精米設備
【課題】
本発明は、精米設備について、投入ホッパの穀物の滞留を防止し、流れを促進させることを課題とする。
【解決手段】
穀物を投入する投入ホッパ(7)と、穀物を精米する精米機(25)と、投入ホッパ(7)の穀物を精米処理する精米運転を制御する制御部(E)と、投入ホッパ(7)を振動させる振動手段(7d)を設け、精米運転を開始して設定時間(α)が経過すると、振動手段(7d)が作動することを特徴とする精米設備とする。また、投入ホッパ(7)には、穀物の有無を検出する投入センサ(7c)を設け、精米運転を開始して設定時間経過後に投入センサ(7c)が穀物が有ることを検出すると振動手段(7d)が作動することを特徴とする。
本発明は、精米設備について、投入ホッパの穀物の滞留を防止し、流れを促進させることを課題とする。
【解決手段】
穀物を投入する投入ホッパ(7)と、穀物を精米する精米機(25)と、投入ホッパ(7)の穀物を精米処理する精米運転を制御する制御部(E)と、投入ホッパ(7)を振動させる振動手段(7d)を設け、精米運転を開始して設定時間(α)が経過すると、振動手段(7d)が作動することを特徴とする精米設備とする。また、投入ホッパ(7)には、穀物の有無を検出する投入センサ(7c)を設け、精米運転を開始して設定時間経過後に投入センサ(7c)が穀物が有ることを検出すると振動手段(7d)が作動することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が持参した籾や玄米等の穀物を精米処理する精米設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2では、利用者が持参した玄米を精米する精米設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4033717号
【特許文献2】特開2006−297192
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
持参した玄米は投入ホッパに投入し、投入ホッパの玄米は順次繰り出されて排出されるが、穀物の状態によっては流れ難かったり、場合によっては投入ホッパ内でブリッジすることもある。特許文献1においては投入ホッパの投入口を開閉扉で閉鎖するため、利用者が手で穀物のブリッジ状態を解消することができない。また、特許文献2においても投入ホッパの投入面に異物除去網を設けるため同様である。
【0005】
本発明は、投入ホッパの穀物の滞留を防止し、流れを促進させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、かかる技術的課題を解決するために次のような技術的手段を構成した。すなわち、請求項1の発明では、穀物を投入する投入ホッパ(7)と、穀物を精米する精米機(25)と、投入ホッパ(7)の穀物を精米処理する精米運転を制御する制御部(E)と、投入ホッパ(7)を振動させる振動手段(7d)を設け、精米運転を開始して設定時間が経過すると、振動手段(7d)が作動することを特徴とする精米設備とする。
【0007】
請求項2の発明では、投入ホッパ(7)には、穀物の有無を検出する投入センサ(7c)を設け、精米運転を開始して設定時間(α)経過後に投入センサ(7c)が穀物の有りを検出すると振動手段(7d)が作動することを特徴とする請求項1記載の精米設備とする。
【0008】
請求項3の発明では、料金投入口(6)を設け、投入した料金に応じて運転時間を変更する構成とし、振動手段(7d)を振動させるタイミングを投入した料金に応じて変更することを特徴とする請求項2記載の精米設備とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明では、精米運転を開始して設定時間が経過すると、振動手段(7d)が作動することで、穀物の流れを促進し、ブリッジ状態の場合に解消することができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、本来、設定時間(α)が経過して投入センサ(7c)が穀物無しを検出するのに、穀物有りを検出すると、ブリッジ状態又は穀物の流れが悪いと判断して振動させることで、穀物のブリッジ状態を解消したり、穀物の流れを促進させることができる。
【0011】
請求項3記載の発明では、振動手段(7d)を振動させるタイミングを投入した料金に応じて変更することで、適切な時点で振動手段(7d)を駆動し、穀物のブリッジ状態を解消したり、穀物の流れを促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】正面から見た精米設備
【図2】開放扉を開いた精米設備の内部を説明する図
【図3】A側から見た機械室の内部を説明する図
【図4】B側から見た機械室の内部を説明する図及び通気孔を示す図
【図5】平面から見た機械室の内部を説明する図
【図6】(イ)排出シャッタの平面図、(ロ)排出シャッタの側面図
【図7】石抜機の取り付けを説明する図
【図8】フローチャート
【図9】ブロック図
【図10】投入ホッパの取り外しを説明する図
【図11】石抜機の揺動選別板面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の精米設備の構成について説明する。
箱体1の正面側に箱体1の正面を覆う縦軸2c回りの開閉扉2を設ける。箱体1は前後左右に複数設けるジャッキ50で支持される。
