説明

精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法

一般式(I)の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩を製造するための、一般式(II)の1,3−置換イミダゾリウム塩と強塩基との20〜250℃の範囲にある温度での反応による、この生じた1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの留去下での製造方法であって、この留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、前記プロトン酸HA(III)と接触させ、かつ/又は前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを、気体状態又は凝縮状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する受け器中に導入することを特徴とする、一般式(I)の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、一般式(I)
【0002】
【化1】

[前記式中、
*前記残基R、R、R及びRは相互に独立して、炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族又はアラリファチック(araliphatisch)の、1〜30つの炭素原子を有する残基を表し、前記残基は1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよく、その際、このそれぞれ隣接した残基、RとR、RとR、並びにRとRはまた相互に結合していてよく、かつ前記残基R及びRは更にまた相互に独立して、水素、ハロゲン又は官能基を表す;
かつ
*Aa−は、無機又は有機のプロトン酸HA(III)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際aは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す]
の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩を製造するための、一般式(II)
【0003】
【化2】

[前記式中、前記残基R、R、R、及びRは上述した意味を有し、かつ前記アニオンYy−は、無機又は有機のプロトン酸HY(IV)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際yは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す]
の1,3−置換イミダゾリウム塩と強塩基との20〜250℃の範囲にある温度での反応による、この生じた1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの留去下での、一般式(I)の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法に関する。
【0004】
1,3−置換イミダゾリウム塩はいわゆるイオン液体のグループに属し、ますます重要性を増している。つまりこれらは例えば、様々な適用に関して、有機及び無機化合物のための良好な溶媒である。
【0005】
イオン液体は溶媒として、例えば化学的な反応の実施のためにますます重要性を増している。P. Wasserscheid et al., Angew. Chem. 112 (2000), p3926〜3945は、均一系遷移金属触媒におけるその使用に関して概論を述べる。重要なことはこの場合、この使用するイオン液体の純度であり、というのは不純物が化学反応の過程に一般的にネガティブに影響するからである。従って例えばP. Dyson et al. in Electrochemical Society Proceedings, 99-41巻, p161〜168は、液相水素化における塩化物含有イオン液体の使用の際及びSuzuki反応の際の問題を指摘している。イオン液体の製造の際には従って、所望の生成物の純度に関して高い要求が出される。
【0006】
前記イオン液体の重要なグループは、前記の置換イミダゾリウム塩である。一般的に、前記塩はこの相応するN−置換イミダゾールから、この第2の窒素のアルキル化により得られる。
【0007】
WO02/34722は、1,2,3−置換イミダゾリウム塩、1,2,3,4−置換イミダゾリウム塩、及び1,2,3,4,5−置換イミダゾリウム塩の製造のための2つの異なる方法を記載する:(1)非直接的な経路の際には、この相応する、置換したイミダゾールを有機ハロゲン化物と反応させ、この置換したイミダゾリウム−ハロゲン化物のハロゲン化物イオンを所望のアニオンによるイオン交換によって交換する。(2)直接的な経路の際には、この相応する、置換したイミダゾールをアルキルトリフラート又は所望のアニオンのトリアルキルオキソニウム塩(例えばトリエチルオキソニウム−テトラフルオロホウ酸)と反応させる。前記非直接的な経路(1)を介したこの製造に関する欠点は、引き続いて必要なイオン交換、及び場合によりこれに関連した前記生成物の有機溶媒を用いた抽出による高い出費、並びにハロゲン化物イオンの残存する残留含量であって、前記含量は例えば前記した遷移金属触媒反応をネガティブに影響する可能性がある。前記直接的な経路(2)を介したこの製造に関する欠点は、前記アルキル化剤は、この置換基も、前記アニオンをも規定することで、並びに前記アニオンに関して多様性の幅及び柔軟性を制限することである。
【0008】
EP-A 1 182 196は、ベースとなる1−置換イミダゾールと、アルキル化剤である、これに相応する有機的なジスルファートとの反応、及び所望のアニオンを含有する金属塩との引き続くイオン交換による1,3−置換イミダゾリウム塩のハロゲン化物なしの製造を教示する。従って例えば、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウム−テトラフルオロホウ酸の製造を、1−ブチルイミダゾールとジメチルスルファートとの反応、ナトリウム−テトラフルオロホウ酸での引き続く処理、及びメチレンクロリドでの前記生成物の複数回の抽出により実施した。この上述の方法は即ち、見かけ上、塩化物なしの1,3−置換イミダゾリウム塩を生じるが、しかし有機的なジスルファートの使用の決定的な欠点を有し、前記使用はその発癌性作用及び腐食作用に基づく安全性の面での高いリスクであり、かつ従って莫大な安全性の面での出費を必要とする。更に、金属塩(これはこの所望のアニオンを含有する)の添加によるイオン交換は非常に高価であり、というのは特にこのバッチを引き続き抽出により有機溶媒の使用下で後処理しなくてはならないからである。
【0009】
WO01/40146は、1,3−置換イミダゾリウム塩の、ベースとなる1−置換イミダゾールとフッ化エステルとの反応、例えばトリフルオロ酢酸エステルとの反応、又はアルキル化剤であるアルキルスルホナートとの、溶媒の存在下での反応による製造を記載する。この得られた生成物の、所望のアニオンの酸、例えばテトラフルオロホウ酸又はヘキサフルオロリン酸との引き続く反応により、この所望の1,3−置換イミダゾリウム塩は、ほぼハロゲン化物なしで、かつ金属なしで得られる。この方法に関する欠点は、この合成において使用された化合物又はその反応生成物の痕跡量での前記の所望の1,3−置換イミダゾリウム塩の汚染、例えば、過剰のアルキル化剤、使用した1−置換イミダゾールの塩、使用した溶媒の塩、又はフッ化した酸アニオン又はスルホナートを有する1,3−置換したイミダゾリウム塩の痕跡量での汚染である。
【0010】
WO96/18459は、所望のイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン又はホスホニウムカチオンのハロゲン化物と、鉛塩(このアニオンは前記イオン液体のための所望のアニオンである)との反応、及びこの生じる鉛ハロゲン化物の分離によるハロゲン化物なしのイオン液体の製造を開示している。この記載した方法に関する欠点は、毒性の鉛塩の化学量論量の使用、及びこれに関連した、処理する鉛ハロゲン化物に関する化学量論量の発生の他に、特に前記生成物のこの鉛化合物との著しい汚染であり、例えば特にJ.T. Hamill et al., Chem. Comm. 2000, p1929〜1930から明らかである。
【0011】
置換したイミダゾリウム塩の、上述した製造方法に関する欠点は、副生成物によって汚染された生成物を得ることであり、前記生成物は置換したイミダゾリウム塩の使用の際にネガティブな影響を生じかねない。
【0012】
