説明

簡易取付型カーテン

【課題】簡易に取り付けられる構成でありながら、例えば窓部開口部へ取り付けた場合には、ガラス面だけでなくサッシから奪われる熱も断熱でき、また、サッシやガラス面で冷やされた空気及びサッシとサッシとの隙間から進入する冷気が室内空間に流れ込むことも防止でき、秀れた断熱性を発揮することになる極めて商品価値の高い画期的な簡易取付型カーテンを提供すること。
【解決手段】伸縮自在で左右両端を圧接することにより取付部1間に架設固定可能な突っ張り棒2に、この取付部1間を覆い空気の流れを遮断するシート部3を設け、前記シート部3の下部及び側部に、前記左右の取付部1間の下方の底面及び前記取付部1に屈曲状態で当接する折り込み可能な下部折込部4及び側部折込部5を設けたことを特徴とする簡易取付型カーテンとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突っ張り棒を用いた簡易取付型カーテンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓際から進入する冬場の冷気を遮断し断熱効果を上げる方法として、既存の窓ガラスの前方若しくは後方に新たなサッシを設けて二重窓にする方法や、複層ガラスを用いる方法が一般的に用いられている。
【0003】
しかしながら、このように二重窓や複層ガラスを用いる方法は新たにサッシを施工する必要があるのでこの施工作業が容易ではなく、また、費用も高額となる。
【0004】
そこで、特開2005−155243号(特許文献1)や実公昭61−11435号(特許文献2)のように、取り付け部品を介して中空パネルや断熱用のシートを窓のガラス面に取り付けて断熱効果を得ようとする簡易的な断熱装置も従来から提案されており、これらの技術によれば二重窓や複層ガラスを用いる方法に比して著しく安価に且つ容易に断熱性が得られることになるので商品価値が高い。
【0005】
【特許文献1】特開2005−155243号公報
【特許文献2】実公昭61−11435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1,2は、中空パネルや断熱用のシートでガラス面のみを覆うように構成されているため、ガラスを介して奪われる熱を断熱することはできてもサッシから奪われる熱を断熱することまではできず、また、窓際で冷やされた空気や、サッシとサッシとの隙間から進入する冷気が室内空間に流れ込むことを遮断する事もできないという問題点があり、十分な断熱性を発揮し得るものではなかった。
【0007】
本発明は、上記のような簡易取付型の断熱装置の問題点を見出し、これを解決するためのもので、突っ張り棒を用いた簡易取付型でありながら、例えば窓部開口部へ取り付けた場合には、ガラス面だけでなくサッシから奪われる熱も断熱でき、また、サッシやガラス面で冷やされた空気及びサッシとサッシとの隙間から進入する冷気が室内空間に流れ込むことも防止できて秀れた断熱性を発揮することになる極めて商品価値の高い画期的な簡易取付型カーテンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
伸縮自在で左右両端を圧接することにより取付部1間に架設固定可能な突っ張り棒2に、この取付部1間を覆い空気の流れを遮断するシート部3を設け、前記シート部3の下部及び側部に、前記左右の取付部1間の下方の底面及び前記取付部1に屈曲状態で当接する折り込み可能な下部折込部4及び側部折込部5を設けたことを特徴とする簡易取付型カーテンに係るものである。
【0010】
また、窓部開口部8の左右内側面9を前記取付部1とし、この取付部1間に左右両端を圧接することにより架設固定し得るように前記突っ張り棒2を構成して、前記シート部3により窓10の室内側前面を覆い断熱するように構成したことを特徴とする請求項1記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0011】
また、前記シート部3は、透明で屈曲自在な合成樹脂製シートにより構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0012】
また、前記突っ張り棒2に合成樹脂製の前記シート部3を垂設し、このシート部3の下部及び左右側部に、合成樹脂製の前記下部折込部4及び前記側部折込部5を一体に連設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0013】
