説明

節水バルブ

【課題】水栓等の内部流路に組み込む節水バルブであって、通水時の騒音を低減した節水バルブの提供。
【解決手段】雄ねじ2b,3aと雌ねじ4cとの螺合によって一体化されることにより、流入路2cと、この流入路2cより大径であってこの流入路2cに連通される滞留部4d,4eと、この滞留部4d,4eに連通される流出路3bとを形成する複数の部材2,3,4によって構成され、流入路2cの流入口の縁を、水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた傾斜面2dとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の水栓やシャワーヘッド等の内部に組み込んで吐水流量を規制するようにして節水効果を得るようにした節水バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭でのキッチンで使用される単水栓や湯水混合栓等は手動式のハンドルによって弁開度を変えて吐水流量を調整するものがほとんどである。浴室に設備されるシャワーにおいても、湯水混合栓から分岐したホースの根元に設けたハンドルで流量調整するのが一般的である。
【0003】
このような水栓やシャワー設備では、従来節水を図るために節水バルブを水栓本体の中やシャワーヘッドの内部に組み込むことが行われている。本発明者は、特許文献1に記載のように、上流側に臨む第1部材とこれに着脱自在に配置された下流側に臨む第2部材との組合せとし、第1部材には流入路に連通しこの流入路より大径の滞留部とこの滞留部に連通する流出路とを貫通させ、滞留部および流出路を流入路に対して同軸上にのみ設けた節水バルブを開示している。
【0004】
また、水栓本体の中やシャワーヘッドの内部に組み込むタイプの節水バルブとしては、例えば、特許文献2に開示されているように、給水管に連結したホースの先端に通水管を連結し、通水管内へ鍔付きの拡開管を挿通し、この拡開管内へ内径により水量を規制し得るようにした節水筒を挿通し、この節水管の先端側螺子を拡開管の先端内側へ挿入した楔管に螺合させることにより、拡開管の管体部を拡開させて、拡開部を通水管の内壁に圧接固定するものがある。
【0005】
【特許文献1】特許第3483523号公報
【特許文献2】特開2002−121781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のような水栓本体の中やシャワーヘッドの内部に組み込むタイプの節水バルブでは、水道管を通ってきた水が、節水バルブの上部の開口から節水バルブの内部へ流入し、節水バルブの下部の開口から流出する。ところが、従来の節水バルブでは、水が節水バルブの上部の開口から節水バルブの内部へ流入する際、節水バルブの上面に衝突し、衝撃音を発してしまうという問題がある。特に、水圧が高い場合にはこの衝撃音が大きくなり、通水時の騒音が気になってしまう。
【0007】
そこで、本発明においては、水栓等の内部流路に組み込む節水バルブであって、通水時の騒音を低減した節水バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の節水バルブは、水栓等の内部流路に組み込まれ、水を流入口から流出口まで通過させ、吐水量を絞りおよび流路抵抗によって規制する節水バルブであって、流入口の縁を、水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面としたものである。本発明によれば、水道管を通ってきた水が節水バルブの流入口から節水バルブの内部に流入する際、この水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面に衝突することで減速され、衝撃音が小さくなる。
【0009】
なお、流入口の縁の面が、水の流路の軸線に対して60°未満の場合には、通常の水道の水圧(3気圧)よりも低い水圧であればあまり音はしないが、消音効果はほとんどなく、通常の水圧よりも高い水圧では、60°未満で角度を変化させても消音効果は認められない。また、75°超の場合も同様に消音効果はほとんどない。60°未満または75°超では、水を傾斜面に衝突させてもこれを減速させ、消音する作用効果は得られず、特許文献2に記載の節水バルブのように流入口の縁が水の流路の軸線に対して直角に形成されているものと変わらない。
【0010】
