粉状化粧料容器
【課題】
本発明は白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料、およびパウダーパフなどの塗布具を収容する容器において、使用に際し粉状化粧料にダマの発生や容器内およびその周囲に粉状化粧料の飛散を防止する粉状化粧料容器の改良に関する。
【解決手段】
容器に中蓋を設けて白粉、パウダーファンデーション等の粉状化粧料を収容する化粧料収容室を構成し、少なくとも前記中蓋の一部を伸縮性のある材料により成形し、該中蓋に上下に貫通した複数の切れ込みを入れ、中蓋を伸ばすことによって切れ込みを開穴し粉状化粧料を取り出し可能とした粉状化粧料容器において、化粧料収容室が中蓋の下部に形成される第１の粉状化粧料収容室と、中蓋の側部に立ち上げて形成され、第１の粉状化粧料収容室に連通する第２の粉状化粧料収容室とより構成され第２の粉状化粧料収容室内の粉状化粧料を第１の粉状化粧料収容室に補給できるようにする。
本発明は白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料、およびパウダーパフなどの塗布具を収容する容器において、使用に際し粉状化粧料にダマの発生や容器内およびその周囲に粉状化粧料の飛散を防止する粉状化粧料容器の改良に関する。
【解決手段】
容器に中蓋を設けて白粉、パウダーファンデーション等の粉状化粧料を収容する化粧料収容室を構成し、少なくとも前記中蓋の一部を伸縮性のある材料により成形し、該中蓋に上下に貫通した複数の切れ込みを入れ、中蓋を伸ばすことによって切れ込みを開穴し粉状化粧料を取り出し可能とした粉状化粧料容器において、化粧料収容室が中蓋の下部に形成される第１の粉状化粧料収容室と、中蓋の側部に立ち上げて形成され、第１の粉状化粧料収容室に連通する第２の粉状化粧料収容室とより構成され第２の粉状化粧料収容室内の粉状化粧料を第１の粉状化粧料収容室に補給できるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料、およびパウダーパフなどの塗布具を収容する容器に関し、使用に際し粉状化粧料にダマの発生や容器内およびその周囲に粉状化粧料の飛散を防止する粉状化粧料容器の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料を収容し、その上方に毛足の長いパウダーパフなどの塗布具を収納できる容器が数多く提案されている。この容器の多くは粉状化粧料の上方にメッシュ穴のある中蓋をかぶせ中蓋の上面に塗布具を戴置収納するもので、化粧時にはメッシュ穴を通して必要な粉状化粧料を塗布具に付着させ使用していた。
【０００３】
しかし、メッシュ穴には開閉機能はなく容器内の粉状化粧料は中蓋の表裏を常時移動できる状態にされている。そのため粉状化粧料を収容する容器を上下を反転したり振ったりすると必要以上の粉状化粧料を中蓋の上面側に移動させ塗布具が粉だらけになってしまう事がある。粉状化粧料にまみれた塗布具では化粧を困難にすることは勿論キャップを開ける際に周囲を汚す事にもなる。
【０００４】
粉状化粧料を収容する容器の上下を反転したり振ったりすることで粉状化粧料を中蓋の上面側に取り出し、汚してしまう問題は、使用者が注意して使用するしかない。また容器を持ち運ぶ際に粉状化粧料が出てしまう問題もあるが、中蓋の上面にカバーを嵌合することで、カバーの上方への粉状化粧料の移動を妨げ解消できる。しかし、化粧時にカバーを取り外す操作が必要になって面倒である上、部品点数も増加してコストアップの要因となる。
【０００５】
【特許文献１】特開２００５−７０９３号公報
【０００６】