WO 01/77081は、ハロゲン化物イオンでも、金属イオンでも汚染されていない、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩が製造される方法を開示する。使用物質として1,3−置換イミダゾリウム塩(これは例えば従来の方法で製造されている)を用い、その際このアニオンは、後に所望するアニオンとは完全に異なっていてよい。前記1,3−置換イミダゾリウム塩は、上述の方法の際に強塩基の存在下で、例えばアルコラートの存在下で、減圧下で加熱され、その際相応する1,3−置換イミダゾリウム塩−カルベンが形成し、かつ留去される。これは、受け器中で純物質として凝縮される。引き続きこの凝縮したカルベンを、所望のアニオンの酸又はアルコールと、この精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の形成下で反応させる。前記方法に関する欠点は、A.J. Arduengo et al., J. Am. Chem. Soc. 114, 1992, p5530〜5534に記載された事実であって、即ち立体的に強力には阻害されていないカルベンは溶媒中では数日間安定であるが、純物質としては非常に不安定である。従って、例えば純粋な1,3−ジメチルイミダゾール−2−イリデンは極低温でも、褐色化及び粘性の生成物の形成下で分解する。このWO 01/77081に述べられた実施例によって、1−エチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデン、1−ブチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾール−2−イリデン及び1−オクチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンを非常に少量、クーゲルロール装置中で得、かつNMR分光学的に検出されることが可能であったことが示されたとしても、この必然的に形成される粘性の副生成物は、前記の所望の1,3−置換イミダゾリウム塩の新たな汚染を生じる。この粘性の副生成物の量は、この際生成物バッチの大きさが大きくなるにつれ、そのより長い滞留時間のために更に増え、従って前記方法の工業的な使用の際には、非常に強力に汚染された生成物が得られるだけである。0℃を下回る温度への前記蒸留受け器の強力な冷却は、技術的に非常に高価でかつエネルギー集中的である。
【0013】
従って、上述した欠点をもはや有さず、イミダゾリウム−カチオンの置換基の選択及びアニオンの選択に関して大きな多様性及び柔軟性を有し、かつ技術的に容易な方法で高い収率でもって、純粋な1,3−置換イミダゾリウム塩から高純度な1,3−置換イミダゾリウム塩までを生じる、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法を見出すことが課題である。
【0014】
これにより、一般式(I)
【0015】
【化3】

[前記式中、
*前記残基R、R、R及びRは相互に独立して、炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基を表し、前記残基は1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよく、その際、このそれぞれ隣接した残基、RとR、RとR、並びにRとRはまた相互に結合していてよく、かつ前記残基R及びRは更にまた相互に独立して、水素、ハロゲン又は官能基を表す;
かつ
*Aa−は、無機又は有機のプロトン酸HA(III)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際aは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す]
の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩を製造するための、一般式(II)
【0016】
【化4】

[前記式中、前記残基R、R、R、及びRは上述した意味を有し、かつ前記アニオンYy−は、無機又は有機のプロトン酸HY(IV)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際yは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す]
の1,3−置換イミダゾリウム塩と強塩基との20〜250℃の範囲にある温度での反応による、この生じた1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの留去下での製造方法であって、この留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、前記プロトン酸HA(III)と接触させ、かつ/又はこの留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを、気体状態又は凝縮状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する受け器中に導入することを特徴とする、一般式(I)の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法を見出した。
【0017】
前記本発明による方法により製造可能な精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)は、一般式(Ia)
【0018】
【化5】

[前記式中
前記残基R、R、R及びRは相互に独立して、炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基を表し、前記残基は1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよく、その際、このそれぞれ隣接した残基、RとR、RとR、並びにRとRもまた相互に結合していてよく、かつ前記残基R及びRは更にまた相互に独立して、水素、ハロゲン又は官能基を表す]
の1,3−置換イミダゾリウムカチオンを含有する。
【0019】
ヘテロ原子として原則的には、式として−CH−、−CH=、C≡、=C=の基を置換することが可能である全てのヘテロ原子が考慮される。前記炭素含有残基がヘテロ原子を含有する場合には、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素が有利である。有利な基として、特に−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−N=、−PR−、−PR及び−SiR−が挙げられ、その際前記残基Rは前記炭素含有残基の残りの部分である。前記炭素含有残基はこの際R及びRの場合には、このヘテロ原子を介してイミダゾリウム環に直接的に結合していてもよい。
【0020】
官能基として原則的には、炭素原子又はヘテロ原子に結合していてよい全ての官能基が考慮される。適した例として、−OH(ヒドロキシ)、=O(殊にカルボニル基として)、−NH(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシ)、−CONH(カルボキサミド)及び−CN(シアノ)が挙げられる。官能基及びヘテロ原子は、直接的に隣接していてもよく、従って複数の近接した原子からの組み合わせ、例えば−O−(エーテル)、−S(チオエーテル)、−COO−(エステル)、−CONH−(第二アミド)又は−CONR−(第三アミド)も含まれてよく、例えばジ−(C〜Cアルキル)−アミノ、C〜Cアルキルオキシカルボニル又はC〜Cアルキルオキシも含まれてよい。
【0021】
ハロゲンとして、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
【0022】
有利には、本発明による方法の際には、前記残基R及びRが相互に独立して、
・水素;
・ハロゲン;又は
・官能基:
かつ、前記残基R、R、R及びRが相互に独立して、それぞれ
・場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換された、及び/又は1つ又は複数の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルキル;
・場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換された、及び/又は1つ又は複数の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルケニル;
・場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C12−アリール;
・場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C12−シクロアルキル;
・場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C12−シクロアルケニル;又は
・場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換された五〜六員環の、酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子を有する複素環を表す;、又は
隣接した残基RとR、RとR並びにRとRが一緒になって
・不飽和の、飽和の、又は芳香族の、場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換され、かつ、場合により1つ又は複数の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基により中断された環を形成する
