説明

管腔形態および血管抵抗測定データ収集のシステム、装置および方法

血管の画像において、血管の1つの位置の管腔境界を自動的に特定し、それから血管の直径を測定する方法および装置。血管の直径および予測血液流速から、多くの臨床的に有意な生理学的パラメータが決定され、対象となるさまざまなユーザー表示が生成される。これらの画像およびパラメータの1つの用途は、ステントの配置において臨床医を支援することである。1つの実施形態では、システムは、これらの測定値を使用して、臨床医がステントの配置をシミュレートし、配置の効果を判断することを可能にする。さらに、これらの患者パラメータから、さまざまな患者治療が実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国特許第61/244,992号の仮出願(2009年9月23日出願)および米国特許第61/334,834号の仮出願(2010年5月14日出願)についての優先権を主張し、その開示は、参照により全体が本明細書に取り込まれる。
【0002】
本発明は一般的に、光干渉断層撮影、さらに具体的には血管狭窄を診断および治療するための光干渉技術の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
冠動脈疾患は、世界中の主な死亡原因の1つである。冠動脈疾患をより適切に診断、モニター、治療することは、命を救う重要性を持ち得る。血管内光干渉断層撮影(OCT)は、安全な非イオン性近赤外光を用いて冠動脈内を覗き込み、血管壁構造の研究に貴重な画像を提供する、カテーテルベースのイメージングモダリティである。広帯域の干渉光、干渉計、およびマイクロ光学機器を使用するOCTは、マイクロメートルレベルの解像度で病変血管内のビデオレートのインビボ断層撮影を提供できる。このレベルにおける詳細により、OCTは冠動脈疾患の診断およびモニターを可能にする。
【0004】
血管病変およびその進行の定量的評価には、血管断面積、平均直径、および血流抵抗など異なる定量的尺度の計算を伴い、これらすべては管腔境界の正確な識別に依存する。OCT画像中の管腔境界は、肉眼で明確に識別できるが、管腔境界を手作業で追跡するのは面倒であり、高価であるとともに時間がかかる。従って、管腔境界を自動的に識別する信頼できる技術に対するニーズがある。
【0005】
OCTは、血管内超音波(IVUS)と比較して、より高い解像度とコントラストの画像を生成する。血液を通して画像化するIVUSとは対照的に、OCT画像は一般的に、光プローブの視界から血液を除去して取得される。これが、IVUS画像と比べて、OCT画像の管腔境界がより明瞭ではっきりしている1つの理由である。
【0006】
断面直径および面積の測定は、インターベンション心臓専門医に、ステントのサイズ調整および配置についての有用な助言を提供する。しかし、これらの幾何学的測定と、臨床的関連変数(代謝需要が高い時に血液の適切な流れを動脈に供給する能力など)との関係はよく理解されていない。初期研究では、血管造影で測定された個別の冠動脈病変は、病変の生理学的意義の予測因子としてはあまり良くないことが分かった。対照的に、その後のいくつかの研究では、定量的冠動脈血管造影(QCA)およびIVUSによる管腔測定値は、冠血流予備能(CFR)および血流予備量比(FFR)を含む、冠動脈閉塞の生理学的測定値と密接に関連していることが示された。例えば、いくつかの研究では、QCAで測定された狭窄面積とドップラーフローワイヤーによって測定されたCFRとの間に高い相関性が見られた。病変の重症度の標準的血管造影(およびIVUS)尺度(最小管腔面積(MLA)、狭窄率、病変の長さ)は、確かに生理学的に関連のある情報を伝えると思われる。しかし、幅広い患者集団における病変の生理学的意義の独立した予測因子としての幾何学的尺度の1つの値は明らかでない。
【0007】
いくつかの要因が、冠動脈狭窄の生理学的意義を評価するための標準的血管造影およびIVUS管腔測定の限界に寄与している。第一に、血管造影(一般的に空間分解能が0.2〜0.4mm)で断面積を測定できる精度と再現性が比較的低い。不規則な輪郭の病変の陰影効果に加えて、X線の投射角度が、誤差を理論的最小値を超えて著しく増大させ得る。軸寸法では約0.15mmおよび角度寸法では0.3mmの解像度を持つ最新のIVUS画像化システムでも、小さな偏心病変または不規則な境界を持つ病変の断面積を正確に測定することはできない。
【0008】
第二に、病変の血液動態効果は、病変の全長にわたって統合されたその断面積の局所変動に依存する。従って、特にびまん性冠動脈疾患を持つ患者では、最小断面積だけでは、特定の流速での病変全体にわたる圧力低下を特性化するには不十分である。
【0009】
第三に、病変の生理学的意義および血行再建術の潜在的価値を評価する時、最小管腔面積の絶対値に加えて、基準および狭窄セグメントの相対的面積を知ることが重要である。現在、臨床で使用されている単一の幾何学的尺度で、狭窄率とMLAの両方についての情報を伝えるものはない。
【0010】
第四に、病変の増加セグメントによって生じる流動抵抗または圧力低下は、その形状および断面積と長さに依存する。流れの分離および乱流による損失は局所の流速に依存するので、特に高い血液流速では、動脈壁の偏心度および局所傾斜が、病変の実効抵抗に影響し得る。
【0011】
最後に、微小血管疾患、側副枝を通しての流れ、または梗塞を起こした心筋層内の毛細血管の短絡のため、特定の患者では、血管が供給する心筋の血流予備能が低い可能性がある。従って、血管内の病変の血管抵抗が高い場合でも、病変全体にわたる圧力低下が臨床的に重要でないため、血行再建術は禁忌である場合がある。
【0012】
血管内OCT画像化は、病変形態の最新分析に基づいた新しい臨床パラメータと組み合わせて適用した場合、血管造影およびIVUSに基づく病変重症度の従来的尺度の多くの制限を克服する可能性を持っている。OCTの高い解像度により、病変およびその隣接基準セグメントの全長にわたる血管管腔の形状および寸法の正確な測定が可能となる。さらに、最新モデルの流動力学により、病変の生理学的意義を、正常および充血状態の両方で推定することが可能となる。しかし、定量的病変形態測定の臨床値は、正確な場合でも、特定の患者では生理学的状態により制限される場合があることを認識すべきである。最後に、高周波数OCT画像化は、数秒で冠動脈の長いセグメントの三次元輪郭を正確に描出し、心臓専門医がPCIの手順中にリアルタイムで診断・治療することを支援し得る。
【0013】
血管内画像化の利点にもかかわらず、心臓専門医はしばしば、ステント配置のプラン作成および評価にOCTやIVUSの能力を最大限に活用しないことがある。これは、画像に由来する測定値は現在、治療の有効性を予測するのに十分な情報を提供しないためである。例えば、多くの心臓専門医は、ステント配置の判断における重要変数として最小管腔面積(MLA)を頼りにする。MLA測定値が十分低い場合、心臓専門医はステントの移植を決心する可能性がある。次に基準血管セグメントの直径および位置に基づいて、心臓専門医はステントの適切な位置、長さおよび直径を選択する必要がある。ステントのサイズまたは位置の誤った選択は、血流回復の失敗につながり、またステントの移動、ステント血栓症、または血管壁の解離などの重篤な臨床的合併症を起こす可能性さえある。血管内画像化から派生する測定値に基づいたステントのサイズ調整および位置決めの最適化のための新しい方法が必要とされている。最大の臨床的メリットを得るために、これらの新しい方法は、異なる直径と長さのステントを異なる場所に移植することの潜在的な生理学的影響を心臓専門医が予測できるようにしなければならない。
【0014】
本発明はこれらのニーズに対応する。
【発明の概要】
【0015】
1つの態様では、本発明は、管腔の領域を評価する、自動化されたコンピュータベースの方法に関連する。本方法は、光干渉断層撮影システムを使用して血管セグメントの長さLに関するデータセットを収集するステップ(このセットは、長さに沿った複数の位置での複数の断面積を含む)、プロセッサおよびデータセットの少なくとも一部を使用して血管抵抗比(VRR)を決定するステップ、および血管抵抗比に関して、長さLに沿って配置された領域の少なくとも一部の特性を決定するステップを含む。
【0016】
1つの実施形態では、本方法は、狭窄病変を含む領域に適用される。別の実施形態では、本方法はさらに、狭窄病変を治療するために使用されるステント長の数的または画像尺度の少なくとも1つを表示するステップを含む。また別の実施形態では、血管抵抗比を決定するステップは、集中抵抗器モデルを使用して実施される。
【0017】
別の態様では、本発明は、原位置OCT血管画像の管腔境界を自動的に識別する方法に関連する。1つの実施形態では、本方法は、コンピュータを使用してOCT管腔画像のマスクを生成するステップ、マスクの複数のスキャンラインを画定するステップ、各スキャンライン上の組織として領域を識別するステップ、複数のスキャンラインおよび各スキャンライン上の組織の領域に対応して輪郭セグメントを画定するステップ、有効な隣接輪郭セグメントを識別するステップ、有効な隣接輪郭セグメントの間の足りない輪郭データを補間するステップ、計算された輪郭が正しい確率を評価するステップ、およびどの画像フレームで計算輪郭に手動調整が必要であるかを使用者に知らせるステップを含む。
【0018】
1つの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤーおよび類似のアーチファクトを検出し除去するステップを含む。別の実施形態では、組織領域の識別には、各スキャンライン上の複数の開始/停止対を見つけるステップ、前記開始/停止対のそれぞれの厚さおよびギャップを計算するステップ、前記厚さと前記ギャップに基づいて重みを計算するステップ、および組織およびギャップの最大の重みに基づいて組織領域を画定するステップを含む。別の実施形態では、結合した輪郭の画定のステップには、最大の重みでのスキャンラインを見つけること、有効なセグメントを画定するためにスキャンラインから両方向に不連続点を探すこと、および最長の有効セグメントとして輪郭の根を識別することを含む。また別の実施形態では、有効な隣接輪郭を識別するステップには、角度、半径、およびユークリッド距離閾値に合格する輪郭セグメントのそれぞれに最も近い時計回りおよび反時計回りの隣接セグメントを見つけることを含む。
【0019】
別の実施形態では、ガイドワイヤーの陰影アーチファクトの検出および除去には、マスクの前景データに楕円を適合させ、楕円の内側面積を削除することによって画像バイナリマスクを除去するステップ、除去されたマスクを使って強度プロファイルを構築するステップ、強度プロファイル中のガイドワイヤー陰影領域を識別するステップ、陰影領域内のガイドワイヤーオフセットを検出するステップ、すべてのフレームで検出されたガイドワイヤーの中間点を収集するステップ、収集された中間点を使用して最小全域木を構築するステップ、および非ガイドワイヤー陰影から生じる異常値を除去するために、その結果得られる最小全域木を取り除くステップを含む。別の実施形態では、不足しているデータを補間するステップには、不足している輪郭セグメントの両端の有効な輪郭データで、必要な補間制御点を識別するステップ、および制御点を使用して不足している輪郭セグメントを補間するステップを含む。また別の実施形態では、ステップは、補間が必要なすべての不足輪郭セグメントで実施される。また別の実施形態では、不連続点を探すステップには、スキャンライン間のオフセット変化ヒストグラムを計算するステップ、前記ヒストグラムを平滑化するステップ、ヒストグラムからゼロカウントの最小変化を識別するステップ、および連続性尺度として最小変化を使用するステップを含む。