こうした問題を解決するため、特許文献１に中蓋を伸縮性の優れたシリコンゴムなどで成形すると共に中蓋の表裏面を貫通する複数の切れ込みを入れた粉状化粧料容器が提案されている。シリコンゴムなどで成形された中蓋を使用する場合、粉状化粧料は塗布具を中蓋の上面側に押圧し切り込みを開穴することで中蓋上面に取り出し可能にされる。中蓋上面に取り出された粉状化粧料は中蓋を押圧した塗布具で擦り移し取られる。そのため中蓋上面に過剰な粉状化粧料が取り出されることがなくなり、塗布具が粉だらけになったり周囲を汚してしまうことはなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかし、中蓋に伸縮性を持たせ上面から押圧して切れ込みを開穴させる粉状化粧料容器では、粉状化粧料を中蓋の表面に移動させる操作の度に中蓋の下方に収納される粉状化粧料を加圧することになる。粉状化粧料容器内の粉状化粧料を繰り返し加圧することは粉の塊であるダマが生じやすくなる。硬くなったダマは粉状化粧料の粒度のばらつきを大きくし化粧ムラの原因となるなどの不具合を発生する。
【０００８】
また、粉状化粧料容器の深さは粉状化粧料収納量によって定められ通常数十ミリメートルとなる。中蓋を粉状化粧料容器の本体に位置決め固定して使用する場合粉状化粧料の減少に伴い中蓋と粉状化粧料の上面との間が次第に広がり大きな伸縮を繰り返すようになる。大きな伸縮の繰り返しは、例え中蓋が伸縮可能であっても中蓋のヘタリの原因となり、開穴された中蓋の復元力を弱め中蓋の仕切り機能を低下させる。
【０００９】
そこで粉状化粧料の上面と中蓋の裏面との間を常に一定の範囲に収める手段として、中蓋を粉状化粧料容器内で落とし込み可能にすることも考えられるが、粉状化粧料の漏れを防ぐ機能を有する摺動部を必要とするほか粉状化粧料の上面と中蓋の裏面との間を離間する部材を加える必要があり価格上昇の原因となる。
【００１０】
また、一般にこの種の粉状化粧料の容器は中蓋の表大きな伸縮大きな伸縮面にパウダーパフなどの塗布具を収容する塗布具収納部を有する。そのため容器の全高さが必要以上に大きくなり、容器のデザインや粉状化粧料の容量に制約を加えるといった問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、化粧料収容室が中蓋の下部に形成される第１の粉状化粧料収容室と、中蓋の側部に立ち上げて形成され、第１の粉状化粧料収容室に連通する第２の粉状化粧料収容室とより構成され第２の粉状化粧料収容室内の粉状化粧料を第１の粉状化粧料収容室に補給できるようにしたものである。
【００１２】
また、第１の粉状化粧料収容室と第２の粉状化粧料収容室の底面が、中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成されるようにしたものである。
【発明の効果】
【００１３】
本発明粉状化粧料容器にあっては次に記載する効果を奏する。
即ち第２の化粧料収容室は容器側部に立ち上げられ第１の化粧料収容室の補給用に設けられる。そこで第１の化粧料収容室内の粉状化粧料は第２の化粧料収容室より不足した量を常時補給され一定量を維持される。そのため常に使いやすい化粧料充填状態を維持できる。
【００１４】
また第２の化粧料収容室を容器側部に立ち上げ凹部を形成することで、第１の化粧料収容室の上面にパウダーパフ等の塗布具を収納するスペースを確保でき粉状化粧料容器の大きさを薄くでき安定感のあるデザインを提供できる。
【００１５】
さらに本発明にあっては第１の化粧料収容室は、中蓋と粉状化粧料容器の底面との間隔を狭く設定される。そのため粉状化粧料を取り出す際の中蓋の変形は小さく、また変動も小さい。したがって中蓋の劣化を抑え、ヘタリのない安定したスリットの開閉が可能となる。
【００１６】
また本発明にあっては第１の化粧料収容室は、中蓋と粉状化粧料容器の底面との間隔を狭く設定される。そのため中蓋の一回の下方押圧操作により第１の化粧料収容室から中蓋上面に取り出される粉状化粧料の割合が大きくなり、相対的に残量の割合が減少する。したがって同一の粉状化粧料が中蓋の下面で繰り返し圧縮されることが少なくなり第１の化粧料収容室内でダマが生じにくくなる。ダマを含む粉状化粧料粒度のばらつきをなくすことで、塗布の際に化粧ムラをなくすことができる。
【００１７】
また本発明にあっては第１の粉状化粧料収容室と第２の粉状化粧料収容室の底面が、中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成される。そのため粉状化粧料粉状化粧料が減少した場合でも、粉状化粧料を第１の化粧料収容室の中央に集めることができ伸縮可能な中蓋を押圧し無駄なく粉状化粧料を取り出すことができる。