また、前記シート部3に、前記突っ張り棒2を貫通させるための貫通筒部6を設け、この貫通筒部6に突っ張り棒2を貫通させて突っ張り棒2にシート部3を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0014】
また、上下に設けた前記突っ張り棒2間に前記シート部3を張設し、この下側の突っ張り棒2に、この突っ張り棒軸部11の長さと合致した幅のシート状の前記下部折込部4を垂設したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0015】
また、前記シート部3の幅を前記取付部1間の間隔より大きく設定してこの余分部をシート状の前記側部折込部5としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0016】
また、前記シート部3の端部に着脱自在に重合することで、このシート部3の端部を保形し得る保形部材7を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【0017】
また、前記シート部3の端部に、面ファスナー7を採用した前記保形部材7を着脱自在に重合止着することで、このシート部3の端部を保形し得るように構成したことを特徴とする請求項8記載の簡易取付型カーテンに係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、例えば窓開口部などの断熱したい取付部に対して、突っ張り棒を架設固定するだけの簡単な作業でシート部を取付設置することができ、また、シート部に設けた下部折込部と側部折込部とが左右の取付部間の下方の底面及び取付部に屈曲状態で当接するように構成したため、シート部の下部及び側部と取付部間の下方の底部及び取付部との間に隙間が生じず、このシート部で例えば取付部の前面を効果的に塞いで秀れた断熱性を発揮できる簡易取付型カーテンとなり、しかも本発明は、実質的に、下部折込部と側部折込部とを備えたシート部を突っ張り棒に設けるだけで構成可能であるので、この構成は簡易に設計実現可能で量産性に秀れ安価な製品を提供可能となるなど極めて実用性に秀れた画期的な簡易取付型カーテンとなる。
【0019】
また、請求項2記載の発明においては、窓部開口部に対して簡易に取付可能で、この窓部開口部において秀れた断熱性を発揮する極めて実用性に秀れた簡易取付型カーテンとなる。
【0020】
また、請求項3記載の発明においては、シート部が透明であるため、本発明の簡易取付型カーテンの取付前と変わらず取付部を視認可能であると共に、窓部開口部に架設固定した場合には窓の機能が損なわれず、外光を取り入れ、外の景色を楽しむことができることとなり、しかも、シート部を屈曲自在としたから、丸めたり折ったりして簡単にコンパクトな形態にできるので、収納や持ち運び移動などに便利となり、その上、この透明で屈曲自在なシート部は合成樹脂製としたので、既存の透明軟質樹脂を用いて前記作用・効果を発揮するシート部を簡易に設計実現可能となるなど、一層実用性に秀れた構成の簡易取付型カーテンとなる。
【0021】
また、請求項4記載の発明においては、例えば、左右の取付部間の上方に突っ張り棒を架設固定するだけで取付部間を覆うようにシート部を取付設置できる設置作業性に秀れた構成となり、しかも、シート部の下方部と左右側方部に隙間を生じないので一層確実な断熱性を発揮でき、更に、例えば下部折込部と側部折込部を有するシート部を樹脂成形により簡易に一体成形可能で実現化が容易であるなど一層実用性に秀れた構成の簡易取付型カーテンとなる。
【0022】
また、請求項5記載の発明においては、シート部に設けた貫通筒部に突っ張り棒を貫通させるだけで、突っ張り棒にシート部を設けることができる極めて簡易に設計実現可能な一層実用性に秀れた構成の簡易取付型カーテンとなる。
【0023】
また、請求項6記載の発明においては、上下の突っ張り棒でシート部を取付部間に安定的に架設固定して張設保持できるので、このシート部で確実に取付部間を覆って秀れた断熱性を発揮でき、しかも、下部折込部が取付部間に突っ張る突っ張り棒軸部の長さと合致した幅を有するため、この突っ張り棒の下方の全縁部から冷気が室内空間に流れ込むことを防止できると共に、この下部折込部も架設固定した下方の突っ張り棒により動き難い状態に保持されるので、下部折込部と取付部間の下方の底面とが当接する状態を良好に保持できるなど一層秀れた断熱性を発揮する実用性に秀れた簡易取付型カーテンとなる。
