説明

箸置き

【課題】 手持ち食器が置かれたことに連動して一部が動く手持ち食器箸置きを提供する。
【解決手段】 下部ケース12の開口部12bから突出する受部14aに例えばスプーン21のような物品が置かれた場合に、下部ケース12に設けられたベース部材14の他端部14bに上移動の力が伝達され、ベース部材14の他端部14bの上移動の力が介在部材18に伝達され、介在部材18の上移動の力をアーム部材15の突起部15cが受け、上部ケース13の開口部13aから外部に突出するアーム部材15の遠端部15aが動く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箸、スプーン、フォーク等の食器置きに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、果物や動物の形をした箸置きが知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、密閉された中空部を有する透明の容器と、この中空部に収容される適当な量の液体と、これ以外の部分に収容される気体とからなる箸置きについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−265296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の箸置きにあっては、単に静止して置かれているものであるので、箸などの物品が置かれたとしても、箸置きの一部を動かすことができない構成になっているため、面白みに欠けるといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、物品が置かれたことに連動して一部が動く手持ち食器置きを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の手持ち食器置きは、上面に模型部材が設けられた下部ケースと、下部ケースに設けられた開口部から突出し、手持ち食器の一部を載せるための受部を一端に有し、下部ケース内の軸受け部に回転軸が軸支されるベース部材と、模型部材に設けられ、受部に前記手持ち食器を載置させた際に可動する可動部材とを備える。
【0007】
本発明の手持ち食器置きにおいて、ベース部材の他端部の移動を伝達して可動部材を可動させる介在部材を有することが好ましい。また、本発明の手持ち食器置きにおいて、手持ち食器が受部に置かれた場合に、受部が内部に降下することに連動してベース部材の他端部が上昇し、ベース部材の他端部が上昇することに連動して介在部材が上昇し、介在部材の上昇に連動して可動部材が上昇することが好ましい。また、本発明の手持ち食器置きにおいて、可動部材の遠端部と、可動部材に設けられた軸受け部との間に設けられ、介在部材の上下移動を受ける突起部を有することが好ましい。また、本発明の手持ち食器置きにおいて、ベース部材の他端部と介在部材の下部とが、摺動自在に接触することが好ましい。また、本発明の手持ち食器置きにおいて、介在部材の上部と可動部材の突起部とが、摺動自在に接触することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る手持ち食器置きによれば、手持ち食器が置かれたことに連動して一部が動く手持ち食器を構成することができ、手持ち食器の利用者に興味性が増し、箸置きに箸やスプーンやフォークのような物品を置くことにより楽しみを喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による箸置きの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による箸置きの一例を背面から見た状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による箸置きの一例であり、背面蓋を取り去った状態を示す背面から見た状態の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態による箸置きの一例であり、下方から見た状態の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態による箸置きの一例であり、背面蓋を取り去った状態を示し、介在部材がある、背面から見た状態の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による箸置きの一例であり、上部ケースと下部ケースとに分離した状態の斜視方向から見た状態の写真である。
【図7】本発明の実施形態による箸置きの一例にスプーンを置いた例であり、背面から見た状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施の形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付して説明する。各図に示す3次元の座標系において、z軸は例えば地球の重力と逆方向を示し、x軸は箸置きの正面に対して右方向を示し、y軸は箸置きの正面に対して奥行き方向とは逆方向を示している。
【0011】
図1は、本発明の実施形態による箸置きの一例を示す斜視図である。
図1に示す箸置き11は、下部ケース12と、下部ケース12に対してほぼ直角に配置される上部ケース(模型部材)13とを有する手持ち食器置き置きである。下部ケース12には開口部12aが設けられており、開口部12aからベース部材14の受部14aが突出するように構成されている。この受部14aは手持ち食器を載せる箇所となる。上部ケース13に開口部13aが設けられ、開口部13aから外部にアーム部材15の遠端部15aが突出するように構成されている。このアーム部材15は、受部14aに手持ち食器を載置させた際に可動するように構成されている。