ここで、本発明の節水バルブは、雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化される複数の部材によって構成されるものとすることができる。通常の水圧よりも高い水圧(例えば、4気圧以上)では、雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化される複数の部材によって構成される節水バルブでは、衝撃音の発生とともに螺合が緩んでしまうことがあるが、本発明のように、流入口の縁を、水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面としたものであれば、衝撃音が消音されるので、螺合が緩みにくくなる。
【0011】
また、このように雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化される複数の部材によって構成される節水バルブでは、雄ねじと雌ねじとを左ねじにより構成することが望ましい。雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化される節水バルブは、通水時に少しずつであるが左回りに回転しており、雄ねじと雌ねじとを左ねじにより構成することでこの緩みをさらに防止することができる。ここで、「左ねじ」とは、一般に使われている右に回転させると前に進む「右ねじ」と異なり、左に回転させると前に進むねじである。なお、「左ねじ」は、「逆ねじ」と称されることもある。
【0012】
この左ねじによる緩み防止について詳述すると、節水バルブは、通水時にその流路を流れる水の影響によって左回りに回転する際、節水バルブの外壁面とこの節水バルブが嵌め込まれた水栓等の内部流路の内壁面とが擦れ合いながら回転する。本発明の節水バルブは、雄ねじと雌ねじとを左ねじにより構成しているため、節水バルブの外壁面と内部流路の内壁面との間に作用する摩擦力が、左ねじが締め込まれる方向に作用する。そのため、本発明の節水バルブは、通水時には左ねじが締め込まれ続けていることになり、長期間の使用により螺合が解けて分解することがない。
【0013】
また、本発明の節水バルブは、雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化されることにより、流入路と、この流入路より大径であってこの流入路に連通される滞留部と、この滞留部に連通される流出路とを形成する複数の部材によって構成されるものとすることができる。
【0014】
これにより、流入路、滞留部および流出路の内径を自由に変更して加工し、雄ねじと雌ねじとの左ねじの螺合によって一体化することにより得られる節水バルブとなる。したがって、給水圧の高低等に応じて絞り度および流路抵抗を変えるために、流入路、滞留部および流出路の内径を自由に設定し、設置条件に応じた節水効果を達成することが可能である。
【0015】
なお、本発明の節水バルブは、滞留部を複数有し、さらにこの複数の滞留部を連通する連通路を備えたものであることが望ましい。このように連通路を介して複数の滞留部を通過させる構成により、絞りによる効果および流路抵抗による効果を増大させることができ、さらに節水効果の高い節水バルブが得られる。
【0016】
本発明の節水バルブは、流入路を貫通させて設けた第1部材と、流出路を貫通させて設けた第2部材と、第1部材および第2部材が螺合されることにより第1部材および第2部材との間に滞留部が形成される第3部材とから構成することができる。これにより、第1部材には所定の内径の流入路を形成し、第2部材には所定の内径の流出路を形成し、第3部材には所定の内径の滞留部を形成し、これらの第1〜第3部材を螺合するだけの簡単な構成により、本発明の節水バルブが得られる。
【0017】
また、本発明の節水バルブは、第3部材が、螺合される第1部材と第2部材との間に連通路が形成された隔壁を備え、この隔壁の両側に左ねじにより構成される雌ねじが形成されたものであり、第1部材および第2部材が、それぞれ第3部材の雌ねじに対して螺合される左ねじにより構成される雄ねじが形成されたものである構成とすることができる。
【0018】
これにより、隔壁を残して両側に左ねじにより構成される雌ねじを形成し、隔壁に連通路を形成した第3部材に対して第1部材および第2部材を螺合するだけで、隔壁の両側に2つの滞留部を有する節水バルブを簡単に得ることが可能となる。
【0019】