【0020】
別の実施形態では、計算された輪郭の正確さを評価するステップには、楕円を計算輪郭に適合させて「誤差測度」を計算するステップ、計算された輪郭と適合楕円の間の二乗平均平方根誤差を計算するステップ、二乗平均平方根誤差を楕円の平均直径に正規化するステップ、および正規化二乗平均平方根誤差に、管腔がうまく検出されたスキャンライン数と画像フレームのスキャンラインの総数の比を乗ずるステップを含む。別の実施形態では、その結果得られる「誤差測度」パラメータは閾値と比較され、閾値を超える画像フレームでは、手動輪郭修正が必要な可能性があることが使用者に通知される。また別の実施形態では、この通知は、引き戻し領域の画像の縦方向の表示上に現れる「警告フレーム」という形で行われ得る。
【0021】
別の態様では、本発明は血管抵抗を定量化する自動的方法に関連し、これは、OCT画像の近位および遠位フレームを選択するステップ、前記近位フレームおよび遠位フレームによって囲まれる血管セグメントの実際の血管抵抗を計算するステップ、血管セグメントの総血管抵抗を計算するステップ、および実際の血管抵抗と前記総血管抵抗を使って血管抵抗比を計算するステップを含む。1つの実施形態では、実際の血管抵抗を計算するステップは、近位および遠位フレームで囲まれ、それらを含むすべてのフレームの管腔輪郭を抽出するステップ、抽出された輪郭から断面積を計算するステップ、平滑面積グラフを作成するステップ、および実際の血管抵抗計算に平滑面積グラフを使用するステップを含む。別の実施形態では、総血管抵抗を計算するステップは、前記近位フレームおよび前記遠位フレームの間で形状を適合させるステップ、および近位および遠位フレームで囲まれ、それらを含むすべてのフレーム位置にある形状の断面積を計算するステップを含む。また別の実施形態では、平滑面積グラフを作成するステップには、断面積を使用してグラフを作成するステップ、グラフ上で不足している面積値を補間するステップ、およびその結果得られるグラフを平滑化するステップを含む。また別の実施形態では、血管抵抗は、近位面と遠位面の間で検出された三次元管腔境界からの計算流体力学によって計算される。
【0022】
本発明の別の態様は、(a)血管のOCT画像の対象領域のパラメータを測定し、(b)対象領域へのステントの配置をシミュレートし、(c)対象領域のパラメータを再計算し、および望ましい結果が得られるまでステップbおよびcを繰り返すといったステップを含むステントの配置方法である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、添付の請求項で具体的に示される。上述の本発明の利点は、さらなる利点とともに、以下の説明と添付の図面を合わせて参照することにより、より良く理解し得る。図面では、同様の参照文字は、異なる表示のすべてで一般的に同じ部品を示す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、一般的に本発明の原理の説明に重点が置かれている。
【0024】
【図1A】対象血管に配置された撮像プローブを持つOCTデータ収集システムの一般的概略図である。
【図1B】本発明の例示的実施形態に従って補間されたサンプル検出輪郭の例である。
【図2】本発明の例示的実施形態に従ってガイドワイヤーと側枝の不足データを補間した、サンプル検出輪郭の例である。
【図3】本発明の例示的実施形態に従って平滑化した後の、サンプル面積グラフの例である。
【図4】本発明の例示的実施形態に従って、平均断面直径および「警告フレーム」フィードバックがOCT Lモード画像の上の別のパネルに示された、別の表示の例である。
【図5】本発明の例示的実施形態に従って、管腔輪郭が自動的にトレースされたOCT画像から再構成された血管の管腔形状の3D表示の例である。
【図6a】本発明の例示的実施形態に従って、血管OCT画像の管腔の形状を検出するための本方法の実施形態のフローチャートである。
【図6b】本発明の例示的実施形態に従った、スキャンライン上の開始/停止のダイアグラムである。
【図7a】本発明の例示的実施形態に従った、OCT画像とその結果得られる中央値マスクのそれぞれのサンプルである。
【図7b】本発明の例示的実施形態に従った、OCT画像とその結果得られる中央値マスクのそれぞれのサンプルである。
【図8】本発明の例示的実施形態に従った、複数の開始/停止対を持つスキャンラインのダイアグラムである。
【図9】本発明の例示的実施形態に従った、不連続点の検索のダイアグラムである。
【図10】本発明の例示的実施形態に従った、ライン間変化を示したヒストグラムである。
【図11a】本発明の例示的実施形態に従った、除去前の中央値マスクのサンプルである。
【図11b】本発明の例示的実施形態に従った、除去後の中央値マスクのサンプルである。
【図11c】本発明の例示的実施形態に従った、強度プロファイルのサンプル画像である。
【図11d】本発明の例示的実施形態に従った、取り除き前の最小全域木のサンプル画像である。
【図11e】本発明の例示的実施形態に従った、取り除き後の最小全域木のサンプル画像である。
【図12】本発明の例示的実施形態に従った、平滑化なしの、サンプル面積グラフの例である。
【図13】冠動脈の一部の血流抵抗の集中パラメータモデルである。
【図14】本発明の実施形態に従った、VRRの計算に対する典型的モデル形状である。
【図15】本発明の第二の実施形態の基となっている、円柱状に対称な計算上の流路形状の例である。
【図16】本発明の第三の実施形態の基となっている、完全3D計算上の流路形状の例である。
【図17】使用者が調整できる近位と遠位基準面の間の総抵抗の固定割合を包含する動脈の連続長がハイライトされている、3D表示の例である。
【図18】使用者が調整できる近位と遠位基準面の間の総抵抗の固定割合を包含する動脈のすべての増加セグメントがハイライトされている、3D表示の例である。
【図19a】冠動脈の平均直径の縦方向の表示の実施形態の例で、動脈枝は、幅が枝の入口の直径に比例している長方形突出として、直径が枝の入口の直径に比例している円形領域として、それぞれ示されている。
【図19b】冠動脈の平均直径の縦方向の表示の実施形態の例で、動脈枝は、幅が枝の入口の直径に比例している長方形突出として、直径が枝の入口の直径に比例している円形領域として、それぞれ示されている。
【図20】重ね合わせたステントのプロファイルを含む、冠動脈の平均直径の縦方向の表示の実施形態の例である。
【図21】使用者が選択したステント長に基づいたステント直径と位置の最適化方法の実施形態のフローダイアグラムである。
【図22】使用者が選択したステント後VRRの最大値に基づいたステント直径、長さ、および位置の最適化方法の実施形態のフローダイアグラムである。
【図23】本発明の例示的実施形態に従い、流体力学を使用した計算方法で作成した総圧力対距離のグラフの例である。
【図24】本発明の例示的実施形態に従った、動脈を通した圧力低下の等価抵抗器ネットワークの回路図を示す。
【図25a】本発明の1つの実施形態に従った、最適化から生じるステント配置前および(予想される)ステント配置後の平均直径管腔プロファイルをそれぞれ示す例である。
【図25b】本発明の1つの実施形態に従った、最適化から生じるステント配置前および(予想される)ステント配置後の平均直径管腔プロファイルをそれぞれ示す例である。
【図26a】本発明の別の実施形態に従った、最適化から生じるステント配置前および(予想される)ステント配置後の平均直径管腔プロファイルをそれぞれ示す例である。
【図26b】本発明の別の実施形態に従った、最適化から生じるステント配置前および(予想される)ステント配置後の平均直径管腔プロファイルをそれぞれ示す例である。
【図27】本発明の例示的実施形態に従ったソフトウェアベースのユーザーインターフェースで、縦方向OCT画像を下に、断面図を右に、三次元のステント不完全密着の程度を上に示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1aは、本発明に従って構築されたOCTシステム10のコンポーネントを示す高レベルの略図である。図1aは、高度に一般化されており、縮尺通りでない。壁21を持つ管腔を画定する対象血管20は、そこに配置された光ファイバーベースの撮像プローブ30を持つカテーテル部分を有するカテーテル25を使用して撮像される。カテーテル25は、フラッシュポート32を持つフラッシングサブシステムを含む。フラッシングシステムは、プローブ30を使用してインビボOCTデータ収集を進められるように十分な量の血液を排除する、いずれの適切なタイプまたは種類であり得る。システム10は、撮像プローブ30を光ファイバーを介して接続するOCTシステムまたはサブシステム36を含む。OCTシステムまたはサブシステム36は、レーザーなどの光源、干渉計、さまざまな光経路、クロック発生器、フォトダイオード、および他のOCTシステムコンポーネントを含み得る。
【0026】
1つの実施形態では、コンピュータまたはプロセッサは、OCTシステム36の一部であるか、またはOCTシステム36と電気的に接続されている別のサブシステム40として含まれる。コンピュータまたはプロセッサ40は、メモリ、ストレージ、バス、およびデータの処理および下記のような管腔検出および引き戻しデータ収集のために適した他のコンポーネントを含むことができる。1つの実施形態では、コンピュータまたはプロセッサは、メモリに記憶されプロセッサを使用して実行される本明細書に記述の方法のソフトウェア実行またはプログラム41を含む。ディスプレイ42は、縦方向スキャンとしてまたは他の適切なフォーマットで断面スキャンデータを表示するための、全体システム10の一部である。
【0027】
概要として、本発明は、(OCT画像または基礎データを使用して)対象血管の血管直径を測定している位置で管腔境界を自動的に見つける方法および装置を提供する。血管の直径および計算血液流速から、多くの臨床的に重要な生理学的パラメータが決定され、さまざまな対象画像が生成される。これらの画像およびパラメータの1つの用途は、ステントの配置において臨床医を支援することである。1つの実施形態では、システムは、これらの測定値を使用して、臨床医がステントの配置をシミュレートし、配置の効果を決定することを可能にする。さらに、これらの患者パラメータから、さまざまな患者治療が実施される。
【0028】