【0014】
開閉扉2には玄米投入部3用の切欠き部2aと、白米取出部4用の切欠き部2bとを形成する。
また、開閉扉2の前面には操作盤5を設ける。操作盤5は料金投入口6と精白度選択スイッチSを設ける。開閉扉2の裏面には制御部Eであるコントローラや各種配線等の電子機器を取り付けている。
【0015】
箱体1の正面側の左右一側に形成する玄米投入部3は投入フード9で空間を形成し、その下部に投入ホッパ7の投入口7aを設ける。投入ホッパ7の投入口7aは横開きの蓋8で開閉する構成である。投入ホッパ7の下部の傾斜面には玄米の有無を検出する投入センサ7cを設ける。投入ホッパ7の底部に開口部7bを設け、該開口部7bの下方には石抜機10の揺動選別板11の選別板面が配置される。投入ホッパの外面の傾斜部には投入ホッパを振動させる振動モータ7dを設けている。なお、投入ホッパ7はヒータ(図示せず)で暖め、雨天時の湿気を取ることができる構成である。
【0016】
箱体1の側壁1aに沿って配置する石抜機10は斜め傾斜姿勢に配置する揺動選別板11と、揺動選別板11の下方に配置する送風ファン12とを設け、送風ファン12の送風が揺動選別板11に多数形成する突起の通風孔11cを通過し、玄米と石とを比重選別する周知の構成で、石は上流側11aに移動し、玄米は下流側11bに流下する。揺動選別板11の下流側11bには玄米案内シュート13を設け、昇降機14の投入案内ホッパ15と接続する構成である。また、揺動選別板11の上流側11aには石抜シャッタ46と石排出シュート17と残米排出シュート16と、石排出シュート17側と残米排出シュート16側とを切り換える切換弁18とを設ける。石排出シュート17の排出側には貯留箱20を設け、残米排出シュート16の排出側は昇降機14に連通している。47は石抜機駆動モータである。
【0017】
揺動選別板11の上流側11aと下流側11bには長筒状の磁石をそれぞれ設ける。上流側11aの磁石21は磁石21の長手方向を玄米流下方向Rに沿って配置している。下流側11bの磁石22は揺動選別板11上面に近接する位置にあって、磁石22の長手方向を玄米流下方向Rと交差する方向に沿って配置している。
【0018】
この実施の形態では揺動選別板11の上流側11aが機体前側に、下流側11bが機体後側になるように石抜機10を配置している。
昇降機14は石抜機10の左右側方でかつ機体後側に設け、昇降機14の投げ口14aを機体前側に向かって設け、投げ口14aの下方には玄米を一時貯留する玄米タンク23を設けている。玄米タンク23の下部には玄米を繰り出すロータリバルブ24を設け、ロータリバルブ24の下方には精米機25を設けている。48は昇降機駆動モータである。23aは玄米タンク23内の玄米の有無を検出する玄米タンクセンサである。
【0019】
精米機25は供給側を機体後側に排出側を機体前側に斜め姿勢に配置し、上位の供給側の下方の空間に精米機駆動モータ26を設け、精米機駆動モータ26の下方に精米運転で発生する糠を吸引し、糠室Nに搬送する糠吸引ファン27を設けている。精米機25の排出側には排出した精白米を案内する精白米案内シュート40と、精白度を調節する精白度調節機構41を設け、精白米案内シュート40の下方には精白米を収容する白米ホッパ28を設ける。
【0020】
白米ホッパ28の正面壁を切欠部2bにより露出し透明窓28bを形成し利用者が白米ホッパ28内を視認できる構成としている。底部には開口部28aを、該開口部28aを開閉する排出シャッタ30を設ける。排出シャッタ30の周囲には白米取出部4の空間を形成する取出フード29を設け、取出フード29の下面29aを前下がりに傾斜して形成している。
【0021】
排出シャッタ30は開口部28aを塞ぐ底板部30aと、底板部30aの左右両側にそれぞれ衝立状に形成する壁部30bと、底板部30aの前部の上方を覆う覆い部30cと、覆い部30cに形成する透明窓30dと、左右両側の壁部30bそれぞれに形成する取っ手30eと、横軸芯の回動軸30fと、スプリング30gとから構成される。底板部30aの前端と覆い部30cとの間には排出口30hを形成する。
【0022】
覆い部30cは開閉扉2より前側に突出して設け、初期位置を略水平の横姿勢に構成する。そして、回動軸30fを回動すると底板部30aと覆い部30cも下方に回動し、前下がりの傾斜姿勢となり、白米ホッパ28の開口部28aが開放される。底板部30aと覆い部30cを初期位置に戻すのはスプリング30gによる。31は折り畳み式の袋置き台である。
【0023】
石抜機10や精米機25を備える機械室Kの側方には仕切壁32で仕切られた糠室Nを設ける。糠室Nは糠吸引ファン27により仕切壁32を貫通する貫通孔32aを通過する糠搬送筒50を搬送された糠と空気を分離するサイクロン33と、サイクロン33で分離した糠を搬送する糠搬送ラセン34を内装した糠移送樋34aと、糠搬送ラセン34で搬送された糠を収容する糠袋35を設ける。サイクロン33の上端に分離した空気を排出する空気排出口33b、下端には分離した糠が落下排出する糠排出口33aを形成し、糠排出口33aは糠移送樋34aの供給口(図示せず)の上方に対向する構成である。仕切壁32には機械室Kと連通する通気孔Tを形成し、通気孔Tには空気は通過して糠は通過しない網目状のフィルタFを設けている。通気孔Tはサイクロン33の糠排出口33aの高さ位置よりも上位に形成している。
【0024】
