説明

粒子状無機材料の製造方法

所望の粒子サイズ分布を有する粒子状鉱物材料の製造方法であって、鉱物材料を第1の場所で加工し、加工した鉱物を安定化し、安定化した加工鉱物を第2の場所に輸送し、安定化した加工鉱物性材料を第2の場所で所望の粒子サイズ分布を有するようにさらに加工することを含む前記工程を開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は炭酸カルシウム色素のような粒子状無機材料の改良した製造方法であって、炭酸カルシウムのような無機材料の供給物が第1の場所で予備的な加工、典型的には粉砕に付され、粒子サイズを少なくとも5%の粒子が2μm以下である粉末度(degree of fineness)に減少させる工程及び第2の場所において、第2の加工、典型的には粉砕し、エンドユーザーが要求する所望の粉末度に加工する工程に付される。
【0002】
従前は、炭酸カルシウム色素のような天然無機材料は一般的に中央位置で粉砕し、異なるエンドユーザーの需要を満たす必要のある比較的多数の異なる最終製品を生成していた。しかしながらこの方法には、同時に多くの異なる製品を製造する為の付加的な加工装置を必要とするというような不利益があった。さらに、多数の製品それぞれを輸送及び貯蔵する必要性により、膨大な費用がかかりうる保管料及び物流上の非効率を導く。
【0003】
従って、異なる粒子サイズ分布を有する多数の鉱物製品を加工する、より効果的な方法に対する必要性が生じた。
【0004】
一つの態様において、本発明は、供給物を加工(例えば粉砕)することにより、分離すること及びエンドユーザーに近接した多数の位置に発送することができ、さらに加工して各エンドユーザーの要求に特性が合うように仕上げた多数の最終製品を製造するための安定化された製品を製造する、供給物から多数の異なる加工製品を製造する為のより効果的な方法を提供する。
【0005】
本発明の第1の態様において、所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムの製造方法を提供し、前記方法は、
(a) 第1の場所において炭酸カルシウム供給物を加工して、約5%が2μm未満〜約75%が2μm未満の範囲の粒子サイズ分布を有する第1加工炭酸カルシウムを得る工程、
(b) 第1加工炭酸カルシウムを安定化させる工程、
(c) 安定化加工炭酸カルシウムを第2の場所に輸送する工程及び、
(d) 安定化加工炭酸カルシウムを第2の場所でさらに粉砕し所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムを製造する工程
を含む。
【0006】
本発明はまた、アルカリ土類金属炭酸塩を含む他の天然の無機材料及びカオリン又はタルクのような他の無機材料にも適用可能である。
【0007】
本発明の態様において、炭酸カルシウムの工程(a)における加工は粉砕である。工程(c)において、一部の又は全ての安定化加工炭酸カルシウムは第2の場所に輸送されてもよい。工程(d)における加工は、さらに粉砕することを含み又はその機能性を変化させる為に第2の場所で安定化材料を分散剤、シランのような表面改質剤、染料又はカルボキシメチルセルロースのような一時的に構造を付与するような化合物を用いて化学的に処理する処理を含んでもよく、電荷を中和させてもよい。加工はカオリン又はタルク又は炭酸カルシウム、例えば沈降炭酸カルシウムのような異なる粒子サイズ分布を有する他のアルカリ土類金属炭酸塩といった付加的な無機材料を混合することを含んでもよい。工程(d)はさらに無機材料を付加的な無機材料と共に粉砕することを含んでもよい。付加的な無機材料が混合されるところでは、このことは第1の無機材料を共粉砕することによって、達成されてもよい。
【0008】
本発明のさらなる態様において、所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムはさらに加工され、1以上の充填剤を含む紙製品、コーティング組成物、インク、ゴム製品、塗料組成物(つや有り及びつや消し塗料を含む)ポリマー製品、セラミック、バリヤーコーティングから選択される最終製品を形成してもよい。紙製品という語はボール紙、板紙、厚紙等を含むすべての紙の形態を意味すると理解されるべきである。
【0009】
以下、本発明は炭酸カルシウム供給物について及び炭酸カルシウムが粉砕により加工されることに関して論じられる。本発明はそのような実施態様に制限されるものと解釈されるべきではない。
【0010】
本発明は、付加的な加工装置を減少し及び過剰な量の各多数の製品の輸送及び貯蔵の必要性を避けることに伴う上記のコスト上の利点に加えて、多数の利点を有する。例えば、本発明は異なる顧客の需要に適応した異なる粒子サイズ分布を有する加工鉱物製品のより効果的な製造方法を提供する。さらなるコスト上の利点は、粉砕のコストの一部がエネルギーコストがより安い、例えば製紙工場のような第2の場所に繰り延べられる結果である。他の利点は輸送の為に炭酸カルシウムを安定化するために使用する薬剤の減少である。分散剤(微生物のエネルギー源となる)の量の減少により微生物により変性される恐れがある製品が減少するため、このことは順に殺生物剤の必要性の減少につながる。
【0011】
一つの態様において、第1の場所は炭酸カルシウム供給物の供給源により近く、第2の場所はエンドユーザーの位置により近い。例えば、第1の場所は大理石鉱山、石灰石採石所等のような炭酸カルシウム供給物の供給源に比較的近くに配置された中央加工所でありうる。同様に、第2の場所は港の積み替え施設、鉄道操車場またはトラック運送業の車庫のようなエンドユーザーにより近い位置でありうる。第2の加工場所が直接、製紙工場のようなエンドユーザーの施設であることも望ましい。
【0012】
第1及び第2の場所それぞれにおける粉砕は工業的規模で、例えば1時間当たり少なくとも1t(粉砕される炭酸塩)又は1時間当たり少なくとも10t(粉砕される炭酸塩)で行われる。
【0013】
第1の場所は、炭酸カルシウム供給物の供給源から100km以内であり、例えば炭酸カルシウム供給物の供給源から50km以内であり、例えば炭酸カルシウム供給物の供給源から20km以内であり、例えば炭酸カルシウム供給物の供給源から10km以内である。しかしながら、原則として、第1の場所は、例えば供給材料の供給源が第1の国にあり、そこから予備的加工を行う第2の国にある場所に輸送するといったように、それ自体地理的に供給原料の供給源から離れているということを理解すべきである。
【0014】
他の態様において、第2の場所はエンドユーザーの位置から100km以内であり、例えば炭酸カルシウム供給物の供給源から約50km以内であり、例えば炭酸カルシウム供給物の供給源から約20km以内であり、例えば炭酸カルシウム供給物の供給源から約10km以内である。
【0015】
第1及び第2の場所は20km以上離れていてもよく、例えば50km以上離れていてもよく、例えば100km以上離れていてもよく、又は200km以上離れていてもよく、又は300km以上離れていてもよく、又は400km以上離れていてもよく、又は500km以上離れていてもよい。
【0016】
本発明の態様において、第1の場所で製造された製品の部分を、さらに加工するために複数の異なる第2の場所に輸送してもよい。同じまたは異なる程度のさらなる加工が各第2の場所で行われてもよい。前記第2の場所は例えば、20km以上離れていてもよく、例えば50km以上離れていてもよく、例えば100km以上離れていてもよく、又は200km以上離れていてもよく、又は300km以上離れていてもよく、又は400km以上離れていてもよく、又は500km以上離れていてもよい。
【0017】
(a)及び(d)における粉砕には本発明の異なる態様の高又は低固体量粉砕経路のいずれも含む。
【0018】