場合に精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が製造される。
【0023】
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C18−アルキルは、有利にはメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチル−ペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、1−オクタデシル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、ベンジル(フェニルメチル)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、α,α−ジメチルベンジル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)−エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボンエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)−エチル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、2、2,2−トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、アセチル、C2(n−a)+(1−b)2a+b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1(例えばCF、C、CHCH−C(n−2)2(n−2)+1、C13、C17、C1021、C1225))、メトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、2−メトキシイソプロピル、2−(メトキシ−カルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、5−ヒドロキシ−3−オキサ−ペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシル−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサーヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニル又は14−エトキシ−5,10−オキサーテトラデシルである。
【0024】
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換された、及び/又は1つ又は複数の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルケニルは、有利にはビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、cis−2−ブテニル、trans−2−ブテニル又はC2(n−a)−(1−b)2a−b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1)である。
【0025】
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C12−アリールは、有利にはフェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニルイル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert.−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル、エトキシメチルフェニル、メチルチオフェニル、イソプロピルフェニル又はtert.−ブチルチオフェニル又は、0≦a≦5を有するC(5−a)である。
【0026】
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C12−シクロアルキルは、有利にはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、C2(n−a)−(1−b)2a−b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1)、並びに飽和又は不飽和の二環系、例えばノルボルニル又はノルボルネニルである。
【0027】
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されたC〜C12−シクロアルケニルは、有利には3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル又はC2(n−a)−3(1−b)2a−3b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1)である。
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環によって置換された五〜六員環の、酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子を有する複素環は、有利にはフリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル又はジフルオロピリジルである。
【0028】
前記の隣接した残基RとR、RとR並びにRとRが一緒になって不飽和の、飽和の、又は芳香族の、場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換され、かつ、場合により1つ又は複数の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基により中断された環を形成する場合には、これは有利には1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロペニレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C〜C−アルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、又は2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンである。
【0029】
上述した残基が、酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基を含有する場合には、前記酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又はイミノ基の数は限定されない。一般に、前記の数は、前記残基中に5個以下、有利には4個以下、特に有利には3個以下である。
【0030】
上述した残基がヘテロ原子を含有する場合には、2つのヘテロ原子の間には一般的に少なくとも1つの炭素原子、有利には少なくとも2つの炭素原子が存在する。
【0031】
殊に有利には、前記残基R及びRは相互に独立して、非分枝又は分枝の、C〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−フェニルプロピル、ビニル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチルであり、6−ヒドロキシヘキシル又はプロピルスルホン酸である。
【0032】
殊に有利には、前記残基R及びRは、相互に独立して、水素又は非分枝又は分枝の、C〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、塩素、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチル、又は6−ヒドロキシヘキシルである。
【0033】
とりわけ特に有利には、本発明による方法の際に、前記残基R及びRは、相互に独立して、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、1−(2−エチル)ヘキシル、ベンジル、3−フェニルプロピル、6−ヒドロキシヘキシル又はフェニルであり、かつ前記残基R及びRが相互に独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、1−ヘキシル、6−ヒドロキシヘキシル、フェニル又は塩素である際に、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が製造される。
【0034】