糠搬送ラセン34は箱体1の糠室N側の側壁1bに隣接して沿うように配置する。
開閉扉2は機械室Kと糠室Nの正面側を覆う構成で、縦軸芯の開閉扉2をY側即ち正面側に開けると機械室Kと糠室Nが開放状態となる構成である。そのため、管理者は糠室Nと機械室Kの両方を同時にメンテナンスを行える。また、開閉扉2の縦軸2cを機械室K側に設けることで、糠室N側を大きく開放できるため、糠室Nから糠を取り出し易い。また、開閉扉2の裏面のコントローラや各種配線等の電子機器を糠室Nから遠ざけることができ、糠が付着し難くすることができる。
【0025】
次に精米運転について図8に基づいて説明する。
袋Hに玄米を収容して持参した利用者は、まず、料金投入口6に料金を投入すると後述する清掃工程が行なわれ、次いで、蓋8のロック部材36のロックが解除される。蓋8を利用者が開き、投入ホッパ7の投入口7aに持参した玄米を投入し、蓋8を閉じて蓋ロック検出センサ37がロック部材36のロックを検出すると、精白度選択スイッチSが選択可能となる。精白度選択スイッチSで所望の精白度を選択操作すると、機械室K及び糠室Nの装置各部は駆動を開始し、投入料金に応じた運転時間、運転がなされる。
【0026】
投入ホッパ7内の玄米は投入ホッパ7の開口部7bから石抜機10の揺動選別板11の上流側11aに落下供給される。そして、上流側を流れる玄米に混じる金属類が磁石21で除去される。
【0027】
揺動選別板11では玄米と玄米に混じる石とが比重選別され、石は上流側へ移動し、玄米は下流側に流下する。流下する玄米は途中、揺動選別板11面左右幅にわたって設ける磁石22で流下する玄米に混じる金属類が除去される。
【0028】
玄米は玄米案内シュート13を通過して、投入案内ホッパ15を経て昇降機14で揚穀されて、投げ口14aから玄米タンク23に貯留される。玄米タンク23の玄米はロータリバルブ24で順次精米機25へ供給され、精白度調節機構41による精白圧力の調節により設定した精白度で排出され、精白米案内シュート40を通過して白米ホッパ28に貯留される。そして、これら精米運転を投入した料金額に応じた時間(例えば100円につき1分間)行われる。
【0029】
精米運転を開始してから設定時間α経過したときに、投入センサ7cが穀物有りを検出すると、振動モータ7dが設定時間β駆動し、投入ホッパ7を振動させる。これは、通常の精米運転時には当該設定時間が経過したら投入センサ7cが玄米無しを検出するはずのものが、玄米の流れが悪いか、ブリッジを起したと判断し、振動モータ7dで投入ホッパ7を振動させて、ブリッジを解消又は投入ホッパ7内の玄米の流れを促進させる。
【0030】
この振動センサ7dを駆動させるまでの設定時間αは投入料金額によって異なり、例えば、前述の100円で1分間の運転を行なう場合に、100円を投入した場合には50秒後、200円なら1分50秒後というように、通常の精米運転時で投入センサ7cが玄米無しを検出であろうと考えられる時間を設定時間として設定する。このとき、振動モータ7dを設定時間β(例えば5秒)経過しても投入センサ7cが玄米有りを検出したままの場合に、料金を追加してくださいとの音声等の表示を行い、利用者が追加料金を投入することで、継続して精米運転を行ない、玄米を残したままの停止を防止することができる。
【0031】
投入料金分の運転時間が経過すると精米運転が止まるいわゆる料金切れによる精米運転停止時に、投入センサ7cが玄米有りを検出すると、追加料金の必要なことを音声や表示装置等で報知し、利用者が料金を追加すると再度精米運転が開始される。また、精米運転中に投入センサ7cが玄米の無しを検出すると、石及び残米の処理をする終了動作工程が行なわれる。
【0032】
終了動作工程について以下詳述する。
精米運転中に料金に対応する運転時間が経過する前に投入センサ7cが玄米の無しを検出すると、振動モータ7dが設定時間γ(例えば3秒)振動を行ない、投入ホッパ7内に玄米が残留しないようにする。そして、石抜機10はまず石抜シャッタ46が開くと共に、切換弁18が石排出シュート17側に切り換えられ石抜機10で選別された石を貯留箱20に排出する。次いで、切換弁18を残米排出シュート16側に切り換えて揺動選別板11上の残米を昇降機14に供給し、玄米タンク23へ揚穀する。石抜機10と昇降機14の駆動が停止し、玄米タンクセンサ23aが玄米無しを検出すると所定時間後に最後の玄米の精米処理を行なった精米機25が停止する。
【0033】
白米ホッパ28の精白米を取り出すとき、利用者は取っ手30eに袋Hを引っ掛けると共に、取っ手30eを把持して排出シャッタ30を下方へ回動する。すると開口部28aが開放され、精白米が前下がり傾斜姿勢の底板部30aを流下して排出口30hから袋Hに収容される。利用者は覆い部30cの透明窓30dで精白米の流下状況を視認し、精白米の流下が終わると取っ手30eから袋を外して取っ手30eから手を離す。すると排出シャッタ30はスプリング30gの作用で初期位置に自動的に戻る。
【0034】
利用者は、手動で排出シャッタ30を操作して精白米を袋受けすることができるため、足元が安定し、安全な精白米の取り出しを行なうことができる。また、精白米の排出時、底板部30aが前下がり姿勢のため、底板部30aを流下する精白米を袋で受け易い。
【0035】
また、取っ手30eに袋Hの把持部を引っ掛けながら利用者が取っ手30eを把持して排出シャッタ30を回動することができるため、操作し易く、精白米を袋Hに受け易い。