一般的に、炭酸カルシウムは湿った状態又は乾燥した状態で粉砕することができる。湿った状態おいて、炭酸カルシウムは高い固形物含量、例えば約70〜約80質量%の乾燥固体を有する水溶性の懸濁液として、又は比較的低い固形物含量、例えば40質量%未満の乾燥固体を有する水溶性の懸濁液としてのいずれでも粉砕することができる。
【0019】
高固形物含量経路の利点は、ピグメントを懸濁するのにより少ない水を使用するために、輸送及び販売する際に少量しか水を取り除く必要が無い又は取り除かなくてもよいことにある。実際、多くの場合において粉砕炭酸カルシウムピグメントは輸送され、濃縮した懸濁液の形態で販売され、この高固体量経路はさらに処理すること無しに直接この目的に適した懸濁液を生産する。この経路において炭酸カルシウムピグメントの為の分散剤が度々使用される。
【0020】
低固体量経路はピグメントの為の分散剤が必要ないという利点があるが、粉砕効率が比較的低いことがわかっている。本経路はさらに、ピグメントを経済的に輸送及び販売することができるようにする前にピグメントから大量の水を分離しなければならないという点で不利である。
【0021】
(b)における安定化は、第1の場所から第2の場所に輸送するのに十分な期間、実質的に沈下又は分離抵抗性である(a)由来の第1炭酸カルシウムの任意の製造方法を含むことができる」。
【0022】
1つの態様において、(b)における安定化は従来の脱水手段を用いて第1粉砕炭酸カルシウムを脱水して固体又は半固体(すなわち塊)の形態にすることを含む。例えば、第1炭酸カルシウムは、例えばチューブプレス(tube press)の使用のようなろ過により乾燥して固体また半固体状態にすることができる。他の態様において、(b)における脱水は従来の例えば回転式又は真空蒸発装置のような蒸発手段による蒸発を含んでもよい。
【0023】
他の態様において、(b)における安定化は少なくとも1つの分散剤を第1粉砕炭酸カルシウムに加えることを含む。1つの態様において、少なくとも1つの分散剤は、ケイ酸塩またはリン酸塩をベースとする分散剤、例えばヘキサメタりん酸ナトリウム又はTSPPのような無機分散剤であってよい。他の態様において、少なくとも一つの分散剤は、例えば平均分子量が約20,000未満のアクリル酸、メタクリル酸又はマレイン酸のホモポリマー又はコポリマーのようなアニオン性またはカチオン性ポリマーの水溶性の塩を含むことができる。一つの態様において、分散剤は1,500〜5,000の範囲の平均分子量を有するポリアクリレートナトリウムを含むことができる。一つの態様において、使用される分散剤の量は好ましくは乾燥炭酸カルシウムの質量に対して0.1〜2.0質量%の範囲であることが好ましい。
【0024】
さらに他の態様において、(b)における安定化は第1粉砕炭酸カルシウムに濃化剤を加えることを含む。濃化剤は、例えばカルボキシメチルセルロース若しくは他のセルロース誘導体又は例えばアクリル酸若しくはメタクリル酸のホモポリマー若しくはコポリマーのような長鎖ポリマーのようなポリマーベースの濃化剤のような従来の濃化剤を含むことができる。
【0025】
(c)における輸送は、任意の船、列車又はトラックによるような、従来のバルク輸送方法を含む。1つの態様において、安定化第1炭酸カルシウムはスラリーの形態である場合はタンクに入れて輸送される。
【0026】
他の態様において、輸送に続いて、(d)におけるさらなる粉砕の前に水溶液、例えば水を加えることにより第1炭酸カルシウムの固形物含量を減少させる。1つの態様において、固形物含量の減少及びさらなる粉砕は付加的な分散剤の追加無しで達成される。この場合、(d)由来の安定化炭酸カルシウムスラリー中に存在する分散剤の量は、減少した固形物含量で粒子状炭酸カルシウムが凝集し、それにより(d)におけるさらなる粉砕の生産物である炭酸カルシウムの微粉末量を減少させるように選択することができる。
【0027】
1つの態様において、第1粉砕炭酸カルシウムは乾燥時、約93以上のISO輝度、例えば95以上のISO輝度を示す。
【0028】
他の態様において、第1粉砕炭酸カルシウムは約50μm以下の最大サイズを有する。例えば、第1粉砕炭酸カルシウムは約0.1%以下の45μmより大きいesdを有する粒子を含むことができる。他の実施例において、第1粉砕炭酸カルシウムは約50ppmの25μmより大きいesdを有する粒子を含むことができる。
【0029】
一般的に、第1粉砕炭酸カルシウムが十分に粉砕され、そこからすべての混入鉱物が実質的に遊離されることも利点である。例えば、第1粉砕炭酸カルシウムは約5質量%の2μm未満のesdを有する粒子より微細な粒子サイズ分布、例えば約10質量%の2μm未満のesdを有する粒子以下に粉砕することができる。
【0030】
1つの態様において、第1粉砕炭酸カルシウムは 約20〜約80固体%、例えば約20〜約35固体%、約70〜約80固体%又は約74〜約78固体%の範囲の固形物含量を有することができる。
【0031】
1つの態様において、炭酸カルシウム供給物は(a)において、例えばEP614948に開示されるような従来の方法によって粉砕されても良い。その例示的実施態様において、最大サイズが約10 mmの砂利の形態の、大理石の原石の粉砕が行われる乾式回転式ローラー粉砕機(dry rotary roller grinder)に導入される。気流は穴をあけられた粉砕チャンバーのベースを通じて押しこめられ、粉砕チャンバーから水簸された微粉砕粒子は、サイクロンに向かい、不十分に粉砕された粒子は分離されて粉砕チャンバーに戻され、一方十分に粉砕された粒子は混合タンクに輸送される。一般的に、約50μm以下の直径を有する粒子は十分に微粉砕されたものとみなす。水及び分散剤の溶液は任意に混合タンクに加えられる。
【0032】
(a)における炭酸カルシウム供給物は次に約50〜約70質量%が2μm未満の等価球径(equivalent spherical diameter)を有するの粒子である、例えば約55〜約65質量%が2μm未満の等価球径を有する粒子、例えば約60質量%が2μm未満の等価球径を有する粒子である、粒子サイズ分布を有する製品を得るような条件下で摩擦粉砕される。摩擦粉砕は0.1〜5.0 mmの範囲、例えば0.25〜4.0 mmの範囲の平均粒子径を有する粒子を有する粒子状の粉砕媒体による粉砕を含むことができる。粒子粉砕媒体は、例えば、ケイ砂又はアルミナ、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム又はカオリン粘土を約1300〜約1800℃の範囲の温度でか焼することにより製造したムライト高含有材料(mullite-rich material)の顆粒であっても良い。
【0033】
(a)における摩擦粉砕は1段階で行われてもよく、2以上の段階で行われてもよい。例えば、炭酸カルシウム供給物は部分的に第1の摩擦粉砕機内で粉砕され、続いてさらに粉砕するため第2の摩擦粉砕機に供給される。
【0034】
1つの態様において、(a)における粉砕中の懸濁液において消費されたエネルギーの量は 100〜400 kWh/トン(乾燥炭酸カルシウム)の範囲であってもよい。
【0035】
1つの態様において、(a)由来の第1粉砕炭酸カルシウムにさらに(b)において安定化する前に浮遊選鉱法を行うこともできる。例えば、第1粉砕炭酸カルシウムに、一般的にEP291271に記載されるように浮遊選鉱法を行うこともできる。
【0036】
第1の仮想な態様において、(a)における粉砕には第1粉砕炭酸カルシウムを粉砕し、粒子サイズを約10〜約30質量%が2μm未満のesdを有する粒子にすることを含み、(b)における安定化は第1粉砕炭酸カルシウムを脱水し、輸送前に固体又は半固体状態にすることを含む。輸送に続き、さらなる粉砕前に水溶液を加えて安定化炭酸カルシウムの固形物含量を例えば約20〜約75%に減少させる。
【0037】