とりわけ特に有利には、本発明による方法の際に、1,3−置換イミダゾリウムカチオンとして、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−イソプロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘプチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチルーベンジルイミダゾリウム、1−メチル−3−(3−フェニルプロピル)イミダゾリウム、1−(2−エチル)ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ノニルイミダゾリウム、1−メチル−3−デシルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム又は1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムを含有する際に、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が製造される。
【0035】
この本発明の方法により製造可能な精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)は、前記アニオンAa−を含有し、その際前記アニオンは無機又は有機のプロトン酸HA(III)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンであり、その際aは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す。
【0036】
部分的に脱プロトンしたアニオンとして多価の酸からのアニオンが理解され、これは1つ又は複数の脱プロトン可能な水素原子を含有する。相応して、完全に脱プロトンしたアニオンとして、更なる脱プロトン可能な水素原子を含有しないアニオンが理解される。
【0037】
有利には、本発明による方法の際に、前記アニオンAa−
フッ化物;ヘキサフルオロリン酸;ヘキサフルオロヒ酸;ヘキサフルオロアンチモン酸;トリフルオロヒ酸;亜硝酸;硝酸;硫酸:硫酸水素;炭酸;炭酸水素;リン酸;リン酸水素;リン酸二水素;ビニルホスホン酸;ジシアナミド;ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィン酸;トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸;トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロリン酸;ビス[オキサラト(2−)]ホウ酸;ビス[サリチラト(2−)]ホウ酸;ビス[1,2−ベンゼンジオラト(2−)−O,O′]ホウ酸;テトラシアノホウ酸;テトラカルボニルコバルト酸;
一般式(Va)[BR[前記式中、R〜Rは相互に独立して、フッ素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]の四置換されたホウ酸であるか;
一般式(Vb)[R-SO[前記式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記基残は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]の有機スルホン酸であるか;
一般式(Vc)[R−COO][前記式中、Rは水素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]のカルボン酸であるか;
一般式(Vd)[PF(C2y+1−z6−x[前記式中、1≦x≦6、1≦y≦8及び0≦z≦2y+1]の(フルオロアルキル)フルオロリン酸;
一般式(Ve)[R−SO−N−SO−R、(Vf)[R−SO−N−CO−R、又は(Vg)[R−CO−N−CO−R[前記式中、R〜Rは相互に独立して、水素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]のイミドであるか;
一般式(Vh)
【0038】
【化6】

[前記式中、R〜Rは相互に独立して、水素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]のメチドであるか;
一般式(Vi)[RO−SO[前記式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]の有機硫酸であるか;又は
一般式(Vj)[MHals−[前記式中、Mは金属、及びHalはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、q及びrは正の整数であってこの錯体の化学量論を示し、かつsは正の整数であってこの錯体の電荷を示す]のハロメタラート(Halometallat);
である場合に精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が製造される。
【0039】
前記アニオンAa−の電荷「a−」は、「1−」、「2−」又は「3−」である。2価で負に荷電したアニオンの例として、硫酸、リン酸水素及び炭酸が挙げられる。3価で負に荷電したアニオンの例として、リン酸が挙げられる。
【0040】
ヘテロ原子として原則的に、式として−CH−、−CH=、C≡又は=C=の基を置換することが可能である全てのヘテロ原子が考慮される。前記炭素含有残基がヘテロ原子を含有する場合には、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素が有利である。有利な基として、特に−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−N=、−PR−、−PR及び−SiR−が挙げられ、その際前記残基Rは前記炭素含有残基の残りの部分である。
【0041】
官能基として原則的には、炭素原子又はヘテロ原子に結合していてよい全ての官能基が考慮される。適した例として、−OH(ヒドロキシ)、=O(殊にカルボニル基として)、−NH(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシ)、−CONH(カルボキサミド)及び−CN(シアノ)が挙げられる。官能基及びヘテロ原子は、直接的に隣接していてもよく、従って複数の近接した原子からの組み合わせ、例えば−O−(エーテル)、−S(チオエーテル)、−COO−(エステル)、−CONH−(第二アミド)又は−CONR−(第三アミド)も含まれてよい。
【0042】
ハロゲンとして、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
【0043】
炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基として、四置換されたホウ酸(Va)の際には前記残基R〜R、有機スルホン酸(Vb)の際には前記残基R、カルボン酸(Vc)の際には前記残基R、イミド(Ve)、(Vf)及び(Vg)の際には前記残基R〜Rは、相互に独立して有利には、
・C〜C30−アルキル及びそのアリール置換、ヘテロアリール置換、シクロアルキル置換、ハロゲン置換、ヒドロキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ホルミル置換、−O−、−CO−、−CO−O−又は−CO−N<置換した構成要素、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラトコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、フェニルメチル(ベンジル)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、2−シクロヘキシルプロピル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、アセチル、又はC2(n−a)+(1−b)2a+b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1(例えばCF、C、CHCH−C(n−2)2(n−2)+1、C13、C17、C1021、C1225));
・C〜C12−シクロアルキル及びそのアリール置換、ヘテロアリール置換、シクロアルキル置換、ハロゲン置換、ヒドロキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ホルミル置換、−O−、−CO−、又は−CO−O−置換した構成要素、例えばシクロペンチル、2−メチル−1−シクロペンチル、3−メチル−1シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチル−1−シクロヘキシル、3−メチル−1−シクロヘキシル、4−メチル−1−シクロヘキシル又はC2(n−a)−(1−b)2a−b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1);
・C〜C30−アルケニル及びそのアリール置換、ヘテロアリール置換、シクロアルキル置換、ハロゲン置換、ヒドロキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ホルミル置換、−O−、−CO−、又は−CO−O−置換した構成要素、例えば2−プロペニル、3−ブテニル、cis−2−ブテニル、trans−ブテニル、trans−2−ブテニル又はC2(n−a)−(1−b)2a−b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1);