第一ステップとして、システムは管腔境界を決定する。一般的に、OCTシステムで取得されたデータは、残渣血液、ガイドワイヤー反射、および血管壁の一部に見える可能性のある他の構造を認識し避けるために、本明細書に記述の方法とともに使用される。連続境界の補間は、隣接するフレームにわたって血管の内部表面の連続性を組み付けることにより達成される。図1および2は、周波数領域OCT(FD-OCT)画像配列の2つのフレーム上に、ソフトウェアベースの方法で自動的に描かれた管腔輪郭の例を示す。1つの実施形態では、使用者が狭窄および正常血管セグメントを識別するのを助けるために、ソフトウェアは、縦方向(L)モード画像上に重ね合わされたグラフとして、配列内のすべてのフレームの自動計算断面積を示す(図3)。ライン10、10’は、使用者が選択した近位および遠位の基準フレームの位置を示す。表示の別の実施形態では、平均直径値プロファイルを別のパネルでLモード表示の上に示す(図3)。図4は、平均断面直径および「警告フレーム」フィードバックが別々のパネルでOCT Lモードの上に示されている、代替的表示を示す。AFと表示されている警告フレームは、示された値を確認するために人による介入が必要だとシステムが見なすフレームを示す。
【0029】
各断面の平均直径は、断面の面積に等しい面積を持つ円の直径として、または管腔断面の重心を通って引かれた全角度での弦長の平均として計算される。1つの実施形態では、最小管腔面積(MLA)、近位および遠位の基準領域、径狭窄率、および基準間の長さは、同じパネル内に数字で表示される。
【0030】
1つの実施形態では、システムは次に、断面測定値から計算された血管管腔の形状の三次元表現も生成する。例が図5に示されている。使用者は、Lモード表示または3D表示上の基準面のどちらかのラインマーカーをドラッグすることによって、近位および遠位の基準面の位置を手動で3D画像上に設定する。断面積が最小である、基準マーカー間の縦方向の位置が自動的に見つけられ、別のマーカー面がコンピュータによってこの位置に自動的に配置される。1つの実施形態では、表示中のコンパスハンドルを回すことにより、表示全体を縦軸の周りで回転することができる。
【0031】
図6aを参照すると、OCT画像の血管の管腔を検出する方法が簡潔に記述されている。まず、画像マスクが作成される。1つの実施形態では、画像マスクはバイナリ画像マスクで、管腔壁の一般的輪郭を画定する。次に、加重組織領域のリストが作成され、潜在的輪郭が画定される。これらの輪郭中の不連続点は拒絶され、最長の残りの輪郭が選択される。ガイドワイヤーの影などのアーチファクトは除去され、不足している輪郭データが補間されて画像の欠落部分が修正される。
【0032】
さらに詳細に図6bを参照すると、OCT画像中の最小データ単位はサンプルと呼ばれる。カテーテル中心から始まり最大撮像深度までの半直線20に沿った一連のサンプルは、スキャンラインと呼ばれる。OCT画像は一般的には、1回に1つのスキャンラインで取得される。断面画像は、OCTカテーテルが回転するにつれ、スキャンラインを収集することによって形成される。さらに、血管のセグメントを撮像するために、カテーテルは回転しながら血管に沿って縦方向に移動され、これによって、らせんパターンで断面画像のセットを取得する。本発明はOCT画像の文脈で記述されているが、本発明はそれには制限されていないことに注意すべきである。従って、例えば、血管画像のいずれの境、境界、または輪郭の識別は、本発明の精神と範囲に含まれる。
【0033】
血管の断面画像は、光プローブの完全なそれぞれの回転に対して作成される。これらの画像は個別に事前処理され、バイナリ前景/背景画像マスクを作成するために適切な閾値を適用するが、ここで前景は潜在的に関連する画像情報(例えば血管壁)を含むように画定され、背景はカテーテルと血管壁との間の空の管腔空間、および壁内の最も深い画像深度を超えた「ノイズレベル」を表す。画像マスクは、適切な幅Wと適切な高さHを持つ中央値フィルターで画像マスクをコンボリューションすることによってさらに処理される。この作業は、画像マスク値が、そのWxH隣接ウィンドウの中央値で置換されると、ギャップを埋めノイズを除去する。その結果得られるマスクの例が図7bに示されている。その結果得られるマスクは、元の断面画像と同じ寸法を持つ。
【0034】
さらに詳細には、本発明の1つの実施形態では、図6bに示されるように、開始および停止サンプルのすべての対を見つけるために、マスクの各スキャンラインが処理される。開始サンプルは、組織(前景)領域の開始を示す一方、停止サンプルは組織領域の終了を表す。組織領域の厚さは、開始サンプルと停止サンプルの間のサンプル数(すなわち、前景として識別されたサンプル数)として計算される。ギャップ領域は、停止サンプルと開始サンプルの間のサンプル数(すなわち、背景として識別されたサンプル数)として計算される。
【0035】
図8に示されるように、いずれの1つのスキャンラインにおいても、組織として識別された1つ以上の領域を持つことが可能である。これは画像取得中、管腔から完全に流動血液が除去されていない場合、主に血液アーチファクトが原因である(ただしこれに限定されない)。アーチファクトを避け、特定のスキャンラインで組織領域を最もよく表す対を選択するために、重みが各検出領域に関連付けられる。重みは1つの実施形態では、以下のように計算される:
重み = (ギャップ * 厚さ2) (1)
血液アーチファクトは撮像された血管壁よりも薄いので、最も厚い分離領域を優遇するためである。当然ながら、本発明はこの特定の重み計算に限定されない。
【0036】
手順のこの時点では、特定の断面画像の各スキャンラインは、管腔輪郭上にある多くても1つのサンプルを持つべきである。いずれのスキャンライン上のサンプルに関して計算された重みは、さらなる使用のために保持される。血管の側枝にあるものなど一部のスキャンラインは、輪郭に対応するサンプルを検出していない場合がある。
【0037】
1つの実施形態では、輪郭セグメントは、不連続点のない隣接スキャンラインのグループとして画定され得る。不連続点は、所定の連続性閾値を超える、スキャンライン間のサンプル数の変化(オフセット)である。すべての可能性のある輪郭セグメントを識別するために、本方法は、セグメントにまだグループ分けされていないラインの中で最大の重みのライン(始めは、これらは特定の断面画像のすべてのスキャンライン)を探すことから開始される。図9に示されるように、最大の重みのラインから時計回りおよび反時計回りに不連続点を探すことによって1つのセグメントが識別される。不連続点の閾値を決定する1つの方法は、オフセットヒストグラムのライン間変化を計算・平滑化することである。
【0038】
図10は、可能性のある平滑化ヒストグラムの図を示す。コストはオフセットのライン間変化を示し、カウントは特定のオフセット変化の頻度(発生数)を示す。このようなヒストグラムは一般的に、2モード分布を有する。低いほうのコストのピークは、許容可能で生理学的にあり得るオフセットの変化である一方、高いほうのコストのピークはアーチファクトへの、およびアーチファクトからの移行を表す。図10では、0カウントの領域が、2モードヒストグラムの2つのピークを分離している。0カウントの最小コストが識別され、閾値として使用される。本発明は、不連続点の閾値を決定するために、この1つの特定の方法に限定されないことに注意すべきである。
【0039】
管腔輪郭は、1つ以上の輪郭セグメントの可能性のあるグループ分けである。最長の有効セグメントとして輪郭の根(輪郭に加えるべき最初のセグメント)が選択される。可能性のある輪郭セグメントのそれぞれに最も近い時計回りおよび反時計回りの隣接セグメントが識別される。有効な隣接セグメントは、角度距離閾値、半径方向距離閾値、およびユークリッド(直接接続)距離閾値に合格する必要がある。次に各潜在的輪郭を時計回りおよび反時計回りに横切って、最長輪郭が選択される。
【0040】
ガイドワイヤーおよび他の類似のアーチファクトを画像から検出し除去するために、楕円を中央値マスクに適合させる(図11aに示す)。次に、図11bに示すように、すべての小さな非連結領域を除去するために楕円の内側領域が空白にされる。その結果得られるマスクをOCT画像に適用し、マスクされたOCT画像の各スキャンラインに沿った平均強度値が計算される(図11cに可変陰影の複数スキャンラインとして示される)。次に、ソーベルエッジ検出器などの適切な勾配フィルターを使用してガイドワイヤー陰影が識別され、ガイドワイヤー陰影領域の内側でガイドワイヤーオフセット(カテーテルからの半径方向距離)が検出される。ステント支柱および残渣血液などの他のソースからの陰影も検出され、ガイドワイヤー陰影から描出される必要がある。次にすべてのフレーム上のすべての検出陰影領域の中間点が収集され、最小全域木を構築するための節点ノードとして使用される。本発明の1つの実施形態では、木の節点は、同じフレーム上の点が互いに連結されず、重みの値を最小化する親節点に特定の節点が連結されないように、選択・連結される。1つの実施形態において、重みの値は、節点とその親節点との間の距離および傾きの差の合計として計算される。その結果得られるサンプル木が、Lモード表示で図11dに示されている。最後に、図11eに示されるように、(適切な閾値に従って)小さな枝を除去することにより木を刈り込む。
【0041】
図1および2に示されるように、不足している輪郭データが補間される。1つの実施形態では、2点間の平滑曲線はコサイン関数を使用して補間される。コサイン関数の値の範囲は、領域0からπに+1〜-1を含む。2点間の補間は、0〜1の間の加重範囲が含まれている必要があるので、コサイン範囲を調整することが望ましい。関数(1-cos)を使用して、0〜2を含めた範囲が得られ、2で割ることによって0〜1までの必要範囲で(1-cos)/2が得られる。
【0042】
または、三次関数またはエルミート関数などのいずれの適切な関数を使用し、2個ではなく4個以上の制御点を使って不足データを補間することができる。2点y1=f(x1)およびy2=f(x1+Δx)の間の点を補間すると、x1とx2の間の事前に選択された曲線状の点の値が計算される。一般的関係は、(1-α)y1 + (α)y2によって与えられ、ここでαは、x1の0からx1+Δxの1までの範囲にある補間重みである。上述のコサイン加重方法を使用して、x1から特定の距離dの点の重みがα=(1-cos(π * d/Δx))/2で計算される。本発明はどの特定の補間方法にも限定されないことに注意すべきである。
【0043】
血管に対する縦方向の対象セグメント全体について、図12に示されるように、縦方向位置に対する面積グラフが、個別に計算された断面積から作成される。(輪郭抽出が何らかの理由で失敗した可能性がある場合)不足データについては、適切な補間方法を使用できる。その結果得られるグラフ(図3)は、面積グラフの鋭利な推移を除去するために平滑化される。面積グラフを平滑化する1つの方法は、中央値フィルターを使用することである。本発明はどの特定の平滑化方法にも限定されないことに注意すべきである。
【0044】
血管の断面積が決定されたら、次に狭窄領域の重症度が特性化される。OCTで撮像された狭窄病変の重症度の1つの尺度は、血管抵抗比(VRR)と呼ばれるパラメータで提供される。VRRは、末梢冠血管系の最大血管拡張を仮定して、全血管枝の流動抵抗に対する狭窄血管セグメントの血液流動抵抗を数値化する。VRRは以下のように定義される:
【0045】
【数1】