また、本発明の節水バルブは、流入路および流出路のいずれかまたは両方に、右ねじの雌ねじに相当する凹凸部を備えたものであることが望ましい。本発明の節水バルブによれば、流入路および流出路を通過する水が、右ねじの雌ねじに相当する凹凸部によって右回りに案内され、この反力により節水バルブが左回りに付勢される。このため、節水バルブはさらに左ねじが締め込まれる方向に回転するようになり、長期間の使用により螺合が解けるのを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、流入口の縁を、水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面としたことにより、水道管を通ってきた水が節水バルブの流入口から節水バルブの内部に流入する際、この水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面に衝突することで減速され、衝撃音が小さくなるので、通水時の騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の実施の形態における節水バルブの外観斜視図、図2は図1の節水バルブの縦断面図、図3は図1の節水バルブを各部材に分解した状態を示す正面図、図4は図3の各部材の縦断面図である。
図において、本発明の実施の形態における節水バルブ1は金属または樹脂により形成されたものであり、互いに左ねじにより結合された第1部材2と、第2部材3と、第3部材4とから構成されている。
【0022】
第1部材2は、上端にフランジ2aを形成するとともに下端側の外周に左ねじの雄ねじ2bを形成したものである。第1部材2の中央には、軸線方向に流入路2cを貫通させている。また、この流入路2cの流入口の縁は、水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面(以下、「傾斜面」と称す。)2dとしている。なお、傾斜面2dの角度は、設置する水栓等の水圧に応じて60〜75°の範囲内で設定する。第2部材3は、上端側の外周に左ねじの雄ねじ3aを形成したものである。第2部材3の中央には、軸線方向に流出路3bを貫通させている。
【0023】
第3部材4は、中央に隔壁4aが設けられた筒状のものである。隔壁4aの中央には、軸線方向に連通路4bを貫通させている。また、隔壁4aの両側には、それぞれ左ねじの雌ねじ4cが形成されている。この雌ねじ4cは、第1部材2の雄ねじ2bおよび第2部材3の雄ねじ3aとそれぞれ螺合するものである。また、第3部材4は、第1部材2および第2部材3がそれぞれ螺合された際に、第1部材2および第2部材3との間にそれぞれ第1滞留部4dおよび第2滞留部4eを形成する。
【0024】
なお、第1滞留部4dおよび第2滞留部4eは、それぞれ第1部材2の流入路2c、第2部材3の流出路3bおよび第3部材4の連通路4bよりも内径が大きい。また、本実施形態においては、第1部材2の流入路2c、第2部材3の流出路3bおよび第3部材4の連通路4bは同一径としているが、それぞれ別の径としても良い。また、本実施形態においては、第3部材4は、隔壁4aを中心に上下対称となるように形成されているため、第1部材2および第2部材3は上下いずれの雌ねじ4cに対しても螺合させることが可能であるが、上下の雌ねじ4cの内径を変更することも可能である。
【0025】
すなわち、本実施形態における節水バルブ1は、第1部材2と第2部材3と第4部材4とに分かれているので、第1部材2の流入路2c、第2部材3の流出路3bおよび第3部材4の連通路4bの孔開け加工や、第3部材4の第1滞留部4dおよび第2滞留部4eの左ねじ加工は簡単にでき、これらの各部の内径を自由に変えることができる。また、第1部材2の雄ねじ2bおよび第2部材3の雄ねじ3aについても、第3部材4の第1滞留部4dおよび第2滞留部4eの内径に対応するように自由に変えることができる。なお、図示例では、第3部材4の隔壁4aの近傍まで雌ねじ4cを形成しているが、この雌ねじ4cは第1部材2の雄ねじ2bおよび第2部材3の雄ねじ3aが嵌合する部分にのみ形成しても良い。
【0026】
このように各部の内径を変えることにより、節水バルブ1を通過する水に対して絞り度および流路抵抗を様々に設定できる。したがって、水栓に接続した給水源や給水源等の供給圧に対して適切となるような、各部の内径を選択することによって節水効果を最適化することができる。
【0027】
次に、上記構成の節水バルブ1の使用方法について説明する。図5は図1の節水バルブ1を湯水混合栓に組み込んだ状態を示す切欠正面図である。
【0028】
図5において、湯水混合栓の本体11には、給水管11aと給湯管11bとが接続され、これらの給水管11aおよび給湯管11bからの水と湯の量比を設定する弁を操作するハンドル11c,11dが取り付けられている。そして、水側および湯側の弁に連通する混合室11eの底面に吐水管12が旋回自在に接続され、節水バルブ1はこの吐水管12の基端部に嵌め込まれている。この節水バルブ1は吐水管12の基端部に嵌め込まれているだけであり、フランジ2aによって位置が規制されるだけで固定はされていない。
