糠漬け装置
【課題】糠床の中心部まで空気と適度に接触することができ、かつ漬け込み材料を簡単に取り出せ、かつ装置の洗浄が簡単に行える糠漬け装置を提供する。
【解決手段】本発明の糠漬け装置は、上方気圧調整室Aと上方糠床収容部Bとを上方隔壁膨縮部材2で隔離し、下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cとを下方隔壁膨縮部材6で隔離し、上方糠床収容部Bと下方糠床収容部Cとを糠床が通過自在な連通仕切板4を設けており、上方気圧調整室Aと上方隔壁膨縮部材2とを蓋部材1で構成して、前記下方隔壁膨縮部材6と下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cとを本体7として、前記蓋部材1を本体7に開閉自在とし、前記蓋部材1を閉じたとき前記蓋部材1と本体7とで上方糠床収容部Bを形成している。
【解決手段】本発明の糠漬け装置は、上方気圧調整室Aと上方糠床収容部Bとを上方隔壁膨縮部材2で隔離し、下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cとを下方隔壁膨縮部材6で隔離し、上方糠床収容部Bと下方糠床収容部Cとを糠床が通過自在な連通仕切板4を設けており、上方気圧調整室Aと上方隔壁膨縮部材2とを蓋部材1で構成して、前記下方隔壁膨縮部材6と下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cとを本体7として、前記蓋部材1を本体7に開閉自在とし、前記蓋部材1を閉じたとき前記蓋部材1と本体7とで上方糠床収容部Bを形成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糠床収容器内で気圧の変動により空気を通さないシートでできた膨縮部材を膨縮させて糠床を攪拌する糠漬け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漬け込み材料を糠床に漬けて人手で攪拌して糠漬けをせず、自動的に攪拌する糠漬け装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1のように、上面に漬け込み材料の取り出し開口を有し半円筒状の内底面を形成した糠床収納容器内に前記半円筒状の内底面に沿って回転する回転部材が配置された回転式糠漬け装置において、前記回転部材は、電動機装置によって一方向に回転駆動される駆動回転板と、この駆動回転板の前方に位置してこの駆動回転板との間に糠床を挟持して前記半円筒状の内底面に沿った糠床収納部を形成するように配置された従動回転板を備え、前記駆動回転板の一回転中に前記糠床収納部を拡大するように前記従動回転板が先行回転することにより前記糠床収納部に収納された糠床に空気が供給される工程を具備した回転式糠漬け装置が提案されている。
【0004】
また、特許文献2のように、糠室と循環室とから成る容器を有し、上部に排水板を配設すると共に下方の循環室との境界に糠を通過させる仕切板を設け、該仕切板の中央に底部に逆止弁を付設する一方上部を開口させた誘導筒を立設し、野菜等の漬物を糠に浸漬させ得る容積の糠室を形成し、該仕切板と閉鎖板との間にゴム等の弾辱体で湾曲形成した膨縮部材を配設すると共に、先端を誘導筒の径分だけ切欠した誘導弁を内壁側を基端に擺動自在に付設して押出室を形成すると共に、該押出室の下方に、上記閉鎖板の中央部に内部にピストンを組込んだシリンダ−を連設し、該ピストンに連杆を連結させてクランク機構を形成し、該ピストンの昇降運動で押出室に加圧と減圧を繰返すポンプ室を配して循環室を形成し、該容器の頭部に蓋部を被覆したことを特徴とする糠床器が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−37号公報
【特許文献2】実開平6−70580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1による提案では、駆動回転板と従動回転板の回転により糠床を攪拌し、駆動回転板の一回転中に糠床収容部が拡大されて糠床に空気が供給されるが、半円筒状の内底面と駆動回転板の隙間には糠がこびりつき、こびりついた糠には空気が供給されず、最後には糠が腐敗してしまう。また使用者が特許文献1の装置を長時間使用しない状況にある場合、当然糠を装置から取り出し、糠と接触した部品をすべて洗浄しなければならないのであるが、特許文献1のものは糠と接触する部品をすべてばらして洗浄することが非常に難しく洗浄作業が非常に困難である。また漬け込み完了後、漬け込み材料を箸などを用いて取り出す時に漬け込み材料に付着した糠などの調味材料も一緒に取り出してしまい調味材料の処理に多くの不便を生じる。
【0007】
特許文献2による提案では、循環室の負圧と重力の作用によって糠を循環させ攪拌するが、糠の粘度が高いと糠は下方の押出室に移動せず循環しない。また糠の一部に空洞が発生すると真空状態を維持できず糠は下方の押出室に移動せず循環しない。糠を循環させるためには水分を多く含んだ粘度の低い糠を使用しなければならない。市場には擬似的に糠漬けを漬け込む水溶液も存在するが、糠漬け本来の風味を作り出せてはいない。また漬け込み完了後、漬け込み材料を箸などを用いて取り出す時に漬け込み材料に付着した糠などの調味材料も一緒に撮り出してしまい調味材料の処理に多くの不便を生じる。