【００１８】
本発明粉状化粧料容器の中蓋はパウダーパフ等の塗布具で押圧された場合には中蓋を伸長させ切れ込みを開穴し、仕切り部の押圧を解除した場合には仕切り部を元の形状に復帰させ確実に切れ込みを閉穴することができる。そのため粉状化粧料は開穴された切れ込みを通して仕切り部の上面に必要量を取り出され、仕切り部を押圧する塗布具に全量が付着される。従って粉状化粧料は外蓋の通常の開閉操作では飛散されないなどの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
以下本発明粉状化粧料の実施例に基づき説明する。
本発明実施例において、粉状化粧料を収容する容器をキャップが本体に嵌合する形式で図示説明するが、これは本発明を限定するものではなく、ネジキャップで密閉するジャータイプの容器やキャップが容器と蝶番で連結したコンパクトケースタイプなどにも実施可能であることは言うまでもない。
【００２０】
図１は本発明粉状化粧料容器の組み合わせ状態説明図である。
図において容器１は、上部を開穴した有底状をしており、該容器１の上部外周にはキャップ嵌合部３３が設けられキャップ３を嵌脱可能に嵌合する。容器１内には第１の化粧料収容室１１と第２の化粧料収容室１３からなる化粧料収納室が形成される。第２の化粧料収容室１３は本体５の内側部に立ち上げると共に、第１の化粧料収納室１１と連通して形成される。第１の化粧料収容室１１と第２の化粧料収容室１３は白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料１００を収容する。伸縮可能な中蓋１５は第１の化粧料収容室１１の上部に設けられ塗布具収納部１７との間を仕切る。中蓋１５には粉状化粧料１００を表裏間で移動可能とするように切れ込み７３が形成される。図１の場合、中蓋１５は伸長されていないため切れ込み７３は閉穴され粉状化粧料１００の移動を遮蔽する。また塗布具収納部１７はパウダーパフ５１などからなる塗布具を収納する。
【００２１】
図２は本発明粉状化粧料容器の粉状化粧料取り出し説明図である。
図においてパウダーパフ５１は指で矢印Ｃ方向に押され、中蓋１５はパウダーパフ５１により矢印Ｃ方向に押圧伸長されている。
仕切り部７１は中蓋１５の中央にあって第１の化粧料収納室１１と塗布具収納部１７とを仕切る。仕切り部７１の伸長は仕切り部７１に形成された切れ込み７３を開穴する。開穴された切れ込み７３は第１の化粧料収納室１１内の粉状化粧料１００を圧すると共に粉状化粧料１００を中蓋１５の表裏面間での移動を可能にし、必要な粉状化粧料１００を表面に取り出す。中蓋１５の表面に取り出された粉状化粧料１００はパウダーパフ５１に移し取られる。
【００２２】
中蓋１５はパウダーパフ５１等の塗布具で押圧された場合には仕切り部７１を伸長させ切れ込み７３を開穴し、仕切り部７１の押圧を解除した場合には仕切り部７１を元の形状に復帰させ切れ込みを閉穴することができる。したがって粉状化粧料１００は開穴された切れ込みを通して仕切り部７１の上面に必要量を取り出され、仕切り部７１を押圧するパウダーパフ５１に移し取られることから飛散されない。
【００２３】
第１の化粧料収納室１１は図１、図２に示すとおり必要最低限の粉状化粧料１００を収容し、ダマの発生を抑えつつパウダーパフ５１等の押圧で粉状化粧料１００を中蓋１５の上面に移動させるもので、底面３１と仕切り部７１との間を狭く構成すると共に第１の化粧料収納室１１を小容積にする。第１の化粧料収容室１１を小容積にすることは第１の化粧料収容室１１から中蓋１５の上面に取り出される粉状化粧料１００の割合を大きくし、相対的に残量の割合を減少させる。そのため第２の化粧料収容室１３から補給される粉状化粧料１００を増加させ、同一の粉状化粧料１００が中蓋１５の下面で繰り返し圧縮される機会を減少させることからダマが生じにくくなる。また第１の粉状化粧料収容室１１と第２の粉状化粧料収容室１３の底面３１が、中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成されるため粉状化粧料１００が減少した場合でも、第１の化粧料収容室１１の中央に集めることができる。
【００２４】