(b)における脱水は、部分的には粉砕中のエネルギー分散の結果として起こりうる。いくつかの場合の粉砕由来の熱は懸濁液中の乾燥アルカリ土類金属化合物の質量パーセントを80質量%よりも大きく増加させるのに十分である。
【0038】
第1の仮想実施態様において、(d)におけるさらなる粉砕は低固体量粉砕 (すなわち, 20〜約35固体%)によって行い、最終的な所望の粒子サイズ分布は約75〜約90質量%が2μm未満のesdを有する粒子である。他の態様において、最終的な所望の粒子サイズ分布は約10〜約15質量%が0.25μm未満のesdを有する粒子である。他の態様において、最終的な所望の粒子サイズ分布は約75〜約90質量%が2μm未満のesdを有する粒子でありかつ、約10〜約15質量%が0.25μm未満のesdを有する粒子である。この第1の仮想実施態様においてさらなる粉砕は約40〜約60 kWh/tのエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達することができ、約75〜約90質量%が2μm未満のesdを有する粒子である、所望の粒子サイズを達成する。
【0039】
第2の仮想実施態様において、輸送に続いて、さらなる高固体(すなわち70〜78固体%)粉砕の前に水溶液を固体又は半固体安定化炭酸カルシウムに加え、安定化炭酸カルシウムの固形物含量を約70〜約78%の範囲の固形物含量に減少させる。1つの態様において、最終的な所望の粒子サイズは約60〜約100質量%が2μm未満のesdを有する粒子である。第2の仮想例示的実施態様において、さらなる粉砕は約55〜約320 kWh/tの範囲のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達することができる。
【0040】
より具体的には第2の仮想実施態様において、輸送に続いて水溶液を固体又は半固体安定化炭酸カルシウムに添加し、それらの固形物含量を約74〜約76固体%に減少させることができる。得られたスラリーは(d)において、安定化炭酸カルシウムに約55〜約75 kWh/tのエネルギーを伝達し、約60%が2μm未満である所望の粒子サイズを達成するように、さらに粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは(d)において、安定化炭酸カルシウムに約80〜約100 kWh/tのエネルギーを伝達し、約75%が2μm未満である所望の粒子サイズを達成するように、さらに粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは(d)において、安定化炭酸カルシウムに約105〜約190 kWh/tのエネルギーを伝達し、約90%が2μm未満である所望の粒子サイズを達成するように、さらに粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは(d)において、安定化炭酸カルシウムに約215〜約235 kWh/tのエネルギーを伝達し、約95%が2μm未満である所望の粒子サイズを達成するように、さらに粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは(d)において、安定化炭酸カルシウムに約300〜約320 kWh/tのエネルギーを伝達し、約99〜約100%が2μm未満である所望の粒子サイズを達成するように、さらに粉砕することができる。
【0041】
第1及び第2の仮想実施態様はそれぞれ、(b)における安定化の前に任意のデグリッティング工程をも含んでもよい。1つの態様において、このデグリティングは従来の遠心分離を用いたグリット分離を含む。
【0042】
第3の仮想実施態様において、(a)における粉砕は、第1粉砕炭酸カルシウムを低固体(すなわち、約20〜約35固体%)粉砕して2μm未満のesdを有する約5〜約10質量%の粒子にし、続いて脱水し、得られた炭酸カルシウムスラリーを高固体(すなわち、約70〜約80固体%、例えば約74〜約76固体%)粉砕して2μm未満のesdを有する約50〜約70質量%の粒子にすることを含む。この仮想実施態様において、(b)における安定化は第1炭酸カルシウムスラリーに分散剤を加えることを含む。1態様において、第1炭酸カルシウムは粉砕して2μm未満のesdを有する約55〜約65質量%の粒子の範囲の粒子サイズを有する。
【0043】
輸送に続き、さらなる粉砕の前に、水溶液を添加し、炭酸カルシウムの固形物含量を減少、すなわち、約20〜約35 %に減少させることができる。希釈されたスラリーは続いて低固体量粉砕し、実質的に分散剤を含まない所望の粒子サイズ分布を有する炭酸カルシウムスラリーを得る。
1つの態様において所望の粒子サイズは約75〜約90質量%が2μm未満のesdを有する粒子である。
他の態様において、最終的な所望の粒子サイズ分布は、約10〜約15質量%が0.25μm未満のesdを有する粒子である。
他の態様において、最終的な所望の粒子サイズ分布は、約75〜約90質量%が2μm未満のesdを有する粒子であり、約10〜約15質量%が0.25μm未満のesdを有する粒子である。この第3の仮想実施態様においてさらなる粉砕は約80〜約100 kWh/tのエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達し、約40〜約60%が2μm未満である所望の粒子サイズを達成することができる。
【0044】
第4の仮想実施態様において、(a)における粉砕及び(b)における安定化は第3の仮想実施態様におけるものと同様である。しかしながら(d)におけるさらなる粉砕はかわりに約60〜約78質量固体%の範囲の固形物含量で行われ 所望の最終的な粒子サイズは約85% 2μm未満〜約100%2μm未満であり、例えば約90% 2μm未満〜約95% 2μm未満である。第3の仮想例示的実施態様において、(d)におけるさらなる粉砕は安定化炭酸カルシウムに約55〜約240 kWh/tのエネルギーを伝達するのに十分である。
【0045】
さらに具体的には、第4の仮想実施態様において得られたスラリーは続いてさらに(d)において約55〜約75 kWh/t のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達し、約60%2μm未満の所望の粒子サイズを達成するように粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは続いてさらに(d)において約80〜約100 kWh/t のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達し、約75% 2μm未満の所望の粒子サイズを達成するように粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは続いてさらに(d)において約105〜約190 kWh/t のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達し、約90% 2μm未満の所望の粒子サイズを達成するように粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは続いてさらに(d)において約215〜約235 kWh/t のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達し、約95% 2μm未満の所望の粒子サイズを達成するように粉砕することができる。
代わりに、得られたスラリーは続いてさらに(d)において約300〜約320kWh/t のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達し、約99から100% 2μm未満の所望の粒子サイズを達成するように粉砕することができる。
【0046】
