説明

粘着転写具

【課題】簡単な操作によって、粘着剤の被転写面へのスポット状転写、ライン状転写のいずれにも選択して確実に転写できるようにすること。
【解決手段】テープ基材2の片面に粘着剤3を有する転写テープ1を巻装する供給リール20と、転写テープを巻き取る巻取リール30と、転写テープの粘着剤を被転写面に転写する転写ヘッド40とを具備する粘着転写具において、転写ヘッドは、一端が揺動可能に枢着され、自由端部に転写テープとの接触面が円弧状をなす第1の転写部45aと、第1の転写部と枢着部との間に平坦状の転写面45cを有する第2の転写部45bと、自由端側を被転写面側に付勢するばね部材46を具備する。ばね部材の付勢力に抗して第2の転写部を被転写面に押圧して、粘着剤の被転写面へのスポット転写、又は、ばね部材の付勢力によって第1の転写部を被転写面に押圧した状態で移動させて、粘着剤の被転写面へのライン状の転写を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は粘着転写具に関するもので、更に詳細には、テープ基材に担持された粘着剤をスポット状あるいは所定の長さのライン状に転写可能にした粘着転写具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばポスターや写真等の貼付や封筒の糊付け等にテープ基材の片面に粘着剤を担持した転写テープが使用されている。この転写テープはロール状にリールに巻装され、転写具のケースに配設されて使用されている。
【0003】
上記転写テープから粘着剤を被転写面に転写する転写具は、例えば、本体ケース内に、テープ基材の片面に粘着剤を有する転写テープを巻装する回転可能な供給リールと、この供給リールから引き出された転写テープのテープ基材を巻き取る回転可能な巻取リールと、上記供給リールから引き出された転写テープの粘着剤を被転写面に転写する、転写面が平坦状の転写ヘッドと、を具備してなる。
【0004】
このように構成される転写具において、粘着剤をスポット状に転写する場合には、ヘッドを被転写面の転写箇所に当接して、ヘッドの弾性体を押圧作動により圧縮変形することにより、転写テープの粘着剤を被転写面に転写し、また、粘着剤をライン状に転写する場合には、転写面の角部を被転写面に当接し、本体ケースを被転写面方向に押圧した状態で、被転写面に対し平行方向に移動させて、粘着剤をライン状に転写する転写具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、別の転写具として、転写ヘッドを、互いに間隔をおいて配置されるほぼ平行な軸周りに回転可能な複数のローラと、これらローラの周囲に閉ループ・ベルトを装架した構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−227386号公報(特許請求の範囲、図1,図2,図6)
【特許文献2】特表2006−516931号公報(特許請求の範囲、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、粘着剤をライン状に転写する場合には、平坦状の転写面の角部を被転写面に押圧した状態で、被転写面に対し平行方向に移動させるため、転写具を被転写面に対して傾斜させる必要がある。このように、転写具を被転写面に対して傾斜させて移動すると、転写テープの幅方向の当接状態で不安定になり、粘着剤の転写が不十分となる虞がある。また、平坦状の転写面の角部を被転写面に押圧するため、転写テープの小さい面積に過度の力が加わり、転写テープが損傷を受けるという問題もある。
【0007】
これに対して、特許文献2に記載のものは、転写ヘッドが、互いに間隔をおいて配置されるほぼ平行な軸周りに回転可能な複数のローラと、これらローラの周囲に装架される閉ループ・ベルトとで構成されているため、特許文献1に記載のものに比べて小さな力で転写ヘッドを被転写面に押圧することができる。しかし、特許文献2に記載のものにおいては、間隔を置いて配置されたローラの周囲に閉ループ・ベルトを装架して転写ヘッドを構成するため、粘着剤をドット状に転写する場合に、転写ヘッドの平坦面を被転写面に当接して押圧すると、ローラ間の閉ループ・ベルトが被転写面から離れた方向に撓む虞があり、粘着剤が十分に転写できないという問題がある。