランジ面8aに水やダストが付着することを、第1保護パッキン23によって防止することができる。そして、蓋体19が、第1保護パッキン23をフランジ面8aに押し付けて密着させているので、この第1管用保護装置11が取り付けられている管7の右側の開口部から内孔7cに、外部の水やダストが浸入することを防止できる。これによって、フランジ面8a、及び管7の内周面7bが、錆びたり汚れたりすることを防止できるし、それらの面に傷が付かないように保護することができる。
【0072】
そして、図1に示すように、弾力性を有する第1取付けリング13を管7の内周面7bに圧接させることによって、この第1管用保護装置11を管7に取り付けているので、管7の内面に傷を付けずにこの第1管用保護装置11を管7に着脱自在に取り付けることができる。
【0073】
また、この第1管用保護装置11は、作業者が第1ナット21を締め付けたり緩めるという極めて簡単な操作を行なうことによって、短時間で管7に着脱自在に繰り返し取り付けることができる。
【0074】
更に、第1取付けリング13は、図1に示すように、管7の内周面7bに圧接することによって、この第1管用保護装置11を管7の内周面7bに取り付ける構成であるので、管7どうしが互いに接近して配置されている場合でも、隣に配置されている管7に邪魔されずに、この第1管用保護装置11を所望の管7に取り付けることができる。また、互いに接近して配置されている全ての管7に対しても、第1管用保護装置11を取り付けることができる。
【0075】
そして、図1に示す第1締込み部18は、略短円筒形状のゴム様弾性体で形成しているので、第1締込み部18の両方の各端部が、第1ボルト軸部17が挿通する第1押え部材15及び蓋体19のそれぞれの挿通孔の内周縁部と密着して、各挿通孔を密封することができ、外部の水及びダスト等が、蓋体19の挿通孔から管7の内孔7cに浸入することを防止できる。これによって、管7の内面やフランジ面8aが、錆びたり汚れたりすること、及び傷が付くことを防止できる。
【0076】
つまり、図1に示す第1閉止部材14と、第1押え部材15と、管7の内周面7bに圧接する第1取付けリング13とによって囲まれた空間27は、第1押え部材15に形成されている挿通孔、第1締込み部18の内孔、及び蓋体19に形成されている挿通孔を介して管7の外側と連通しているが、管7の内孔7cには連通していない構成となっている。よって、管7の内孔7cは、第1管用保護装置11によって密封されており、管7の外側空間と連通していない構成となっている。
【0077】
そして、この実施形態では、第1締込み部18をゴム様弾性で形成したが、これに代えて圧縮コイルばねで形成してもよい。このようにすると、第1取付けリング13が管7の内周面7bを適切な力で圧接すると共に、第1保護パッキン23が、フランジ面8aに適切な力で密着するように、第1締込み部18の弾性係数を正確に設定することができる。
【0078】
また、図1に示す第1保護パッキン23は、ゴム層で形成されているので、フランジ面8aに隙間ができないように密着することができ、このフランジ面8aを密封することができる。よって、フランジ面8aに水、ダストが付着することを防止できるし、外部から管7の内孔7cに水、ダスト、及び場合によっては投射材等が浸入することを防止できる。
【0079】
次に、図1に示す第2管用保護装置12を管7の左端部に取り付ける手順及び作用を説明する。この第2管用保護装置12を管7の左端部に取り付ける手順及び作用と、第1管用保護装置11を管7のフランジ部8が設けられている右端部に取り付ける手順及び作用とが相違するところは、第1管用保護装置11では、第1ナット21を締め付けることによって、第1締込み部18が圧縮変形し、蓋体19が、第1保護パッキン23をフランジ面8aに押し付けて密着させ、その円環状の密着部分を密封するようにしているのに対して、第2管用保護装置12では、第1ナット21を締め付けることによって、第1締込み部18が圧縮変形し、蓋体25が、第1保護パッキン26を管7の端縁周部7aに押し付けて密着させ、その円環状の密着部分を密封するようにしているところである。
【0080】
この第2管用保護装置12によると、例えばこの管7を保管するときに、管7の端縁周部7aに水やダストが付着することを、この第1保護パッキン26によって防止することができる。そして、蓋体25が、第1保護パッキン26を管7の端縁周部7aに押し付けて密着させているので、この第2管用保護装置12が取り付けられている管7の左側の開口部から内孔7cに、外部の水やダストが浸入することを防止できる。これによって、管7の端縁周部7a、及び管7の内周面7bが、錆びたり汚れたりすることを防止できるし、それらの面に傷が付かないように保護することができる。