【0046】
ここで、RSは狭窄セグメントの血流抵抗で、RTは狭窄領域が位置する側枝血管の総流動抵抗である。VRRは0(血管狭窄なし)から1(狭窄による全流動抵抗)の範囲である。
【0047】
VRRの計算は、充血状態の冠動脈の狭窄枝を通った血流の集中パラメータモデル(図13)に基づいている。このモデルでは、動脈血圧Paと冠静脈圧Pvの間の差によって動かされる血流Qは、血液が流れる血管の側枝の総流動抵抗(RT)によって制限される。RTは、3つの抵抗要素の合計から成る。
【0048】
【数2】

【0049】
ここで、RSは狭窄セグメントの血流抵抗、Reは枝の残りの心外膜長の血流抵抗、Rmvは末梢冠状血管床の微小血管抵抗である。
【0050】
一般的に、3つの抵抗要素すべての値は、血流に依存するが、RSのみがQの関数として明示的に示されている。これはRmvとReは、最大血管拡張の状態では、流動依存性が弱いためである。薬物誘導充血の間、Rmvはほぼ一定で以下によって与えられる:
【0051】
【数3】

【0052】
ここで、Qmaxは、心外膜動脈にわたる圧力低下がわずかな時(すなわち、RS+Re→0)に、側枝で達することのできる最大血流である。Qmaxは、動脈の正常基準セグメントで測定された平均充血ドップラー血流速度Vmaxと、同じ場所で測定された動脈の断面積Anとの積に等しい(Qmax=VmaxAn)。速度は、流れ中の微粒子によって生じるスペックルを使用して測定し、OCT画像で検出することもできる。これらの関係に基づいて、式4は充血流速に関して再定式化できる:
【0053】
【数4】

【0054】
括弧内の数量(単位はmmHg cm-1s)は、h-MRvとして指定された充血微小血管抵抗指数である。流量ではなく速度を使用して充血抵抗を決定することの重要な利点は、速度は枝分かれによる動脈直径の差に対して流量を正規化し、近位と遠位セグメントの間で保存されることである。表1は、ドップラーフローワイヤーを使用して、PCI中に測定されたh-MRvの公表値を示している。値は、治療済みおよび未治療血管両方で、比較的狭い範囲内にある。
【0055】
示されている計算において、h-MRvは、サイズが増加したステント配置動脈の表1の抵抗分布の下端にある値である1.0mmHg cm-1sにほぼ等しい定数であると仮定している。式5のAnの値は、基準血管の近位セグメントの断面積に等しいと仮定する。直径3mmの動脈について、動脈・静脈圧力差が80mmHgでの対応する最大流量が約4.7 ml/sの時、式5はRmv= 17mmHg cm-3sとなる。
【0056】
式3の総抵抗の第二の成分Reである、血管の狭窄セグメントの外側の心外膜抵抗は通常、RSおよびRmvに比べて小さい。その値は、血管の長さに沿った流動抵抗Le=LT−LSを統合することによって推定でき、ここで、LTは冠動脈枝の全長で、LSはOCTで撮像された狭窄セグメントの長さである。狭窄セグメントの外側に著しく流量を制限する狭窄が存在せず、血管の平均断面積はOCTで撮像された狭窄に隣接する基準セグメントの平均断面積▲An▼(Aの上に長音記号)と同じままであると仮定すると、Reはポアズイユの法則を使用して以下のように計算できる
【0057】
【数5】

ここで、ηは血液の速度で、平均面積は以下によって与えられる
【0058】
【数6】

【0059】
この式では、利用可能なフレーム数Mが画像の近位および遠位の基準セグメントの長さに依存するように、断面管腔面積Aiは、狭窄領域の外側にあるOCT画像のフレーム中で測定される。心外膜冠動脈枝の全長は一般的に同じではないが、LTからOCT画像領域の長さを引くことによってLeを直接得られるように、主要冠動脈(LAD、LCX、およびRCA)に対してはLT = 8cmであると仮定する。心外膜長のより適切な推定は、データが利用できる場合、血管造影によって測定された長さから得ることができる。平均面積は、近位および遠位の基準セグメントの直径の平均として推定される。
【0060】
式3では狭窄抵抗RSの計算は、血流量への依存によって複雑化している。RSは、粘度損失から生じる流量非依存性の成分および動的損失から生じる流量依存性の成分から成る。狭窄病変の流動抵抗の計算に対しては、さまざまな方法が開発されている。OCTによる管腔形態の測定値に基づいてRSを計算することのできる方法の3つの異なる実施形態をこれから考察する。
【0061】
RSの計算方法の第一の実施形態は、カーキード(Kirkeeide)によって開発された狭窄病変の圧力損失モデルから作られている。図14は、本モデルの基となっている、円柱状に対称な形状を示す。狭窄の総抵抗は、流量非依存性成分および流量依存性成分から成ると仮定する:
【0062】
【数7】