任意に、上記第3及び第4の例示的実施態様において、(d)におけるさらなる粉砕は少なくとも1つの別々の粉砕工程を含むことができ、2以上の粉砕工程を含んでもよい。任意に、約10〜約50部の相乗鉱物をこれら2つの粉砕工程の間に加えることもできる。任意の層状鉱物には、例えばタルク又はカオリンを挙げることができる。そのような場合、少なくとも(d)におけるさらなる粉砕の1部分において、層状鉱物は炭酸カルシウムと共粉砕される。そのような場合、(d)の共粉砕部分はかわりに約50〜約60%の範囲の固形物含量で行い、約75〜約90%2μm未満の範囲の所望の粒子サイズを達成することもできる。代わりに、層状鉱物を粉砕後に添加して所望の固形物含量を達成することもできる。
【0047】
第3及び第4の仮想態様において、安定化炭酸カルシウムは(c)における輸送の後にデグリッティングすることができる。前記デグリッティングは例えば、従来の遠心分離によって行うことができる。
【0048】
本発明の他の態様において、本発明の上記態様の方法で調製されたいずれの微粉砕炭酸カルシウム又は他のアルカリ土類金属色素の水溶性の懸濁液をも提供する。
【0049】
本発明の方法を用いて入手可能な、炭酸カルシウム又は上記他の鉱物との混合物のような微粉砕鉱物材料は、ペーパーコーティング又は紙製造組成物を調製するためにそれ自体知られている方法で使用してもよい。従って、本発明の工程が行われた後に、得られた微粉砕炭酸カルシウムはその後、コート紙に使用される紙コーティング組成物に形成されてもよく、又は紙製造工程において紙を製造するのに使用しても良い。
【0050】
本発明は従って、本発明の方法に従って得られた粉砕炭酸カルシウムを含む紙コーティング組成物と同様に本発明の方法に従って得られた粉砕炭酸カルシウムを含む紙製造組成物を意図する。例えば本発明に従って得た炭酸カルシウムのさらなる加工に関するさらなる詳細は以下に述べる。
【0051】
(I)紙製品
紙製品という語はボール紙、板紙、厚紙等を含むすべての紙の形態を意味すると理解されるべきである。
【0052】
本発明の工程(d)により製造された炭酸カルシウムは、さまざまな比率で従来の充填剤材料、例えば沈降又は粉砕炭酸カルシウム、カオリン及び他の粘土鉱物、メタカオリン(metakaolin)、タルク、硫酸カルシウムと混合されても良く、成分及び組成は製造しようとする紙の質によって選択される。一般的には、これらの材料は混合される際スラリー状の形態をしている。
【0053】
工程(d)で製造された炭酸カルシウムは、紙製造組成物又は紙コーティング組成物の調製に使用することができる。紙製造組成物は典型的には、水溶性の懸濁液中に、セルロース繊維及び他の従来の技術分野で知られている添加物を含む。典型的な紙製造組成物は典型的には紙製造繊維に対して約67質量%の乾燥充填剤材料を含み、かつ充填剤材料の乾燥質量に対して0.1〜2質量%の範囲のカチオン性又はアニオン性保持助剤(retention aid)を含んでも良い。また、例えば長鎖アルキルケテン二量体、ワックスエマルジョン又はコハク酸誘導体である、サイズ剤を含んでもよい。組成物はまた染料及び/又は任意の増白剤を含んでも良い。
【0054】
紙コーティング組成物はまた、水溶性又は非水溶性の懸濁液に工程(d)から製造された炭酸カルシウムに加えて、他の充填剤材料、技術分野において従来から使用されている都合剤から選択された結合剤を含んでもよい。結合剤の例としては天然スターチから誘導された接着剤及び合成結合剤が挙げられるがこれらに制限されない。紙コーティング組成物の処方はコート紙が使用される目的、例えばオフセット又はグラビア印刷に依存する。一般的には、接着剤の量はコーティングの乾燥重量に対して3〜35質量%の範囲の接着性固体である。コーティングの乾燥重量に対して0.01〜0.5質量%の分散剤が存在しても良い。pHを約8〜約9にあげるために、十分なアルカリを加える。接着性固体は、スターチ、スチレンブタジエンコポリマー、ポリビニルアルコール、アクリル、ポリビニルアセテート、ブタジエンーアクリロニトリルコポリマーのような水に分散可能な合成樹脂又はラテックス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、膠又は植物性蛋白のような蛋白性物質であってもよい。紙コーティングは炭酸カルシウムを乾燥コーティング基材に対して約3〜約89質量%の範囲の量で含んでも良い。
【0055】
カレンダーがけはよく知られている工程であり、カレンダーニップ又はローラーの間にコート紙のシートを1回以上通すことによって、紙の滑らかさと光沢が改善され、かさが減少される。通常、高固体組成物をプレスするのには、エラストマーコートしたロールが採用される。高温が適用されても良い。1回以上の(例えば、約12までの又は時にはそれより多い)ニップの通過が適用されてもよい。紙や他のシート状材料をコートする方法及びその方法を実行する装置は広く刊行されており公知である。前記公知の方法及び装置はコート紙を製造するために簡便に使用されても良い。例えば、前記方法のレビューがPulp and Paper International, May 1994, page 18以下参照、に刊行されている。シートはシート形成機上で、すなわちコーター又はコーティング機上の「オンマシン」又は「オフマシン」でコートされてもよい。コーティング方法中における高固体組成物の使用は、続いて蒸発させなければならない水をより少なく残すために望ましい。しかしながら、技術分野において公知のように、高粘度となり、問題が生じるため固体濃度はそれほど高くないほうが良い。コーティング方法は(i) コーティング組成物をコートされる材料に適用するためのアプリケーション及び(ii)適用されるコーティング組成物の正しい濃度を確保するための計量装置からなる装置を用いて行っても良い。過剰のコーティング組成物を装置に適用される場合、計量装置はその下流にある。代わりに、計量装置、例えばフィルムプレスによって、正確な量のコーティング組成物が装置に適用されても良い。コーティングの適用及び計量の時点において、ペーパーウェブサポートは、バッキングロールから、即ち1つ又は2つのアプリケーターを介して、なにもないところ(nothing) へと並べられる(即ちちょうどの張力(just tension))。最終的に過剰が取り除かれる前にコーティングが紙に接触している時間が滞留時間であり、これは短時間、長時間または可変であっても良い。
【0056】
コーティングは通常コーティングステーションにおいてコーティングヘッドによって行われる。所望の品質に従って、紙の等級は非コート、シングルコート、ダブルコート及びトリプルコートである。1以上のコートを提供する場合、最初のコート(precoat)はより安い処方であり、コーティング組成物には任意で色素が少ない。ダブルコーティング、すなわち紙の両面のコーティングにて適用するコーターは、各ヘッドによってコートされる面の数に依存する、2又は4つのコーティングヘッド、を有する。ほとんどのコーティングヘッドは一度に片側のみをコートするが、いくつかのロールコーター(例えば、フィルムプレス、ゲートロール、サイズプレス)は一度の通過で両側をコートする。
【0057】
採用される公知のコーターの例としてはエアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター)、バーコーター、マルチ‐ヘッドコーター、ロールコーター、ロール/ブレードコーター、キャストコーター、実験室用コーター、グラビアコーター、キスコーター、液体アプリケーションシステム、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター及び押し出しコーターが挙げられるが、それらに制限されない。
【0058】