【0024】
また、請求項7記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する側部折込部を簡易構成によって容易に設計実現可能となり、しかも側部折込部をシート部と一体に製造できるので、一部品から側部折込部付のシート部を容易に製造できる一層簡易に且つ安価に設計実現可能な簡易取付型カーテンとなる。
【0025】
また、請求項8記載の発明においては、保形部材による保形作用により、シート部の端部を動き難くすることができ、これによりこのシート部の端部付近に設けられて左右の取付部間の下方の底面及び取付部に折り込まれ屈曲状態で当接している下部折込部及び側部折込部も動き難い状態となってこの当接状態が良好に保持されるので秀れた断熱性を確実に発揮する極めて実用性に秀れた簡易取付型カーテンとなる。
【0026】
また、請求項9記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する保形部材を簡易に且つ安価に設計実現可能であると共にこの保形部材は着脱操作が容易で取扱性にも秀れるなど、一層実用性に秀れた構成の簡易取付型カーテンとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0028】
突っ張り棒2の左右両端を左右の取付部1に圧接することで取付部1間にこの突っ張り棒2を架設固定すると、この突っ張り棒2に設けたシート部3が取付部1間を覆って空気の流れを遮断するので断熱効果が得られる。
【0029】
また、この際、シート部3の下部及び側部に設けた下部折込部4と側部折込部5とを、夫々左右の取付部1間の下方の底面と取付部1とに折り込むことで、この下部折込部4と側部折込部5とが左右取付部1間の底面及び取付部1に屈曲状態で当接してシート部3の下部と取付部1間の底面との間の隙間が塞がれると共に、シート部3の側部と取付部1との間の隙間が塞がれることになる。
【0030】
従って、取付部1に対し、突っ張り棒2を架設固定して下部折込部4と側部折込部5とを折り込むだけの簡単な作業で取り付けできる上、下部折込部4と側部折込部5とを有するシート部3で取付部1を覆って空気の流れを極めて良好に遮断できるので、冷気漏れ等を生じ難く秀れた断熱性が得られる。
【0031】
また、シート部3のサイズと取付部1間のサイズが一致していない場合であっても、下部折込部4と側部折込部5との折り込み位置を調整することで、多少のサイズ変更にも対応可能である。
【0032】
また、下部折込部4と側部折込部5とを有するシート部3を突っ張り棒2に設けて成る本発明の構成は、簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ、安価な製品を提供可能となる。
【0033】
また、例えば、窓部開口部8の左右内側面9を前記取付部1とし、この取付部1間に左右両端を圧接することにより架設固定し得るように前記突っ張り棒2を構成して、前記シート部3により窓10の室内側前面を覆い断熱するように構成すれば、窓部開口部8は断熱効果を得たいという要望が多いが、この要望に対し高価な二重窓や複層ガラスなどを用いることなく、安価に入手して容易に施工できる画期的な製品となり、しかも、ガラス面15だけでなく窓部開口部8の室内側前面をシート部3で覆うことができるので、ガラス面15を介して奪われる熱もサッシ14から奪われる熱も断熱できるし、サッシ14やガラス面15により冷やされた空気の流入もサッシ14とサッシ14との隙間から進入する冷気が室内空間に流れ込むことも防げる(遮断する)ので、前記特許文献1,2に比して著しく高い断熱性が得られる極めて商品価値の高い窓部開口部8用の簡易取付型カーテンとなる。
【実施例】
【0034】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0035】
本実施例は、住宅などの建物の窓部開口部8に取り付け可能な簡易取付型カーテンに適用したもので、伸縮自在で左右両端を圧接することにより取付部1間に架設固定可能な突っ張り棒2に、この取付部1間を覆い空気の流れを遮断するシート部3を設けた構成としている。