また、底板部30aの左右両側には壁部30bを形成することで精白米が左右からこぼれないで袋Hに集中して収容することができる。また、袋Hに精白米が順次収容され、袋Hが自重で下がるのを袋置き台31で支えることができる。また、排出シャッタ30の前端部は開閉扉2の面位置よりも前側に突出している構成のため、利用者は袋Hをセットし袋Hで精白米を受け易い。
【0036】
また、底板部30aを流下する精白米は覆い部30cで飛び跳ねるのを防止されながら排出口30hから袋Hに排出されるため、排出時の精白米が飛び跳ねるのを防止し、確実に袋H内に収容することができる。また、透明窓30dで流下する玄米の様子を視認することができる。
【0037】
さらに、取出フード29の下面29aを前下がりに傾斜して形成していることで、取出フード29の下面29aにこぼれた玄米が傾斜面により流下するため、下面29aに残留することを防止し、非精米運転時の見栄えが悪くなるのを防止することができる。
【0038】
次に、前述の清掃工程について説明する。
清掃工程とは、投入ホッパ7の底部に若干残る前の利用者の玄米を除去することで、次の利用者の玄米に混じることを防止する工程である。
【0039】
具体的には、利用者が料金を投入すると、所定時間(例えば6秒)投入ホッパ7を振動させる振動モータ7dと石抜機10が駆動し、投入ホッパ7内に残留する玄米は、通常精米運転時と異なり、少量のため揺動選別板11を流下せず、揺動選別板11の上流側11aに移送される。そして、石抜シャッタ46が開くと共に、切換弁18が石排出シュート16側に切り換えられ、残留玄米は貯留箱20に貯留される。前記所定時間が経過すると清掃工程にかかる装置の駆動が停止し、投入ホッパ7の蓋8のロック部材36のロックが解除され、利用者は蓋8を開けて玄米を投入する。貯留箱20は引き出し構成で開閉扉2を開けると前側に引き出せる構成である。
【0040】
次に、石抜機10のメンテナンスについて図7と図10に基づき説明する。
ベルト交換等のメンテナンスで石抜機10を箱体1の外側に出す場合、まず、投入ホッパ7を支持する支持プレート42を取り外すと投入ホッパ7が取り外せる。そして、石抜機10の前側の下部に形成する支点軸43を支点に石抜機10の後側を持ち上げすると、玄米案内シュート13が持ち上げられ、投入案内ホッパ15から離れる。また、石抜機10の位置決めをする位置決めボルト44から石抜機10側に形成している位置決め孔45が外れる。そして、石抜機10を前側に引き出せる。
【0041】
石抜機10を初期位置にセットするときには、石抜機10の後側を持ち上げた状態で、位置決めボルト44に位置決め孔45が挿入するように後側を降ろすと、玄米案内シュート13が投入案内ホッパ15に挿入される。
【0042】
簡単な構成で、石抜機10の着脱を行なうことができる。
次に、本実施の形態から生じるその他の効果について説明する。
精米機25の精米運転で発生した糠を糠吸引ファン27で吸引して糠搬送筒50で糠室Nに空気搬送すると、機械室Kが負圧となり糠室Nが加圧となる。しかし、通気孔Tにより糠室Nから空気が機械室Kへ流れるため、機械室Kの負圧状態が解消される。従って、糠吸引ファン27空気搬送能力の低下を防止することができる。
【0043】
また、通気孔Tに空気を通過させて糠を通過させないフィルタFを設けたことで、糠室N内の糠が機械室K内へ流入することによる機械室K内の汚れを防止することができる。
また、糠室Nには糠と空気とを分離するサイクロン33を設け、サイクロン33の上部に空気排出口33bを設け、下部に糠排出口33aを設け、糠排出口33aの下方には糠移送ラセン34を設け、糠移送ラセン34の下方には糠袋35を設け、仕切壁32に設ける通気孔Tの位置をサイクロン33の糠排出口33aよりも上位に設けることで、糠排出口33aから排出された糠は糠移送ラセン34を経て糠袋35へ収容される。そのため、糠が通気孔Tまで上昇し難く、糠が機械室Kへ流入したり、フィルタFに付着し難くすることを防止することができる。
【0044】
また、箱体1内の機械室K側の側壁1aに隣接して石抜機10を配置し、中央に精米機25を配置し、精米機25に隣接して仕切壁32を配置し、糠室Nを配置した構成により、設置面積が小さく、また精米機25の騒音が箱体1外に漏れ難い精米設備とすることができ、人口が多い都会にも設置し易い。また、石抜機10、精米機25、糠室Nの工程順に左右方向に配置するため、昇降機14や糠搬送筒50を設けやすくすることができる。
【0045】
また、蓋8のロック部材36のロックを蓋ロック検出センサ37が検出しないと精米運転は開始しない構成のため、精米運転後、蓋が開放状態になり、投入ホッパ7内に異物を投入されることを防止することができる。また、投入ホッパ7の容量以上の玄米を一度に精米できないため、白米ホッパ28の容量オーバーを防止することができる。
【符号の説明】
【0046】
6 振動モータ
7 投入ホッパ
7c 投入センサ
7d 振動手段
25 精米機
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が持参した籾や玄米等の穀物を精米処理する精米設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2では、利用者が持参した玄米を精米する精米設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4033717号