水をコーティング組成物を含む固体に加え、好ましくは組成物がシート上に所望の目標コーティング質量までコートされたときに、組成物が、組成物を1〜1.5bar(例えばブレード圧)の圧力でコートすることができるように適したレオロジーを有するような、固体濃度を得ても良い。
【0059】
(II) インク
本発明の工程(d)から製造された炭酸カルシウムは、例えばグラビアインク、ヒート・セットインク、リソグラフ印刷インク、および新聞用紙インクを含む水溶性インク及び非水溶性インクの色素としての使用に適している。インクの最終的な適用に依存して、インクは例えば、ビニル樹脂のような樹脂、ポリマー、以下のような添加剤;レオロジー修飾因子、界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム、N,N-ジエチル-m-トルアミド、シクロヘキシルピロリジノン及びブチルカルビトールのような乾燥促進剤、充填剤、希釈剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、カルボン酸、エステル、アルコール、有機スルフィド、有機スルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル誘導体、アミノアルコール及びケトンのような湿潤剤、安息香酸塩、ソルビン酸塩及びイソチアゾールのような殺虫剤、から選択するさらに少なくとも1つの成分を含む。得られたインク中の本発明に従って製造された炭酸カルシウムの量はインクの処方に基づいて、当業者に明らかな方法で大きく変更することができる。例えば、インクは5-45質量%の本発明に従って製造された炭酸カルシウムを含むことができる。
【0060】
(III)ゴム製品
本発明の工程(d)により製造された炭酸カルシウムは、ゴム組成物に組み込むことができる。炭酸カルシウムは、例えばゴム組成物において充填剤又はエキステンダー(extender)として使用してもよい。本発明に従って調製した炭酸カルシウムを含む組成物は樹脂の増量、強化及びゴム組成物の硬度の増加等の利益をもたらすことができる。本明細書で開示されるゴム製品は天然ゴム及び合成ゴムから選択される少なくとも1つのゴムを含む。例えばタイヤトレッドの製造に使用することができる硫黄加硫可能なゴムである。本発明で使用される合成ゴムの例としては、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、ビニル‐スチレン‐ブタジエンゴム(VSBR)、ブタジエンゴム(BR)及びネオプレンゴム又はポリイソプレンが挙げられるが、これらに制限されない。SBRは乳剤SBR (E-SBR)又は溶液SBR (S-SBR)でもよい。VSBRは溶液VSBR (S-VSBR)でもよい。BRの例には、cis-1,3-ポリブタジエンゴム及びcis-1,4-ポリブタジエンゴムが挙げられる。本発明の製品を使用することができる天然ゴムの例は、標準的なマレーシア産天然ゴムである。ゴム製品はさらに例えば、エキステンダーオイル及び鉱物並びに合成充填剤から選択される1つ以上の添加物を含むことができる。ゴムは製剤中35質量%の量の炭酸カルシウムを含むことができる。
【0061】
(IV) 塗料
本発明の工程(d)により製造された炭酸カルシウムは、水溶性又は非水溶性の工業コーティング、建築用塗料、つや消し塗料(matt paint)、光沢塗料(glossy paint)、装飾用塗料(deco paint)、または絵画用塗料(art paint)のような塗料に使用することができる。本明細書で開示される炭酸カルシウムは例えば塗料中の光沢調整剤色素として提供することができる。炭酸カルシウムは一般的に臨界顔料体積濃度(critical pigment volume concentration)未満の量で存在する。しかしながら、本発明に従って製造された炭酸カルシウムは、例えば乾燥フィルムに対して1〜80質量%の範囲のような高い色素体積濃度でも存在することができる。塗料は典型的にはさらに、例えばポリビニルアルコール(PVA)及びラテックスから選択される親水性結合剤のようなポリマー性結合剤のような結合剤及び例えば界面活性剤、濃化剤、殺虫剤、消泡剤、湿潤剤、分散剤及び合体剤から選択される従来塗料に使用される添加剤から選択される少なくとも1つの成分を含む。塗料は例えばTiO2及び炭酸カルシウムから選択される、少なくとも1つの付加的な色素を含んでもよい。
【0062】
(V) ポリマー製品
工程(d)で製造された炭酸カルシウムはポリマー製品に組み込まれてもよく、典型的には配合剤としてポリマーの60質量%まで最終ポリマー製品の30質量%までの濃度で存在する。その色素としての役割に加え、炭酸カルシウムは樹脂増量(すなわち、充填剤)、TiO2 増量及びポリマーの強化剤として使用することができる。ポリマー製品は少なくとも1つのポリマー樹脂を含む。樹脂という語は、プラスチック製品に成形する前の固体又は液体のポリマー性材料を意味する。少なくとも1つのポリマー樹脂は冷却(熱可塑性プラスチックの場合)又は硬化(熱硬化性プラスチックの場合)により、プラスチック材料を形成することができる。少なくとも1つのポリマー樹脂は、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エンジニアリングポリマー、アリル樹脂、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選択することができる。
【0063】
工程(d)で生産された炭酸カルシウムはポリマー樹脂と組み合わせてポリマー組成物を形成してもよく、続いて前期ポリマー組成物から成形された製品を形成する。「ポリマー樹脂」はプラスチック分野において一般的に使用される語であり、プラスチック製品に成形する前のポリマー性材料(固体又は液体)を意味する。熱可塑性ポリマーの場合にはポリマー樹脂は、通常製品の形成前には融解(又は他には軟化)しており、樹脂は通常任意の他の化学的変換を行わない。成形し他製品が形成した後、ポリマー樹脂は冷却し、硬化させる。成形した製品の形成後、ポリマー樹脂は冷却し、硬化させる。熱硬化性ポリマーの場合、ポリマー樹脂は成形後に硬化して最終ポリマー性製品を得る、前駆体の状態である。硬化段階において、化学架橋が形成される。炭酸カルシウムは本来熱可塑性であるポリマー樹脂と共に使用すること又は樹脂が熱硬化性であるポリマー樹脂に使用することに適している。
【0064】
ポリマー樹脂は、一般に炭酸カルシウムとポリマー樹脂がブレンド(いわゆる「コンパウンド」)を形成するのに適した比で混合される、当該分野でよく知られている方法によって製造されてもよい。一般的に、充填剤の粒子をその中に分散させる為にはポリマー樹脂は液体の形状であるべきである。ポリマー樹脂が周囲温度で固体である場合は、したがって、ポリマー樹脂は、コンパウンディングを実行する前に融解する必要があるだろう。いくつかの実施態様において、炭酸カルシウムは乾燥し、ポリマー樹脂の粒子と混合し、樹脂の中に粒子を分散し、製品を融解物から形成する前に、例えば押出し機自体の中で融解物を得たときに完了する。
【0065】
本発明の実施態様において、ポリマー樹脂及び炭酸カルシウム及び、もし必要であれば任意の他の添加物を、適切な混成機/混合機を使用してそれ自体知られている方法で適切なマスターバッチに形成してもよく、切断又は破断してペレットにする紐を形成する単軸押出機又は2軸押出機を使用してペレット化してもよい。混成機は充填剤及びポリマーを一緒に導入する為の1つのインレットを有していてもよい。代わりに、充填剤及びポリマー樹脂用の別々のインレットを有していてもよい。適切な混成機は商業的に入手可能であり、例えばWerner & Pfleiderer社から入手可能である。色素を含む本発明の適切な添加剤の例としては、抗酸化剤、加工補助剤、光安定剤及びガラス繊維が挙げられる。
【0066】