【0036】
即ち、本実施例では、窓部開口部8の左右内側面9を前記取付部1とし、この取付部1間に左右両端を圧接することにより架設固定し得るように前記突っ張り棒2を構成して、前記シート部3により窓10の室内側前面を覆い断熱するように構成している。尚、図面の窓10は、窓部開口部8が建物の外壁面から突出する出窓構造を採用した場合を示している。
【0037】
具体的には、本実施例の突っ張り棒2は、長さのあるパイプ体に、このパイプ体より径小で長さのあるスライド棒体をスライド自在に嵌入して成ると共に、パイプ体に対してスライド棒体を一方向に回転するとスライド不能状態にロックされ、逆方向に回転するとパイプ体とスライド棒体とが伸縮可能となるスライド・ロック構造を備えた公知の突っ張り棒2を採用している。
【0038】
また、この突っ張り棒2の両端部13にはゴムなどの弾性キャップを被嵌装着して、前記取付部1たる窓部開口部8の左右内側面9を傷付けずに且つ滑り止め状態で圧接取付可能な構成としている。
【0039】
また、本実施例のシート部3は、透明で屈曲自在な柔軟性を有する合成樹脂製シートを用いて構成すると共に、窓部開口部8の開口形状に略合致する方形板状に構成して窓部開口部8の略全域を覆う事ができるようにしている。従って、このシート部3は窓部開口部8を覆った状態で外光を取り入れ、外の景色を楽しむことが可能となり、また、収納時などには例えば丸めてコンパクトな形状とすることが可能となる構成としている。
【0040】
また、例えばこのシート部3に有色シートや柄入りのシートを用いることにより、デザイン性を持たせることもできるし、UVカットや遮光などの機能を持たせても良い。
【0041】
また、本実施例では、このシート部3の下部及び側部に、前記左右内側面9間の下方の底面及び前記左右内側面9に屈曲状態で当接する折り込み可能な下部折込部4及び側部折込部5を設けている。
【0042】
具体的には、この下部折込部4と側部折込部5とは、シート部3と同じ合成樹脂製としてシート部3と一体成形した構成としている。
【0043】
更に詳しくは、前記シート部3の横幅を前記窓部開口部8の左右内側面9間の間隔より大きく設定してこのシート部3の左右の余分部をシート状の前記側部折込部5とし、またシート部3の縦幅を窓部開口部8の上面と底面間の間隔より大きく設定してこの下部の余分部をシート状の前記下部折込部4としている。即ち、下部折込部4は窓部開口部8の左右内側面9間の幅と略同じ横幅を有し、側部折込部5は窓部開口部8の上面と底面間の幅と略同じ縦幅を有するように構成している。
【0044】
本実施例の突っ張り棒2にシート部3を設けるための構造は、シート部3の上下両端部に突っ張り棒2を貫通させるための貫通筒部6を設け、この上下双方の貫通筒部6に夫々突っ張り棒2を貫通させて突っ張り棒2にシート部3を設けた構造としている。
【0045】
即ち、本実施例では、上下二本の突っ張り棒2間にシート部3を設けて、このシート部3を窓部開口部8に対し上下張設状態にして取り付けて窓部開口部8を覆う構成としている。
【0046】
また、貫通筒部6は、シート部3の上縁と下縁を筒状に折り返し止着することで構成している。尚、下側の貫通筒部6の下方に折り返して二重構造となった前記下部折込部4が連設する構成としている。
【0047】
また、下部折込部4及び側部折込部5を有するシート部3の四隅をL形にカットし、このカット部16に前記貫通筒部6に貫通した突っ張り棒2の両端部13を配置した構成とし、このカット部16より左右外側の部位を前記側部折込部5とし、下部折込部4は下側の貫通筒部6の下方に突っ張り棒軸部11の長さと略合致した幅で垂設する構成としている。
【0048】
また、下部折込部4は、20mm程度の折り込み長を有し、左右の側部折込部5は70mm程度の折り込み長を有する構成としている。側部折込部5の折り込み長が下部折込部4のそれよりも長いのは、シート部3は上下の突っ張り棒2によって上下方向へは動き難い状態で取り付けされるが、左右方向へは貫通筒部6を介して動き易いため、シート部3が左右方向に動いた際に、折り込み長さの長い側部折込部5が左右内側面9から簡単に離れないようにするためである。
【0049】
尚、シート部3を突っ張り棒2に設ける方法は、カーテンなどに用いる円形のリングランナーやクリップ等を介して取り付けることも可能であり、例えばリングランナーを用いれば突っ張り棒2を取り付けたままシート部3を左右に動かし易くなる。