【0063】
ここで、RPは粘性壁面摩擦による損失を表し、ポアズイユの法則に従って以下のように計算される:
【0064】
【数8】

【0065】
この抵抗は、血管に沿った総統合粘性損失から流れの分離が起こる出口領域(exit regions)での損失を引いたものに等しい。出口領域は、出口角度(図14のθ)が閾値(典型的には5°)を超える動脈のセグメントとして定義される。カーキードによって実施された実験結果に基づいて、これらの式ではC1 = 0.86である。
【0066】
血管壁が急に狭くなっている領域の入口で起こるさらなる粘性損失を表す式9の第二の流量非依存性成分RSは、以下によって得られる:
【0067】
【数9】

ここで、dpは、狭窄の近位側の動脈の直径、Amは狭窄の最小管腔面積、C2 = 0.45である。
【0068】
式9の流量依存性成分RSは、流動分離と動脈の狭くなった領域の出口での再循環による損失を含む。高い流速および高度に不規則な断面の血管では、血管の有効抵抗は、真っすぐな円筒を通るニュートン流体の層流分析に基づくポアズイユの法則で予測されたものをはるかに超えることがある。カーキードによると:
【0069】
【数10】

ここで、ρは血液の質量密度、Adは狭窄より遠位の動脈の面積で、
【0070】
【数11】

【0071】
ここで、lSは狭窄のどちらかの側の壁角度の変曲点の間の領域として定義される狭窄の長さ(図14)で、ddは狭窄の遠位側の動脈の直径である。この式は、病変の長さに関する拡大損失の増加を説明している。
【0072】
式9のすべての項が定義されたので、血管抵抗比は以下のように表すことができる
【0073】
【数12】

ここで
【0074】
【数13】

および
【0075】
【数14】

【0076】
本方法のその他の実施形態は、カーキードの式の代わりに、FloWorks(ソリッドワークスコーポレーション(SolidWorks Corporation)、マサチューセッツ州コンコルド)またはFluent(アンシス(Ansys)、ミシガン州アナーバー)または同等のものなどの数値ナビエ・ストークス解法を使用して、図13のモデルの狭窄抵抗Rsを計算する。血管輪郭はOCTで描出され、壁内の流れは何千もの小さな容積に分かれる。同時に、各容積では、その容積を通した流動場を計算するためにナビエ・ストークス運動量および質量保存方程式が解かれる。この流動場から、血管に沿った圧力低下が見られる。
【0077】
本方法の第二の実施形態では、円柱状に対称な計算流動モデル、第一の実施形態と同じ面積対位置のグラフが使用される。ナビエ・ストークス方程式は、OCT画像に沿った各位置の形状が完全な円であると仮定して解かれる。第三の実施形態では、実際のOCT管腔輪郭に基づいた完全3D計算流動モデルが使用される。壁の形状は、1つおきのフレームおよびカテーテルの周り15°にまたがった三角形に分割される。図15および16は、血流がモデルされている形状の部分を示す。
【0078】
親から派生する枝の断面積の合計が親の断面積よりも大きいかどうかを検討する。これは心外膜ツリーを通した粘性せん断応力を最小化する。粘性損失に基づいて、マレーの法則では、親血管の半径の三乗は娘血管の半径の三乗の合計に等しいと述べている。表2は、分枝が対称の場合、マレーの法則で計算した面積増加を示す。
【0079】
枝のサイズを求めるステップは、以下の通りである:
【0080】
親血管面積は、基準面の近位面積として取得される。1つの娘血管は遠位基準面として取得される。残りの娘血管面積の初期推定は、OCT画像を調べるアルゴリズムから取得される。血管の半径は、血管が円形であると仮定して計算される。これらの半径にはすべて単一スケール係数を乗じる。スケール係数は、マレーの法則で決定される。マレーの法則は枝1つごとに適用される。ほとんどの近位枝面積が差し引かれたあとの残りの面積は、次の枝の親面積として使用される。マレーの法則を最後の枝に適用したあとに残った面積は、遠位基準面積に等しい。
【0081】
円柱状に対称な計算流動モデルでは、撮像エリアの外側の流れは計算されないが、代わりに図13に示される抵抗ネットワークを使用して計算される。Rs(Q)は、ReとRmvを本方法の第一の実施形態と同じように計算した計算流動シミュレーションプログラムで数値的に計算される。ReおよびRmvは、両方とも流量に依存しない(すなわち、流量に関して直線的な圧力低下を生じる)。それらは、単一抵抗器として数値シミュレーションに単に付加される。数値的流動シミュレーターは、Pv-Paを維持するために流れを自動的に調節する。
【0082】
式5の基準面積Anは、2つのモデルについては異なる方法で計算される。円柱状に対称なモデル(第二の方法)は、枝を持たないため、Anは、近位および遠位の面積の平均に基づいて計算される。従って、FloWorks形状の速度は、先細部分を通って出会う流れの平均となる。完全3Dモデル(第三の実施形態)は枝を含むので、Anは近位面積のみに基づいて計算される。
【0083】
図13に示される集中抵抗器方法は、図24の完全3D計算流動モデルに対して拡張される。枝R1、R2…RNおよびRDistalの抵抗は、それぞれ直列抵抗器Re + Rmvから成る。各枝抵抗器の下流端はPv (10mmHg)である。抵抗器の上流端は、数値的方法がその枝で計算する静圧である。近位基準での親動脈の入力圧力は90mmHgである。
【0084】
各枝のReは、画像中の位置に基づいて計算される。Rmvの計算はより複雑である。マレーの法則によると、親血管から分かれている枝の断面積の合計は、親血管の断面積よりも大きい。その結果、速度はそれぞれの枝の後で減少する。これは、動脈全体および各枝に対するRmvに影響する。
【0085】
動脈全体に対するRmvは、h-MRv値1.0mmHg cm-1sが基準直径3.4mmに基づいて決定されたと仮定して調整される。他の近位基準直径については、Rmvは、基準直径に対する近位基準直径の比の1/4乗に従って下方で調整される。1/4乗は、血管系を通した圧力低下を等しくさせる。冠動脈を通した速度データの変化に関するデータは限られているが、1/4乗ルールは、表3に示されているように公開データと相関するように見える。より洗練されたアプローチでは、血管タイプ(LAD:左前下行枝、RCA:右冠状動脈、LCx:左回旋枝)に従ってRmvを調整する。
【0086】
同様に、各枝に対するRmvは、基準直径3.4mmに対する枝の直径比の同じ1/4乗で調整される。枝が2mmより小さい場合、Rmvは直径2mmで取得される。すべての娘枝に対するRmvは、近位基準に対して合計Rmvになることを確保するために合計される。これが異なる場合、すべての枝に対するRmvは等しく縮尺される。
【0087】
数値的プログラムが実行されるにつれ、動脈の長さに沿って圧力および流量が取得される。長さに沿った総圧力の傾きは、抵抗が高いエリアをハイライトするのに使用できる。長さに沿った静圧は、圧力測定値と相関し得る。VRRは対象となる2点間(通常は、遠位基準および近位基準)において計算される。流量が計算されるので、狭窄制限指数(SRI)などの流量および圧力を使う他の指数を計算することができる。ミューイッセン(Meuwissen)らは、狭窄抵抗指数(SRI)を、2つの測定点間のこのラインの傾きとして定義した:
SRI = 測定点間の圧力差(dP)/近位速度
【0088】
1つの実施形態では、SRIは速度を仮定して計算される。速度は人間の動脈内ではかなり一定である。患者32人の1つの試験では、経皮冠動脈介入PCIの後、測定速度は79 ± 17.2cm/sであった。速度変動は小さく、SRI曲線は速度にはあまり依存しないことから、速度測定値なしで行われたSRIの推定は容認可能である。
【0089】
圧力低下は速度にほぼ比例するので、SRIを正規化するには、速度は流量よりもよい方法である。流量を使用した場合、一般的に大きな血管内の狭窄の影響を過小評価し、逆に、小さな血管の狭窄の影響を過大評価する。選択される速度は、基準直径での速度であり、狭窄速度ではない。医師は近位基準を選択し、速度測定値がそこで取得される。その結果得られるSRIにより、ステントで除去されることになる抵抗を医師は知ることができる。
【0090】
対象領域を通る流れは、側枝が検出された場合に変化する。側枝を通る流れは、側枝サイズおよび近位の基準から遠位の基準までの面積の減少から推定される。側枝を含めるように、代数式およびナビエ・ストークス式の両方が変更される。
【0091】
SRIが報告された場合、ミューイッセンらのものより、異なるSRIが使用される。LightLab SRI(LSRI)と呼ばれるこの指数は、以下のように定義される:
LSRI=総圧力差/速度− 統合ポアズイユ式
ここで、総圧力差は、第一の位置の静圧 + 第一の位置の速度水頭(ρ V12/2)−第二の位置の静圧+第二の位置の速度水頭(ρ V22/2)である。これらの位置は一般的には、管腔の対象領域にまたがる。速度Vはバルク平均速度である。統合ポアズイユ式は、直径が直線的に増加すると仮定して、基準位置間で計算された層流圧力低下である。総圧力は、標準SRIで使用される静圧よりも動脈の実際の損失を反映し、統合ポアズイユ式は、標準SRIの制約である測定位置間の距離の影響を除去するので、これは標準SRI測定に比べて改善されたものである。
【0092】
この技術で測定できる別のパラメータは、血流予備量比(FFR)である。図13のモデルで定義されるように、血管抵抗比(VRR)は血流予備量比(FFR)と直接的関係を持つ。FFRは、動脈圧に関連して狭窄より遠位の圧力の測定値から決定される:
【0093】
【数15】

