説明

管継手

【課題】チューブ接続管の差し込み深さの視認が容易で且つ、視認精度が高いインコアタイプの管継手の提供を目的とする。
【解決手段】透光性を有する接続管の端部に挿入するための略円筒状のインコアと、当該インコアを端部に挿入した接続管を差し込み接続するための継手本体を備え、インコアは、透光性を有する材質からなり、接続管に予め挿入する挿入先端部側に継手本体への差し込み深さの適否を視認するための少なくとも2色以上に色分けした色別帯を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インコアを接続管の端部に予め挿入し、管継手に差し込み接続するインコアタイプの管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
給水、給湯配管等において配管のフレキシブル性から樹脂製のチューブ管が広く採用されつつある。
これらのチューブ管を配管接続するために差し込み接続できる管継手も広く採用されている。
この種の継手構造においては、水漏れを防止するとともに継手から接続チューブ管が抜けないようにする必要がある。
そのためにはまず、接続管が管継手に所定の深さだけ確実に差し込まれたことを確認できることが要求される。
【0003】
特開2003−139279号公報には、管の端部に装着されるスリーブ部材の外周部に、この管の内周面に密着する密着体を設けることで、密着体の位置が管の外部から視認しやすくした技術を開示する。
しかし、Oリング等の密着体が管の内周面に密着しただけでは目印として鮮明とはいえず、管の継手への差し込み深さを精度良く、確認できるものではない。
【0004】
【特許文献1】特開2003−139279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、チューブ接続管の差し込み深さの視認が容易で且つ、視認精度が高いインコアタイプの管継手の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る管継手は、透光性を有する接続管の端部に挿入するための略円筒状のインコアと、当該インコアを端部に挿入した接続管を差し込み接続するための継手本体を備え、インコアは、透光性を有する材質からなり、接続管に予め挿入する挿入先端部側に継手本体への差し込み深さの適否を視認するための少なくとも2色以上に色分けした色別帯を有していることを特徴とする。
【0007】
ここで、透光性を有する接続管としたのは、樹脂製のチューブ管として架橋ポリエチレン管、ポリブテン管等が広く普及し、これらの管は透明〜半透明のもののみならず、不透明に近いものまで存在するが、本発明においては反対側からライトをあてれば、その光の透過により内部のインコアが視認できる接続管の全てを対象にする趣旨である。
【0008】
本発明においては、インコアの材質を透光性の有するものにしたことから反対側からライトをあてると、2色以上に色分けした色別帯が色調の違いとして目視できる。
また、色別帯を2色以上に色分けしたことにより、差し込み深さを段階的に識別できる。
【0009】
本発明に係る管継手は、インコアを用いて差し込み接続するものであれば、ソケット、チーズ、エルボ等の種類を問わず、ワンタッチ接続タイプ、加締めタイプ等の接続方法の違いも問わない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るインコアタイプの管継手は、インコアの材質として透光性のあるものを採用し、且つチューブ接続管の端部に挿入するインコアの挿入先端部側に2色以上に色分けした色別帯を設けたので、インコアを予め挿入したチューブ管を継手本体への差し込み深さにより、例えば、最も挿入先端側を差し込み深さが良好であることを示す色、それよりインコアの挿入奥側(チューブ管としては端部側)に示す色は、差し込み深さがやや不充分であることを示す等、反対側からライトをあてるだけで段階的に視認できるようにしたので、管の接続作業が容易になるとともに、差し込み不良の発生を未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る管継手の実施例を図に基づいて以下説明する。
図1に示した管継手はソケットタイプであり、継手本体10の両側に管1の差し込み部12,13を左右対称に設けた例を示す。
図1(a)は樹脂製のチューブ管である管1を接続する前の継手本体10及びインコア20を示し、図1(b)は、インコア20を管1の端部に挿入した状態を示し、図1(c)は管1を継手本体10に差し込み接続した状態を示す。
【0012】
インコア20は、透光性を有する材質、例えば樹脂製からなり、管1の内周径と同等の外径あるいは、わずかに大きい外径の円筒状の挿入部21と、その後端部につば23を有している。
つば23はインコアがそれ以上管の奥側に挿入されないように規制する。
インコア20の挿入方向の先端部22から第1の色別帯L,第2の色別帯L・・・のように少なくとも2色以上に色分けした色別帯を有している。
ここで、第2の色別帯Lをインコア材質色と兼ねることも可能であるが、管の差し込み深さを段階的に視認するにはいずれの色別帯もインコア材質色とは異なる方が好ましい。
色分け方法としては、特に限定はないが例えばL:青色,L:赤色にすると、図1(b)に示すようにインコア20を管1の端部に挿入した状態でL,lの色分けが可能であり、図1(c)に示すように継手本体10の差し込み部12の端部12aから外部に出ている色別帯がLかLかを目視で容易に確認できる。
また、管1の透明度が低い場合にあっては反対側からライトをあてるとインコア20も透光性を有していることから色別帯の色合いも容易に視認できる。
なお、図1(c)では差し込み部12の端部12aから色別帯Lのみが見える状態を示したが、この状態が差し込み深さ良好で、仮に色別帯Lが見えると差し込み深さがやや不充分であることを示す。
従って、色別帯は例えばL:青,L:黄,L:赤等の3色であってもよい。
このように色別帯の意味を考慮して挿入部の長さが設定され、少なくともL部分が差し込み部の外部に突出する長さである。
【0013】
図1に示した実施例は差し込み部12の内側にOリング等のシール材11を配設し、図1(c)に示すように管1を継手本体10の差し込み部12に差し込んだ後に加締め部30を加締めて抜け止めをする構造例であるが、図2に示すように、差し込み部の内周側に歯付座金17とOリング11とを設けたワンタッチ接続タイプであってもよく、インコアを用いるものである限りにおいてシール構造、抜け止め構造の種類を問わない。
また、図2に示した例は差し込み部14の反対側はナット部15,雄ねじ部16を有する例になっているが、インコア接続の反対側の接続構造も各種構造を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る管継手の第1の実施例を示す。
【図2】本発明に係る管継手の第2の実施例を示す。
【符号の説明】
【0015】
1 管
10 継手本体
11 シール剤
12 差し込み部
20 インコア
21 挿入部
22 先端部
,L 色別帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する接続管の端部に挿入するための略円筒状のインコアと、当該インコアを端部に挿入した接続管を差し込み接続するための継手本体を備え、
インコアは、透光性を有する材質からなり、接続管に予め挿入する挿入先端部側に継手本体への差し込み深さの適否を視認するための少なくとも2色以上に色分けした色別帯を有していることを特徴とする管継手。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−19290(P2010−19290A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178376(P2008−178376)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【特許番号】特許第4177451号(P4177451)
【特許公報発行日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(391033724)シーケー金属株式会社 (32)