本発明に従って製造した炭酸カルシウムを組み込んだポリマー樹脂組成物は、任意の適切な方法でフォームに加工または商品に組み込むことができる前記加工方法には、圧縮成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、カレンダーがけ、真空成形、熱成形、押出し、ブロー成形、ドローイング、スピニング、フィルム成形、ラミネーティング又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。当該分野の当業者にとって明らかな任意の適切な装置が使用される。
【0067】
ポリマー組成物から形成される製品は多数で多岐にわたる。例としてフィルム、エンジニアリング熱可塑性樹脂及びPVCケーブルが挙げられる。
【0068】
(VI) セラミクス
本発明の工程(d)から製造された炭酸カルシウムはセラミック形成組成物に組み入れられてもよい。セラミック製品は一般的に、カオリナイト粘土(すなわち鉱物カオリナイトを含む粘土)を含むさまざまな粒状成分の混合物を含む湿潤高固形組成物(wet high solids composition)から形成される。しばしば、チャイナストーン、長石又はネフェリン閃長岩などの溶剤及びクォーツ又は火打ち石などの少なくとも1つのシリカ含有材料が前記組成物に含まれている。また、骨灰磁器の生産の為の組成物はまた、粉砕か焼動物骨をかなりの割合で含むだろう。組成物は炭酸カルシウムドロマイト及びタルクのような他の少量の成分も含んでよい。組成物に使用される様々な成分の比率は焼いたセラミック製品の性質に依存して変化する。セラミック形成組成物は焼く前に、成形し、乾燥させる。セラミック形成組成物は成形するのに十分な可塑性を有することが必要であり、また、焼いていない状態で十分な強度を有すること、又は完全さ及び形を損なうことなしに、ある程度の量の取り扱いを可能とする「緑」状態であることが必要である。
【0069】
(VII) バリアーコーティング
工程(d)から製造される炭酸カルシウムは、本発明の生産物を含むスラリーを含むバリアーコーティング組成物に組み入れられてもよい。典型的には、スラリー中の固形物含量は約45〜約70質量%である。バリアコーティングは一般に、湿気抵抗性、湿気蒸気抵抗性、およびグリース、油、空気、および同様のものへの抵抗性を紙に付与するのに有用である。バリアーコーティング中の結合剤の量は約40〜約50質量%の範囲であってよい。
【0070】
(実施例)
本発明の実施態様はここで、以下の特定の例に関して一例としてのみ記載されるものである。
【0071】
(試験方法)
輝度 (ISO)
ISO輝度は、457nmで測定した完全に反射する拡散板の反射光と比較した、本体の反射光の割合である。2個のタングステンランプ、グロスシールド(gloss shield)、および名目上の設定(nominal setting)が457nmであるもの、及び名目上の設定が571nmであるものを含むさまざまなフィルタを備えたDatacolour Elrephoを使用した。
【0072】
試料表面は、乾燥材料を粉砕することにより、例えばImerys社の粉砕機を使用することにより完全に分散させ、続いて1.2kg cm-2の圧力下でパウダータブレットを形成した。乾燥はオーブンの中で行われ、試料の乾燥は1片の冷えた板ガラスをオーブンから取り出された試料の表面に極めて接近して置いた場合に、凝縮しないことで表される。適当な乾燥オーブンには、80℃から5度の範囲内で温度を維持できる強制循環型(forced circulation type)を含む。このタブレットの反射値は可視スペクトル内の2つの波長で測定する。測定は紫外域が除かれている状態で行った。採用された最初の標準はISO レベル 2 反射標準でありPhysikalisch-Technische Bundesanstalt (P.T.B.)社(West Germany)によって供給及び較正された。作業標準、この場合はセラミックタイルが、まえもってレベル2標準に対して較正された輝度測定のための露出計を較正するために使用された。
【0073】
黄度(Yellowness (YEL)
黄度は上記の輝度の測定について記載された方法に従って測定した。黄度は457nmの反射率を571nmの反射率から引き算して得られる値として報告される。
【0074】
白度
白度は「ISO 11475:1999 Paper and board Determination of CIE whiteness, D65/10 degrees (outdoor daylight)」に規定されたCIE標準に従って測定した
【0075】
ブルックフィールド粘度
ブルックフィールド粘度を周囲温度(22℃)でブルックフィールド粘度計セットを用いて100rpmのスピンドル速度で操作して測定した。懸濁液をHeidolph社の実験室用攪拌機を用いて十分に攪拌する。混合の直後、懸濁液は粘度計に移す。粘度計のスピンドルを懸濁液に浸す。粘度計スピンドルをホモジナイズの休止の30秒後に活性化し、粘度はさらに15秒後に記録した。
【0076】
(材料)
以下の実施例において、炭酸カルシウムの供給源はImerys社から購入可能な粉砕炭酸カルシウムであるCarbital 60(登録商標) である。最初の粒子サイズ分布を表3に示す。供給物の最初の固形物含量は78.3wt%だった。
【0077】
Carbolite(登録商標) 16/20 はCarboceramics社から購入可能なセラミック粉砕媒体である。
【0078】
実施例1
多数の試料を試験的規模のメディア粉砕機(pilot scale media grinder)を用いて調製した。粉砕機の入力エネルギーは25kWh/トンであった。供給材料はCarbital 60(登録商標)だった。
【0079】
Carbital 60(登録商標)を粉砕して所望の粒子サイズ分布を有する試料を調製した。これらをC95 及びC90と呼ぶ。C95生産物は、約95wt%の粉砕炭酸カルシウムが2μm未満であるようにさらに粉砕した粉砕Carbital 60(登録商標)試料をいう。C90生産物は約90wt%の粉砕炭酸カルシウムが2μm未満であるようにさらに粉砕した粉砕Carbital 60(登録商標)試料をいう。C95Tは比較の目的で存在し、標準炭酸カルシウム生産試料(Imerys社、 Tunadalから入手)。C95Tはより高い固形物含量で加工した。
【0080】
粉砕機はカーボライトメディア(Carbolite media)でチャージされた。Carbital 60(登録商標)供給材料は、粉砕の前に所望の固形濃度に水で希釈される。閉鎖したループ系を使用し、そこでは炭酸カルシウムはトランジ‐タンク(transi-tank)から粉砕機に粉砕機の製品とともにポンプで送り、続いて、ペッドはトランジ‐タンクの中へ輸送タンクを介してトランジ‐タンクに戻した。粉砕機への流速は約6リットル/分に設定された。流速がいったん設定されると、付加的な粉砕媒体が、30Aの初期粉砕エネルギー(消費電流)を得るために加えられた。使用されたエネルギーは20分毎に記録された。分散剤は(乾燥質量で)、C90試料に0.2wt%、C95試料にに0.3wt%徐々に粉砕工程にわたって加えた。
【0081】
結果を表1〜4に示す。
表1

【0082】
表2

【0083】
表 3

【0084】
64wt固体%におけるC95生成物の試料は市販の分散剤Capim DGと、C95が45部に対し分散剤55部の比率で混合する。目標固体量は68wt%だった。流動性のスラリーを維持するために、適切な量の水が加えられた。スラリー混合物は固体量、pH及び粘度を測定し、次に希釈し再測定した。表4は目標固体量が優位に超過している場合であっても、粘度は許容可能であることを示している。「メイクダウン」は最終の希釈前の測定を意味する。
【0085】
表 4

【0086】
本結果はとりわけ、従来の方法で製造した製品と比較して同様の値である<2μmの粒子サイズをなお有する、より急峻な試料(steeper samples)を含むスラリーを本発明に従って製造することができることを示す。