第２の化粧料収容室１３は粉状化粧料１００の内容量を決定すると共に第１の化粧料収容室１１に粉状化粧料１００を補給するもので
第２の化粧料収容室１３内に充填されている粉状化粧料１００は図１、図２に示すとおり粉の自重で矢印Ａの方向に加圧される。第１の化粧料収容室１１の粉状化粧料１００が中蓋１５を介し外に取り出され減少すると第２の化粧料収容室１３内の粉状化粧料１００の圧力を抑える力矢印Ｂ方向の力が弱まり、両者がバランスするまで粉状化粧料１００が補給される。したがって第１の化粧料収容室１１内の粉状化粧料１００は常時一定量を維持される。
【００２５】
また第２の化粧料収容室１３を容器１の側部に立ち上げることにより第１の化粧料収容室１１の上面にパウダーパフ５１等の塗布具を収納する凹状の収納スペースを確保できる。また第２の化粧料収容室１３は容器１の側部に形成されることで僅か縦横寸法を増加するのみで従来使用されると同様の大きな容積を確保できる。
【００２６】
以上説明のとおり、本発明粉状化粧料容器にあっては発明の効果の欄に記載する効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明粉状化粧料容器の組み合わせ状態説明図である。
【図２】本発明粉状化粧料容器の粉状化粧料取り出し説明図である。
【符号の説明】
【００２８】
１・・・・容器
３・・・・キャップ
５・・・・本体
１１・・・第１の化粧料収容室
１３・・・第２の化粧料収容室
１５・・・中蓋
１７・・・塗布具収納部
３１・・・底面
３３・・・キャップ嵌合部
５１・・・パフ
７１・・・仕切り部
７３・・・切れ込み
１００・・粉状化粧料
【技術分野】
【０００１】
本発明は白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料、およびパウダーパフなどの塗布具を収容する容器に関し、使用に際し粉状化粧料にダマの発生や容器内およびその周囲に粉状化粧料の飛散を防止する粉状化粧料容器の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料を収容し、その上方に毛足の長いパウダーパフなどの塗布具を収納できる容器が数多く提案されている。この容器の多くは粉状化粧料の上方にメッシュ穴のある中蓋をかぶせ中蓋の上面に塗布具を戴置収納するもので、化粧時にはメッシュ穴を通して必要な粉状化粧料を塗布具に付着させ使用していた。
【０００３】
しかし、メッシュ穴には開閉機能はなく容器内の粉状化粧料は中蓋の表裏を常時移動できる状態にされている。そのため粉状化粧料を収容する容器を上下を反転したり振ったりすると必要以上の粉状化粧料を中蓋の上面側に移動させ塗布具が粉だらけになってしまう事がある。粉状化粧料にまみれた塗布具では化粧を困難にすることは勿論キャップを開ける際に周囲を汚す事にもなる。
【０００４】
粉状化粧料を収容する容器の上下を反転したり振ったりすることで粉状化粧料を中蓋の上面側に取り出し、汚してしまう問題は、使用者が注意して使用するしかない。また容器を持ち運ぶ際に粉状化粧料が出てしまう問題もあるが、中蓋の上面にカバーを嵌合することで、カバーの上方への粉状化粧料の移動を妨げ解消できる。しかし、化粧時にカバーを取り外す操作が必要になって面倒である上、部品点数も増加してコストアップの要因となる。
【０００５】
【特許文献１】特開２００５−７０９３号公報
【０００６】
こうした問題を解決するため、特許文献１に中蓋を伸縮性の優れたシリコンゴムなどで成形すると共に中蓋の表裏面を貫通する複数の切れ込みを入れた粉状化粧料容器が提案されている。シリコンゴムなどで成形された中蓋を使用する場合、粉状化粧料は塗布具を中蓋の上面側に押圧し切り込みを開穴することで中蓋上面に取り出し可能にされる。中蓋上面に取り出された粉状化粧料は中蓋を押圧した塗布具で擦り移し取られる。そのため中蓋上面に過剰な粉状化粧料が取り出されることがなくなり、塗布具が粉だらけになったり周囲を汚してしまうことはなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかし、中蓋に伸縮性を持たせ上面から押圧して切れ込みを開穴させる粉状化粧料容器では、粉状化粧料を中蓋の表面に移動させる操作の度に中蓋の下方に収納される粉状化粧料を加圧することになる。粉状化粧料容器内の粉状化粧料を繰り返し加圧することは粉の塊であるダマが生じやすくなる。硬くなったダマは粉状化粧料の粒度のばらつきを大きくし化粧ムラの原因となるなどの不具合を発生する。