【0008】
糠漬けは、嫌気性細菌と好気性細菌のバランスを適度に保つために、糠床へ適度の空気供給が必要である。またたとえ攪拌を自動で行えても取り出し時に煩わしさを感じるのであれば装置としてのメリットはそれほど感じられない。なぜなら人手で漬け込み作業を行う場合、取り出し時についでに攪拌を行う程度の攪拌の頻度で糠漬けとしては充分に空気を供給できているからである。
【0009】
そこで、本発明は、このような点に鑑みて、上記提案における問題点を解消し、糠床の中心部まで空気と適度に接触することができ、かつ漬け込み材料を簡単に取り出せ、かつ装置の洗浄が簡単に行える糠漬け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方糠床収容部とを上方隔壁膨縮部材で隔離し、下方気圧調整室と下方糠床収容部とを下方隔壁膨縮部材で隔離し、上方糠床収容部と下方糠床収容部とを糠床が通過自在な連通仕切板を設けたことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項2記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方隔壁膨縮部材とを蓋部材で構成して、前記下方隔壁膨縮部材と下方気圧調整室と下方糠床収容部とを本体として、前記蓋部材を本体に開閉自在とし、前記蓋部材を閉じたとき前記蓋部材と本体とで上方糠床収容部を形成したことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の請求項3記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と下方気圧調整室との少なくとも一方にそれぞれの中央部位に上方気圧調整補助室または下方気圧調整補助室を設けて、上方隔壁膨縮部材または下方隔壁膨縮部材を上方気圧調整室Aと下方気圧調整室Dとのそれぞれの中央部位の内壁面に吸着させる吸着手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方糠床収容部とを上方隔壁膨縮部材で隔離し、下方気圧調整室と下方糠床収容部とを下方隔壁膨縮部材で隔離し、上方糠床収容部と下方糠床収容部とを糠床が通過自在な連通仕切板を設けているので、糠床収容器内で気圧の変動により膨縮部材を膨縮させて糠床から漬け込み材料を分離抽出して漬け込み材料を人手が汚れずに取り出すことができ、連通仕切板を境界に糠床が上下に移動するので糠床の全域で嫌気性細菌と好気性細菌のバランスを適度に保つことができるため、良好な漬けものを得ることができる。またこの移動の工程途中には連通仕切板を通過しなければならないため糠などの調味材料は一時的に細分化されそしてまた集めることにより攪拌工程が行われることができるため、良好な漬けものを得ることができる。
【0014】
本発明の請求項2記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方隔壁膨縮部材とを蓋部材で構成して、前記下方隔壁膨縮部材と下方気圧調整室と下方糠床収容部とを本体として、前記蓋部材を本体に開閉自在とし、前記蓋部材を閉じたとき前記蓋部材と本体とで上方糠床収容部を形成しているので、前記上方糠床収容部は気圧調整が可能となるような気圧調整管や糠床や漬け込み材料が配置する空間が形成され、上記の効果に加えて、漬け込み材料を人手が汚れずに簡単に取り出すことができる。
【0015】
また、本発明の請求項3記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と下方気圧調整室との少なくとも一方にそれぞれの中央部位に上方気圧調整補助室または下方気圧調整補助室を設けて、上方隔壁膨縮部材または下方隔壁膨縮部材を上方気圧調整室と下方気圧調整室とのそれぞれの中央部位の内壁面に吸着させる吸着手段を設けているので、上記の効果に加えて、糠床を連通仕切板の上方に収容させる時に、上方気圧調整室を正圧にしかつ下方気圧調整室を負圧にしかつ吸着手段を正圧にすることにより上方隔壁膨縮部材が外周から糠床を押さえつけ漬け込み材料の上にも充分な糠床が被いかぶさり良好な漬けものを得ることができ、下方気圧調整室においても同様な作用効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の糠漬け装置の実施形態を以下、図面に基づいて説明する。
【0017】
(第1実施例)
図1乃至図10において、蓋部材1には上方気圧調整室Aとゴム材またはジャバラ形状で空気を通さないシートでできた上方隔壁膨縮部材2が設けられている。蓋部材1の前端にはロック錠3が、後端には蝶番金具11がそれぞれ設けられている。上方気圧調整室Aには気圧調整管10が接続されており、気圧調整管10は電磁弁(図示せず)により気圧を高めて上方隔壁膨縮部材2を膨張させるよう構成されている。気圧調整管10はワンタッチジョイントを使用することにより簡単に蓋部材1と分解ができる。
【0018】
