説明

米加工食品の製造方法

【課題】お湯を注ぐことなくそのまま食することができる凍結乾燥を用いた米加工食品の製造方法の提供を目的とする。
また、食事摂取管理が容易な米加工食品の提供も目的とする。
【解決手段】米1kgに対して水1.5〜2.5kgの割合にて炊飯し、その後に凍結する工程を経た後に一次真空凍結乾燥及び二次真空凍結乾燥をすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米を炊飯した後で真空凍結乾燥する米加工食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
穀類を凍結乾燥する加工食品は公知である。
例えば、特許文献1には穀類を加熱、粉砕等して、12〜35重量%の水を含有する押出成形物とし、これを凍結乾燥する加工食品の製造方法を開示する。
また、6〜10倍の水と共に加熱して、α化した粥状のものを凍結乾燥する米加工食品も公知である。
しかし、これら、従来の米加工食品はいずれもお湯等を注いで復元しなければ食することができないものばかりであった。
お湯等を注がないと食することが出来ない加工食品では食するのに手間がかかり、また、お湯等で復元すると粥に似た食感になってしまい、米飯としての食感が消失してしまう技術的課題があった。
【0003】
近年、糖尿病等における食事摂取管理の為に食品交換表が用いられていて、1エネルギー単位を80kcalとした単位計算法が普及している。
このような背景の下に、米加工食品も1エネルギー単位当たりの大きさに製造できれば食事の摂取管理が容易になることが期待される。
【0004】
【特許文献1】特開2005−204580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、お湯を注ぐことなくそのまま食することができる凍結乾燥を用いた米加工食品の製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は食事摂取管理が容易な米加工食品の提供も目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る米加工食品の製造方法は、米1kgに対して水1.5〜2.5kgの割合にて炊飯し、その後に凍結する工程を経た後に一次真空凍結乾燥及び二次真空凍結乾燥をすることを特徴とする。
また、炊飯後に必要に応じて、食塩を10〜20g/(炊飯米1kg当たり)混合してもよく、おにぎり感覚を味わうにはシソ、コンブ、ノリ等を混合してもよい。
また、本発明に係る製造方法による米加工食品を質量にて21〜23gとなる大きさにすると約80kcalの1エネルギー単位になり、食事管理が容易になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る製造方法にて製造された米加工食品は、炊飯時における米の量と水の量との割合で1:1.5〜2.5の範囲に管理することで凍結乾燥時に米の形状を残した食品となるとともにお湯を注ぐことなく、そのまま食することができる。
なお、お湯等を注いで食することも可能ではある。
また、米加工食品を21〜23gとなる大きさにするとエネルギー単位に応じた個数を食すれば良いことになり食事摂取管理が容易であり、安心して必要な個数だけ食することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
白米を1kgに対して水を1.5〜2.5kg加えて炊飯した。
水の量が1.5kg/米1kg未満と少ないと、真空凍結乾燥時に飯がバラバラになったり、固くてそのままでは食することができなくなる。
また、水の量が2.5kg/米1kgを超えるとお粥状になり凍結乾燥時に米の形状が得られにくく、食感も低下する。
炊き上がった米飯に食塩を10〜20g/炊飯米1kgを混合し、さらにシソを20〜50g/炊飯米1kgを混合した後にこの炊飯米をステンレストレーに厚さ約10mmになるように載せる。
凍結乾燥時に割れが生じないように厚みを調整するのがよく厚み8〜12mmの範囲がよい。
次に約−10℃〜−20℃にて、予備凍結した。
これを食品の温度が−15℃〜−20℃レベルで一次真空凍結乾燥し、その後に食品の温度が20〜40℃位になるまで二次真空凍結乾燥して米加工食品を得た。
ここで二次真空凍結乾燥温度が40℃を超えると食品が固くなり過ぎ、また、20℃未満であれば食品の保存性が低下する。
【0009】
炊飯米に所定の食塩、シソ、コンブ、ノリ等を混合し、厚みが約10mmで60mm×90mmの大きさの板状に予備凍結して、その後に真空凍結乾燥すると約22gの米加工食品が得られた。
これは80kcalの1エネルギー単位に相当した。
【0010】
このようにして製造された米加工食品は包装することで持ち運びやすく、お湯等を注ぐことなく、そのままおにぎり感覚で食することができる。
本発明に係る米加工食品は噛むことで米飯素材の味が出現し、1エネルギー単位の大きさにすると食事摂取管理が容易である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米1kgに対して水1.5〜2.5kgの割合にて炊飯し、その後に凍結する工程を経た後に一次真空凍結乾燥及び二次真空凍結乾燥をすることを特徴とする米加工食品の製造方法。
【請求項2】
炊飯後に食塩を混合し、その後に凍結する工程を経るものであることを特徴とする請求項1記載の米加工食品の製造方法。
【請求項3】
炊飯後に、シソ、コンブ、ノリのいずれかを混合し、その後に凍結する工程を経るものであることを特徴とする請求項1又は2記載の米加工食品の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法にて製造された米加工食品を質量にて21〜23gになる大きさにしたことを特徴とする1エネルギー単位食品。

【公開番号】特開2007−300812(P2007−300812A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129851(P2006−129851)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(506156780)
【Fターム(参考)】