【0094】
臨床的には、0.75以上のFFR値は通常、治療が必要ないことを意味すると考えられる。FFRは一般的に、毛細血管床の拡張を起こすことによって最大充血反応を生じる薬剤を投与した後に測定され、その後静脈圧測定値を取得する。
【0095】
狭窄セグメントの近位には付加的狭窄がないと仮定すると、VRRはFFRに反比例する。
【0096】
【数16】

【0097】
0.25未満のVRRは、治療が適応でないことを意味する。VRRの利点は、以下に示されるように、VRR計算は、薬剤の使用または血管内圧の測定なしで行い得ることである。
【0098】
VRRの基となるセグメント抵抗が計算されると、狭窄病変をカバーするために必要なステントの長さを臨床医が選択するのに役立つ追加的情報を表示できる。この情報を表示するための1つのコンセプトが図17に示されている。ここでは、病変の長さについてのフィードバックを提供するために、総血管抵抗の使用者選択可能比κ(典型的には0.9 ≦ κ≦0. 95)を包含する、MLA面上に中心を持つ動脈の長さがハイライトされている。数学的には、MLA位置l0中心を持つ、ハイライトされた領域の長さ2ΔLは、以下の関係が満足されるように決定される。
【0099】
【数17】

【0100】
ここで、N(l0−ΔL)とN(l0+ΔL)は、血管セグメントの遠位および近位限度でのフレーム数である。または、増加セグメントの抵抗を最高から最低に並べ替え、合計すると総血管抵抗の使用者選択可能比になる、リスト上部のセグメントのみをハイライトすることによって、MLA断面の位置とは無関係に高抵抗領域を識別することができる。この方法の利点は、図18の例に示されるように、びまん性狭窄の動脈の高抵抗領域の1つ以上を容易に識別できることである。
【0101】
本発明は、血管サイズおよび血流抵抗のパラメータが一度計算されると、ステント選択および配置を対話型コマンドを介して自動的または半自動的に最適化する方法も提供する。これらの流量計算は、一式の先験制約と組み合わせた時、心臓専門医が、移植前にステントの長さ、直径および縦方向の位置の最適化を可能にする。
【0102】
図5を再び参照すると、OCT画像データから派生した冠動脈の管腔の三次元(3D)画像が示されている。この画像を生成するために、上記のコンピュータソフトウェアによって管腔壁の輪郭が自動的にトレースされる。管腔の三次元画像によって示される形態学的データは、ステント最適化手順のさまざまな実施形態の開始点を提供する。第一の画像処理ステップでは、3Dデータセットを、カテーテルの軸に沿った各断面積の平均直径を示す円柱状に対称なデータセットに変換する。各縦方向位置xでの平均直径Dは、断面と同じ面積を持つ円の直径として計算される。
【0103】
【数18】