【特許文献2】特開2006−297192
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
持参した玄米は投入ホッパに投入し、投入ホッパの玄米は順次繰り出されて排出されるが、穀物の状態によっては流れ難かったり、場合によっては投入ホッパ内でブリッジすることもある。特許文献1においては投入ホッパの投入口を開閉扉で閉鎖するため、利用者が手で穀物のブリッジ状態を解消することができない。また、特許文献2においても投入ホッパの投入面に異物除去網を設けるため同様である。
【0005】
本発明は、投入ホッパの穀物の滞留を防止し、流れを促進させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、かかる技術的課題を解決するために次のような技術的手段を構成した。すなわち、請求項1の発明では、穀物を投入する投入ホッパ(7)と、穀物を精米する精米機(25)と、投入ホッパ(7)の穀物を精米処理する精米運転を制御する制御部(E)と、投入ホッパ(7)を振動させる振動手段(7d)を設け、精米運転を開始して設定時間が経過すると、振動手段(7d)が作動することを特徴とする精米設備とする。
【0007】
請求項2の発明では、投入ホッパ(7)には、穀物の有無を検出する投入センサ(7c)を設け、精米運転を開始して設定時間(α)経過後に投入センサ(7c)が穀物の有りを検出すると振動手段(7d)が作動することを特徴とする請求項1記載の精米設備とする。
【0008】
請求項3の発明では、料金投入口(6)を設け、投入した料金に応じて運転時間を変更する構成とし、振動手段(7d)を振動させるタイミングを投入した料金に応じて変更することを特徴とする請求項2記載の精米設備とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明では、精米運転を開始して設定時間が経過すると、振動手段(7d)が作動することで、穀物の流れを促進し、ブリッジ状態の場合に解消することができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、本来、設定時間(α)が経過して投入センサ(7c)が穀物無しを検出するのに、穀物有りを検出すると、ブリッジ状態又は穀物の流れが悪いと判断して振動させることで、穀物のブリッジ状態を解消したり、穀物の流れを促進させることができる。
【0011】
請求項3記載の発明では、振動手段(7d)を振動させるタイミングを投入した料金に応じて変更することで、適切な時点で振動手段(7d)を駆動し、穀物のブリッジ状態を解消したり、穀物の流れを促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】正面から見た精米設備
【図2】開放扉を開いた精米設備の内部を説明する図
【図3】A側から見た機械室の内部を説明する図
【図4】B側から見た機械室の内部を説明する図及び通気孔を示す図
【図5】平面から見た機械室の内部を説明する図
【図6】(イ)排出シャッタの平面図、(ロ)排出シャッタの側面図
【図7】石抜機の取り付けを説明する図
【図8】フローチャート
【図9】ブロック図
【図10】投入ホッパの取り外しを説明する図
【図11】石抜機の揺動選別板面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の精米設備の構成について説明する。
箱体1の正面側に箱体1の正面を覆う縦軸2c回りの開閉扉2を設ける。箱体1は前後左右に複数設けるジャッキ50で支持される。
【0014】
開閉扉2には玄米投入部3用の切欠き部2aと、白米取出部4用の切欠き部2bとを形成する。
また、開閉扉2の前面には操作盤5を設ける。操作盤5は料金投入口6と精白度選択スイッチSを設ける。開閉扉2の裏面には制御部Eであるコントローラや各種配線等の電子機器を取り付けている。
【0015】
箱体1の正面側の左右一側に形成する玄米投入部3は投入フード9で空間を形成し、その下部に投入ホッパ7の投入口7aを設ける。投入ホッパ7の投入口7aは横開きの蓋8で開閉する構成である。投入ホッパ7の下部の傾斜面には玄米の有無を検出する投入センサ7cを設ける。投入ホッパ7の底部に開口部7bを設け、該開口部7bの下方には石抜機10の揺動選別板11の選別板面が配置される。投入ホッパの外面の傾斜部には投入ホッパを振動させる振動モータ7dを設けている。なお、投入ホッパ7はヒータ(図示せず)で暖め、雨天時の湿気を取ることができる構成である。
【0016】
箱体1の側壁1aに沿って配置する石抜機10は斜め傾斜姿勢に配置する揺動選別板11と、揺動選別板11の下方に配置する送風ファン12とを設け、送風ファン12の送風が揺動選別板11に多数形成する突起の通風孔11cを通過し、玄米と石とを比重選別する周知の構成で、石は上流側11aに移動し、玄米は下流側11bに流下する。揺動選別板11の下流側11bには玄米案内シュート13を設け、昇降機14の投入案内ホッパ15と接続する構成である。また、揺動選別板11の上流側11aには石抜シャッタ46と石排出シュート17と残米排出シュート16と、石排出シュート17側と残米排出シュート16側とを切り換える切換弁18とを設ける。石排出シュート17の排出側には貯留箱20を設け、残米排出シュート16の排出側は昇降機14に連通している。47は石抜機駆動モータである。
【0017】