本体7には下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cが設けられており、下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cとはゴム材またはジャバラ形状で空気を通さないシートでできた下方隔壁膨縮部材6とで分離している。さらに、下方隔壁膨縮部材6の上方には糠床8が通過可能な連通仕切板4が設けられている。連通仕切板4の上方において、蓋部材1を閉じたとき前記蓋部材1と本体7とで上方糠床収容部Bを形成される。上方糠床収容部Bは気圧調整が可能となるような気圧調整管12や糠床8や漬け込み材料9が配置する空間が形成され、気圧調整管12は電磁弁(図示せず)により上方糠床収腰部Bの気圧を高めることができる構造にしている。また、下方気圧調整室Dには気圧調整管13が接続されており、気圧調整管13は電磁弁(図示せず)により気圧を高めて下方隔壁膨縮部材6を膨張させるよう構成されている。気圧調整管12及び13はワンタッチジョイントを使用することにより簡単に本体7と分解ができる。
【0019】
さらに、本体7の前端において蓋部材1のロック錠3と嵌合し、後端において蓋部材1の蝶番金具11で開閉の枢軸が設けられている。このように前記蓋部材1を本体7に開閉自在とできるようにするとともに前端と後端に締結金具5、5が設けられており、蓋部材
1と本体7とは開閉および締結が自在に行われる構造になっている。また、蓋部材1と本体7との間には負圧および正圧の圧力の変動を逃がさないようにパッキン16が外周に設けられている。なお、蝶番金具11を分解のしやすい抜き差しタイプを使用することにより、各部部品が簡単に分解でき、洗浄作業を至極簡単に行なうことができる。
【0020】
本発明の実施形態1は上記の構成であり、以下、糠漬け装置の使用手順を説明する。
【0021】
先ず、漬け込み材料9をつけこむ場合は、漬け込み開始スイッチ(図示せず)を押すことにより、表示灯(図示せず)が点灯するとともに電磁弁(図示せず)が作動して本体7の下方糠床収容部Cの気圧を大気圧にする。
【0022】
次に、電磁弁が作動して下方気圧調整室Dの気圧を正圧にして下方隔壁膨縮部材6を変形させ連通仕切板4に密着させる。次に電磁弁が作動して上方気圧調整室Aの気圧を負圧にして上方隔壁膨縮部材2を変形させ上方気圧調整室Aに密着させて糠床8および漬け込み材料9を設置できる空間を確保して上方糠床収容部Bが形成される。上記の工程が終了すると準備完了表示灯が点灯する。
【0023】
次に、準備完了表示灯が点灯すると作業者はロック錠3を解錠し上方糠床収容部Bを展開し連通仕切板4の上に糠床8と漬け込み材料9とをセットする。連通仕切板4には糠床が通過自在な細孔を有するが下方隔壁膨縮部材6が下から押し上げられているので糠床8と漬け込み材料9は連通仕切板4の上に保持されている(図1参照)。
【0024】
次に、作業者は蓋部材1を所定の位置まで下げ締結金具5、5を施錠する。この状態で上方糠床収容部Bは圧力の調整を電磁弁にて制御されることになる。次に作業者は漬け込み開始スイッチを押す。電磁弁が作動し上方糠床収容部B内の圧力が正圧になり上方隔壁膨縮部材2はふくらみはじめ糠床8と漬け込み材料9を包み込む。この状態の糠床8と漬け込み材料9を以下、包合対と表現する。この状態で糠床8と漬け込み材料9とは密着する。包み込みが完了した後、電磁弁が作動し上方気圧調整室A内の圧力が大気圧になり上方隔壁膨縮部材2は糠床8と漬け込み材料9から分離して上方に位置する。この状態で糠床8と漬け込み材料9は包合対の状態を保ち糠床8の乳酸菌等の作用により糠漬け9の漬け込み状態を維持する(図2参照)。
【0025】
次に、包合対を分離する方法を説明する。タイマー(図示せず)によって設定された時間が経過すると、電磁弁が作動し下方気圧調整室Dの圧力が負圧になり下方隔壁膨縮部材6は下方気圧調整室Dの壁面に吸い寄せられ連通仕切板4の下方に空間ができる(図3参照)。
【0026】
次に、電磁弁が作動し上方気圧調整室Aの圧力が正圧になり上方隔壁膨縮部材2は下方にふくらみ、包合対を包み込み、終いには、包合対を連通仕切板4の下方に移動させようとする力を働かせる(図4参照)。
【0027】
そして固形物である漬け込み材料9は連通仕切板4の上に残り、粘性物である糠床8は連通仕切板4の下に移動させられて、下方隔壁膨縮部材6の上に落下する(図5参照)。この工程の途中で糠床8は連通仕切板4によって細分化され表面積が増え空気に接触することにより乳酸菌等の活性化が促進される。
【0028】
次に、分離された糠床8と漬け込み材料9をもう一度包合対の状態に戻す方法を説明する。電磁弁(図示せず)が作動し上方気圧調整室Aの圧力が負圧になり上方隔壁膨縮部材2は上方気圧調整室Aの内壁面に吸い寄せられ連通仕切板4の上方に空間ができる(図6参照)。
【0029】
次に、電磁弁が作動し下方気圧調整室Dの圧力が正圧になり下方隔壁膨縮部材6は上方にふくらみ、糠床8を包み込み、終いには、糠床8を連通仕切板4の上方に移動させようとする力を働かせる(図7参照)。粘性物である糠床8は連通仕切板4の上に移動させられてしまい連通仕切板4の上に設置される。連通仕切板4の上には漬け込み材料9が残っていたので、糠床8と漬け込み材料9は連通仕切板4の上に設置されたことになる(図8参照)。