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な操作によって、粘着剤の被転写面へのスポット状転写、あるいは、ライン状転写のいずれにも選択して確実に転写できるようにした粘着転写具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は、ケース内に、テープ基材の片面に粘着剤を有する転写テープを巻装する回転可能な供給リールと、上記供給リールから引き出された転写テープのテープ基材を巻き取る回転可能な巻取リールと、上記供給リールから引き出された転写テープの粘着剤を被転写面に転写する転写ヘッドと、を配設してなる粘着転写具であって、上記転写ヘッドは、一端が上記ケースに揺動可能に枢着され、自由端部に上記転写テープとの接触面が円弧状をなす第1の転写部を具備すると共に、第1の転写部と枢着部との間に位置する平坦状の転写面を有する第2の転写部を具備し、かつ、自由端側を被転写面側に付勢するばね部材を具備してなり、上記ばね部材の付勢力に抗して上記第2の転写部を被転写面に押圧した後、第2の転写部を被転写面から後退して、上記粘着剤の被転写面へのスポット転写、又は、上記ばね部材の付勢力によって上記第1の転写部を被転写面に押圧した状態で、被転写面上を移動させて、上記粘着剤の被転写面へのライン状の転写のいずれかを選択的に行えるように形成してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
【0010】
このように構成することにより、ばね部材の付勢力に抗して第2の転写部を被転写面に押圧した後、第2の転写部を被転写面から後退することで、第2の転写部の平坦状の転写面によって押圧された転写テープの粘着剤が被転写面にスポット状に転写される。また、ばね部材の付勢力によって第1の転写部を被転写面に押圧した状態で、被転写面上を移動させることで、供給リールから引き出された転写テープは第1の転写部によって連続して被転写面に押圧され、転写テープの粘着剤が被転写面にライン状に転写される。
【0011】
この発明において、上記第1の転写部は、転写テープとの接触面が円弧状に形成されていれば、転写ヘッドに固定されるものであってもよいが、好ましくは、第1の転写部を、転写ヘッドに回転自在に枢着されるローラによって形成する方がよい(請求項2)。
【0012】
このように構成することにより、第1の転写部を被転写面に押圧した後の被転写面上の移動を円滑にすることができる。
【0013】
また、この発明において、上記第2の転写部の平坦状の転写面を、弾性を有する板部材によって形成する方が好ましい(請求項3)。
【0014】
このように構成することにより、第2の転写部の転写面を被転写面に押圧した際に、ばね部材の付勢力と板部材の弾性変形の相乗作用によって被転写面の凹凸を吸収することができる。
【0015】
また、この発明において、上記転写ヘッドにおける第2の転写部の転写面、及び第1の転写部を除く転写テープが接触する部分に、転写テープの移動を円滑にする滑りカバー部材を被着する方が好ましい(請求項4)。
【0016】
このように構成することにより、転写ヘッドと転写テープとの接触摩擦を小さくすることができ、転写テープの移動を円滑にすることができる。
【0017】
また、この発明において、上記第2の転写部を被転写面から後退する際に、上記転写テープを上記巻取リールに巻き取る巻取機構を更に具備する方が好ましい。この場合、上記巻取機構は、上記転写ヘッドの枢着部と同軸上に装着される扇形ギアと、この扇形ギアと噛合可能であって、上記供給リールの回転部と同軸上に装着される転写テープの引き出し方向のみに供給リールに回転を伝達する供給ギアと、この供給ギアと同軸上に装着される駆動ギアと、この駆動ギアに遊星ギアを介して噛合され、上記巻取リールの回転部と同軸上に装着される従動ギアとからなる構成とする方が好ましい(請求項5)。
【0018】
このように構成することにより、第2の転写部の転写面を被転写面に当接して押圧する際、転写ヘッドの回動に伴って扇形ギアが回動し、この扇形ギアが、供給リールの枢着部と同軸上に装着された供給ギアに噛合して、供給リールを回動しない状態で供給ギアを回動すると同時に、駆動ギアを回動し、遊星ギアを介して巻取リールの回転部と同軸上に装着された従動ギアを回動することで、転写ヘッドと巻取リールとの間の転写テープを巻取リールに巻き取ることができる。
【0019】
また、この発明において、上記ばね部材の付勢力に抗して上記第2の転写部の全域が被転写面に押圧された際に、確認のための音を発する確認音発生機構を更に具備する方が好ましい。この場合、上記確認音発生機構は、上記転写ヘッドの枢着部と同軸上に装着される回動部材と、上記ケースに一端が固定され、上記第2の転写部の全域が被転写面に押圧された際に上記回動部材に間欠的に係合し、かつ、間欠的に係合した際に振動して音を発生する、復元性を有する可撓爪部材とを具備する構成とする方が好ましい(請求項6)。この場合、上記回動部材を、上記供給リールの枢着部と同軸上に装着される転写テープの引き出し方向のみに回転可能な供給ギアと噛合可能な扇形ギアによって形成する方が好ましい(請求項7)。
【0020】
このように構成することにより、第2の転写部の転写面を被転写面に当接する際、転写ヘッドの回動に伴って回動部材が回動し、転写面の全域が被転写面に当接すると、回動部材が可撓爪部材に間欠的に係合し、可撓爪部材が振動して音を発生する。これにより、使用者は、第2の転写部の転写面の全域が被転写面に当接されたことを確認することができる。この場合、回動部材を、供給リールの枢着部と同軸上に装着される転写テープの引き出し方向のみに回転可能な供給ギアと噛合可能な扇形ギアによって形成することで、転写テープの引出し機構と確認音発生機構の構成部材の一部を共通して構成することができる(請求項7)。