【0012】
なお、本実施の形態では、下部ケース12と上部ケース(模型部材)13とは別部材となっているが、必ずしも別部材である必要はなく、下部ケース上の上側に上部ケースが設けられていれば下部ケースと上部ケースが一体的に形成されていてもよい。また、本実施の形態において、上部ケースとして人形を模した部材を用いているが、キャラクタ等の人形を模した形状の部材を用いることにより、興趣性の高い箸置きを提供することができる。なお、上部ケースとして、複数のキャラクタを利用した形状の部材を用いてもよい。また、本実施の形態において、受部14aの上面は下方向(−z方向)に湾曲している。受部14aの上面を湾曲させることにより、受部14aに手持ち食器を載せやすくすることができる。
【0013】
図2は、本発明の実施形態による箸置きの一例を背面から見た状態の斜視図である。箸置き11の背面において、上部ケース13の背面に背面蓋16が係合されている状態を示している。
【0014】
図3は、本発明の実施形態による箸置きの一例であり、箸置き11から背面蓋16を取り去った状態を示す背面から見た状態の斜視図である。上部ケース13の略中央部に回転軸13cが突出するように構成されており、この回転軸13cには2つのアーム部材15,15の軸受け部15bが軸支されるように構成されている。アーム部材15は、軸受け部15bが軸支されることで回転可能になっており、アーム部材15の下方には突起部15cが設けられ、さらに、上部ケース13の開口部13aから外部に遠端部15aを突出するように構成されている。アーム部材15の遠端部15aと軸受け部15bとの間の下方部には突起部15cを設けられており、受部14aに食器を置いた場合にアーム部材15の遠端部15aが上昇するように構成されている。アーム部材の遠端部15aと軸受け部15bとの間に突起部を設けることにより、受部14aに食器が置かれた場合に、アーム部材15の遠端部15aを上昇させることができる。
【0015】
図4は、本発明の実施形態による箸置きの一例であり、下方から見た状態の斜視図である。図3及び図4に示すように、上部ケース13は下方の端部にある3つのツメ13dが下部ケース12の開口部12bに嵌合している状態にある。図4に示すように、下部ケース12の内部の略中央部両側には軸受け部12cが設けられており、この軸受け部12cにベース部材14の回転軸が軸支されることで回転可能に構成されている。また、上部ケース13の下部には開口部13bが設けられており、図4に示すように、この開口部13bを介して介在部材18の下端部の一部がその姿を現している。この介在部材18は、ベース部材14の他端部14bの上下移動を伝達してアーム部材15を可動させる。なお、ベース部材14の移動によってアーム部材を可動させることができれば、必ずしもこれに限定されることはなく、例えば、介在部材を設けず、ベース部材14の他端部14bで直接アーム部材15を可動させる構造としてもよい。
【0016】
図5は、本発明の実施形態による箸置きの一例であり、背面蓋を取り去った状態を示し、介在部材がある、背面から見た状態の斜視図である。図5に示すようにベース部材14の受部14aに食器が置かれていない場合には、下部ケース12の開口部12aからベース部材14の受部14aが突出するように構成されている。すなわち、ベース部材14の回転軸を中心に、介在部材18の重みでベース部材14の他端部14bが下方に静止し、受部14aの方が上方に静止するように構成されていることで、開口部12aからベース部材の受部14aが突出する。
【0017】
また、ベース部材14の受部14aに食器が置かれていない場合、介在部材18は上部ケース13の内部の低位置に静止して収容されている。詳しくは、ベース部材14の受部14aに食器が置かれていない場合、ベース部材14の他端部14bの方が下方に静止しているので、ベース部材14の他端部14bが介在部材18の下端部を上方に押し上げることはない。他方、ベース部材14の受部14aに例えばスプーンが置かれた場合には、ベース部材14の他端部14bが介在部材18の下端部に接触して上方向(z軸方向)に上昇移動され、介在部材18の上端部がアーム部材15の突起部15cを上昇させるので、上部ケース13の回転軸13cに軸支されてアーム部材15の遠端部15aは上方(A方向)に上昇移動される。
【0018】
図6は、本発明の実施形態による箸置きの一例であり、上部ケースと下部ケースとに分離した状態の斜視方向から見た状態の写真である。本発明にかかる箸置きは、例えば樹脂から作られる構成である。図6に示すように、下部ケース12の開口部12bからベース部材14の他端部14bが姿を現している。上部ケース13は下方の端部に3つのツメ13dを有しており、これら3つのツメ13dが下部ケース12の開口部12bに嵌合する。
【0019】
図7は、本発明の実施形態による箸置きの一例にスプーンを置いた例であり、背面から見た状態を示す図である。ここで、図7を参照して、上述したように構成された箸置き11の動作について説明する。図7に示すように、下部ケース12の開口部12bから突出する受部14aに例えばスプーン21が置かれた場合に、下部ケース12に設けられたベース部材14の他端部14bに上移動の力が伝達され、ベース部材14の他端部14bの上移動の力が介在部材18に伝達され、介在部材18の上移動の力をアーム部材15の突起部15cが受け、上部ケース13の開口部13aから外部に突出するアーム部材15の遠端部15aが動くので、スプーンが置かれたことに連動して一部が動く箸置きを構成することができ、箸置きの利用者に興味性が増し、箸置きに箸やスプーンやフォークのような食器を置くことにより楽しみを喚起することができる。