【0030】
次に、電磁弁が作動し上方気圧調整室Aの圧力が正圧になり上方隔壁膨縮部材2は膨らみ始め糠床8と漬け込み材料9を包み込む。よって糠床8と漬け込み材料9はもう一度包合対の状態に置かれる(図9参照)。
【0031】
以上の作業をタイマー(図示せず)によって設定された時間で繰り返して、電磁弁が作動し上方気圧調整室Aの圧力が負圧になり上方隔壁膨縮部材2は上方気圧調整室Aの内壁面に吸い寄せられ連通仕切板4の上方に空間ができた状態で糠漬けが出来上がる。そして、締結部材5、5を外し、ロック錠3を解錠して蓋部材1を開いて糠漬けが出来上がった漬け込み材料9を取り出す(図10参照)。この場合。漬け込み材料9はほとんど糠床が付着していない状態で作業者は取り出すことが可能となる。
【0032】
(実施形態2)
図11において、上方気圧調整室Aの中央部位に気圧調整補助室14を設けて、上方隔壁膨縮部材2が上方気圧調整室Aの中央部位の内壁面に吸着される気圧調整管からなる吸着手段15が設けられている。この場合、図示しないが、上方気圧調整室Aに代えて下方気圧調整室Dにも同様に下方気圧調整室Dの中央部位に気圧調整補助室を設けて、下方隔壁膨縮部材6が下方気圧調整室Dの中央部位の内壁面吸着される気圧調整管からなる吸着手段が設けられるようにしてもよく、上方気圧調整室Aと下方気圧調整室Dとの双方に吸着手段を設けてもよい。なお、その他の構成は実施形態1と同じである。
【0033】
上記実施形態2の糠漬け装置の使用手順を以下、説明する。
【0034】
先ず、電磁弁(図示せず)が作動し、上方気圧調整補助室14の圧力が負圧になり、かつ上方気圧調整室Aの圧力が正圧になることで上方隔壁膨縮部材2は外周部位が下方に膨張して中央部位は上方気圧調整補助室14に密着している。その後、電磁弁が作動し上方気圧調整補助室14が大気圧となり上方隔壁膨縮部材2は外周部位から糠床8と漬け込み材料9を包み込む。このように、上方気圧調整補助室14を設けることにより漬け込み材料9は糠床8に全周から包み込まれる。その他の手順は実施形態1と同様にタイマー(図示せず)によって設定された時間で繰り返される。
【0035】
以上、実施形態1および2において、タイマー(図示せず)によって設定された時間で、繰り返され、この繰り返しにより糠床8は充分な酸素を供給され乳酸菌の作用も活発になり、おいしい糠漬けが人手を汚すことなく自動で製作できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
スーパー等で市販されている糠漬けの消費期限を見ると、販売日の翌日あるいは明後日である。これらの市販されている糠漬けを販売日に食べてみるのだが、おいしくない。この原因は、製造者から消費者に届くまでの流通時間である。いくら流通を早くしても数時間あるいは1日という時間を費やしてしまう。販売日に食べてもおいしくないものが、翌日、明後日に食べておいしいはずがない。糠漬けは、食べる直前に糠床から取り出して食べるのが一番おいしい食べ方である。よって、おいしい糠漬けを食べるためには、消費者自身が糠漬けを製造する以外に方法はない。このような状況において、当該発明は、糠漬けを製造するにあたって作業者がいやがる作業をほとんど自動で作業でき、おいしい糠漬けを簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態の糠漬け装置の作業開始状態を示す断面図である。
【図2】同上糠漬け装置の漬け込み状態を示す断面図である。
【図3】同上糠漬け装置の攪拌状態1を示す断面図である。
【図4】同上糠漬け装置の攪拌状態2を示す断面図である。
【図5】同上糠漬け装置の攪拌状態3を示す断面図である。
【図6】同上糠漬け装置の攪拌状態4を示す断面図である。
【図7】同上糠漬け装置の攪拌状態5を示す断面図である。
【図8】同上糠漬け装置の攪拌状態6を示す断面図である。
【図9】同上糠漬け装置の攪拌状態7を示す断面図である。
【図10】同上糠漬け装置の取り出し作業状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の糠漬け装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 蓋部材
2 上方隔壁膨縮部材
3 ロック錠
4 連通仕切板
5 締結金具
6 下方隔壁膨縮部材
7 本体
8 糠床
9 漬け込み材料
10 気圧調整管
11 蝶番金具
12 気圧調整管
13 気圧調整管
14 気圧調整補助室
15 気圧調整管
16 パッキン
A 上方気圧調整室
B 上方糠床収容部
C 下方糠床収容部
D 下方気圧調整室
【技術分野】
【0001】