【発明の効果】
【0021】
この発明の粘着転写具によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0022】
(1)請求項1記載の発明によれば、ばね部材の付勢力に抗して第2の転写部を被転写面に押圧した後、第2の転写部を被転写面から後退することで、転写テープの粘着剤を被転写面にスポット状に転写し、また、ばね部材の付勢力によって第1の転写部を被転写面に押圧した状態で、被転写面上を移動させることで、転写テープの粘着剤を被転写面にライン状に転写することができるので、簡単な操作によって、粘着剤の被転写面へのスポット状転写、あるいは、ライン状転写を選択して確実に行うことができる。
【0023】
(2)請求項2記載の発明によれば、第1の転写部を被転写面に押圧した後の被転写面上の移動を円滑にすることができるので、上記(1)に加えて、更に粘着剤のライン状転写を容易にすることができる。
【0024】
(3)請求項3記載の発明によれば、第2の転写部の転写面を被転写面に押圧した際に、ばね部材の付勢力と板部材の弾性変形の相乗作用によって被転写面の凹凸を吸収することができるので、上記(1),(2)に加えて、更に被転写面への粘着剤の転写を確実にすることができる。
【0025】
(4)請求項4記載の発明によれば、転写ヘッドと転写テープとの接触摩擦を小さくすることができ、転写テープの移動を円滑にすることができるので、上記(1)〜(3)に加えて、更に転写テープの転写ヘッドへの移動を円滑にすることができ、転写作業を効率よく行うことができる。
【0026】
(5)請求項5記載の発明によれば、スポット状転写の動作と連動して転写テープの巻取機構を作動させて、転写テープを巻き取ることができるので、上記(1)〜(4)に加えて、更に転写テープの弛みを防止することができると共に、粘着剤の転写を確実にすることができる。
【0027】
(6)請求項6記載の発明によれば、スポット状転写の際に、転写ヘッドの回動に伴って回動する回動部材が可撓爪部材に間欠的に係合し、可撓爪部材が振動して音を発生することで、使用者は、第2の転写部の転写面の全域が被転写面に当接されたことを確認することができるので、上記(1)〜(5)に加えて、更にスポット状転写を確実に行うことができる。この場合、回動部材を、供給リールの枢着部と同軸上に装着される転写テープの引き出し方向のみに回転可能な供給ギアと噛合可能な扇形ギアによって形成することで、転写テープの引出し機構と確認音発生機構の構成部材の一部を共通して構成することができるので、構成部材の削減が図れると共に、粘着転写具を小型に形成することができる(請求項7)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は、この発明に係る粘着転写具の要部を示す正面概略斜視図、図2は、粘着転写具の要部を示す背面概略斜視図、図3は、粘着転写具の要部を示す正面断面図(a)、(a)のI部拡大断面図(b)及び背面断面図(c)である。
【0030】
上記粘着転写具は、ケース10と、テープ基材2の片面に粘着剤3を有する転写テープ1を巻装する回転可能な供給リール20と、供給リール20から引き出された転写テープ1のテープ基材2を巻き取る回転可能な巻取リール30と、供給リール20から引き出された転写テープ1の粘着剤3を被転写面4に転写する転写ヘッド40と、巻取リール30に転写テープ1を巻き取る巻取機構50と、ドット状の転写時に確認音を発生する確認音発生機構60と、を具備している。
【0031】
上記転写テープ1は、例えば剥離紙によって形成されるテープ基材2の片面に、例えばアクリル系粘着剤からなる粘着剤3を例えばテープ基材2の長手方向及び幅方向に千鳥状、あるいは、等間隔に配置してパターン化した感圧テープによって形成されている。
【0032】
上記ケース10は、図4に示すように、略楕円形状のベース部12の周縁に起立壁部13を設けたケース本体11と、ケース10内に配設される供給リール20,巻取リール30及び転写ヘッド40を支持する仕切板14と、ケース本体11の開口部を開閉可能に塞ぐカバー体15とで構成されている。この場合、ケース本体11とカバー体15は、透明性の例えばポリスチレン樹脂等の合成樹脂製部材によって形成されている。また、カバー体15の一端部には、転写ヘッド40が出没可能なように切欠部16が設けられている。また、仕切板14は、例えばポリアセタール樹脂等の不透明な合成樹脂によって形成されている。なお、ケース本体11の起立壁部13における切欠部16と対向する側には、後述する転写テープ1の交換用カートリッジ70が取り付け及び取り外しが可能なように一対のスリット17が設けられている。
【0033】