揺動選別板11の上流側11aと下流側11bには長筒状の磁石をそれぞれ設ける。上流側11aの磁石21は磁石21の長手方向を玄米流下方向Rに沿って配置している。下流側11bの磁石22は揺動選別板11上面に近接する位置にあって、磁石22の長手方向を玄米流下方向Rと交差する方向に沿って配置している。
【0018】
この実施の形態では揺動選別板11の上流側11aが機体前側に、下流側11bが機体後側になるように石抜機10を配置している。
昇降機14は石抜機10の左右側方でかつ機体後側に設け、昇降機14の投げ口14aを機体前側に向かって設け、投げ口14aの下方には玄米を一時貯留する玄米タンク23を設けている。玄米タンク23の下部には玄米を繰り出すロータリバルブ24を設け、ロータリバルブ24の下方には精米機25を設けている。48は昇降機駆動モータである。23aは玄米タンク23内の玄米の有無を検出する玄米タンクセンサである。
【0019】
精米機25は供給側を機体後側に排出側を機体前側に斜め姿勢に配置し、上位の供給側の下方の空間に精米機駆動モータ26を設け、精米機駆動モータ26の下方に精米運転で発生する糠を吸引し、糠室Nに搬送する糠吸引ファン27を設けている。精米機25の排出側には排出した精白米を案内する精白米案内シュート40と、精白度を調節する精白度調節機構41を設け、精白米案内シュート40の下方には精白米を収容する白米ホッパ28を設ける。
【0020】
白米ホッパ28の正面壁を切欠部2bにより露出し透明窓28bを形成し利用者が白米ホッパ28内を視認できる構成としている。底部には開口部28aを、該開口部28aを開閉する排出シャッタ30を設ける。排出シャッタ30の周囲には白米取出部4の空間を形成する取出フード29を設け、取出フード29の下面29aを前下がりに傾斜して形成している。
【0021】
排出シャッタ30は開口部28aを塞ぐ底板部30aと、底板部30aの左右両側にそれぞれ衝立状に形成する壁部30bと、底板部30aの前部の上方を覆う覆い部30cと、覆い部30cに形成する透明窓30dと、左右両側の壁部30bそれぞれに形成する取っ手30eと、横軸芯の回動軸30fと、スプリング30gとから構成される。底板部30aの前端と覆い部30cとの間には排出口30hを形成する。
【0022】
覆い部30cは開閉扉2より前側に突出して設け、初期位置を略水平の横姿勢に構成する。そして、回動軸30fを回動すると底板部30aと覆い部30cも下方に回動し、前下がりの傾斜姿勢となり、白米ホッパ28の開口部28aが開放される。底板部30aと覆い部30cを初期位置に戻すのはスプリング30gによる。31は折り畳み式の袋置き台である。
【0023】
石抜機10や精米機25を備える機械室Kの側方には仕切壁32で仕切られた糠室Nを設ける。糠室Nは糠吸引ファン27により仕切壁32を貫通する貫通孔32aを通過する糠搬送筒50を搬送された糠と空気を分離するサイクロン33と、サイクロン33で分離した糠を搬送する糠搬送ラセン34を内装した糠移送樋34aと、糠搬送ラセン34で搬送された糠を収容する糠袋35を設ける。サイクロン33の上端に分離した空気を排出する空気排出口33b、下端には分離した糠が落下排出する糠排出口33aを形成し、糠排出口33aは糠移送樋34aの供給口(図示せず)の上方に対向する構成である。仕切壁32には機械室Kと連通する通気孔Tを形成し、通気孔Tには空気は通過して糠は通過しない網目状のフィルタFを設けている。通気孔Tはサイクロン33の糠排出口33aの高さ位置よりも上位に形成している。
【0024】
糠搬送ラセン34は箱体1の糠室N側の側壁1bに隣接して沿うように配置する。
開閉扉2は機械室Kと糠室Nの正面側を覆う構成で、縦軸芯の開閉扉2をY側即ち正面側に開けると機械室Kと糠室Nが開放状態となる構成である。そのため、管理者は糠室Nと機械室Kの両方を同時にメンテナンスを行える。また、開閉扉2の縦軸2cを機械室K側に設けることで、糠室N側を大きく開放できるため、糠室Nから糠を取り出し易い。また、開閉扉2の裏面のコントローラや各種配線等の電子機器を糠室Nから遠ざけることができ、糠が付着し難くすることができる。
【0025】
次に精米運転について図8に基づいて説明する。
袋Hに玄米を収容して持参した利用者は、まず、料金投入口6に料金を投入すると後述する清掃工程が行なわれ、次いで、蓋8のロック部材36のロックが解除される。蓋8を利用者が開き、投入ホッパ7の投入口7aに持参した玄米を投入し、蓋8を閉じて蓋ロック検出センサ37がロック部材36のロックを検出すると、精白度選択スイッチSが選択可能となる。精白度選択スイッチSで所望の精白度を選択操作すると、機械室K及び糠室Nの装置各部は駆動を開始し、投入料金に応じた運転時間、運転がなされる。
【0026】
投入ホッパ7内の玄米は投入ホッパ7の開口部7bから石抜機10の揺動選別板11の上流側11aに落下供給される。そして、上流側を流れる玄米に混じる金属類が磁石21で除去される。
【0027】
揺動選別板11では玄米と玄米に混じる石とが比重選別され、石は上流側へ移動し、玄米は下流側に流下する。流下する玄米は途中、揺動選別板11面左右幅にわたって設ける磁石22で流下する玄米に混じる金属類が除去される。
【0028】