本発明は、糠床収容器内で気圧の変動により空気を通さないシートでできた膨縮部材を膨縮させて糠床を攪拌する糠漬け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漬け込み材料を糠床に漬けて人手で攪拌して糠漬けをせず、自動的に攪拌する糠漬け装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1のように、上面に漬け込み材料の取り出し開口を有し半円筒状の内底面を形成した糠床収納容器内に前記半円筒状の内底面に沿って回転する回転部材が配置された回転式糠漬け装置において、前記回転部材は、電動機装置によって一方向に回転駆動される駆動回転板と、この駆動回転板の前方に位置してこの駆動回転板との間に糠床を挟持して前記半円筒状の内底面に沿った糠床収納部を形成するように配置された従動回転板を備え、前記駆動回転板の一回転中に前記糠床収納部を拡大するように前記従動回転板が先行回転することにより前記糠床収納部に収納された糠床に空気が供給される工程を具備した回転式糠漬け装置が提案されている。
【0004】
また、特許文献2のように、糠室と循環室とから成る容器を有し、上部に排水板を配設すると共に下方の循環室との境界に糠を通過させる仕切板を設け、該仕切板の中央に底部に逆止弁を付設する一方上部を開口させた誘導筒を立設し、野菜等の漬物を糠に浸漬させ得る容積の糠室を形成し、該仕切板と閉鎖板との間にゴム等の弾辱体で湾曲形成した膨縮部材を配設すると共に、先端を誘導筒の径分だけ切欠した誘導弁を内壁側を基端に擺動自在に付設して押出室を形成すると共に、該押出室の下方に、上記閉鎖板の中央部に内部にピストンを組込んだシリンダ−を連設し、該ピストンに連杆を連結させてクランク機構を形成し、該ピストンの昇降運動で押出室に加圧と減圧を繰返すポンプ室を配して循環室を形成し、該容器の頭部に蓋部を被覆したことを特徴とする糠床器が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−37号公報
【特許文献2】実開平6−70580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1による提案では、駆動回転板と従動回転板の回転により糠床を攪拌し、駆動回転板の一回転中に糠床収容部が拡大されて糠床に空気が供給されるが、半円筒状の内底面と駆動回転板の隙間には糠がこびりつき、こびりついた糠には空気が供給されず、最後には糠が腐敗してしまう。また使用者が特許文献1の装置を長時間使用しない状況にある場合、当然糠を装置から取り出し、糠と接触した部品をすべて洗浄しなければならないのであるが、特許文献1のものは糠と接触する部品をすべてばらして洗浄することが非常に難しく洗浄作業が非常に困難である。また漬け込み完了後、漬け込み材料を箸などを用いて取り出す時に漬け込み材料に付着した糠などの調味材料も一緒に取り出してしまい調味材料の処理に多くの不便を生じる。
【0007】
特許文献2による提案では、循環室の負圧と重力の作用によって糠を循環させ攪拌するが、糠の粘度が高いと糠は下方の押出室に移動せず循環しない。また糠の一部に空洞が発生すると真空状態を維持できず糠は下方の押出室に移動せず循環しない。糠を循環させるためには水分を多く含んだ粘度の低い糠を使用しなければならない。市場には擬似的に糠漬けを漬け込む水溶液も存在するが、糠漬け本来の風味を作り出せてはいない。また漬け込み完了後、漬け込み材料を箸などを用いて取り出す時に漬け込み材料に付着した糠などの調味材料も一緒に撮り出してしまい調味材料の処理に多くの不便を生じる。
【0008】
糠漬けは、嫌気性細菌と好気性細菌のバランスを適度に保つために、糠床へ適度の空気供給が必要である。またたとえ攪拌を自動で行えても取り出し時に煩わしさを感じるのであれば装置としてのメリットはそれほど感じられない。なぜなら人手で漬け込み作業を行う場合、取り出し時についでに攪拌を行う程度の攪拌の頻度で糠漬けとしては充分に空気を供給できているからである。
【0009】
そこで、本発明は、このような点に鑑みて、上記提案における問題点を解消し、糠床の中心部まで空気と適度に接触することができ、かつ漬け込み材料を簡単に取り出せ、かつ装置の洗浄が簡単に行える糠漬け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方糠床収容部とを上方隔壁膨縮部材で隔離し、下方気圧調整室と下方糠床収容部とを下方隔壁膨縮部材で隔離し、上方糠床収容部と下方糠床収容部とを糠床が通過自在な連通仕切板を設けたことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項2記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方隔壁膨縮部材とを蓋部材で構成して、前記下方隔壁膨縮部材と下方気圧調整室と下方糠床収容部とを本体として、前記蓋部材を本体に開閉自在とし、前記蓋部材を閉じたとき前記蓋部材と本体とで上方糠床収容部を形成したことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の請求項3記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と下方気圧調整室との少なくとも一方にそれぞれの中央部位に上方気圧調整補助室または下方気圧調整補助室を設けて、上方隔壁膨縮部材または下方隔壁膨縮部材を上方気圧調整室Aと下方気圧調整室Dとのそれぞれの中央部位の内壁面に吸着させる吸着手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方糠床収容部とを上方隔壁膨縮部材で隔離し、下方気圧調整室と下方糠床収容部とを下方隔壁膨縮部材で隔離し、上方糠床収容部と下方糠床収容部とを糠床が通過自在な連通仕切板を設けているので、糠床収容器内で気圧の変動により膨縮部材を膨縮させて糠床から漬け込み材料を分離抽出して漬け込み材料を人手が汚れずに取り出すことができ、連通仕切板を境界に糠床が上下に移動するので糠床の全域で嫌気性細菌と好気性細菌のバランスを適度に保つことができるため、良好な漬けものを得ることができる。またこの移動の工程途中には連通仕切板を通過しなければならないため糠などの調味材料は一時的に細分化されそしてまた集めることにより攪拌工程が行われることができるため、良好な漬けものを得ることができる。
【0014】
本発明の請求項2記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と上方隔壁膨縮部材とを蓋部材で構成して、前記下方隔壁膨縮部材と下方気圧調整室と下方糠床収容部とを本体として、前記蓋部材を本体に開閉自在とし、前記蓋部材を閉じたとき前記蓋部材と本体とで上方糠床収容部を形成しているので、前記上方糠床収容部は気圧調整が可能となるような気圧調整管や糠床や漬け込み材料が配置する空間が形成され、上記の効果に加えて、漬け込み材料を人手が汚れずに簡単に取り出すことができる。
【0015】
また、本発明の請求項3記載の糠漬け装置は、上方気圧調整室と下方気圧調整室との少なくとも一方にそれぞれの中央部位に上方気圧調整補助室または下方気圧調整補助室を設けて、上方隔壁膨縮部材または下方隔壁膨縮部材を上方気圧調整室と下方気圧調整室とのそれぞれの中央部位の内壁面に吸着させる吸着手段を設けているので、上記の効果に加えて、糠床を連通仕切板の上方に収容させる時に、上方気圧調整室を正圧にしかつ下方気圧調整室を負圧にしかつ吸着手段を正圧にすることにより上方隔壁膨縮部材が外周から糠床を押さえつけ漬け込み材料の上にも充分な糠床が被いかぶさり良好な漬けものを得ることができ、下方気圧調整室においても同様な作用効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の糠漬け装置の実施形態を以下、図面に基づいて説明する。
【0017】
(第1実施例)
図1乃至図10において、蓋部材1には上方気圧調整室Aとゴム材またはジャバラ形状で空気を通さないシートでできた上方隔壁膨縮部材2が設けられている。蓋部材1の前端にはロック錠3が、後端には蝶番金具11がそれぞれ設けられている。上方気圧調整室Aには気圧調整管10が接続されており、気圧調整管10は電磁弁(図示せず)により気圧を高めて上方隔壁膨縮部材2を膨張させるよう構成されている。気圧調整管10はワンタッチジョイントを使用することにより簡単に蓋部材1と分解ができる。
【0018】
本体7には下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cが設けられており、下方気圧調整室Dと下方糠床収容部Cとはゴム材またはジャバラ形状で空気を通さないシートでできた下方隔壁膨縮部材6とで分離している。さらに、下方隔壁膨縮部材6の上方には糠床8が通過可能な連通仕切板4が設けられている。連通仕切板4の上方において、蓋部材1を閉じたとき前記蓋部材1と本体7とで上方糠床収容部Bを形成される。上方糠床収容部Bは気圧調整が可能となるような気圧調整管12や糠床8や漬け込み材料9が配置する空間が形成され、気圧調整管12は電磁弁(図示せず)により上方糠床収腰部Bの気圧を高めることができる構造にしている。また、下方気圧調整室Dには気圧調整管13が接続されており、気圧調整管13は電磁弁(図示せず)により気圧を高めて下方隔壁膨縮部材6を膨張させるよう構成されている。気圧調整管12及び13はワンタッチジョイントを使用することにより簡単に本体7と分解ができる。
【0019】
さらに、本体7の前端において蓋部材1のロック錠3と嵌合し、後端において蓋部材1の蝶番金具11で開閉の枢軸が設けられている。このように前記蓋部材1を本体7に開閉自在とできるようにするとともに前端と後端に締結金具5、5が設けられており、蓋部材
1と本体7とは開閉および締結が自在に行われる構造になっている。また、蓋部材1と本体7との間には負圧および正圧の圧力の変動を逃がさないようにパッキン16が外周に設けられている。なお、蝶番金具11を分解のしやすい抜き差しタイプを使用することにより、各部部品が簡単に分解でき、洗浄作業を至極簡単に行なうことができる。
【0020】
本発明の実施形態1は上記の構成であり、以下、糠漬け装置の使用手順を説明する。
【0021】
先ず、漬け込み材料9をつけこむ場合は、漬け込み開始スイッチ(図示せず)を押すことにより、表示灯(図示せず)が点灯するとともに電磁弁(図示せず)が作動して本体7の下方糠床収容部Cの気圧を大気圧にする。
【0022】
次に、電磁弁が作動して下方気圧調整室Dの気圧を正圧にして下方隔壁膨縮部材6を変形させ連通仕切板4に密着させる。次に電磁弁が作動して上方気圧調整室Aの気圧を負圧にして上方隔壁膨縮部材2を変形させ上方気圧調整室Aに密着させて糠床8および漬け込み材料9を設置できる空間を確保して上方糠床収容部Bが形成される。上記の工程が終了すると準備完了表示灯が点灯する。
【0023】
次に、準備完了表示灯が点灯すると作業者はロック錠3を解錠し上方糠床収容部Bを展開し連通仕切板4の上に糠床8と漬け込み材料9とをセットする。連通仕切板4には糠床が通過自在な細孔を有するが下方隔壁膨縮部材6が下から押し上げられているので糠床8と漬け込み材料9は連通仕切板4の上に保持されている(図1参照)。
【0024】
次に、作業者は蓋部材1を所定の位置まで下げ締結金具5、5を施錠する。この状態で上方糠床収容部Bは圧力の調整を電磁弁にて制御されることになる。次に作業者は漬け込み開始スイッチを押す。電磁弁が作動し上方糠床収容部B内の圧力が正圧になり上方隔壁膨縮部材2はふくらみはじめ糠床8と漬け込み材料9を包み込む。この状態の糠床8と漬け込み材料9を以下、包合対と表現する。この状態で糠床8と漬け込み材料9とは密着する。包み込みが完了した後、電磁弁が作動し上方気圧調整室A内の圧力が大気圧になり上方隔壁膨縮部材2は糠床8と漬け込み材料9から分離して上方に位置する。この状態で糠床8と漬け込み材料9は包合対の状態を保ち糠床8の乳酸菌等の作用により糠漬け9の漬け込み状態を維持する(図2参照)。
【0025】
次に、包合対を分離する方法を説明する。タイマー(図示せず)によって設定された時間が経過すると、電磁弁が作動し下方気圧調整室Dの圧力が負圧になり下方隔壁膨縮部材6は下方気圧調整室Dの壁面に吸い寄せられ連通仕切板4の下方に空間ができる(図3参照)。
【0026】
次に、電磁弁が作動し上方気圧調整室Aの圧力が正圧になり上方隔壁膨縮部材2は下方にふくらみ、包合対を包み込み、終いには、包合対を連通仕切板4の下方に移動させようとする力を働かせる(図4参照)。
【0027】
そして固形物である漬け込み材料9は連通仕切板4の上に残り、粘性物である糠床8は連通仕切板4の下に移動させられて、下方隔壁膨縮部材6の上に落下する(図5参照)。この工程の途中で糠床8は連通仕切板4によって細分化され表面積が増え空気に接触することにより乳酸菌等の活性化が促進される。
【0028】
次に、分離された糠床8と漬け込み材料9をもう一度包合対の状態に戻す方法を説明する。電磁弁(図示せず)が作動し上方気圧調整室Aの圧力が負圧になり上方隔壁膨縮部材2は上方気圧調整室Aの内壁面に吸い寄せられ連通仕切板4の上方に空間ができる(図6参照)。
【0029】
次に、電磁弁が作動し下方気圧調整室Dの圧力が正圧になり下方隔壁膨縮部材6は上方にふくらみ、糠床8を包み込み、終いには、糠床8を連通仕切板4の上方に移動させようとする力を働かせる(図7参照)。粘性物である糠床8は連通仕切板4の上に移動させられてしまい連通仕切板4の上に設置される。連通仕切板4の上には漬け込み材料9が残っていたので、糠床8と漬け込み材料9は連通仕切板4の上に設置されたことになる(図8参照)。
【0030】
次に、電磁弁が作動し上方気圧調整室Aの圧力が正圧になり上方隔壁膨縮部材2は膨らみ始め糠床8と漬け込み材料9を包み込む。よって糠床8と漬け込み材料9はもう一度包合対の状態に置かれる(図9参照)。
【0031】
以上の作業をタイマー(図示せず)によって設定された時間で繰り返して、電磁弁が作動し上方気圧調整室Aの圧力が負圧になり上方隔壁膨縮部材2は上方気圧調整室Aの内壁面に吸い寄せられ連通仕切板4の上方に空間ができた状態で糠漬けが出来上がる。そして、締結部材5、5を外し、ロック錠3を解錠して蓋部材1を開いて糠漬けが出来上がった漬け込み材料9を取り出す(図10参照)。この場合。漬け込み材料9はほとんど糠床が付着していない状態で作業者は取り出すことが可能となる。
【0032】
(実施形態2)
図11において、上方気圧調整室Aの中央部位に気圧調整補助室14を設けて、上方隔壁膨縮部材2が上方気圧調整室Aの中央部位の内壁面に吸着される気圧調整管からなる吸着手段15が設けられている。この場合、図示しないが、上方気圧調整室Aに代えて下方気圧調整室Dにも同様に下方気圧調整室Dの中央部位に気圧調整補助室を設けて、下方隔壁膨縮部材6が下方気圧調整室Dの中央部位の内壁面吸着される気圧調整管からなる吸着手段が設けられるようにしてもよく、上方気圧調整室Aと下方気圧調整室Dとの双方に吸着手段を設けてもよい。なお、その他の構成は実施形態1と同じである。
【0033】
上記実施形態2の糠漬け装置の使用手順を以下、説明する。
【0034】
先ず、電磁弁(図示せず)が作動し、上方気圧調整補助室14の圧力が負圧になり、かつ上方気圧調整室Aの圧力が正圧になることで上方隔壁膨縮部材2は外周部位が下方に膨張して中央部位は上方気圧調整補助室14に密着している。その後、電磁弁が作動し上方気圧調整補助室14が大気圧となり上方隔壁膨縮部材2は外周部位から糠床8と漬け込み材料9を包み込む。このように、上方気圧調整補助室14を設けることにより漬け込み材料9は糠床8に全周から包み込まれる。その他の手順は実施形態1と同様にタイマー(図示せず)によって設定された時間で繰り返される。
【0035】
以上、実施形態1および2において、タイマー(図示せず)によって設定された時間で、繰り返され、この繰り返しにより糠床8は充分な酸素を供給され乳酸菌の作用も活発になり、おいしい糠漬けが人手を汚すことなく自動で製作できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
スーパー等で市販されている糠漬けの消費期限を見ると、販売日の翌日あるいは明後日である。これらの市販されている糠漬けを販売日に食べてみるのだが、おいしくない。この原因は、製造者から消費者に届くまでの流通時間である。いくら流通を早くしても数時間あるいは1日という時間を費やしてしまう。販売日に食べてもおいしくないものが、翌日、明後日に食べておいしいはずがない。糠漬けは、食べる直前に糠床から取り出して食べるのが一番おいしい食べ方である。よって、おいしい糠漬けを食べるためには、消費者自身が糠漬けを製造する以外に方法はない。このような状況において、当該発明は、糠漬けを製造するにあたって作業者がいやがる作業をほとんど自動で作業でき、おいしい糠漬けを簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態の糠漬け装置の作業開始状態を示す断面図である。
【図2】同上糠漬け装置の漬け込み状態を示す断面図である。
【図3】同上糠漬け装置の攪拌状態1を示す断面図である。
【図4】同上糠漬け装置の攪拌状態2を示す断面図である。
【図5】同上糠漬け装置の攪拌状態3を示す断面図である。
【図6】同上糠漬け装置の攪拌状態4を示す断面図である。
【図7】同上糠漬け装置の攪拌状態5を示す断面図である。
【図8】同上糠漬け装置の攪拌状態6を示す断面図である。
【図9】同上糠漬け装置の攪拌状態7を示す断面図である。
【図10】同上糠漬け装置の取り出し作業状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の糠漬け装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 蓋部材
2 上方隔壁膨縮部材
3 ロック錠
4 連通仕切板
5 締結金具
6 下方隔壁膨縮部材
7 本体
8 糠床
9 漬け込み材料
10 気圧調整管
11 蝶番金具
12 気圧調整管
13 気圧調整管
14 気圧調整補助室
15 気圧調整管
16 パッキン
A 上方気圧調整室
B 上方糠床収容部
C 下方糠床収容部
D 下方気圧調整室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方気圧調整室と上方糠床収容部とを上方隔壁膨縮部材で隔離し、下方気圧調整室と下方糠床収容部とを下方隔壁膨縮部材で隔離し、上方糠床収容部と下方糠床収容部とを糠床が通過自在な連通仕切板を設けたことを特徴とする糠漬け装置。
【請求項2】
上方気圧調整室と上方隔壁膨縮部材とを蓋部材で構成して、前記下方隔壁膨縮部材と下方気圧調整室と下方糠床収容部とを本体として、前記蓋部材を本体に開閉自在とし、前記蓋部材を閉じたとき前記蓋部材と本体とで上方糠床収容部を形成したことを特徴とする請求項1記載の糠漬け装置。
【請求項3】
上方気圧調整室と下方気圧調整室との少なくとも一方にそれぞれの中央部位に上方気圧調整補助室または下方気圧調整補助室を設けて、上方隔壁膨縮部材または下方隔壁膨縮部材を上方気圧調整室と下方気圧調整室とのそれぞれの中央部位の内壁面に吸着させる吸着手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の糠漬け装置。
【請求項1】
上方気圧調整室と上方糠床収容部とを上方隔壁膨縮部材で隔離し、下方気圧調整室と下方糠床収容部とを下方隔壁膨縮部材で隔離し、上方糠床収容部と下方糠床収容部とを糠床が通過自在な連通仕切板を設けたことを特徴とする糠漬け装置。
【請求項2】
上方気圧調整室と上方隔壁膨縮部材とを蓋部材で構成して、前記下方隔壁膨縮部材と下方気圧調整室と下方糠床収容部とを本体として、前記蓋部材を本体に開閉自在とし、前記蓋部材を閉じたとき前記蓋部材と本体とで上方糠床収容部を形成したことを特徴とする請求項1記載の糠漬け装置。
【請求項3】
上方気圧調整室と下方気圧調整室との少なくとも一方にそれぞれの中央部位に上方気圧調整補助室または下方気圧調整補助室を設けて、上方隔壁膨縮部材または下方隔壁膨縮部材を上方気圧調整室と下方気圧調整室とのそれぞれの中央部位の内壁面に吸着させる吸着手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の糠漬け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−289406(P2008−289406A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137394(P2007−137394)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(302037858)
【出願人】(302037869)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(302037858)
【出願人】(302037869)
【Fターム(参考)】
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