また、ケース本体11のベース部12には、このベース部12の略中央部に位置し、供給リール20を回転可能に取り付けるための第1の支持軸18aと、この第1の支持軸18aよりベース部12の端部側に位置し、巻取リール30を回転可能に取り付けるための第2の支持軸18bと、第2の支持軸18bと反対の端部側に位置し、転写ヘッド40を揺動可能に取り付けるための第3の支持軸18cが突設されている。
【0034】
第1の支持軸18aには、駆動ギア51と、この駆動ギア51より小径の供給ギア52がそれぞれ回転可能に枢着されている。この場合、駆動ギア51には、第1の支持軸18aに回転可能に枢着される回転筒部51aが突設されており、この回転筒部51aに供給リール20が着脱可能に装着されている。また、供給ギア52と駆動ギア51には転写テープ1の引き出し方向のみに供給リール20に回転を伝達するクラッチ機構55が組み込まれている。このクラッチ機構55は、図7に示すように、供給ギア52の同心円上の2箇所に円弧状に突設された弾性変形可能なラチェット爪55aと、駆動ギア51の同心円上に設けられ、ラチェット爪55aが係合可能なラチェット内歯55bとで構成されている。このクラッチ機構55により、スポット状転写時に、供給ギア52と、後述する扇形ギア41が噛合したときに、供給リール20を回動させずに供給ギア52が回動する。
【0035】
第2の支持軸18bには、従動ギア54が回転可能に枢着されている。この従動ギア54には、第2の支持軸18bに回転可能に枢着される鍔付き回転筒部54aが突設されており、この回転筒部54aに逆転防止機構56とブレーキ機構57を介して巻取リール30が着脱可能に装着されている。
【0036】
この場合、逆転防止機構56は、図2に示すように、従動ギア54と一体に設けられた鍔部54bの外周に弾性変形可能に突設されたラチェット爪54cと、仕切板14に設けられた回転筒部54aを貫挿する貫通孔14bの周縁に設けられ、ラチェット爪54cが係合可能なラチェット内歯54dとで構成されている。また、ブレーキ機構57は、回転筒部54aの外周に隙間をおいて嵌装され、一端が回転筒部54aの鍔部54bに接触するコイルばね57aと、このコイルばね57aを包囲すると共に、コイルばね57aの他端に接触するキャップ本体57bと、を具備し、キャップ本体57bから突出する脚部57cを、回転筒部54aの内方に挿入し、先端部に設けた係止爪57dを回転筒部54aの開口縁に係合するように構成されている。このように構成されるブレーキ機構57によれば、コイルばね57aの弾発力による摩擦によって巻取リール30の回転をガタツキのない状態に安定させることができる。
【0037】
なお、巻取リール30の表面側のフランジ部31の周辺部には、同心円上に等間隔に複数の小孔32が穿設されている。また、このフランジ部31の表面には巻取方向を表示する矢印33が施されている。このように、巻取リール30のフランジ部31に小孔32と矢印33を設けることにより、使用中に転写テープ1の巻き取りが弛んだ際に、ケース10のカバー体15に設けられた窓穴15aを介して挿入される操作ピン(図示せず)を小孔32に係合して、巻取リール30を巻取方向に回動することができる。
【0038】
第3の支持軸18cには、扇形ギア41が回転可能に枢着されている。この扇形ギア41には、第3の支持軸18cに回転可能に枢着される回転筒部41aが突設されており、この回転筒部41aに転写ヘッド40の一端に突設された突軸42が嵌挿されている。また、扇形ギア41の表面側の中間部には同心円状の円弧溝部43が突設されており、この円弧溝部43の溝内に、転写ヘッド40に突設された円弧状凸部44が嵌合されて、転写ヘッド40と扇形ギア41が一体的に構成されている。
【0039】
上記巻取機構50は、転写ヘッド40の枢着部に装着される扇形ギア41、この扇形ギア41に噛合可能であって、供給リール20の回転部と同軸上に装着される、転写テープ1の引き出し方向のみに供給リール20に回転を伝達する供給ギア52と、この供給ギア52と同軸上に装着される駆動ギア51と、この駆動ギア51に遊星ギア53を介して噛合され、巻取リール30の回転部と同軸上に装着される従動ギア54とで構成されている。
【0040】
このように構成される巻取機構50によれば、第2の転写部45bの転写面45cを被転写面4に当接して押圧する際、転写ヘッド40の回動に伴って扇形ギア41が回動し、この扇形ギア41が供給ギア52に噛合して、供給リール20を回動しない状態で供給ギア52を回動すると同時に、駆動ギア51を回動し、遊星ギア53を介して従動ギア54を回動することで、転写ヘッド40と巻取リール30との間の転写テープ1を巻取リール30に巻き取ることができる。したがって、スポット状転写のときに、ばね部材46の付勢力に抗して転写ヘッド40を揺動することによって生じる転写テープ1の弛みを防止することができる。
【0041】
なお、巻取機構50を構成する扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53及び従動ギア54は、それぞれ引張強度及び曲げ強度に優れた材質、例えばポリアセタール樹脂等の合成樹脂によって形成されている。