【0020】
また、例えばスプーン21のような食器が箸置き11の受部14aに置かれた場合に、受部14aが下部ケース12の内部に降下することに連動してベース部材14の他端部14bが上昇し、ベース部材14の他端部14bが上昇することに連動して介在部材18が上昇し、介在部材18の上昇に連動してアーム部材15の突起部15cが上昇してアーム部材15の遠端部15aが上方(z軸方向)に上昇するので、食器が置かれたことに連動して一部が動く箸置きを構成することができ、箸置きの利用者に興味性が増し、箸置きに箸やスプーンやフォークのような食器を置くことにより楽しみを喚起することができる。
【0021】
ベース部材14の他端部14bと介在部材18の下部とは、摺動自在に接触することで、ベース部材14の他端部14bの上昇に連動して介在部材18の下部が、ベース部材14の他端部14b上を摺動しながら上昇することができる。
【0022】
介在部材18の上部とアーム部材15の突起部15cとは、摺動自在に接触することで、介在部材18の上昇に連動してアーム部材15の突起部15cが、介在部材18の上部を摺動しながら上昇し、アーム部材15の遠端部15aが上方(z軸方向)に上昇することができる。
【0023】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る箸置きは上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。例えば、本実施例では、アーム部材15の遠端部15aと軸受け部15bとの間の下方部に突起部15cを設けているので、受部12aに物品を置いた場合にアーム部材15の遠端部15aが上昇するという構造を示したが、逆に、アーム部材15の遠端部15aと下方部の突起部15cとの間に軸受け部15bを設けることで、受部12aに物品を置いた場合にアーム部材15の遠端部15aが下降するという構造としてもよい。
【0024】
また、本発明にかかる手持ち食器置きは、樹脂から作られる構成としたが、本発明はこれに限定されず、金属や木材などから作られても良い。また、上部ケースとなる模型部材の例として人形の場合を例にとって説明したが、飛行機、動物、植物、建造物等の他のモチーフを用いたものであってもよい。
【符号の説明】
【0025】
11 箸置き(手持ち食器置き)
12 下部ケース
12a 開口部
12b 開口部
12c 軸受け部
13 上部ケース(模型部材)
13a 開口部
13b 開口部
13c 回転軸
13d ツメ
14 ベース部材
14a 受部
14b 他端部
15 アーム部材(可動部材)
15a 遠端部
15b 軸受け部
15c 突起部
16 背面蓋
18 介在部材
21 スプーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に模型部材が設けられた下部ケースと、
前記下部ケースに設けられた開口部から突出し、手持ち食器の一部を載せるための受部を一端に有し、前記下部ケース内の軸受け部に回転軸が軸支されるベース部材と、
前記模型部材に設けられ、前記受部に前記手持ち食器を載置させた際に可動する可動部材と、を備える手持ち食器置き。
【請求項2】
請求項1において、
前記ベース部材の他端部の移動を伝達して前記可動部材を可動させる介在部材を有する手持ち食器置き。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記手持ち食器が前記受部に置かれた場合に、前記受部が内部に降下することに連動して前記ベース部材の他端部が上昇し、前記ベース部材の他端部が上昇することに連動して前記介在部材が上昇し、前記介在部材の上昇に連動して前記可動部材が上昇する手持ち食器置き。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記可動部材の遠端部と、前記可動部材に設けられた軸受け部との間に設けられ、前記介在部材の上下移動を受ける突起部を有する手持ち食器置き。
【請求項5】
請求項4において、
前記介在部材の上部と前記可動部材の突起部とが、摺動自在に接触する手持ち食器置き。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記ベース部材の他端部と前記介在部材の下部とが、摺動自在に接触する手持ち食器置き。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記ベース部材の受部の上面が下方向に湾曲している手持ち食器置き。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−24419(P2012−24419A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167567(P2010−167567)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【特許番号】特許第4848466号(P4848466)
【特許公報発行日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】