・C〜C12−シクロアルケニル及びそのアリール置換、ヘテロアリール置換、シクロアルキル置換、ハロゲン置換、ヒドロキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ホルミル置換、−O−、−CO−、又は−CO−O−置換した構成要素、例えば3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル又はC2(n−a)−3(1−b)2a−3b(n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1);及び
・2〜30つの炭素原子を有するアリール又はヘテロアリール及びそのアルキル置換、アリール置換、ヘテロアリール置換、シクロアルキル置換、ハロゲン置換、ヒドロキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ホルミル置換、−O−、−CO−、又は−CO−O−置換した構成要素、例えばフェニル、2−メチル−フェニル−(2−トリル)、3−メチル−フェニル(3−トリル)、4−メチルーフェニル、2−エチル−フェニル、3−エチル−フェニル、4−エチル−フェニル、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、4−フェニル−フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル又は0≦a≦5を有するC(5−a)である。
【0044】
アニオンAa−が、四置換されたホウ酸(Va)[BRである場合には、この際有利には全ての四つの残基R〜Rは同一であり、その際前記Rは有利にはフッ素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルである。殊に有利な四置換されたホウ酸(Va)は、テトラフルオロホウ酸、テトラフェニルホウ酸及びテトラ[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸である。
【0045】
前記アニオンAa−が有機スルホン酸(Vb)[R−SOである場合には、前記残基Rは有利にはメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、p−トリル又はC19である。殊に有利な有機スルホン酸(Vb)はトリフルオロメタンスルホン酸(トリフラート(Triflat))、メタンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、ノナデカンフルオロノナスルホン酸(ノナフラート(Nonaflat))、ジメチレングリコールモノメチル−エーテル硫酸及びオクチル硫酸である。
【0046】
前記アニオンAa−がカルボン酸(Vc)[R−COO]である場合には、前記残基Rは有利には水素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ−フェニルメチル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、エテニル(ビニル)、2−プロペニル、−CH=CH−COO、cis−8−ヘプタデセニル、−CHC(OH)(COOH)−CH−COO、又は非分枝又は分枝のC〜C18−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘプタデシルである。殊に有利なカルボン酸(Vc)はギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、マンデル酸、トリクロロ酢酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ酢酸である。
【0047】
前記アニオンAa−が(フルオロアルキル)フルオロリン酸(Vd)[PF(C2y+1−z6−xである場合には、zは有利には0である。殊に有利には、z=0、x=3及び1≦y≦4の(フルオロアルキル)フルオロリン酸(Vd)、具体的には、[PF(CF、[PF(C、[PF(C及び[PF(Cである。
【0048】
アニオンAa−がイミド(Ve)[R−SO−N−SO−R、(Vf)[R−SO−N−CO−R、又は(Vg)[R−CO−N−CO−Rである場合には、前記残基R〜Rは相互に独立して有利には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル又は非分枝又は分枝のC〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシルである。殊に有利なイミド(Ve)、(Vf)、及び(Vg)は[FC−SO−N−SO−CF(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)、[F-SO−N−SO−C(ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド)、[FC−SO−N−CO−CF、[FC−CO−N−CO−CF、及び前記残基R〜Rが相互に独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、又はフルオロメチルであるイミドである。
【0049】
アニオンAa−がメチド(Vh)
【0050】
【化7】

である場合には、前記残基R〜Rは相互に独立して有利には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、又は非分枝又は分枝のC〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシルである。殊に有利なメチド(Vh)は[(FC−SOC](トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド)、[(F−SOC](ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド)及び、前記残基R〜Rが相互に独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はフルオロメチルであるメチドである。
【0051】
アニオンAa−が有機硫酸(Vi)[RO−SOである場合には、前記残基Rは有利には分枝又は非分枝のC〜C30−アルキル残基、殊に有利にはメチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸、ブチル硫酸、ペンチル硫酸、ヘキシル硫酸、ヘプチル硫酸又はオクチル硫酸である。
【0052】
アニオンAa−がハロメタラート(Vj)[MHals−である場合には、Mは有利にはアルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、アンチモン又はスズである。Halは有利には塩素又は臭素、とりわけ特に有利には塩素である。qは有利には1、2又は3、かつr及びsは、前記金属イオンの化学量論及び電荷に相応して生じる。
【0053】
とりわけ特に有利には本発明による方法の際に、アニオンAa−として、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、マンデル酸、硝酸、亜硝酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、硫酸水素、メチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸、ブチル硫酸、ペンチル硫酸、ヘキシル硫酸、ヘプチル硫酸、オクチル硫酸、リン酸、リン酸二水素、リン酸水素、プロピオン酸、テトラクロロアルミン酸、AlCl、クロロ亜鉛酸、クロロ鉄酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリフリミド(Triflimid)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロ−メチルスルホニル)メチド(メチド)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド、p−トリルスルホン酸(トシル酸(Tosylat))、ビス[サリチラト(2−)]ホウ酸、テトラカルボニルコバルト酸、ジメチレングリコールモノメチルエーテル硫酸、オレイン酸、ステアリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、コハク酸水素、ビニルホスホン酸、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィン酸、ビス[オキサラト(2−)]ホウ酸、ビス[1,2−ベンゼンジオラト(2−)−O,O′]ホウ酸、ジシアナミド、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロリン酸、テトラシアノホウ酸、又はクロロコバルト酸を含有する、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が製造される。
【0054】