【0081】
これ以外は、第1管用保護装置11を管7の右端部に取り付ける手順及び作用と同等であるので、それらの説明を省略する。
【0082】
次に、図3を参照して、本発明に係る管用保護装置の第3実施形態を説明する。この図3に示す第3実施形態の第3管用保護装置29と、図1に示す第1実施形態の第1管用保護装置11とが相違するところは、図1に示す第1管用保護装置11では、蓋体19に設けられている第1保護パッキン23をフランジ面8aに密着させて、このフランジ面8aを保護することができる構成であるのに対して、図3に示す第3管用保護装置29では、蓋体19に設けられている第1保護パッキン23をフランジ面8aに密着させて、このフランジ面8aを保護すると共に、蓋体19に設けられている第2保護パッキン31をフランジ部8の外周面8bに密着させて、この外周面8bも保護することができる構成としたところが相違する。
【0083】
そして、図1に示す第1管用保護装置11では、蓋体19の外表面が露出しているのに対して、図3に示す第3管用保護装置29では、蓋体19の外表面をゴム層32で被覆したころも相違している。
【0084】
これ以外は、第1管用保護装置11と同等の構成であり同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0085】
この第3管用保護装置29の蓋体33は、図3に示すように、円板状の蓋本体部33aと、この蓋本体部33aの外周縁部に設けられ、当該蓋本体部33aの板面に対して略垂直方向に突出する略短円筒形状の環状凸部33bとを有している。
【0086】
そして、蓋本体部33aの板面の内表面には第1保護パッキン23が設けられ、環状凸部33bの内周面には、管7の端部に設けられているフランジ部8の外周面8bに装着されて密着される第2保護パッキン31が設けられている。
【0087】
なお、この第2保護パッキン31は、図3に示すように、その外径は、フランジ部8の外径よりも大きく、その内径は、フランジ部8の外径よりも小さく形成されている。
【0088】
また、図3に示すように、蓋本体部33aの板面の外表面、及び環状凸部33bの外周面には、例えばゴムシートを貼り付けてあり、このゴムシートがゴム層32を形成している。なお、このゴム層32は、ゴムシートを蓋体33の外表面及び外周面に貼り付けて形成したが、これ以外の方法によってゴム層32を形成してもよい。
【0089】
この第3管用保護装置29によると、図3に示すように、第3管用保護装置29を管7の右端部の内周面7bに固定して取り付けた状態で、蓋本体部33aが、第1保護パッキン23をフランジ面8aに押し付けて密着させることができる。そして、この状態で、環状凸部33bの内周面に設けられている第2保護パッキン31を、フランジ部8の外周面8bに密着させることができる。
【0090】
このように、蓋体19に環状凸部33bを設け、この環状凸部33bの内周面に第2保護パッキン31を設けた構成とすることによって、例えばこの第3管用保護装置29(及び後述する第4管用保護装置30)が取り付けられた管7に対してショットブラスト(サンドブラスト)処理を行なうときに、投射材としての粒体が、フランジ部8の外周面8bに衝突することを第2保護パッキン31によって防止できる。これによって、フランジ部8の外周面8bよりも奥側に配置されており、第1保護パッキン23が密着しているフランジ面8aが、投射材の衝突によって傷が付くことを確実に防止できる。
【0091】
このように、フランジ面8aに傷が付かないようにする目的は、互いに接続されたフランジ部8の接合面の密封性を確保するためである。
【0092】
そして、図3に示すように、蓋本体部33aの板面の外表面、及び環状凸部33bの外周面には、ゴム層32を設けてあるので、例えば第3管用保護装置29が取り付けられている管7に対してショットブラスト処理を行なうときに、投射材が、蓋体33の外表面及び外周面に直接に衝突することを、このゴム層32によって防止できる。これによって、蓋体33の損傷を防止でき、蓋体33による管7に対する保護機能が損なわれないようにすることができる。
【0093】
なお、管7及びフランジ部8の外表面に対してショットブラスト処理を行なう目的は、例えば管7の表面処理や、汚れ落し、バリ取り等である。
【0094】