【0050】
また、本実施例では、前記シート部3の端部に着脱自在に重合することで、このシート部3の端部を保形し得る保形部材7を備えている。
【0051】
具体的には、保形部材7は、前記シート部3の四隅に形成したカット部16のカット面積よりもやや大きい面積を有する方形状の面ファスナー7を採用して構成し、この保形部材7を四隅のカット部16を覆うようにしてシート部3の端部に重合止着することで、カット部16を塞ぐと共に、シート部3の端部を厚くして保形作用を付与し、これにより左右内側面9間の下方の底面及び左右内側面9に当接している下部折込部4と側部折込部5が前面側に捲れ難くなって断熱性を極めて良好に維持できる構成としている。
【0052】
更に詳しくは、各突っ張り棒2の両端部13と、各カット部16周囲の貫通筒部6の端部と、シート部3と側部折込部5の連設部とに夫々保形部材7(例えばオス側の面ファスナー7)が止着可能な面ファスナー12(例えばメス側の面ファスナー12)を付設している。即ち、保形部材7の取り付け位置1箇所につき3つの面ファスナー12を設け、この3つの面ファスナー12で保形部材7を良好に重合止着できる構成としている。
【0053】
次に、本実施例の使用方法を説明する。
【0054】
本実施例の取付部1である窓部開口部8の左右内側面9に、下部折込部4を窓10側方向に折り込みながら下方の突っ張り棒2を架設固定し、例えば、側部折込部5を窓10側方向に折り込みながら、シート部3が張設されるように上部の突っ張り棒2を架設固定し、最後に、シート部3の四隅のカット部16に予め設けられた面ファスナー12を利用して、保形部材7を重合止着することで取り付け作業が完了する。
【0055】
また、下部折込部4と側部折込部5とは窓10側方向に向けて折り込みした場合を示している。
【0056】
このように、下部折込部4と側部折込部5を窓10側方向へ折り込むと、例えばサッシ14とサッシ14との隙間から進入する冷気が室内空間に流れ込もうとした場合に、その流れ込もうとする空気の圧力により下部折込部4と側部折込部5とが取付部1間の下方の底部及び取付部1に押圧されて圧接状態となるので、シート部3と取付部1間の下方の底面及び取付部1との間に隙間ができ難く、より秀れた断熱性が得られる。
【0057】
尚、本実施例の構成にあっても、窓部開口部8の左右内側面9の他に、ドア枠や、廊下や部屋の壁部等を取付部1として取り付け可能である。
【0058】
また、本実施例は、シート部3が取付部1間(窓部開口部8)の略全面を覆うように取り付けした時に最も秀れた断熱効果が得られるが、冷気は下方に溜まるので、取付部1間の上面とシート部3の上縁部とに多少の隙間を生じるようにして取り付けしても取付部1間の下方を下部折込部4によって確実に覆うことにより冷気が室内空間に流れ込むことを効率的に阻止できる。即ち、図3に示したように取付部1間の上面と突っ張り棒2(シート部3の上縁部)との間に隙間を生じるようにして取り付けしても秀れた断熱効果が得られる。
【0059】
尚、請求項1中の「取付部間を覆い空気の流れを遮断するシート部を設け」なる記載は、シート部3で取付部1の空気の流れを完全に遮断するということだけを意味するものではなく、取付部1間を覆うことで可及的に空気の流れを遮断するような構成(本実施例で示したように一部隙間を生じて取り付けられるような構成)も含む意味合いで用いている。
【0060】
また、本実施例は、下部折込部4、側部折込部5及びシート部3を柔軟性のある合成樹脂製シートで一体に構成しているので、窓10から入り込む風や、暖房や、換気扇による空気の流動や、人や動物の接触などの様々要因によりシート部3が多少動いても、この動く量が下部折込部4と側部折込部5との折り込み長の範囲であれば、屈曲状態の下部折込部4及び側部折込部5が元の形に復元しようとする作用でこの下部折込部4及び側部折込部5の当接状態が保たれるので、簡易な構成で断熱性が極めて良好に保持されることとなる。
【0061】
また、本実施例では、二本の突っ張り棒2間にシート部3を張設状態に設けたが、一本の突っ張り棒2にシート部3を垂設する構成としても良く、この場合においても、取付部1間の上方に突っ張り棒2を架設固定してシート部3を垂設することにより取付部1間を覆うことができ、更に、シート部3が多少動いた場合においても、下部折込部4と側部折込部5とを有するシート部3が取付部1間の少なくとも左右側部及び下部を略隙間無く覆うので良好な断熱効果が得られる。また、この場合、シート部3の下端部に錘などを設けることにより、シート部3を動き難くし、断熱性を向上させても良い。