とりわけ殊に有利には本発明による方法の際に、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)として、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、硫酸水素、メチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸、ブチル硫酸、ペンチル硫酸、ヘキシル硫酸、ヘプチル硫酸、オクチル硫酸、リン酸、リン酸二水素、リン酸水素、プロピオン酸、テトラクロロアルミン酸、AlCl、クロロ亜鉛酸、クロロ鉄酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチル−スルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド、p−トリルスルホン酸が製造される。
【0055】
本発明による方法の際に使用する1,3−置換イミダゾリウム塩(II)は、1,3−置換イミダゾリウムカチオン(Ia)(上記で定義したとおりであり、従って製造する精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)の1,3−置換イミダゾリウムカチオン(Ia)と同一である)と、前記アニオンYy−とを含有し、前記アニオンは無機又は有機のプロトン酸HY(IV)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際yは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す。アニオンYy−として原則的に、無機又は有機のプロトン酸の、全ての部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンが適していて、これは前記1,3−置換イミダゾリウム塩(Ia)と塩を形成する。有利にはYy−は、無機又は有機のプロトン酸の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンであり、例えばこれは前記アニオンAa−の定義の際に記載したようであり、並びに塩化物、臭化物、及びヨウ化物である。
【0056】
殊に有利には本発明による方法の際に、1,3−置換イミダゾリウム塩(II)を使用し、これはアニオンYy−として、塩化物、臭化物、メタンスルホン酸、炭酸水素、炭酸、硫酸水素、ジエチルリン酸、トシル酸又はメチル硫酸を含有する。
【0057】
この使用する1,3−置換イミダゾリウム塩(II)は例えば、一般的に公知の合成により、例えば相応する1−置換イミダゾールのアルキル化により入手可能である。
【0058】
強塩基として本発明による方法の場合に原則的には、適当な反応条件、例えば圧力及び温度下で、前記の使用した1,3−置換イミダゾリウム塩(II)を、相応する1,3−置換イミダゾール−2−イリデンへと変換することが可能である、全ての塩基を使用してよい。適した強塩基として例示的には、アルコラート、例えば脂肪族のアルコールのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、水酸化物、例えばアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化カルシウム及びそのクラウンエーテル錯体)、酸化物、例えばアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム又は酸化カルシウム)、炭酸塩及び炭酸水素塩、例えばアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩及びアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、又は炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)、アンモニア、アミン、金属水素化物、例えば水素化ナトリウム又は水素化カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、ブチルリチウム、フェノラート、例えばナトリウムフェノラート又はカリウムフェノラート、及びそのクラウンエーテル錯体、アミジン、アミド、例えばナトリウムアミド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)が挙げられる。有利には強塩基として、アルカリのC〜C−アルキラート、例えばメチラート、エチラート、n−ブチラート、sec−ブチラート、イソ−ブチラート、tert.−ブチラート、ペンチラート又はヘキシラートを使用する。とりわけ殊に有利には、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、又はカリウム−tert.−ブチラートを使用する。
【0059】
添加した強塩基のモル量は一般的には、1,3−置換イミダゾリウムカチオン(Ia)のモル量に関して0.8〜5、有利には0.9〜3、殊に有利には1.0〜1.1である。
【0060】
前記1,3−置換イミダゾリウム塩(II)と、前記強塩基とを、相応する1,3−置換イミダゾール−2−イリデンにするこの反応は、20〜250℃、有利には20〜200℃、殊に有利には25〜150℃の温度で行われる。一般的には、0.0001〜0.15MPa abs、有利には0.0001〜0.1MPa abs、殊に有利には0.005〜0.05MPa absの圧力の場合に前記反応を実施する。
【0061】
前記反応は原則的に、前記の使用した1,3−置換イミダゾリウム塩(II)と、前記の強塩基との混合を可能にし、かつここから、この形成した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの留去を可能にする、全ての装置中で行ってよい。例として、撹拌槽、薄層蒸発装置、フラッシュ蒸発装置、及び蒸留塔が挙げられる。
【0062】
本発明の核心は、この留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、前記プロトン酸HA(III)と接触させ、かつ/又は前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態又は凝縮状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する受け器中に導入する処置である。これによって方法全体において、前記1,3−置換イミダゾール−2−イリデン、及び殊に液状の1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの短い滞留時間が保証される。
【0063】
有利な実施態様においては、前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、液体の、殊に有利には気体状態のプロトン酸HA(III)と接触させ、この凝縮した、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を単離する。この接触は、例えば蒸留塔中で、又は有利には充填した滞留時間区域中で行われる。前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンと前記プロトン酸HA(III)とをこの際有利には向流において互いに接触させ、その際この形成した、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)は、その高い沸点のために凝縮し、かつ下方に運ばれ、従ってこの精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)は直接的に所望の終生成物として入手可能である。このために適した反応装置として、2つの気流が混合するか又は接触することが可能である一般的な装置、例えば蒸留塔又は管状反応器が挙げられる。
【0064】
その他の有利な実施態様においては、前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する受け器中に導入し、ここから前記の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を単離する。適した装置として例えば、気体導入装置を有する撹拌槽、塔を有する撹拌槽、冷却器、及び受け器が挙げられる。一般的に、前記の装入したプロトン酸(III)の蒸発に抗するために前記受け器を冷却することが有利である。前記の気体状態の1,3−置換イミダゾール−2−イリデンは、例えば蒸留塔の気体状態の塔頂生成物、又は直接的には、前記1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの形成が行われる前記装置からの気流である。一般的には、前記プロトン酸(III)を、前記1,3−置換イミダゾール−2−イリデンに対して、化学量論量又は化学量論を超えた量で使用する。過剰のプロトン酸(III)を次に、容易な方法で反応後に、留去又は液/液抽出によって除去し、従って前記の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)は、直接的に所望の終生成物として入手可能である。
【0065】