次に、図3を参照して、本発明に係る管用保護装置の第4実施形態を説明する。この図3に示す第4実施形態の第4管用保護装置30と、図1に示す第2実施形態の第2管用保護装置12とが相違するところは、図1に示す第2管用保護装置12では、蓋体25に設けられている第1保護パッキン26を管7の端縁周部7aに密着させて、この環状の密着部分から水やダストが浸入することを防止できる構成としたのに対して、図3に示す第4管用保護装置30では、蓋体35に設けられている第1保護パッキン26を端縁周部7aに密着させて、この環状の密着部分から水やダストが浸入することを防止すると共に、蓋体35に設けられている第2保護パッキン31を管7の端部の外周面7dに密着させて、この外周面7dも保護することができる構成としたところが相違する。
【0095】
この第2保護パッキン31は、図3に示すように、その外径は、管端部の外径よりも大きく、その内径は、管端部の外径よりも小さく形成されている。
【0096】
この第4管用保護装置30によると、図3に示すように、第4管用保護装置30を管7の左端部の内周面7bに固定して取り付けた状態で、蓋本体部35aが、第1保護パッキン26を管7の端縁周部7aに押し付けて密着させることができる。そして、この状態で、環状凸部35bの内周面に設けられている第2保護パッキン31を、管7の端部の外周面7dに密着させることができる。
【0097】
このように、蓋体35に環状凸部35bを設け、この環状凸部35bの内周面に第2保護パッキン31を設けた構成とすることによって、例えばこの第4管用保護装置30(及び第3管用保護装置29)が取り付けられた管7に対してショットブラスト(サンドブラスト)処理を行なうときに、投射材としての粒体が、管7の端部の外周面7dに衝突することを、第2保護パッキン31によって防止できる。これによって、管7の端部の外周面7dよりも奥側に配置されており、第1保護パッキン26が密着している管7の端縁周部7aが、投射材の衝突によって傷が付くことを確実に防止できる。
【0098】
このように、管7の端縁周部7aに傷が付かないようにする目的は、例えば管7の端縁周部7aが溶接のための開先形状(例えばV形開先又はX形開先)に形成されている場合に、規定の溶接品質を確保するためである。
【0099】
また、図3に示す第3及び第4管用保護装置29、30に設けられているそれぞれの第2保護パッキン31、31は、例えば単泡スポンジで形成されている。このように、第2保護パッキン31、31を単泡スポンジで形成することによって、作業者が、第2保護パッキン31、31が内周面に設けられている蓋体33、35の環状凸部33b、35bを、管7の端部に設けられているフランジ部8の外周面8b、又は管7の端部の外周面7dに装着するときに、この第2保護パッキン31、31が必要量だけ柔軟に変形するように、この第2保護パッキン31、31を形成することができる。よって、作業者は、蓋体33、35の環状凸部33b、35bを、フランジ部8の外周面8b、又は管7の端部の外周面7dに簡単に装着することができる。
【0100】
また、この第3及び第4管用保護装置29、30を、管7の内周面7bに取り付けた状態で、第2保護パッキン31、31を、フランジ部8の外周面8b、又は管7の端部の外周面7dに、適切な接触圧で隙間ができないように密着させることができるので、管7の端部の外周面7d又はフランジ部8の外周面8bと、第2保護パッキン31、31との接触面から水、ダスト、及び投射材等が管7内に浸入することを確実に防止できる。
【0101】
次に、図4及び図5を参照して、本発明に係る管用保護装置の第5実施形態を説明する。この図4及び図5に示す第5実施形態の第5管用保護装置38と、図3に示す第3実施形態の第3管用保護装置29とが相違するところは、以下の通りである。
【0102】
図3に示す第3管用保護装置29では、1本の第1ボルト軸部17に螺合する1つの第1ナット21を締め付けることによって、蓋体33に設けられている第1保護パッキン23をフランジ面8aに密着させて、このフランジ面8aを保護すると共に、蓋体33に設けられている第2保護パッキン31をフランジ部8の外周面8bに密着させて、この外周面8bも保護することができる構成としている。
【0103】
これに対して、図4及び図5に示す第5管用保護装置38では、3本のそれぞれの第1ボルト軸部17に螺合する3つの各第1ナット21を締め付けることによって、蓋体33に設けられている第1保護パッキン23をフランジ面8aに密着させて、このフランジ面8aを保護すると共に、蓋体33に設けられている第2保護パッキン31をフランジ部8の外周面8bに密着させて、この外周面8bも保護することができる構成としたところが相違している。
【0104】