【0042】
一方、上記転写ヘッド40は、上述したように、第3の支持軸18cに回転可能に枢着される扇形ギア41の回転筒部41aに突軸42が嵌挿されることで、一端がケース10のベース部12に突設された第3の支持軸18cに揺動可能に構成されている。この転写ヘッド40は、他端の自由端部に転写テープ1との接触面が円弧状をなす第1の転写部45aを具備すると共に、第1の転写部45aと枢着部(第3の支持軸18c部)との間に位置する平坦状の転写面45cを有する第2の転写部45bを具備し、かつ、自由端側を被転写面4側に付勢するばね部材46を具備している。なお、転写ヘッド40は、扇形ギア41の円弧溝部43と嵌合する円弧状凸部44を裏面側に突設し、下面に転写面45cを有するヘッド基部40aと、このヘッド基部40aの表面側に連結されるヘッド前部40bと、連結されたヘッド基部40aとヘッド前部40bを被嵌するヘッドカバー40cとで構成されている。これらヘッド基部40a,ヘッド前部40b及びヘッドカバー40cは、それぞれ例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂等の合成樹脂製部材によって形成されている。
【0043】
この場合、第1の転写部45aは、転写ヘッド40の自由端部の開口部47に回転自在に枢着される回転軸48aと、この回転軸48aの外周に被着される例えばシリコン製の転写ローラ48bによって形成されている。
【0044】
第2の転写部45bは、転写ヘッド40における第1の転写部45aと枢着部との間に設けられた凹溝49a内に嵌挿される断面略台形状の例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂等の合成樹脂製部材によって形成されるヘッドピース49bによって形成されており、転写面45cを形成するヘッドピース49bの表面には例えば弾性を有する板部材、例えば不織布や合成ゴム製部材によって形成されるクッション部材90が接着されている。また、クッション部材90の表面側には、転写テープ1の移動を円滑にする第1の滑りカバー部材101が被着されている。なお、第2の転写部45bは必ずしもヘッドピース49bによって形成する必要はなく、転写ヘッド40に一体に形成してもよい。
【0045】
また、転写ヘッド40における第1の転写部45aを除く転写テープ1が接触する部分には、転写テープ1の移動を円滑にする第2の滑りカバー部材102が被着されている。なお、カバー体15の切欠部16における第1の転写部45aと対向する部分には、転写テープ1の移動を円滑にする第3の滑りカバー部材103が被着されている。
【0046】
上記のように、転写ヘッド40に第1の滑りカバー部材101と第2の滑りカバー部材102を被着し、カバー体15の第1の転写部45aと対向する部位に第3の滑りカバー部材103を被着することにより、転写ヘッド40を移動する転写テープ1の移動を円滑にすることができると共に、転写ヘッド40との摩擦によって生じる転写テープ1の損傷を防止することができる。
【0047】
ばね部材46は、例えば第3の支持軸18cに回転可能に枢着される扇形ギア41の回転筒部41aに巻装され、一端がケース本体11のベース部12に突設される係止溝部12aに係止し、他端が転写ヘッド40に係止する、ねじりコイルばねによって形成されている。このように形成されるばね部材46の付勢力すなわち弾発力によって転写ヘッド40の自由端側が被転写面4側に押圧される。なお、ばね部材46は、転写ヘッド40の自由端部側すなわち第1の転写部45a側を被転写面4側に弾性力を付勢するものであれば、ねじりコイルばね以外のばね部材であってもよい。
【0048】
上記確認音発生機構60は、転写ヘッド40の枢着部と同軸上に装着される回動部材例えば扇形ギア41、ケース本体11のベース部12に一端が固定され、第2の転写部45bの全域が被転写面4に押圧された際に扇形ギア41に間欠的に係合し、かつ、間欠的に係合した際に振動して音を発生する、復元性を有する可撓爪部材61とで構成されている。この場合、可撓爪部材61は、ケース本体11のベース部12に突設された2本の固定柱12bに嵌合される2つの嵌合孔62を有する略楕円形状の固定部63と、この固定部63の上端側部から下方側に向かって湾曲状に垂下する先端に尖形状の爪部64とで構成されている。このように構成される可撓爪部材61は、引張強度及び曲げ強度に優れた可撓性を有する材質、例えばポリアセタール樹脂等の合成樹脂によって形成されている。
【0049】
上記のように、扇形ギア41可撓爪部材61とで確認音発生機構60を構成することにより、巻取機構50を構成する扇形ギア41を共通して使用することができるので、構成部材の削減が図れると共に、粘着転写具を小型に形成することができる。
【0050】