【0062】
この簡易取付型カーテンは、窓10の規格サイズに合わせて数種類のタイプを提供しても良いし、例えば、切断可能な合成樹脂製シートを用いて下部折込部4及び側部折込部5を一体に具備したシート部3を構成し、このシート部3を商品購入者などのユーザーがハサミやカッターなどを用いて取り付けしたい取付部1のサイズに応じた大きさ・形に(下部折込部4、側部折込部5の大きさや形も含め)自由に調整設定できるようにしても良い。
【0063】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施例に係る簡易取付型カーテンの説明分解斜視図である。
【図2】本実施例の説明斜視図である。
【図3】本実施例の使用例を示す説明図である。
【図4】図3のA−A方向の断面図である。
【図5】本実施例の突っ張り棒の説明正面図である。
【図6】本実施例の保形部材の説明斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 取付部
2 突っ張り棒
3 シート部
4 下部折込部
5 側部折込部
6 貫通筒部
7 保形部材(面ファスナー)
8 窓部開口部
9 左右内側面
10 窓
11 突っ張り棒軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在で左右両端を圧接することにより取付部間に架設固定可能な突っ張り棒に、この取付部間を覆い空気の流れを遮断するシート部を設け、前記シート部の下部及び側部に、前記左右の取付部間の下方の底面及び前記取付部に屈曲状態で当接する折り込み可能な下部折込部及び側部折込部を設けたことを特徴とする簡易取付型カーテン。
【請求項2】
窓部開口部の左右内側面を前記取付部とし、この取付部間に左右両端を圧接することにより架設固定し得るように前記突っ張り棒を構成して、前記シート部により窓の室内側前面を覆い断熱するように構成したことを特徴とする請求項1記載の簡易取付型カーテン。
【請求項3】
前記シート部は、透明で屈曲自在な合成樹脂製シートにより構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテン。
【請求項4】
前記突っ張り棒に合成樹脂製の前記シート部を垂設し、このシート部の下部及び左右側部に、合成樹脂製の前記下部折込部及び前記側部折込部を一体に連設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテン。
【請求項5】
前記シート部に、前記突っ張り棒を貫通させるための貫通筒部を設け、この貫通筒部に突っ張り棒を貫通させて突っ張り棒にシート部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテン。
【請求項6】
上下に設けた前記突っ張り棒間に前記シート部を張設し、この下側の突っ張り棒に、この突っ張り棒軸部の長さと合致した幅のシート状の前記下部折込部を垂設したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテン。
【請求項7】
前記シート部の幅を前記取付部間の間隔より大きく設定してこの余分部をシート状の前記側部折込部としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテン。
【請求項8】
前記シート部の端部に着脱自在に重合することで、このシート部の端部を保形し得る保形部材を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の簡易取付型カーテン。
【請求項9】
前記シート部の端部に、面ファスナーを採用した前記保形部材を着脱自在に重合止着することで、このシート部の端部を保形し得るように構成したことを特徴とする請求項8記載の簡易取付型カーテン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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