【０００８】
また、粉状化粧料容器の深さは粉状化粧料収納量によって定められ通常数十ミリメートルとなる。中蓋を粉状化粧料容器の本体に位置決め固定して使用する場合粉状化粧料の減少に伴い中蓋と粉状化粧料の上面との間が次第に広がり大きな伸縮を繰り返すようになる。大きな伸縮の繰り返しは、例え中蓋が伸縮可能であっても中蓋のヘタリの原因となり、開穴された中蓋の復元力を弱め中蓋の仕切り機能を低下させる。
【０００９】
そこで粉状化粧料の上面と中蓋の裏面との間を常に一定の範囲に収める手段として、中蓋を粉状化粧料容器内で落とし込み可能にすることも考えられるが、粉状化粧料の漏れを防ぐ機能を有する摺動部を必要とするほか粉状化粧料の上面と中蓋の裏面との間を離間する部材を加える必要があり価格上昇の原因となる。
【００１０】
また、一般にこの種の粉状化粧料の容器は中蓋の表大きな伸縮大きな伸縮面にパウダーパフなどの塗布具を収容する塗布具収納部を有する。そのため容器の全高さが必要以上に大きくなり、容器のデザインや粉状化粧料の容量に制約を加えるといった問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、化粧料収容室が中蓋の下部に形成される第１の粉状化粧料収容室と、中蓋の側部に立ち上げて形成され、第１の粉状化粧料収容室に連通する第２の粉状化粧料収容室とより構成され第２の粉状化粧料収容室内の粉状化粧料を第１の粉状化粧料収容室に補給できるようにしたものである。
【００１２】
また、第１の粉状化粧料収容室と第２の粉状化粧料収容室の底面が、中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成されるようにしたものである。
【発明の効果】
【００１３】
本発明粉状化粧料容器にあっては次に記載する効果を奏する。
即ち第２の化粧料収容室は容器側部に立ち上げられ第１の化粧料収容室の補給用に設けられる。そこで第１の化粧料収容室内の粉状化粧料は第２の化粧料収容室より不足した量を常時補給され一定量を維持される。そのため常に使いやすい化粧料充填状態を維持できる。
【００１４】
また第２の化粧料収容室を容器側部に立ち上げ凹部を形成することで、第１の化粧料収容室の上面にパウダーパフ等の塗布具を収納するスペースを確保でき粉状化粧料容器の大きさを薄くでき安定感のあるデザインを提供できる。
【００１５】
さらに本発明にあっては第１の化粧料収容室は、中蓋と粉状化粧料容器の底面との間隔を狭く設定される。そのため粉状化粧料を取り出す際の中蓋の変形は小さく、また変動も小さい。したがって中蓋の劣化を抑え、ヘタリのない安定したスリットの開閉が可能となる。
【００１６】
また本発明にあっては第１の化粧料収容室は、中蓋と粉状化粧料容器の底面との間隔を狭く設定される。そのため中蓋の一回の下方押圧操作により第１の化粧料収容室から中蓋上面に取り出される粉状化粧料の割合が大きくなり、相対的に残量の割合が減少する。したがって同一の粉状化粧料が中蓋の下面で繰り返し圧縮されることが少なくなり第１の化粧料収容室内でダマが生じにくくなる。ダマを含む粉状化粧料粒度のばらつきをなくすことで、塗布の際に化粧ムラをなくすことができる。
【００１７】
また本発明にあっては第１の粉状化粧料収容室と第２の粉状化粧料収容室の底面が、中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成される。そのため粉状化粧料粉状化粧料が減少した場合でも、粉状化粧料を第１の化粧料収容室の中央に集めることができ伸縮可能な中蓋を押圧し無駄なく粉状化粧料を取り出すことができる。
【００１８】