【0104】
ここで、A(x)は断面の面積である。または、平均直径は、管腔断面の重心を通って引かれた弦の長さを平均することによって求められる。図19aおよび19bは、冠動脈のOCT画像の平均直径の表示例を示す。図19aでは、動脈の枝は、枝の入口の幅と等しい幅を持つ垂直バーとして示されている一方、図19bでは、血管枝は、枝の入口の幅と等しい直径を持つ円として示されている。
【0105】
対話型ステント最適化では、図20に示されるように、平均直径表示は、再構成可能なステントの位置を血管プロファイルの上に重ね合わせたものを示す。ステントの拡張直径、長さ、および縦方向の位置が、利用可能な血流を心筋に回復することにおける有効性を決定する主要変数である。本発明は、ステント配置の前と後の血管抵抗比(VRR)の差を、重要ステント最適化パラメータとして用いる。別の重要な最適化パラメータは、ステント支柱の表面とステントの全長にわたる血管壁との間の最大間隔として定義される、最大ステント不完全密着距離である。特に薬剤溶出ステントでは、ステントが血管壁にしっかりと密着していること、および血管の崩壊を防ぐためにステントが適切な半径方向の支持を提供することを確実にするために、この距離の最小化が必要である。第三の重要最適化パラメータは、ステントと側枝の入口の重ね合わせの程度である。ステント支柱上の血栓形成または新しい組織の成長の結果としての枝への血流の閉塞を避けるために、重ね合わせを最小にすることが望ましい。
【0106】
本発明のさまざまな実施形態は、上述の最適化パラメータ(VRR、不完全密着距離、枝の重ね合わせ、カルシウムの存在等)に従って、最適なステントの長さ、直径、および縦方向の位置を選択する方法を提供する。図21のフローチャートは、1つの特定実施形態に関する最適化手順を概説している。この実施形態では、使用者が希望するステント長Lfixedを選択すると、最適化が繰り返し進行し、ステントの縦方向の位置Xopt、および最大許容距離Emaxよりも短い不完全密着距離EとDmaxよりも短いステントの直径を維持しながらVRRを最小化するステントの直径Doptを見つける。一般的にEmaxは、0と臨床的に有意でないと見なされる値(例えば0.1mm)の間の小さな値に固定され、Dmaxは、画像化セグメント内で測定された血管の最大直径にステント直径の1増加分(典型的には0.25mm)を加えたものに等しくなるよう設定されている。反復を促進するために、利用可能なステント直径{Dmin≦ D ≦ Dmax}およびステント位置{0 ≦ x≦ (L−Lfixed)}のセットは、臨床的に有意な増加分だけ離れている離散値に限定されている。最適化のさらなる促進は、変数の直線アレイの代わりに、ステント直径とステント位置の多変数参照テーブルを用いることによって達成できる。図21のフローチャートには示されていないが、側枝との重ね合わせの程度および石灰化領域などのさらなる制約が本発明の範囲の中に含まれる。
【0107】
使用者に推奨される直径およびステントの位置を報告することに加えて、最適化手順のこの特定の実施形態は、血管抵抗比VRRoptおよび残存不完全密着距離Eγの予側値も報告する。これらの値が十分でないと使用者が見なす場合、より長いステント長を入力として使用して、最適化を反復することができる。このようにすると、移植前に、ステントのサイズ調整および位置決めのエラーを避けることができる。
【0108】
図22は、直径、長さおよび縦方向の位置が同時に最適化される完全自動化最適化手順の実施形態のステップを概説している。ここでは、使用者が目標VRR値VRRmaxのみを入力すると、最適化が繰り返し進行して、最大直径および最大不完全密着距離に課せられる制約下で、望ましい血流抵抗を達成する最も短いステントを見つける。
【0109】
さらに詳細には、システムはまず、ステント未配置の血管に沿った各断面に対して面積と直径アレイを作成する。次に、システムは、ステントの直径、長さおよび位置の利用可能範囲を有する参照テーブルを作成する。その後、各入力を参照テーブルで処理し、システムはVRRおよび最大不完全密着値を計算する。最大不完全密着値は、セグメントの最大ステント未配置直径とステントの直径との間の距離に等しい。VRRmax未満のVRR値を生じるテーブル入力および最大不完全密着値は保持され、その後、各サブセットに対するステント長が決定される。ステント長が最小のテーブル入力が、最適ステントパラメータを定義する。
【0110】
対話型ベッドサイドツールとして有用となるためには、選択されたステントサイズに対するVRRの再計算はほぼ瞬間的でなければならない。VRRの選択ステント効果を見つける最も正確な方法は、上記のOCT測定値または有限要素計算流体力学プログラムを使用して、まずステント未配置動脈のVRRを測定または計算し、次に同じ有限要素計算流体力学プログラムを使用して、提案されているステント配置動脈形状でのVRRを再計算することである。しかし、ほとんどの計算流体力学プログラムは、提案ステントの影響を素早く示すために十分な速さで、典型的なコンピュータ上では実行されない。方法は、計算流体力学の正確性を持つことが必要であるが、提案されるステントの配置に関してVRRを迅速に再計算できなければならない。
【0111】
迅速な再計算を可能にする混成アプローチをここに開示する。提案されるステントの領域で、代数式を使用して圧力低下を決定する。ステントの外側の領域で、以前に取得された測定値または計算流体力学法を使用し、ステントの効果で変更する。迅速な再計算は、ステントのサイズ調整の間に代数式のみを使うことにより達成される。ステントのサイズ調整が完了したら、さらに正確な回答を得るために完全計算流体力学シミュレーションを実行し得る。
【0112】
ステント未配置動脈のVRRの初期計算は、有限要素計算流体力学プログラムを使用して行われる。画像化手順の終わりとステント配置の開始との間にはいくらかの時間があるため、この計算にかかる時間は制約とはならない。図23に示されるように、計算流体力学プログラムの重要な出力は総圧力対距離のグラフである。提案されたステントの追加によるVRRの変化を計算する最もシンプルな方法は、示されるように、ステント配置されたエリアの圧力低下を単に差し引くことである。ステントの長さおよび位置が操作者によって変更されると、VRR表示が更新される。
【0113】
狭窄が除去されると流量が増加するため、提案されているステント配置エリアの外側の圧力低下が増加することを、さらに洗練されたアプローチでは考慮に入れる。図24は、動脈を通した圧力低下の等価抵抗器ネットワークモデルを示す。図23の総圧力低下グラフは、それぞれが枝または動脈にまたがっている等価流動抵抗器に分割される。R0-1は、OCT画像の近位端から第一の枝までの流動抵抗で、R1-2は第一と第二の枝の間、RD-Nは最後の枝とOCTスキャンの遠位端との間である。ステントが抵抗器の1つに配置された場合、その抵抗器内の圧力低下は以下のように変更される。まず、狭窄による計算上の圧力低下は、そのステントでは0に設定される。ステントの長さを通ったポアズイユ圧力低下が加えられ、直径の変化によるステントの入口と出口での損失が加えられる。計算流動力学で狭窄があるとして計算された流量が、抵抗器値を設定するために使用される。
【0114】
図24の抵抗器ネットワークは、直列および並列の抵抗器の式を使って解くことができる。そして、ステント配置動脈の流量ひいては圧力低下に対する明示的な一連の式を見出すことができる。枝の間の流れの分割は、抵抗器ネットワークから再調整される。流動抵抗は、第一近似として、流量に対して直線であると考えられ得る。より洗練された近似では、流量に伴う非直線的圧力低下が含まれる。ステントをサイズ変更すると、VRRの新しい値がスクリーン上に表示される。この計算は単なる代数式なので、迅速に行われる。このVRR値は予備的としてマークされる。完全計算流体力学シミュレーションは、ステントのサイズ変更中に起こり、計算が完了したときにVRR値が最終としてマークされる。
【0115】
VRRの目標値は、公表されている臨床研究の結果に従って規定できる。例えば、1つの有力な研究の結果では、単一のステント配置病変を持つ患者の有害事象は、ステント配置動脈で測定された血流予備量比(FFR)が0.96〜1.0の範囲にある時は、測定FFR値が0.9〜0.95の範囲の類似患者集団の有害事象率に比べて大きく低減された。従って、FFRmin=0.96が、臨床的証拠によって支持されたステント後の目標である。その定義によると、VRRは、血流予備量比と単純反比例関係を持ち(VRR=1 − FFR)、この研究に基づき、これは、適切な目標最大値VRRmax = 1 −0.96 = 0.04に従う。
【0116】
図25および26は、本発明の特定の実施形態の出力結果を示す。図25aおよび25bは、2つの異なるステント長さLfixed= 8mmおよびLfixed = 24mmに対する固定ステント長最適化手順から得られるステント配置前および(予測される)ステント配置後の平均直径管腔プロファイルを示す。入力データは、患者の冠動脈の枝からインビボで記録された一連のOCT画像から導かれた。この例では、ステントの良好な付着を維持しながら充血血流を最小化するステントの直径および縦方向の位置が、最適化手順により決定された。Lfixed = 24mmに対するステントと血管壁の間の予測残存ギャップが空白領域として図26に示されている。
【0117】
図26aおよび26bは、2つの異なる目標VRR値VRRmax ≦ 0.05およびVRRmax ≦ 0.02に対する完全自動化最適化手順から得られるステント配置前および(予測される)ステント配置後の平均直径管腔プロファイルを示す。ここでも入力データは、患者の冠動脈の枝からインビボで記録された一連のOCT画像から導かれた。ステントと血管壁との間の良好な付着を維持しながら、VRRを目標値以下に減少させるために必要なステントの縦方向の位置、直径および最小の長さが、この手順によって決定された。
【0118】
図27は、対象管腔に適切に配置されていないステントを上のパネルに三次元描写しているコンピュータインターフェースを示す。ステント不完全密着の2つの領域が陰影領域として示されている。従って、1つの実施形態では、本発明の方法および本明細書に記述の特徴は、複数パネルでOCTを見ることができるコンピュータベースのユーザーインターフェースを対象とする。さらに、ステント不完全密着は三次元で示すことができる。加えて、模擬ステント配置の場合、使用者はステントを再配置して不完全密着エリアを除去し、実際の患者にステントを移植する前に適切なステント配置をシミュレーションし得る。
【0119】
本発明は、多くの異なる形式で具体化でき、これにはプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、または汎用コンピュータ)とともに使用するコンピュータプログラム論理、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のPLD)とともに使用するプログラム可能論理、個別部品、統合回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))または、そのいずれの組み合わせをも含む他の手段が含まれるが、これに限定されない。本発明の典型的な実施形態では、OCTプローブおよびプロッセッサベースのシステムを使用して収集されたデータの処理の一部またはすべては、コンピュータ実行可能形式に変換された一連のコンピュータプログラム命令として実施され、コンピュータ可読媒体などに記憶され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行される。従って、OCTデータ、組織学画像、OCT画像、血管抵抗、オーバーレイマスク、信号処理、加重アーチファクト除去、輪郭検出および上述の他の特徴および実施形態のために、クエリー応答および入力データはプロセッサが理解可能な命令に変換される。
【0120】
本明細書に上述された機能のすべてまたは一部を実施するコンピュータプログラム論理は、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、およびさまざまな中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカー、またはロケーターによって生成される形式)を含むがこれに限定されないさまざまな形式で具体化され得る。ソースコードは、さまざまなオペレーティングシステムまたは動作環境で使用するための、さまざまなプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはFortran、C、C++、JAVA、またはHTMLなどの高水準言語)で実行される一連のコンピュータプログラム命令を含む。ソースコードは、さまざまな構造および通信メッセージを定義および使用する場合がある。ソースコードは、(例えば、解釈プログラムを介した)コンピュータ実行可能形式であるか、またはソースコードはコンピュータ実行可能形式に変換(例えば翻訳プログラム、アセンブラ、またはコンパイラを介して変換)され得る。
【0121】
コンピュータプログラムは、半導体メモリ装置(例えばRAM、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュプログラム可能RAM)、磁気メモリ装置(例えば、ディスクまたは固定ディスク)、光学メモリ装置(例えばCD-ROM)、PCカード(例えばPCMCIAカード)、または他のメモリ装置などの有形記憶媒体中に、いずれの形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、または中間形式)で恒久的または一時的に固定され得る。コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、インターネットワーキング技術を含むがこれに限定されないさまざまな通信技術のいずれのものを使用して、コンピュータに伝送できる信号のいずれの形式に固定され得る。コンピュータプログラムは、付随する印刷または電子文書の付いたリムーバブル記憶媒体(例えば、市販ソフトウェア)としていずれの形式で配布されるか、コンピュータシステム(例えば、システムROMまたは固定ディスク)に事前ロードされるか、サーバまたは電子掲示板から通信システム(例えば、インターネットまたはワールド・ワイド・ウェブ(WWW))で配布され得る。
【0122】
本明細書で既述の機能のすべてまたは一部を実行するハードウェア論理(プログラム可能論理装置とともに使用するプログラム可能論理を含む)は、従来のマニュアル方法を使用して設計でき、または、コンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(VHDLまたはAHDL)、またはPLDプログラミング言語(例えばPALASM、ABEL、またはCUPL)などのさまざまなツールを使用して設計、捕捉、シミュレーション、または電子的に文書化し得る。
【0123】
プログラム可能論理は、半導体メモリ装置(例えばRAM、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュプログラム可能RAM)、磁気メモリ装置(例えば、ディスクまたは固定ディスク)、光学メモリ装置(例えばCD-ROM)、または他のメモリ装置などの有形記憶媒体中に、恒久的または一時的に固定され得る。プログラム可能論理は、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、インターネットワーキング技術を含むがこれに限定されないさまざまな通信技術のいずれのものを使用して、コンピュータに伝送できる信号に固定され得る。プログラム可能論理は、付随する印刷または電子文書の付いたリムーバブル記憶媒体(例えば、市販ソフトウェア)として配布されるか、コンピュータシステム(例えば、システムROMまたは固定ディスク)に事前ロードされるか、サーバまたは電子掲示板から通信システム(例えば、インターネットまたはワールド・ワイド・ウェブ(WWW))で配布され得る。
【0124】
適切な処理モジュールのさまざまな例を、以下にさらに詳細に考察する。本明細書で使用される場合、モジュールとは、特定のデータ処理またはデータ伝送タスクを実行するのに適したソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアを指す。一般的に、好ましい実施形態では、モジュールとは、命令、またはOCTスキャンデータ、干渉計信号データ、クロック信号、対象領域のタイプ、式、および他の対象となる情報などのさまざまなタイプのデータを受信、変換、ルーティングおよび処理するのに適したソフトウェアルーチン、プログラム、または他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0125】
本明細書に記述のコンピュータおよびコンピュータシステムは、データの取得、処理、記憶および/または通信に使用されるソフトウェアアプリケーションを記憶するためのメモリなど、動作上関連するコンピュータ可読媒体を含み得る。当然のことながら、このようなメモリは、動作上関連するコンピュータまたはコンピュータシステムに関して内部、外部、リモートまたはローカルであり得る。
【0126】
メモリは、例えば、ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、PROM(プログラム可能ROM)、EEPROM(拡張消去可能PROM)、および/または他の同様のコンピュータ可読媒体を含むがこれに限定されない、ソフトウェアまたは他の命令を記憶するためのすべての手段も含む。
【0127】
一般的に、本明細書に記述の発明の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム可能装置によって実行される命令を記憶できるメモリ媒体を含み得る。該当する場合、本明細書に記述の方法のステップは、コンピュータ可読メモリ媒体上に記憶された命令として具体化または実行され得る。これらの命令は、C++、C、Javaなどのさまざまなプログラミング言語、および/または本発明の実施形態に従って命令を作成するために適用され得る他の種類のソフトウェアプログラミング言語で具体化されるソフトウェアであり得る。
【0128】
本発明は特定の例証的な好適実施形態に関して記述されているが、当業者であれば、これに限定されないこと、および次に請求されている本発明の範囲内で、好適実施形態への多くの追加、削除および変更が可能であることを容易に理解・認識する。従って、本発明の範囲は添付の請求項の範囲によってのみ限定される。
【0129】
【表1】