なお、上記巻取機構50と確認音発生機構60を構成する扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53,従動ギア54及び可撓爪部材61を、ケース本体11内に配設するには、予め仕切板14に、これら扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53,従動ギア54及び可撓爪部材61を取り付けた後、ケース本体11内に配設する。
【0051】
すなわち、図4に示すように、まず、駆動ギア51に突設された回転筒部51aを貫挿する貫通孔14aと、従動ギア54に突設された鍔付き回転筒部54aを貫挿する貫通孔14bと、扇形ギア41に突設された回転筒部41aを嵌挿する貫通孔14c及び扇形ギア41に突設された円弧溝部43を貫挿する円弧状孔14dを有する仕切板14を介して、この仕切板14の一方の面(裏面)に、扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53,従動ギア54及び可撓爪部材61を配置し、他方の面(表面)に、カートリッジ80によって回転可能に保持された転写テープ1を巻装した供給リール20と巻取リール30を配置する。
【0052】
次に、仕切板14と共に扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53,従動ギア54及び可撓爪部材61と、供給リール20及び巻取リール30を、ケース本体11内に収容する。この際、仕切板14の裏面側に突設された弾性変形可能な係止爪14eをケース本体11のベース部12に突設された係止受け部12cにスナップ嵌合して、仕切板14をケース本体11に固定する(図4参照)。そして、ケース本体11の開口部11aにカバー体15を被着て組み付けを終了し、使用に供することができる。
【0053】
なお、不使用時には、ケース本体11とカバー体15の切欠部16側に、例えばポリプロピレン等の合成樹脂製部材によって形成されるキャップ19を被着して、カバー体15の切欠部16から突出する転写ヘッド40をキャップ19によって被覆する。このキャップ19もケース本体11及びカバー体15と同様に透明に形成されている。
【0054】
上記のように構成することにより、ケース10の表裏面側を区画する不透明の仕切板14によって、裏面側に扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53,従動ギア54及び可撓爪部材61を配置し、表面側に供給リール20,巻取リール30及び転写テープ1を配置することができる。したがって、透明性のケース10の表面からは供給リール20,巻取リール30及び転写テープ1が目視でき、裏面側からは扇形ギア41,供給ギア52,駆動ギア51,遊星ギア53,従動ギア54及び可撓爪部材61を目視することができる。
【0055】
なお、転写テープ1を交換する場合は、図9に示すように、新規の転写テープ1を巻装した供給リール20と空の巻取リール30をカートリッジ80の保持爪81,82で固定し、この固定された供給リール20と巻取リール30を仮保持する交換用カートリッジ70を用いて転写テープ1を交換する。
【0056】
交換用カートリッジ70は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂製部材によって形成されている。この交換用カートリッジ70は、図10に示すように、巻取リール30の巻取胴部30aの半分の領域を保持する円弧状帯片からなる第1の保持部71と、この第1の保持部71から外方に延在し、供給リール20に巻装された転写テープ1の外周を保持する第2の保持部72と、第1の保持部71と第2の保持部72の幅方向の一端から外方に折曲される折曲片73と、折曲片73における第1の保持部71側の外方に延在する摘み片74と、折曲片73における摘み片74の近傍に対峙して設けられる一対の係止片75を具備している。この場合、第2の保持部72は、第1の保持部71の一端部から直状に延在する保持片76と、第1の保持部71の他端部から拡開方向に延在し、先端部が内方側に屈曲する屈曲保持片77とで構成され、保持片76と屈曲保持片77とが相対的に接離方向に弾性変形することで、供給リール20に巻装された転写テープ1の外周を保持する。
【0057】
上記のように構成される交換用カートリッジ70を用いて転写テープ1を交換するには、まず、両端に保持爪81,82を有するカートリッジ80によって回転可能に保持された供給リール20と巻取リール30を交換用カートリッジ70によって仮保持する。次に、図10(a)に示すように、カバー体15を開放した空のケース本体11内に交換用カートリッジ70と共に新規の転写テープ1を巻装した供給リール20と巻取リール30を収容する。この際、交換用カートリッジ70に設けられた一対の係止片75を、ケース本体11の起立壁部13に設けられたスリット17に挿入する。そして、ケース本体11の外方に突出する摘み片74を引っ張って係止片75をスリット17から外方へ移動し交換用カートリッジ70の仮保持状態を解き、交換用カートリッジ70を外方へ取り出して転写テープ1の交換を完了する(図10(b)参照)。その後、カバー体15を閉じて使用に供することができる。