本発明粉状化粧料容器の中蓋はパウダーパフ等の塗布具で押圧された場合には中蓋を伸長させ切れ込みを開穴し、仕切り部の押圧を解除した場合には仕切り部を元の形状に復帰させ確実に切れ込みを閉穴することができる。そのため粉状化粧料は開穴された切れ込みを通して仕切り部の上面に必要量を取り出され、仕切り部を押圧する塗布具に全量が付着される。従って粉状化粧料は外蓋の通常の開閉操作では飛散されないなどの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
以下本発明粉状化粧料の実施例に基づき説明する。
本発明実施例において、粉状化粧料を収容する容器をキャップが本体に嵌合する形式で図示説明するが、これは本発明を限定するものではなく、ネジキャップで密閉するジャータイプの容器やキャップが容器と蝶番で連結したコンパクトケースタイプなどにも実施可能であることは言うまでもない。
【００２０】
図１は本発明粉状化粧料容器の組み合わせ状態説明図である。
図において容器１は、上部を開穴した有底状をしており、該容器１の上部外周にはキャップ嵌合部３３が設けられキャップ３を嵌脱可能に嵌合する。容器１内には第１の化粧料収容室１１と第２の化粧料収容室１３からなる化粧料収納室が形成される。第２の化粧料収容室１３は本体５の内側部に立ち上げると共に、第１の化粧料収納室１１と連通して形成される。第１の化粧料収容室１１と第２の化粧料収容室１３は白粉、パウダーファンデーションなどの粉状化粧料１００を収容する。伸縮可能な中蓋１５は第１の化粧料収容室１１の上部に設けられ塗布具収納部１７との間を仕切る。中蓋１５には粉状化粧料１００を表裏間で移動可能とするように切れ込み７３が形成される。図１の場合、中蓋１５は伸長されていないため切れ込み７３は閉穴され粉状化粧料１００の移動を遮蔽する。また塗布具収納部１７はパウダーパフ５１などからなる塗布具を収納する。
【００２１】
図２は本発明粉状化粧料容器の粉状化粧料取り出し説明図である。
図においてパウダーパフ５１は指で矢印Ｃ方向に押され、中蓋１５はパウダーパフ５１により矢印Ｃ方向に押圧伸長されている。
仕切り部７１は中蓋１５の中央にあって第１の化粧料収納室１１と塗布具収納部１７とを仕切る。仕切り部７１の伸長は仕切り部７１に形成された切れ込み７３を開穴する。開穴された切れ込み７３は第１の化粧料収納室１１内の粉状化粧料１００を圧すると共に粉状化粧料１００を中蓋１５の表裏面間での移動を可能にし、必要な粉状化粧料１００を表面に取り出す。中蓋１５の表面に取り出された粉状化粧料１００はパウダーパフ５１に移し取られる。
【００２２】
中蓋１５はパウダーパフ５１等の塗布具で押圧された場合には仕切り部７１を伸長させ切れ込み７３を開穴し、仕切り部７１の押圧を解除した場合には仕切り部７１を元の形状に復帰させ切れ込みを閉穴することができる。したがって粉状化粧料１００は開穴された切れ込みを通して仕切り部７１の上面に必要量を取り出され、仕切り部７１を押圧するパウダーパフ５１に移し取られることから飛散されない。
【００２３】
第１の化粧料収納室１１は図１、図２に示すとおり必要最低限の粉状化粧料１００を収容し、ダマの発生を抑えつつパウダーパフ５１等の押圧で粉状化粧料１００を中蓋１５の上面に移動させるもので、底面３１と仕切り部７１との間を狭く構成すると共に第１の化粧料収納室１１を小容積にする。第１の化粧料収容室１１を小容積にすることは第１の化粧料収容室１１から中蓋１５の上面に取り出される粉状化粧料１００の割合を大きくし、相対的に残量の割合を減少させる。そのため第２の化粧料収容室１３から補給される粉状化粧料１００を増加させ、同一の粉状化粧料１００が中蓋１５の下面で繰り返し圧縮される機会を減少させることからダマが生じにくくなる。また第１の粉状化粧料収容室１１と第２の粉状化粧料収容室１３の底面３１が、中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成されるため粉状化粧料１００が減少した場合でも、第１の化粧料収容室１１の中央に集めることができる。
【００２４】
第２の化粧料収容室１３は粉状化粧料１００の内容量を決定すると共に第１の化粧料収容室１１に粉状化粧料１００を補給するもので