【0130】
【表2】

【0131】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. データセットは長さに沿った複数の位置での複数の断面積を含む、光干渉断層撮影システムを使用して管腔の長さLに関する当該データセットを収集するステップと、
b. プロセッサおよび前記データセットの少なくとも一部を使用して、血管抵抗比(VRR)を決定するステップと、
c. 前記血管抵抗比に対応して、前記長さLに沿って配置されたセグメントの少なくとも一部分の特性を決定するステップと、
を含む、血管の管腔セグメントを評価する自動化されたコンピュータベースの方法。
【請求項2】
領域が狭窄病変を含み、前記特性が狭窄病変を意味する値である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記狭窄病変を治療するために使用されるステント長および直径の数的または画像尺度の少なくとも1つを表示するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記血管抵抗比を決定する前記ステップが、集中抵抗器モデルを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
a. コンピュータを使用して管腔画像のマスクを生成するステップと、
b. 前記マスクに複数のスキャンラインを画定するステップと、
c. 各スキャンライン上で組織として領域を識別するステップと、
d. 複数のスキャンラインおよび各スキャンライン上の組織の領域に対応して、輪郭セグメントを画定するステップと、
e. 有効な隣接輪郭セグメントを識別するステップと、
f. 有効な隣接輪郭セグメント間の不足輪郭データを補間するステップと、
g. 輪郭を前記不足輪郭データに適合させるステップと、
を含む、血管画像の管腔境界を自動的に識別するための方法。
【請求項6】
ガイドワイヤーおよび類似のアーチファクトを検出および除去するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
組織領域を識別する前記ステップが、
a. 各スキャンライン上の複数の開始/停止対を見つけるステップと、
b. 前記開始/停止対のそれぞれの厚さおよびギャップを計算するステップと、
c. 前記厚さおよび前記ギャップに基づいて重みを計算するステップと、
d. 組織およびギャップの最大の重みに基づいて前記組織領域を画定するステップと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
結合された輪郭を画定する前記ステップが、
a. 最大の重みの前記スキャンラインを見つけるステップと、
b. 有効なセグメントを画定するために、前記スキャンラインから両方向に不連続点を探すステップと、
c. 前記有効セグメントの最長のものとして前記輪郭の根を識別するステップと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
有効な隣接輪郭を識別する前記ステップが、角度、半径、およびユークリッド距離閾値に合格する前記輪郭セグメントのそれぞれに最も近い時計回りおよび反時計回りの隣接セグメントを見つけることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
ガイドワイヤーの陰影アーチファクトを検出および除去する前記ステップが、
a. 前記輪郭のライン間の傾斜を計算するステップと、
b. ラインからラインに移動して、予想平滑輪郭傾斜を計算するステップと、
c. 前記予想平滑傾斜および前記ライン間傾斜の差を計算するステップと、
d. 前記差の閾値に対応する輪郭点を削除するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
不足データを補間する前記ステップが、
a. 前記不足輪郭セグメントの両端の有効な輪郭データで、必要とされる補間制御点を識別するステップと、
b. 前記制御点を使用して前記不足輪郭セグメントデータを補間するステップと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
補間を必要とするすべての不足輪郭セグメントで前記ステップが実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
不連続点を探す前記ステップが、
a. スキャンライン間オフセット変化ヒストグラムを計算するステップと、
b. 前記ヒストグラムを平滑化するステップと、
c. 前記ヒストグラムからゼロカウントの最小変化を識別するステップと、
d. 前記最小変化を連続性尺度として使用するステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
画像がOCT画像である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
a. 原位置血管画像の近位および遠位フレームを選択するステップと、
b. 前記近位フレームおよび前記遠位フレームに囲まれた血管セグメントの実際の血管抵抗を計算するステップと、
c. 前記血管セグメントの総血管抵抗を計算するステップと、
d. 血管の前記実際の血管抵抗と前記総血管抵抗を使用して、血管抵抗比を計算するステップと、
を含む、血管抵抗を定量化するために自動化された方法。
【請求項16】
実際の血管抵抗を計算する前記ステップが、
a. 前記近位および前記遠位フレームで囲まれ、それらを含むすべてのフレームの管腔輪郭を抽出するステップと、
b. 前記抽出された輪郭から断面積を計算するステップと、
c. 平滑面積グラフを作成するステップと、
d. 前記平滑面積グラフに対応して実際の抵抗計算を算出するステップと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
総血管抵抗を計算する前記ステップが、
a. 前記近位フレームおよび前記遠位フレームの間の形状を適合させるステップと、
b. 前記近位フレームおよび前記遠位フレームで囲まれ、それらを含むすべてのフレーム位置にある形状の断面積を計算するステップと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
平滑面積グラフを作成する前記ステップが、
a. 前記断面積を使用してグラフを作成するステップと、
b. 前記グラフ上で不足している面積値を補間するステップと、
c. その結果得られるグラフを平滑化するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
画像がOCT画像である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
a. 血管画像内の対象領域において流動パラメータ測定するステップと、
b. 前記対象領域でのステント配置をシミュレートするステップと、
c. 前記対象領域における前記流動パラメータを再計算するステップと、
d. 望ましい流動パラメータ結果が得られるまでbとcのステップを繰り返すステップと、
を含む、コンピュータベースのステント配置方法。
【請求項21】
前記シミュレートされた配置でのステント不完全密着を測定するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ステント不完全密着が許容値内になるまで前記ステントを再配置するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
対象血管内の第一の位置と第二の位置との間の圧力の差を決定するステップと、
前記対象血管内の前記第一と前記第二の位置を通る血流の速度を決定するステップと、
前記第一と前記第二の位置の間の層流圧力低下を取得するために、前記第一の位置と前記第二の位置の間のポアズイユ式を統合するステップと、
次の式:
LSRI =(前記第一と前記第二の位置の間の圧力差/血流の速度)−前記第一と前記第二の位置の間の層流圧力低下
を解くステップと、
を含む、LSRIの計算方法。
【請求項24】
データセットは長さLに沿った複数の位置での複数の断面積を含む、管腔の長さLに関する当該データセットを収集する画像取得システムと、
前記長さLに沿った複数の位置での断面積の前記セットを記憶するメモリと、
前記メモリと通信するプロセッサであって、
メモリの前記データセットの少なくとも一部分に対応して血管の前記長さLに対する血管抵抗比(VRR)を決定し、
前記血管抵抗比に対応して、前記長さLに沿って配置された前記領域の少なくとも一部分の特性を決定するよう構成されている、プロセッサと、
を含む、管腔の領域を評価するためのコンピュータベースのシステム。
【請求項25】
狭窄病変を治療するために使用されるステント長の数的または画像尺度の少なくとも1つを表示するディスプレイをさらに含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
血管管腔の画像を原位置で収集するための取得システムと、
前記画像を記憶するメモリと、
前記メモリと通信するプロセッサであって、
前記管腔画像のマスクを生成し、
前記マスクに複数のスキャンラインを画定し、
領域を各スキャンライン上で組織として識別し、
前記複数のスキャンラインおよび各スキャンライン上の組織の前記領域に対応して輪郭セグメントを画定し、
有効な隣接輪郭セグメントを識別し、
有効な隣接輪郭セグメント間の不足輪郭データを補間し、
輪郭を前記不足輪郭データに適合させるよう構成されている、プロセッサと、
を含む、原位置血管画像の管腔境界を自動的に識別するためのコンピュータベースのシステム。
【請求項27】
干渉計と、血管管腔を見るために原位置で複数の画像を収集するためのカテーテルとを含む、OCT取得システムと、
前記画像を記憶するメモリと、
前記メモリと通信するプロセッサであって、
OCT画像の近位および遠位フレームを選択し、
前記近位フレームおよび前記遠位フレームに囲まれた血管セグメントの実際の血管抵抗を計算し、
前記血管セグメントの総血管抵抗を計算し、
前記実際の血管抵抗と前記総血管抵抗を使用して、血管抵抗比を計算するよう構成されている、プロセッサと、
を含む、血管抵抗を定量化するための自動化されたOCTシステム。
【請求項28】
前記プロセッサが、前記血管抵抗比に対応して前記管腔の領域の特性をさらに決定する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
血管管腔の対象領域の画像を原位置で収集するための画像取得システムと、
前記画像を記憶するメモリと、
前記メモリと通信するプロセッサであって、
前記画像の前記対象領域における流動パラメータを測定し、
前記対象領域でのステントの配置をシミュレートし、
前記対象領域における前記流動パラメータを再計算し、
望ましい流動パラメータ結果が得られるまで前記シミュレーションおよび再計算を繰り返すよう構成されている、プロセッサと、
を含む、ステントを配置するためのコンピュータベースのシステム。
【請求項30】
前記画像がOCT画像であり、前記画像取得システムが干渉計と血管画像を原位置で収集するためのカテーテルとを含む、請求項29に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項31】
VRRからFRRを計算するステップと、
前記FRRの値が臨床的に有意であるか否かを決定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2013−505782(P2013−505782A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531008(P2012−531008)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/049887
【国際公開番号】WO2011/038044
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.JAVA
3.EEPROM
4.BLUETOOTH
【出願人】(509128672)ライトラブ イメージング, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】