この3本の第1ボルト軸部17は、図5のA−A断面図に示すように、第1押え部材15に対して、その中心から所定の半径の円周に沿って、120°おきに配置されている。この図4及び図5に示す3本の各第1ボルト軸部17は、図3に示す第1ボルト軸部17と同等のものであってこれと同様に、図4に示すように、蓋体33、第1締込み部18、第1押え部材15、及び第1取付けリング13を挿通した状態で、その先端部が第1閉止部材14の第1取付けリング用閉止部材39に溶接されて結合している。
【0105】
また、図4及び図5に示す第5管用保護装置38では、3本のそれぞれの第2ボルト軸部42の雄ねじ部42aに螺合する3つの各第2ナット43を締め付けることによって、この第5管用保護装置38に設けられている第2取付けリング44を管7の内周面7bに圧接させることができるものであって、これら2つの第1及び第2取付けリング13、44によって、第5管用保護装置38を、管7の内周面7bに着脱自在に強力に固定して取り付けることができる構成としたところも相違している。
【0106】
この3本の第2ボルト軸部42は、図5のA−A断面図に示すように、第1押え部材15に対して、その中心から所定の半径の円周に沿って、120°おきに配置されていると共に、3本の第1ボルト軸部17と交互に円周方向に沿って配置されている。
【0107】
この図4及び図5に示す3本の各第2ボルト軸部42は、第1ボルト軸部17よりも少し長く形成したものであり、その先端部が第2閉止部材45に溶接されて結合している。
【0108】
この図4に示す第2閉止部材45は、管7内に挿入される円板状部材であり、第1閉止部材14の第2取付けリング用押え部材40に対して間隔を隔てて対向して、管7の奥側に配置され、第2取付けリング用押え部材40及び第2閉止部材45のそれぞれの外周縁部間に、弾力性を有する第2取付けリング44が配置されている。
【0109】
そして、3本の各第2ボルト軸部42は、図4に示すように、蓋体33、第1押え部材15、第2取付けリング44、第1閉止部材14(第1取付けリング用閉止部材39、及び第2取付けリング用押え部材40)に挿通している。また、各第2ボルト軸部42は、剛体で形成された円筒形状の第2締込み部46に挿通している。この第2締込み部46は、一端部が第1取付けリング用閉止部材39の板面に当接し、他端部が、第2ボルト軸部42に螺合する第2ナット43の端部と座金47を介して当接している。
【0110】
この図4に示す第2ナット43を回転させると、第2締込み部46、第1閉止部材14、第2取付けリング44を締め付けることができ、これによって、第2取付けリング44を、第1閉止部材14と第2閉止部材45との間に挟み込んで、管7の内周面7bに圧接させることができるように構成されている。
【0111】
また、この図4に示す第5管用保護装置38によると、第1及び第2取付けリング13、44が管7の内周面7bを圧接する状態で、3つの各第1ナット21を更に締め付けることによって、3つの各第1締込み部18を二点鎖線で示すように更に圧縮変形させることができ、これによって、蓋体33が第1保護パッキン23を、管7の端部に設けられているフランジ部8のフランジ面8aに押し付けて密着させることができる構成となっている。
【0112】
次に、図4に示す第1閉止部材14を説明する。この第1閉止部材14は、第1取付けリング用閉止部材39と、第2取付けリング用押え部材40とを有し、これらは、短円筒形状の連結部41を介して互いに結合している。
【0113】
この第1取付けリング用閉止部材39は、円板状部材であり、外周部にリング保持面16が形成され、第1押え部材15に形成されているリング保持面16との間に第1取付けリング13を挟み込むように配置されている。そして、第1押え部材15及び第1取付けリング用閉止部材39の外周部に形成されているそれぞれのリング保持面16には、垂直面16a、傾斜面16b、及び水平面16cが形成されている。
【0114】
第2取付けリング用押え部材40は、円板状部材であり、その外周部に形成されている垂直面16aと、第2閉止部材45の外周部に形成されている傾斜面16bとの間に第2取付けリング44を挟み込むように配置されている。
【0115】
次に、上記のように構成された第5管用保護装置38を管7の内周面7bに取り付けるときの手順及びその作用を説明する。図4に示すように、作業者が、まず、第1閉止部材14、第1取付けリング13、及び第1押え部材15、並びに第2閉止部材45、及び第2取付けリング44を管7の内孔7cに挿入して、蓋体33に設けられている第1保護パッキン23をフランジ部8のフランジ面8aに押し付けて密着させる。そしてこの状態で、3本の各第2ボルト軸部42に螺合する3つの各第2ナット43を締め付けることによって、第2ナット43と第2閉止部材45との間に、第2取付けリング44、第1閉止部材14、及び第2締込み部46を挟み込んで締め付けることができ、このとき、第1閉止部材14(第2取付けリング用押え部材40)及び第2閉止部材45のそれぞれの外周縁部(リング保持面16)間で第2取付けリング44を圧縮して、この第2取付けリング44を管7の内周面7bに向かう方向に変形させて圧接させることができる。