更なる有利な実施態様において、前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを冷却器中で凝縮し、これを凝縮状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する蒸留受け器中に導入し、ここから前記の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を単離する。適した装置として、例えば導入装置を有する撹拌槽が挙げられる。一般的に、前記の装入したプロトン酸(III)の蒸発に抗するために前記受け器を冷却することが有利である。一般的に、前記プロトン酸(III)を、前記1,3−置換イミダゾール−2−イリデンに対して、化学量論量又は化学量論を超えた量で使用する。過剰のプロトン酸(III)を次に、容易な方法で反応後に、留去又は液/液抽出によって除去し、従って前記の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)は、直接的に所望の終生成物として入手可能である。
【0066】
前記の本発明による方法によって、殊に高い純度で前記1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が製造可能である。前記塩化物塩、臭化物塩、及びヨウ化物塩が精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)として所望されていない場合には、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンに関するこの総濃度は、有利には≦100質量ppm、殊に有利には≦50質量ppm、とりわけ殊に有利には≦10質量ppm、特に≦5質量ppmである。金属含有アニオンを有する精製していない1,3−置換イミダゾリウム塩(I)が所望されている場合には、前記金属−総濃度は有利には≦100質量ppm、殊に有利には≦50質量ppm、とりわけ有利には≦10質量ppm、特に≦1質量ppmである。金属−総濃度とはこの場合、結合又は非結合状態で、中性又はイオン状態で、溶解又は懸濁して、溶融した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)中に存在する金属に関する総濃度であると理解される。
【0067】
前記の本発明による方法は、イミダゾリウム−カチオンの置換基の選択及びアニオンの選択に関して大きな多様性及び柔軟性を有し、かつ技術的に容易な方法で高い収率でもって、純粋な1,3−置換イミダゾリウム塩から高純度な1,3−置換イミダゾリウム塩までを生じる、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法を可能にする。本発明による方法の際には、任意の方法で製造された1,3−置換イミダゾリウム塩が使用されてよい。これは、様々な不純物を含有してもよい。従って、本発明による方法は、この使用する1,3−置換イミダゾリウム塩の品質に関してはさして要求しない。前記気体状態の1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを介した精製工程によって、前記受け器中に元から存在する不純物が残る。前記1,3−置換イミダゾール−2−イリデンと、前記の所望のプロトン酸との引き続く反応は従って、殊に純粋な生成物を生じ、前記生成物は例えば、適用のための更なる精製なしで電子分野に適する(「電子等級」)。前記気体状態の1,3−置換イミダゾール−2−イリデンと前記所望のプロトン酸との直接的な反応、あるいは前記気体状態の又は凝縮した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの、前記プロトン酸を含有する受け器中への導入により、反応性の1,3−置換イミダゾール−2−イリデンから場合により生じる副生成物又は分解生成物の形成は妨げられるか、又は少なくとも著しく減少する。
【0068】
実施例
比較例1
[BMIM]Cl 7g(0.04Mol)と、ナトリウムメチラート3.24g(0.06Mol)とを混合すると、このバッチが薄く黄色に変色した。この形成した1−ブチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンを引き続き真空中で、約70℃の移行温度で留去し、かつ外部からドライアイスで冷却した蒸留受け器中で捕集した。この得られた蒸留物をすぐさまH及び13C NMR分光学的に分析した。この際、1−ブチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンは検出されなかった。この蒸留物はこれ以上同定されない分解生成物からなっていた。
【0069】
実施例2(本発明による)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(以下[EMIM]Clと略称する)22g(0.15Mol)とカリウム−tert.−ブチラート25.2g(0.225Mol)とを混合した。この形成した1−エチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンを引き続き真空中で40Pa absの圧力及び52〜57℃の移行温度で留去し、氷酢酸(濃縮酢酸)9.0g(0.15Mol)で充填しかつ氷水で冷却した蒸留受け器中に導入した。この塔底温度は72〜100℃であった。前記の凝縮した1−エチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンの、前記氷酢酸を含有する蒸留受け器への滴加の際に発熱反応が観察された。前記蒸留受け器中の混合物はこの場合、黄褐色に変色した。前記の装入した氷酢酸と共に、全部で蒸留物21.7gが得られた。この得られた蒸留物をH及び13C NMR−分光学的に分析した。前記スペクトルは[EMIM]−酢酸並びに過剰な酢酸及びtert.−ブタノールのシグナルを示した。前記の過剰な酢酸及びtert.−ブタノールの分離後、80℃で真空中でEMIM−酢酸15.6gを得た。これは、61%の収率に相応する。
【0070】
実施例3(本発明による)
融解した[EMIM]Cl 22g(0,15Mol)と、カリウム−tert.−ブチラート25.2g(0.225Mol)とを混合した。この形成した1−エチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンを引き続き真空中で40〜200Pa absの圧力及び47〜52℃の移行温度で留去し、メタンスルホン酸14.4g(0.15Mol)で充填しかつ氷水で冷却した蒸留受け器中に導入した。この塔底温度は75〜110℃であった。前記の凝縮した1−エチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンの、前記メタンスルホン酸を含有する蒸留受け器への滴加の際に発熱反応が観察された。前記蒸留受け器中の混合物はこの場合、黄褐色に変色した。前記の装入したメタンスルホン酸と共に、全部で蒸留物28.4gが得られた。この得られた蒸留物をH及び13C NMR−分光学的に分析した。NMR−分析によれば、これは[EMIM]−メタンスルホン酸であった。この収率は、91.8%であった。
【0071】
比較例4
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(以下[BMIM]Clと略称する)25g(0.143Mol)と、カリウム−tert.−ブチラート24.1g(0.215Mol)とを混合すると、このバッチはすぐさま橙赤色に変色した。この形成された1−ブチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンを引き続き真空中で20Pa absの圧力及び58〜66℃の移行温度で留去した。この塔底温度は85〜93℃であった。蒸留物14.34gを得、前記蒸留に引き続きすぐさまメタノールと混合した。前記混合物のpH値は12であった。この得られた混合物をすぐさまH及び13CNMR分光学的に分析した。この際、1−ブチル−3−メチルイミダゾール−2−イリデンも、前記1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンも検出されなかった。前記混合物の主成分は、これ以上同定されない分解生成物であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[前記式中、
*前記残基R、R、R及びRは相互に独立して、炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基を表し、前記残基は1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよく、その際、このそれぞれ隣接した残基、RとR、RとR、並びにRとRはまた相互に結合していてよく、かつ前記残基RとRは更にまた相互に独立して、水素、ハロゲン又は官能基を表す;
かつ
*Aa−は、無機又は有機のプロトン酸HA(III)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際aは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す]