玄米は玄米案内シュート13を通過して、投入案内ホッパ15を経て昇降機14で揚穀されて、投げ口14aから玄米タンク23に貯留される。玄米タンク23の玄米はロータリバルブ24で順次精米機25へ供給され、精白度調節機構41による精白圧力の調節により設定した精白度で排出され、精白米案内シュート40を通過して白米ホッパ28に貯留される。そして、これら精米運転を投入した料金額に応じた時間(例えば100円につき1分間)行われる。
【0029】
精米運転を開始してから設定時間α経過したときに、投入センサ7cが穀物有りを検出すると、振動モータ7dが設定時間β駆動し、投入ホッパ7を振動させる。これは、通常の精米運転時には当該設定時間が経過したら投入センサ7cが玄米無しを検出するはずのものが、玄米の流れが悪いか、ブリッジを起したと判断し、振動モータ7dで投入ホッパ7を振動させて、ブリッジを解消又は投入ホッパ7内の玄米の流れを促進させる。
【0030】
この振動センサ7dを駆動させるまでの設定時間αは投入料金額によって異なり、例えば、前述の100円で1分間の運転を行なう場合に、100円を投入した場合には50秒後、200円なら1分50秒後というように、通常の精米運転時で投入センサ7cが玄米無しを検出であろうと考えられる時間を設定時間として設定する。このとき、振動モータ7dを設定時間β(例えば5秒)経過しても投入センサ7cが玄米有りを検出したままの場合に、料金を追加してくださいとの音声等の表示を行い、利用者が追加料金を投入することで、継続して精米運転を行ない、玄米を残したままの停止を防止することができる。
【0031】
投入料金分の運転時間が経過すると精米運転が止まるいわゆる料金切れによる精米運転停止時に、投入センサ7cが玄米有りを検出すると、追加料金の必要なことを音声や表示装置等で報知し、利用者が料金を追加すると再度精米運転が開始される。また、精米運転中に投入センサ7cが玄米の無しを検出すると、石及び残米の処理をする終了動作工程が行なわれる。
【0032】
終了動作工程について以下詳述する。
精米運転中に料金に対応する運転時間が経過する前に投入センサ7cが玄米の無しを検出すると、振動モータ7dが設定時間γ(例えば3秒)振動を行ない、投入ホッパ7内に玄米が残留しないようにする。そして、石抜機10はまず石抜シャッタ46が開くと共に、切換弁18が石排出シュート17側に切り換えられ石抜機10で選別された石を貯留箱20に排出する。次いで、切換弁18を残米排出シュート16側に切り換えて揺動選別板11上の残米を昇降機14に供給し、玄米タンク23へ揚穀する。石抜機10と昇降機14の駆動が停止し、玄米タンクセンサ23aが玄米無しを検出すると所定時間後に最後の玄米の精米処理を行なった精米機25が停止する。
【0033】
白米ホッパ28の精白米を取り出すとき、利用者は取っ手30eに袋Hを引っ掛けると共に、取っ手30eを把持して排出シャッタ30を下方へ回動する。すると開口部28aが開放され、精白米が前下がり傾斜姿勢の底板部30aを流下して排出口30hから袋Hに収容される。利用者は覆い部30cの透明窓30dで精白米の流下状況を視認し、精白米の流下が終わると取っ手30eから袋を外して取っ手30eから手を離す。すると排出シャッタ30はスプリング30gの作用で初期位置に自動的に戻る。
【0034】
利用者は、手動で排出シャッタ30を操作して精白米を袋受けすることができるため、足元が安定し、安全な精白米の取り出しを行なうことができる。また、精白米の排出時、底板部30aが前下がり姿勢のため、底板部30aを流下する精白米を袋で受け易い。
【0035】
また、取っ手30eに袋Hの把持部を引っ掛けながら利用者が取っ手30eを把持して排出シャッタ30を回動することができるため、操作し易く、精白米を袋Hに受け易い。
また、底板部30aの左右両側には壁部30bを形成することで精白米が左右からこぼれないで袋Hに集中して収容することができる。また、袋Hに精白米が順次収容され、袋Hが自重で下がるのを袋置き台31で支えることができる。また、排出シャッタ30の前端部は開閉扉2の面位置よりも前側に突出している構成のため、利用者は袋Hをセットし袋Hで精白米を受け易い。
【0036】
また、底板部30aを流下する精白米は覆い部30cで飛び跳ねるのを防止されながら排出口30hから袋Hに排出されるため、排出時の精白米が飛び跳ねるのを防止し、確実に袋H内に収容することができる。また、透明窓30dで流下する玄米の様子を視認することができる。
【0037】
さらに、取出フード29の下面29aを前下がりに傾斜して形成していることで、取出フード29の下面29aにこぼれた玄米が傾斜面により流下するため、下面29aに残留することを防止し、非精米運転時の見栄えが悪くなるのを防止することができる。
【0038】
次に、前述の清掃工程について説明する。
清掃工程とは、投入ホッパ7の底部に若干残る前の利用者の玄米を除去することで、次の利用者の玄米に混じることを防止する工程である。
【0039】
具体的には、利用者が料金を投入すると、所定時間(例えば6秒)投入ホッパ7を振動させる振動モータ7dと石抜機10が駆動し、投入ホッパ7内に残留する玄米は、通常精米運転時と異なり、少量のため揺動選別板11を流下せず、揺動選別板11の上流側11aに移送される。そして、石抜シャッタ46が開くと共に、切換弁18が石排出シュート16側に切り換えられ、残留玄米は貯留箱20に貯留される。前記所定時間が経過すると清掃工程にかかる装置の駆動が停止し、投入ホッパ7の蓋8のロック部材36のロックが解除され、利用者は蓋8を開けて玄米を投入する。貯留箱20は引き出し構成で開閉扉2を開けると前側に引き出せる構成である。