【0087】
本明細書において言及する粉砕炭酸塩の粒子サイズは、公知のSedigraph装置を用いて測定してもよい。粒状材料は十分に分散した状態で、Micromeritics Instruments Corporation(Norcross, Georgia, USA、電話番号: +1-770-662-3620; ウェブサイト: www.micromeritics.com)によって提供されたSedigraph 5100(本明細書では「Micromeritics Sedigraph 5100 unit」と言う)を用いて測定する。
【0088】
本明細書において特に述べない限り、粒子サイズ分布は粒子の寸法よりも小さい(よりも大きい(場合によっては))の質量パーセントを言う。
【0089】
特に示さない限り、明細書及び請求項において使用される成分の量、反応条件等を表す全ての数は全ての場合によって「約」という語によって改変されると理解される。従って、反対に示さない限り以下の明細書及び添付された請求項に示される数値パラメーターは、本発明で得ようとする所望の特性に依存して変化する近似である。
【0090】
他の実施態様は、ここで開示された本発明の詳細及び実施例を考慮して当業者にとって明らかである。詳細及び実施例は、以下の請求項により示される本発明の真の範囲及び精神は例示としてのみ認識されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の粒子サイズ分布を有する炭酸カルシウムの粒子の製造方法であって、
第1の場所において炭酸カルシウム供給物を粉砕して、約5% の2μm未満〜約75%の2μm未満の範囲の粒子サイズ分布を有する第1粉砕炭酸カルシウムを得る工程、
第1粉砕炭酸カルシウムを安定化させる工程、
安定化粉砕炭酸カルシウムを第2の場所に輸送する工程及び、
安定化粉砕炭酸カルシウムを第2の場所でさらに粉砕し所望の粒子サイズ分布を有する粒子状の炭酸カルシウムを製造する工程を含む、
前記製造方法。
【請求項2】
第1の場所が炭酸カルシウム供給源により近く、第2の場所がエンドユーザーの位置により近い、請求項1記載の方法。
【請求項3】
安定化工程が、第1粉砕炭酸カルシウムを脱水し、塊の形態にすることを含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
安定化工程が第1粉砕炭酸カルシウムに分散剤を添加することを含む、請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
安定化工程が第1粉砕炭酸カルシウムに濃縮剤を添加することを含む、請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
さらなる粉砕の前に、第1炭酸カルシウムの固形物含量を減少させることをさらに含む、請求項1〜5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
安定化粉砕炭酸カルシウムが少なくとも1つの分散剤を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
固形物含量の減少及びさらなる粉砕がさらに分散剤を導入することなく行われる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
安定化炭酸カルシウム内に存在する分散剤の量を選択して、減少させた固形物含量において粒子状炭酸カルシウムの凝集を起こし、それによりそれらの微粒子含量を減少させる、請求項7記載の方法。
【請求項10】
第1粉砕炭酸カルシウムの乾燥時のISO輝度が少なくとも約93である、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
第1粉砕炭酸カルシウムの乾燥時のISO輝度が少なくとも約95である、請求項1〜10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
第1粉砕炭酸カルシウムが約0.1%未満の、45μmを超えるesdを有する粒子を含む、請求項1〜11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
第1粉砕炭酸カルシウムが約50ppm未満の、25μmを超えるesdを有する粒子を含む、請求項1〜12いずれか1項記載の方法。
【請求項14】
第1粉砕炭酸カルシウムを十分に粉砕し、実質的に全ての混入している鉱物を遊離する、請求項1〜13いずれか1項記載の方法。
【請求項15】
第1粉砕炭酸カルシウムが2μm未満のesdを有する粒子を約10〜約30質量%の粒子サイズ分布で含む、請求項1〜14いずれか1項記載の方法。
【請求項16】
第1粉砕炭酸カルシウムが約20〜約78固体%の固形物含量を有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
第1粉砕炭酸カルシウムに浮遊選鉱法を行う、請求項16記載の方法。
【請求項18】
安定化が第1粉砕炭酸カルシウムを輸送前に固体又は半固体状態まで脱水することを含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
さらなる粉砕の前に、さらに水溶液を添加し、安定化炭酸カルシウムの固形物含量を約20〜約35%の範囲まで減少させる工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
所望の粒子サイズの範囲が、約75〜約90質量%が2μm未満のesdを有する粒子である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
所望の粒子サイズの範囲が、約10〜約15質量%が0.25μm未満のesdを有する粒子である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
所望の粒子サイズの範囲が、約75〜約90質量%の粒子が2μm未満のesdを有する粒子であることから、約10〜約15質量%の粒子が0.25μm未満のesdを有する粒子であることである、請求項19記載の方法。
【請求項23】
さらなる粉砕が約40〜約60kWh/tの間のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達する、請求項19記載の方法。
【請求項24】
さらなる粉砕の前に、さらに水溶液を添加し、安定化炭酸カルシウムの固形物含量を約60%から約78%の範囲まで減少させる工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項25】
所望の粒子サイズの範囲が、約60〜約100質量%の粒子が2μm未満のesdを有する粒子である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
さらなる粉砕が約55〜約320kWh/tの間のエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達する、請求項24記載の方法。
【請求項27】
安定化の前に、第1炭酸カルシウムをデグリッティングすることをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項28】
デグリッティングが、遠心分離によりグリットを分離することからなる請求項27記載の方法。
【請求項29】
安定化がポリマー性分散剤を第1炭酸カルシウムに加えることを含む、請求項15記載の方法。
【請求項30】
さらに第1炭酸カルシウムを脱水し、約70〜約80質量固体%の固形物含量にすることを含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