第２の化粧料収容室１３内に充填されている粉状化粧料１００は図１、図２に示すとおり粉の自重で矢印Ａの方向に加圧される。第１の化粧料収容室１１の粉状化粧料１００が中蓋１５を介し外に取り出され減少すると第２の化粧料収容室１３内の粉状化粧料１００の圧力を抑える力矢印Ｂ方向の力が弱まり、両者がバランスするまで粉状化粧料１００が補給される。したがって第１の化粧料収容室１１内の粉状化粧料１００は常時一定量を維持される。
【００２５】
また第２の化粧料収容室１３を容器１の側部に立ち上げることにより第１の化粧料収容室１１の上面にパウダーパフ５１等の塗布具を収納する凹状の収納スペースを確保できる。また第２の化粧料収容室１３は容器１の側部に形成されることで僅か縦横寸法を増加するのみで従来使用されると同様の大きな容積を確保できる。
【００２６】
以上説明のとおり、本発明粉状化粧料容器にあっては発明の効果の欄に記載する効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明粉状化粧料容器の組み合わせ状態説明図である。
【図２】本発明粉状化粧料容器の粉状化粧料取り出し説明図である。
【符号の説明】
【００２８】
１・・・・容器
３・・・・キャップ
５・・・・本体
１１・・・第１の化粧料収容室
１３・・・第２の化粧料収容室
１５・・・中蓋
１７・・・塗布具収納部
３１・・・底面
３３・・・キャップ嵌合部
５１・・・パフ
７１・・・仕切り部
７３・・・切れ込み
１００・・粉状化粧料
【特許請求の範囲】
【請求項１】
容器に中蓋を設けて白粉、パウダーファンデーション等の粉状化粧料を収容する化粧料収容室を構成し、少なくとも前記中蓋の一部を伸縮性のある材料により成形し、該中蓋に上下に貫通した複数の切れ込みを入れ、中蓋を伸ばすことによって切れ込みを開穴し粉状化粧料を取り出し可能とした粉状化粧料容器において、
化粧料収容室が
中蓋の下部に形成される第１の粉状化粧料収容室と、
中蓋の側部に立ち上げて形成され、第１の粉状化粧料収容室に連通する第２の粉状化粧料収容室とより構成され
第２の粉状化粧料収容室内の粉状化粧料を第１の粉状化粧料収容室に補給できるようにしたことを特徴とする粉状化粧料容器。
【請求項２】
前記した第１の粉状化粧料収容室と第２の粉状化粧料収容室の底面が、
中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成されたことを特徴とする粉状化粧料容器。
【請求項１】
容器に中蓋を設けて白粉、パウダーファンデーション等の粉状化粧料を収容する化粧料収容室を構成し、少なくとも前記中蓋の一部を伸縮性のある材料により成形し、該中蓋に上下に貫通した複数の切れ込みを入れ、中蓋を伸ばすことによって切れ込みを開穴し粉状化粧料を取り出し可能とした粉状化粧料容器において、
化粧料収容室が
中蓋の下部に形成される第１の粉状化粧料収容室と、
中蓋の側部に立ち上げて形成され、第１の粉状化粧料収容室に連通する第２の粉状化粧料収容室とより構成され
第２の粉状化粧料収容室内の粉状化粧料を第１の粉状化粧料収容室に補給できるようにしたことを特徴とする粉状化粧料容器。
【請求項２】
前記した第１の粉状化粧料収容室と第２の粉状化粧料収容室の底面が、
中央を凹ませた滑らかな共通の凹曲面で形成されたことを特徴とする粉状化粧料容器。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００８−１２５８４２（Ｐ２００８−１２５８４２Ａ）
【公開日】平成２０年６月５日（２００８．６．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３１４７２１（Ｐ２００６−３１４７２１）
【出願日】平成１８年１１月２１日（２００６．１１．２１）
【出願人】（０００１４０９１５）株式会社カツシカ (38)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月５日（２００８．６．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１１月２１日（２００６．１１．２１）
【出願人】（０００１４０９１５）株式会社カツシカ (38)
【Ｆターム（参考）】
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