【0116】
次に、図3に示す第3実施形態と同様にして、3本の各第1ボルト軸部17に螺合する3つの各第1ナット21を締め付けることによって、第1取付けリング13を管7の内周面7bに向かう方向に変形させて圧接させることができる。
【0117】
このように、第1及び第2取付けリング13、44の両方を、管7の内周面7bに圧接させることによって、この第1及び第2取付けリング13、44には、の管軸方向の移動に対して、管7の内周面7bとの間で摩擦抵抗が働くようにすることができ、この第5管用保護装置38を、管7の内周面7bに着脱自在に強力に固定して取り付けることができる。
【0118】
その結果、この状態で、3つの各第1ナット21を更に締め付けることによって、蓋体33が、第1保護パッキン23をフランジ面8aに押し付けていくときに、管7に取り付けられている第5管用保護装置38が管7の軸方向にずれることがなく、蓋体33が、第1保護パッキン23をフランジ面8aに強力に押し付けて密着させることができる。
【0119】
また、図4に示すように、第1閉止部材14は、第1取付けリング用閉止部材39と、第2取付けリング用押え部材40とを有し、これらは、連結部41を介して互いに間隔を隔てて結合する構成としたので、第1取付けリング用閉止部材39と、第1押え部材15との間に挟み込まれて管7の内周面7bに向かう方向に変形する第1取付けリング13を、第2取付けリング用押え部材40と、第2閉止部材45との間に挟み込まれて管7の内周面7bに向かう方向に変形する第2取付けリング44から相対的に所定の間隔だけ引き離した状態で配置することができる。
【0120】
これによって、それぞれ変形する第1及び第2取付けリング13、44どうしが互いに当接してその変形が妨げられないようにすることができ、それぞれの第1及び第2取付けリング13、44を、管7の内周面7bに向かう適切な方向に変形させて圧接させることができる。その結果、第5管用保護装置38を管7に対して適切な強度で取り付けることができる。
【0121】
次に、図4を参照して、第1取付けリング13の内側の密封構造について説明する。同図に示す第1取付けリング用閉止部材39には、第2ボルト軸部42が挿通する挿通孔が形成されていて、この挿通孔には封止部48が装着され、第2ボルト軸部42との隙間を封止している。
【0122】
このように構成されているので、外部の水やダストが、蓋体33の第2締込み部46が挿通する挿通孔の内周面と、第2締込み部46の外周面との間、及び第1押え部材15に形成されている開口部15aを通って第1取付けリング13の内側空間27に浸入することがあるが、上記封止部48によって、第1取付けリング用閉止部材39よりも管7の奥側に浸入することを防止でき、管7の奥側の内周面7bが錆びたり汚れたりすることや、傷が付くことを防止できる。なお、封止部48は、第2取付けリング44による封止機能を補助するためのものであり、省略することができる。
【0123】
これ以外は、図3に示す第3管用保護装置29と同等の構成であり同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0124】
次に、図6を参照して、本発明に係る管用保護装置の第6実施形態を説明する。この図6に示す第6実施形態の第6管用保護装置51と、図4に示す第5実施形態の第5管用保護装置38とが相違するところは、図4に示す第5管用保護装置38では、第2取付けリング44を挟み込んでいる第2取付けリング用押え部材40及び第2閉止部材45を、第1取付けリング用閉止部材39よりも管7の奥側に配置したのに対して、図6に示す第6管用保護装置51では、第2取付けリング44を挟み込んでいる第2取付けリング用押え部材40及び第2閉止部材45を、第1押え部材15よりも管7の開口部(フランジ部8)側に配置しているところが相違している。
【0125】
この図6に示す第6管用保護装置51は、図4に示す第5管用保護装置38と同様に、第2取付けリング用押え部材40が円筒形状の連結部41を介して第1取付けリング用閉止部材39と結合している。そして、この連結部41は、第2閉止部材45及び第1押え部材15のそれぞれに形成されている開口部45a、15aに挿通されている。