【0040】
次に、石抜機10のメンテナンスについて図7と図10に基づき説明する。
ベルト交換等のメンテナンスで石抜機10を箱体1の外側に出す場合、まず、投入ホッパ7を支持する支持プレート42を取り外すと投入ホッパ7が取り外せる。そして、石抜機10の前側の下部に形成する支点軸43を支点に石抜機10の後側を持ち上げすると、玄米案内シュート13が持ち上げられ、投入案内ホッパ15から離れる。また、石抜機10の位置決めをする位置決めボルト44から石抜機10側に形成している位置決め孔45が外れる。そして、石抜機10を前側に引き出せる。
【0041】
石抜機10を初期位置にセットするときには、石抜機10の後側を持ち上げた状態で、位置決めボルト44に位置決め孔45が挿入するように後側を降ろすと、玄米案内シュート13が投入案内ホッパ15に挿入される。
【0042】
簡単な構成で、石抜機10の着脱を行なうことができる。
次に、本実施の形態から生じるその他の効果について説明する。
精米機25の精米運転で発生した糠を糠吸引ファン27で吸引して糠搬送筒50で糠室Nに空気搬送すると、機械室Kが負圧となり糠室Nが加圧となる。しかし、通気孔Tにより糠室Nから空気が機械室Kへ流れるため、機械室Kの負圧状態が解消される。従って、糠吸引ファン27空気搬送能力の低下を防止することができる。
【0043】
また、通気孔Tに空気を通過させて糠を通過させないフィルタFを設けたことで、糠室N内の糠が機械室K内へ流入することによる機械室K内の汚れを防止することができる。
また、糠室Nには糠と空気とを分離するサイクロン33を設け、サイクロン33の上部に空気排出口33bを設け、下部に糠排出口33aを設け、糠排出口33aの下方には糠移送ラセン34を設け、糠移送ラセン34の下方には糠袋35を設け、仕切壁32に設ける通気孔Tの位置をサイクロン33の糠排出口33aよりも上位に設けることで、糠排出口33aから排出された糠は糠移送ラセン34を経て糠袋35へ収容される。そのため、糠が通気孔Tまで上昇し難く、糠が機械室Kへ流入したり、フィルタFに付着し難くすることを防止することができる。
【0044】
また、箱体1内の機械室K側の側壁1aに隣接して石抜機10を配置し、中央に精米機25を配置し、精米機25に隣接して仕切壁32を配置し、糠室Nを配置した構成により、設置面積が小さく、また精米機25の騒音が箱体1外に漏れ難い精米設備とすることができ、人口が多い都会にも設置し易い。また、石抜機10、精米機25、糠室Nの工程順に左右方向に配置するため、昇降機14や糠搬送筒50を設けやすくすることができる。
【0045】
また、蓋8のロック部材36のロックを蓋ロック検出センサ37が検出しないと精米運転は開始しない構成のため、精米運転後、蓋が開放状態になり、投入ホッパ7内に異物を投入されることを防止することができる。また、投入ホッパ7の容量以上の玄米を一度に精米できないため、白米ホッパ28の容量オーバーを防止することができる。
【符号の説明】
【0046】
6 振動モータ
7 投入ホッパ
7c 投入センサ
7d 振動手段
25 精米機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を投入する投入ホッパ(7)と、穀物を精米する精米機(25)と、投入ホッパ(7)の穀物を精米処理する精米運転を制御する制御部(E)と、投入ホッパ(7)を振動させる振動手段(7d)を設け、
精米運転を開始して設定時間が経過すると、振動手段(7d)が作動することを特徴とする精米設備。
【請求項2】
投入ホッパ(7)には、穀物の有無を検出する投入センサ(7c)を設け、精米運転を開始して設定時間(α)経過後に投入センサ(7c)が穀物の有りを検出すると振動手段(7d)が作動することを特徴とする請求項1記載の精米設備。
【請求項3】
料金投入口(6)を設け、投入した料金に応じて運転時間を変更する構成とし、振動手段(7d)を振動させるタイミングを投入した料金に応じて変更することを特徴とする請求項2記載の精米設備。
【請求項1】
穀物を投入する投入ホッパ(7)と、穀物を精米する精米機(25)と、投入ホッパ(7)の穀物を精米処理する精米運転を制御する制御部(E)と、投入ホッパ(7)を振動させる振動手段(7d)を設け、
精米運転を開始して設定時間が経過すると、振動手段(7d)が作動することを特徴とする精米設備。
【請求項2】
投入ホッパ(7)には、穀物の有無を検出する投入センサ(7c)を設け、精米運転を開始して設定時間(α)経過後に投入センサ(7c)が穀物の有りを検出すると振動手段(7d)が作動することを特徴とする請求項1記載の精米設備。
【請求項3】
料金投入口(6)を設け、投入した料金に応じて運転時間を変更する構成とし、振動手段(7d)を振動させるタイミングを投入した料金に応じて変更することを特徴とする請求項2記載の精米設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−5977(P2012−5977A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145250(P2010−145250)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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