【0029】
以上の構成において、湯水混合栓の本体11に節水バルブ1を組み込んだものでは、混合室11eからの水または湯との混合水は節水バルブ1を通過して吐水管12に供給される。節水バルブ1を通過する水は、流入路2cの流入口から本体11内に流入し、第1滞留部4d、連通路4b、第2滞留部4cを経由して流出路3bの流出口から吐水管12に流れる。
【0030】
このとき、混合室11eからの水は、節水バルブ1の流入口から節水バルブ1の内部に流入する際、傾斜面2dに衝突することで減速され、衝撃音が小さくなる。したがって、通水時の騒音が低減される。また、流入路2cでは流路が絞られ、第1滞留部4dでは流路が急激に拡大するので、水に対する流路抵抗が大きくなり、流量も絞られる。そして、第1滞留部4dからの水は内径が小さい連通路4bによって増速されて第2滞留部4eへ送り出される。ここで、再び流路が急激に拡大するので、水に対する流路抵抗が大きくなる。そして、水は再び内径が小さい流出路3bによって増速されて吐水管12へ送り出される。
【0031】
このように、節水バルブ1の入側から出側まで流路断面を小から大および小に二度変化させることによって、混合室11eからの水に流路抵抗を与えて流量を絞り、これにより節水が可能となる。なお、本実施形態における節水バルブ1は、第1滞留部4dと第2滞留部4eとの2つの滞留部を設けているが、隔壁4aを省略して一つの滞留部とすることも可能である。
【0032】
また、本実施形態における節水バルブ1は、第1部材2と、第2部材3と、第3部材4とを左ねじにより結合したものであるため、通水時にその流路を流れる水の影響によって節水バルブ1が左回りに回転しても、節水バルブ1の外壁面とこの節水バルブ1が嵌め込まれた吐水管12の基端部の内壁面とが擦れ合いながら回転した際、節水バルブ1の外壁面と吐水管12の基端部の内壁面との間に作用する摩擦力が、左ねじが締め込まれる方向に作用するので、左ねじの結合が解けて分解することがない。
【0033】
また、本実施形態における節水バルブ1は、第1部材2、第2部材3および第3部材4によって構成しているので、それぞれの流入路2c、連通路4bおよび流出路3bの内径を様々に変えた部品として揃えることができる。例えば、給水圧および給湯圧が高いような場合では、流入路2c、連通路4bや流出路3bを小径にして抵抗を大きくして絞り度すなわち流路抵抗を大きくする。これにより、給水圧および給湯圧が高い条件に対しても、吐水管12からの吐水流量を規制して節水することができる。逆に、給水圧や給湯圧が低いときには、流入路2c、連通路4bや流出路3bを少し大径とすることによって流路抵抗を小さく設定すれば、同様に吐水流量を規制して節水効果を持たせることができる。また、流入路2c、連通路4bや流出路3bの内径だけでなく、第1滞留部4dや第2滞留部4eの内径を変えることによっても、節水バルブ1を通過するときの流路抵抗を変えることができ、給水圧および給湯圧に応じた節水が可能となる。
【0034】
このように、本実施形態における節水バルブ1では、節水バルブ1を第1部材2、第2部材3および第3部材4の組合せとし、それぞれの流入路2c、流出路3b、連通路4b、第1滞留部4dおよび第2滞留部4eの内径を簡単に変更する加工が可能である。したがって、給水圧および給湯圧の条件に見合う各部の内径の組合せとすれば、最適な節水効果が得られる。すなわち、本実施形態における節水バルブ1では、設置条件に合わせて最適な内径を組み合わせた第1部材2、第2部材3および第3部材4を左ねじにより結合するだけで、様々な設置条件に対応した節水が可能になるうえ、長期間の使用であっても螺合が解けて分解することがない。
【0035】
また、本実施形態における節水バルブ1は、図6に示すように、流入路2c、流出路3bおよび連通路4bの壁面に、右ねじの雌ねじに相当する凹凸部20を形成することも可能である。この凹凸部20は、右ねじの雌ねじを近似したものであり、流入路2c、流出路3bおよび連通路4bを通過する水が、右回りに案内されるようにするものである。これにより、流入路2c、流出路3bおよび連通路4bを通過する水が右回りに案内され、この反力により節水バルブ1が左回りに付勢されるようになる。したがって、節水バルブ1はさらに左ねじが締め込まれる方向に回転するようになり、長期間の使用により螺合が解けるのをさらに防止することが可能となる。