第1の場所における供給炭酸カルシウムの粉砕が少なくとも2つの別々の粉砕段階を含む、請求項29記載の方法。
【請求項32】
第1炭酸カルシウム粒子サイズの範囲が、約55〜約65質量%が2μm未満のesdを有する粒子である、請求項29記載の方法。
【請求項33】
さらなる粉砕が約60〜約78質量固体%の範囲の固形物含量で行われる、請求項29記載の方法。
【請求項34】
所望の粒子サイズの範囲が、約85が2μm未満〜約100%が2μm未満である、請求項29記載の方法。
【請求項35】
所望の粒子サイズの範囲が、約90が2μm未満〜約95%が2μm未満である、請求項29記載の方法。
【請求項36】
さらなる粉砕が約55 kWh/t〜約240 kWh/tのエネルギーを安定化炭酸カルシウムに伝達する、請求項29記載の方法。
【請求項37】
さらなる粉砕が約50%〜約60%の範囲の固形物含量で行われる、請求項29記載の方法。
【請求項38】
所望の粒子サイズの範囲が、約80〜約90%が2μm未満のesdを有する粒子である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
さらに粉砕が少なくとも2つの別々の粉砕工程を含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
2つの粉砕工程の間に、さらに約10〜約30部の層状鉱物を加えることを含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
輸送後に、さらに安定化炭酸カルシウムをデグリッティングすることを含む、請求項29記載の方法。
【請求項42】
デグリッティングが遠心分離によってグリットを分離すること含む、請求項29記載の方法。
【請求項43】
第2の場所において、加工炭酸カルシウムに付加的な鉱物材料を加える、請求項1〜42いずれか1項記載の方法。
【請求項44】
付加的鉱物材料がカオリン又はタルクである、請求項43記載の方法。
【請求項45】
付加的材料が安定化粉砕炭酸カルシウムと前記第2の場所において共粉砕される、請求項43又は44記載の方法。
【請求項46】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムが紙製品、インク組成物、ゴム組成物、塗料組成物、ポリマー組成物、セラミック組成物又はバリアーコーティングのいずれか一つに形成される、請求項1〜45いずれか1項記載の方法。
【請求項47】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムが、紙コーティング組成物に形成される又は紙製造工程において充填剤として使用される、請求項1〜46いずれか1項記載の方法。
【請求項48】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムが紙コーティング組成物に形成され、前記コーティング組成物がコート紙に使用される請求項1〜47いずれか1項記載の方法。
【請求項49】
コート紙が光沢紙である、請求項48記載の方法。
【請求項50】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムがセラミック組成物に形成され、セラミック組成物が成形され、乾燥され、焼かれ、製品に形成される、請求項46記載の方法。
【請求項51】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムがポリマー組成物に形成され、ポリマー組成物が製品に形成される、請求項46記載の方法。
【請求項52】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状炭酸カルシウムがコーティングとして使用される塗料組成物に形成される、請求項46記載の方法。
【請求項53】
所望の粒子サイズ分布を有する粒子状鉱物材料の製造方法であって、
(a) 鉱物材料の供給源を第1の場所で加工することにより、約5%が2μm未満〜約75%が2μm未満の範囲の粒子サイズ分布を有する第1加工鉱物を製造する工程、
(b) 第1加工鉱物を安定化させる工程、
(c) 安定化加工鉱物を第2の場所に輸送する工程、及び
(d) 安定化加工鉱物が第2の場所でさらに加工され、所望の粒子サイズ分布を有する加工鉱物を製造する工程、
を含む前記方法。
【請求項54】
鉱物材料が工程(a)における粉砕により加工される、請求項53記載の方法。
【請求項55】
鉱物材料が工程(d)において粉砕により加工される、請求項53又は54記載の方法。
【請求項56】
鉱物材料が工程(d)において化学的処理により加工される、請求項53又は54記載の方法。
【請求項57】
前記化学的処理が分散剤又は表面改質剤を用いた処理である、請求項56記載の方法。
【請求項58】
鉱物材料が工程(d)において他の鉱物材料と混合することにより加工される、請求項53又は54記載の方法。
【請求項59】
前記他の鉱物材料が異なる鉱物材料である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記他の鉱物材料がカオリン又はタルクである、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記他の鉱物材料が工程(a)において加工されていた鉱物材料と同じであるが、異なる粒子サイズ分布を有する、請求項58記載の方法。
【請求項62】
付加的鉱物材料が工程(d)において共粉砕される、請求項58〜61いずれか1項記載の方法。
【請求項63】
工程(d)においてさらに粉砕した後に付加的な鉱物材料を加える、請求項58〜61いずれか1項記載の方法。
【請求項64】
工程(a)で加工される鉱物材料がアルカリ土類金属炭酸塩である、請求項53〜63いずれか1項記載の方法。
【請求項65】
工程(a)で加工される鉱物材料が炭酸カルシウムである、請求項53〜63いずれか1項記載の方法。
【請求項66】
所望の粒子サイズ分布を有する鉱物材料が任意の紙製品、インク組成物、ゴム組成物、塗料組成物、ポリマー組成物、セラミック組成物又はバリアーコーティングに形成される、請求項53〜65いずれか1項記載の方法。
【請求項67】
所望の粒子サイズ分布を有する加工鉱物が紙コーティング組成物に形成され又は紙製造工程において充填剤として使用される、請求項66記載の方法。
【請求項68】
所望の粒子サイズ分布を有する加工鉱物が紙コーティング組成物に形成され、コーティング材料がコート紙に使用される、請求項67記載の方法。
【請求項69】
コートされた紙が光沢紙である、請求項68記載の方法。
【請求項70】
所望の粒子サイズ分布を有する加工鉱物がセラミック組成物に形成され、セラミック組成物が成形、乾燥、焼かれて製品を形成する、請求項66記載の方法。
【請求項71】
所望の粒子サイズ分布を有する加工鉱物がポリマー組成物に形成され、ポリマー組成物が物品に形成される、請求項66記載の方法。
【請求項72】
所望の粒子サイズ分布を有する加工鉱物を、コーティングとして使用する塗料組成物に形成する請求項66記載の方法。

【公表番号】特表2009−531267(P2009−531267A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502211(P2009−502211)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001124
【国際公開番号】WO2007/110639
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(504240717)イメリーズ ミネラルズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】