の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩を製造するための、一般式(II)
【化2】

[前記式中、前記残基R、R、R、及びRは上述した意味を有し、かつ前記アニオンYy−は、無機又は有機のプロトン酸HY(IV)の部分的に脱プロトンしたか又は完全に脱プロトンしたアニオンを示し、その際yは正の整数であってかつこのアニオンの荷電状態を示す]
の1,3−置換イミダゾリウム塩と強塩基との20〜250℃の範囲にある温度での反応による、この生じた1,3−置換イミダゾール−2−イリデンの留去下での製造方法であって、この留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、前記プロトン酸HA(III)と接触させ、かつ/又はこの留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを、気体状態又は凝縮状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する受け器中に導入することを特徴とする、一般式(I)の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩の製造方法。
【請求項2】
前記残基R及びRが、相互に独立して、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、1−(2−エチル)ヘキシル、ベンジル、3−フェニルプロピル、6−ヒドロキシヘキシル又はフェニルであり、かつ前記残基R及びRが相互に独立して水素、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、1−ヘキシル、6−ヒドロキシヘキシル、フェニル又は塩素である場合に、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を製造することを特徴とする、請求項1に記載した製造方法。
【請求項3】
前記アニオンAa−が、
フッ化物;ヘキサフルオロリン酸;ヘキサフルオロヒ酸;ヘキサフルオロアンチモン酸;トリフルオロヒ酸;亜硝酸;硝酸;硫酸:硫酸水素;炭酸;炭酸水素;リン酸;リン酸水素;リン酸二水素;ビニルホスホン酸;ジシアナミド;ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィン酸;トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸;トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロリン酸;ビス[オキサラト(2−)]ホウ酸;ビス[サリチラト(2−)]ホウ酸;ビス[1,2−ベンゼンジオラト(2−)−O,O′]ホウ酸;テトラシアノホウ酸;テトラカルボニルコバルト酸;
一般式(Va)[BR[前記式中、R〜Rは相互に独立して、フッ素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]の四置換されたホウ酸であるか;
一般式(Vb)[R−SO[前記式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]の有機スルホン酸であるか;
一般式(Vc)[R−COO][前記式中、Rは水素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]のカルボン酸であるか;
一般式(Vd)[PF(C2y+1−z6−x[前記式中、1≦x≦6、1≦y≦8及び0≦z≦2y+1]の(フルオロアルキル)フルオロリン酸;
一般式(Ve)[R−SO−N−SO−R、(Vf)[R−SO−N−CO−R、又は(IVg)[R−CO−N−CO−R[前記式中、R〜Rは相互に独立して、水素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]のイミドであるか;
一般式(Vh)
【化3】

[前記式中、R〜Rは相互に独立して、水素、又は炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]のメチドであるか;
一般式(Vi)[RO−SO[前記式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和又は不飽和の、非環式又は環式の、脂肪族、芳香族、又はアラリファチックの、1〜30つの炭素原子を有する残基であって、前記残基は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、かつ/又は1つ又は複数の官能基又はハロゲンによって置換されていてよい]の有機硫酸であるか;又は
一般式(Vj)[MHals−のハロメタラート[前記式中、Mは金属、及びHalはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、q及びrは正の整数であってこの錯体の化学量論を示し、かつsは正の整数であってこの錯体の電荷を示す];
である場合に、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を製造することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記アニオンAa−が、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、マンデル酸、硝酸、亜硝酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、硫酸水素、メチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸、ブチル硫酸、ペンチル硫酸、ヘキシル硫酸、ヘプチル硫酸、オクチル硫酸、リン酸、リン酸二水素、リン酸水素、プロピオン酸、テトラクロロアルミン酸、AlCl、クロロ亜鉛酸、クロロ鉄酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド、p−トリルスルホン酸、ビス[サリチラト(2−)]ホウ酸、テトラカルボニルコバルト酸、ジメチレングリコールモノメチルエーテル硫酸、オクチル硫酸、オレイン酸、ステアリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、コハク酸水素、ビニルホスホン酸、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィン酸、ビス[オキサラト(2−)]ホウ酸、ビス[1,2−ベンゼンジオラト(2−)−O,O′]ホウ酸、ジシアナミド、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロリン酸、テトラシアノホウ酸、又はクロロコバルト酸である場合に、精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を製造することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
1,3−置換イミダゾリウム塩(II)を使用し、その際前記アニオンYy−は塩化物、臭化物、メタンスルホン酸、炭酸水素、炭酸、硫酸水素、ジエチルリン酸、トシル酸又はメチル硫酸であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、気体状態のプロトン酸HA(III)と接触させ、この凝縮した精製1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を単離することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを気体状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する受け器中に導入し、ここから前記の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を単離することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記の留去した1,3−置換イミダゾール−2−イリデンを冷却器中で凝縮し、凝縮した状態で、前記プロトン酸HA(III)を含有する蒸留受け器中に導入し、ここから前記の精製した1,3−置換イミダゾリウム塩(I)を単離することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記留去を、0.0001〜0.15MPa absの圧力で実施することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2006−528139(P2006−528139A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520704(P2006−520704)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007076
【国際公開番号】WO2005/019183
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany