糊綴じ冊子、糊綴じ冊子の製造方法、並びに糊綴じ冊子の製造装置
【課題】大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を簡便に得ること。
【解決手段】大きさ、材質、厚さの少なくともいずれかが異なる折丁を少なくとも有し、複数の折丁を積層し、折り線領域の糊づけにより丁合されてなる糊綴じ冊子であって、 折丁の一方又は両方の折面上に、折り線に沿って所定幅の糊綴じ部が一直線状に形成され、折丁と、該折丁に積層される次なる折丁と前記糊綴じ部により接着された糊綴じ冊子とすること。
【解決手段】大きさ、材質、厚さの少なくともいずれかが異なる折丁を少なくとも有し、複数の折丁を積層し、折り線領域の糊づけにより丁合されてなる糊綴じ冊子であって、 折丁の一方又は両方の折面上に、折り線に沿って所定幅の糊綴じ部が一直線状に形成され、折丁と、該折丁に積層される次なる折丁と前記糊綴じ部により接着された糊綴じ冊子とすること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊綴じ冊子、糊綴じ冊子の製造方法、並びに糊綴じ冊子の製造装置に関する。より詳しくは、異なる大きさや材質の折丁を有する糊綴じ冊子の製造技術等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、書籍、パンフレット、カタログ、販売促進用アメニティグッズ、ダイレクトメール等に中綴じ冊子が用いられている。中綴じ冊子は、表紙と複数の折丁を重ね合わせて中綴じしたものであり、例えば、針金やホチキス等の綴針で綴じられた中綴じ冊子が汎用されている。
【0003】
このような中綴じ冊子の製造方法としては、例えば、2つ折りの折丁を頂線に沿って鞍掛搬送して、順次前記折丁を積層・丁合していき、積層された折丁群に針金を打ちこみ、最後に化粧断ち(三方裁断等)する製本技術等が用いられている。このような製本技術では化粧断ちにより折丁群の周縁をまとめて処理することでできるため、各折丁の大きさが整った外観上優れた中綴じ冊子を連続的に製造することができる。
【0004】
そして、中綴じ冊子としては、積層した折丁同士を糊綴じした冊子も用いられている。このように糊綴じすることで針金やホチキス等の綴針を用いなくてよいため、頁数が少ない小冊子や、大きさや材質等が同じ折丁を綴じる冊子等に用いられている。
【0005】
これに関する製本技術として、例えば、特許文献1には、糊綴じ冊子の製造装置に糊づけユニットを設けることで、針金やホチキスを用いない糊綴じ冊子に関する製造技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−193639号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の製本技術等は、以下の問題等が生じる。
まず、糊綴じするために糊しろを形成する必要があるが、折丁の折り目線にそって糊しろを形成・塗布する際に、糊しろ幅がどうしても微妙に波打ったりズレてしまうという問題があった。糊しろ幅が均一でないために、綴じ込むべき折丁をしっかりと固着できず、折丁がずれて糊綴じされたり、冊子から折丁が剥がれて脱落してしまったりする。また、手作業に頼ったとしても正確に一直線状に揃った糊しろを各折丁に形成することは難しい。更に、糊しろを形成する工程等を、手作業に頼ったり、別途工程を設けたりした場合には、作業効率や経済性の観点からも望ましくない。
【0008】
この問題は、特に折丁の大きさや材質や厚さが異なる折丁等を綴じ込む場合に顕著であり、かかる折丁をしっかりと綴じ込むためには、より正確な糊しろを形成することが重要となり、かつより正確な一直線上の所定幅を揃った糊しろ部を設けることが難しいからである。即ち、折丁の大きさや材質や厚さの異なる折丁を用いる場合には、搬送時や折丁積層時等の作業時にズレが生じやすく、製本した際に各折丁の折面がずれた状態等となってしまう。特に、折丁の長手方向の大きさが異なる折丁群を丁合する場合、折丁の搬送・丁合時に遊びが生じるため、きれいに糊綴じできないといった問題等を抱えていた。
【0009】
そこで、本発明は、かかる問題を解決し、大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を提供すること主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
まず、本発明は、大きさ、材質、厚さの少なくともいずれかが異なる折丁を少なくとも有し、複数の折丁を積層し、折り線領域の糊づけにより丁合されてなる糊綴じ冊子であって、折丁の一方又は両方の折面上に、折り線に沿って所定幅の糊綴じ部が一直線状に形成され、折丁と、該折丁に積層される次なる折丁とが前記糊綴じ部により接着された糊綴じ冊子を提供する。
糊綴じ部を波打つことなく所定幅に揃えて一直線状に形成させることで、積層した折丁をしっかりと糊綴じすることができる。そして、折丁の一方又は両方の折面上には、少なくとも折丁の一方の折面に確実に所定幅に揃った糊綴じ部を形成し、さらに、必要に応じ、他方の折面にも確実に所定幅に揃った糊綴じ部を形成させようとすることもできる。
次に、本発明は、少なくとも一方の折面は長手方向の折り目線で折り返され、かつ前記折り返された折面の端縁は自らの折面と接着された折丁が、少なくとも綴じこまれた糊綴じ冊子を提供する。例えば、三つ折や観音折等の複雑な折丁等も冊子に綴じ込むことができる。
そして、本発明は、前記糊綴じ部の前記所定幅は、折り線に沿って2mm〜8mmである糊綴じ冊子とすることができる。折線に沿って形成される糊綴じ部の所定幅を、波打つことがなく2mm〜8mmに揃えることで、美観に優れた糊綴じ冊子とすることができる。
糊づけによって製本する技術については、特に糊づけ幅を均等に形成することが重要となり、例えば、従来では、折丁の背部分の真上方向から糊を噴出・噴霧していたが、折丁に所定幅のきれいな糊しろを形成することが難しかった。発明者は、この原因について鋭意研究を重ねた結果、糊を折丁に噴射・噴霧する際に液ダレしてしまうことや、山折りした搬送ラインに折丁の折り目線がしっかりと収まっていないこと等が原因となっていることをつきとめた。そして、これらの原因によって、折丁に糊を噴射・噴霧した際に糊しろが波打ってしまうという問題を引き起こすことをつきとめた。発明者は、これらの問題を以下のように解決した。
本発明は、第1折丁を鞍掛搬送しつつ前記第1折丁の山折り線に沿って糊づけし、前記第1折丁の上方に配置された略逆V字状のガイドに、続く第2折丁を一旦仮受けし、前記第1折丁と第2折丁とを積層することで糊綴じする糊綴じ冊子の製造方法であって、前記第1折丁の少なくとも一方の折面に対して略垂直の角度から糊を塗布することで、所定幅の糊綴じ部を、前記山折り線と平行方向に略一直線となるように前記一方の折面上に形成する工程と、前記ガイド上に一旦仮受けされた第2折丁を、前記糊綴じ部を形成された第1折丁に対して徐々に重ね合わせていく工程と、を少なくとも行なう糊綴じ冊子の製造方法を提供する。
本発明では、折丁に糊を塗布する角度を、折丁の折線上方から略真下方向に噴霧等するのではなく、折丁の少なくとも一方の折面に略垂直に塗布することで、一方の折面に確実に所定幅にそろった糊綴じ部を形成することができる。折丁の折線上方から略真下方向に塗布したのでは、折丁のどちらかの折面に糊が付着し液ダレ等を引き起こすため、その結果、折線に沿って所定幅の糊綴じ部を形成することが困難となり、その結果、糊綴じ部が波打つ状態となるが、かかる現象を防止できる。
また、本発明は、前記糊綴じ部を、前記一方の折面上に前記山折り線に沿って所定幅に形成する糊綴じ冊子の製造方法を提供する。糊綴じ部を山折り線に沿って均一な所定幅となるように形成することができる。
そして、本発明では、前記ガイド上に仮受けされた第2折丁の山折り角度は、前記糊づけされた第一折丁に対して徐々に重ね合わせていくにつれて、前記第1折丁の山折り角度と略同じ角度となる糊綴じ冊子の製造方法を提供する。ガイドをただ設けるだけでなく、ガイド上に仮受けされた第2折丁の山折り角度を、当初仮受けした際はやや広めにしておき、第1折丁と重ね合わせる段階になってきたら、前記山折り角度を第1折丁の角度とほぼ同じ角度とすることで、重ね合わせる際の位置ズレ現象をより効率的に防止できる。
更に、本発明では、複数の折丁を糊綴じによって製本する糊綴じ冊子の製造装置であって、前記折丁を所定方向に鞍掛搬送する搬送レールと、前記搬送レール上に、山折りされた折丁を配置する第1給紙部と、前記第1給紙部から前記搬送レール上に配置された折丁に対し、該折丁の一方の折面に対して略垂直方向に糊を射出する糊用ノズル部と、前記糊づけされた折丁に積層させる次なる折丁を、山折りされた状態で供給する第2給紙部と、前記第2供給部より供給された前記次なる折丁を仮受けし、搬送レール上の糊づけ折丁に徐々に重ね合わせるガイド部と、を少なくとも備える糊綴じ冊子の製造装置を提供する。かかる装置を用いることで、より簡便に大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を簡便に得ることができる。
そして、本発明は、前記搬送レールは、逆V字状に形成され、かつ頂線に沿って突起部が設けられている糊綴じ冊子の製造装置を提供する。搬送レールに突起部を設けることで、折丁の位置ずれをより効果的に防止でき、これにより、糊綴じ部の所定幅をより正確に維持することができる。
更に、本発明は、前記ガイド部は、断面視、逆V字状の板部材であり、搬送方向先頭側の頂線領域にはスリットが設けられ、かつ搬送方向先頭側の前記逆V字状の板部材の高さが、搬送方向後尾側の前記逆V字状の板部材の高さよりも低くなるように形成され、前記搬送レール上に配置されている糊綴じ冊子の製造装置を提供する。ガイドを単に設けるだけでなく、かかる形状であるガイドを用いることで、積層する第2折丁を第1折丁に積層しようとする工程で起こりうる位置ズレ現象をより効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を簡便に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る糊綴じ冊子の好適な実施形態について説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明に係わる代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0013】
図1は、本発明に係る糊綴じ冊子の第1実施形態の簡略斜視図である。図2は、同実施形態の上面図である。図3は、同実施形態の冊子を見開いた状態を示す図である。
【0014】
図1の符号10は糊綴じ冊子を表している。この糊綴じ冊子10は、3枚の折丁11,12,13を糊綴じした冊子である。そして、折丁11は折りこみ面111を備えている。前記折丁11,12,13は、折面の両面に設けられた糊綴じ部101により糊綴じされている。この糊綴じ部101は、各折面の折り目線に沿って余長幅L1の幅で一直線状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
そして、折丁11と折丁12とは、折丁の長手幅、横手幅のいずれの長さも相違する。折丁11と折丁13とは、折丁の長手幅、横手幅のいずれの長さも相違する。折丁12と折丁13とは、折丁の横手幅の長さが相違する。このように、本発明では、折丁11,12,13の大きさは限定されず、長手方向、幅方向のいずれの長さも特に限定されず、変則的な折丁であっても、糊綴じ冊子10に綴じ込むことができる。従って、例えば、図示はしないが、何らかの図形やキャラクターや切抜きを施した折丁であってもよい。
【0016】
本発明で使用できる折丁の形態は限定されない、例えば、2つ折り折丁や観音折り折丁や変則12頁折り等の種々形態の折丁をも使用できる。また、必要に応じミシン目を入れた折丁も綴じこむことができる。さらには、折丁の周縁を全て接着された袋とじ折丁等も綴じ込むことができる。
【0017】
また、折丁の厚さL1は限定されず、糊綴じする折丁の枚数や厚さや材質等を考慮して適宜、決定することができる。従って、本発明において、糊づけできる折丁は、厚さが薄い紙(いわゆる「ペラもの」等)に限定されず、ある程度の厚みがある折丁も糊綴じすることができる。
【0018】
折丁11〜13の素材については、糊付け可能な素材であればよく、特に限定されず、例えば、種々の紙は勿論のこと、ビニール製のフィルム等や、プラスチック製の折丁等を綴じ込むことができる。紙類については、例えば、普通紙、上質紙、厚紙アートポスト紙、厚紙マットコート紙、コート、ミラーコート、マットコート等の幅広い紙類を用いることができる。
【0019】
また、折丁11〜13に施される印刷手法は特に限定されず、適宜、従来公知の印刷手法を用いることができる。
【0020】
糊綴じ冊子10は、折丁の両面に糊綴じ部101,101を形成しており、これを閉じ合わせたものであるが、本発明では、一方の折面にのみ糊綴じ部101を形成させてもよい。即ち、糊綴じ部101,101は、折丁11〜13の折面の各両面にそれぞれ余長幅L1の糊綴じ部を形成させて接着させた状態であるが、各折丁の一方の折面にのみ糊綴じ部101を形成させてもよい。
【0021】
従来では、折丁の折り目線にそって糊しろを形成・塗布する際に、糊綴じ部101がどうしても微妙に波打ったりズレてしまい、余長幅L1を正確に維持することが難しく、また、各折丁の余長幅L1を均一にすることも難しかった。
【0022】
あるいは、手作業によって、糊綴じ部101を形成しようとしても、手作業ゆえに微妙に余長幅L1がずれてしまう現象がある。特に、大きさや材質や厚さが異なる複数の折丁を冊子と使用とする場合には、その微妙なずれがどうしても接着力に影響を与えてしまう。その結果、折丁が微妙にずれて糊綴じされたり、冊子から折丁が剥がれて脱落してしまったりしていた。
【0023】
さらに、従来の製本技術では、特に、折丁の長手方向の大きさが異なる折丁群を丁合する場合、搬送時や折丁積層時等の作業時にズレが生じやすく、製本した際に各折丁の折面がずれた状態等となってしまう。従って、折丁の搬送・丁合時に遊びが生じるため、きれいに糊綴じできないといった問題等が顕著であった。
【0024】
これに関して、本発明では、糊を塗布する好適な塗布角度を見出したこと等によって、前記糊綴じ部101の余長幅L1を正確かつ均一に維持させることができ、糊綴じ冊子1とすることができる。
【0025】
特に、本発明は、前記糊綴じ部101の前記余長幅L1は、折線に沿って2mm〜8mmである糊綴じ冊子とすることが望ましい。折線に沿って形成される糊綴じ部101の所定幅L1を、波打つことがなく2mm〜8mmに揃えることで、美観に優れた糊綴じ冊子10とすることができる。特に、従来は、糊しろとして数ミリ単位の幅を均一に形成することが困難であったが、本発明では、2〜8mmの余長幅L1とすることで、薄い糊しろ幅であるためより美観に優れるとともに、かつ十分に折丁を綴じ込むとができる折丁とすることができる。
【0026】
さらに、コイル製本等の作業工程を省略できるため、コスト削減等にも貢献できる。コイルの材料としては、例えば、針金や各種合成樹脂等が用いられているが、本発明によれば、かかる材料を使用する必要がないため、より環境にも優しい冊子として実用可能である。
【0027】
図4は、本発明に係る糊綴じ冊子の第2実施形態の第1状態の簡略斜視図である。図5は、同実施形態の第1状態の側面図である。図6は、同実施形態の第2状態の簡略斜視図である。図7は、同実施形態の第2状態の側面図である。図8は同実施形態に設置台を設けた第3状態の側面図である。以下、第1実施形態と共通する点については説明を割愛し、相違する点を中心に説明する。
【0028】
図4の符号20は糊綴じ冊子を表している。この糊綴じ冊子20は、3枚の折丁21,22,23を糊綴じした冊子である。そして、折丁21は、一方の折面が、長手方向の折り目線で折り返され、かつ前記折り返された折面の端縁を自らの折面に接着させている。これにより、領域Aで折りたたんだ構造としている。
【0029】
この糊綴じ冊子20は、折丁21〜23の一方の折面に、余長幅L2の糊綴じ部201を形成している。そして、側面視、折丁21〜23を手めくり等によって折丁21の袋とじ部A側にめくることができる。
【0030】
本発明に係る糊綴じ冊子20は、糊綴じ部201を少なくとも一方の折面上に設けるため、各折丁をめくる際には、各折丁が糊綴じ部201の荷重によってめくり戻しされることを防止できる。従って、厚みのある用紙等を使用する手めくりカレンダーや、メッセージ性のある手めくり伝言帳等の手めくり冊子等にも好適に用いることができる。
【0031】
このように、本発明に係る糊綴じ冊子20は、日めくりカレンダーや手めくりカレンダー、CD等のディスク類を収納する冊子類や、各種パンフレット、各種カタログ等として多種多様に用いることができる。特に、表紙(例えば、折丁21)と本文(例えば、折丁22,23)とが異なる材質(紙質)であっても、糊綴じ可能であるため、広報活動・啓発活動・販売促進のためのマーケティングツール等としても使用できる。
【0032】
更に、前記糊綴じ冊子20は、別途設置台24を併用してもよい(図8参照)。即ち、糊綴じ冊子20に設置台24を設けた第3状態とすることができる(図8参照)。糊綴じ冊子20は、領域Aの折り目線A1を内側に折り込んだ状態であり、設置部A2,A3を形成させた第3状態である。また、設置台24は、側面視、上方に起立した設置固定部241を複数有している。
【0033】
そして、第3状態では、設置部A2,A3を設置台24の所定の設置固定部241に差し込むことで角度を自由に調節することができる。正面から見る角度を変えてみることができるため、見やすい角度に設定・維持することができ、使用者の身長差等による目の疲れや肩こり等の解消も期待できる。
【0034】
例えば、より斜めに設定したい場合には、側面視、折面線A1の折り目角度をより鈍角にすればよい(図8の符号W参照)。また、より垂直に設定したい場合には、側面視、折り目線A1の折り目角度をより鋭角にすればよい(図8の符号N参照)。大きさや材質や厚さの異なる折丁を綴じ込むことができるため、かかる形態の糊綴じ冊子20等とすることができる。
【0035】
本発明に係る糊綴じ冊子10,20等は、以下に示す製造方法や製造装置によって効率よく製造することができる。
【0036】
以下、本発明に係る糊綴じ冊子の製造方法について説明する。
図9は、本発明に係る糊綴じ冊子の製造方法の一例を説明するための正面視した概念図である。図10は、同製造方法を説明するための断面正面視した概念図である。
【0037】
まず、1部の折丁11を搬送する工程を行う(図9と図10の符号S1参照)。折丁11を1部ずつ矢印X方向(図9参照)に搬送する工程である。折丁11を、該折丁11の折り目線にそって鞍掛けした状態で搬送する。搬送手段は特に限定されず、例えば、断面視した状態で山折りである搬送ライン30(図10参照)に設けたブレード301に、折丁11の折り目線を重ね合わせた状態で搬送することができる。この搬送ラインの搬送手段は、公知の搬送手段を用いることができ、例えば、図示はしないが、ギャザリングチェーンにプッシャーを設けること等で、折丁11を押出搬送する手段とすることができる。
【0038】
折丁11を搬送ライン30で搬送する際には、角度a(図10参照)で山折りにした状態で搬送される。本発明では、この角度aについては特に限定されず、折丁11の大きさ、厚さ、材質等を考慮して適宜決定することができる。
【0039】
そして、山折りした搬送ライン30での折丁11の位置ズレを防止するためには、搬送ライン30を断面視した状態において、搬送ライン30の山折部分にブレード301を設けることが望ましい(図10等参照)。このブレード301を設けることで、折丁11の自重によって前記ブレード301を折丁11の折り目にフィットさせることができる。また、ブレード301を設けるという簡便な方法であるため、他の製造工程にも大きな影響を与えることがない点でも望ましい。
【0040】
次に、搬送された折丁11に糊を塗布する工程を行う(図9の符号S2−1,S2−2、図10の符号S2参照)。折丁11の少なくとも一方の折り面の折り目線から所定幅に糊を塗布する。すなわち、前記折丁11の少なくとも一方の折り面の折り目線から所定幅に糊綴じ部112を形成させる工程である。即ち、本発明は、あらかじめ折丁11の一方の折面に対して所定幅を均一に保った糊綴じ部112を形成させるようにしたものである。
【0041】
折丁11に糊づけする方法は、糊用ノズルN1によって糊を折丁11に噴射・噴霧する。折丁11を矢印X方向(図9参照)に搬送しながら糊用ノズルN1から糊を噴射・噴霧する。これにより、折丁11に折り目線全長にわたって均一な所定幅である糊綴じ部112を形成することができる。
【0042】
本発明では、特に、折丁11に糊綴じ部112を形成する面に対して、断面視、略垂直方向(図10の矢印Y1参照)となるように糊を噴射・噴霧するものである。従来は、例えば、折丁11の背部分の真上方向(図10の矢印Y2参照)から糊を噴出・噴霧していたが、折丁11に均一な所定幅である糊しろを形成することが難しかった。発明者は、この原因について鋭意研究を重ねた結果、糊を折丁11に噴射・噴霧する際に液ダレしてしまうことや、山折りした搬送ライン30に折丁11の折り目線がしっかりと収まっていないこと等が原因となっていることをつきとめた。そして、これらの原因によって、折丁11に糊を噴射・噴霧した際に糊しろが波打ってしまうという問題を引き起こすことをつきとめた。発明者は、これらの問題を以下のようにして解決した。
【0043】
まず、糊が折丁11に噴出・噴霧する際に液ダレしてしまうという問題等に対しては、折丁11のいずれか一方の折り面に対して略垂直方向(図10の矢印Y1参照)から糊を噴射・噴霧すればよいことを見出した。即ち、折丁11の真上方向(図10の矢印Y2参照)から噴霧すれば、一度の噴霧によって折丁11の両面に糊を噴霧することができるが、その一方で、糊が液ダレするために折丁11の両面に対して均一な所定幅である糊綴じ部を形成することが困難であるという問題があった。
【0044】
本発明では、折丁11のいずれか一方の折面に対して略垂直方向から噴霧することで折丁11での液ダレを効果的に抑制できる。その結果、糊綴じ部112が波打つことなく、所定幅L1を維持させることができる。そのため、糊綴じ部112の幅がきれいに揃った外観優れた糊綴じ冊子とすることができる。加えて、糊綴じ部112が折り目線の全長にわたり均一な所定幅L1に揃っていることで、折丁を折り目線全長に渡りしっかりと糊づけできるため、糊綴じ冊子の使用時等に折丁11が糊綴じ冊子10から剥がれ落ちてしまうことも防止できる。
【0045】
本発明では、折丁11のいずれか一方の折面に対して略垂直方向から噴霧すればよいが、好適には、折面に対する噴霧角度である角度a(図10参照)を垂直よりも少し鋭角に形成することが望ましい。糊用ノズルN1から噴射・噴霧される糊の粒子は重力の作用のため、噴射方向よりもやや下方に落下するので少し下方にずれた位置に糊が付着されることになる。これに対して、垂直よりも少し鋭角となるように角度aを設定することで、下方にずれる位置を修正することができる。その結果、あらかじめ設定した所定幅L1をより正確に維持することができる。このように糊綴じ部112の所定幅L1をより正確に形成させることは、糊綴じ冊子製造の需要の観点からも特に切望されている技術の一つである。
【0046】
また、本発明では、前記糊用ノズルN1を折り面の一方の側にのみ設け、折丁11の一面にのみ糊綴じ部112を形成すること(図10の符号S2a参照)に限定されない。即ち、折丁11の折り面の両側に前記糊用ノズルN1,N1を設け、折丁11の両面に糊綴じ部112,112を一度に形成するようにしてもよい(図10の符号S2b参照)。その結果、糊綴じ部112,112を効率よく形成することができる。
【0047】
また、図示はしないが、搬送ライン30上に折丁11が搬送されてくるか否かを感知する搬送用センサを設けることが望ましい。そして、この搬送用センサを糊用ノズルN1と連動させることで、折丁11が搬送されてきたことを搬送用センサが感知し、これにより糊用ノズルN1から糊を噴射・噴霧させることができるため、より正確な所定幅である糊綴じ部112を形成させることができるとともに、生産性等も向上させることができる点で望ましい。
【0048】
そして、前述の山折りした搬送ライン30に折丁11の折り目線がしっかりと収まっていない状態が起こりうるという問題等に対しては、搬送ライン30の山折部分にブレード301を設けることが望ましい(図10等)。このブレード301を設けることで、折丁11の自重によって前記ブレード301を折丁11の折り目線にフィットさせることができる。
【0049】
更に、本発明では、折丁11の位置ズレを防止するために、搬送ライン30上にベロ31,32を設けることが望ましい。搬送の過程で折丁11の一部が浮き上がった場合には、この浮き上がった部分が前記ベロ31,32に当接する。これにより、折丁11の浮き上がりを防止することができる。このベロ31,32の傾斜角度や材質や折丁11への押圧の強さ等は、折丁11の大きさや材質やあるいは材質(紙)の癖等を考慮して適宜調整することができる。
【0050】
第1のベロ31は搬送中の折丁11の浮き上がりを防止することができる。更に、第2のベロ32をノズルN1の直前に設けることで糊づけ時の折丁11の位置ズレを効果的に修正することができる。この結果、糊綴じ部112の所定幅L1を正確に維持できる点で望ましい。
【0051】
そして、本発明では糊用センサー33を設けることが望ましい。糊用ノズルN1から糊が噴射・噴霧された場合、この糊用センサー33が糊を感知することで糊が折丁11に正確に塗布されたか否かを確認することができる。糊用センサー33は、糊づけを確認できる方法であればよく、例えば、レーザーを照射することで糊の粒子の存在を確認する方法等を用いることができる。
【0052】
糊づけされた折丁11は、更に搬送ライン30によって前方(図9の矢印X方向参照)に搬送されるが、その際、コロガイド34を折丁11の背に当接するように設けることが望ましい。コロガイド34を設けることで、糊づけされた折丁11の位置ズレをさらに防止できるため、後続の丁合工程時の折丁同士のズレ等を防止できる。更に、図示はしないが、コロガイド34の形状は、断面視、折丁11の断面視、逆V字形状とフィットするように逆V字状の溝を形成していることが望ましい。
【0053】
このコロガイド34は、アイドルロールとすることもできるが、搬送ライン30の移動速度と同期させることが望ましい。即ち、コロガイド34と折丁11との接触点における速度は、搬送ライン30の搬送速度と実質的に同一であることが望ましい。これにより、折丁同士の重ねあわせの位置ズレを高い精度で防止できる。
【0054】
そして、糊づけされた折丁11の上方に、次なる折丁12を配置する工程を行なう(図9と図10の符号S3−1等参照)。折丁12をセットする際は、折丁11に直接重ね合わせるのではなく、まず、ガイド45の上方に折丁12を落下(セット)させ、この折丁12を前方(図9の矢印X参照)に搬送する(図9の符号S3−2参照)。その後、折丁11と重ね合わせることで折丁11,12を重ね合わせる(図9と図10の符号S4参照)。これにより、折丁11,12を重ね合わせる際に位置ズレの発生を防止することができる。
【0055】
更に、折丁12を搬送する際の角度を変えることで前記微妙なズレ等を更に効果的に防止できる。折丁12は、まずセットされた状態ではやや広めの折り目角度で搬送されている(図9と図10の符号S3−1参照)。そして、折丁11と重ね合わせる直前では、折丁11の折り目角度と略同じ角度で搬送されている(図9と図10の符号S3−2参照)。即ち、折丁12の折り目角度は、符号S3−1状態から符号S3−2状態へと移る際に角度を変えて搬送され、最後に折丁11と重ねあわされる(符号S4)。
【0056】
まず、折丁12をセットする工程(符号S3−1状態)では、上方から折丁12が落下されるため角度を広く設定しておくことで、折丁12がガイド45から位置ズレすること等によって脱落してしまうことを防止できる。そして、折丁12を搬送していき、折丁11と重ね合わせようとする工程(符号S3−2状態)では、折丁11の折り目角度と略同じ角度とすることで、折丁11と折丁12の折り目線同士をより正確に重ね合わせることができる。
【0057】
このような折丁12の搬送する際の角度を変える手段の一つとして、ガイド35を用いることができる。折丁11が搬送ライン30上に載せられて搬送されてきた際に、次なる折丁12も一緒に押送可能な状態で保持・設置されている。そして、前記折丁12が折丁11とともに前方方向(図9の矢印X参照)に搬送されることで、ガイド35がからはみ出していき、折丁11の上に折丁12が重ねあわされる(図9と図10の符号S4参照)。
【0058】
ガイド35は断面視、逆V字状の板部材であり、搬送方向に向かって前記逆V字状の角度が、重ね合わせる1枚目の折丁11の山折り角と略同じ角度となるまでに変化している形状である(図10〜12等参照)。更に、前記ガイド35には、断面視、逆V字状の頂点部分に沿ってブレード(突起部)351を形成することが望ましい。このブレード351によって折丁12の位置ズレを防止しつつ搬送することができる。
【0059】
加えて、前記ガイド35の搬送方向先頭側の頂線領域にはスリットが入っており、断面視略ハの字状に形成されていることが望ましい(図10の符号S−2参照)。これにより、次なる折丁12が折丁11の上に重ねあわされる際に、糊綴じ部112と折丁14の折り目線とが徐々に当接していくこと等によって、より正確に重ねあわせることができる。
【0060】
更に望ましくは、前記ガイド35の高さは、搬送方向に沿って徐々に低くなっていく形状であることが望ましい。これにより、重ね合わせる折丁11と折丁12との間隔を徐々につめていくことができるので(例えば、図9の符号S3−1〜S4参照)、より高い精度で位置あわせをすることができる。
【0061】
前記符号S3−1状態では、ガイド35の山頂部分にブレード351を設けられている(図10)。このブレード351を設けることで、折丁12の自重によって前記ブレード351を折丁12の折り目にフィットさせることができる。その結果、山折りした形状であるガイド35に折丁11の折り目線をしっかりとフィットさせることができるため、位置ズレをより効果的に防止できる。
【0062】
特に、このガイド35は、既存の搬送ライン30の上面に後付け可能であるため、アタッチメント等としても有効に使用できる。
【0063】
最後に、折丁11,12を搬送ライン30上で重ね合わせる工程を行なう(図9と図10の符号S4参照)。これにより、糊綴じ部112によって折丁11と折丁12とを接着することができる。
【0064】
本発明では、ガイド35から搬送された折丁11,12に対して上方から抑えるためのベロ36,37を設けることが望ましい。このベロ36,37によって、重ねあわされた直後の折丁11や折丁12の浮き上がりを防止できる。ベロ36,37の設置数は特に限定されず、使用する折丁11,12の大きさや厚さや材質や材質の癖、あるいは搬送ライン30の搬送速度等を考慮して適宜好適な数や好適な場所に設置することができる。
【0065】
続いて、重ねあわされた折丁11,12は、搬送ライン30上に設けられたストッパ38で1回位置調整される(図9参照)。ストッパ38に一度折丁11,12とが軽く当接することで位置決めすることができる。ストッパ38は一定以上の負荷が搬送方向から加重された場合にだけ、めくれあがったり回転したりするように設定することができる。これにより、例えば、折丁11,12の2枚の折丁分の負荷がかかった場合(即ち、2枚の折丁がストッパ38で揃った場合)にストッパ38が可動となることで、後続の搬送ライン30へと送り出すことができる。
【0066】
また、本発明では、必要に応じて前記S4工程の後続に、折丁12の上方から押圧する工程等を設けても良い。これにより、より強力に折丁11と折丁12とを糊づけすることができる。あるいは、必要に応じて前記S4工程の後続に、丁合された糊綴じ冊子の周縁を裁断する工程を設けることができる。糊綴じ冊子の周縁を化粧立ち(三方裁断や天地裁断)する工程を設けることで、糊綴じ冊子の周縁等の大きさが整った外観が良好な糊綴じ冊子を製造できる。
【0067】
図11は本発明に係る糊綴じ冊子の製造装置の一実施形態を説明する概略斜視図である。図12は、同実施形態の積層部Fnの概念図である。以下、本発明の製造装置について説明する。
【0068】
図11に示す符号Dは、糊綴じ冊子の製造装置を示している。該糊綴じ冊子の製造装置Dは、複数枚の折丁を丁合する場合の一例を示している。糊綴じ冊子の製造装置Dは、1枚目の折丁11を配置(セット)する給紙部F1と、次なる折丁12を積層する積層部F2と、n枚目の折丁を積層する積層部Fnと、が設けられている。また、糊とじされた糊綴じ冊子を上方からプレスする押圧位置Pと、糊綴じされた糊綴じ冊子の周縁を裁断する裁断位置Qが設けられている。
【0069】
該糊綴じ冊子の製造装置Dでは、必要に応じて折丁の積層部Fnの数を決定できる。例えば、2枚の折丁を糊綴じした場合には、給紙部F1と積層部F2を設ければよい。積層部Fnの構成を示す概念図を図12に示す。
【0070】
積層部Fnは、折丁11を搬送する搬送ライン30上に、折丁11を抑えるベロ31,32と、糊用センサー33と、糊用ノズルNが設けられている。続いて、糊づけされた折丁11を搬送するコロガイド34や,次なる折丁を搬送するガイド35が設けられている。そして、給紙機Sから次なる折丁(図示せず)がガイド35上に落下されることでセットされる。続いて、積層された折丁群を押さえるベロ36,37と、積層された折丁群の一端縁を揃えるためのストッパ38が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る糊綴じ冊子の第1実施形態の簡略斜視図である。
【図2】同実施形態の上面図である。
【図3】同実施形態の冊子を見開いた状態を示す図である。
【図4】本発明に係る糊綴じ冊子の第2実施形態の第1状態の簡略斜視図である。
【図5】同実施形態の第1状態の側面図である。
【図6】同実施形態の第2状態の簡略斜視図である。
【図7】同実施形態の第2状態の側面図である。
【図8】同実施形態に設置台を設けた第3状態の側面図である。
【図9】本発明に係る糊綴じ冊子の製造方法の一例を説明するための概念図である。
【図10】同製造方法を説明するための断面正面視した概念図である。
【図11】本発明に係る糊綴じ冊子の製造装置の一例を説明するための概念図である。
【図12】同製造装置のなかの積層部Fnの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0072】
10,20 糊綴じ冊子
11,12,13,21,22,23 折丁
30 搬送ライン
N 糊用ノズル
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊綴じ冊子、糊綴じ冊子の製造方法、並びに糊綴じ冊子の製造装置に関する。より詳しくは、異なる大きさや材質の折丁を有する糊綴じ冊子の製造技術等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、書籍、パンフレット、カタログ、販売促進用アメニティグッズ、ダイレクトメール等に中綴じ冊子が用いられている。中綴じ冊子は、表紙と複数の折丁を重ね合わせて中綴じしたものであり、例えば、針金やホチキス等の綴針で綴じられた中綴じ冊子が汎用されている。
【0003】
このような中綴じ冊子の製造方法としては、例えば、2つ折りの折丁を頂線に沿って鞍掛搬送して、順次前記折丁を積層・丁合していき、積層された折丁群に針金を打ちこみ、最後に化粧断ち(三方裁断等)する製本技術等が用いられている。このような製本技術では化粧断ちにより折丁群の周縁をまとめて処理することでできるため、各折丁の大きさが整った外観上優れた中綴じ冊子を連続的に製造することができる。
【0004】
そして、中綴じ冊子としては、積層した折丁同士を糊綴じした冊子も用いられている。このように糊綴じすることで針金やホチキス等の綴針を用いなくてよいため、頁数が少ない小冊子や、大きさや材質等が同じ折丁を綴じる冊子等に用いられている。
【0005】
これに関する製本技術として、例えば、特許文献1には、糊綴じ冊子の製造装置に糊づけユニットを設けることで、針金やホチキスを用いない糊綴じ冊子に関する製造技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−193639号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の製本技術等は、以下の問題等が生じる。
まず、糊綴じするために糊しろを形成する必要があるが、折丁の折り目線にそって糊しろを形成・塗布する際に、糊しろ幅がどうしても微妙に波打ったりズレてしまうという問題があった。糊しろ幅が均一でないために、綴じ込むべき折丁をしっかりと固着できず、折丁がずれて糊綴じされたり、冊子から折丁が剥がれて脱落してしまったりする。また、手作業に頼ったとしても正確に一直線状に揃った糊しろを各折丁に形成することは難しい。更に、糊しろを形成する工程等を、手作業に頼ったり、別途工程を設けたりした場合には、作業効率や経済性の観点からも望ましくない。
【0008】
この問題は、特に折丁の大きさや材質や厚さが異なる折丁等を綴じ込む場合に顕著であり、かかる折丁をしっかりと綴じ込むためには、より正確な糊しろを形成することが重要となり、かつより正確な一直線上の所定幅を揃った糊しろ部を設けることが難しいからである。即ち、折丁の大きさや材質や厚さの異なる折丁を用いる場合には、搬送時や折丁積層時等の作業時にズレが生じやすく、製本した際に各折丁の折面がずれた状態等となってしまう。特に、折丁の長手方向の大きさが異なる折丁群を丁合する場合、折丁の搬送・丁合時に遊びが生じるため、きれいに糊綴じできないといった問題等を抱えていた。
【0009】
そこで、本発明は、かかる問題を解決し、大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を提供すること主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
まず、本発明は、大きさ、材質、厚さの少なくともいずれかが異なる折丁を少なくとも有し、複数の折丁を積層し、折り線領域の糊づけにより丁合されてなる糊綴じ冊子であって、折丁の一方又は両方の折面上に、折り線に沿って所定幅の糊綴じ部が一直線状に形成され、折丁と、該折丁に積層される次なる折丁とが前記糊綴じ部により接着された糊綴じ冊子を提供する。
糊綴じ部を波打つことなく所定幅に揃えて一直線状に形成させることで、積層した折丁をしっかりと糊綴じすることができる。そして、折丁の一方又は両方の折面上には、少なくとも折丁の一方の折面に確実に所定幅に揃った糊綴じ部を形成し、さらに、必要に応じ、他方の折面にも確実に所定幅に揃った糊綴じ部を形成させようとすることもできる。
次に、本発明は、少なくとも一方の折面は長手方向の折り目線で折り返され、かつ前記折り返された折面の端縁は自らの折面と接着された折丁が、少なくとも綴じこまれた糊綴じ冊子を提供する。例えば、三つ折や観音折等の複雑な折丁等も冊子に綴じ込むことができる。
そして、本発明は、前記糊綴じ部の前記所定幅は、折り線に沿って2mm〜8mmである糊綴じ冊子とすることができる。折線に沿って形成される糊綴じ部の所定幅を、波打つことがなく2mm〜8mmに揃えることで、美観に優れた糊綴じ冊子とすることができる。
糊づけによって製本する技術については、特に糊づけ幅を均等に形成することが重要となり、例えば、従来では、折丁の背部分の真上方向から糊を噴出・噴霧していたが、折丁に所定幅のきれいな糊しろを形成することが難しかった。発明者は、この原因について鋭意研究を重ねた結果、糊を折丁に噴射・噴霧する際に液ダレしてしまうことや、山折りした搬送ラインに折丁の折り目線がしっかりと収まっていないこと等が原因となっていることをつきとめた。そして、これらの原因によって、折丁に糊を噴射・噴霧した際に糊しろが波打ってしまうという問題を引き起こすことをつきとめた。発明者は、これらの問題を以下のように解決した。
本発明は、第1折丁を鞍掛搬送しつつ前記第1折丁の山折り線に沿って糊づけし、前記第1折丁の上方に配置された略逆V字状のガイドに、続く第2折丁を一旦仮受けし、前記第1折丁と第2折丁とを積層することで糊綴じする糊綴じ冊子の製造方法であって、前記第1折丁の少なくとも一方の折面に対して略垂直の角度から糊を塗布することで、所定幅の糊綴じ部を、前記山折り線と平行方向に略一直線となるように前記一方の折面上に形成する工程と、前記ガイド上に一旦仮受けされた第2折丁を、前記糊綴じ部を形成された第1折丁に対して徐々に重ね合わせていく工程と、を少なくとも行なう糊綴じ冊子の製造方法を提供する。
本発明では、折丁に糊を塗布する角度を、折丁の折線上方から略真下方向に噴霧等するのではなく、折丁の少なくとも一方の折面に略垂直に塗布することで、一方の折面に確実に所定幅にそろった糊綴じ部を形成することができる。折丁の折線上方から略真下方向に塗布したのでは、折丁のどちらかの折面に糊が付着し液ダレ等を引き起こすため、その結果、折線に沿って所定幅の糊綴じ部を形成することが困難となり、その結果、糊綴じ部が波打つ状態となるが、かかる現象を防止できる。
また、本発明は、前記糊綴じ部を、前記一方の折面上に前記山折り線に沿って所定幅に形成する糊綴じ冊子の製造方法を提供する。糊綴じ部を山折り線に沿って均一な所定幅となるように形成することができる。
そして、本発明では、前記ガイド上に仮受けされた第2折丁の山折り角度は、前記糊づけされた第一折丁に対して徐々に重ね合わせていくにつれて、前記第1折丁の山折り角度と略同じ角度となる糊綴じ冊子の製造方法を提供する。ガイドをただ設けるだけでなく、ガイド上に仮受けされた第2折丁の山折り角度を、当初仮受けした際はやや広めにしておき、第1折丁と重ね合わせる段階になってきたら、前記山折り角度を第1折丁の角度とほぼ同じ角度とすることで、重ね合わせる際の位置ズレ現象をより効率的に防止できる。
更に、本発明では、複数の折丁を糊綴じによって製本する糊綴じ冊子の製造装置であって、前記折丁を所定方向に鞍掛搬送する搬送レールと、前記搬送レール上に、山折りされた折丁を配置する第1給紙部と、前記第1給紙部から前記搬送レール上に配置された折丁に対し、該折丁の一方の折面に対して略垂直方向に糊を射出する糊用ノズル部と、前記糊づけされた折丁に積層させる次なる折丁を、山折りされた状態で供給する第2給紙部と、前記第2供給部より供給された前記次なる折丁を仮受けし、搬送レール上の糊づけ折丁に徐々に重ね合わせるガイド部と、を少なくとも備える糊綴じ冊子の製造装置を提供する。かかる装置を用いることで、より簡便に大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を簡便に得ることができる。
そして、本発明は、前記搬送レールは、逆V字状に形成され、かつ頂線に沿って突起部が設けられている糊綴じ冊子の製造装置を提供する。搬送レールに突起部を設けることで、折丁の位置ずれをより効果的に防止でき、これにより、糊綴じ部の所定幅をより正確に維持することができる。
更に、本発明は、前記ガイド部は、断面視、逆V字状の板部材であり、搬送方向先頭側の頂線領域にはスリットが設けられ、かつ搬送方向先頭側の前記逆V字状の板部材の高さが、搬送方向後尾側の前記逆V字状の板部材の高さよりも低くなるように形成され、前記搬送レール上に配置されている糊綴じ冊子の製造装置を提供する。ガイドを単に設けるだけでなく、かかる形状であるガイドを用いることで、積層する第2折丁を第1折丁に積層しようとする工程で起こりうる位置ズレ現象をより効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大きさや材質や厚さの異なる折丁を有する糊綴じ冊子を簡便に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る糊綴じ冊子の好適な実施形態について説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明に係わる代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0013】
図1は、本発明に係る糊綴じ冊子の第1実施形態の簡略斜視図である。図2は、同実施形態の上面図である。図3は、同実施形態の冊子を見開いた状態を示す図である。
【0014】
図1の符号10は糊綴じ冊子を表している。この糊綴じ冊子10は、3枚の折丁11,12,13を糊綴じした冊子である。そして、折丁11は折りこみ面111を備えている。前記折丁11,12,13は、折面の両面に設けられた糊綴じ部101により糊綴じされている。この糊綴じ部101は、各折面の折り目線に沿って余長幅L1の幅で一直線状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
そして、折丁11と折丁12とは、折丁の長手幅、横手幅のいずれの長さも相違する。折丁11と折丁13とは、折丁の長手幅、横手幅のいずれの長さも相違する。折丁12と折丁13とは、折丁の横手幅の長さが相違する。このように、本発明では、折丁11,12,13の大きさは限定されず、長手方向、幅方向のいずれの長さも特に限定されず、変則的な折丁であっても、糊綴じ冊子10に綴じ込むことができる。従って、例えば、図示はしないが、何らかの図形やキャラクターや切抜きを施した折丁であってもよい。
【0016】
本発明で使用できる折丁の形態は限定されない、例えば、2つ折り折丁や観音折り折丁や変則12頁折り等の種々形態の折丁をも使用できる。また、必要に応じミシン目を入れた折丁も綴じこむことができる。さらには、折丁の周縁を全て接着された袋とじ折丁等も綴じ込むことができる。
【0017】
また、折丁の厚さL1は限定されず、糊綴じする折丁の枚数や厚さや材質等を考慮して適宜、決定することができる。従って、本発明において、糊づけできる折丁は、厚さが薄い紙(いわゆる「ペラもの」等)に限定されず、ある程度の厚みがある折丁も糊綴じすることができる。
【0018】
折丁11〜13の素材については、糊付け可能な素材であればよく、特に限定されず、例えば、種々の紙は勿論のこと、ビニール製のフィルム等や、プラスチック製の折丁等を綴じ込むことができる。紙類については、例えば、普通紙、上質紙、厚紙アートポスト紙、厚紙マットコート紙、コート、ミラーコート、マットコート等の幅広い紙類を用いることができる。
【0019】
また、折丁11〜13に施される印刷手法は特に限定されず、適宜、従来公知の印刷手法を用いることができる。
【0020】
糊綴じ冊子10は、折丁の両面に糊綴じ部101,101を形成しており、これを閉じ合わせたものであるが、本発明では、一方の折面にのみ糊綴じ部101を形成させてもよい。即ち、糊綴じ部101,101は、折丁11〜13の折面の各両面にそれぞれ余長幅L1の糊綴じ部を形成させて接着させた状態であるが、各折丁の一方の折面にのみ糊綴じ部101を形成させてもよい。
【0021】
従来では、折丁の折り目線にそって糊しろを形成・塗布する際に、糊綴じ部101がどうしても微妙に波打ったりズレてしまい、余長幅L1を正確に維持することが難しく、また、各折丁の余長幅L1を均一にすることも難しかった。
【0022】
あるいは、手作業によって、糊綴じ部101を形成しようとしても、手作業ゆえに微妙に余長幅L1がずれてしまう現象がある。特に、大きさや材質や厚さが異なる複数の折丁を冊子と使用とする場合には、その微妙なずれがどうしても接着力に影響を与えてしまう。その結果、折丁が微妙にずれて糊綴じされたり、冊子から折丁が剥がれて脱落してしまったりしていた。
【0023】
さらに、従来の製本技術では、特に、折丁の長手方向の大きさが異なる折丁群を丁合する場合、搬送時や折丁積層時等の作業時にズレが生じやすく、製本した際に各折丁の折面がずれた状態等となってしまう。従って、折丁の搬送・丁合時に遊びが生じるため、きれいに糊綴じできないといった問題等が顕著であった。
【0024】
これに関して、本発明では、糊を塗布する好適な塗布角度を見出したこと等によって、前記糊綴じ部101の余長幅L1を正確かつ均一に維持させることができ、糊綴じ冊子1とすることができる。
【0025】
特に、本発明は、前記糊綴じ部101の前記余長幅L1は、折線に沿って2mm〜8mmである糊綴じ冊子とすることが望ましい。折線に沿って形成される糊綴じ部101の所定幅L1を、波打つことがなく2mm〜8mmに揃えることで、美観に優れた糊綴じ冊子10とすることができる。特に、従来は、糊しろとして数ミリ単位の幅を均一に形成することが困難であったが、本発明では、2〜8mmの余長幅L1とすることで、薄い糊しろ幅であるためより美観に優れるとともに、かつ十分に折丁を綴じ込むとができる折丁とすることができる。
【0026】
さらに、コイル製本等の作業工程を省略できるため、コスト削減等にも貢献できる。コイルの材料としては、例えば、針金や各種合成樹脂等が用いられているが、本発明によれば、かかる材料を使用する必要がないため、より環境にも優しい冊子として実用可能である。
【0027】
図4は、本発明に係る糊綴じ冊子の第2実施形態の第1状態の簡略斜視図である。図5は、同実施形態の第1状態の側面図である。図6は、同実施形態の第2状態の簡略斜視図である。図7は、同実施形態の第2状態の側面図である。図8は同実施形態に設置台を設けた第3状態の側面図である。以下、第1実施形態と共通する点については説明を割愛し、相違する点を中心に説明する。
【0028】
図4の符号20は糊綴じ冊子を表している。この糊綴じ冊子20は、3枚の折丁21,22,23を糊綴じした冊子である。そして、折丁21は、一方の折面が、長手方向の折り目線で折り返され、かつ前記折り返された折面の端縁を自らの折面に接着させている。これにより、領域Aで折りたたんだ構造としている。
【0029】
この糊綴じ冊子20は、折丁21〜23の一方の折面に、余長幅L2の糊綴じ部201を形成している。そして、側面視、折丁21〜23を手めくり等によって折丁21の袋とじ部A側にめくることができる。
【0030】
本発明に係る糊綴じ冊子20は、糊綴じ部201を少なくとも一方の折面上に設けるため、各折丁をめくる際には、各折丁が糊綴じ部201の荷重によってめくり戻しされることを防止できる。従って、厚みのある用紙等を使用する手めくりカレンダーや、メッセージ性のある手めくり伝言帳等の手めくり冊子等にも好適に用いることができる。
【0031】
このように、本発明に係る糊綴じ冊子20は、日めくりカレンダーや手めくりカレンダー、CD等のディスク類を収納する冊子類や、各種パンフレット、各種カタログ等として多種多様に用いることができる。特に、表紙(例えば、折丁21)と本文(例えば、折丁22,23)とが異なる材質(紙質)であっても、糊綴じ可能であるため、広報活動・啓発活動・販売促進のためのマーケティングツール等としても使用できる。
【0032】
更に、前記糊綴じ冊子20は、別途設置台24を併用してもよい(図8参照)。即ち、糊綴じ冊子20に設置台24を設けた第3状態とすることができる(図8参照)。糊綴じ冊子20は、領域Aの折り目線A1を内側に折り込んだ状態であり、設置部A2,A3を形成させた第3状態である。また、設置台24は、側面視、上方に起立した設置固定部241を複数有している。
【0033】
そして、第3状態では、設置部A2,A3を設置台24の所定の設置固定部241に差し込むことで角度を自由に調節することができる。正面から見る角度を変えてみることができるため、見やすい角度に設定・維持することができ、使用者の身長差等による目の疲れや肩こり等の解消も期待できる。
【0034】
例えば、より斜めに設定したい場合には、側面視、折面線A1の折り目角度をより鈍角にすればよい(図8の符号W参照)。また、より垂直に設定したい場合には、側面視、折り目線A1の折り目角度をより鋭角にすればよい(図8の符号N参照)。大きさや材質や厚さの異なる折丁を綴じ込むことができるため、かかる形態の糊綴じ冊子20等とすることができる。
【0035】
本発明に係る糊綴じ冊子10,20等は、以下に示す製造方法や製造装置によって効率よく製造することができる。
【0036】
以下、本発明に係る糊綴じ冊子の製造方法について説明する。
図9は、本発明に係る糊綴じ冊子の製造方法の一例を説明するための正面視した概念図である。図10は、同製造方法を説明するための断面正面視した概念図である。
【0037】
まず、1部の折丁11を搬送する工程を行う(図9と図10の符号S1参照)。折丁11を1部ずつ矢印X方向(図9参照)に搬送する工程である。折丁11を、該折丁11の折り目線にそって鞍掛けした状態で搬送する。搬送手段は特に限定されず、例えば、断面視した状態で山折りである搬送ライン30(図10参照)に設けたブレード301に、折丁11の折り目線を重ね合わせた状態で搬送することができる。この搬送ラインの搬送手段は、公知の搬送手段を用いることができ、例えば、図示はしないが、ギャザリングチェーンにプッシャーを設けること等で、折丁11を押出搬送する手段とすることができる。
【0038】
折丁11を搬送ライン30で搬送する際には、角度a(図10参照)で山折りにした状態で搬送される。本発明では、この角度aについては特に限定されず、折丁11の大きさ、厚さ、材質等を考慮して適宜決定することができる。
【0039】
そして、山折りした搬送ライン30での折丁11の位置ズレを防止するためには、搬送ライン30を断面視した状態において、搬送ライン30の山折部分にブレード301を設けることが望ましい(図10等参照)。このブレード301を設けることで、折丁11の自重によって前記ブレード301を折丁11の折り目にフィットさせることができる。また、ブレード301を設けるという簡便な方法であるため、他の製造工程にも大きな影響を与えることがない点でも望ましい。
【0040】
次に、搬送された折丁11に糊を塗布する工程を行う(図9の符号S2−1,S2−2、図10の符号S2参照)。折丁11の少なくとも一方の折り面の折り目線から所定幅に糊を塗布する。すなわち、前記折丁11の少なくとも一方の折り面の折り目線から所定幅に糊綴じ部112を形成させる工程である。即ち、本発明は、あらかじめ折丁11の一方の折面に対して所定幅を均一に保った糊綴じ部112を形成させるようにしたものである。
【0041】
折丁11に糊づけする方法は、糊用ノズルN1によって糊を折丁11に噴射・噴霧する。折丁11を矢印X方向(図9参照)に搬送しながら糊用ノズルN1から糊を噴射・噴霧する。これにより、折丁11に折り目線全長にわたって均一な所定幅である糊綴じ部112を形成することができる。
【0042】
本発明では、特に、折丁11に糊綴じ部112を形成する面に対して、断面視、略垂直方向(図10の矢印Y1参照)となるように糊を噴射・噴霧するものである。従来は、例えば、折丁11の背部分の真上方向(図10の矢印Y2参照)から糊を噴出・噴霧していたが、折丁11に均一な所定幅である糊しろを形成することが難しかった。発明者は、この原因について鋭意研究を重ねた結果、糊を折丁11に噴射・噴霧する際に液ダレしてしまうことや、山折りした搬送ライン30に折丁11の折り目線がしっかりと収まっていないこと等が原因となっていることをつきとめた。そして、これらの原因によって、折丁11に糊を噴射・噴霧した際に糊しろが波打ってしまうという問題を引き起こすことをつきとめた。発明者は、これらの問題を以下のようにして解決した。
【0043】
まず、糊が折丁11に噴出・噴霧する際に液ダレしてしまうという問題等に対しては、折丁11のいずれか一方の折り面に対して略垂直方向(図10の矢印Y1参照)から糊を噴射・噴霧すればよいことを見出した。即ち、折丁11の真上方向(図10の矢印Y2参照)から噴霧すれば、一度の噴霧によって折丁11の両面に糊を噴霧することができるが、その一方で、糊が液ダレするために折丁11の両面に対して均一な所定幅である糊綴じ部を形成することが困難であるという問題があった。
【0044】
本発明では、折丁11のいずれか一方の折面に対して略垂直方向から噴霧することで折丁11での液ダレを効果的に抑制できる。その結果、糊綴じ部112が波打つことなく、所定幅L1を維持させることができる。そのため、糊綴じ部112の幅がきれいに揃った外観優れた糊綴じ冊子とすることができる。加えて、糊綴じ部112が折り目線の全長にわたり均一な所定幅L1に揃っていることで、折丁を折り目線全長に渡りしっかりと糊づけできるため、糊綴じ冊子の使用時等に折丁11が糊綴じ冊子10から剥がれ落ちてしまうことも防止できる。
【0045】
本発明では、折丁11のいずれか一方の折面に対して略垂直方向から噴霧すればよいが、好適には、折面に対する噴霧角度である角度a(図10参照)を垂直よりも少し鋭角に形成することが望ましい。糊用ノズルN1から噴射・噴霧される糊の粒子は重力の作用のため、噴射方向よりもやや下方に落下するので少し下方にずれた位置に糊が付着されることになる。これに対して、垂直よりも少し鋭角となるように角度aを設定することで、下方にずれる位置を修正することができる。その結果、あらかじめ設定した所定幅L1をより正確に維持することができる。このように糊綴じ部112の所定幅L1をより正確に形成させることは、糊綴じ冊子製造の需要の観点からも特に切望されている技術の一つである。
【0046】
また、本発明では、前記糊用ノズルN1を折り面の一方の側にのみ設け、折丁11の一面にのみ糊綴じ部112を形成すること(図10の符号S2a参照)に限定されない。即ち、折丁11の折り面の両側に前記糊用ノズルN1,N1を設け、折丁11の両面に糊綴じ部112,112を一度に形成するようにしてもよい(図10の符号S2b参照)。その結果、糊綴じ部112,112を効率よく形成することができる。
【0047】
また、図示はしないが、搬送ライン30上に折丁11が搬送されてくるか否かを感知する搬送用センサを設けることが望ましい。そして、この搬送用センサを糊用ノズルN1と連動させることで、折丁11が搬送されてきたことを搬送用センサが感知し、これにより糊用ノズルN1から糊を噴射・噴霧させることができるため、より正確な所定幅である糊綴じ部112を形成させることができるとともに、生産性等も向上させることができる点で望ましい。
【0048】
そして、前述の山折りした搬送ライン30に折丁11の折り目線がしっかりと収まっていない状態が起こりうるという問題等に対しては、搬送ライン30の山折部分にブレード301を設けることが望ましい(図10等)。このブレード301を設けることで、折丁11の自重によって前記ブレード301を折丁11の折り目線にフィットさせることができる。
【0049】
更に、本発明では、折丁11の位置ズレを防止するために、搬送ライン30上にベロ31,32を設けることが望ましい。搬送の過程で折丁11の一部が浮き上がった場合には、この浮き上がった部分が前記ベロ31,32に当接する。これにより、折丁11の浮き上がりを防止することができる。このベロ31,32の傾斜角度や材質や折丁11への押圧の強さ等は、折丁11の大きさや材質やあるいは材質(紙)の癖等を考慮して適宜調整することができる。
【0050】
第1のベロ31は搬送中の折丁11の浮き上がりを防止することができる。更に、第2のベロ32をノズルN1の直前に設けることで糊づけ時の折丁11の位置ズレを効果的に修正することができる。この結果、糊綴じ部112の所定幅L1を正確に維持できる点で望ましい。
【0051】
そして、本発明では糊用センサー33を設けることが望ましい。糊用ノズルN1から糊が噴射・噴霧された場合、この糊用センサー33が糊を感知することで糊が折丁11に正確に塗布されたか否かを確認することができる。糊用センサー33は、糊づけを確認できる方法であればよく、例えば、レーザーを照射することで糊の粒子の存在を確認する方法等を用いることができる。
【0052】
糊づけされた折丁11は、更に搬送ライン30によって前方(図9の矢印X方向参照)に搬送されるが、その際、コロガイド34を折丁11の背に当接するように設けることが望ましい。コロガイド34を設けることで、糊づけされた折丁11の位置ズレをさらに防止できるため、後続の丁合工程時の折丁同士のズレ等を防止できる。更に、図示はしないが、コロガイド34の形状は、断面視、折丁11の断面視、逆V字形状とフィットするように逆V字状の溝を形成していることが望ましい。
【0053】
このコロガイド34は、アイドルロールとすることもできるが、搬送ライン30の移動速度と同期させることが望ましい。即ち、コロガイド34と折丁11との接触点における速度は、搬送ライン30の搬送速度と実質的に同一であることが望ましい。これにより、折丁同士の重ねあわせの位置ズレを高い精度で防止できる。
【0054】
そして、糊づけされた折丁11の上方に、次なる折丁12を配置する工程を行なう(図9と図10の符号S3−1等参照)。折丁12をセットする際は、折丁11に直接重ね合わせるのではなく、まず、ガイド45の上方に折丁12を落下(セット)させ、この折丁12を前方(図9の矢印X参照)に搬送する(図9の符号S3−2参照)。その後、折丁11と重ね合わせることで折丁11,12を重ね合わせる(図9と図10の符号S4参照)。これにより、折丁11,12を重ね合わせる際に位置ズレの発生を防止することができる。
【0055】
更に、折丁12を搬送する際の角度を変えることで前記微妙なズレ等を更に効果的に防止できる。折丁12は、まずセットされた状態ではやや広めの折り目角度で搬送されている(図9と図10の符号S3−1参照)。そして、折丁11と重ね合わせる直前では、折丁11の折り目角度と略同じ角度で搬送されている(図9と図10の符号S3−2参照)。即ち、折丁12の折り目角度は、符号S3−1状態から符号S3−2状態へと移る際に角度を変えて搬送され、最後に折丁11と重ねあわされる(符号S4)。
【0056】
まず、折丁12をセットする工程(符号S3−1状態)では、上方から折丁12が落下されるため角度を広く設定しておくことで、折丁12がガイド45から位置ズレすること等によって脱落してしまうことを防止できる。そして、折丁12を搬送していき、折丁11と重ね合わせようとする工程(符号S3−2状態)では、折丁11の折り目角度と略同じ角度とすることで、折丁11と折丁12の折り目線同士をより正確に重ね合わせることができる。
【0057】
このような折丁12の搬送する際の角度を変える手段の一つとして、ガイド35を用いることができる。折丁11が搬送ライン30上に載せられて搬送されてきた際に、次なる折丁12も一緒に押送可能な状態で保持・設置されている。そして、前記折丁12が折丁11とともに前方方向(図9の矢印X参照)に搬送されることで、ガイド35がからはみ出していき、折丁11の上に折丁12が重ねあわされる(図9と図10の符号S4参照)。
【0058】
ガイド35は断面視、逆V字状の板部材であり、搬送方向に向かって前記逆V字状の角度が、重ね合わせる1枚目の折丁11の山折り角と略同じ角度となるまでに変化している形状である(図10〜12等参照)。更に、前記ガイド35には、断面視、逆V字状の頂点部分に沿ってブレード(突起部)351を形成することが望ましい。このブレード351によって折丁12の位置ズレを防止しつつ搬送することができる。
【0059】
加えて、前記ガイド35の搬送方向先頭側の頂線領域にはスリットが入っており、断面視略ハの字状に形成されていることが望ましい(図10の符号S−2参照)。これにより、次なる折丁12が折丁11の上に重ねあわされる際に、糊綴じ部112と折丁14の折り目線とが徐々に当接していくこと等によって、より正確に重ねあわせることができる。
【0060】
更に望ましくは、前記ガイド35の高さは、搬送方向に沿って徐々に低くなっていく形状であることが望ましい。これにより、重ね合わせる折丁11と折丁12との間隔を徐々につめていくことができるので(例えば、図9の符号S3−1〜S4参照)、より高い精度で位置あわせをすることができる。
【0061】
前記符号S3−1状態では、ガイド35の山頂部分にブレード351を設けられている(図10)。このブレード351を設けることで、折丁12の自重によって前記ブレード351を折丁12の折り目にフィットさせることができる。その結果、山折りした形状であるガイド35に折丁11の折り目線をしっかりとフィットさせることができるため、位置ズレをより効果的に防止できる。
【0062】
特に、このガイド35は、既存の搬送ライン30の上面に後付け可能であるため、アタッチメント等としても有効に使用できる。
【0063】
最後に、折丁11,12を搬送ライン30上で重ね合わせる工程を行なう(図9と図10の符号S4参照)。これにより、糊綴じ部112によって折丁11と折丁12とを接着することができる。
【0064】
本発明では、ガイド35から搬送された折丁11,12に対して上方から抑えるためのベロ36,37を設けることが望ましい。このベロ36,37によって、重ねあわされた直後の折丁11や折丁12の浮き上がりを防止できる。ベロ36,37の設置数は特に限定されず、使用する折丁11,12の大きさや厚さや材質や材質の癖、あるいは搬送ライン30の搬送速度等を考慮して適宜好適な数や好適な場所に設置することができる。
【0065】
続いて、重ねあわされた折丁11,12は、搬送ライン30上に設けられたストッパ38で1回位置調整される(図9参照)。ストッパ38に一度折丁11,12とが軽く当接することで位置決めすることができる。ストッパ38は一定以上の負荷が搬送方向から加重された場合にだけ、めくれあがったり回転したりするように設定することができる。これにより、例えば、折丁11,12の2枚の折丁分の負荷がかかった場合(即ち、2枚の折丁がストッパ38で揃った場合)にストッパ38が可動となることで、後続の搬送ライン30へと送り出すことができる。
【0066】
また、本発明では、必要に応じて前記S4工程の後続に、折丁12の上方から押圧する工程等を設けても良い。これにより、より強力に折丁11と折丁12とを糊づけすることができる。あるいは、必要に応じて前記S4工程の後続に、丁合された糊綴じ冊子の周縁を裁断する工程を設けることができる。糊綴じ冊子の周縁を化粧立ち(三方裁断や天地裁断)する工程を設けることで、糊綴じ冊子の周縁等の大きさが整った外観が良好な糊綴じ冊子を製造できる。
【0067】
図11は本発明に係る糊綴じ冊子の製造装置の一実施形態を説明する概略斜視図である。図12は、同実施形態の積層部Fnの概念図である。以下、本発明の製造装置について説明する。
【0068】
図11に示す符号Dは、糊綴じ冊子の製造装置を示している。該糊綴じ冊子の製造装置Dは、複数枚の折丁を丁合する場合の一例を示している。糊綴じ冊子の製造装置Dは、1枚目の折丁11を配置(セット)する給紙部F1と、次なる折丁12を積層する積層部F2と、n枚目の折丁を積層する積層部Fnと、が設けられている。また、糊とじされた糊綴じ冊子を上方からプレスする押圧位置Pと、糊綴じされた糊綴じ冊子の周縁を裁断する裁断位置Qが設けられている。
【0069】
該糊綴じ冊子の製造装置Dでは、必要に応じて折丁の積層部Fnの数を決定できる。例えば、2枚の折丁を糊綴じした場合には、給紙部F1と積層部F2を設ければよい。積層部Fnの構成を示す概念図を図12に示す。
【0070】
積層部Fnは、折丁11を搬送する搬送ライン30上に、折丁11を抑えるベロ31,32と、糊用センサー33と、糊用ノズルNが設けられている。続いて、糊づけされた折丁11を搬送するコロガイド34や,次なる折丁を搬送するガイド35が設けられている。そして、給紙機Sから次なる折丁(図示せず)がガイド35上に落下されることでセットされる。続いて、積層された折丁群を押さえるベロ36,37と、積層された折丁群の一端縁を揃えるためのストッパ38が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る糊綴じ冊子の第1実施形態の簡略斜視図である。
【図2】同実施形態の上面図である。
【図3】同実施形態の冊子を見開いた状態を示す図である。
【図4】本発明に係る糊綴じ冊子の第2実施形態の第1状態の簡略斜視図である。
【図5】同実施形態の第1状態の側面図である。
【図6】同実施形態の第2状態の簡略斜視図である。
【図7】同実施形態の第2状態の側面図である。
【図8】同実施形態に設置台を設けた第3状態の側面図である。
【図9】本発明に係る糊綴じ冊子の製造方法の一例を説明するための概念図である。
【図10】同製造方法を説明するための断面正面視した概念図である。
【図11】本発明に係る糊綴じ冊子の製造装置の一例を説明するための概念図である。
【図12】同製造装置のなかの積層部Fnの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0072】
10,20 糊綴じ冊子
11,12,13,21,22,23 折丁
30 搬送ライン
N 糊用ノズル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きさ、材質、厚さの少なくともいずれかが異なる折丁を少なくとも有し、複数の折丁を積層し、折り線領域の糊づけにより丁合されてなる糊綴じ冊子であって、
折丁の一方又は両方の折面上に、折り線に沿って所定幅の糊綴じ部が一直線状に形成され、折丁と、該折丁に積層される次なる折丁とが前記糊綴じ部により接着された糊綴じ冊子。
【請求項2】
少なくとも一方の折面は長手方向の折り目線で折り返され、かつ前記折り返された折面の端縁が自らの折面と接着された折丁が、少なくとも綴じこまれたことを特徴とする請求項1記載の糊綴じ冊子。
【請求項3】
前記糊綴じ部の前記所定幅は、折り線に沿って2mm〜8mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の糊綴じ冊子。
【請求項4】
第1折丁を鞍掛搬送しつつ前記第1折丁の山折り線に沿って糊づけし、前記第1折丁の上方に配置された略逆V字状のガイドに、続く第2折丁を一旦仮受けし、前記第1折丁と第2折丁とを積層することで糊綴じする糊綴じ冊子の製造方法であって、
前記第1折丁の少なくとも一方の折面に対して略垂直の角度から糊を塗布することで、所定幅の糊綴じ部を、前記山折り線と平行方向に略一直線となるように前記一方の折面上に形成する工程と、
前記ガイド上に一旦仮受けされた第2折丁を、前記糊綴じ部を形成された第1折丁に対して徐々に重ね合わせていく工程と、
を少なくとも行なう糊綴じ冊子の製造方法。
【請求項5】
前記糊綴じ部は、前記一方の折面上に前記山折り線に沿って所定幅に形成することを特徴とする請求項4記載の糊綴じ冊子の製造方法。
【請求項6】
前記ガイド上に一旦仮受けされた第2折丁の山折り角度は、前記糊づけされた第一折丁に対して徐々に重ね合わせていくにつれて、前記第1折丁の山折り角度と略同じ角度となることを特徴とする請求項4又は5に記載の糊綴じ冊子の製造方法。
【請求項7】
複数の折丁を糊綴じによって製本する糊綴じ冊子の製造装置であって、
前記折丁を所定方向に鞍掛搬送する搬送レールと、
前記搬送レール上に、山折りされた折丁を配置する第1給紙部と、
前記第1給紙部から前記搬送レール上に配置された折丁に対し、該折丁の一方の折面に対して略垂直方向に糊を射出する糊用ノズル部と、
前記糊づけされた折丁に積層させる次なる折丁を、山折りされた状態で供給する第2給紙部と、
前記第2供給部より供給された前記次なる折丁を仮受けし、搬送レール上の糊づけ折丁に徐々に重ね合わせるガイド部と、
を少なくとも備える糊綴じ冊子の製造装置。
【請求項8】
前記搬送レールは、逆V字状に形成され、かつ頂線に沿って突起部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の糊綴じ冊子の製造装置。
【請求項9】
前記ガイド部は、断面視、逆V字状の板部材であり、搬送方向先頭側の頂線領域にはスリットが設けられ、かつ搬送方向先頭側の前記逆V字状の板部材の高さが、搬送方向後尾側の前記逆V字状の板部材の高さよりも低くなるように形成され、前記搬送レール上に配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の糊綴じ冊子の製造装置。
【請求項1】
大きさ、材質、厚さの少なくともいずれかが異なる折丁を少なくとも有し、複数の折丁を積層し、折り線領域の糊づけにより丁合されてなる糊綴じ冊子であって、
折丁の一方又は両方の折面上に、折り線に沿って所定幅の糊綴じ部が一直線状に形成され、折丁と、該折丁に積層される次なる折丁とが前記糊綴じ部により接着された糊綴じ冊子。
【請求項2】
少なくとも一方の折面は長手方向の折り目線で折り返され、かつ前記折り返された折面の端縁が自らの折面と接着された折丁が、少なくとも綴じこまれたことを特徴とする請求項1記載の糊綴じ冊子。
【請求項3】
前記糊綴じ部の前記所定幅は、折り線に沿って2mm〜8mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の糊綴じ冊子。
【請求項4】
第1折丁を鞍掛搬送しつつ前記第1折丁の山折り線に沿って糊づけし、前記第1折丁の上方に配置された略逆V字状のガイドに、続く第2折丁を一旦仮受けし、前記第1折丁と第2折丁とを積層することで糊綴じする糊綴じ冊子の製造方法であって、
前記第1折丁の少なくとも一方の折面に対して略垂直の角度から糊を塗布することで、所定幅の糊綴じ部を、前記山折り線と平行方向に略一直線となるように前記一方の折面上に形成する工程と、
前記ガイド上に一旦仮受けされた第2折丁を、前記糊綴じ部を形成された第1折丁に対して徐々に重ね合わせていく工程と、
を少なくとも行なう糊綴じ冊子の製造方法。
【請求項5】
前記糊綴じ部は、前記一方の折面上に前記山折り線に沿って所定幅に形成することを特徴とする請求項4記載の糊綴じ冊子の製造方法。
【請求項6】
前記ガイド上に一旦仮受けされた第2折丁の山折り角度は、前記糊づけされた第一折丁に対して徐々に重ね合わせていくにつれて、前記第1折丁の山折り角度と略同じ角度となることを特徴とする請求項4又は5に記載の糊綴じ冊子の製造方法。
【請求項7】
複数の折丁を糊綴じによって製本する糊綴じ冊子の製造装置であって、
前記折丁を所定方向に鞍掛搬送する搬送レールと、
前記搬送レール上に、山折りされた折丁を配置する第1給紙部と、
前記第1給紙部から前記搬送レール上に配置された折丁に対し、該折丁の一方の折面に対して略垂直方向に糊を射出する糊用ノズル部と、
前記糊づけされた折丁に積層させる次なる折丁を、山折りされた状態で供給する第2給紙部と、
前記第2供給部より供給された前記次なる折丁を仮受けし、搬送レール上の糊づけ折丁に徐々に重ね合わせるガイド部と、
を少なくとも備える糊綴じ冊子の製造装置。
【請求項8】
前記搬送レールは、逆V字状に形成され、かつ頂線に沿って突起部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の糊綴じ冊子の製造装置。
【請求項9】
前記ガイド部は、断面視、逆V字状の板部材であり、搬送方向先頭側の頂線領域にはスリットが設けられ、かつ搬送方向先頭側の前記逆V字状の板部材の高さが、搬送方向後尾側の前記逆V字状の板部材の高さよりも低くなるように形成され、前記搬送レール上に配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の糊綴じ冊子の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−265094(P2008−265094A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109424(P2007−109424)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(503313465)株式会社第一印刷 (2)
【出願人】(504082689)有限会社篠原紙工 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(503313465)株式会社第一印刷 (2)
【出願人】(504082689)有限会社篠原紙工 (2)
【Fターム(参考)】
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