【0126】
そして、3つの各第1締込み部18は、図6に示すように、第2取付けリング用押え部材40及び第2閉止部材45に形成されている開口部40a、45bに挿通されている。そして、これら各開口部40a、45bは、第1締込み部18が圧縮されて、二点鎖線で示すように変形することができるような大きさに形成されている。
【0127】
また、3本の各第2ボルト軸部42は、図4に示す第5管用保護装置38と同様に、それぞれの先端部が第2閉止部材45と結合している。そして、3つの各第2締込み部46は、それぞれの一端部が第2取付けリング用押え部材40の板面に当接し、それぞれの他端部が、第2ボルト軸部42に螺合する第2ナット43の端部と座金47を介して当接している。
【0128】
これ以外は、図4に示す第5管用保護装置38と同等の構成であり同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0129】
ただし、図1に示す管7は、右端部にフランジ部8が設けられ、このフランジ部8が設けられている右端部に第1管用保護装置11を取り付け、管7の左端部に第2管用保護装置12を取り付けた例を挙げたが、これに代えて、管の左右の各端部にフランジ部8が設けられ、これら左右のフランジ部8が設けられている各端部に、それぞれ第1管用保護装置11を取り付けることができる。
【0130】
そして、図には示さないが、左右の各端部にフランジ部8が設けられていない管7に対して、その管7の左右の各端部に第2管用保護装置12を取り付けることができる。
【0131】
同様に、図3に示す管7は、右端部にフランジ部8が設けられ、このフランジ部8が設けられている右端部に第3管用保護装置29を取り付け、管7の左端部に第4管用保護装置30を取り付けた例を挙げたが、これに代えて、管7の左右の各端部にフランジ部8が設けられ、これら左右のフランジ部8が設けられている各端部に、それぞれ第3管用保護装置29を取り付けることができる。
【0132】
そして、図には示さないが、左右の各端部にフランジ部8が設けられていない管7に対して、その管7の左右の各端部に第4管用保護装置30を取り付けることができる。
【0133】
また、図4及び図6に示す第5及び第6管用保護装置38、51では、蓋体33、第1及び第2保護パッキン23、31が、フランジ面8a及びフランジ部8の外周面8bを保護する構成としたが、これに代えて、図1に示すように、蓋体33及び第1保護パッキン26が、管7の端縁周部7aに密着して管7の開口端部を密封する構成としてもよい。
【0134】
更に、図4及び図6に示す第5及び第6管用保護装置31、51は、図3に示す第3管用保護装置29に対して第2取付けリング44を管7の内周面7bに圧接することができるように構成したが、これに代えて、図1に示す第1及び第2管用保護装置11、12、並びに図3に示す第4管用保護装置30に対して第2取付けリング44を管7の内周面7bに圧接することができるように構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上のように、本発明に係る管用保護装置は、管の内周面に強固に着脱自在に取り付けることができ、管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面、管の端縁周部、及び管の内周面に水やダストが付着することを防止すると共に、これらの部分に傷が付くことを防止することができる優れた効果を有し、このような管用保護装置に適用するのに適している。
【符号の説明】
【0136】
7 管
7a 管の端縁周部
7b 管の内周面
7c 管の内孔
7d 管端の外周面
8 フランジ部
8a フランジ面
8b フランジ部の外周面
11 第1管用保護装置
12 第2管用保護装置
13 第1取付けリング
14 第1閉止部材
15 第1押え部材
15a 開口部
16 リング保持面
16a 垂直面
16b 傾斜面
16c 水平面
17 第1ボルト軸部
17a 雄ねじ部
18 第1締込み部
19、25 蓋体
20、47 座金
21 第1ナット
22 ハンドル
23、26 第1保護パッキン
27 空間
29 第3管用保護装置
30 第4管用保護装置
31 第2保護パッキン
32 ゴム層
33、35 蓋体
33a、35a 蓋本体部
33b、35b 環状凸部
38 第5管用保護装置
39 第1取付けリング用閉止部材
40 第2取付けリング用押え部材
40a 開口部
41 連結部
42 第2ボルト軸部
43 第2ナット
44 第2取付けリング
45 第2閉止部材
45a、45b 開口部
46 第2締込み部
48 封止部
51 第6管用保護装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内に挿入される略円形の第1閉止部材と、略円形の第1押え部材とを互いに間隔を隔てて対向して配置し、前記第1閉止部材及び前記第1押え部材のそれぞれの外周縁部間に、弾力性を有する第1取付けリングを配置し、前記第1閉止部材に結合して設けた第1ボルト軸部を、蓋体、弾力性を有する第1締込み部、前記第1押え部材、及び前記第1取付けリングに挿通して、これらを前記第1ボルト軸部に螺合する第1ナットで締め付けることによって、前記第1取付けリングを、前記第1閉止部材と前記第1押え部材との間に挟み込んで管の内周面に圧接させるようにした管用保護装置であって、
前記蓋体の板面には、第1保護パッキンが設けられ、
前記第1取付けリングが管の内周面を圧接する状態で、前記第1ナットを更に締め付けることによって、前記第1締込み部を更に圧縮変形させて、前記蓋体が、前記第1保護パッキンを管の端縁周部、又は管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させる構成としたことを特徴とする管用保護装置。
【請求項2】
前記蓋体は、円板状の蓋本体部と、この蓋本体部の外周縁部に設けられ、当該蓋本体部の板面に対して略垂直方向に突出する略円筒形状の環状凸部とを有し、
前記蓋本体部の板面には前記第1保護パッキンが設けられ、前記環状凸部の内周面には、管の端部の外周面、又は管の端部に設けられているフランジ部の外周面に装着されて密着される第2保護パッキンが設けられていることを特徴とする請求項1記載の管用保護装置。
【請求項3】
管内に挿入される略円形の第2閉止部材を、前記第1閉止部材に対して間隔を隔てて対向して配置し、前記第1閉止部材及び前記第2閉止部材のそれぞれの外周縁部間に、弾力性を有する第2取付けリングを配置し、前記第2閉止部材に結合して設けた第2ボルト軸部を、前記蓋体、第2締込み部、前記第1閉止部材、及び前記第2取付けリングに挿通して、前記第2取付けリング、前記第1閉止部材、及び前記第2締込み部を、前記第2ボルト軸部に螺合する第2ナットで締め付けることによって、前記第2取付けリングを、前記第1閉止部材と前記第2閉止部材との間に挟み込んで管の内周面に圧接させることができ、
前記第1及び第2取付けリングが管の内周面を圧接する状態で、前記第1ナットを更に締め付けることによって、前記第1締込み部を更に圧縮変形させて、前記蓋体が前記第1保護パッキンを、管の端縁周部、又は管の端部に設けられているフランジ部のフランジ面に押し付けて密着させる構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の管用保護装置。
【請求項4】
前記第1閉止部材は、互いに結合する第1取付けリング用閉止部材と、第2取付けリング用押え部材とを有し、
前記第1取付けリング用閉止部材は、前記第1押え部材との間に前記第1取付けリングを挟み込むように配置され、
前記第2取付けリング用押え部材は、前記第2閉止部材との間に前記第2取付けリングを挟み込むように配置されていることを特徴とする請求項3記載の管用保護装置。
【請求項5】
前記第1締込み部は、略短円筒形状のゴム様弾性体、又はバネで形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の管用保護装置。
【請求項6】
前記第1保護パッキンは、ゴム層で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の管用保護装置。
【請求項7】
前記第2保護パッキンは、単泡スポンジで形成されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の管用保護装置。
【請求項8】
前記蓋体の外表面を、ゴム層で被覆したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の管用保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−75007(P2011−75007A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226509(P2009−226509)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000252207)六菱ゴム株式会社 (41)
【Fターム(参考)】