【0036】
なお、この凹凸部20は、流入路2c、流出路3bおよび連通路4bのいずれか一部に形成することも可能である。また、図6に示す例では、不連続な凹凸部20を形成しているが、連続的な螺旋状に形成することも可能である。また、図6に示す例では、第1滞留部4dおよび第2滞留部4eの壁面に左ねじの全ねじが形成されているが、第1滞留部4dおよび第2滞留部4eは内径が流入路2c、流出路3bおよび連通路4bよりも遙かに大きいため、この凹凸部20により水を右回りに案内する作用に対する影響はほとんどない。
【実施例】
【0037】
本発明の節水バルブ1による消音効果について実験を行った。実施例1,2として、傾斜面2dをそれぞれ60°,75°で形成したものを使用した。また、比較例1として、特許文献1に記載の節水バルブのように流入口の縁が面取り加工された面、すなわち水の流路の軸線に対して45°傾斜させた面としたもの、比較例2として、特許文献2に記載の節水バルブのように流入口の縁が水の流路の軸線に対して直角に形成したものを使用した。表1はこの実験結果を示している。なお、表1において、衝撃音がほとんどなくなったものについては○、衝撃音が小さかったものについては△、消音効果が認められなかったものについては×で表している。
【0038】
【表1】

【0039】
表1から分かるように、実施例1,2については、通常の水道の水圧(3気圧)よりも高い水圧(4気圧以上)での衝撃音の消音効果に優れており、通常の水道の水圧でも消音効果があることが確認できた。なお、比較例1では、通常の水圧では衝撃音が小さかったものの、4気圧以上の高い水圧では消音効果は認められなかった。また、比較例2では、通常の水圧でも消音効果は認められず、衝撃音が大きかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の節水バルブは、各種の水栓やシャワーヘッド等の内部に組み込んで吐水流量を規制し、節水効果を得るものとして有用である。特に、本発明は、雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化され、水栓等の内部流路に嵌め込むだけで簡単に設置することが可能な節水バルブとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態における節水バルブの外観斜視図である。
【図2】図1の節水バルブの縦断面図である。
【図3】図1の節水バルブを各部材に分解した状態を示す正面図である。
【図4】図3の各部材の縦断面図である。
【図5】図1の節水バルブを湯水混合栓に組み込んだ状態を示す切欠正面図である。
【図6】図1の節水バルブの別の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 節水バルブ
2 第1部材
2a フランジ
2b 雄ねじ
2c 流入路
2d 傾斜面
3 第2部材
3a 雄ねじ
3b 流出路
4 第3部材
4a 隔壁
4b 連通路
4c 雌ねじ
4d 第1滞留部
4e 第2滞留部
11 本体
11a 給水管
11b 給湯管
11c,11d ハンドル
11e 混合室
12 吐水管
20 凹凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓等の内部流路に組み込まれ、水を流入口から流出口まで通過させ、吐水量を絞りおよび流路抵抗によって規制する節水バルブであって、
前記流入口の縁を、前記水の流路の軸線に対して60〜75°傾斜させた面とした節水バルブ。
【請求項2】
雄ねじと雌ねじとの螺合によって一体化される複数の部材によって構成される請求項1記載の節水バルブ。
【請求項3】
前記複数の部材は、前記流入口に接続される流入路と、この流入路より大径であってこの流入路に連通される滞留部と、この滞留部に連通される流出路とを形成するものである請求項2記載の節水バルブ。
【請求項4】
前記雄ねじと雌ねじとが、左ねじであることを特徴とする請求項2または3に記載の節水バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−115536(P2008−115536A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297066(P2006−297066)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(502292282)株式会社中央サービス (7)
【Fターム(参考)】