【0058】
次に、上記実施形態に係る粘着転写具の動作態様について説明する。
【0059】
<スポット転写>
被転写面4に粘着剤3をスポット状に転写するには、まず、粘着転写具を被転写面4の転写する位置の上方に移動する(図8(a)参照)。
【0060】
次に、転写ヘッド40の自由端側すなわち第1の転写部45aを被転写面4に当接した状態で、ばね部材46の付勢力に抗して第2の転写部45bを被転写面4に押圧する(図8(b)参照)。このとき、転写ヘッド40の回動に伴って扇形ギア41が回動し、転写面45cの全域が被転写面4に当接すると、扇形ギア41が可撓爪部材61の爪部64に間欠的に係合し、可撓爪部材61が振動して音を発生する。これにより、使用者は、第2の転写部45bの転写面45cの全域が被転写面4に当接されたことを確認することができる。
【0061】
また、転写ヘッド40の回動に伴って扇形ギア41が回動し、この扇形ギア41が供給ギア52に噛合して、供給リール20を回動しない状態で供給ギア52を回動すると同時に、駆動ギア51を回動する。この駆動ギア51の回動に伴って遊星ギア53を介して従動ギア54が回動すると共に、巻取リール30を巻き取り方向に回動する。これにより、巻取リール30と転写ヘッド40の自由端側との間の転写テープ1(具体的にはテープ基材2)が巻取リール30に巻き取られて、ばね部材46の付勢力に抗して転写ヘッド40を揺動することによって生じる弛みが防止される。
【0062】
次に、第2の転写部45bを被転写面4から後退することで、転写テープ1の粘着剤3が被転写面4にスポット状に転写される(図8(c)参照)。第2の転写部45bを被転写面4から後退すると、ばね部材46の付勢力によって転写ヘッド40と扇形ギア41が元の位置に回動し、扇形ギア41が供給ギア52に噛合して、供給リール20を回動する一方、駆動ギア51も回動し、駆動ギア51の回動に伴って遊星ギア53を介して従動ギア54が回動する。これにより、供給リール20から転写テープ1が引き出されると共に、巻取リール30に巻き取られ、転写ヘッド40に未使用の転写テープ1がセットされる。
【0063】
<ライン状転写>
被転写面4に粘着剤3をライン状に転写するには、まず、粘着転写具を被転写面4の転写する位置の上方に移動する(図9(a)参照)。
【0064】
次に、第1の転写部45aを被転写面4に当接し、ばね部材46の付勢力によって第1の転写部45aを被転写面4に押圧する(図9(b)参照)。この状態で、粘着転写具を被転写面4に対して平行移動することで、第1の転写部45aが被転写面4上を移動して、転写テープ1の粘着剤3が被転写面4にライン状に転写される(図9(c)参照)。このとき、粘着転写具の移動に伴って転写テープ1は供給リール20から引き出され、供給リール20が回動する。供給リール20の回動に伴って駆動ギア51が回動し、駆動ギア51の回動に伴って遊星ギア53を介して従動ギア54が回動して巻取リール30が回動して転写テープ1(具体的にはテープ基材2)を巻き取る。
【0065】
粘着転写具を移動して、粘着剤3を所定の長さ転写した後、第1の転写部45aを被転写面4から後退することで、転写テープ1の粘着剤3が被転写面4に所定の長さライン状に転写される(図9(d)参照)。
【0066】
なお、上記実施形態では、転写テープ1の粘着剤3をテープ基材2の長手方向及び幅方向に千鳥状、あるいは、等間隔に配置してパターン化した場合について説明したが、粘着剤3の形態は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、テープ基材2の片面に適宜間隔をおいて互いに平行に配置される複数の帯状の粘着剤を担持させたものや、転写面45cより小さい面積を有する粘着剤を、適宜間隔をおいて配置したものなど任意のパターン化したものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明に係る粘着転写具の要部を示す概略正面斜視図である。
【図2】上記粘着転写具の要部を示す概略背面斜視図である。
【図3】上記粘着転写具の要部を示す正面断面図(a)、(a)のI部拡大断面図(b)及び粘着転写具の要部を示す背面断面図(c)である。
【図4】上記粘着転写具の要部を示す分解斜視図である。
【図5】この発明における転写ヘッドを示す斜視図(a)、転写ヘッドの正面図(b)及び転写ヘッドの背面図(c)である。
【図6】上記転写ヘッドの分解斜視図である。
【図7】この発明における供給リール,巻取リール、巻取機構及び確認音発生機構を構成する部材を示す分解斜視図である。
【図8】スポット状転写を行う場合の動作態様を示す概略断面図で、(a)は転写前の状態、(b)はスポット状転写時の状態、(c)はスポット状転写後の状態である。
【図9】ライン状転写を行う場合の動作態様を示す概略断面図で、(a)は転写前の状態、(b)はライン状転写開始時の状態、(c)はライン状転写中の状態、(d)はライン状転写後の状態である。
【図10】この発明における転写テープのカートリッジと交換用カートリッジを示す斜視図である。
【図11】転写テープの交換状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1 転写テープ
2 テープ基材
3 粘着剤
4 被転写面
10 ケース
11 ケース本体
14 仕切板
15 カバー体
20 供給リール
30 巻取リール
40 転写ヘッド
41 扇形ギア(回動部材)
45a 第1の転写部
45b 第2の転写部
45c 転写面
46 ばね部材
48b 転写ローラ
50 巻取機構
51 駆動ギア
52 供給ギア
53 遊星ギア
54 従動ギア
55 クラッチ機構
56 逆転防止機構
60 確認音発生機構
61 可撓爪部材
90 クッション部材(板部材)
101 第1の滑りカバー部材
102 第2の滑りカバー部材
103 第3の滑りカバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に、テープ基材の片面に粘着剤を有する転写テープを巻装する回転可能な供給リールと、上記供給リールから引き出された転写テープのテープ基材を巻き取る回転可能な巻取リールと、上記供給リールから引き出された転写テープの粘着剤を被転写面に転写する転写ヘッドと、を配設してなる粘着転写具であって、
上記転写ヘッドは、
一端が上記ケースに揺動可能に枢着され、自由端部に上記転写テープとの接触面が円弧状をなす第1の転写部を具備すると共に、第1の転写部と枢着部との間に位置する平坦状の転写面を有する第2の転写部を具備し、かつ、自由端側を被転写面側に付勢するばね部材を具備してなり、
上記ばね部材の付勢力に抗して上記第2の転写部を被転写面に押圧した後、第2の転写部を被転写面から後退して、上記粘着剤の被転写面へのスポット転写、又は、上記ばね部材の付勢力によって上記第1の転写部を被転写面に押圧した状態で、被転写面上を移動させて、上記粘着剤の被転写面へのライン状の転写のいずれかを選択的に行えるように形成してなる、
ことを特徴とする粘着転写具。
【請求項2】
上記第1の転写部が、転写ヘッドに回転自在に枢着されるローラである、ことを特徴とする請求項1記載の粘着転写具。
【請求項3】
上記第2の転写部の平坦状の転写面が、弾性を有する板部材によって形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の粘着転写具。
【請求項4】
上記転写ヘッドにおける第2の転写部の転写面、及び第1の転写部を除く転写テープが接触する部分に、転写テープの移動を円滑にする滑りカバー部材を被着してなる、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の粘着転写具。
【請求項5】
上記第2の転写部を被転写面から後退する際に、上記転写テープを上記巻取リールに巻き取る巻取機構を更に具備してなり、
上記巻取機構は、上記転写ヘッドの枢着部と同軸上に装着される扇形ギアと、この扇形ギアと噛合可能であって、上記供給リールの回転部と同軸上に装着される転写テープの引き出し方向のみに供給リールに回転を伝達する供給ギアと、この供給ギアと同軸上に装着される駆動ギアと、この駆動ギアに遊星ギアを介して噛合され、上記巻取リールの回転部と同軸上に装着される従動ギアとからなる、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の粘着転写具。
【請求項6】
上記ばね部材の付勢力に抗して上記第2の転写部の全域が被転写面に押圧された際に、確認のための音を発する確認音発生機構を更に具備してなり、
上記確認音発生機構は、上記転写ヘッドの枢着部と同軸上に装着される回動部材と、上記ケースに一端が固定され、上記第2の転写部の全域が被転写面に押圧された際に上記回動部材に間欠的に係合し、かつ、間欠的に係合した際に振動して音を発生する、復元性を有する可撓爪部材とを具備する、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の粘着転写具。
【請求項7】
上記回動部材が、上記供給リールの枢着部と同軸上に装着される転写テープの引き出し方向のみに回転可能な供給ギアと噛合可能な扇形ギアである、ことを特徴とする請求項6記載の粘着転写具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−279622(P2008−279622A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124134(P2007−124134)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(000004020)ニチバン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】